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久場 隆広(くば たかひろ) データ更新日:2019.06.20

教授 /  工学研究院 環境社会部門 水・資源循環システム学


大学院(学府)担当

学部担当



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電話番号
092-802-3426
就職実績-他大学
就職実績有, デルフト工科大学ポスドク (化学工学・材料科学部) 採用
取得学位
博士 (工学)
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
環境工学、衛生工学、下水道工学
外国での教育研究期間(通算)
03ヶ年00ヶ月
活動概要
(1)ダム湖の水質と水道水の臭気に関する研究: ダム湖の水質変動が水道水原水の着臭に及ぼす影響とその機構の解明、
(2)流動床を用いた嫌気性廃水処理に関する研究: 嫌気性流動床による高濃度有機性廃水の処理特性の解明と反応槽内バイオマスのポピュレーションダイナミクス、
(3)廃水の硝化・脱窒・脱リン処理に関する研究: 硝化菌と脱リン能を有する脱窒菌による新たな廃水処理方式の考案及びその処理性能の評価、
(4)機能性ゲルを用いた水質変換システムに関する研究: 温度刺激応答機能性ゲルによる硝化速度の促進メカニズムの解明と廃水処理制御ケミカルバルブ・粒体ピストンの開発に関する基礎的研究。光刺激応答性ゲルの水質変換システムへの応用。
(5)アレロパシー効果を利用した富栄養化防止技術に関する研究。
(6)脱窒脱リン細菌の単離の試み
(7)糸島地域の水環境中への汚濁物負荷削減
(8)Post-denitrification型プロセスによるリン・窒素同時除去
(9)好気性グラニュールの形成と安定化
(10)循環資源としてのリンの回収
(11)生態工学的手法(生態工学ダム)を用いた水質の改善と水環境の保全、および、流域の水質形成メカニズムの解明と総合的水管理手法の構築
(12)低コスト・低エネルギー消費型高度下水処理システムの構築
(13)竹炭および汚泥溶融スラグによる非点源汚染としてのセシウムの回収に関する研究
(14)下水再生水の利活用に関する研究

 (1)および(2)の研究を基に、過去3年間にわたって(3)および(4)の研究を行ってきた。(3)の研究は、デルフト工科大学生化学工学科(オランダ)において4年間にわたり研究したもので、湖沼・ダム湖等の閉鎖性水域における富栄養化問題を防止する上で重要な栄養塩(窒素・リン)除去のための新たな廃水処理方式の研究を行ったものである。従来の廃水処理では、脱窒(窒素除去)微生物と脱リン(リン除去)微生物の両者が必要であり、これら両微生物群のための最適運転条件が異なることから、廃水からの窒素及びリンの同時除去が困難であった。微生物学的な考察及び様々な条件での廃水処理槽運転結果から、脱リン能を有する脱窒微生物の発見と処理槽へのその微生物群の集積に成功した。その結果、廃水処理の高度化が可能であることが実廃水処理場でも確認された。
 (4)の研究は、環境工学・衛生工学分野における水質変換システムへと機能性高分子材料の応用を試みたものである。具体的には、温度刺激応答機能性ゲルを窒素除去微生物の固定化担体として利用し、温度刺激に対応した機能性ゲルの体積相転移が窒素除去速度を高速化し、さらに水質を高度化することを明らかにした。また、機能性材料を用いた廃水処理制御ケミカルバルブや粒体ピストンといったケモメカニカル=デバイスを水質変換システムに応用するための基礎的研究を行ってきた。更に、クリーンなエネルギー源であり、相対的に制御の容易な光を刺激として用いた光刺激応答性ゲルの応用について研究を行っている。
 (5)の研究では、富栄養化の新たな防止対策として、アレロパシー効果を利用する。アレロパシーとは異種生物間でお互いに影響を及ぼし合うことであり、他感作用あるいは忌避作用を指す。この研究の目的は、高等植物の放出するアレロケミカルを利用して植物性プランクトンの過剰増殖を抑制することにより、生態系を過剰に破壊することなく富栄養化問題を解決する手法を開発することである。
 (6)の研究では、(3)の研究の延長線上で、脱窒脱リン細菌の単離を試み、その動力学特性・生化学的代謝特性を明らかにしようとしている。下水からの生物学的リン除去は、経験的に、嫌気-好気 (A/O) 過程により達成可能であるが、一方で、実際の処理場では、時としてその除去が不安定となるなど、経験的なプロセス管理だけでは不十分である。このような経験的なプロセス管理に頼らざるを得ない一つの理由はリン除去細菌の単離が未だになされていないためである。ここでは、良好なリン除去能を有する活性汚泥中での主流派の菌群である酢酸資化性リン除去純粋菌を対象とする。また、当研究室では、リン除去細菌の多くが脱窒能を有することを証明し、下水処理システムへのこの脱窒脱リン細菌の集積により、より質の高い高度処理が達成可能であることを指摘し続けてきた。したがって、本研究では酢酸資化能を有する脱窒脱リン細菌の単離とその生化学的情報の下水高度処理システム最適運転管理への応用を試みることとした。
 (7)の研究では、数年後に、九大は糸島地域への移転を予定していることから、糸島地域での汚濁物質の水域への排出状況の把握を試みている。開発に伴う汚濁負荷の増加や、新キャンパスの造成や周辺の開発による遊水池機能の低下などが懸念されている。また、移転開始数年後には、閉鎖性の内湾に処理水を排出する下水処理場が新たに建設される予定になっている。一方、移転予定地はかなり郊外に位置しており、合併浄化槽や単独浄化槽が比較的多く利用されている地域である。この研究の最終的な目標は、内湾への汚濁負荷の増加に伴う生態系への影響評価であるが、現在、GISを使った現状の把握を行っている。現在、糸島地域 (約24の流域) 内で最大の瑞梅寺側流域を一つのモデル流域として取り上げ、水域への排出汚濁負荷の状況を検討している。さらに、点源から、道路排水といった面源への研究に移行し、その処理法の開発に着手している。
 (8)の研究にでは、Post-denitrification型プロセスによるリン・窒素同時除去の研究を行っている。高度下水処理システムの開発において近年最も重要な概念は『脱窒 (すなわち窒素除去) 条件下での脱リン』 (以下、脱窒性脱リン) である。これまでの研究から、A2O法といったPre-Denitirification (循環式硝化-脱窒) 型の従来法においても、脱窒脱リン現象は確かに容易に誘導され、有機物の利用量を節約しつつリンおよび窒素を除去できることが明らかではあるものの、それでも、有機物量の不足が生じ、不完全なリンないしは窒素の除去が生じることも分かった。また、Pre-Denitirification (循環式硝化-脱窒) 型の処理法の一つであるUCT法では、嫌気槽の汚泥濃度の管理が難しく、また、無酸素槽から嫌気槽への循環、および、好気槽から無酸素槽への循環流量を大きく保つ必要があり、コスト的な側面だけでなく、ORPやDOの管理にも熟練を要する。以上より、以前、デルフト工科大学のKuba et al.の提案したPost-Denitirification (非循環式硝化-内生脱窒) 型処理法の有用性が浮かび上がってくる。このシステムについて、実 (生) 下水を用いた小規模実験装置による検討を行ったところ、非常に安定したリン除去 (>99%)・窒素除去 (>85%) が確認され、同時に、無酸素 (Anoxic) 槽での高効率で安定した硝酸 (NO3--N) 除去と脱リン、すなわち、脱窒性脱リン現象が明確に観察された。
 (9)では、好気性グラニュールの形成と安定化につい研究している。従来のUASB法での嫌気性グラニュールに関する多くの研究が存在するが、好気性グラニュールに関する報告例はほとんど無い。カラム型SBRを適切な運転条件下で運転することで、1週間程度で容易に好気性グラニュールを得ることができた。一方、成熟した好気性グラニュールを長期間維持する方法について現在検討している。特に、細胞外ポリマーや原生動物の影響などについて研究を進めている。
 (10)では、100%輸入に依存しているリン鉱石の価格が高騰し、結果としてリン肥料の価格高騰により、日本の農業従事者を悩ませていることから、廃棄物からのリンの回収を検討している。ここでいう廃棄物とは、下水、下水処理余剰汚泥、生ゴミを対象として、現在のリン資源の循環構造の状況を明らかにし、低コストで高効率なリンの資源回収手法を開発するとともに、リンの循環率の向上を目指している。
 (11)では、PMT社の開発した高濃度酸素溶解水を水域に適用することで、水域の嫌気化を抑制するとともに、好気性生物を活性化し、生態系の構造を改善することで健全な水環境・水質を回復させることを目指している。太湖を対象として、水質・底質・生物相の調査を行っている。さらに、植物の持つ栄養塩吸収能の検討を開始し、将来の水産業(貝産業、蟹産業)の健全化につなげる。生態工学ダムの開発の研究をスタートした。また、県内の貯水池のアオコ問題の解決に向けての研究も開始した。
 (12)では、協和機電社とともに、下水処理水からエネルギーを回収するための簡易で低価格な高度処理手法の開発を目指している。
 (13)では、2011年3.11以降、環境中に放出された非点源汚染物質としてのセシウムを回収するための基礎研究を行っている。下水処理場は広く拡散した非点源汚染物質を、ある意味で、集約するシステムであると言え、下水処理場での対策が必要である。賦活化した竹炭および賦活化した汚泥溶融スラグを吸着材として用いている。セシウムに対して、50mg-Cs/g程度の吸着能を有する吸着材を開発し、その吸着メカニズムについて明らかにした。また、使用済み吸着材の減容化を検討することで、中間貯蔵施設及び最終貯蔵施設の省容量化に取り組んでいる。プラズマ処理による賦活化の検討を始めた。
 (14)伊都キャンパスにおける下水処理再生水の利活用に関する検討を始めた。

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