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小山 智幸(こやま ともゆき) データ更新日:2023.11.22

准教授 /  人間環境学研究院 都市・建築学部門 構造防災系


大学院(学府)担当

学部担当

その他の教育研究施設名



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ホームページ
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取得学位
博士(工学)
専門分野
建築材料学及び建築施工学
活動概要
【研究】
 主として建築材料学及び建築施工学に関する研究を専門としている。
(1)建築材料学:都市のインフラを構築するために不可欠な材料であるコンクリートの性能向上と,それを合理的・経済的かつ環境に配慮しながら実現するための研究を行っている。
まず,コンクリートの品質管理に関して,練混ぜから硬化までの一連の物性評価を一元的に行うことを目的として,コンクリートの全材齢力学モデルについて検討してきた。また九州を含むアジア諸地域で問題となる暑中期のコンクリート工事における品質低下の抑制について継続して研究を行い,その成果は「日本建築学会建築工事標準仕様書JASS5鉄筋コンクリート工事」などの仕様書や指針類に反映されている。
 コンクリートの耐久性に関しては,長期にわたる曝露実験を実大レベルの試験体をも用いながら行ってきた。曝露場所は,原子力発電所構内,火山地帯,九州の寒冷地域、離島,一般市街地など多岐にわたり,成果の一部は既存構造物の総合的な劣化度の評価方法として提案した。
環境対策としては,増大する産業副産物(例えば石炭灰)をコンクリートに有効利用する方法を開発した。開発した方法は副産物の混合によりコンクリートの強度や耐久性といった性能が低下しないことが特徴である。本テーマは,経済産業省地域新生コンソーシアム「コンクリートへの石炭灰大量混合を可能にする処理システムの開発」を経て,九州大学21世紀COEプログラム「循環型住空間システムの構築」におけるテーマ「材料再生」として継続し,特許を取得,現在は一部が事業化されている。
 コンクリート以外では,わが国に適応するための耐震性を有する乾式煉瓦造住宅の開発するため,科学技術振興機構(JST)の戦略的基礎研究推進事業(CREST),同戦略的創造研究推進事業発展実施課題(SORST)のメンバーとして研究を行ってきた。
(2)建築施工学:上記の暑中コンクリートの品質管理のほか,主として建設業労働安全衛生マネジメントに関する研究を行っている。後者では建築工事における労働災害を防止するため,災害発生の実態の定量的な評価方法を示すとともに,建築工程を評価軸とする体系的かつ具体的な安全管理システムを構築している。また近年増加傾向にある,熱中症労働災害に関しても,所属する「人間環境学」のテーマとして学際的に取り組んできた。生理学,心理学の研究者を交えた学際教育研究プログラム「建築災害と生理・心理」を主宰した。
科学研究費補助金基盤研究B(2018-2020および2021-2023)の研究代表者,受託研究,使途特定寄付金など外部資金を多く導入している。

【教育】
 主として建築材料学及び建築施工学に関する教育を,大学院,学部,ならびに本学以外の大学等で行っている。また学内外の学生を対象とした講演会・研修会や,建築現場・材料工場の見学会等を実施している。
(1)学部教育:九州大学工学部建築学科で建築材料学及び建築施工学関連の講義および演習を行うほか,コンクリート系建築構造の講義も担当している。また,「コアセミナー」においては博多駅工事など建築施工現場の見学を実施した。
また,北九州市立大学,九州産業大学,九州共立大学,久留米工業大学,福岡女子大学,九州女子大学,並びに福岡建設専門学校非常勤講師として同様の講義ならびに演習を担当。
 関連して,「建築材料」(朝倉書店),「建築施工」(理工図書)を監修するとともに,「構造工学ハンドブック」(丸善),「建築材料・材料設計」(朝倉書店),「建築材料用教材」(日本建築学会)などの教科書,サブテキストを分担して執筆した。
なお,「建築倫理」を講義の一部として行った。
(2)大学院教育:九州大学大学院工学研究科建築学専攻で,及び重点化後の同大学院人間環境学府空間システム専攻において,建築材料学及び建築施工学関連の特論および演習を行ってきた。
また九州大学21世紀COEプログラム「循環型住空間システムの構築」の成果として「持続都市建築システム学シリーズ 資源循環再生学 -資源枯渇の近未来への対応-」を分担して執筆し,「循環建築構造演習」のサブテキストに用いている。
近年は北九州市立大学など他大学の大学院においても建築材料学の講義を行っている。
2022年度は,都市建築コロキウム「ポストコロナの都市・建築を問う」を担当し,内外の著名な研究者らの講演を主催した。
(3)九州内の関連する大学協同の取り組みとして,講演会,建設現場や工場の見学会,研究交流会などの交流・教育を行っている。

【社会活動】
 産・官との共同研究や受託研究,成果の実用化・事業化,学会活動,審議会・協会委員,技術相談への対応,その他種々の啓蒙活動を行っている。以下に一例を示す。
(1)共同研究,成果の公表,実用化等
・副産粉体を大量混合したコンクリート(【研究】参照)。特許取得。一部事業化。
・乾式煉瓦造住宅の開発(【研究】参照)。国内,国際特許。一部事業化。
・霧島,屋久島,北海道泊など全国各地の暴露試験場で種々の新材料を用いたコンクリートの20年にわたる耐久性試験を行っている。成果の一部を特許申請。
(2)学会活動
・日本建築学会鉄筋コンクリート工事運営委員会委員
・日本建築学会暑中コンクリート小委員会主査
・日本建築学会奨励賞選考委員会委員
・日本建築学会卒業論文等顕彰事業委員会委員
・日本建築学会論文集委員会部門幹事
・日本建築学会 軍艦島コンクリート系建築物の健全度調査小委員会委員
・日本コンクリート工学会 理事
・日本コンクリート工学会 コンクリート診断士試験委員会委員長
・日本コンクリート工学会 コンクリート診断士研修委員会委員長
・日本コンクリート工学会 自然環境下のコンクリート劣化研究委員会幹事
・コンクリート工学年次大会2023(九州)実行委員会 副委員長
(3) 審議会・協会委員等
・福岡市施設整備公社理事
・福岡県生コンクリート品質管理監査会議 議長
・九州防衛局総合評価アドバイザー
・国土交通省九州地方整備局総合評価委員
・(財)福岡県建設技術情報センター 情報部会,CALS専門委員会,GIS専門委員会,及び生コン品質管理専門委員会 委員
・福岡市技術ナレッジ・アライアンス制度委員
・福岡市財政局設計プロポーザル技術委員会委員
・公益社団法人全国宅地擁壁技術協会 宅地擁壁製造工場調査委員
・日本建築材料協会顧問
(4)その他
・日本コンクリート工学会 コンクリート技士研修委員会幹事および研修会講師,コンクリート診断士研修委員会委員長および研修会講師
・同コンクリート技士・主任技士試験福岡試験場統括責任者実施
・その他,学協会あるいは民間業界が主催する種々の講習会・研修会での講演,講習,司会,座長

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