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松井 卓(まつい たく) データ更新日:2016.10.10

教授 /  数理学研究院 数学部門 数学


大学院(学府)担当

学部担当



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取得学位
理学博士
専門分野
数理物理
活動概要
量子スピン系の統計力学、場の量子論に関連した解析的な問題を研究してきた。
1 量子スピン系の基底状態の一意性と正エネルギー表現:
無限自由度の量子スピン系において、様々な境界条件から得られる基底状態が熱力学的極限で一致するか、基底状態全体はどのような記述が可能かという問題を考察した。
 最初に、1次元量子可解模型でもっとも簡単なXY 模型を考察した。XY模型では基底状態が2つある場合はフォック状態では表示出来ない。純粋基底状態の具体的記述をおこない、それらの完全性をしめした。(これは荒木不二洋との共著論文である。)この後、1990年に、量子イジング模型を含むあるクラスの模型では並進不変な基底状態は古典系のギッブス測度の純粋状態拡張で常に得られることをしめした。この研究では、Stochastic Ising Modelとある量子スピン系のハミルトニアンのユニタリー同値性を使っている。1996年になり1次元強磁性XXZ模型では並進不変な基底状態と量子群対称な境界条件からえられるKink Anti-Kink型の基底状態で全ての基底状態はつくされていることを証明した。
歴史的にみて、これは並進不変性の破れをともなった場合に基底状態の完全性を証明した最初の例である。
2 量子スピン系上のマルコフ半群とそのエルゴード性:
古典統計力学で、スピン系のギッブス測度の一意性が成立するための十分条件(相転移の非存在条件)としてDobrushin Shlossmanの条件がある。Stochastic Ising Modelの基本的結果を自然に量子力学に拡張することでこの問題の非可換化を考察した。
量子系では離散時間をパラメータとするマルコフ半群より連続時間のマルコフ半群(無限粒子系)のほうが考察しやすい。連続時間量子マルコフ半群にたいしDobrushin Shlossmanの条件に似た不変状態の一意性条件を得た。
3 時間に依存するポテンシャルをもつディラック方程式の散乱作用素にたいする指数公式:
量子化されたゲージ理論で、アノーマリー(anomaly)は通常ユークリッド化して経路積分で考察される。実時間でハミルルトン形式ではどうなるかを研究した。
その結果真空の持つカイラル電荷のシフトが対応することがわかった。このカイラル電荷のシフトは第一量子化された散乱作用素のあるフレドホルム指数で表わされる。散乱作用素の指数がユークリッド空間(を一点コンパクト化)のチァーン数と等しいことを示した。
4 無限自由度量子系の自己共役作用素のスペクトル測度の族についての極限定理の研究と統計力学への応用の研究を行った。特に1次元量子スピン系のギッブス状態で中心極限定理を初めて証明した。
5 無限自由度量子系の純粋状態で無限に多くmaximally entangled q-bitsを取り出せるための条件としてsplit inclusionが現れる
ことを示した。(これは R.F.Werner(Braunschwick) との共同研究である)
6 1次元量子スピン系の純粋状態の無限部分系でentangelment entropyの面積則が成立すると対応する部分系でsplit 性が成立する事を証明した。M.Hasting の結果を合わせると1次元系の基底状態の対称性の破れとスペクトルギャップに関係があることが分かる。
7多様体上の場の理論のentanglement entropyとsplit性の研究
8 Resovlent代数をもちいて格子上のボーズ粒子系の平衡状態と基底状態の数学的な性質を研究

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