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黒木 俊秀(くろき としひで) データ更新日:2018.08.29

教授 /  人間環境学研究院 人間科学部門 臨床心理学専攻


主な研究テーマ
心理アセスメントにおけるDSM診断の妥当性と有用性に関する実証的研究
キーワード:DSM、パーソナリティ障害、PDI-5、ディメンジョン、カテゴリー
2017.04~2020.03.
医療における心理職の役割の解明に関する研究
キーワード:心理職、医療、役割、教育研修
2014.06~2015.03.
精神障害診断分類体系DSMのグローバル規模の高次の影響の実態と歴史的経過の解明
キーワード:DSM, 精神科診断、分類学、操作的診断基準, 精神医学史
2013.04~2016.03.
第2世代抗精神病薬の作用機序の解明
キーワード:非定型抗精神病薬、ドパミン、脳内微小透析法
1999.08~2007.12.
従事しているプロジェクト研究
福岡市ユマニチュード施設導入プログラム実践者育成&施設内リーダー育成研修
2016.10~2017.09, 代表者:本田美和子, 国立病院機構東京医療センター, 福岡市(日本)
認知症高齢者及び介護におけるユマニチュードの効果検証.
研究業績
主要著書
1. 黒木 俊秀, シリーズ精神医学の哲学・第1巻,精神医学の科学と哲学, 東京大学出版会, 2016.08.
2. 黒木 俊秀, 発達障害の疑問に答える, 慶應義塾大学出版会, 2015.06.
3. 黒木 俊秀, 宮岡 等, 斎尾武郎, 栗原千絵子, 精神医学の羅針盤ー精神科の五大陸をめぐる冒険, 篠原出版社, 2014.06.
4. 北山修 黒木俊秀, 語り・物語・精神療法, 日本評論社, 2004.08.
主要原著論文
1. 黒木 俊秀, DSMにおけるスペクトラムの思想, 精神医学の基盤, 2, 1, 61-73, 2016.11, 個々の精神疾患同士の境界は明瞭ではなく、ほとんどの疾患群は連続性にスペクトラムとして分布している可能性が示唆されている。その認識に基づいて、DSM-5開発の当初、精神疾患診断のカテゴリー的モデルからディメンジョン的モデルへのパラダイム転換が提唱された。その主たる根拠となったのは、1990年代以降の計量心理学領域の数々知見であり、①精神疾患分類の2因子構造モデルの提唱、②パーソナリティ特性の5因子モデルFive Factor Model(FFM)の発見、および③タキソメトリック分析の開発の3つがとくに重要な影響を与えた。こうした背景のもとにDSM-5ではDSM-IVに構造的な改訂が加えられた。.
2. Toshihide Kuroki, Current viewpoints on DSM-5 in Japan., Psychiatry and Clinical Neurosciences, 70, 9, 371-393, 2016.09.
3. Yamada H, Kuroki T, Nakahara T, Hashimoto K, Tsutsumi T, Hirano M, Maeda H, The dopamine D1 receptor agonist, but not the D2 receptor agonist, induces gene expression of Homer 1a in rat striatum and nucleus accumbens, Brain Research, Vol. 1131, pp88-96, 2007.02.
4. Kuroki T, Meltzer HY, Ichikawa J, Effects of antipsychotic drugs on extracellular dopamine levels in rat medial prefrontal cortex and nucleus accumbens, Journal of Pharmacology & Experimental Therapeutics, 288: 774-781, 1999.01.
5. Nakahara T, Kuroki T, Hondo H, Tsutsumi T, Fukuda K, Yao H, et al, Effects of atypical antipsychotics versus haloperidol on expression of heat shock protein in the discrete brain regions of phencyclidine-treated rats, Mol Brain Res, 73: 193-197, 1999.01.
6. Nakahara T, Kuroki T, Hashimoto K, Hondo H, Tsutsumi T, Motomura K, et al, Effect of atypical antipsychotics on phencyclidine-induced expression of arc in rat brain, Neuroreport, 11: 551-555, 2000.01.
7. Kuroki T, Dai J, Meltzer HY, Ichikawa J, R(+)-8-OH-DPAT, a selective 5-HT1A receptor agonist, attenuated amphetamine-induced dopamine synthesis in rat striatum, but not nucleus accumbens or medial prefrontal cortex, Brain Research, 872: 204-207, 2000.01.
8. Kuroki T, Meltzer HY, Ichikawa J, 5-HT2A receptor stimulation by DOI, a 5-HT2A/2C receptor agonist, potentiates amphetamine-induced dopamine release in rat medial prefrontal cortex and nucleus accumbens, Brain Research, 972: 216-221, 2003.01.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
主要学会発表等
1. 黒木 俊秀, Outcome research on traditional Morita Therapy and the notation of therapeutic recovery in Morita Therapy., The 9th International Congress of Morita Therapy, 2016.09, The efficacy of traditional Morita therapy has been discussed by Dr. Morita and his followers using a number of clinical case studies and case illustrations. Researchers have also used follow-up outcome survey data for both descriptive and non-inferential statistics for analysis. The researchers who have reported these studies are practitioners of Morita therapy themselves, and according to them, over 80% of residential clients became able to resume a normal and active life after the treatment. It should be noted that successful treatment of shinkeishitsu clients using traditional Morita therapy does not require the elimination or minimization of anxiety symptoms and other ego-threatening feelings and traits. Recovered clients may still experience anxiety from time to time, but they do not stay preoccupied with resisting anxiety and uncomfortable feelings any longer. One traditional Morita therapist has said: “A cure is achieved by a non-cure.” This notion of therapeutic recovery in traditional Morita therapy may not be compatible with the modern outcome research methodology for evaluating therapeutic effects of psychotherapy..
2. 黒木 俊秀, エビデンスを超えて通いあう ーサイコセラピーの科学ー, 第17回日本サイコセラピー学会, 2016.03, 認知行動療法の効果に関する最新の知見、心理療法の機序に関する共通因子仮説を紹介し、北米における心理療法一派の脳科学への接近が必ずしも実証的研究とは言えないと考察する。今後のサイコセラピーの科学は、従来の「標準化・定式化」された治療(3人称)の研究とともに、「個」の体験(1人称)の探求が進むだろうという。19世紀後半の力動的サイコセラピーの揺籃期より、科学的実証主義を志向する立場とロマン主義的な霊性復興を希求する立場とがあり、20世紀に入っても、両者の相克の中で、様々な流派が展開してきたのである。.
3. 黒木 俊秀, 病はパーソナリティから ーDSM-5開発におけるパーソナリティ心理学の影響ー, 第15回日本外来精神医療学会総会, 2015.07.
4. 黒木 俊秀, 司法精神医学とDSM ー精神科診断の妥当性と有用性をめぐる論争ー, 第11回日本司法精神医学会大会, 2015.06.
5. 黒木 俊秀, 神庭 重信, イントロダクション:DSM-5におけるうつ病の位置づけ, 第11回日本うつ病学会総会, 2014.07, 2013 年5 月に米国精神医学会が発表したDSM-5 に対しては賛否両論があるが、それが、DSM-III(1980)以降の30 年間余に、現代精神医学が集積してきた基礎的、臨床的データを―その問題点や矛盾も含めて―統合しようとした壮大な試みであることは間違いない。まず、精神疾患分類の全体構造を根本的に刷新して、より病因・病態に基づく診断分類の仮説的モデルを提示した点は確かに新しいといえる。これは、将来のディメンジョン的モデルにもとづく診断体系へと橋渡しすることを意図しているらしい。なかでも、DSM-IV-TR における気分障害の章(チャプター)は解体され、双極性障害および関連障害群と抑うつ障害群に分離した。これは、主要な精神疾患の精神病理症状を因子分析した結果、内在化障害群(抑うつ、不安、身体症状を呈する精神障害群)と外在化障害群(反社会性パーソナリティ障害、素行症、嗜癖、衝動制御障害群)の2 因子による階層構造モデルが最も適合したことにもとづいている
(Krueger, 1999)。一方、双極性障害群は統合失調症スペクトラムおよび他の精神病性障害群とともに、2 因子の下位に位置する精神病群クラスターに包括されている(Andrews et al., 2009)。以上のように、DSM-5 では、うつ病は双極性障害よりも不安症(不安障害)や身体症状症(身体表現性障害)に近接して位置づけられたが、これは、今日の医療現場、とくにプライマリケアでは、診断基準閾値下の抑うつ症状、不安症状、および身体化症状の混合した病態が非常に多いという事実と符合する(Lowe et al., 2008)。また、DSM-5のうつ病(大うつ病)の診断基準では、複雑ではない死別反応の除外規定が削除された。死別反応による抑うつとうつ病が症候学的に有意の差がなく、また治療反応上も差がないという実証的研究データにもとづく改訂である(Kendler et al., 2008)。しかし、この改訂にはDSM-5の草案発表の段階から強い批判がある(Wakefield et al., 2012)。果たして、死別反応をうつ病に含めることが、臨床家、あるいは当事者にとって、意義のあることであろうか。この議論は、精神疾患診断の妥当性と有用性の相剋をめぐる論争とも関わってくる(Kendell et al., 2003; First et al., 2004)。臨床的に有用な精神疾患の定義が、実はその科学的妥当性から乖離している可能性がないとはいえない。いずれにせよ、生物学的精神医学のリーダーたちは、今日、DSMの広汎な普及が、それを過剰に権威づけ、具象化させたために、かえって精神疾患の病因解明を阻んでいる危惧を抱いている(Hyman, 2011)。例えば、うつ病という従来のカテゴリー的な臨床診断から一旦離れて、抑うつのディメンジョン上の様々な病態に関する膨大な神経生物学的データを構造的に解析したら、一体、何が見えてくるのだろうか(RDoC; Cuthbert et al., 2013)。期待と不安が交錯するなかで、今後の研究の動向が注目される。.
学会活動
所属学会名
日本心理臨床学会
日本児童青年精神医学会
日本司法精神医学会
日本臨床精神神経薬理学会
日本統合失調症学会
日本うつ病学会
日本総合病院精神医学会
日本森田療法学会
日本生物学的精神医学会
日本サイコセラピー学会
日本神経精神薬理学会
日本神経化学会
日本精神神経学会
Society for Neuroscience
学協会役員等への就任
2017.04~2021.03, 日本精神神経学会, 評議員.
2015.10~2017.09, 日本臨床心理士養成大学院協議会, 理事.
2013.04~2015.03, 日本精神神経学会, 評議員.
2003.10, 日本神経精神薬理学会, 評議員.
2003.09, 日本神経化学会, 評議員.
2005.04~2007.12, 日本生物学的精神医学会, 評議員.
2002.10~2003.12, 日本森田療法学会, 理事.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2016.11.24~2016.11.26, 第34回日本森田療法学会, 座長(Chairmanship).
2016.03.26~2016.03.27, 第17回日本サイコセラピー学会, 座長(Chairmanship).
2013.10.05~2013.10.05, 平成25年度アルコール薬物依存関連学会合同学術総会, 座長(Chairmanship).
2004.07, World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies 2004, 座長(Chairmanship).
2016.03.26~2016.03.27, 第17回日本サイコセラピー学会, 大会長.
2012.04.28~2013.04.28, The 10th Anniversary Memorial Symposium for The Early Start Saga Model: The Comprehensive Support for Children and Adults with Developmental Disorders, 委員長.
2005.09, 第48回日本神経化学会大会, プログラム委員、事務局長.
学会誌・雑誌・著書の編集への参加状況
2013.10~2013.10, 日本森田療法学会雑誌, 国内, 編集委員長.
2013.10~2015.10, 精神神経学雑誌, 国内, 編集委員.
2000.02, 九州神経精神学, 国内, 編集委員.
1999.11, 医学と教育, 国内, 編集委員.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2013年度     12 
2012年度 10  30  45 
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
モスクワ大学, Russia, 2013.09~2013.09.
Case Western Reserve University, UnitedStatesofAmerica, 1994.08~1996.07.
外国人研究者等の受入れ状況
2016.10~2017.03, 1ヶ月以上, University of British Columbia, Canada, 学内資金.
受賞
NARSAD Young Investigator Award, NARSAD, 1995.05.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2017年度~2019年度, 基盤研究(C), 代表, 心理アセスメントにおけるDSM診断の妥当性と有用性に関する実証的研究.
2016年度~2018年度, 基盤研究(B), 分担, 精神医学の社会的基盤:対話的アプローチの精神医学への影響と意義に関する学際的研究.
2013年度~2015年度, 基盤研究(C), 代表, 精神障害診断分類体系DSMのグローバル規模の影響の実態と歴史的経過の解明.
2005年度~2007年度, 一般研究(C), 代表, 幼年期の心理的ストレスが向精神薬の反応性に与える影響の薬理学的基礎の解明.
競争的資金(受託研究を含む)の採択状況
2014年度~2015年度, 厚生労働科学研究費補助金 (厚生労働省), 分担, 心理職の役割の明確化と育成に関する研究(H26-特別-指定-011).
共同研究、受託研究(競争的資金を除く)の受入状況
2005.04~2008.03, 分担, 認知機能を指標とした感情障害の治療システムの開発に関する研究.
寄附金の受入状況
2017年度, 公益法人メンタルヘルス岡本記念財団, 熊本地震被害者支援.
2016年度, 財団法人メンタルヘルス岡本記念財団, 熊本地震被災者支援.

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