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笠間 清伸(かさまきよのぶ) データ更新日:2018.04.06

准教授 /  工学研究院


大学院(学府)担当

工学府 建設システム工学専攻 防災地盤工学研究室

学部担当

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電話番号
092-802-3385
FAX番号
092-802-3383
取得学位
博士(工学)
専門分野
防災地盤工学
活動概要
災害に強く環境に優しい地盤材料の開発,地盤物性の空間的不均一性を考慮した地盤の性能評価および斜面災害や地震などの地盤災害の危険度・リスク評価を大きな目的として,以下に示す研究テーマについて研究を実施している。

1) 固化処理土の力学挙動の解明と高度利用に関する研究(2000年度~2003年度)
災害に強い地盤材料の開発を目的として,地盤材料に固化材を混合した「固化処理土」と呼ばれる新地盤材料に関する研究を行ってきた。固化処理土は,固化材の化学的な作用により土粒子間が固結している人工地盤材料であり,材料特性に与える固結効果を定量的に評価し,コントロールする必要がある。そこで固化処理土の力学挙動に関する一連の実験的研究を行い,固化処理土のせん断強度特性は,セメント水比などのコンクリート工学で用いられる指標ではなく,固結効果パラメータおよび降伏応力比の二つの強度支配パラメータに大きく依存することを新たに解明した。これらの固化処理土に関する研究成果は,従来の土質力学の力学体系を大きく拡張するもので非常に新規性があり,また,土の力学体系とコンクリート材料の力学体系を結びつける興味深い研究領域であることから,地盤工学会の研究奨励賞を受賞するなど,社会的にも大きな期待が寄せられている。

2) 地盤材料の高度リサイクル技術の開発研究(2003年度~現在)
1)で得られた基礎的研究成果もとに,「固化処理と高圧機械脱水を併用する新たな高圧脱水成型機構」という新たな材料再生技術を開発し,大きな社会的問題である建設発生土・廃棄物の再生リサイクル技術に応用した。本研究成果によって,高含水比である超軟弱粘土を「コンクリートブロック」に匹敵する最大強度26MPaまで高強度化でき,さらに重金属・環境ホルモンなどの有害物質の「吸着固定化」が可能である技術シーズを得ている。現在は,この技術シーズを活用し,自由度の高い超大型形状の製品ブロック(舗装タイルや消波ブロックなど)として高度に再利用できる実用化技術へと展開している。特に,昨年より博多湾の浚渫土砂を用いて防災ブロックを製造し,福岡市アイランドシティ内において現場暴露実験を行うなど,地域貢献型リサイクル技術として実用化研究を進めている。

3) 地盤物性の空間的不均一性に関する実験的・数値解析的研究(2005年度~2008年度)
 土質や岩盤などの地盤材料を対象とする各種構造物の設計に際して,弾性係数や強度などの地盤諸係数が空間的不均一性を有することはよく知られており,土構造物の安全性評価においては,上記の不確定量を合理的かつ定量的に取り扱う必要がある。2004年度にMITに留学した際に,最先端の信頼性解析理論を習得し,新たな地盤構造物の信頼性解析手法として,地盤諸係数の不均質性を表現するランダム場理論と地盤の安定性を簡便に計算できる数値極限解析を連結した確率数値極限解析を構築した。本手法を用いて,斜面崩壊,液状化確率ならびに地盤支持力に関する信頼性評価に関する研究成果を挙げている。さらに,他の研究機関に先駆けて,地盤物性の不均一性に着目した大型振動台模型実験を実施している。

4) 地盤構造物の防災性能評価に関する研究(2006年度~現在)
波浪や地震に対する地盤構造物の安全性・健全性評価を目的として,各種模型実験を行ってきた。具体的には,ケーソン式岸壁の動的安定性に関する振動台実験や台風時の防波堤の安定性に関する水理模型実験を行っている。

5) 地盤災害のリスク分析に関する研究(2007年度~現在)
最近では,地震・洪水・土砂災害などの自然災害に対する安全性(危険度)評価にリスクマネージメント理論を導入し,これら災害の潜在的な危険度をリスク指標で定量評価することを試みている。ここでリスク指標とは,潜在的な危険度の確率的評価に加えて,社会へのインパクト・経済損失を考慮した指標であり,多くの不確実性・不確定性を考慮できるという特徴がある。具体的には,固化処理地盤の地震・液状化災害を対象として,地盤物性の空間的不均質性を考慮した地盤の数値解析法と,リスク指標を用いた地盤の液状化対策の性能評価法を統合することで,固化処理地盤の液状化リスク評価手法を提案している。これらの研究スキームは,九州地方で多発している土石流や地すべりなどの土砂災害のリスク評価にも応用できるため,九州地方の安心安全な社会基盤整備に大きく貢献できると考えている。

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