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上野 高敏(うえの たかとし) データ更新日:2017.05.15

准教授 /  農学研究院 資源生物科学部門 生物的防除研究施設・天敵昆虫学分野


大学院(学府)担当

学部担当

その他の教育研究施設名

役職名

農学部同窓会理事会担当委員(広報幹事)


電子メール
ホームページ
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/ibc/netop.html
生物的防除研究施設に関する公式HP .
電話番号
092-642-3036
FAX番号
092-642-3040
取得学位
学術博士
専門分野
応用昆虫学,生物的防除学,行動生態学,昆虫生態学,害虫防除,天敵利用,生物多様性、昆虫学一般
活動概要
*************************   研究の概要  ***************************

 天敵昆虫,とりわけ寄生蜂類,の行動,生態,生活史の解明に取り組んでいます.
そして,彼らを利用した害虫防除法,つまり生物的防除,について研究しています.

 天敵昆虫とは他の昆虫の死亡要因となるような虫のことです.例えばカマキリは
手頃な大きさの生きた昆虫(チョウ,ハチ,バッタなどなど)を捕らえて食べてし
まう「捕食性」の昆虫で,様々な昆虫の天敵になっています.同様にオサムシや
ハンミョウやサシガメなども様々な昆虫を食べてしまう捕食者で,やはり天敵昆虫
となります.

 天敵昆虫の中には「寄生性」のものが数多くいます.まるで映画の「エイリアン」
さながらに他の昆虫に卵を産み付け,孵化した幼虫がその虫を食べ尽くしてしまう
という生活を送っているのです.寄生性の昆虫の中でも寄生蜂(寄生バチ,ヤドリ
バチとも呼ぶ)の仲間はとんでもなく種類が多く,その行動と生態は,実に多様
で,感嘆に値するものもたくさんあります.そのような寄生蜂たちを研究材料にし
ています.

 こういった天敵昆虫類には,害虫の発生を押さえ込むという役割を果たしている
ものが多数含まれ,それら害虫の天敵をうまく利用することで,害虫の防除をより
効果的に行ったり,使用する化学農薬の散布量を減らすことが可能になります.

 彼らをうまく害虫防除に利用していくためには,彼らの生活史や生態行動を知る
必要があります.天敵昆虫に関するそれらの基礎的な研究を行っているのです.

 また近頃は外来生物の問題がマスコミなどをにぎわせていますが,外来の昆虫が
日本に侵入定着し,農作物に甚大な被害を与えたり,生態系を乱すことも多いです.
一度,侵入・定着した昆虫を撲滅するというのは,ほとんどの場合,不可能に近く,
また化学的防除(つまり農薬)に頼り切った根絶というのは生態系への影響を考慮
すると採用しずらいということがあります.

 このような場合,外来昆虫の原産国から,その虫だけを食べたり寄生するという
「種特異的な」天敵昆虫を輸入,我が国に放飼・定着させることで,新たに「食う
ものと食われるもの」の関係を作ってやり,外来昆虫が大暴れするのを押さえ込む
という方法は,しばしばとても有効です.その虫たちを受け入れてやるかわりに,
問題にならない程度に数を減らすのです.

 天敵昆虫を使って.「食うものー食われるもの」という自然界に普遍的に存在す
るルールを利用して,環境への負担を最小限にするという防除方法です(古典的生
物的防除といいます).

 こういった害虫防除手段に関する研究や害虫防除に有用な種類の探索なども行っ
ています.



*************************  研究・教育歴  ***************************

平成2年3月
神戸大学理学部生物学科卒業

平成4年3月
神戸大学農学研究科修士課程修了
修士論文タイトル「広食性単寄生蜂ヒラタヒメバチの生物学」

平成7年3月
名古屋大学農学部博士課程修了・学位取得
学位論文タイトル「蛹寄生蜂の寄主受け入れの意思決定関わる要因に関する研究」

平成7年4月1日より9月30日まで
名古屋大学農学部研究生(環境昆虫学研究室)

平成7年4月1日より9月30日まで
三重大学教育学部非常勤講師として生物学および生物学実験を担当

平成7年10月1日より平成8年10月31日まで
新技術事業団特別研究員として、農林水産省農業研究センターに派遣され、
イネおよびトウモロコシを加害する鱗翅目害虫の有効な寄生蜂の探索およびその
生態特性の解明に従事

平成8年11月1日より
九州大学農学部生物的防除研究施設天敵増殖学部門助手として着任
寄生蜂の行動生態学一般、および天敵昆虫類を用いた生物的防除に関する研究に
従事.また学部生・大学院生の研究指導や学生実験などを行っている

平成10年7月26日〜9月12日
農林水産省流動研究員として、農林水産省農業研究センター虫害研究室において
「有用生物の繁殖行動に及ぼす化学農薬の影響評価法の策定」に関する共同研究

平成11年7月29日〜9月15日
農林水産省流動研究員として、農林水産省農業研究センター虫害研究室において
「有用生物の繁殖行動に及ぼす化学農薬の影響評価法の策定」に関する共同研究
さらに水田生態系における農薬試験および環境指標用天敵生物の探索を行う

平成11年10月
インドネシア・スラウェシ島にて昆虫の多様性に関する共同調査を実施

平成12年8月
九州大学大学院農学研究院助教授に昇任

平成12年10月
九州大学総合研究博物館資料部昆虫分野(併任)

平成13年-
学校法人高木学園福岡医療福祉学院非常勤講師(併任)(生物学)

平成16年3月
日本応用動物昆虫学会奨励賞受賞

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