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江口 厚仁(えぐち あつひと) データ更新日:2024.04.19

教授 /  法学研究院 基礎法学部門 法文化学


大学院(学府)担当

学部担当

法学部 基礎法学 法文化学 法社会学


ホームページ
https://kyushu-u.elsevierpure.com/ja/persons/atsuhito-eguchi
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就職実績-民間機関等
就職実績有, 1982-84 私立高等学校社会科教諭
取得学位
法学修士
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
法社会学
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年00ヶ月
活動概要
1.研究活動
 主要テーマは現代法システムの記述/分析に向けた新たな「方法論」や「基礎理論的枠組み」の考察である。いわゆる「社会的現実問題」への実践的応答という点での力不足は自覚しつつも、社会科学の方法論全般が「ゆらぎ」をみせ、従来の方法論や概念がそのままでは通用しなくなりつつある現在、法理論・法社会学理論の方法論的再検討を抜きに先には進めないこともまた事実であり、引き続き理論・実証の両面から一切の「自明性の構造」を徹底的に洗い直し、法現象のリアルな記述・分析に向けて取り組んでいきたいと考えている。最近の関心は、法システムと隣接諸領域(市場・倫理・科学技術・教育・福祉医療など)との構造的カップリングの実態と、代替的なカップリング形式の模索、およびそこに出現してくるギャップやトラブルに対応するリスク・マネジメントとして、いかなる技法・制度を構想すべきか、という点に向いている。


2.教育活動
 学士課程教育は「法社会学講義」「法社会学演習」「法文化学基礎」「高年次基幹教育科目(法文化学入門・現代社会III)」「教職科目(社会科・公民科指導法)」等を担当している。「法社会学講義」では法社会学説史と法学方法論争を縦糸に、現代社会学理論の新た理論動向を横糸に、現代日本のさまざまな法現象を解読することをつうじて、法の「社会学的観察」の醍醐味を伝えたいと心掛けているつもりだが、実定法解釈学とはアプローチを異にする学問分野であるため、そうした方法になじみが薄い学生諸君への配慮は十分であったか、彼/彼女らがより親近感を持てる生資料やヴィジュアル情報を加味した講義の組み立てはできないかなど、学生諸君のニーズ・要望をふまえつつ、今後とも継続的に点検・改善を進めてゆきたい。また「法社会学演習」については、例年、元気のよい学生諸君の参加を得て、議論も大いに盛り上がっている。ここ数年は「法と応用倫理学」という共通テーマの下に、生命倫理・生殖医療・ジェンダー/セクシュアリティ・情報倫理・環境倫理・法曹倫理・戦争責任・ユースカルチャーなど多彩なテーマをめぐって議論が進行中である。低年次教育である「法文化学」や「現代社会」においては、基礎法学および社会科学全般の入門的知識を伝えようと、なるだけリアルな社会現象を取り上げつつ、実はかなりハイレベルな方法論的問いをめぐって講義を行っている。
 修士・博士課程教育では、研究者コース向けには「法社会学研究」、専修コース向けには「現代法理論特講」を開講している。前者は金曜日の午後に定例化して外国語テクストを講読、後者では社会人学生等も交えて、法政策学・法と経済学・公共選択論・集合行動論・現代組織論などの基礎文献を適宜取り上げて検討している。


3.学内活動・学外活動
 学内委員等については、学部教務/全学教育関係の仕事(過去15年以上にわたって法学部学務委員長を拝命してきた)に加え、H26年度から30年度までは法学研究院副院長を担うなど多忙な日々を送ってきたが、現在はこれらの職務を退き、本来の教育研究活動に専念できる環境を提供していただいている。学外活動については、もっぱら草の根レベルであれこれと「参与観察」もどきを行ってきたが、(ここ数年、新型コロナ禍の影響で対面的コミュニケーションに大きな制約がかかっていたことも加わり)全体に研究調査のための時間的/社会的条件が劣化していることが悩みの種である。何事も計画性を持ってあたるべし、という当たり前の(しかし最も苦手とする)生活作法の修得が、これまでにも増して望まれるところである。

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