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中田 正夫(なかだ まさお) データ更新日:2016.09.17

教授 /  理学研究院 地球惑星科学部門 固体地球惑星科学講座


大学院(学府)担当

理学府 地球惑星科学専攻 固体地球惑星科学講座

学部担当

その他の教育研究施設名

役職名

理学部長
理学府長
理学研究院長


電子メール
取得学位
理学博士
専門分野
固体地球物理学
活動概要
地球内部のダイナミクスを支配する最も重要なパラメータはマントルの粘性率の分布(マントルレオロジー)である.つまり,上部マントルと下部マントルの粘性率の大きさは,全マントル対流であるか2層対流であるかを決める最も重要な要因の1つである.この問題を解決するために,第四紀の氷床融解に伴う全地球の海面変動,重力異常,地球回転速度の時間変化,極移動を取り扱い,総合的に研究を進めてきている.
  今から2万年前,ハドソン湾やスカンジナビア半島は3千mを越す厚い氷床に覆われていた.かつ,南極も今より厚い氷床に覆われていた.その後の気候変動に伴いこれらの大陸氷床は融解し,平均的に海面は110m位上昇した.つまり,過去2万年間で全地球レベルでの表層の質量の再分配がおこった.地球内部の物質は千年以上の長い時間スケールでは粘性流体として振る舞い,これらの表層の質量の再分配に伴い,地球内部も流動し,当然それに伴い地球の慣性モーメントも変化している.これらの現象を粘弾性地球モデルも用いてモデリングし,海面変動,重力異常,地球回転の観測値と比較検討を行い,地球内部の粘性率の評価・研究を行ってきている.筆者らの公表した粘性率モデルは,世界的にも評価されている.特に地震トモグラフィーやジオイドの研究で独立に得られた粘性率構造とも調和的な結果が得られている.
  これらの研究は最近の地球温暖化に伴う海面上昇の研究にも密接に関係している.つまり,海面上昇に対して南極氷床がどのようにレスポンスするかは人類にとって非常に深刻な問題である.過去2万年間の海面上昇に対して南極氷床がどのようにレスポンスしたかを研究することにより,この問題に対して重要なコンストレイントを与えることができる.現在,国立極地研究所と共同でこの研究に取り組んでいる.また,全地球レベルでの海水準変動はコア-マントルカップリングにも大きな影響を及ぼしている.現在コア-マントルカップリングを議論するための物理モデルの構築,及びその計算コードの開発を行っている.
  地球内部の粘性率構造は,地球表層の地学現象の多様性を規定する大きな要因でもある.特に下部地殻や低粘性層の粘性率の評価は重要で,これらの問題に対して,海洋地域や西九州の海面変動・地殻変動の観測・モデリングを行っている.特に,北西九州地域の石炭生成に関係した堆積盆地の形成とその後の火成活動は,マントルダイアピル(マントル上昇流)と下部地殻の粘性カップリングで説明できることを示した.この考えは,背弧系のテクトニクスを考察上で非常に重要であると考えられる.現在,九州大学や他の研究機関と共同で,中国大陸マントル深部からのマントル上昇流の実態を,地球電磁気学,地震学,岩石学的研究により調べている.本研究により,新たな概念が出てくることを期待し研究を押し進めている.

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