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松村 順司(まつむら じゆんじ) データ更新日:2023.11.28

教授 /  農学研究院 サスティナブル資源科学講座


大学院(学府)担当

生物資源環境科学府 環境農学専攻 サスティナブル資源科学講座

学部担当



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ホームページ
https://kyushu-u.elsevierpure.com/ja/persons/junji-matsumura
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取得学位
博士(農学)
専門分野
木質資源理学
活動概要
主な研究テーマは以下の通りである。

1.木材の透過性に関する研究
 木材の使用期間を延ばすための保存処理では,薬剤の注入性と固着性の良否が製品の性能を決定づける。これらは木材組織構造と密接に関係することから,木材内の透過経路や固着した薬剤の分布をアーティファクトの影響なく可視化する方法の開発は極めて重要である。本研究では,CLSMとSEM-EDXAの利点に着目し,木材内の流体挙動を正確に捉えることで,浸透性や固着性に関与する木材組織構造因子を解明する。

2.スギの黒心材形成に関する研究
 日本の代表的造林樹種であるスギは,心材色の変異が大きく,中でも黒色化した心材(黒心)は,装飾的価値が低いとされ,また生材含水率が高いために乾燥コストや輸送コストがかかり,利用上の問題になっている。本研究では,黒心化が弱アルカリ性下で起こることに着目し,樹幹内のカリウムの移動・蓄積のメカニズムを明らかにすることで,黒心化発現機構の解明を目指している。

3.早生樹木の育成と材質に関する研究
 高炭素固定能を有する早生樹木の育成と材質の評価による新しい木質資源の創出は,持続可能でかつ環境との相性が良い資源利用が求められる中で極めて重要である。本研究では,成長・樹形ともに良好で,かつ九州に分布域を持つ早生樹種および外来の早生樹種を対象に,木材性質の樹幹内変動を明らかにし,利用可能性を検討するとともに将来の材質育種への可能性を検討している。

4.木材乾燥中の細胞形状変化の可視化による収縮異方性の解明
 木材を乾燥する際に生じる割れの発生挙動をアーティファクトの影響なく,細胞レベルで経時的に可視化する方法の開発は,今後ますます高品質な乾燥材が求められる中で極めて重要である。本研究では,脱湿過程に伴う木材細胞の3次元的な形状変化に時間軸を加えた4次元的な変化を可視化し,真の収縮異方性の解明を目指す。

5.樹木根の木部形成と根材性質に関する研究
 樹木の根の形成層活動,木部形成機構および根材の性質については不明な点が多い。本研究では,形成層活動の季節変動、始原細胞から新生木部細胞への伸長成長、ミクロフィブリル傾角について、形成層齢や環境要因との関係を検討している。


教育

視野の広いバランス感覚を持った人材の育成に努めている。
専門に関しては,樹木,木材の基礎を十分理解し,「持続可能な木質資源の創出」に対して提案できるような人材の育成を目指している。

社会活動

・JICAの専門家として国際貢献
・講演会での情報提供
・講習会の講師
・木材の樹種鑑定

九大関連コンテンツ

pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。