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菊池 裕嗣(きくち ひろつぐ) データ更新日:2016.10.26

教授 /  先導物質化学研究所 融合材料部門 ナノ組織化


大学院(学府)担当

学部担当



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取得学位
工学博士
専門分野
ソフトマター(特に高分子、液晶)化学・物性
活動概要
ソフトマターのナノ構造制御、液晶複合系の電気光学効果、高分子/液晶界面相互作用、自己組織化システムの開拓に関する研究に従事するとともに、大学院生(総合理工学府)および学部(工学部)の研究指導と教育にあたっている。
ナノ構造化液晶に関しては、長周期の三次元格子を有する液晶ブルー相中で微量のモノマーを光重合させると、1℃程度であったブルー相の発現温度が60℃以上に劇的に広がることを見いだし(Nature Materials 2002など)、フラストレート相の新領域を切り開いた。ブルー相は、分子のねじれ配列と空間トポロジーの競合の結果生まれたフラストレート相であり、規則的に配列したディスクリネーション(線欠陥)と必然的に共存する。上記のブルー相発現温度範囲の拡大は、生成した高分子がディスクリネーションに濃縮し、ディスクリネーションのエネルギー的安定性が増加したたためと説明した(高分子安定化ブルー相)。実際、放射光による超小角X線散乱実験により、高分子はブルー相のディスクリネーションコアに濃縮されていることを実証した(acromolecules 2009, Soft Matter 2015 など)。高分子安定化ブルー相の格子構造を共焦点レーザ走査顕微鏡で観察し、体心立方格子に由来する種々の格子像を初めて非破壊・直接観察した(J. Am. Chem. Soc., 2008 など)。このようなブルー相複合系において、フォトニッククリスタルとしての性質を検討した結果、低閾値・狭ライン幅のレーザ発振を確認した(Adv. Mater. 2006)。さらに、高分子安定化ブルー相において高速の電気光学Kerr効果を見いだし、高速・ラビングフリー液晶表示素子として研究・開発を推進している(Adv. Mater. 2005, 2006など)。この成果が契機となってブルー相の応用研究が急速に進み、2008年5月には、高分子安定化ブルー相を使った240Hz駆動(従来は60-120Hz駆動)で配向処理不要の革新的な液晶表示素子の試作機が液晶表示素子の世界最大のシェアをもつSamsungから発表された。このブルー相表示方式は、ディスプレイ業界では10〜20年に一度の画期的発明と評され、液晶ディスプレイの究極の方式として期待されている。2009年に情報表示分野で最も権威のあるThe Society for Information DisplayよりSpecial Recognition Awardを受賞した。さらに2010年度高分子学会賞、2014年度日本液晶学会業績賞を受賞した。

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