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野村 清英(のむら きよひで) データ更新日:2023.11.22

准教授 /  理学研究院 物理学部門 物性基礎論 統計物理学


大学院(学府)担当



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就職実績-他大学
就職実績有, 筑波大学物理学系 文部技官 (1990-1991),
東京工業大学 助手(理学部物理学科)(1991-1997)
取得学位
理学博士
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
物理学 物性理論 低次元量子系
ORCID(Open Researcher and Contributor ID)
0000-0001-8469-078X
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年10ヶ月
活動概要
電子系、量子スピン系などの低次元量子多体系の問題を、場の理論的側面から
研究している。

ここ数年の研究テーマは、超弦理論の発展過程で生まれた2次元共形場の理論
を、1次元量子系や2次元古典系の臨界現象に応用することである。特に深く
堀下げたのは、共形場理論でコンフォーマルアノマリー c=1 のモデル(物性
論では、朝永・ラッティンジャー流体に対応)で、対数補正の出る場合である。
この場合、厳密には共形不変性が成り立たなくなるが、臨界固定点から離れた
off-critical の現象に関しても、演算子積展開(OPE) から繰り込み群方程式
を導け、また励起スペクトルの構造についても議論できる。従来、共形場理論
では off-critical の問題は十分には調べられておらず、Kac-Moody 代数と繰
り込み群を使って対数補正を議論する場合も、SU(2) 対称性を前提としていた
ため、対称性を弱く崩した場合の研究が不十分であった。c=1 共形場理論での
対数補正は、物性理論での Berezinskii-Kosterlitz-Thouless (BKT) 転移や、
1次元電子系のモット転移と関係する。

従来、BKT 転移は相関関数の発散が極めて緩やかで、また対数補正があるため
数値的に相転移点を求め、ユニバーサリティクラスを決定するのが極めて困難
であった。これについて、対称性と繰り込み群の計算をすることで、これらの
困難を解決した(1995年の論文)。さらに境界条件をひねることで内在してい
た対称性を明らかにした(1998年の論文)。

この方法を量子スピン系での Haldane 問題と隠れた対称性、電子系でのスピ
ンギャップと相分離(これらは超伝導相関の増大につながる現象である)
等、長年未解決であったり、思い違いのあった問題を鮮やかに解決した(1996、
7年の1連の論文)。

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