九州大学 研究者情報
総説一覧
加藤 聖子(かとう きよこ) データ更新日:2024.04.17

教授 /  医学研究院 臨床医学部門 生殖発達医学


総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. To G,Kodama K,Onoyama I,Yahata H,Kato K, Ipsilateral Right Angular Pregnancy After a Laparoscopic Right Salpingo-Oophorectomy, A Case Report. Cureus, JIF:1.2(2022)・JCI:0.26(2022), 2023.09, It can be difficult to distinguish an interstitial pregnancy from an angular pregnancy because of the close proximity of the implantation sites. The difference in pregnancy outcomes between interstitial and angular pregnancies makes this distinction very important. A 39-year-old gravida 7 para 4 who had undergone a laparoscopic right salpingo-oophorectomy (RSO) one year ago and a pregnancy termination via dilation and curettage (D&C) three weeks ago was suspected to have a ruptured right interstitial or angular pregnancy. The patient underwent a laparoscopic total hysterectomy. The postoperative histologic diagnosis was an abortion of a right angular pregnancy. Indeed, it is essential to rule out an interstitial or angular pregnancy during adnexal surgery, even soon after elective abortion. Proper management of an angular pregnancy could prevent a fatal outcome following a rupture or massive hemorrhage..
2. 久冨恵理香、蜂須賀信孝、嘉村駿佑、坂井淳彦、原枝美子、杉谷麻伊子、城戸咲、小川昌宣、藤田恭之、加藤聖子, 胎児機能不全に対して緊急帝王切開分娩後に, 新生児リステリア症から母体リステリア症が判明した一例, 福岡産科婦人科学会雑誌. 47(1):64-9, 2023.07.
3. 清木場亮、藤田恭之、嘉村駿佑、杉浦多佳子、蜂須賀信孝、坂井淳彦、加藤聖子, 妊産褥婦の貧血に対するカルボキシマルトース第二鉄の効果についての検討, 福岡産科婦人科学会雑誌. 47(1):37-41, 2023.07, 鉄欠乏性貧血は急性出血とともに妊産褥婦における貧血の主な原因である。貧血の治療に対して、カルボキシマルトース第二鉄の使用が開始された。今回、当施設における妊産褥婦における同薬剤を投与した患者背景を明らかにし、同薬剤の効果を検討した。対象は、2021年2月から2022年8月までの期間に、当院で妊娠・産褥期の貧血に対して、カルボキシマルトース第二鉄の静注を行った58症例とし、患者背景、カルボキシマルトース第二鉄投与前後のヘモグロビン値、初回投与から再評価時までの日数、EPDS値などの情報を診療録から抽出した。貧血の原因としては前置胎盤と双胎妊娠がともに11例で最も多かった。治療前のヘモグロビン値は7.7g/dlから10.9g/dlに上昇し有意差を認めた。また、初回投与から日数を経るに連れヘモグロビン値は上昇していた。退院時と一ヵ月健診時のEPDS値では差異を認めた。当院での検討の結果、分娩時異常出血や産褥期異常出血の対応に迫られる周産期センターにおいて、カルボキシマルトース第二鉄は貧血に対する治療薬として、十分な治療効果が期待できる薬剤であると考えた。.
4. 中島奈津実、坂井淳彦、嘉村駿佑、蜂須賀信孝、佐藤由佳、城戸咲、杉谷麻伊子、原枝美子、小川昌宣、藤田恭之、加藤聖子, 経腟分娩を試行した子宮内胎児死亡を伴う常位胎盤早期剥離の臨床経過, 福岡産科婦人科学会雑誌. 47(1):31-6, 2023.07, 子宮内胎児死亡を伴う常位胎盤早期剥離(以下、早剥IUFD)は重篤な播種性血管内凝固障害(DIC)を伴うことが多く、迅速かつ的確な対応が望まれる。本邦では早剥IUFD症例に対する分娩様式に対して一定の見解はないが、近年では経腟分娩が選択される割合が増えてきている。今回、2013年から2021年にかけて当院で経腟分娩を試行した早剥IUFD17症例を後方視的に検討した。12例が経腟分娩に至り、5例は帝王切開への移行を要した。経腟分娩群と帝王切開群で母体背景に明らかな違いはなく、早剥IUFDの診断時に経腟分娩の可否を予測することは困難であった。帝王切開への移行は主に分娩進行の停滞を理由に行われたが、輸血に伴う重篤な合併症やDICの是正が困難となった症例もあった。DICに対して新鮮凍結血漿製剤の輸血に加えてフィブリノゲン製剤(FC)を投与した症例が3例あり、いずれも経腟分娩に至った。経腟分娩の利点として一般的に開腹術に伴う合併症や次回妊娠時の合併症を回避することが挙げられ、早剥IUFDの管理においてはDICに対する治療と積極的な分娩誘発による経腟分娩を試みることが望ましい。また、FCの使用により、DICの是正や輸血に伴う合併症減少により、経腟分娩完遂率を上昇させることができる可能性がある。一方で、経腟分娩困難な症例も一定数あり、速やかに帝王切開に切り替えられる体制で臨むことが重要である。.
5. 友延尚子、藏本和孝、詠田真由、河村圭子、濱田律雄、横田奈津子、磯邉明子、宮﨑順秀、大石博子、加藤聖子, 当院における15歳以下の医学的適応による妊孕性温存療法の現状, 福岡産科婦人科学会雑誌.47(1):9-13, 2023.07, 近年、がんの診断および治療の進歩により若年のがんサバイバーは増加しており、がん・生殖医療(Oncofertility)の必要性が高まっている。15歳以下の若年で妊孕性温存療法を施行した3症例を経験したので報告する。症例1は15歳で、原疾患はホジキンリンパ腫であった。症例2は14歳で、原疾患は急性骨髄性白血病であった。症例3は12歳で、原疾患は骨肉腫であった。いずれの症例も妊孕性温存療法として卵子凍結保存を行い、若年ならではの工夫や苦慮した点があった。また妊孕性温存療法後の原疾患の治療により早発卵巣不全(premature ovarian insufficiency:POI)となる症例もあり、妊孕性温存療法後も継続的に婦人科での月経状況の確認を行うとともに、適切な時期でのホルモン補充療法の開始などの女性ヘルスケアとしての介入が重要と考えられた。.
6. 守口文花、清木場亮、杉浦多佳子、嘉村駿佑、蜂須賀信孝、坂井淳彦、片山由大、岩崎健、藤田恭之、加藤聖子, 胎盤嚢胞を契機に診断に至った臍帯furcate insertionの一例, 福岡産科婦人科学会雑誌, 2023.05, 臍帯furcate insertion(FI)は、臍帯が胎盤に付着する際に臍帯血管が分岐し、ワルトン膠質が欠損するまれな臍帯付着部異常である。症例は30歳、6妊4産。妊娠30週の妊婦健診で胎盤嚢胞を疑われ当科に紹介受診し、超音波カラードプラ法で胎盤胎児面に多房性嚢胞を認めた。臍帯血管は、動静脈が嚢胞壁に沿って別々に胎盤表面に向かって走行している所見を認め、Furcate insertion(FI)と診断した。FIは子宮内胎児死亡(IUFD)といった胎児合併症の原因になり得ることから、妊娠37週での分娩の方針としていたが、妊娠31週から胎児発育不全(FGR)、妊娠34週で妊娠高血圧腎症を発症した後に自然陣痛が発栄し早産に至った。娩出された胎盤でFIであることを確認した。FIは正常妊娠経過をたどることが多いが、IUFDのリスクを考慮し、超音波検査を行う場合には、臍帯付着部の観察を十分に行うことが重要である。.
7. 大塚裕一郎、濱田律雄、友延尚子、河村圭子、磯邉明子、宮﨑順秀、江頭活子、加藤聖子, Tamoxifen(TAM)による卵巣過剰刺激作用を呈した閉経前乳がんの2症例, 日本女性医学学会雑誌. 30(3): 376-9, 2023.04, 日本における乳がんの罹患率は近年増加を続け、それに伴い閉経前ホルモン受容体陽性乳がんも増加している。閉経前後を問わずホルモン受容体陽性乳がんの術後内分泌療法として、選択的エストロゲン受容体モジュレーターであるTamoxifen(TAM)は広く用いられ、日本乳癌学会は閉経前ホルモン受容体陽性乳がんの術後内分泌療法として、TAM単独もしくはTAMとGonadotropin releasing hormone (GnRH) agonist併用を推奨している。一方で、閉経前ホルモン受容体陽性乳がん患者に対してのTAMによる卵巣過剰刺激作用をきたした症例が報告されている。TAMによる卵巣過剰刺激作用については、卵胞期に卵巣からのエストロゲン産生抑制による視床下部へのnegative feedback機構を介して視床下部からのGnRH分泌が促進し、続いて下垂体からの Gonadotropin分泌が促進することで、卵巣過剰刺激作用を呈し、さらに排卵期のエストロゲンによる視床下部へのpositive feedback機構が抑制され、排卵せずに卵胞発育が継続することで高エストロゲン血症をきたすと考えられている。近年、多施設共同後方視的コホート研究でTAMにGnRH agonistを併用することによる卵巣過剰刺激作用の発症抑制への有効性が示唆された。今回、当院で閉経前ホルモン受容体陽性乳がんのTAM投与による卵巣過剰刺激作用を呈した2症例を経験したので報告する。TAM投与中の卵巣腫大は卵巣過剰刺激作用の可能性を考え、血中エストラジオール値を測定し、乳腺外科医と抗エストロゲン療法の内容について協議し、TAMの一時中止やTAM再開時のGnRH agonistの併用を検討すべきである。.
8. 大石博子、加藤聖子, 今月の臨床 生殖医療の安全性どんなリスクと留意点があるのか?:患者に対する安全性 採卵, 臨床婦人科産科. 76(11):1077-82, 2022.11, 採卵は、腹腔内にある卵巣(卵胞)を穿刺し、卵子を体外に採取する手技であり、生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)の数ある過程のなかで最も重要な場面といっても過言ではない。令和4(2022)年度の診療報酬改定において、人工授精などの一般不妊治療、および体外受精・顕微授精などの生殖補助医療が保険適用されることになった。そのなかで、採卵は「採卵術」であり、単なる手技や処置ではなく、外科手術の1つとしてあらためて認識し、より安全に行うことが求められる。.
9. 蜂須賀一寿、加藤聖子, 特集 子宮体がんup to date:子宮体癌のMolecular Pathologyと臨床応用, 産婦人科の実際. 71(11):1329-35, 2022.10, 子宮体癌はBokhmanの分類によって組織学的内分泌学的にtype1とtype2に分類され、臨床でも長く用いられてきた。それに対して2013年にTCGAより子宮体癌の網羅的ゲノム解析の結果が報告された。TCGAでは子宮体癌を4つのmolecular subtypeに分類しており、①POLE ultramutated group, ②MSI-high group, ③copy number-low group, ④copy number-high groupと定義している。TCGAのmoleculer subtypeはそれぞれ予後に相関しているが、TCGA approachの臨床応用にむけたsurrogate approachの代表例としてProMisEアルゴリズムが挙げられる。ProMisEアルゴリズムによるmolecular ciassication と従来の組織病理学的評価に基づいたリスク分類は追加療法の推奨など実臨床へと今後応用されていくと考えられるが、どのような症例を対象とするかなど課題も多く、わが国においても今後さらなる研究が期待される。.
10. 蜂須賀信孝、藤田恭之、加藤聖子, 特集/大きく変わった?ステロイドの使い方;妊婦・授乳期におけるステロイドの使い方, 月刊 臨牀と研究 別冊. 99(10):76-81, 2022.10, ステロイド治療はアレルギー性疾患や自己免疫性疾患などに幅広く使用され、参加の現場においても、ステロイド治療が必要な疾患を合併した症例をしばしば経験する。また、特に自己免疫性疾患などは継続的にステロイド治療が必要で、授乳期の内服をどうするかについて問われることも多い。本編では、妊娠中のグルココルチロイドの代謝と生理学的な変化、母体および胎児に対する妊娠中のステロイドの使用方法、母乳とステロイドの関係について概説する。.
11. Toya M, Sakai A, Hidaka N, Kato K, A rare case of fetal cardiac hypertrophy developing into acute circulatory insufficiency and fetal compromise in Type 1 diabetic pregnancy, J Med Ultrasound. 30(2): 146-8, 10.4103/JMU.JMU_28_21, 2022.07, Fetal cardiac hypertrophy (CH) in pregnant women with diabetes is believed to be a benign condition. We encountered a rare case of fetal CH in a pregnant woman with type 1 diabetes, which developed into severe fetal circulatory insufficiency and acidemia. Fetal echocardiography at 37-week gestation showed cardiomegaly with a ventricular hypertrophy. Cardiac function was impaired, and pulsed Doppler findings indicated circulatory failure. The patient was diagnosed with fetal compromise due to fetal CH, and a large for gestational age boy was delivered by an urgent cesarean section. Despite myocardial hyperplasia and left ventricular outflow tract stenosis, the neonate was hemodynamically stabilized by fluid resuscitation alone. Although the neonatal course was favorable, we speculated that the neonate was on the verge of death because he was already acidemic at birth. Therefore, comprehensive fetal echocardiography should be performed in pregnant women with diabetes, and clinicians should not miss the optimal timing of delivery.
Keywords: Circulatory insufficiency; fetal cardiac hypertrophy; maternal diabetes..
12. 矢幡秀昭、奥川馨、加藤聖子, 早期子宮頸がんに対する妊孕性温存手術, 産婦人科の実際. 71(6):593-8, 2022.06, 早期子宮頸癌に対する妊孕性温存手術として子宮頸部摘出術は広く臨床の場に浸透してきており、婦人科腫瘍を扱う産婦人科医にとっては必要な手技になりつつある。一般的には適応は2cm未満であるとガイドラインにも記載されているが、腫瘍径よりも内子宮口との腫瘍までの距離が適応を考えるうえで重要と思われる。また、子宮動脈の温存を行わなければ通常の広汎子宮全摘術の手技を進め、子宮と膣管の吻合および子宮頸管縫合術のみが通常の手技と異なる点も重要である。また、子宮頸部摘出術に特有の合併症も術前に十分に説明したうえで、早期の不妊治療の介入の必要性なども説明しておくべきである。.
13. 矢幡秀昭、大石博子、加藤聖子, 特集/ここまで進んだ鏡視下手術
婦人科領域
, 月刊 臨牀と研究.99(6):67-71, 2022.06, 婦人科領域における鏡視下手術には腹腔鏡手術、ロボット手術、子宮鏡手術、卵管鏡手術があり、原疾患の部位、性状、適応に応じて各々の鏡視下手術が用いられる。婦人科領域での鏡視下手術の歴史は古く、当初は不妊症検査の一環として1950年代より主に検査を目的として始められた。当科でも1990年代から腹腔鏡による手術が行われるようになり、当初は良性卵巣腫瘍や異所性妊娠などが主な対象疾患であったが、悪性疾患にも適応が拡がり、2014年からは早期子宮体癌、2018年には早期子宮頸癌も腹腔鏡手術が保険収載された。一方で2018年に報告されたLACC(Laparoscopic Approach to Cervical Cancer)trialでは鏡視下手術の方が開腹術より予後が不良であったことが報告され、子宮頸癌に対する鏡視下手術は現在も混沌とした状況である。
本稿では、婦人科領域で行われている鏡視下手術について概説し、最近行われるようになってきている超低侵襲手術vNOTES(vaginal natural orifice transluminal endoscopic surgery:経腔的内視鏡手術)に居ついても触れてみたい。.
14. 矢幡秀昭、加藤聖子, 卵巣癌治療の up-to-date, 月刊 臨牀と研究, 2022.04, 卵巣は子宮の両側に存在する母指頭大の腹腔内臓器であり、卵巣腫瘍は発生母地により、上皮性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍の3つに主に分類される。また、それぞれの腫瘍が良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍に分類され、本稿で扱う卵巣癌は上皮性腫瘍の悪性腫瘍に分類されるものである。
卵巣癌はミュラー管由来腺癌として治療法なども共通であることより、卵管癌、腹膜癌と同列に扱われ、治療ガイドラインにおいても卵巣癌・卵管癌・腹膜癌治療ガイドラインとして上梓されている。
また、卵巣癌は初期症状に乏しく、有効な卵巣癌検診も存在しないため、約半数が進行癌で発見されることも多く、'silent killer'とも呼ばれている。実際に日本産科婦人科学会の2019年患者年報によると卵巣癌・卵管癌・腹膜癌と診断された症例数は7,737例であり、Ⅰ~Ⅱ期は50.4%であった。また、卵巣癌により死亡数は約4,500人程度である。本稿では卵巣癌の初回治療について概説する。.
15. Tada Y, Yasunaga M, Tomonobe H, Yamada Y, Hori E, Okugawa K, Yahata H, Oda Y, Kato K, A Case of Malignant Phyllodes Tumor of the Breast Metastasizing to the Ovary. Int J Surg Pathol, Int J Surg Pathol. Online ahead of print, 10.1177/10668969211056912, 2021.11, Phyllodes tumors of the breast are uncommon, and 6.2% of phyllodes tumors behave in a malignant fashion. The metastatic spread of malignant phyllodes tumor is mainly hematogenous to lung and bone, and malignant phyllodes tumor metastasizing to the ovary is rare, with only 2 cases reported. We report the third case of metastatic malignant phyllodes tumor to the ovary with a focus on the differential diagnosis of ovarian cancer.
Keywords: malignant phyllodes tumor of the breast; metastasis; ovary..
16. Nakahara K, Morokuma S, Kato K, Recent Topics in Fetal Behavioral Assessment, Donald School Journal of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology. 15(3):240-4, 2021.07, Many fetal behaviors are thought to indicate neurological development and may be useful for predicting neurodevelopmental outcomes after birth. In the present article, we review recent fetal behavioral studies focused on early spontaneous movements, eye movements(EMs), regular mouthing movements(RMMs), expression, and our own evaluation method of fetal dysfunction. Early spontaneous movement is one of the earlier expressions of neural activity. Changes in fetal EMs are thought to reflect the development of fetal sleep. while RMMs may reflect the development of non-rapid EM sleep. Fetal facial expressions, which may reflect higher brain function, can now be observed in more detail using four-dimensional ultrasound. Furthermore, we propose that assessing fetal brain function by combining multiple behavioral indicators may predict long-term neurodevelopmental outcomes after birth.
Keywords : Eye movement, Facial expression, Fetal behavior, Mouth movement, Neurodevelopment.
17. Toya M¹,Sakai A¹,Hidaka N¹,Kato K¹, A Rare Case of Fetal Cardiac Hypertrophy Developing into
Acute Circulatory Insufficiency and Fetal Compromise in Type 1 Diabetic Pregnancy
, J Med Ultrasound, 10.4103/JMU.JMU_28_21, JIF:1.1(2022)・JCI:0.25(2022), 2021.07, Fetal cardiac hypertrophy (CH) in pregnant women with diabetes is believed to be a benign condition. We encountered a rare case of fetal CH in a pregnant woman with type 1 diabetes, which developed into severe fetal circulatory insufficiency and acidemia. Fetal echocardiography at 37-week gestation showed cardiomegaly with a ventricular hypertrophy. Cardiac function was impaired, and pulsed Doppler findings indicated circulatory failure. The patient was diagnosed with fetal compromise due to fetal CH, and a large for gestational age boy was delivered by an urgent cesarean section. Despite myocardial hyperplasia and left ventricular outflow tract stenosis, the neonate was hemodynamically stabilized by fluid resuscitation alone. Although the neonatal course was favorable, we speculated that the neonate was on the verge of death because he was already acidemic at birth. Therefore, comprehensive fetal echocardiography should be performed in pregnant women with diabetes, and clinicians should not miss the optimal timing of delivery..
18. 城戸咲、永田公二、加藤聖子, 特集 胎児超音波診断を活かす ―産科医と新生児科医からの情報提供―
胸腔内疾患 食道閉鎖
, 周産期医学51(9):1322-7, 2021.09.
19. 加藤聖子、中村雅史, 婦人科悪性腫瘍の発症リスクと予防法, 臨牀と研究98(8)74-81(970-7), 2021.08, ・婦人科がんの特徴・婦人科がんのリスクファクター・婦人科がんの遺伝・HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)・ワクチンによる子宮頸がん予防・家族性婦人科がんの予防法・予防的卵巣切除の功罪・子宮体がんの早期発見法・婦人科がん予防法の展望.
20. Toya M, Sakai A, Hidaka N, Kato K, A Rare Case of Fetal Cardiac Hypertrophy Developing into Acute Circulatory Insufficiency and Fetal Compromise in Type 1 Diabetic Pregnancy, J Med Ultrasound. 30(2): 146-148, 10.4103/JMU.JMU_28_21, 2022.07, Fetal cardiac hypertrophy (CH) in pregnant women with diabetes is believed to be a benign condition. We encountered a rare case of fetal CH in a pregnant woman with type 1 diabetes, which developed into severe fetal circulatory insufficiency and acidemia. Fetal echocardiography at 37-week gestation showed cardiomegaly with a ventricular hypertrophy. Cardiac function was impaired, and pulsed Doppler findings indicated circulatory failure. The patient was diagnosed with fetal compromise due to fetal CH, and a large for gestational age boy was delivered by an urgent cesarean section. Despite myocardial hyperplasia and left ventricular outflow tract stenosis, the neonate was hemodynamically stabilized by fluid resuscitation alone. Although the neonatal course was favorable, we speculated that the neonate was on the verge of death because he was already acidemic at birth. Therefore, comprehensive fetal echocardiography should be performed in pregnant women with diabetes, and clinicians should not miss the optimal timing of delivery..
21. 磯邉明子、蔵本和孝、友延尚子、河村圭子、濱田律雄、宮﨑順秀、江頭活子、城戸咲、加藤聖子, ARTにより妊娠成立後、帝王切開術で生児を獲得し得た総排泄腔遺残症術後患者の1例, 日本女性医学学会雑誌.28(4): 577-80, 2021.07, 総排泄腔遺残症は、尿道、膣、直腸が総排泄腔という共通管に合流し、共通管のみが会陰部に開口する女性特有の疾患であり、先天性難治性稀少泌尿生殖器疾患群の一つである。治療は出生後の外科的治療に開始するが、不妊治療や妊娠成立後の妊娠管理・分娩様式の選択に関して症例の報告は多くなく、確立した治療指針は未だない。今回われわれが経験した症例は、1歳時の腹仙骨会陰式肛門膣形成術、尿道形成術に始まり、17歳での内膜症に対する開腹術を経て28歳でAssisted Reproductive Technology(ART)により妊娠が成立した。妊娠初期に排尿障害増悪のため膀胱瘻の造設、妊娠中期から排便困難症状・早産リスク管理のため入院を要したが、妊娠を正期産時期まで継続、帝王切開分娩へと導き生児を得ることができた。稀少疾患であること、症例個々がvariationに富むことから問題点は症例ごとに異なるが、それぞれのステージでの問題点を認識し、複数科で適切な連携管理を行うことが肝要と考える。
キーワード:cloacal dysgenesis, assisted reproductive technology, pregnancy.
22. 坂井淳彦¹、藤田恭之¹、加藤聖子¹, 抗甲状腺薬 治療目標・催奇形性をどのように考えればよいのか, 臨床婦人科産科.75(2):199-203, https://doi.org/10.11477/mf.1409210249, 2021.03, ●バセドウ病妊婦の治療を行う際は,各薬剤の催奇形性について注意するとともに,胎盤通過性を有する抗甲状腺薬が胎児の甲状腺機能におよぼす影響を理解する必要がある.
●抗甲状腺薬のチアマゾールは,妊娠初期の投与によってチアマゾール奇形症候群を起こしうる.プロピルチオウラシルの催奇形性については議論があるところである.
●バセドウ病女性に対して妊娠前から産科医がかかわることで,妊娠初期に催奇形性のある薬剤への曝露を避けることができるかもしれない..
23. 坂井淳彦、藤田恭之、加藤聖子, 周産期の薬 Ⅲ. 疾患に対する薬剤の選び方・使い方・注意点
「合併症妊娠」胃潰瘍
, 周産期医学. 50(増刊号): 155-8, 2020.12, 妊婦における胃潰瘍の治療は基本的に非妊娠時と同様にH.pylori除菌療法と制酸薬による非除菌療法であるが、妊娠中には使用できない薬剤が少なからず存在することに注意すべきである。また。これまで妊娠中に安全に投与できると考えられてきた制酸薬も胎児への影響が否定できないことが明らかとなってきており、投薬によるリスク、ベネフィットを慎重に判断する姿勢が必要である。今後、LDA潰瘍のリスクを有する妊婦は増加すると考えられ、産科医はその兆候を覚知し、適切なタイミングで消化器内科医へコンサルトすることが肝要である。.
24. 野田龍之介、佐藤由佳、蜂須賀信孝、坂井淳彦、城戸咲、日高庸博、加藤聖子, 後遺症なき生存を得た流産期前期破水の一例, 福岡産科婦人科学会雑誌44(2): 7-11, 2021.01, 【緒言】流産期の前期破水症例においては妊娠週数の長期延長が困難なことが多く、また持続的な羊水過少に伴う児への弊害も憂慮され、その児予後は絶望的と信じられていることから、人抗妊娠中絶が選択されることも多い。今回、流産期に前後破水を認めたものの妊娠の継続をはかり、3歳時点で正常発達児を得た症例を経験したので報告する。
【症例】32歳、1妊0産、妊娠20週2日に前後破水、臨床的絨毛膜羊膜炎の診断で入院加療となった。考えうる転帰を説明したところ人工妊娠中絶の意思を示されず、生児獲得を目指した管理を可及的に行う方針とした。抗菌薬投与により炎症所見は改善し、切迫早産に対して子宮収縮抑制剤投与を行い妊娠期間の延長を図った。破水の診断後、羊水過少で経過した。妊娠27週1日に常位胎盤早期剥離を発症し緊急帝王切開分娩にて888gの生児を得た。児はDry lung症候群、遷延性新生児肺高血圧症の加療を経て、日齢112に在宅酸素療法下に退院した。1歳9か月時点で在宅酸素が終了となり、脳性麻痺を認めず、3歳時の新版K式発達検査で精神発達遅滞を認めなかった。
【結語】流産期に前期破水となっても、生児を獲得し、その児が重篤な合併症に罹患せず良好な発達をたどることがありえることが示された。流産期の前期破水症例に対する患者説明に際して、このような事例がありうることも医療者は十分認識しておくべきである。.
25. 加藤聖子, 会長講演:女性の一生を診る, 日本女性医学学会雑誌, 2020.04, 産婦人科学は、卵の発生から始まり、胎児期・新生児期・思春期・生殖期・更年期・老年期を経て死を迎えるまで、「女性の一生を診る」学問である。産婦人科専門医を取得するまでは、これらすべての年代にわたる疾患の知識・医療技術を学んでいるが、サブスペシャリティーといわれる専門医を取得後は、多くの産婦人科医が自分の専門領域以外の診療を受け持たなくなる傾向がある。しかし、患者の女性としての人生を考えると目の前の「病気」を診るだけでは十分ではなく、過去・未来を含めた時間軸で「人」を診ることが必要となってくる。こういう視点で、女性ヘルスケアを扱う専門領域が「女性医学」である。女性医学は診断・治療だけではなく予防医学・社会医学の側面も持つ。これらのすべてを産婦人科医だけではカバーすることは不可能で、他の領域の医師や看護師・助産師・薬剤師・保健師など多職種連携が必須となる。本講演では胎児期や新生児期に診断され、成人期までのフォローが必要な「ターナー症候群」「総排泄腔遺残症」を例に、多診療科連携による移行期医療について考える。.
26. Katayama Y, Kido S, Kai S, Nakano T, Hidaka N, Kato K, Massive atonic bleeding during cesarean delivery in a patient with chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction: A case report and literature review, J Obstet Gynaecol Res, 10.1111/jog.14363, 2020.08, A 35-year-old primigravid woman with chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction presented to our institution. Except for an enlarged fetal bladder, her pregnancy was almost uneventful until she developed pre-eclampsia requiring emergent cesarean section at 34 weeks gestation. After delivery, intractable uterine atony developed with blood loss reaching 3500 mL within 15 min. Following a B-Lynch suture, the bleeding attenuated but uterine atony persisted; lochia persisted for 3 months post-partum. The infant was diagnosed with megacystis microcolon intestinal hypoperistalsis syndrome after birth. The mother's clinical course and previous reports suggested that atonic bleeding was associated with the pathology of chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction; the infant's disease was considered to be maternal-related disease. Clinicians should be vigilant in pregnant patients with chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction especially with these complications..
27. 安永昌史、矢幡秀昭、小玉敬亮、八木裕史、大神達寛、小野山一郎、兼城英輔、奥川馨、淺野間和夫、塩田真己、武内在雄、江藤正俊、加藤聖子, 腹腔鏡下前方骨盤除臓術を施行した外陰悪性黒色腫の一例, 福岡産科婦人科学会雑誌, 2020.07, Surgery is the mainstay for the treatment for localized malignant melanoma. We performed laparoscopic anterior pelvic exenteration and ileal conduit for vulvar malignant melanoma invading sphincter muscle of urethra to reduce perioperative complications. Time in surgery was 606 minutes and estimated blood loss was 1413ml. No complications occurred during or immediately after surgery. The patient was discharged at 30 days after operation. The laparoscopic anterior pelvic exenteration is a safe alternative in well-selected patients, with acceptable surgical complications..
28. Hara A, Hidaka N, Nitahara K, Sakai A, Kido S, Kato K, Intrathoracic shunt displacement with massive pleural effusion after successful shunt placement in a hydropic fetus with multilocular macrocystic congenital pulmonary airway malformation, J Clin Ultrasound, 10.1002/jcu.22886, 2020.06, We successfully performed shunting for a fetus with a multilocular macrocystic lung mass with hydrops at 22 weeks' gestation. Complete resolution of hydrops was achieved; however, at 35 weeks' gestation, the fetus developed acute massive pleural effusion. Fetal ultrasound examination revealed that one end of the shunting tube had migrated downward in the thoracic cavity, which led to fluid draining from the lung cyst. The baby was delivered at term and was discharged following neonatal intensive care management. Intrathoracic displacement of the shunt can occur, followed by massive pleural effusion due to drainage of cystic fluid..
29. 兼城英輔、堀絵美子、貴島雅子、安武伸子、小玉敬亮、八木裕史、磯邊明子、権丈洋徳、大神達寛、安永昌史、小野山一郎、奥川馨、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 腹腔鏡下子宮体癌手術後に緊急筋膜切開術を要した下腿コンパートメント症候群の1例, 福岡産科婦人科学会雑誌, 2020.04, コンパートメント症候群は筋・血管損傷等により筋区画(コンパートメント)の内圧が上昇し循環不全を起こす病態で、下腿支持器を用いた腹腔鏡手術での下腿コンパートメント症候群に関する報告は散見され、低頻度であるが重篤な合併症とされている。今回、腹腔鏡手術直後に下腿コンパートメント症候群を発症し、緊急筋膜切開術を要した高度肥満子宮体癌の1例を経験したので報告する。
症例は44歳、1妊1産、BMI:39.4kg/m2と高度肥満を認めた。子宮体癌(類内膜癌、grade1)の診断で、腹腔鏡下単純子宮全摘出術+両側付属器摘出術+骨盤リンパ節生検を施行した(手術時間:435分)。術中は下腿支持器を使用し、術中の定期的な除圧を行った。麻酔覚醒後に左下腿の疼痛・腫脹を認め、左下腿の筋区画の内圧測定では84mmHgと高値であった。下腿コンパートメント症候群の診断で、緊急筋膜切開術を施行して除圧した。述語よりリハビリテーションを開始し、感覚・運動障害を認めることなく術後26日目に退院した。長時間の頭低位手術・高度肥満といったコンパートメント症候群のリスク群では、下腿支持器は使用せず、開脚位での手術を考慮すべきと考えられた。.
30. Kai S, Fujita Y, Sato Y, Kido S, Hidaka N, Sakamoto I, Kato K, Pregnancy managed by unfractionated heparin after mechanical aortic valve replacement., J Matern Fetal Neonatal Med, 10.1080/14767058.2018.1512573, 2020.03, Pregnancy after mechanical valve replacement involves high risk. Maternal valve thrombosis and hemorrhagic complications are associated with lethal outcomes; therefore, strict anticoagulant therapy is needed. Our patient was 26-year-old primiparous woman. She had undergone aortic valve replacement with a mechanical valve at 4 years of age and had used warfarin 3 mg per day since then. Because of her desire for a baby, she stopped warfarin and conceived spontaneously. She was referred to our hospital. After being informed of her choices, unfractionated heparin (UFH) administration was started. She experienced mild heart failure with sacroiliitis, bacteremia, and hematuria during pregnancy. She delivered her newborn at 37 weeks. Blood loss at delivery was 220 g. Administration of UFH was restarted 4 h after delivery and 3 mg of warfarin was administered from postpartum day (PPD) 6. Hemostatic suturing was required for vaginal bleeding on PPD7. A therapeutic dose of warfarin was achieved on PPD9. Although warfarin use is recommended as anticoagulant therapy for pregnant woman with mechanical valves, the safety and efficacy of UFH have not yet been clarified because of its limited use. More cases are needed to clarify this..
31. 貴島雅子、堀絵美子、小玉敬亮、権丈洋徳、安永昌史、兼城英輔、矢幡秀昭、加藤聖子, 子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘出術および腹式広汎子宮全摘出術症例の比較検討, 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌. 35(2): 209-214, 2019.12, Objective: We compared the clinical outcomes of total laparoscopic radical hysterectomy (LRH) with abdominal radical hysterectomy (ARH) performed in women with cervical cancer.
Methods: Between November 2015 and February 2018, 19 women with cervical cancer (Stage IB1 or IIA1) underwent LRH, and 40 women with cervical cancer (Stage IB1 or IIA1) underwent ARH in our department. Patients' background, surgical outcomes, perioperative complications, and postoperative course were retrospectively compared between the groups. Statistical analysis was performed using the Student's t-test, Wilcoxon test, and the Fisher exact test.
Results: The operative time was significantly longer (587 vs. 422 min, pConclusion: Although this study included a limited number of patients and was a short-term study, LRH was safely performed in women with cervical cancer. Notably, no intergroup difference was observed in short-term outcomes. We will continue observation to determine the long-term prognosis in these women..
32. 加藤聖子, 生涯研修プログラム4:性分化(総論, 性同一性障害, 治療)治療, 日本産科婦人科学会雑誌. 71(11):2444-2447, 2019.11.
33. 松村友美子、吉田祥子、加藤聖子, 子宮内膜・体がんの幹細胞(SP細胞)の分離と培養法, 実験医学別冊 患者由来がんモデルを用いたがん研究実践ガイド, 2019.10, 近年、胎児組織と同様に、皮膚・筋肉・血液・神経などさまざまな成体組織にも自己複製能と多分化能をもつ幹細胞の存在が報告され、がん組織の中にも、自己複製能と多分化能をもつCSC(cancer stem cell)の存在が報告されている。このCSCを含むがん細胞の細胞集団は、含まない細胞集団に比べ、悪性度が高く、腫瘍抵抗性や転移能に関与すると考えられている。
いくつかの組織やがんでは、幹細胞マーカーが報告されているが、われわれはマーカーが不明な組織およびがん組織の幹細胞を同定する手段として、DNA結合色素Hoechst33342で細胞を染色し、UVで励起させた際、450/600nmの波長を暗く発現している細胞集団SP(side population)細胞を分離する方法を用いた。このSP細胞はさまざまな組織やがん組織で幹細胞として機能することが報告されている。本稿では、われわれが行ってきた子宮内膜上皮および子宮体がんの幹細胞の同定と培養法を紹介する。.
34. Oga S¹, Hachisuga M¹, Hidaka N¹, Fujita Y¹, Tomonobe H¹’², Yamamoto H², Kato K¹, Gastric cancer during pregnancy with placental involvement: case report and review of published works, Obstet Gynecol Sci,62(5)357-61, 10.5468/ogs.2019.62.5.357, 2019.09, Gastric cancer involving the placenta during pregnancy is rare; however, we present 1 such case in this report. A 31-year-old Japanese woman was referred at 26 weeks of gestation for the evaluation of a swollen left supraclavicular lymph node. Biopsy revealed poorly differentiated adenocarcinoma, and esophagogastroduodenoscopy with biopsy of the stomach confirmed the diagnosis of gastric cancer. Her epigastric and back pain became more pronounced and her general status worsened, and we performed a cesarean delivery at 29 weeks. Microscopic examination of the placental specimen revealed poorly differentiated adenocarcinoma cells diffused into the intervillous space. Postpartum chemotherapy consisted of S-1 plus oxaliplatin. Unfortunately, this treatment was ineffective, and the patient died 3 months after delivery. The infant did well, without clinical or laboratory manifestations of metastasis. In patients with advanced gastric cancer during pregnancy, it is important to perform a microscopic examination of the placenta to evaluate for metastatic involvement..
35. Kobayashi Y, Nakano T, Hidaka N, Kato K, A rare case of fetal meconium peritonitis developing coagulopathy in utero
, J Med Ultrasound, 10.4103/JMU.JMU_25_19 , 2019.08, Hydrops fetalis in association with meconium peritonitis is a rare condition, and the mechanism underlying hydropic changes has not been fully recognized. We present a case of fetal meconium peritonitis with hydrops and coagulopathy. Clinically, the cause of fetal disseminated intravascular coagulation is considered to be a consequence of a systematic inflammatory response based on progressive, but mild fetal anemia without other apparent triggers, thrombocytopenia, elevated white blood cell count and serum C reactive-protein, hypoalbuminemia, and increased vascular permeability. The infant was born at 32 weeks of gestation and survived after postnatal multidisciplinary treatment. Our experience suggests that recognition of this rare condition will enable early diagnosis and better clinical management for fetuses with meconium peritonitis. .
36. 井手大志、蜂須賀正紘、泉りりこ、甲斐翔太朗、中野嵩大、城戸咲、日高庸博、加藤聖子, 前置癒着胎盤を合併した子宮頸峡部妊娠に対する術中大動脈閉塞バルーンカテーテルの使用経験, 福岡産科婦人科学会雑誌, 2019.07, 前置癒着胎盤のCesarean hysterectomyに対する術中出血軽減のため, 大血管のballoon occlusionを主としたinterventional radiologyが行われている. 今回, 術中に大動脈バルーン閉塞(Intra-aortic balloon occlusion)を施行した我々の経験を報告する. 本症例は既往帝王切開後妊娠で, 前置癒着胎盤及び子宮頸峡部妊娠の診断で, 妊娠37週に選択的帝王切開術を施行した. 手術までに自己血1,200mlを貯血し, 硬膜外併用脊椎麻酔下に透視下で大動脈バルーンカテーテルを留置した. 児娩出後に胎盤剥離兆候を認めず, 子宮摘出を決定した. 子宮摘出の際, 子宮壁と膀胱の間に強固な癒着を認め, その剥離の過程で多量の出血を認め, 術視野確保が困難であった. その際に大動脈バルーンをinflationし, 十分な出血軽減を得て, 膀胱を損傷することなく剥離できた. 阻血時間は29分であった. 術中出血量は羊水込みで4,550mlであったが, 自己血1,200mlのみの輸血で対応可能であった. また, 大動脈バルーン閉塞に伴う有害事象は認めなかった. 前置癒着胎盤の大動脈バルーン閉塞は, Cesarean hysterectomyの術中出血軽減に有用な手段であると考えられた..
37. 井上令子、江頭活子、宮崎順秀、磯邉明子、坂井淳彦、蜂須賀正紘、日高庸博、加藤聖子, 顕微授精で生児を得たグランツマン血小板無力症の一例, 福岡産科婦人科学会雑誌, 2019.07, グランツマン血小板無力症(Glanzmann thrombasthenia: GT)は常染色体劣性遺伝疾患で, 血小板凝集能に障害を生じる血小板機能異常症である. 臨床では, 軽微な外傷による出血傾向や小手術時の止血困難などの症状を来す. 今回, GT患者が出血リスクを伴う採卵後, 顕微授精を経て生児を得た症例を報告する. 30歳1妊0産. 25歳で結婚し, 1年間の不妊期間後, 人工授精を5回行うも妊娠に至らなかった. 夫の精液検査で奇形精子症と診断され, 30歳で体外受精を行った. 血小板製剤を10単位投与した後, 5個採卵し, 顕微授精(ICSI)で3個の受精卵を得た. ホルモン補充周期での凍結融解胚移植で妊娠が成立し, 妊娠39週0日に男児を娩出した. 悪露が多く貧血が遷延したが, 鉄剤内服のみで改善した. 2人目の挙児希望で, 33歳時に2度目の体外受精を行った. 10単位の血小板製剤の投与後, 採卵を行った. 17個採卵し, 7個の受精卵を得た. ホルモン補充周期での凍結融解胚移植を行い, 妊娠が成立した. 妊娠38週5日に男児を娩出した. 産褥13日に子宮内感染とそれに伴う敗血症をきたしたが, 集中治療で軽快し産褥31日に退院となった. 本症例では, 採卵前の血小板輸血を行ったことにより, 安全な手技を行うことができたと考えられた. しかし, 繰り返された血小板輸血が原因で抗HLA抗体が出現したため, 採卵のような小侵襲の手技の際には血小板輸血の代替として遺伝子組み換え活性型血液凝固第VII因子製剤の検討も必要と考えられた..
38. Imachi Y¹, Hidaka N¹, Kai S¹, Hachisuga M¹, Kato K¹, Prolongation of Second Twin's Delivery Until Term : A Rare Case of Delayed-Interval Delivery, Clinical medicine & research, 10.3121/cmr.2019.1464, 2019.06, Although some cases describing delayed birth of the second twin have been published recently, delay of delivery beyond 36 weeks seems scarce. We report a case of delayed-interval delivery wherein prolongation of the second twin's delivery until term with a subsequent favorable infantile outcome. In this case, the stillbirth of the first twin occurred at 25 weeks' gestation. Prophylactic tocolysis was performed with ritodrine and magnesium sulfate, and a McDonald cerclage was performed 2 days after delivery of the first twin. Ampicillin and gentamicin were also administered for the purpose of prevention of intrauterine infection. No clinical sign of chorioamnionitis was found thereafter, and full term uneventful delivery was achieved. With this experience, we believe that delayed-interval delivery can be effective in prolonging gestation and should be an option if the first twin developed an extreme preterm delivery..
39. 加藤聖子, 性器の形態異常, 日本医事新報. 4966: 54-5, 2019.06, 胎生7週以降,Y染色体を持たない未分化生殖腺が卵巣に分化し,それに引き続き,胎生体腔上皮由来のミュラー管が発達し,胎生11週には,左右のミュラー管が癒合し,子宮と腟の上1/3に,融合しなかった部分は卵管に分化する。腟下部,尿道,膀胱は尿生殖洞から,小陰唇は総排泄腔ヒダから分化する。性器の形態異常はこの分化過程の異常である。
①頻度の高いものとして,尿生殖洞の分化異常により処女膜が開口していない処女膜閉鎖,ミュラー管の癒合不全である子宮・腟中隔,②比較的稀なものとして,ミュラー管の発生異常で子宮・腟を欠損しているMayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群,子宮頸部の無あるいは低形成,③希少疾患である尿直腸中隔の形成異常による総排泄腔遺残症,④先天性副腎過形成や後天的には副腎腫瘍により発生し,陰核が肥大する副腎性器症候群,⑤46XYの核型で,多くはアンドロゲン受容体の遺伝子異常によるアンドロゲン不応症,などがある。.
40. 矢幡秀昭、権丈洋徳、加藤聖子, 広汎子宮全摘出術の実際-九州大学, 産科と婦人科. 86(6):753-7, 2019.06, 広汎子宮全摘術は婦人科腫瘍医にとって1つの目標であり、婦人科腫瘍専門医取得のためにも15例の執刀が義務づけられている。九州大学でも諸先輩方の術式を伝承しつつも、パワーデバイスを中心とした手術器具の進歩やセンチネルリンパ節生検による合併症の低減などの工夫により、その術式も徐々に変化してきている。本稿ではわれわれが行っている腹式広汎子宮全摘術について手順とポイントを概説する。.
41. 猿渡万里子、城戸咲、甲斐翔太朗、中野嵩大、蜂須賀正紘、日高庸博、柳佑典、田口智章、加藤聖子, 胎児正中心を呈した胸部異所性腎合併先天性右横隔膜ヘルニアの出生前診断例, 超音波医学.46(3): 243-248, 2019.05, 胸部異所性腎は稀な先天異常でしばしば先天性横隔膜ヘルニア(Congenital Diaphragmatic hernia: CDH)を合併するが,胎児診断例は少ない.胎児正中心を呈し右胸部異所性腎,右CDHの診断に至った症例を経験した.症例は32歳,1妊0産.妊娠18週の健診時に正中心を指摘した.28週の超音波検査で右胸腔内構造が左肺より低輝度を示し腫瘤性病変を疑った.MRI検査で胎児右胸腔内に右腎と肝右葉の陥入を認め,右CDHと診断した.36週の肺胸郭断面積比0.24,肺断面積児頭周囲長比2.47と肺低形成の程度は強くないことが予測されたが,CDHに準じて管理を行う方針とした.妊娠37週に帝王切開で2,812gの女児を分娩し, Apgarスコアは1分値5点,5分値7点であった.出生直後より人工呼吸管理を行い,軽度の肺高血圧を認めたが循環動態は安定していた.日齢2のCT検査で右CDHと診断し同日根治術を施行した.横隔膜背側で肝後区域が胸腔内に挙上し,腎臓は胸部の高さで後腹膜下に存在した.ヘルニア嚢に裂孔はなく有嚢性右CDHと診断した.腎臓は腹部へ還納できなかった.横隔膜,腹横筋およびGerota筋膜でヘルニア門の縫縮を行い日齢46に退院した.胸部異所性腎の胎児診断は稀だが,本症例は正中心がその契機となった.胸部異所性腎を合併した右CDHでは患側への縦隔偏位が起こりうることを認識した..
42. 廣谷賢一郎¹、城戸咲¹、甲斐翔太朗¹、中野嵩大¹、蜂須賀正紘¹、日高庸博¹、藤田恭之¹、加藤聖子¹, 分娩を契機に二次性血栓性微小血管症を発症した全身性エリテマトーデス合併妊娠, 日本周産期・新生児医学会雑誌. 55(1): 187-193, 2019.05, 産褥に診断される血栓性微小血管症(TMA)の多くは妊娠関連の二次性TMAだが, 分娩後も増悪が続くときはそれ以外のTMAを疑い診断治療を行う必要がある. 分娩後に全身性エリテマトーデス(SLE)による二次性TMAを発症した症例を経験した. 症例は32歳, 妊娠期間を通してSLEの活動性が高かった. 37週で破水入院したが分娩第1期に16時間を要し, 重症高血圧のため吸引分娩を行い, さらに胎盤用手剥離を要した. 分娩後に貧血, 血小板減少, 肝機能障害, 腎機能障害が出現しHELLP症候群を疑ったが, 分娩48時間以降も血小板減少, 腎機能障害が増悪傾向でSLEに続発した二次性TMAと診断した. SLE合併妊娠における分娩後のTMA合併の報告は少ない. 本症例は長時間の分娩や手術の侵襲がSLEの病勢を増悪させ, TMA発症に至ったと考えた. 活動性の高いSLE合併妊娠は妊娠中のみならず, 分娩管理にも留意が必要である..
43. 城戸咲、加藤聖子, SLEの増悪, 臨床婦人科産科. 73(4)増刊号:318-23, 2019.04, 妊産褥婦の合併疾患への対処法 内分泌・自己免疫疾患.
44. Minami C, Tsunematsu R, Hiasa K, Egashira K, Kato K, Successful Surgical Treatment for Congenital Vaginal Agenesis Accompanied by Functional Uterus: A Report of Two Cases., Gynecol Minim Invasive Ther. 8(2): 76-9, 10.4103/GMIT.GMIT_124_18, 2019.04, We present two cases of congenital vaginal agenesis with functional uterine corpus, manifesting with periodic lower abdominal pain and hematometra in adolescence. Both patients were successfully treated with the creation of neovagina and neocanal structures to discharge menstrual blood; this may also facilitate the preservation of fertility. Both cases were characterized by degrees of congenital vaginal agenesis, whether short or completely absent, with no communication between the uterine cavity and external genitalia, as confirmed by physical examination and imaging. We surgically reconstructed a neovagina with the modified McIndoe's procedure, using an artificial skin graft, and canalized to the caudal portion of the uterine cavity. Although redilatation of the neocanal was required, no patient suffered severe infection in postoperative course and both now exhibit regular menstruation. Although hysterectomy has classically been the preferred treatment for such cases, recent technical progression enables treatment of such diseases with conservative and minimally invasive surgery, in a safe manner..
45. 泉りりこ、日高庸博、城戸咲、甲斐翔太朗、中野嵩大、蜂須賀正紘、加藤聖子, シャント術で胎児水腫を改善させ得ず Mirror 症候群の増悪から児を救命できなかった Macrocystic CPAMの1例, Jpn J Med Ultrasonics, 2019.01, 39歳の1回経産婦.Macrocystic typeの胎児先天性肺気道形成異常(CPAM)の診断で妊娠20週に当院へ紹介された.超音波断層法で胎児左肺を占拠する56×37×26 mmの多房性嚢胞性病変を認め,CPAM volume ratio(CVR)は1.61と算出された.少量の胎児腹水を認め,胎盤は肥厚していた.妊娠22週に入院した際には胎児皮下浮腫も認められ,胎児水腫と診断した.数日前から出現した著明な悪心と嘔吐の訴えがあり,母体顔面と手背に浮腫を認めた.血液検査で,軽度の貧血(Hb10.2 g/dL)と血小板数低値(10.0万/μl),低アルブミン血症を認め,血中hCGは178,077 mIU/mlと高値であった.Mirror症候群と診断した.妊娠22週5日に嚢胞羊水腔シャント術を行った.ただし,多房性であったが故に一定サイズの嚢胞が残存することとなり,妊娠23週1日のCVRは1.20であった.胎児胸壁の皮下浮腫は消失せず,腹水に減少を認めなかった.妊娠23週5日,一過性に母体の酸素化不良となり,胸部X線で両側胸水貯留と肺うっ血,心拡大を認めた.血液検査で血液希釈が進行しており,尿量も減少した.妊娠継続は困難と判断し,分娩誘発の方針とした.うっ血性心不全に対してアルブミンやフロセミドの投与を行いながら,妊娠24週2日,経腟分娩に至った.児は860gの女児で早期新生児死亡となった.胎盤重量は725gで浮腫著明であった.産後母体症状は速やかに改善した.巨大macrocystic CPAMが多房性である場合の問題点として,シャント術後にも腫瘤が残存し,その結果として胎児水腫の改善にも至らないケースがあることを認識した..
46. 加藤聖子, 閉経後脂質異常症, 臨牀と研究. 96(1):77-81, 2019.01, 女性は40歳頃より卵巣機能が徐々に低下し、50歳頃に閉経を迎える。
この閉経前後の約10年間を更年期と呼び、エストロゲンの低下に伴い様々な症状が出てくる。まずは、月経不順から始まり、ほてり、ホットフラッシュなど血管運動障害に続き、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の頻度が増加してくる。これらの生活習慣病は動脈硬化の危険因子であり、その治療は冠動脈疾患や脳血管疾患の予防に重要である。心筋梗塞や脳梗塞など心血管疾患の頻度は、男女ともに年齢とともに増加するが、女性は女性は閉経後に急増し、男性の頻度に近づく。女性では閉経後に心筋梗塞の発症率が増加してくる。平成25年度の人口動態統計では、女性の心筋梗塞の死亡率は男性に比べて低いが、冠動脈イベント発症後の死亡率は女性が男性より高いと報告されている。また、女性の脳梗塞発症率も加齢とともに増加する。脳梗塞の女性の死亡率は男性に比べて低率であるが、急性発症脳梗塞患者の病態(入院期間、発症時及び退院時の状況など)は男性に比べ重症であることが報告されている。2017年の日本女性の平均寿命は87.26歳と、高齢化が進んでおり、女性の心筋梗塞、脳梗塞の発症予防・管理は重要な課題である。.
47. 詠田真由、甲斐翔太朗、中野嵩大、城戸咲、蜂須賀正紘、日高庸博、藤田恭之、江頭活子、加藤聖子, 総排泄腔遺残術後患者における分娩の1例, 福岡産科婦人科学会雑誌. 42(2): 23-27, 2018.12, 総排泄腔遺残は、女児の尿直腸中隔の形成異常により、尿道、膣、直腸の共通管のみが会陰に開口する疾患である。通常小児期から思春期にかけて外科治療が行われる。今回我々は総排泄腔遺残術後に自然妊娠が成立し、帝王切開分娩に至り、産褥期にも異常を認めなかった一例を経験したので報告する。症例は28歳、初産婦。出生時より総排泄腔遺残と診断され、複数回の手術を受けた。性交障害なく、27歳で自然妊娠が成立した。妊娠経過に異常はなく、軟産道強靭のため、経膣分娩は困難と判断し、妊娠38週に選択的帝王切開術を施行した。開腹時、腹膣内の癒着のため、解剖学的位置関係の同定が困難であった。剥離を進め、周囲臓器を同定し、合併症なく帝王切開術を施行した。術後経過に異常はなく、産褥5日目に児とともに退院した。産後を通して、悪露の排泄障害や手術後の感染徴候はなく経過した。産褥1か月後の診察でも異常を認めなかった。.
48. Morita A , Kido S, Hachisuga M , Nagata H , Hidaka N, Kato K, Twin pregnancy complicated by total placenta previa in a Fontan-palliated patient: A case report., Case Rep Womens Health, 10.1016/j.crwh.2018.e00085, 2018.10, We present a case of a twin pregnancy in a Fontan-palliated woman that was complicated by total placenta previa. The patient was diagnosed with tricuspid atresia type II, and underwent the Fontan operation at 11 years of age. At 32 years of age, she was shown to have a dichorionic diamniotic twin pregnancy. A placenta previa was also noted. At 26 weeks' gestation, she had difficulty breathing, cardiomegaly, and worsening mitral regurgitation. At 29 weeks' gestation, an emergency cesarean section was performed, as the patient had massive genital bleeding. A postoperative cardiac catheterization demonstrated a leak from the lateral tunnel to the atrium, which was considered a cause of hypoxemia during the peripartum period. The cardiac workload in a twin pregnancy is greater, which places a Fontan-palliated patient at increased risk. Careful follow-up monitoring with multidisciplinary expertise is recommended..
49. 奥川馨、加藤聖子, 生殖器系の疾患-子宮編
Uterine disease
, 臨床検査. 62(8): 936-941, 2018.08, 子宮は卵巣とともに産婦人科領域で扱う代表的な臓器であるが、各ライフステージで好発する疾患が存在する。本稿では、至急に好発する疾患をライフステージ別にまとめ、各種ガイドラインを参考にしながら、疾患の特徴(診断、治療など)について概説する。.
50. Yoshida Y, Kaneki E, Kijima M, Kodama K, Yamaguchi S, Yagi H, Yasunaga M, Ohgami T, Onoyama I, Okugawa K, Yahata H, Sonoda K, Kato K, Two types of small cell carcinoma of the ovary: Two typical case reports. , Gynecol Oncol Rep, 10.1016/j.gore.2018.07.003, 2018.07, •This report shows very rare cases of small cell carcinoma of the ovary, hypercalcemic type and pulmonary type.•Their chemo sensitivity is quite different. These two cases followed opposite clinical courses.•The first case (SCOHT) progressed rapidly, and showed resistance to chemotherapy and radiotherapy.•The second case (SCOPT) showed sensitivity to chemotherapy and radiotherapy although recurrence was repeated..
51. 河村圭子、河村英彦、加藤聖子, 子宮内膜の再生, 周産期医学.48(7):823-6, 2018.07, 女性は初経から閉経までの間、450回以上の月経を繰り返している。月経は子宮内膜の増殖と剥離の繰り返しであり、このことから子宮内膜は非情に再生能力の高い組織といえる。近年、この子宮内膜の高い再生能力は子宮内膜幹細胞が存在するためと考えられ、さまざまな研究がなされてきた。本稿では、この分野における研究の現状と再生医療に向けた展望について概説する。.
52. 加藤聖子, 婦人科がん―研究・臨床の新展開, 医歯薬出版株式会社, 2018.07, [URL], ほかの癌腫と同様,婦人科がん領域の研究・臨床にも大きな変革が起こっている.
子宮頸癌では,ヒトパピローマウイルスの予防ワクチンだけではなく,治療ワクチンの開発も進んできている.診断では,病理診断においても発生機構に基づく分子の免疫染色が積極的に診断に用いられており,遺伝子検査の普及に伴い,従来の病理分類からゲノム変化に基づく分類が治療の指標に変わろうとしている.
多領域に比べ分子標的薬の導入が遅れていたが,卵巣癌に続き子宮頸癌にもベマシズマブの適応が拡大され,また,乳癌・卵巣癌症候群の原因遺伝子であるBRCAの変異を標的としたPARP阻害薬も卵巣癌に対して認可された.従来の化学療法とこれらの分子標的薬との組合せを対象にした臨床研究も行われている.また,免疫チェックポイント阻害薬の承認もまたれる.
手術においても根治性を追求した術式開発と低侵襲手術の流れがあり,腹腔鏡手術は早期子宮体癌が2014年に,子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術が2018年に保険収載された.子宮体癌の傍大動脈リンパ節郭清は先進医療で行われ,ダヴィンチ手術も拡がりをみせている.
婦人科は骨盤を扱う領域であり,下肢リンパ浮腫を防ぐためにセンチネルリンパ節検査の臨床研究も複数の施設で行われている.放射線治療では,重粒子線治療が軟部肉腫の子宮肉腫に保険適応され,現在,ほかの婦人科腫瘍は先進医療で行われている.生殖器を扱う婦人科がん治療は,妊孕性に対する配慮が必要で,子宮・卵巣がんに対する妊孕性温存治療が行われている.
婦人科では,子宮頸部・子宮体部・腟・外陰・卵巣・卵管・腹膜に発生した悪性腫瘍を扱う..
53. 日高庸博、加藤聖子, ChapterⅢ・管理・予知
胎児発育不全、妊娠高血圧症候群の予知法
, 胎児発育不全. 中外医学社, 2018.07, 妊娠高血圧症候群や胎児発育不全(fetal growth restriction:FGR)はその病因の基礎に共通のものも想定され、実際に両者が合併することも多いことから、近年では、常位胎盤早期剥離と共に”ischemic placental disease(IPD)”の呼称の中で包括的に論じられることも多い。そして、両者は人工早産の適応疾患としても最も頻度の高い2つでもあり、児の生命予後や発達予後との関連が深いがゆえに、その管理は周産期医療において極めて重要である。もしこれらを適切に予知することができるならば、リスクの高い症例を高次施設で集約して管理することが可能になるであろうし、フォローアップ法がローリスク妊婦と異なってくるかもしれない。されには、これらの疾患に対する予防的な介入法の確立に向けて種々のトライアルも始まっている。将来的に予防的介入に繋げることを考えれば、そのための予知は妊娠のなるべく早い時期にできることが望ましい。.
54. Goto H, Fujita Y, Sato Y, Kido S, Ogawa M, Kato K, Prenatal diagnosis of ring chromosome 13: a rare chromosomal aberration., Perinatal Medicine, 10.1515/crpm-2017-0050, 2018.06, We report the case of a 24-year-old Japanese woman, gravida 2, para 1, who became pregnant spontaneously. At 24 weeks of gestation, her fetus was found to have various abnormalities, including holoprosencephaly, congenital heart disease and severe fetal growth restriction, and she was referred to our hospital. From these findings, the fetus was suspected of having a chromosomal aberration, in particular, trisomy 13, and after genetic counseling, amniocentesis for chromosomal analysis was performed. Although the results of fluorescent in situ hybridization (FISH) analysis showed no numeric abnormalities, G-banding analysis revealed a ring chromosome 13; 46, XX, r (13) (p13q32). At 41 weeks of gestation, she delivered a female baby weighing 2240 g with good condition. The respiratory status of the neonate was stable, and she was discharged 30 days after birth. Ring chromosomes are rare chromosomal aberrations, and obstetricians should recognize that ring chromosomes cannot be detected solely by FISH analysis and require G-banding analysis and that information on the ring breakpoint is needed to counsel the parents regarding the fetal and neonatal prognosis..
55. 横田奈津子、江頭活子、加藤聖子, 特集 産婦人科関連ホルモンの基礎を学びなおす
4.プロゲステロン受容体
, 産科と婦人科. 84(7): 798-803, 2018.06, プロゲステロン受容体(PR)は、核内受容体のうち、ステロイドホルモン受容体スーパーファミリーに属し、PR-AおよびPR-Bの2つのサブタイプが存在する。転写因子として機能し、おもに生殖器、乳腺、脳の中枢に発現し、生殖に重要な役割を果たしている。選択的プロゲステロン受容体修飾薬はわが国では未承認だが、子宮筋腫の治療薬として注目されている。.
56. 野口享、佐々野浩一、徳田賢太郎、加藤聖子, ME機器管理システムの通信障害に関する調査報告, 2018.04, 要旨:九州大学病院のME機器管理システムは、無線ネットワークを介した移動型端末を用いて、生命維持管理装置をはじめとする院内のME機器管理を行っている。しかし、無線ネットワークは、使用する環境に影響を受けやすく、無線ネットワーク使用中のエリアで電波干渉など通信障害の事例が発生した。
そこで、当院で起きた無線環境障害の事例に関して、原因究明のための調査を行った。
本稿では、使用中のME機器管理システムに生じた通信障害の原因を、ハードウェア、ソフトウェアの両面から検討したので報告する。.
57. 吉田祥子、加藤聖子, がん幹細胞研究の展望, 日本臨牀 増刊号 婦人科がん(第2版), 2018.03, 近年、正常組織と同様にがん組織にも幹細胞が存在ることが明らかとなり、難治性がんの原因とされている治療抵抗性、再発などにがん幹細胞が重要な役割を担っていると考えられている。がん幹細胞に対する治療が確立されれば、がんの根治へとつながる可能性がある。本稿ではがん幹細胞の概念とともに、がん幹細胞の治療標的としての現状と今後について述べる。.
58. 東島弘明、藤田恭之、佐藤由佳、城戸咲、加藤聖子, 胎児MRI検査が有用であった Potter sequence の1例, 福岡産科婦人科学会雑誌41(2):9-12, 2017.09, Potter sequenceは、羊水過少、肺低形成を来し予後不良な疾患であることから、その出生前診断は重要である。症例は27歳の初産婦。近医で妊娠19週4日に羊水過少を指摘され当院受診した。初診時の超音波断層法では羊水ポケット、AFIともに0cmであった。腎臓、膀胱は描出困難で、カラードプラ法においても腹部大動脈から分岐する腎動脈を同定できなかった。 Potter sequenceが疑われ、超音波診断の精度を上げるために人工羊水注入を試みたが、穿刺針を留置するスペースを得ることができず、人工羊水注入ができなかった。両側腎無形成の診断のために妊娠21週にMRI検査を施行したが胎児腎臓を確認することはできず、腎無形成に伴うPotter sequenceと診断した。本人、家族が人工妊娠中絶を希望され、妊娠21週4日に320gの男児を娩出した。児の肉眼所見では、折り重なった耳、耳介低位、足間接の拘縮、仙骨部の髄膜瘤を認めた。腹部は陥凹し、腹部超音波断層法では腎臓の描出は困難で、膀胱も認めなかった。剖検の同意は得られず、分娩後の絨毛染色体検査は46,XYの正常核型であった。本症例においては、超音波断層法に加えてMRI検査を行うことが、その周産期管理に有用であった。.
59. 八木 裕史、加藤 聖子, ヒトパピローマウイルスと子宮頸がん, 臨牀と研究. 95(2): 155-158, 2018.02, Harald zur Hausen博士らは, 1983年, 1984年に子宮頸癌の組織から16型, および18型ヒトパピローマウイルス(HPV)のDNAを発見した. その後の大規模な疫学調査や分子生物学的解析の結果, 90%以上の子宮頸癌組織では16型をはじめとする特定のHPV(高リスク型HPV)がコードする遺伝子E6, E7が高発現していることや, E6, E7遺伝子が子宮頸癌の発癌における中心的な役割を果たしていることなどが明らかとなった. HPVによる子宮頸癌の発生機構の解明は, 癌の予防, 治療戦略に大きな変化をもたらし, Harald zur Hausen博士に2008年ノーベル生理学・医学賞が授与された. 本稿では, HPV感染から子宮頸癌に至る分子機構, その分子機構を標的とした子宮頸癌の予防および治療戦略についての最近の知見を概説する..
60. 曲淵 直未, 佐藤 由佳, 日高 庸博, 藤田 恭之, 加藤 聖子, 生体腎移植後妊娠4症例の臨床経過., 福岡産科婦人科学会雑誌41(1):7-12, 2017.07, 【緒言】当院で管理した生体腎移植後妊娠4症例の経過について報告し、その臨床的特徴を考察する。
【症例1】33歳の初産婦で基礎疾患はIgA腎症。妊娠前から高血圧に対する投薬を要し、血清クレアチニン(Cr)値は1.6mg/dlと高値であった。妊娠23週から腎機能が増悪、妊娠25週に加重型妊娠高血圧腎症の重症化に対し緊急帝王切開術を行った。児は595gで日齢107に生存退院した。産褥期の血清Cr値は非妊時より悪化し、現在も経過観察中である。
【症例2】35歳の初産婦で基礎疾患はルーブス腎炎。妊娠30週に腎機能が悪化し、妊娠33週に臨床的絨毛膜羊膜炎(CAM;chorioamnionitis) 、胎児機能不全(NRFS;non-reassuring fetal status)に対し緊急帝王切開を行った。児は1852gで日齢37に生存退院した。産褥期に腎機能は正常化した。
【症例3】21歳の初産婦で基礎疾患はAlport症候群。妊娠29週から重症妊娠高血圧症候群(PIH:pregnancy induced hypertension)に対し緊急帝王切開術を行った。
【症例4】28歳の初産婦で基礎疾患は先天性腎低形成。妊娠経過は良好で、妊娠37週に骨盤位のため選択的帝王切開術を行った。
【結語】基礎疾患が腎形態異常の症例は比較的良好な転帰を辿ったが、全身性疾患の症例は周産期合併症のため人工早産の結果となった。腎移植へ至った背景や基礎疾患によって周産期予後にバリエーションがあることが考えられた。
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61. 江頭 活子, 加藤 聖子, 総排泄腔遺残, 産科と婦人科, 2017.06, 総排泄腔遺残は女児にのみ発生する。尿道、膣、直腸が総排泄腔に開き、会陰に総排泄腔のみが開口している。総排泄腔の長さ、その他の要因により症状の重症度は多様である。
小児期には外科手術、その後、排尿、排便のケアが行われるが、思春期以降、子宮・腔留血症、月経困難症などが問題となり、産婦人科での診療が必要となる。その後の性機能の問題、妊娠、出産などに関しては産婦人科が治療の主体となるであろう。
総排泄腔の診断、手術、予後などについて当科で経験した症例を含めて記載した。.
62. 中村 友里恵, 近藤 有希子, 日高 庸博, 村上 健太, 友延 尚子, 佐藤 由佳, 原 枝美子, 村田 将春, 藤田 恭之, 加藤 聖子, 生児を得た長期血液透析中1型糖尿病合併妊娠の1例., 日本周産期・新生児医学会雑誌, 2017.05, 「要旨」糖尿病合併の40歳女性, 17歳時にインスリン治療を開始され, 糖尿病性腎症, 慢性腎不全のため32歳時から血液透析を開始された. 自然妊娠し, 妊娠17週に当科入院した. 透析前血清BUN 50mg/dL未満, 血圧140~150/80~90mmHg以下, 食後血糖値130~150mg/dLを管理目標に設定した. 継続的な高BUN血症の回避は困難だったが, インスリン量の調節, 透析時間の強化, Dry weightの慎重な設定により, 母体体液過剰や羊水過多をきたすことなく経過した. 妊娠33週に重症高血圧から胎児機能不全となり, 緊急帝王切開で児を娩出した. 児は生後に心疾患を診断されたが, 根治術後に生存退院した. 透析下妊婦では透析管理の強化と基礎疾患も加味した個別の管理指針の策定が重要で, 血清BUN値に着目し, 適切なDry weightを設定することが合併症リスク軽減に重要であると思われた. .
63. 松下 知子, 河村 圭子, 河村 英彦, 日浅 佳奈, 横田 奈津子, 江頭 活子, 加藤 聖子, 双頸を伴った完全中隔子宮に対し子宮鏡下子宮中隔切除を行ったのち妊娠成立し、生児を得た1例., 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌, 2017.04, A 37-year-old woman, gravida 1, para 0, was referred to our hospital because of uterine malformation. Pelvic examination revealed a longitudinal vaginal septum and doubled uterine cervix. Magnetic resonance imaging revealed no external fundal indentation, a complete uterine septum, and cervical duplication.
We performed vaginal septectomy and hysteroscopic metroplasty. After the resection of the vaginal septum, we inserted the Hegar dilator into the right cervical os and pushed it against the wall to reveal the position of the septum. Next, we incised the corporal portion of the septate uterus by using a loop- type monopoles electrode. We placed the intrauterine device (IUD; FD-1 Fuji Latex Co., Ltd.) in the uterine cavity. We removed the IUD after two cycles of Kaufmann therapy.
Seven months after the operation, she became pregnant spontaneously. During pregnancy, no symptoms indicating a threatened abortion or premature delivery were observed. We performed a cesarean section because of breech presentation at 38 weeks 4 days of gestation. No serious complications such as uterine rupture and placenta accrete occurred.
Hysteroscopic metroplasty for septate uterus seems to be a simple and relatively safe procedure, and seems to improve the obstetric outcome in a population of women with previous miscarriages. After operation, careful management is necessary during pregnancy and labor..
64. Fujita Y, Yumoto Y, Kato K, Prenatal diagnosis of abnormal umbilical cord insertion: a rare case of furcate insertion., J Med Ultrason, 2017.04, Furcate insertion (FI) is an extremely rare abnormality of umbilical cord insertion. One of the complications associated with FI is hemorrhage from the umbilical vein at the site of FI of the umbilical cord, which can cause sudden intrauterine fetal death. Because of its rarity, no prenatal diagnosis of FI has been reported. A 31-year-old woman at 34 weeks' gestation was referred to us for suspected abnormal cord insertion. Ultrasonography showed normal fetal growth and amniotic fluid volume, with no fetal anomalies. Although the umbilical cord contained three vessels inserted at the center of the placenta, the umbilical vessels separated from the cord substance before their insertion to the placenta. Based on these findings, the patient was diagnosed with FI. During labor at 37 weeks' gestation, fetal heart rate was normal and a healthy neonate was delivered. At macroscopic examination, the umbilical cord was inserted in the middle of the placenta, and the placental parenchymal tissue just under the cord insertion was deficient and had been changed to white, elastic hard tissue. Pathological examination of the white tissue revealed fibrin deposition and focal infarction. Although FI is a very rare condition, prenatal diagnosis can be achieved through detailed color Doppler ultrasound studies. Therefore, taking precautions and keeping in mind the poor fetal outcome associated with FI are preferred..
65. 矢幡 秀昭, 園田 顕三, 加藤 聖子, 子宮頸がん センチネルリンパ節生検, 臨床産科婦人科. 71(3): 297-301, 2017.04, [URL], ・子宮頸がんにおけるセンチネル理論は成立し、センチネルリンパ節を指標としたセンチネルノードナビゲーションサージャリーは施行可能である。
・センチネルノードナビゲーションサージャリーを安全に施行するためには正確な術中リンパ節転移診断が必須であり、現行の病理組織診断に加えてOSNA法などの新たな診断法の開発が必要である。.
66. 加藤 聖子, 婦人科がんの治療の現状と次世代への展望, 埼玉産科婦人科学会雑誌. 47(1): 27-31, 2017.03, 婦人科がんの治療において最近、新しい流れがみられる。
手術において、低侵襲である腹腔鏡手術が導入され、早期子宮体がんでは保険診療として、子宮頸癌の広汎子宮全摘術は高度先進医療として行われている。また、センチネルリンパ節生検を利用した縮小手術も臨床試験として行われている。子宮頸癌に対しては、妊孕性温存のための子宮頸部摘出術が選択肢の一つとして行われている。化学療法のプロトコール完遂率に影響する悪心・嘔吐に対して、我々は多施設共同研究を行い、中等度催吐性のTC療法において、高度催吐性抗癌剤と同様、アプレピタント・5HT₃受容体拮抗薬・デキサメソゾンの3剤が有効であることを明らかにした。
分子標的治療に重要なのが、バイオマーカーの同定である。我々は、子宮体癌細胞の腫瘍能獲得機構にはRas/Estrogen Receptor/MDM2/p53経路が、子宮体癌幹細胞の形質獲得のためには上皮間葉移行経路が重要であることを明らかにしてきた。最近、卵巣癌において三量体G蛋白Gα₁₂/₁₃が高発現しており、Hippo経路を介して増殖能に関与していることを報告した。
次世代への展望として、既存の抗がん剤や分子標的薬の耐性克服のための新規治療薬の開発が重要である。我々は転写因子Y-box protein 1 (YB-1)の発現を阻害する人工核酸YB-1アンチセンスを開発し、前臨床試験を行っている。.
67. 藤田 恭之, 加藤 聖子, 各論Ⅰ. 熊本地震 現地の状況と課題 隣県の受け入れ態勢とその課題―産科, 周産期医学. 47(3): 373-375, 2017.03, [URL], 2016年4月に発生した熊本地震。4月14日の夜9時26分に熊本県熊本地方を震央とするM6.5の地震が発生し、その2日後の4月16日深夜1時25分にM7.3の本震が発生した。熊本県益城町では震度7を観測し、甚大な被害が発生した。本稿では、隣県である福岡県の地震発生当時の受け入れ態勢とその課題について概説する。.
68. 江夏 国宏, 日高 庸博, 城戸 咲, 村田 将春, 藤田 恭之, 加藤 聖子, Selective Intrauterine Growth Restriction に合併し動脈動脈吻合を認めた双胎貧血多血症候群の1例., Jpn J Med Ultrasonics, 2017.02, 双胎貧血多血症候群 (TAPS) は胎盤表面に細い数本の動脈静脈(AV)吻合を有することがその特徴で,動脈動脈(AA)吻合を認めることは稀である.今回我々は,胎盤表面に1本のAA吻合と2本のAV吻合を有するTAPS症例を経験した.妊娠34週に一児の胎児発育不全を認め,妊娠35週に中大脳動脈血流速度の異常から発育不全児を供血児,正常発育児を受血児とするTAPSと診断した.胎児心拍数陣痛図で貧血児に繰り返す遅発一過性徐脈を認めたため,緊急帝王切開術を施行した.発育不全児の出生体重は1,762 gで,外観は貧血様で血清ヘモグロビン値は4.2 g/dl,網赤血球数は220‰であった.正常発育児の出生体重は2,056gで,外観は多血様で血清ヘモグロビン値は21.9 g/dl,網赤血球数は43‰であった.加療の後に両児とも生存退院した.色素を注入後に胎盤上の吻合血管を観察したところ,細いAV吻合を2本認めた以外に1本のAA吻合が存在していた.一絨毛膜胎盤において,AA吻合は一般にAV吻合を介した双胎間の血流移動を代償する方向に働くことが多いと考えられているが,今回の症例により,AA吻合が存在したとしてもTAPSは起こりうることが示された.また,妊娠後期に発症した一絨毛膜二羊膜双胎1児発育不全ではTAPSの合併に留意した経過観察を要する可能性がある. .
69. 藤田 恭之, 加藤 聖子, パルボウイルスB19, 周産期医学 46(増刊号)127-8, 2016.12, パルボウイルスB19(以下:PB19)は最も小型な一本鎖DNAウイルスの一つであり、エリスロウイルス属に分類されることから、正式名称としては「エリスロウイルスB19」が提唱されているが、「パルボウイルスB19」の名称が一般に用いられている。「パルボ」はラテン語の「parvus(=small)」に由来する。PB19は赤血球膜表面にあるP抗原を受容体とすることが知られており、P抗原保有細胞である血管内皮細胞や心筋細胞、胎盤の絨毛細胞、特に赤芽球前駆細胞に感染・増殖し、アポトーシスを誘導することで溶血を起こす。.
70. 安東 明子, 日高 庸博, 近藤 有希子, 佐藤 由佳, 原 枝美子, 村田 将春, 藤田 恭之, 加藤 聖子, Mirror 症候群増悪のために早期娩出を余儀なくされ児を救命できなかった胎児水腫の1例, 日本周産期・新生児医学会雑誌, 2016.12, 36歳の1回経産婦。左優位の両側胸水を伴う胎児水腫に対してシャント手術目的に妊娠27週2日に搬送となった。母体浮腫、低蛋白血症、貧血を認め、Mirror症候群と診断した。血清hCGは280.788mU/mLと高値であった。妊娠27週5日にシャント術を施行し胎児胸水は減少したが、妊娠28週0日に右側のチューブの羊水腔中への脱落があり、以後胸水と皮下浮腫の再増悪を認め、妊娠28週6日に再手術を行った。胎児水腫改善効果を期待する過程で母体胸水が出現増悪し、アルブミンや利尿剤投与でも十分に奏功せず、妊娠29週1日に妊娠継続を断念し帝王切開術を施行した。児は蘇生処置への反応が不良で、2時間で死亡した。妊娠終了後より母体の全身状態は改善した。胎児水腫例ではMirror症候群が急速に進行することがあり、児の状態だけでなく、母体の安全を考慮した慎重な分娩時期の決定を要する。.
71. 諸隈 誠一, 前原 佳奈, 大川 彦宏, 加藤 聖子, FGRにおける胎児行動の変化と評価. , 臨床婦人科産科 70(10): 894-98, 2016.10, FGR管理の大きな目標の1つが神経学的予後の改善にあることは明らかである。FGRには、脳性麻痺のみならず、発達障害などの神経障害の発生頻度が高いことが報告されている。また、画像診断により、大脳皮質や海馬の容量低下など、形態形成の問題も報告されている。しかしながら、神経障害の発生機序に関しては不明な点も多い。
胎児の行動は中枢神経機能の表現系ととらえることができ、行動が特定の週数に定められた順序で形成されることは中枢神経系の発達においてきわめて重要であると考えられる。FGRにおける胎児期の行動変化は、神経系の発達に影響を及ぼしていることが推測される。本稿では、FGRの胎児行動に関する報告および筆者らの眼球運動に着目した予備研究について紹介する。.
72. 小野山 一郎, 加藤 聖子, 子宮内膜がんに対する分子標的薬., 腫瘍内科 18(2):106-11, 2016.08, 子宮内膜がんは欧米諸国において最も頻度の高い婦人科悪性腫瘍であり、日本においてもその罹患数は増加している。国立がん研究センターの統計では1975年の粗罹患率が10万人あたり1.6人であるのに対し、2011年には22.5人に増加している。子宮内膜がんはエストロゲンの刺激が長期間持続することが原因で発生する場合があり、そのリスクファクターとして以前から食事の欧米化、肥満、出産経験がないことなどが知られており、近年罹患数が増えている原因と考えられる。現在、子宮内膜がんの標準治療には手術療法、化学療法、放射線療法、そしてホルモン療法がある。近年、種々のがんに対する分子標的薬が開発され、臨床の場でも使われるようになっているが、ホルモン療法を除き、いまだ子宮内膜がんに対する標準治療として使用できる分子標的薬はない。しかし、種々の解析によって発がん・進展機構の分子基盤が明らかとなるに従い、臨床試験レベルでも多くの分子標的薬がその効果を検討されるようになった。
本稿では、近年明らかにされつつある子宮内膜がんの分子生物学的特徴に触れつつ、現在開発中または臨床試験中の分子標的薬について解説する。最後に、現在研究が進められている子宮内膜がんのがん幹細胞について、これまで得られている知見と分子標的薬開発の方向性について解説する。.
73. Shimada Y, Hidaka N, Maehara K, Murata M, Fujita Y, Kato K, Pulmonary thromboembolism during pregnancy in a woman with β-thalassaemia who had undergone splenectomy.
, J Obstet Gynaecol, 2016.08, β-thalassaemia are inherited blood disorders, which are characterised by reduced or no production of haemoglobin beta chains resulting in varied phenotypes, with affected individuals ranging from severely anaemic to clinically asymptomatic. Affected individuals have a risk of thromboembolic events, and the prevalence of thromboembolic events is particularly increased in splenectomized β-thalassaemia patients. However, the epidemiological data on the overall frequency of thromboembolic events during pregnancy in splenectomized women with β-thalassaemia are limited, and a case of pulmonary thromboembolism occurring during the pregnancy has not been fully described..
74. 嘉村 駿佑, 村田 将春, 城戸 咲, 藤原 ありさ, 日高 庸博, 藤田 恭之, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 子宮底部筋腫を伴う嵌頓妊娠子宮の一例, 福岡産科婦人科学会雑誌 40(1): 3-7, 2016.07, 嵌頓妊娠子宮では内子宮口の頭側への著しい偏位と子宮頸部および膣管の強い進展を呈し、未診断例では帝王切開術中の頸管切開や膀胱損傷など重篤な合併症の報告がある。われわれは妊娠中のMRI検査によって嵌頓妊娠子宮と診断し、安全に帝王切開分娩を行うことができた一例を経験したので報告する。症例は39歳の初産婦で、妊娠初期に子宮後壁に直径約10cmの子宮筋腫を指摘されていた。妊娠27週6日の膣鏡診にて子宮膣部を同定できず、経膣超音波断層法で前置胎盤が疑われたため、妊娠28週4日に当科を紹介受診となった。膣鏡診では子宮膣部を視認できず、経膣超音波断層法では子宮体数の背側に直径約8cmの子宮筋腫を認めた一方で、子宮頸部を摘出できなかった。妊娠31週5日に施行したMRI検査では、既知の子宮筋腫がダグラス窩に一して内子宮口は頭側に偏位している所見であった。また胎盤は後壁に位置し辺縁は内子宮口に及んでいた。以上の所見より辺縁前置胎盤を伴う妊娠嵌頓子宮と診断した。妊娠37週5日に行った選択的帝王切開術では、術中超音波断層法で胎盤および胎児の位置を確認して皮膚横切開の上端付近に子宮切開部位を置いたが、胎児胎盤娩出後には子宮切開創は子宮体下部の適切な高さであったことが確認された。子宮底部から発生した有茎性漿膜下筋腫がダグラス窩に嵌頓し後腹膜と癒着しており、嵌頓子宮の原因と考えられた。妊娠中期に子宮頸部の同定が困難である場合は嵌頓妊娠子宮を疑う必要がある。.
75. 中附 加奈子, 大久保 文彦, 仲 正喜, 矢幡 秀昭, 兼城 英輔, 園田 顕三, 加藤 聖子, 加来 恒壽, 大石 善丈, 小田 義直, 子宮頸部小細胞癌の2例, 日本臨床細胞学会九州連合会雑誌 47: 101-106, 2016.07, 子宮頸部小細胞癌は、婦人科腫瘍委員会によると、2012年度患者年報では子宮頸癌Ⅰ期からⅣ期組織分類7028例中72例(1%)が報告されている。5年生存率は14~39%と低く、通常型の扁平上皮癌や腺癌に比して悪性度の高い腫瘍として知られている。発生年齢は20歳代~80歳代までと幅が広く、平均45歳前後である。一般的な臨床症状は性器出血であり、進行癌として見つかることが多い。子宮頸部小細胞癌の組織学的分類は、1997年の子宮頸癌取扱い規約改定で、びまん性の浸潤性増殖を示す小型悪性細胞からなるものを小細胞癌として扁平上皮癌と区別されている。WHO分類第4版では、肺の神経内分泌腫瘍に準じ、カルチノイド、非定型的カルチノイド、小細胞癌、大細胞神経内分泌癌の4つに分類されている。子宮頸部小細胞癌は病期に関わらず、急激な臨床経過をたどり予後不良であることから、他の組織型と鑑別することが必要である。今回、子宮頸部に発生した小細胞癌の2例を経験したので、文献的考察を加え報告する。.
76. 加藤 聖子, なぜ、女性のがんは増加しているのか?, 臨牀と研究 93(6): 769-773, 2016.06, 最近、増加しつつある女性のがんは乳がん、子宮体がん、卵巣がんおよび若年者の子宮頸がんである。子宮頸がんは性交渉により感染するヒトパピローマウイルスが関与することが明らかになっている。また、子宮体がんは、肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病、乳がんは初産年齢が高い・出産時数が少ないことがリスクであり、初交年齢の若年化・食生活週間の欧米化・少子化・晩産化などの女性のライフスタイルの変化がこれらのがんの増加に関与していると言われている。本稿では、これらのがんの増加の理由についてメカニズムを含めて考察する。.
77. 加藤 聖子, 子宮内膜幹細胞と生殖医療, HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY 23(2): 55-59, 2016.06, 幹細胞は自分と同じ細胞をつくる能力(自己複製能)とさまざまな細胞に分化する能力(多分化能)をもつ細胞と定義されている。子宮内膜は月経周期ごとに増殖と剥離を繰り返す再生能力の高い組織であり、世界中でさまざまな手法を用いて子宮内膜腺上皮や間質の幹細胞の同定・分離が試みられてきた。
本稿では、side population(SP)細胞や子宮内膜間葉系幹細胞の研究成果を中心に、その生物学的特性やマーカー、生殖医療への応用・展開について概説する。.
78. 藤田 恭之, 加藤 聖子, 特集 先天性横隔膜ヘルニア最新の治療と今後の課題
胎児診断後の母体の管理
, 小児外科. 48(5): 455-456, 2016.05.
79. 川上 穣, 日高 庸博, 原 枝美子, 佐藤 由佳, 近藤 有希子, 村田 将春, 藤田 恭之, 加藤 聖子, 母体CMV-IgMが陰性であった先天性サイトメガロウイルス感染症の1例., 超音波医学, 2016.05, Cytomegalovirus(CMV) infection is the most common intrauterine infection worldwide, and the clinical manifestations are potentially severe. Typically, the diagnosis of acute CMV infection in pregnancy is based on positive results for maternal IgM. Herein, we present a case of a fetal CMV infection in which maternal CMV-specific IgM antibodies were negative. The patient was a 29-year-old primipara. At 24 weeks'gestation. fetal ascites,growth restriction (-2.3 SD), and a hyperechoic bowel were detected by ultrasound scan. Fetal anemia was strongly suspected based on the markedly elevated fetal middle cerebral artery peak systolic velocity value at 84.6cm/s (2.5MoM). We performed umbilical cord sampling;fetal anemia was mild, but marked thrombocytopenia was noted (hemoglobin level:9.2 g/dL, platelet count:28,000/mm³ ). Maternal blood tests for IgM against TORCHrevealed negative results. Nevertheless, we strongly suspected congenital CMV infection based on the sonographic and cord blood examination findings. PCR using amniotic fluid drained at 25 weeks and 3 days revealed CMV-DNA, at which point a definitive diagnosis of congenital CMV infection was made. The condition of the fetus deteriorated, and at 26 weeks and 2 days, fetal death was noted. Pathological examination of the placenta after stillbirth revealed CMV placentitis. This case suggests that maternal CMV -specific IgM antibodies are not reliable for excluding CMV infection in cases of fetal infection with characteristic sonographic findings. .
80. 吉田 祥子, 加藤 聖子, がん幹細胞に関する最近の話題, 産科と婦人科 83(1): 75-81, 2016.01, 近年、がん組織においても正常組織と同様に幹細胞が存在することが明らかとなり、”がん幹細胞”の概念が提唱されるようになった。また、このがん幹細胞がもつ生物学的特性が、がんの転移、治療抵抗性、再発に関与していると考えられている。従来の治療法に加え、がん幹細胞に対する治療法が確立されれば、がんの根治が期待される。.
81. 吉田 優, 村田 将春, 城戸 咲, 近藤 有希子, 日高 庸博, 藤原 ありさ, 藤田 恭之, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 無羊水が自然軽快し良好な予後を得た先天性下部尿路閉塞の1例., 日本周産期・新生児医学会雑誌 . 51(4): 1304-1309, 2015.12.
82. 日高 庸博, 村田 将春, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 妊娠中・後期〔胎児〕
71 胎児発育不全(FGR)―胎児機能評価を怠るべからず
, 周産期医学2015年45巻増刊号, 2015.12.
83. Kiyokoba R, Yagi H, Yahata H, Kawano Y, Kaneki E, Okugawa K, Sonoda K, Kato K, Tumor-To-Tomor Metastasis of Poorly Differentiated Gastric Carcinoma to Uterine Lipoleiomyoma., Obstet Gynecol, 2015.11, The rare phenomenon of tumor-to-tumor metastasis was first described in 1930. The donor neoplasm is most frequently lung or breast carcinoma, whereas intracranial meningiomas are reportedly the commonest recipient neoplasm. Here we report a case of metastasis from a primary gastric cancer to a uterine lipoleiomyoma. A 65-year-old woman presented with locally advanced gastric cancer with computed tomography (CT) evidence of peritoneal dissemination and a 9 cm pelvic mass. She underwent 16 courses of TS-1/cisplatin chemotherapy, which achieved significant tumor reduction. However, repeat CT and magnetic resonance imaging revealed a 9 cm diameter pelvic mass adjacent to the uterus. The mass was heterogeneously hyperintense on T1- and T2-weighted images with some low signal spots on fat-suppressed T1-weighted images, suggesting a benign ovarian tumor such as a mature cystic teratoma. After 3 months, pelvic CT revealed a 10 cm multilocular cystic mass that exhibited heterogeneous enhancement after intravenous contrast administration. A diagnostic laparotomy revealed a subserosal uterine tumor extending into the right broad ligament; total abdominal hysterectomy and bilateral salpingo-oophorectomy was performed. The uterine tumor showed histological features of lipoleiomyoma infiltrated by well- to moderately differentiated carcinoma cells that were similar to those of the gastric biopsy, supporting a diagnosis of metastatic gastric adenocarcinoma. .
84. Hirakawa M, Hidaka N, Kido S, Fukushima K, Kato K, Prenatal Diagnosis Using Color Doppler Sonography to Show the Passage of Diarrhea., J Ultrasound Med, 2015.11.
85. Reiko Inoue, Yasuo Yumoto, Yasuyuki Fujita, Masayuki Ochiai, Kotaro Fukushima, Kiyoko Kato, Placental chorioangioma presenting prenatal hemolytic anemia and consumption coagulopathy: a cace report., Case Reports in Perinatal Medicine, 2015.09, Large placental chorioangioma is a rare but serious complication of pregnancy. To our knowledge, this case is the first reported diagnosis of consumption coagulopathy in a fetus using fetal blood sampling (FBS) during pregnancy complicated by placental chorioangioma. A 25-year-old woman, primigravida, was referred to our hospital at 29 weeks of gestation for placental chorioangioma. At 34+1 gestation, polyhydramnios and hyperdynamic circulation were observed in the fetus. FBS demonstrated microangiopathic hemolytic anemia and the presence of consumption coagulopathy. Cesarean section was performed at 34+4 gestation because fetal maturation was expected. A female infant weighing 2158 g was born, with Apgar scores of 6 and 8 at 1 and 5 min, respectively. Neonatal blood sampling results were similar to those of FBS. The infant was treated for hyperdynamic cardiac function, hemolytic anemia, and consumption coagulopathy on mechanical ventilation in the neonatal intensive care unit and recovered fully. When fetal anemia is suspected in a case of large placental chorioangioma, the possibility of developing consumption coagulopathy during the fetal period should be considered..
86. Yuka Otera, Yasuo Yumoto, Masayuki Ochiai, Yamashita Koji, Kiyoko Kato, Prenatal diagnosis of periventricular venous infarction in utero: a cace with hereditary protein C deficiency., Case Reports in Perinatal Medicine, 2015.09, A 36-year-old primigravida woman with a normal pregnancy course presented with fetal unilateral focal ventriculomegaly on routine ultrasonography performed at 28 weeks of gestation. Periventricular venous infarction (PVI) in utero was diagnosed with fetal magnetic resonance imaging (MRI). The neonate was born at term uneventfully and in utero PVI was confirmed by MRI after birth. The neonate was diagnosed with hereditary protein C deficiency after coagulation laboratory studies. At 10 months of age, the infant presented with mild retardation of motor development. This is the first report about prenatally diagnosed PVI in utero by fetal MRI. When focal, unilateral enlargement of the ventricles is detected in utero by prenatal ultrasonography, it is important to consider PVI and perform confirmatory fetal MRI..
87. 加藤 聖子, 子宮体癌の発生・進展機構の解明と新規治療法の開発 がん幹細胞の観点から, 日本産科婦人科学会雑誌, 2015.09.
88. Kiyokoba R, Hidaka N, Sakata Y, Hachisuga K, Fukushima K, Kato K, Fetal cytomegalovirus infection manifesting as transient pancytopenia., Congenital anomalies, 2015.08, We encountered a patient with a fetal cytomegalovirus infection manifesting as pancytopenia and thoracic hypoplasia. The fetal anemia was treated by transfusion via the umbilical cord, and did not progress after 22 weeks' gestation. The neutropenia resolved spontaneously, and only thrombocytopenia was persistent at birth. The severe thoracic hypoplasia led to pulmonary hypertension and required intensive postnatal respiratory management. Our experience suggests that pancytopenia is a possible manifestation in fetuses infected with cytomegalovirus. This may be transient, resolving spontaneously during fetal life; however, caution should be taken with blood counts, particularly platelet counts, after delivery. In addition, clinicians should carefully follow the thoracic volume in cytomegalovirus-infected fetuses and consider the possibility of postnatal severe respiratory insufficiency..
89. 奥川 馨, 加藤 聖子, 子宮頸癌における妊孕性温存治療, 日本医事新報 4754:49, 2015.06, 『子宮頸癌治療ガイドライン2011年版』1)では,妊孕性温存を強く希望する一部のⅠA1期に対しては子宮を摘出することなく,子宮頸部円錐切除術のみでの経過観察が可能とされている。現在,広く行われている円錐切除術ではあるが,術後に妊娠した場合,早産率が有意に上昇することが知られている2)。
そのほかの早期癌に対する標準的根治術式は子宮全摘出術であるが,妊孕性温存を希望する若年患者が近年増加してきており,そのような患者に対する妊孕性温存治療として広汎子宮頸部摘出術が開発された。わが国でも2000年代より開始されているが,一般に対象とされているのは遠隔転移のない早期癌のみであり,腫瘍径の大きなものや予後不良な組織型に対しては手術適応外としている施設が多い。再発率,死亡率などの予後は標準術式の広汎子宮全摘出術と変わらないとされている。
頸部摘出術により子宮体部が温存できたとしても,頸部の消失に起因する不妊症となる症例も多く,妊娠に向けて不妊症専門医の協力は不可欠である。また,妊娠に至った場合でも前期破水,早産のリスクは高く,周産期ならびに新生児専門医の協力が可能な施設においての経過観察が必要となる。.
90. 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 診断と外来対応 妊娠11週まで 
胞状奇胎
, 医学書院 臨床婦人科産科, 2015.04.
91. 村上 孟司, 日高 庸博, 城戸 咲, 福嶋 恒太郎, 永田 公二, 田口 智章, 加藤 聖子, 左肺が無形成であった先天性左横隔膜ヘルニアの1症例, 超音波医学(Jpn J Med Ultrasonics), 2015.04, 先天性横隔膜ヘルニア胎児の肺低形成を超音波で評価するにあたって,肺胸郭断面積比(lung-to-thorax transverse ratio: LTR)や肺断面積児頭周囲長比(lung area to head circumference ratio: LHR)が用いられるが,これらの指標は健側肺がターゲットであり,患側肺は考慮しない.今回,胎児期に左横隔膜ヘルニアと診断,LTRやLHRは低値でなかったにもかかわらず,生後に重篤な経過をたどり,手術時に左肺の無形成が判明,救命できなかった症例を経験した.症例は33歳の初産婦,胎児胃像の胸腔内脱出を指摘され妊娠28週で当科紹介された.胎児超音波検査で左横隔膜ヘルニアと診断,同時にファロー四徴症の合併を指摘した.主肺動脈には順行性血流が観察された.胎児左胸腔に胃と肝左葉を認め,LTR 0.17,LHRのo/e比は51%,胃の位置Grade1(Kitano)であり,重症な肺低形成を示唆しなかった.妊娠36週に胎児機能不全の診断で緊急帝王切開術を施行した.児は2,056 gの男児で,Apgar score は1/7点であった.外表異常として左拇指欠損,両耳介欠損を認めた.2生日で手術が行われ,左肺は完全欠損の状態であった.術後は体外式膜型人工肺により生命維持を行ったが離脱できることなく,肺高血圧は進行し,15生日に死亡した.本児の予後が不良であった原因として心疾患の合併は重要な因子であったが,術後に膨らむべき肺が完全欠損していたことの影響も小さくないと考えられた.横隔膜ヘルニア胎児の画像評価では,健側肺のみならず患側肺にも注目することの意義を再認識した..
92. 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 【よくわかる検査と診断】 (第1章)周産期分野 妊娠中の母体異常・胎児異常 胎児発育不全
, 産科と婦人科. 82巻増刊号:76-79, 2015.03.
93. 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 【妊婦健診のすべて-週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント】
妊娠週数ごとの健診の実際 妊娠11週まで 診断と外来対応 胞状奇胎
, 2015.04.
94. Hiromi Imai, Nobuhiro Hidaka, Takeshi Murakami, Saki Kido, Yasuo Yumoto, Kotaro Fukushima, Kiyoko Kato, In utero sonographic findings of giant hepatic hemangioma and associated perinatal complications: a report of 2 cases.
, Journal of Medical Ultrasound, 2015.03, It is uncommon to diagnose fetal hepatic hemangioma during the antenatal period. We describe herein two patients with a giant hepatic hemangioma detected antenatally, both with perinatal complications. In Case 1, a fetal intra-abdominal mass, measuring 63 mm × 50 mm × 74 mm, was observed below the right lobe of the liver, and the presumptive antenatal diagnosis of hepatic hemangioma was made at 37 weeks of gestation. Antenatal imaging suggested an intratumoral hemorrhage, but postnatal clinical findings refuted this diagnosis. However, progressive thrombocytopenia and coagulopathy were noted just after birth, resulting in the diagnosis of Kasabach–Merritt syndrome. In Case 2, our ultrasound examination performed at 40 weeks of gestation revealed a mixed solid and cystic hepatic tumor, measuring 99 mm × 54 mm. Further, antenatal sonography revealed cardiomegaly, increased descending-aorta velocity, atrioventricular valvular regurgitation, and a dilated inferior vena cava, suggesting high-output cardiac insufficiency. Giant hepatic hemangiomas can lead to severe complications such as cardiac insufficiency and Kasabach–Merritt syndrome, and these complications may occur during the fetal or early neonatal period. Detailed prenatal evaluation using fetal imaging and cord-blood sampling is important to determine proper antenatal management of patients with giant hepatic hemangiomas and to allow for prompt postnatal treatment..
95. Hiromi Imai, Hiroshi Yagi, Okugawa Kaoru, Hironori Kenjo, Tatsuhiro Ogami, Yoshiaki Kawano, Kaneki Eisuke, AKIMASA ICHINOE, KAZUO ASANOMA, Hideaki Yahata, Kenzo Sonoda, Hiroaki Koayashi, Tsunehisa Kaku, Kiyoko Kato, Uterine myxoid leiomyosarcoma with tumor embolism extending into the right atrium., Obstetrics and Gynecology, 2015.02, Uterine myxoid leiomyosarcoma (MLMS) is an extremely rare variant of uterine leiomyosarcoma; only 56 cases were reported from 1982 to 2013. Uterine MLMS is characterized by a myxoid appearance and highly malignant behavior. We herein report a case involving a 65-year-old woman with uterine MLMS with a large tumor embolism that reached the right atrium. A total abdominal hysterectomy, bilateral salpingooophorectomy, and tumor embolism resection with the use of a heart-lung machine were performed. Epirubicin-ifosfamide chemotherapy in the adjuvant setting led to reductions in both the tumor emboli and peritoneal dissemination. The patient retained a good quality of life for 10 months after the initial surgery. She then developed progressive disease despite treatment with pazopanib. She died of her disease 14 months after the initial surgery. Although complete surgical resection of the tumor is desirable, tumor reduction surgery followed by adjuvant chemotherapy might help to retain a good quality of life. This is the first reported case of a primary uterine MLMS with tumor emboli. .
96. 南 千尋, 恒松 良祐, 加藤 聖子, 双頸子宮の診断のジレンマを明確化する, 産婦人科の実際, 2014.12.
97. 南 千尋, 恒松 良祐, 加藤 聖子, 脳死患者からの子宮摘出, 産婦人科の実際, 2014.12.
98. 前之原章司, 園田 顕三, 加藤 聖子, ポリクローナル抗体はカスパーゼ経路を介するアポトーシス誘導によって卵巣癌細胞株の増殖を抑制する, 産婦人科の実際, 2014.11.
99. 林 広典, 園田 顕三, 加藤 聖子, 子宮体癌に対するロボット支援手術と腹腔鏡手術後の予後に関する検討, 産婦人科の実際, 2014.11.
100. 岡本 愛光, 加藤 聖子, 難治性卵巣癌の克服を目指して, 日本産科婦人科学会雑誌, 2014.11.
101. 蜂須賀 正紘, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 過剰な甲状腺ホルモンに曝露された胚では、甲状腺刺激ホルモン産生細胞の細胞死が起こる, 産婦人科の実際, 2014.10.
102. 大川 彦宏, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 児の予後からみる周産期仮死に対する低体温療法の有効性, 産婦人科の実際, 2014.10.
103. 横田 奈津子, 恒松 良祐, 加藤 聖子, 子宮内膜症手術により血管内皮機能障害が改善する, 産婦人科の実際 63(9):1288, 2014.09.
104. 横田 奈津子, 恒松 良祐, 加藤 聖子, 骨粗鬆症治療に対する認識と選好がアドヒアランスに与える影響, 産婦人科の実際 63(9):1288, 2014.09.
105. Shoko Wakimoto, Nobuhiro Hidaka, Kotaro Fukushima, Kiyoko Kato, Spontaneous post-partum rupture of an ovarian artery aneurysm: A case report of successful embolization and a review of the published work., 2014.09, It is rare for an ovarian artery aneurysm to rupture during the peripartum period, but the outcome can be catastrophic. Between 1980 and 2013, only nine cases have been reported in the English-language medical published work. We describe a patient with a left ovarian artery aneurysm that ruptured 4 days after an uneventful vaginal delivery. The rupture was immediately identified, using emergent computed tomography and angiography. The hemorrhage was managed using arterial embolization and blood transfusion, allowing for a successful outcome. The possibility of ruptured ovarian artery aneurysm should be considered in the differential diagnosis for women with excessive or localized abdominal pain after childbirth..
106. Tomoka Jimbo, Yasuyuki Fujita, Yasuo Yumoto, Kotaro Fukushima, Kiyoko Kato, Rare fetal complications associated with placental mesenchymal dysplasia: A report of two cases., J Obstet Gynaecol Res doi: 10.1111/jog.12518. : 1-5, 2014.09, Placental mesenchymal dysplasia (PMD) is a rare disease that may be difficult to distinguish from molar pregnancy. The disease is associated with major fetal complications, including Beckwith-Wiedemann syndrome, fetal growth restriction and intrauterine fetal death. Rarely, fetal hematological disorders and liver tumors also may occur. Two patients were referred to our hospital during their second trimesters because of suspected molar pregnancies. Fetal karyotyping and maternal serum human chorionic gonadotropin level determinations led to the PMD diagnoses. In one case, the maternal clinical course was normal, but the neonate suffered from disseminated intravascular coagulation and needed a platelet transfusion. In the second case, the PMD decreased during pregnancy, but a gradually increasing fetal liver tumor appeared. The tumor was diagnosed as mesenchymal hamartoma, based on ultrasound and magnetic resonance imaging studies. The neonate was delivered without cardiovascular compromise. Due to the difficulty of immediate surgical treatment, expectant management, with close follow-up, was chosen..
107. 蜂須賀 一寿, 園田 顕三, 加藤 聖子, 卵巣癌初回化学療法にベバシズマブを併用する際の費用対効果に関する検討, 産婦人科の実際 63(8):1152, 2014.08.
108. 山根 敬子, 園田 顕三, 加藤 聖子, 子宮体癌における上皮成長因子受容体 (EGFR) と上皮・間葉系マーカーの発現に関する解析
, 産婦人科の実際 63(8):1152, 2014.08.
109. Masanori Suenaga, Nobuhiro Hidaka, Yuka Otera, Kotaro Fukushima, Kiyoko Kato, Successful ex utero intrapartum treatment procedure for prenatally diagnosed severe micrognathia., J Obstet Gynaecol Res , 40(8): 2005-2009, 2014・4451, 2014.08, We present a case of fetal severe micrognathia in which successful airway stabilization was achieved by an ex utero intrapartum treatment procedure. In this case, it was anticipated that the infant would have a vulnerable airway at birth based on in utero sonographic findings, including an extremely hypoplastic jaw, worsening polyhydramnios and absence of stomach visualization. Early sonographic recognition was helpful in preparing the parents and physicians for the possibility of airway emergencies during the perinatal period. When a severely hypoplastic mandible accompanied by polyhydramnios and absent stomach visualization is noted on ultrasound, clinicians should consider the indication for ex utero intrapartum treatment. A multidisciplinary team with technically skilled medical providers should be coordinated to perform the procedure. .
110. 城戸 咲, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, プロゲステロンと早産予防; 臨床試験結果をいかに日常臨床に用いるか, 産婦人科の実際, 2014.07.
111. 加藤 聖子, 矢幡 秀昭, 再発卵巣癌 治療の現状と将来展望, PROGRESS in Ovarian Cancer Management 2(1):2-8, 2014.07, 化学療法、手術療法、分子標的治療薬について再発卵巣癌治療の現状と将来展望についての解説.
112. 大丸 貴子, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 妊娠高血圧腎症には絨毛栄養膜細胞における p53 経路の変化が関与している, 産婦人科の実際 63(7):990, 2014.07.
113. 権丈 洋徳, 小林 裕明, 兼城 英輔, 奥川 馨, 野上 美和子, 大久保 文彦, 相島 慎一, 加来 恒壽, 小田 義直, 加藤 聖子, 悪性腹膜中皮腫の確定診断に腹腔鏡下生検術が有用であった一例, 日臨細胞九州会誌 第45号:103-108, 2014.07, 悪性中皮腫は悪性度の高い腫瘍性疾患で、胸膜、腹膜、心膜などの漿膜に発生し、アスベスト曝露との関連性が明らかにされている。発生部位は胸膜が最も多く、腹膜発生は10~15%とされる。悪性腹膜中皮腫は非常に稀な疾患だが、腹水貯留の症状や精査で様々な診療科を受診する可能性があるため鑑別疾患として念頭においておく必要がある。腹水細胞診による正診率は20~30%と低く、確定診断には病巣摘出による組織診が必要とされている。
悪性腹膜中皮腫に対する治療は確立されておらず、悪性胸膜中皮腫に準じて行われている。近年、シスプラチンと葉酸代謝拮抗薬であるペメトレキセドの併用投与が試みられつつあり、治療成績の向上が期待されている。
今回、我々は腹水細胞診で悪性腹膜中皮腫を疑い、腹腔鏡下生検術で確定診断に至った一例を経験したので報告する。
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114. Tomonobu Uozumi, Yasuyuki Fujita, Kiyomi Tsukimori, Naoki Fusazaki, Toshihide Nakano, Hideaki Kado, Yukiko Chinen, Masato Kamitomo, Makoto Nishibatake, Kiyoko Kato, Prenatal ultrasonographic diagnosis of uhl anomaly. , Perinat Med 1-4,, 2014.07, Uhl anomaly is an extremely rare condition, and herein, we present a case of prenatally diagnosed Uhl anomaly to illustrate the associated echocardiographic features. Fetal echocardiography at 26 weeks indicated an enlarged right ventricle, severe tricuspid and pulmonary regurgitation, and ruptured ventricular septal aneurysm, resulting in a circular shunt. At 36 weeks, based on the presence of a thin ventricular wall and absence of apical trabeculation, a diagnosis of Uhl anomaly was made. The neonate, delivered by cesarean section, underwent main pulmonary artery ligation to eliminate the circular shunt immediately after birth. Moreover, he underwent ductus arteriosus ligation and received a pulmonary artery to aorta shunt for progressive lung congestion. He is currently well and awaiting a staged Fontan operation involving a bidirectional Glenn procedure. Understanding and accurate prenatal diagnoses of Uhl anomaly may help in parental counseling, planning appropriate perinatal care, and increasing the chances of survival..
115. Ayasa Nonaka, Nobuhiro Hidaka, Saki Kido, Kotaro Fukushima, Kiyoko Kato, Prenatal imaging of a fetus with the rare combination of a right congenital diaphragmatic hernia and a giant omphalocele.
, Congenit Anom (Kyoto) doi:10.1111/cga.12075:1-17, 2014.07, A co-existing right congenital diaphragmatic hernia and omphalocele is rare. We present images of a fetus diagnosed with this rare combination of anomalies. Early neonatal death occurred immediately after the full-term birth due to severe respiratory insufficiency. In this case, disturbance of chest wall development due to the omphalocele rather than the diaphragmatic hernia was considered as the main cause of lung hypoplasia. Our experience suggests that caution should be exercised for severe respiratory insufficiency in a neonate with an omphalocele and diaphragmatic hernia, even in the absence of an intra-thoracic liver, one of the indicators of poor outcome for congenital diaphragmatic hernia..
116. 園田 顕三, 小林 裕明, 矢幡 秀昭, 野上 美和子, 仲 正喜, 大久保 文彦, 山元 英崇, 小田 義直, 加来 恒壽, 加藤 聖子, 特徴的な細胞診所見を呈した子宮頸部明細胞腺癌の一例, 日本臨床細胞学会九州連合会誌 第45号59-64, 2014.07.
117. 諸隈 誠一, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 特集 胎児、新生児の脳機能評価
胎児脳モニタリング 胎児行動
, 周産期医学 44(6)741-746, 2014.07.
118. 矢幡 秀昭, 園田 顕三, 加藤 聖子, 広汎子宮全摘出術および広汎子宮頸部摘出術はどう変わったか?, 産婦人科の実際, 2014.06, 手術機器の発達により腹式広汎子宮全摘出術は20数年前に比較し、その手術手順は大きく変わっていないものの、リンパ節郭清や靭帯処理などについては、挟鉗・切離・結紮を繰り返し行っていた時代から、近年ではパワーデバイスを用いた処理により手術時間の短縮や出血量の減少が認められるようになった。また、抗菌縫合糸や癒着防止剤、局所止血剤により周術期合併症発現の頻度も減少している。さらに排尿関連神経もわが国では歴史は浅いが多くの施設で行われるようになってきている。
本稿では広汎子宮全摘出術および広汎子宮頸部摘出術における実際の手術手技の写真を提示しながら、デバイスや縫合糸などによって手術手技がどう変わったかを紹介する。.
119. 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 妊娠・授乳婦におけるステロイド療法, 臨牀と研究 大道学館出版部, 2014.04, 「はじめに」妊娠中のステロイド療法は「原則としてプレドニゾロン20~30mgまでの使用であれば非妊婦と全く同じ」, と理解していただければまず間違いはない. 母体疾患のコントロールは胎児のリスクよりも優先するという原則はステロイドに限ったことではない. もちろん明らかに危険度の高い薬剤があることも事実であるが, その薬剤を使用するような状態そのものが一般的に「妊娠することが好ましくない母体の状態」であることが大半である. もうひとつ付け加えるのであれば, 妊娠中ではなく妊娠前に患者さんとともに考えていただきたいということであろう. なお, 妊娠は「する」だけではなく, 「気がつかずにしている」場合, もあるということにもご留意いただけば幸いである. 実際のところ, ステロイドは妊娠可能な女性に比較的よく使用される薬剤である. 従って, 妊婦に投与される場合もあるが, 投与している女性が妊娠するということも少なくはない. .
120. 矢幡 秀昭, 小林 裕明, 権丈 洋徳, 八木 裕史, 大神 達寛, 河野 善明, 兼城 英輔, 奥川 馨, 園田 顕三, 加藤 聖子, リポソーム化ドキソルビシン投与時に生じた口内炎に対して”半夏瀉心湯”の直接塗布が有効であった2症例
, 産婦人科漢方研究のあゆみ・産婦人科漢方研究会編集 61(3):413-418, 2014.04.
121. 神保 友香, 坂井 淳彦, 藤田 恭之, 湯元 康夫, 福嶋 恒太郎, 加藤 聖子, 工藤 恭子, 広範囲に腹部熱傷瘢痕を伴った妊婦の一例, 福岡産科婦人科学会雑誌. 38(1):19-21, 2014.03, 妊娠前の熱傷による広範囲な腹部瘢痕を伴った妊婦に関する報告は少ない。今回、我々は広範囲な熱傷瘢痕を伴った妊婦の妊娠・分娩管理を行ったため、若干の文献的考察を加え報告する。
症例は31歳の初妊婦で、2歳時に両上腕から下腹部まで広範囲にわたる熱傷を受傷し、その後、腹部の熱傷瘢痕に対し、10,13,15歳時に皮膚移植術を施行した。
今回、自然妊娠成立し、当院を紹介受診した。当科での妊婦健診では胎児の発育は当該週数平均の-1.0SD程度で経過した。母体は妊娠31週頃より、腹壁の伸展に伴い瘢痕部に疼痛が出現した。疼痛は自制内であったが、胎児発育が緩慢になってきたことも併せて、妊娠36週に妊娠帰結の方針とし、骨盤位のため、帝王切開術を施行した。帝王切開術は皮膚科医とともに行い、皮膚切開は恥骨上約7cmの皮膚移植後の瘢痕を切除するように横切開した。開腹時に異常を認めず、骨盤位で2025gの児を娩出した。創部は皮下に持続吸引ドレーンを留置し、皮膚縫合は4層に分けて縫合した。母児ともに経過良好で術後7日目に退院となり、一ヶ月健診での創傷治癒は良好であった。広範囲な腹部熱傷瘢痕を認める症例は、概ね妊娠・分娩に関してリスクが上昇するという報告はないが、妊娠週数の進行に伴い腹部の皮膚の伸展障害が生じる可能性を考慮し、皮膚科医と共診しながら管理するとともに、胎児発育や子宮の偏位の有無などに注意する必要がある。
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122. 片岡 惠子, 恒松 良祐, 横田 奈津子, 竹内 麗子, 山本 奈理, 加藤 聖子, 腹腔鏡下手術によって確定診断に至った卵管捻転・卵管留血腫の一例, 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 29(2):494-49, 2014.03.
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