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久木田 敏夫(くきた としお) データ更新日:2018.06.27

教授 /  歯学研究院 歯学部門 口腔常態制御学講座


大学院(学府)担当

歯学府 歯学専攻 口腔常態制御学講座

学部担当



電子メール
電話番号
092-642-6300
FAX番号
092-642-6306
就職実績-他大学
就職実績有, アメリカ合衆国テキサス州立大学医学部サンアントニオ校血液学部門(1987年1月−1989年3月)
取得学位
歯学博士(九州大学)
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
解剖学・骨細胞生物学・免疫学・組織発生学
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年00ヶ月
活動概要
骨は非常に代謝の活発な動的な組織であり、形成と吸収(骨破壊)の微妙なバランスがまだ未知の巧妙な機構により厳密に保たれている。骨吸収細胞である破骨細胞によって骨が吸収されると、未分化間葉細胞に由来する骨芽細胞による骨形成が行われることにより骨の量は一定に保たれている(「骨改造」と呼ばれている)。骨吸収と骨形成のバランスが崩れると骨粗鬆症などの代謝性骨疾患となる。また、歯周病などで認められる炎症性骨破壊も骨吸収のほうに骨代謝のバランスが大きく傾いた結果と解釈できる。吸収と形成のバランス機構を解明するためには、骨芽細胞及び破骨細胞の分化や機能の制御様式に関する豊富な知見が必須である。しかしながら現在までのところ、骨改造が説明できる程の細胞生物学的知見は充分には集積されていないのが現状である。
 筆者は破骨細胞が分泌する蛋白質や膜表面に保有している分子が、骨芽細胞への骨改造シグナルの伝達において中心的役割を果たすと想定しており、破骨細胞の分化及び活性化の研究の発展が重要であると考えている。骨吸収の主役を担っている破骨細胞は大型で多核の細胞であるが、造血幹細胞に由来する単核の前駆細胞どうしが特異的に融合することにより形成される。筆者等は破骨細胞の膜表面に特異的に存在する蛋白質の中に、破骨細胞の分化・機能の制御(上述のような骨改造の制御も含める)においてユニークな役割を演じている分子が存在すると想定し、破骨細胞(正確にはラット骨髄培養系で形成された骨吸収能の高い破骨細胞様多核細胞)をまるごとマウスに免疫し、破骨細胞の膜表面を特異的に染めるモノクローナル抗体を作製することによって上述の様な制御分子の検索を行っている。得られた抗体の中に、破骨細胞のみならず破骨細胞の前駆細胞にも反応し、生理的濃度のカルシトニンが存在する条件下での前駆細胞どうしの融合過程を制御する抗体が得られた。本抗体が認識する抗原分子は破骨細胞の分化及び機能の制御に関与するユニークな分子であることが予測され、その実体の解明を主たる目的として研究活動を行っている。
 また我々は以前から破骨細胞の前駆細胞株の作製に力を入れてきたが、マウスマクロファージ系の細胞株RAW264細胞を限外希釈法でクローニングすることにより、極めて効率良く破骨細胞に分化するクローンと全く分化しないクローンを得ることができた。両クローンの遺伝子発現の差を分子生物学的な手法と免疫学的な手法を用いて、前駆細胞どうしの融合に於いて重要な役割を果たす膜表面分子DC-STAMPを見出すことができた(熊本大学医学部・野見山博士との共同研究)。この研究により、破骨細胞分化に於ける一つのハイライトとも言える前駆細胞間の特異的融合機構が分子レベルで解明されるものと思われる。破骨細胞が特異的に発現する膜表面分子が同定されると、その分子を標的とした新しい骨吸収制御法が開発されることとなり、歯槽骨の炎症性骨破壊制御が可能となるのみならず、骨粗鬆症や慢性関節リウマチに伴う骨吸収・骨破壊を抑制する方法論の開発が実現するものと思わる。本研究は歯科医学にとどまらず、広く医学全般に貢献しうる波及効果の高い研究であると考えられる。

現在、展開中のプロジェクトは次の通りである。
1)炎症性骨破壊の免疫学的制御
2)破骨細胞分化と活性化の分子機構とその制御
3)骨改造の分子機構
4)間葉系幹細胞による骨破壊制御と組織再生
5)硬組織再生制御機構
6)癌骨転移制御

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