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野村 一也(のむら かずや) データ更新日:2016.10.04

准教授 /  理学研究院 生物科学部門 情報生物学講座


大学院(学府)担当

学部担当



ホームページ
http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~nomura/index.html
糖鎖生物学を中心とした発生生物学研究のホームページです。有用なリンク集、ムービー、論文,ブログ風記事などがあります。 .
取得学位
理学博士
専門分野
糖鎖生物学、発生生物学
活動概要
 発生の過程を支えている機構を分子的に捉えれば生物の形づくりと分化は次の3つの機構を中心にして生じていることがわかる。1)母親由来の卵の中に受精前に設定される初期条件(様々な分子の空間的配置を含む)を作り上げる機構。2)細胞が自律的に分化を遂げていくことを可能にするゲノムを中心とした分化の機構。3)細胞が分化していく際に周囲と相互作用することで多細胞体制の中での適切な分化を遂げるようにする相互作用と信号伝達の機構。私はこの中の3番目の機構を研究の中心にすえて多細胞生物の分化と形態形成のメカニズムを理解しようと研究をすすめている。

 細胞間相互作用には細胞と細胞を接着させる分子の解析、細胞と細胞との間の相互作用をになう分子の研究が不可欠である。特に糖鎖は細胞のフロンティアともいえる細胞の最外層に存在している分子で、細胞接着をはじめとする様々な相互作用に重要な役割を果たしている。今話題のインフルエンザウイルスの感染も糖鎖を介しているし、エボラウイルスやエイズウイルス、あるいは肝炎ウイルスなど世の中に存在するほとんどすべてのウイルスは糖鎖を介して細胞に侵入する。高校の教科書で習った海綿の接着をはじめ、ヒトのリンパ球の血管との接着にも糖鎖が不可欠であることが知られている。また多くの糖鎖は細胞の癌化にともなって変化することが知られており、多くの腫瘍マーカーが糖鎖であることは、癌の治療へのヒントが糖鎖のなかに隠されているのではないかという期待をいだかせる事実である。

 私たちは、糖鎖の隠された機能をあきらかにするため、ゲノム解析やポストゲノム解析の花形であるモデル生物線虫C. elegansを用いて研究をすすめている。私たちの研究から細胞表面の糖鎖が細胞分裂の制御に重要な働きをしていることが判明し、糖鎖と細胞分裂の関係を明らかにする研究分野が新たに開拓されつつある。私たちは線虫を用いて全ての生物に共通する糖鎖の本質的な役割を明らかにして、医療の進歩に役立てていきたいと考えている。

 こうした目的のために、発生生物学と糖鎖生物学に関する様々な教育活動を行っており、またテレビやインターネットを通じた糖鎖に関するやさしい解説も頻繁に行っている。日本の糖鎖生物学は日本のお家芸とよばれ、世界を常にリードしつづけてきており、その中でも九州大学は優れた糖鎖の研究者が集う大学である。糖鎖生物学に研究を集中することは、ポストゲノムの時代で日本が世界をリードできる絶好のチャンスである。こうした21世紀をリードする糖鎖生物学の発展に寄与しようとする多くの学生、社会人の結集を願って教育、研究、社会活動をすすめている。

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