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宮本 敬久(みやもと たかひさ) データ更新日:2017.10.05

教授 /  農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座


大学院(学府)担当

学部担当



ホームページ
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/foodhygienicchemistry/
食品衛生化学研究室のホームページ .
取得学位
博士(農学)
専門分野
食品衛生化学,食品微生物学,食品保蔵学
活動概要
研究活動では,主に食中毒細菌および食品衛生細菌の制御,農産物の安全性確保に関する研究などを行っている.主要な食中毒細菌としては腸管出血性大腸菌をはじめ、サルモネラ、ビブリオ、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、リステリア,セレウス菌などがある。通常の細菌検査では、増菌培養、選択培養といった培養過程が必要であるので、一般生菌数の測定には2〜3日間、食中毒細菌など特定の細菌の検出には4〜5日間必要である。この細菌検査の簡易迅速化を目的として,生物発光,化学発光の2次元光子計数管を用いた検出法による生菌,食中毒細菌検査法の開発,Polymerase Chain Reaction (PCR)法と水晶振動子を用いた食品衛生細菌の簡易迅速検出法の開発などを行ってきた.また,食中毒細菌の種類は20種類以上有り,それぞれの細菌に特異的な培養方法があるため,複数の食中毒細菌を食品から検出するためには煩雑な操作と他種類の培地が必要である。これらの食中毒細菌を単一の培地で亜培養後にPCR法などで一成に検出する方法の開発も行った。さらにノロウイルス検査のための新規プライマーの開発やバイオセンサーを用いた検出法の開発なども行ってきた。食品中や環境中の細菌は損傷状態にあることが多い。大腸菌O157やサルモネラなど食中毒細菌でも同様である。これら損傷菌を回復させないことを目的に損傷状態からの回復の機構についての基礎研究を行っている。
 安全性の確保と貯蔵期間の延長を目的に加工食品の製造では加熱殺菌が汎用されるが,加熱殺菌条件を可能な限り(安全性を確保したまま)低減化できれば食品の味や香りなどの品質は向上する。これを達成するために無菌充填技術が開発され,種々の食品に応用されてきた。生食用カット野菜類は、野菜を切断した際に損傷した細胞から細胞質内液が漏出し、これを栄養源として微生物が増殖しやすいため,洗浄・殺菌されて流通、消費されてはいるが,微生物リスクが高い。 このため欧米では生食用カット野菜の消費量の増加に伴いこれらを介した食中毒事件も増えてきている。我々は企業との共同研究や農水省のプロジェクト研究などにより,食品を安全で高品質に流通・消費することを目的として,魚介および畜肉エキス類の無菌充填のための研究や農産物の非加熱殺菌除菌技術について検討してきた。さらに、農産物の安全性を確保するための殺菌技術は、原料の汚染の程度が高いと、効果が低いので、原料の農産物栽培段階における安全性の確保が重要視されてきているが、生食用作物、レタスやトマトなどの可食部分が食中毒細菌にどのようにして汚染されるのかなど,不明な点は多い。現在、これらの作物への栽培土壌や用水からの食中毒細菌汚染機構についても調べている。
 また、食中毒細菌の付着を防止する天然物の検索や、カテキン類の食中毒細菌に対する抗菌作用のメカニズム解析も行っている。
 Bacillus 属細菌は環境中の栄養源が枯渇して、生育が困難になると、胞子と呼ばれる耐久型の細胞を形成して休眠状態に入る。この胞子は、熱、薬剤、紫外線などに対する耐性が非常に高く、通常行われる方法では殺菌できないので、食品中における胞子の存在は食品衛生上大きな問題である。また、細菌の胞子形成過程は、細胞分化の最も単純なモデルであるので、種々の生化学的、遺伝学的研究が行われている. 細菌は、増殖期には細胞の中央でセプタを形成して分裂するが、胞子形成期には細胞のどちらかの一端で非対称セプタを形成して、小さい方の細胞が大きな方(母細胞)の中で胞子として成熟していく。私はこの胞子形成初期の過程、すなわち、非対称セプタの形成機構について研究している。また、胞子形成初期のDNA複製過程で増加するDNA結合蛋白質の一つがGTP合成に必要なIMP脱水素酵素であることを発見し、これを精製し,遺伝子をクローニングした.この酵素の胞子形成初期の遺伝子発現への関与について研究してきた.さらに,胞子形成期に特異的なシグマGの活性発現制御機構についても研究した.
 藻類の機能性,環境耐性,環境修復能についても研究を行っている.
 教育活動では,学府において安全性評価学特論,食品品質評価学特論、食品開発学特論、また,外国人特別コースの講義としてFood Science and Food Systemの取りまとめを行っている。学部においては食品衛生化学,食品保蔵学,食品衛生化学実験、高年次教育科目・バイオテクノロジー詳論などを担当している.平成18年度文部科学省魅力ある大学院教育プログラムに採択された本学府の「世界戦略的フードサイエンス教育」プログラムの運営責任者として平成23年3月の学府プログラムとして終了するまで取りまとめを行った。さらに国際コースの講義も分担している。また、数多くの留学生を受け入れて教育し、研究指導を行っている。社会人博士も積極的に受け入れ、社会人のリカレント教育にも貢献している。
 学外においては,日本食品微生物学会,日本食品科学工学会、日本食品衛生学会、日本細菌学会、防菌防黴学会などに所属し,理事、支部長、および評議員として学会ならびに支部の運営,全国大会の開催,雑誌の編集などに携わっている.現在、日本食品微生物学会理事、防菌防黴学会英文誌編集委員、日本食品科学工学会英文誌編集委員などを務めている。平成24年には日本食品微生物学会第33回大会の学術総会長を務め、福岡市において大会を主催した。また,各種HACCP技術講演会などの講師も務めている.

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