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データ更新日:2011.5.27
大津 幸男
(おおつ ゆきお)
大学院(学府)担当学部担当取得学位理学博士
専門分野微分幾何学
活動概要距離空間の個数一定の点の順序付きの集合をネットと呼ぶ,明らかにネット全体はその空間のその個数の直積と同一視される.コンパクト距離空間のなす空間,あるいはその適当な部分集合(以下モジュライ空間)はグロモフ $\cdot$ハウスドル距離により距離空間になるが,各空間とその上のネットの組み全体を考えると,元のモジュライ空間上のファイバー空間のようなものとみることが出来る.
各ネットに対してその二点間の距離から定まる行列でユークリッド空間への写像を作ることでネットの距離構造を表現することを考え,これを基に個々の空間の幾何構造とモジュライ空間の構造を同時に調べることが最近の研究の方針である,特にリーマン多様体の一般化であるアレクサンドルフ空間のモジュライ空間の場合に重点的に調べている. まず,ナイーブに上の写像の像やファイバーの構造,及び,球面定理との関連について調べたが,上の写像はハウスドルフ距離との相性は良いが,解析的には取り扱い辛ことがわかってきたので,この写像から距離構造の局所的なデータを取り出す別な(ユークリッド空間への)写像の導入を試みた.このようものは一意的に決まるわけではないが,リーマン多様体のラプラシアンとの類似により離散ラプラシアンを定義し,それがそのようなものになるであろうと予測し,ネットの個数が無限に発散するときの離散ラプラシアンの統計的な挙動を調べる手法を導入した. これにより(適当な意味で)離散ラプラシアン(の固有値 $\cdot$ 固有ベクトル)がネットの取り方によらないある極限に確率収束することを示し,さらにこの極限は桑江$\cdot$ 町頭 $\cdot$ 塩谷によるラプラシアンとある意味で一致することを示した. 更に,離散ラプラシアンが全ての空間を一度にユークリッド空間へ移すことから,空間と共にその像がどう変化するか,つまり,モジュライ空間のラプラシアンに対応した構造を調べた. 以上からより一般の作用素についても,それがうまく選ばれているならば,その離散化から新しい対象(極限)が構成され,同時にモジュライ空間の新たな構造が定ると予想される.そのような作用素のクラスを探し,それを基に対応する構造を解析し,そしてそのリーマン幾何への応用を探るのが今後の目標である. |
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