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岩城 徹(いわき とおる) データ更新日:2019.12.04

教授 /  医学研究院 基礎医学部門 病態制御学


大学院(学府)担当

学部担当

その他の教育研究施設名



電子メール
ホームページ
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/neuropath/
神経病理学教室のウェブサイト。教官の部屋,研究紹介のページで活動の現況を随時アップデート中。 .
電話番号
092-642-5536
FAX番号
092-642-5540
就職実績-他大学
就職実績有, 岡山大学医学部附属病院脳神経外科医員、6/7/1982 - 3/30/1983
Albert Einstein College of Medicine of Yeshiva University, NY, USA, 4/24/1987 - 6/30/1987
College of Physicians & Surgeons of Columbia University, NY, USA, 8/1/1987 - 10/31/1989
取得学位
医学博士
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
医学、病理学、神経病理学、神経科学
外国での教育研究期間(通算)
02ヶ年07ヶ月
活動概要
神経病理学分野では神経疾患の病理形態学的研究を基盤とし、さらに生化学的および分子生物学的手法を加えて、その病態解析と治療法開発を目指している。主な研究対象は神経変性疾患(アルツハイマー病)、プリオン病、脳腫瘍である。久山町研究における認知症剖検症例の神経病理診断と臨床病理学的研究に取り組んでいる。
病院業務としては病理診断科・病理部で脳神経疾患の病理診断を担当している。

1)久山町認知症研究
 剖検による人体病理学的研究として病態機能内科学および衛生・公衆衛生学分野との共同プロジェクトとして久山町研究における認知症疾患の病理学的解析を行なっている。福岡県久山町では、1985年から65歳以上の高齢住民を対象に、世界で最も精度の高い認知症の疫学調査が進行中である。特徴として対象者の死因を原則として病理解剖にて詳細に検討していることにある(通算剖検率75%)。さらに認知症研究では全ての剖検症例について認知症疾患の病理診断を確定し、得られた神経病理所見と臨床疫学データを対応させ、それらをデータベース化することによって、病型分類ごとの危険因子の探索を行うための基盤を形成することを目標にしている。
 神経病理学分野では1986年から2016年まで31年間に実施された一般住民の病理解剖計1371例(認知症446例、32.5%)について脳病理所見をデータベース化した。これにより認知症病型のトレンドを明らかにした。認知症の病型別頻度ではアルツハイマー病(AD)の増加傾向が最も顕著で、さらに神経原線維変化型老年期認知症(SD-NFT)の増加が近年目立った。本研究によって得られた認知症に関する臨床病理学的所見の詳細なデータベースは危険因子を検討するための基盤形成として重要なものであり、さらにゲノム情報の蓄積を目指すことによって、様々な認知症疾患の危険因子の判定が行える。その成果の一つとして糖尿病(耐糖能異常)や脂質代謝異常がADの病理変化の危険因子となることを見いだした。
2)プリオン病
 初代教授の立石潤らにより、ヒトプリオン病の脳乳剤をマウス、ラット脳内に接種して、世界に先駆けて実験小動物における伝播実験に成功したのが1977年である。その後も継続して当教室からプリオン病の病態に関わる新しい知見を世界に向けて発信してきた。ヒトプリオン病脳の病理解析を担ってきた国内でも有数の施設であるという実績から、貴重な標本が数多く集積されているという強みがあり、日本人のプリオン病の特徴を明らかにするなど人体病理学的に貢献してきた。また、プリオン病治療のための基礎研究は、ペントサン硫酸やマラリア治療薬などいくつかの治療候補薬を同定し、臨床治療研究の足がかりとなった。プリオン病は感染性を有するという点で他の神経変性疾患と性質を異にするが、構成的に発現している正常蛋白の高次構造が変換され、難溶化した異常蛋白が蓄積し、神経細胞毒性を来すというコンフォメーション病の性格はアルツハイマー病など他の疾患群と相通じるものがある。モデルマウスが確立されているという点からも神経変性疾患の病態解明において有用な研究対象と言える。現在の研究テーマは、異常型プリオン蛋白の生化学的解析特にオリゴマー状態の蛋白解析方法の開発に従事している。高度に凝集しアミロイド形成した蛋白よりも、コンパクトに重合した蛋白のほうが神経細胞毒性が強いと考えられ、オリゴマー状態の簡便な検出法を確立することは、感染予防という観点からも重要である。今後もプリオン病剖検、病理解析の拠点としての貢献を続けたいと考えている。

 医学部の教育では「病理学」で主に神経疾患の病理学を担当している。大学院生の教育と研究は脳神経病研究施設の各科および病理病態学と形態機能病理学の各教室と連携を取って進めている。

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