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南澤 良彦(みなみざわ よしひこ) データ更新日:2023.11.22



主な研究テーマ
中国古代中世思想
キーワード:儒教, 天文暦法, 祭祀
1998.04.
研究業績
主要著書
1. 南澤良彦、川原秀城、井ノ口哲也、平澤歩、田中良明、古橋紀宏、池田恭哉、木下鉄矢、水上雅晴、陳捷、新居洋子、渡辺純成、志野好伸, 漢学とは何か:漢唐および清中後期の学術世界, 勉誠出版, 総ページ数 :256, 2020.07, 本書における担当箇所は、「明堂に見る伝統と革新 ー南北朝における漢学」である。本章のアブストラクトは次の通りである。明堂は前近代中国において最も重要とされた礼制建築の一つである。高邁な理想が掲げられ、具体的な構造や数値が記された文献が少なからずありながら、文献間の矛盾や建築技術の問題等により、その実現には様様な困難が伴い、礼学上も最大の争点の一つとなった。本論文では、思想と科学技術が複雑に絡み合った明堂に見える、伝統と革新における南北朝の興味深いねじれ現象に着目し、南北朝・隋唐時代における漢学の諸相を考察した。.
2. Minamizawa Yoshihiko, Chien Iching, Soon-woo, Deng Hongbo, Martin Gehlmann, Vladimir Glomb, Lan Jun, Lee Byoung-Hoon, Eun-Jeung Lee, Thomas H.C. Lee, Margaret Dorothea Mehl, Steven B. Miles, Hoyt Cleveland Tillman, Nguyen Tuan-Cuong, Linda Walton., Confucian Academies in East Asia (Science and Religion in East Asia vol.3), Brill Academic Publisher, 総ページ数:506, 2020.04, 本書における担当箇所は、“An Enquiry into the Origins of Confucian Academies and the Mingtang in the Tang Period”の章である。本章は、唐の玄宗の書院構想が、単なる図書館から、万巻の書籍と多分野にわたる最高水準の知識人が蝟集し、学問研究や科学技術、宗教、芸術、娯楽等が自由に行われる総合文化空間へと発展した要因と経緯を解明した論考である。これは、明堂や天文暦法等の、従来の書院研究が十分にフォローしてこなかった周辺領域に注目し、書院の淵源と展開について、先行研究を補正し、新知見を示すもので、画期的な成果であると言えよう。.
3. 南澤良彦, 中国明堂思想研究 : 王朝をささえるコスモロジー, 岩波書店, 2018.02, 本書は、中国思想において重要なテーマである明堂研究について、先秦時代、両漢時代、魏晋時代、南北朝時代、隋唐時代、宋元明清時代の通史研究を中心に、朝鮮、琉球、日本への波及に関する章節を加え、明堂の位置、構造、祭祀の変遷、中国医学と風水思想の明堂観念にも言及した総合的研究である。.
4. 南澤 良彦, 森平 雅彦, 岩崎 義則, 高山 倫明, 東アジア世界の交流と変容, 九州大学出版会, 2011.04.
5. 南澤 良彦, 湯浅邦弘, 概説 中国思想史, ミネルヴァ書房, 2010.10.
主要原著論文
1. 南澤良彦, 江戸儒学と社会:武士の書院と『孔子家語』という観点から, 韓国書院学会報, 15, 507-537, 2022.12.
2. MINAMIZAWA Yoshihiko, Han Scholarship in the Northern and Southern Dynasties: Tradition and Innovation to Be Seen in the Ming-t‘ang, ACTA ASIATICA: Bulletin of the Institute of Eastern Culture, 120, 25-49, 2021.02, 明堂は前近代中国において最も重要とされた礼制建築の一つである。高邁な理想が掲げられ、具体的な構造や数値が記された文献が少なからずありながら、文献間の矛盾や建築技術の問題等により、その実現には様様な困難が伴い、礼学上も最大の争点の一つとなった。本論文では、思想と科学技術が複雑に絡み合った明堂に見える、伝統と革新における南北朝の興味深いねじれ現象に着目し、南北朝時代における漢学の諸相を考察した。.
3. 南澤良彦, 漢代の明堂と五帝, 中国哲学論集, 42, 21-43, 2016.12, 本論文は、明堂が元来備える性質を確認し、次に、前漢時代に武帝と王莽とが建てた明堂を詳細に検討し、後漢時代の明堂と明堂論とを精密に分析して、拡大する儒教の教義、知識の中で、明堂の教義、知識が如何に発展したのかを概観し、明堂の本質と多元性とを解明するものである。.
4. 南澤 良彦, 南朝明堂研究, 中國經學, 8, 127-149, 2011.06.
5. 南澤 良彦, 南朝陵墓と王權:王者を生む墓について
, 六朝道教の研究, 215-235, 1998.02.
6. 南澤 良彦, 試論漢唐將作大匠:中国古代的科學技術與官僚制, 第七屆中日學者中國古代史論壇論文集, 202-232, 2016.04.
7. 南澤 良彦, 謝莊《春秋左氏經傳圖》, 古典學集刊, 1, 368-381, 2015.05.
8. 南澤 良彦, 《说文解字》在日本, 许慎文化研究(二)第届 许慎文化国 际研讨会论文集, 99-112, 2015.02.
9. 南澤 良彦, 北朝隋唐明堂研究, 中國經學, 11, 97-130, 2013.06.
10. 南澤 良彦, 中國與日本《孔子家語》的流傳與評價初探, 二零一二東亞儒學國際學術研討會論文集, 1-29, 2012.09.
11. 南澤 良彦, 裴頠《一屋之論》與南朝北朝之明堂, 首屆禮學國際學術研討會論文集, 150-162, 2012.04.
12. 南澤 良彦, 唐代の将作大匠:中国中世官僚制における科学技術, 中国哲学論集, 41, 26-46, 2015.12.
13. 南澤 良彦, 魏晋南北朝時代の将作大匠と儒教 : 中国中世の科学技術と官僚制, 哲学年報, 74, 17-50, 2015.03.
14. 南澤 良彦, 漢代の将作大匠と儒教 : 中国古代の科学技術と官僚制, 中国哲学論集, 39, 1-23, 2013.12.
15. 南澤 良彦, 日本に於ける『孔子家語』の受容 ──德川時代を中心として──, 日本中国学会報, 65, 2013.10, 『孔子家語』は、中国に於いては夙に王肅偽作説が唱えられ、清朝中期以降は、考証学者達の王肅偽作の証拠を血眼になって搜すネガティヴな研究が喝采を博した。これに対し、日本に於いては王肅偽作説は伝来したものの主流にならず、清朝と同時期の徳川時代に『孔子家語』は『論語』の対偶乃至は補完としてよく読まれ、優れたポジティヴな研究の成果が輩出した。本論考は、徳川時代に於ける『孔子家語』研究に窺える思想の解明を先に見据えつつその前段階として、前近代日本に於ける『孔子家語』受容の特質を、徳川時代を中心として概観しようとするものである。.
16. 南澤 良彦, 『孔子家語』の流伝と評価との再検討, 九州中国学会報, 51, 1-15, 2013.05.
17. 南澤 良彦, 魏晉の明堂改制論と王肅の五帝説, 中國思想史研究, 34, 106-126, 2013.03.
18. 南澤 良彦, 魯班研究序説, 哲學年報, 72, 29-48, 2013.03.
19. 南澤良彦, 裴{危頁}「一屋之論」と南朝北朝の明堂, 哲学年報, 71, 2012.03, 裴{危頁}「一屋之論」は南朝の明堂の基本方針となったが、北朝からは従来の明堂観を逸脱する異説であり、しばしば南朝の明堂を批判する材料となった。本論文は裴{危頁}「一屋之論」を詳細に検討するとともにそれが南朝・北朝の明堂に与えた影響を考察し、南朝・北朝の明堂観ーひいては儒教の特質を解明する。.
20. 南澤良彦, 北魏と隋の明堂, 哲学年報, 70, 133-165, 2011.03.
21. 南澤良彦, 唐代の明堂, 中国哲学論集, 36, 1-27, 2010.12.
22. 南澤良彦, 南朝齊梁時代の明堂, 哲学年報, 69, 205-224, 2010.03.
23. 南澤良彦, 元嘉暦と戊寅暦とにおける定朔平朔論議, 中国思想史研究, 30, 1-28, 2009.06.
24. 南澤良彦, 謝莊の『春秋左氏經傳圖』, 哲学年報, 67,77-95p, 2008.03.
25. 南澤良彦, 南朝宋時代における明堂創建と謝莊の明堂歌, 中国哲学論集, 33,1-22p, 2007.12.
26. 南澤良彦, 蔡ヨウの学問と思想ー律暦と明堂とについてー
, 中国哲学論集 , 28・29,27-39 , 2003.10.
27. 南澤 良彦, 王粛の災異思想, 中国思想史研究, 19, 81-97, 19,81-97, 1996.12.
28. 南澤良彦, 張衡の巧思と「応間」, 日本中国学会報, 48集, 1996.10.
29. 南澤良彦, 張衡の宇宙論とその政治的側面, 東方学, 89輯, 1995.01.
30. 南澤良彦, 『帝王世紀』の成立とその意義, 日本中国学会報, 44集、, 1992.10.
31. 南澤良彦, 王粛の政治思想
, 中国思想史研究, 10,37-62pp, 1987.12.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 南澤 良彦, 柴田篤, 近藤則之, 竹元規人, 連清吉, 学界展望(哲学), 日本中國學會報66, 2014.10, 2013年1月1日から2013年12月31日までに出版された中国哲学関係の著書について、要約し、短評を行った。総記の一部と魏晉南北朝・隋唐時代を担当した。総記では、1冊の著書を、魏晉南北朝・隋唐時代では、儒学・経学関係から3冊、歴史学関係から2冊、仏教関係から4冊取り上げた。.
主要学会発表等
1. 南澤良彦, 江戶儒學と社會 -武士の書院と『孔子家語』という觀點から-, 第9回 東亞書院 國際學術大會, 2022.05, 近世東アジア世界において普遍的な現象である科挙の実施と書院の発達は相互に関連し合っているが、日本では科挙が実施されなかったにもかかわらず、江戸時代において書院に相当する高等教育機関である、藩学、私学等の発達を見た。本研究発表は、この日本特有の現象を、武士の書院と『孔子家語』という観点から考察したものである。.
2. 南澤良彦, 南北朝における漢学:明堂に見る伝統と革新, 第64回国際東方学者会議, 2019.05, [URL], 南北朝時代において、漢代の学術に対して、南朝と北朝はともにその正統的な継承者を自負したが、明堂は南朝と北朝とで顕著な相違を見せた。本研究は思想と科学技術が複雑に絡み合った明堂に見える、南北朝の興味深いねじれ現象に着目し、南北朝時代における漢学の諸相を考察した。.
3. 南澤 良彦, 試論漢唐將作大匠:中國古代的科學技術與官僚制, 第七回日中学者中国古代史論壇, 2015.08, 本研究発表は、官僚制国家における科学技術の問題を、国家建築管掌の官僚機構の長官である将作大匠に収斂し、両漢、魏晋南北朝、唐代の各時代に於いて、将作大匠には如何なる人物が相応しいと認識されていたかを、出身や、学識、皇帝との関係等の観点から、多角的に分析し、将作大匠に対する観念の歴史的変遷と将作大匠固有の性質とを解明した。.
4. 南澤 良彦, 中國與日本《孔子家語》的流傳與評價初探, 二零一二東亞儒學國際學術研討會, 2012.09.
5. 南澤 良彦, 裴頠《一屋之論》與南朝北朝之明堂, 首届禮學國際學術研討會, 2012.04, 西晉の裴頠は《崇有論》で有名だが、明堂に対しても独特の見解を有する。それは東晉南朝の正史には少量の記載しかないが、北朝隋唐時代における明堂制度を論じる際にしばしば言及される。北人は裴頠の明堂論を“一屋之論”と称し、南朝明堂の根拠と認識しており、其の荒唐無稽さを批判することによって北人の建てた明堂の正統性を誇示しようとした。南北朝隋唐時代の明堂史及び経学史上において,裴頠の “一屋之論”は極めて重要な意義と価値とを有するのである。本発表では、南北朝隋唐時代の明堂を理解するために、南朝明堂が確かに裴頠の “一屋之論”の範疇に属するのか否かを正確に見極め、北人がそれに対して行なった批判を精密に分析した。.
6. 南澤良彦, 北朝隋唐明堂研究, 首屆「中華經學」國際暨第三屆「全國經學」學術研討會, 2010.10, 中国北朝隋唐期における明堂について思想史的見地から研究を行い、これを発表した。明堂とは中国前近代における極めて重要な儀礼性建築であり、北朝隋唐期のそれは極めて大きな特徴を有する。具体的に言えば、明堂は正統王朝の証であり、逆に北朝は異民族による征服王朝であるから、北朝王朝が建立した明堂には甚だ過剰な正統性誇示の装飾が施されている。隋唐は北朝の流れをくむ王朝であり、やはり明堂建立に際して正統性を強調することに余念がなかった。本研究においてこれらの事柄を思想史的に研究したことは極めて有意義である。.
7. 南澤良彦, 南朝明堂研究, 第三届中國經學国際學術研討會, 2009.11.
学会活動
所属学会名
日本中国学会
東方学会
日本道教学会
中国社会文化学会
九州中国学会
学協会役員等への就任
2022.04, 日本中国学会, 評議員.
2021.06, 東方学会, 学術委員.
2015.04, 東方学会, 地区委員.
2015.04~2017.03, 日本中国学会, 出版委員.
2011.05~2020.03, 九州中国学会, 理事.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2018.05.13~2018.05.13, 九州中国学会第66回大会, 司会.
2014.05.10~2017.05.11, 九州中国学会62回大会, 司会(Moderator).
2014.10.11~2014.10.12, 日本中国学会第66回大会, 司会(Moderator).
2011.10.08~2011.10.09, 日本中国学会63回大会, 司会(Moderator).
2008.05.10~2008.05.11, 九州中国学会, 発表司会.
2006.05, 九州中国学会, 研究発表司会.
学会誌・雑誌・著書の編集への参加状況
2015.04, 中国哲学論集, 国内, 編集委員長.
2014.04~2017.03, 九州中国学会報, 国内, 編集委員長.
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
ベルリン自由大学, Germany, 2017.05~2017.05.
西北大学, China, 2011.11~2011.11.
香港大學, Hong Kong , 2012.11~2012.12.
外国人研究者等の受入れ状況
2019.10~2020.09, 1ヶ月以上, 杭州師範大学, China, 外国政府・外国研究機関・国際機関.
2016.02~2016.07, 1ヶ月以上, 杭州師範大学, China, 外国政府・外国研究機関・国際機関.
受賞
東方学会賞, 東方学会, 1995.11.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2020年度~2022年度, 基盤研究(C), 代表, 漢唐国家祭祀の神神―五帝を中心として.
2015年度~2017年度, 基盤研究(C), 代表, 漢から唐に至る太史令を中心とする科学技術と儒仏道三教との関係に関する基礎研究.
2011年度~2014年度, 基盤研究(C), 代表, 先秦から隋唐に至る天文暦法を中心とした科学技術の社会思想的研究.
2005年度~2006年度, 萌芽研究, 代表, 『古史辨』疑古派の成果についての基礎的研究.
2002年度~2004年度, 基盤研究(B), 分担, 六朝隋唐精神史の研究.

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