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木村 誠(きむら まこと) データ更新日:2016.05.20

教授 /  農学研究院 生命機能科学部門 農学研究院生命機能化学講座


大学院(学府)担当

学部担当

役職名

システム生命科学府生命工学講座長


電子メール
電話番号
092-642-2853
FAX番号
092-642-2853
取得学位
農学
専門分野
生物化学
活動概要
半世紀前に誕生した分子生物学は、30〜40年にもおよぶ膨大な研究成果を踏まえて、1990年代より新たな発展期を迎えている。この新しい分子生物学の胎動の主な原動力は、生体高分子物質の高次構造解析技術の進歩とゲノム情報の蓄積である。シンクロトロン放射光を利用したX線結晶構造解析技術の著しい進歩により、微小結晶のタンパク質や超高分子複合体の構造解析が可能になってきた。最近では、光合成細菌の光合成活性中心、プロテアゾーム、シャペロニン、ミトコンドリア膜内のATP分解酵素やチトクローム酸化酵素等、次々と重要な生体内反応に関与している超高分子の構造が決定されている。このようなX線結晶構造解析による構造生物学がもたらす研究成果は、21世紀の生命科学の飛躍的な発展に寄与するものと期待されている。

遺伝情報をアミノ酸配列へと読み取る翻訳反応は、遺伝情報の鋳型となるmRNA、アミノ酸の運搬役であるtRNA、開始、伸長、終結の各ステップで作用する翻訳因子が、リボソームと相互作用によって遂行される複雑な反応である。翻訳反応はいかなる生物においても不可欠な反応としての機能的観点から、また、タンパク質とRNAの相互作用が織り成すきわめて複雑な生物マシーナリーとしての構造・機能相関の観点から、その分子機構に関して興味がもたれている。

1977年Woeseらによって提唱された、いわゆる第三の生物群・古細菌は、メタン産生菌、高度好熱菌、高度好塩菌などのように、異常環境下に生育する細菌から構成され、他の2種の生物群・真核生物と真正細菌とは性質を異にしている。すなわち、古細菌由来のタンパク質やRNAの一次構造の解析より、古細菌のそれらは真正細菌よりも真核生物由来の相当物質に類似しているが、古細菌の遺伝子構成はオペロンを形成していることから真正細菌に類似している。このような古細菌の性質から、様々な古細菌を研究対象にして、そのタンパク質の分子進化、構造機能相関、異常環境適応機構等、様々な角度から興味が持たれている。

超好熱古細菌Pyrococcus horikoshii OT3は、潜水艇「しんかい2000」を用いた「Deepstar 計画」によって沖縄海構内の熱水鉱床付近から単離された絶対嫌気性細菌で、88度から104度Cの範囲で生育している。また、P. horikoshii OT3は環状DNAをゲノムとして有し、既にその全塩基配列(1738505 bp)が我が国のゲノムプロジェクトの一環として決定されている。我々は、P. horikoshiiの遺伝情報変換関連タンパク質に焦点を絞り、その高次構造を網羅的に決定することにより、遺伝情報変換反応における各タンパク質の構造・機能相関の解明を目指すとともに、遺伝情報変換反応関連タンパク質の耐熱化機構および分子進化について解析している。

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