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中山 敬一(なかやま けいいち) データ更新日:2017.07.12



大学院(学府)担当



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電話番号
092-642-6815
FAX番号
092-642-6819
取得学位
医学博士
専門分野
細胞周期制御におけるタンパク質分解機構の研究
活動概要
 日本人の三大死因は癌、虚血性心疾患、脳血管障害であるが、これらはいずれも細胞周期と細胞死(アポトーシス)という生物学的現象と深く関係している。癌はこの細胞周期の異常とアポトーシス機能障害が複合したときに発生すると考えられる。また心筋や神経は最終分化した細胞であり、血管障害により細胞死が起こっても皮膚のように創傷治癒が起こらない。つまりこれらの疾患の根本的治療法を開発する上で、その病態メカニズムの根底にある細胞周期調節とアポトーシスという問題を避けることはできない。
 私達は以前から主に免疫系・神経系などをモデルとして細胞の分化と細胞周期や細胞死の関係を明らかにすべく、その分子機構の解明に取り組んできた。特に分子生物学的・発生工学的手法を駆使したマウス分子遺伝学の立場から、細胞周期や細胞死を制御する特定の分子を遺伝的に欠損したマウス(ノックアウトマウス)を作製し、その異常を詳細に調べることにより、その制御分子の生理的役割を明らかにしてきた。例えば細胞死を阻害する分子Bcl-2(Science, 1993)、Bcl-x(Science, 1995)、、T細胞の分化に関与するZAP-70(Nature, 1995)、CD8β鎖(Science, 1994)、最近では細胞周期を止める作用があるサイクリン依存性キナーゼ阻害分子であるp27(Cell, 1996)や細胞周期のチェックポイントに重要なキナーゼChk1(Genes Dev., 2000)や細胞周期のG1期制御に必要なユビキチンリガーゼSkp2(EMBO J., 2000)、サイトカインレセプターのシグナル伝達に関わる分子Tyk2(Immunity, 2000)、B細胞の増殖を負に調節するPKC-δ(Nature, 2002)といった分子のノックアウトマウスを作製した。
 このp27という分子は細胞周期の進行を制御する最も重要な分子の一つであり、また癌細胞での発現とその予後に強い相関関係があることから、p27の量的制御が細胞の分化や発癌を考える上で重要である。この制御メカニズムは合成段階での調節ではなく、他の多くの細胞周期制御分子がそうであるようにユビキチン・プロテアソーム系による分解に依存していると考えられている。さらに私達はユビキチン化に依存しない第二の分解経路も発見した。しかしながらこれらの分子機構についてはまだ不明な点が多い。現在私達はこのp27の分解経路に関わる全コンポーネントの単離同定とその生化学的・生物学的役割の解明を目指して研究を進めている。

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