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吉澤 一成(よしざわ かずなり) データ更新日:2018.06.25



大学院(学府)担当

学部担当

工学部 物質科学工学科 応用化学 量子化学、応用化学演習


電子メール
ホームページ
http://trout.scc.kyushu-u.ac.jp/yoshizawaJ/index.html
最近のナノテクノロジーや生命分子科学などの最先端科学分野において、量子力学に基づく理論計算への期待は高まっている。当研究室では量子化学の立場から、実験を行うことなく、分子や固体の電子構造や化学反応の研究を行っている。その研究対象は分子や固体の電子物性、酵素によって起こる生体内での化学反応である。ある物質が「何故そのような構造を持つのか?」「どのような電子物性を示すのか?」「どんな反応をするのか?」といった質問に答え、さらには望ましい性質を持つ物質を理論的に設計することが我々の主な研究である。当研究室では量子力学の原理に基づいて「分子と固体の電子物性」および「酵素化学反応」などの最先端の研究課題に取り組んでいる。 .
電話番号
092-802-2529
FAX番号
092-802-2528
就職実績-他大学
就職実績有, 京都大学助手 1995-1997年
京都大学助教授 1997-2001年
就職実績-民間機関等
就職実績有, NKK 1984-1988年
取得学位
博士(工学)
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
量子化学
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年00ヶ月
活動概要
1.分子デバイスに関する理論的研究
 低次元物質には特異な電子物性が現れる。1次元金属の不安定性(パイエルス転位)もその例である。1次元物質の鎖間相互作用あるいは2次元化合物の面間相互作用について2次摂動の観点から解析を行っている。その例として黒鉛の面間相互作用の解析がある。その研究では黒鉛の積層構造が何故いわゆるABAB型なのかについて考察した。最近、STMやAFMなどの測定手法を用い、いわゆる「単一分子」の物性観測が可能になりつつあり、近未来の分子デバイスを目指した研究が盛んになっている。現在、単一分子関連の物性理論研究を積極的に展開し、分子導線としての超ナローギャップポリマーの理論設計を行っている。
2.分子性超伝導に関する理論的研究
 最近、常識を打破るような超伝導性が多くの分子性固体に発現することが見い出されている。高い対称性を持つ分子は縮退した分子軌道を持つが、この縮退した軌道に部分的に電子が詰まると、分子構造は不安定になり一定の変形が起こる(ヤーン・テラー効果)。そのような例としてフラーレン、大環状炭素、縮合芳香族炭素等が挙げられる。金属や合金などの特長と考えられていた超伝導性が、ごく一般的な有機化合物にも普通に見られることが明らかになっている。これらの分子材料における電子状態と分子振動のカップリング機構(これを振電相互作用という)を解明し、その特異な超伝導性の解明を目指して研究を行っている。
 3.生体化学反応に関する理論的研究
 生体を維持制御しているのはさまざまな酵素であり、多くの場合その活性中心には鉄、銅、マンガン等の遷移金属が存在している。それら金属は困難な化学反応を生理的な条件下で繰り返し失敗なく行っている。例としてチトクロムP450やメタンモノオキシゲナーゼといった酸化酵素が挙げられるが、これらはアルカン類を容易にアルコールに変換する。メタン等の不活性アルカンの化学修飾は現代化学の目指す最重要課題のひとつであり、これらの反応機構が解明されれば、高性能人工触媒の開発も夢ではない。金属酵素のメカニズムを探るためには不安定中間体や遷移状態の情報を得ることが不可欠であるが、それらを実験から探ることは困難なことも多い。そこで生体内での化学反応を適切なモデルを用いて量子化学の立場から研究を行っている。
4.有機ケイ素化合物の構造と反応性に関する理論的研究
 有機ケイ素化合物はさまざまな化学反応の出発物質あるいは反応中間体として有用である。ケイ素は炭素と同族でありながらその反応性は大きく異なっており、有機ケイ素化合物の反応において、Woodward-Hoffmann則のような軌道対称性の議論が成り立つのかどうかについてはまだよく分かっていない。有機ケイ素化合物の反応性を探るため、その反応中間体や遷移状態を密度汎関数法などの手法を使って理論的に解析している。

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