九州大学 研究者情報
研究者情報 (研究者の方へ)入力に際してお困りですか?
基本情報 研究活動 教育活動 社会活動
南 博文(みなみ ひろふみ) データ更新日:2017.05.30

教授 /  人間環境学研究院 都市・建築学部門 計画環境系


大学院(学府)担当

統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 感性コミュニケーションコース

学部担当

教育学部 心理 人間環境心理学,環境行動学演習,コミュニティ心理学,キャリアディベロップメント論、卒業論文指導演習,卒業論文演習,実験I, 実験II, 教育心理学概説

その他の教育研究施設名

アジア総合政策センター ,


電子メール
ホームページ
http://
環境心理学研究室のホームページ(現在停止中) .
電話番号
092-642-3132
FAX番号
092-642-3132
取得学位
哲学博士
専門分野
心理学
活動概要
1.研究業績
 学問の出自としては発達心理学と環境心理学の「畑(フィールド)」で仕事をおこなってきたが、1994年に九州大学の教育学部で「人間環境心理学」を担当し始めて以来、人間と環境とのトランザクション(相互浸透・相互交流)の現象を具体的な生活の場において追及する人間環境学の構想にたずさわっている。
 発達心理学の領域では、子どもに焦点をあてながら、子どもを取り巻く身近な環境がどのように子どもを含む家族や地域社会の有機的なつながりを支え、コミュニティとしての発達を実現していくかを研究課題としている。また、生産活動の観点からは子どもと同様に社会の中核に居ない高齢者にも焦点を当て、「住まう」ことの本質について生涯発達・環境心理学の視点からアプローチしている。これらの成果は、「講座生涯発達心理学」全5巻(金子書房)の編集や日本発達心理学会の活動において展開してきた。より実践的な方向として、子どもの視点からのコミュニティの環境デザインに関わるアプローチである「子どもの参画」(ロジャー・ハート著)の翻訳出版に携わり、地域における子どもの遊び環境に関する研究と実践活動を進めている。2004年から、子どもという主体からみる地域環境のあり方とそれを支える「小さな居場所」がさまざまな地点(トポス)に発生していく様態をフィールドワークしていく「実践子ども学」を、九州大学ユーザーサイエンス機構の「子どもプロジェクト」の一環として取り組んでいる。
 環境心理学の領域では、大学院在学時代のクラーク大学での環境移行研究、1990年のカリフォルニア大学アーバイン分校でのエスノメソドロジーを始めとする社会文化的アプローチからの展開、2002年のニューヨーク市立大学での都市の精神分析の模索という3つの展開を経緯して、現在では「人間と環境との深いトランザクション」を捉える環境の深層心理学をめざしつつある。具体的には、建築学との融合的な研究を人間環境学会を拠点にして行い、その成果は、Environment and Behavior誌、MERA Jounal(人間・環境学会誌)などで発表してきた。1985年より日本と米国での環境行動学の国際的な共同研究を行い、その成果は2000年に米国のKluwer Academic/Plenum Publishers社より刊行された"Theoretical perspectives in environment-behavior research"に共同編集の形で公表された。また、環境行動学のフィールドが東アジアに移行しつつあるという認識の下に、2000年に第1回アジア太平洋環境行動学セミナーを九州大学において主催し、国内外の研究者とアジアにおける人間環境系の理論モデルを探索し始めている。現在所属する都市共生デザイン専攻において、韓国、中国、台湾、ベトナム等でのフィールド研究を行い、中心市街地に発生する「屋台」の生態や異種混交する都市における「社会的な場」の機構と発生をとらえる現地調査とその理論化をすすめており、これらの成果はリサーチコア「アジア都市研究」の定期公刊雑誌である「アジア都市研究(Journal of Asian Urban Studies)」で公表している。2002年よりニューヨークの9/11後の都市復興の過程をCity University of New York 大学院センターを拠点にして現地調査を行い、広島市における原爆投下後の長期的な変容を都市の無意識として理解する「都市の精神分析」の研究に従事している。2012年には、米国のフルブライト研究員として、ニューヨーク市に滞在し、コロンビア大学医学部地域精神医学研究室との連携によって、都市規模のトラウマ現象の長期的回復過程を研究している。2010年より統合新領域学府ユーザー感性学専攻の教員と複数分野の共同研究として「感性場の統合的理論の構築」の研究を行い、それを土台に2014年から2017年にかけて「身体知としての参与しつつの観察に関する基礎研究」を科学研究費研究(B)の代表として実施した。
2.教育活動
 九州大学においては1994年より学部の生涯発達心理学講座の人間環境心理学の科目を担当し、授業科目としては「人間環境心理学」「環境行動学」「コミュニティ心理学」「キャリアディベロップメント論」のそれぞれ講義と演習を担当してきた。また、教育心理学の他の教官と共同で「教育心理学入門」「教育心理学概説」「心理学実験I」「心理学実験II」を担当している。大学院においては、1998年度までの教育学研究科において「人間環境心理学」を、1998年度からの人間環境学研究科、そして2000年度からの人間環境学研究院において「環境心理学特論」「アメニティ心理学演習」「アーバンデザインセミナー」を担当している。また、2000年度からは、工学部建築学科の「景観へのアプローチ」を共同で担当している。2004年度から2008年度まで留学生センターJTW〔Japan in Today's World)コースにおいて英語の授業「Urban Psychology in Asia」を担当した。2008年度から発足した統合新領域学府ユーザー感性学専攻において、「感性コミュニケーション概説」「チャイルドライフスペシャリスト論」を担当している。
3.社会活動概要
 子どもの地域環境づくりにかかわる活動として、福岡市中央区において絵地図表現を用いた地域資源の発掘を進めるワークショップに関わり、国立夜須少年自然の家における文部省委託の親子リフレッシュプログラムの企画委員長としての活動を行ってきた。また現在では、箱崎地区を中心に小学校、商店街、区役所を結ぶ地域の連携活動を研究室の大学院生中心のベンチャー事業として進めつつある。都市環境デザインに関する活動として、広島市、東広島市、吹田市、福岡市、北九州市において、行政、市民のまちづくりセミナーや支援活動を行ってきた。また、2000年度より、九州大学の移転する福岡県糸島地区において、住民主体のまちづくり活動を行っている。2004年度から、福岡県の地域振興および子どもの環境づくりの事業として推進されている「筑後チルドレンズ・キャンパス」の活動において、専門委員会委員長としてプログラムの策定と地域における子どもの居場所のネットワーク化を行っている。2008年度より2011年まで福岡市における子どもの環境デザインに実践的に取り組むNPOの主催する「子どもにやさしいまちづくり」委員会委員をつとめた。現在は、ユーザー感性学専攻において市民活動と連携してCLCworks (子どもの生活を支援するワークショップ等の企画運営実施グループ)など多様な生活者の環境の調整とデザインを行う実践活動を後方支援している。

九大関連コンテンツ