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中川 雅晴(なかがわ まさはる) データ更新日:2019.05.14

准教授 /  歯学研究院 歯学部門 口腔機能修復学講座


大学院(学府)担当

歯学府 歯学専攻 口腔機能修復学講座
歯学府 歯学専攻 口腔機能修復学講座

学部担当

歯学部 歯学科 口腔基礎常態学 歯科理工学(~2012)


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092-642-6331
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092-642-6331
就職実績-他大学
就職実績有, 長崎大学歯学部助手(1984年4月〜1988年3月)
取得学位
博士(歯学)
専門分野
歯科材料学、生体材料学
活動概要
「チタンの表面改質に関する研究」
 チタンは優れた生体適合性を有するため、インプラント材料として医科、歯科の分野で広く利用されている。インプラントは骨への埋入手術後、十分な骨結合強度を得るために6ヶ月以上を有する場合も多く、そのため多くのインプラントメーカーで骨結合強度や骨結合速度を改善する表面改質処理が開発されており、かなりの成果を得ている。しかしながら、埋入後固定までの期間が長いため、その間に動揺脱落したり、撤去を余儀なくされるケースも散見されている。当研究室ではこれまでとは異なるチタンの骨結合性を改善する方法を開発(塩化カルシウム水熱処理)し、実用化に向けての研究を行っている。これによって以前よりも数倍速い期間で強い骨結合強度を得ることも可能となり、初期手術の失敗や手術期間の短縮が大に期待できると考えている。

「フッ素含有歯磨剤によるチタンインプラント装着者への影響と高耐食性を有する歯科用チタン合金の開発」
 歯科領域ではう蝕予防のためのフッ素含有歯面塗布剤や洗口剤、歯磨剤の使用を積極的に進めている。フッ素を含有する環境では、チタンは酸性のフッ素環境では腐食するおそれがある。通常の市販の歯磨剤には1000ppmのフッ素が含まれており、これをチタンが装着されている口腔内で使用すると、プラークの存在や酸性飲料水の摂取、その他によって、チタンが腐食する環境が得られる可能性がある。このような条件が長年続くと、微小な腐食が進行し、チタン表面に孔食や表面荒れを生成させる原因となる。実際に口腔内から撤去されたチタンインプラントに腐食の痕跡が確認されている。チタン表面が粗造になると、清掃が困難となり、インプラント周囲炎を引き起こすリスクとなることが考えられるため、チタンインプラントの装着者はできるだけフッ素を含有しない歯磨剤を使用することが望ましいと考えられる。
 高耐食性を有するチタン合金の開発は非常に重要な意義を持つ。現在、チタンに不動態被膜の再生を促進する金属元素を添加したチタン合金を試作し、その腐食挙動を検討した結果、これまで歯科臨床で使用されているチタンやチタン合金よりもはるかに優れた耐食性を有していることが明かとなった。現在、実用化へ向けての研究を行っている。

「生体用チタンおよびチタン合金の腐食挙動におよぼすフッ素濃度、pH、溶存酸素濃度の影響」
 チタンは優れた化学的安定性、耐食性を有するため、インプラント材をはじめとする多くの生体用金属材料として用いられている。口腔内などフッ素を多用する環境では、チタンは腐食する場合がある。チタンおよびチタン合金の腐食挙動におよぼすフッ素濃度およびpHの影響を検討し、チタンおよびチタン合金の耐食性が失われるフッ素濃度と水素イオン濃度の領域を明らかにした。またインプラントなどが使用される口腔内の溶存酸素濃度は大気中に比べて著しく低く、このような環境では従来のチタンやチタン合金は歯磨剤に含まれている1000ppm程度のフッ素によって腐食する可能性が高いことを明かにした。
"Effect of Fluoride and Dissolved Oxygen Concentrations on the Corrosion Behavior of Pure Titanium and Titanium Alloys", Dental Materials Journal, Vol.21, 83-92, 2002 は、平成14年度日本歯科理工学会論文賞を受賞した。

「歯科用合金の腐食挙動のコンピュータシミュレーション」
 コンピュータ内に歯科用貴金属合金の基本成分であるAu、Ag、Cu、Pdからなる金属結晶モデルを構築し、各原子が腐食によって溶出するときの確率に各原子の標準電極電位だけでなく、原子間の相互作用力、溶出せずに合金表面に残留した貴金属元素の表面再配列現象を考慮したモデルを考案し、腐食挙動のシミュレーションを行った。その結果、定電位分極実験による溶出量の合金組成依存性、分極電位依存性および分極後の表面近傍での各元素の濃度プロファイル、動的分極挙動などのすべてにおいて、シミュレーションの結果は実験結果をよく再現した。

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