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渡部 行男(わたなべ  ゆきお) データ更新日:2017.10.19

教授 /  理学研究院 物理学部門 物性物理学


大学院(学府)担当

理学府 物理学専攻 量子微小物性A

学部担当



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取得学位
博士(工学) 東京大学 1991年
専門分野
電子物性 
活動概要
量子微小物性A 担当 (2010年以降、公式に量子微小物性B荒井准助教と別組織)

【主な研究成果】
1. 光磁気ディスクの基礎主担当(国内国際特許成立)大規模実用生産化(一時世界シェア70%)
  U.S. Patent No. 4743502 (EU, Germany, Canada,France, Britainでも成立)他



2.実用生産化に用いられたピッチ系カーボンファイバーの高強度化の原理



3.記録保持特性を持つ強誘電性によるFETの世界最初の提案と実証(日本特許米国特許USP成立1995)

米国でこの研究の最初とされることが多いC. Ahnら(Stanford U, Science誌1995)の投稿は、本論文の掲載後。本特許はC.AhnらとMathewsら(Maryland U., Science誌1997)の材料系を含むほぼ全てのぺロブスカイトを含む
 
 Y. Watanabe "Field effect transistor with perovskite oxide channel", U.S. Patent No. 5418389 (May 23, 1995).
 Y. Watanabe, Epitaxial all-perovskite ferroelectric field effect transistor with a memory retention, Appl. Phys. Lett.66, 1770(1995,Apr)
Y. Watanabe et al., Ferroelectrics/(La,Sr)2CuO4 epitaxial hetero-structure with high thermal stability, Appl. Phys. Lett.66, 299(1995, Jan)



4.記憶保持する非破壊的抵抗可変現象の発見(Physica C1994, R-RAMの原理、この最初の報告とされるBlom(PRL,Phillips社)と独立にほぼ同時(Phillipsの掲載が1ヶ月早い))

Y. Watanabe et al., Ferroelectric/(La,Sr)2CuO4 epitaxial hetero-structure and hysteretic diode property,Physica C235-240, 739(1994,Nov)
Y. Watanabe, A reproducible memory effect in the leakage current of epitaxial ferroelectrics/conductive perovskite hetero-structures Appl. Phys. Lett.66, 28(1995, Jan)



5.強表面体表面の電子伝導層の世界最初の発見(2001年)。 絶縁体界面の伝導の最初の報告と看做されることが多い類似の現象Ohtomo- HwangのSrTiO3/LaAlO3(Nature誌,2004年)の3年前。
強表面体の分域境界(電荷非中性の場合)の伝導層も例示し、その10年後以降その論文が発表され続けている。

Y. Watanabe et al., Surface conduction on insulating BaTiO3 crystal suggesting an intrinsic surface electron layer, Phys. Rev. Lett. 86, 332(2001)



6. 強誘電体の反電界に対する新原理の提案[説としては認められているが、未だ原理と認めれていない]

テーゼ: Y. Watanabe, Theoretical stability of the polarization in a thin semiconducting ferroelectric, Phys. Rev. B57, 789(1998)

アンチテーゼ: Y. Watanabe, Theoretical stability of the polarization in insulating-ferroelectric/semiconductor structures, J. Appl. Phys. 83, 2179(1998);Erratum: J. Appl. Phys. 84, 3428 (1998)
 この論文は、強誘電体を絶縁体扱い続けると非常に大きな矛盾が生じること、特に、nanodomainが生じることを世界で最初に示したが、
これは仮定:強誘電体=絶縁体の誤りよると結論した。しかし、このnanodomainを使った論文が3年後発表され、それが現在信じられてきた(20年後ようやく、小職の考えが受け入れられだしている)。



7. 新しい整流の原理=表面でない内部特性による整流特性の理論[bulk rectification][あまり受け入れられていない]
Y. Watanabe, Unidirectional bulk conduction and the anomalous temperature dependence of drift current under a trap-density gradient, Phys. Rev. B 81,195210-1-14 (2010).



8. 遷移金属酸化物接合における、最初のpn 接合とメモリー効果, 最初のトンネル効果、最初の光電効果
Y. Watanabe, Electrical transport through Pb(Zr,Ti)O3 pn and pp heterostructures modulated by bound charges at a ferroelectric surface: Ferroelectric pn diode, Phys. Rev. B 59, 11257(1999)

Y. Watanabe, Tunneling current through a possible all-perovskite oxide pn junction, Phys. Rev. B57, R5563 (1998)

Y. Watanabe and M. Okano, Photodiode properties of epitaxial Pb(Ti,Zr)O3/SrTiO3 ferroelectric heterostructures, Appl. Phys. Lett.78, 1906(2001).





【最近の研究の要約】
微小極限の物質と物性の原理的問題。当面微小極限に原理的問題があり発展が著しい強誘電体に注力している。
強誘電体は、磁性体と対比して理解される物性であるが、その発見は強磁性体より2000年以上遅れた。このためと1960-70代構造相転移からの理解の成功のため、ミクロな機構や電子的観点は極く最近まで見直されることが少なかった。近年、酸化物強誘電体を3次元的に100nm以下の大きさにして集積回路に応用する工学研究が進でいる。しかし、このような試みには強誘電体の古典的理解では寸法効果による様々な問題が予想される。このため、この応用における困難そのものが、原理的な問題であると考えられて矛盾ないように思われていた。しかし、電子的に再度これらの問題を見直すと、現在の問題は古典的理解の綻びを示すものであると考えられ、基礎でも静かに革新が進もうとしている。このような立場から、1)表面物性からみる強誘電体物性の解明、2)強誘電体極表面の原子レベル/マクロ物性の理解、3)従来は考慮されなかった強誘電体における電子効果と電子と分極の結合した新しい電子系の解明、4)強誘電体での新しい半導体としての可能性と特性、5)これらを理解するための手法の開発等を行なっている。1)−4)は実際には1つの研究を成果から分類したものとも見れる。本研究は、強誘電体の微小極限を基にした、協同現象の理解(特に微小極限)、生物へつながる複雑性-階層性の問題の有用な模型ともみなせる。

【略歴】
1980 東京大学理学部地球物理学科卒
1982 同理学系研究科地球物理学専攻(宇宙科学研究所大林研究室)修士修了
1982-1995 三菱化学総合研究所 所員-主任研究員
1983-1984 京都大学工学部電子工学科 高木研究室 国内留学(研究員)
1987-1989 Princeton大学電気工学科 Tsui研究室 客員研究員
1995-2001 九州工業大学工学部電子工学科 助教授
1998 Bell研究所(Murray Hill)物理部門 客員研究員(コンサルタント)
2000 IBM Zurich研 物理部門 客員教授 (ホスト:Dr. Bednorz)
2001-     九州大学理学研究院物理部門 教授
2004.4-2007.3 日本学術振興会学術システムセンター 研究員
2007.4-2008.3 豊田理化学研究所 研究嘱託

引用指数2014.1(IS) 20 [第一著者論文のみのIS 19]

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