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田中 俊也(たなか としや) データ更新日:2019.05.29

教授 /  言語文化研究院 言語環境学部門 言語情報講座


主な研究テーマ
古英語動詞体系の歴史・比較言語学的研究
キーワード:古英語、動詞体系、歴史・比較言語学
2005.04.
研究業績
主要著書
1. Toshiya Tanaka, A Morphological Conflation Approach to the Historical Development of Preterite-Present Verbs: Old English, Proto-Germanic, and Proto-Indo-European, 花書院(福岡), xiii + 320 pages, 2011.03, [URL], 古英語および古ゲルマン語に見られる「過去現在動詞(preterite-present verbs)」の(直説法現在形に見られる)形態的特徴について、比較言語学理論の立場から分析したもの。.
主要原著論文
1. 田中 俊也, ゲルマン語強変化動詞および過去現在動詞 IV, V類に見られる形態的差異について: Schumacher (2005) 論考の批判的考察と形態的混交説からの提案, 『言語研究』(日本言語学会), 152号, 89-116, 2017.09, [URL], ゲルマン語強変化動詞(strong verbs)の過去形と過去現在動詞(preterite-present verbs)の現在形は、ともに印欧祖語の完了形を継承しているという見解が従来の印欧語比較言語学研究において最も受け入れられてきた。しかしながら、IV, V類の動詞については、強変化動詞過去複数形では語根に長母音をもつ形態(*bǣr- あるいは *bē1r- ‘carried’, *lǣs/z- あるいは *lē1s/z- ‘collected’など)が生じ、過去現在動詞現在複数形では語根にゼロ階梯母音を反映する形態が生じる(e.g. *mun- ‘think’, *nuǥ- ‘are sufficient’)。完了形のみからの発達とする従来の説では、この差異について十分な歴史的説明が与えられていない。Schumacher (2005) はこの見解に基づく新たな研究であると言えるが、彼の「bigētun-規則」に基づく論考においても、当該の形態的差異については十分な説明がなされていない。本稿では、Schumacher (2005) の論考も含め、「完了形のみからの発達」とする説に対する批判的考察をまず行い、その後にそれとは異なる立場から、当該の形態的差異が歴史的にどのようにして生み出されたのかについての説明を試みる。それは「形態的混交説(morphological conflation theory)」と呼ぶべき立場であるが、これによれば、ゲルマン語強変化動詞の過去形は印欧祖語の完了形(perfect)と未完了形(imperfect)との形態的混交に由来するとし、過去現在動詞の現在形は印欧祖語の完了形と語幹形成母音によらざる語根現在中動形(athematic root present middle)との形態的混交に由来すると考える。強変化動詞過去形と過去現在動詞現在形は、このように発達過程が異なるために、IV, V類動詞に見られる形態的差異が生じたと考えられることを論じる。

Indo-Europeanists have so far widely accepted the idea that both the preterite tense formations of strong verbs and the present tense forms of preterite-present verbs developed out of the PIE perfect. However, class IV and V strong verbs show a long vowel in their root (e.g. *bǣr- or *bē1r- ‘carried’, *lǣs/z- or *lē1s/z- ‘collected’), whereas correponding preterite-presents reflect the original reduced grade vocalism in their root (e.g. *mun- ‘think’, *nuǥ- ‘are sufficient’). The traditional view that the PIE perfect underlies all these formations has yet to provide any satisfactory historical explanation for the conspicuous morphological difference observable between these two formation types. Although Schumacher (2005) offers a new proposal about the relevant problem in accordance with the time-honoured view, this paper points out that his ‘bigētun-Regel’ cannot adequately account for the morphological divergence at issue. Instead of the conventional interpretation of both the strong preterite and the preterite-present present tense forms having evolved from the PIE perfect alone, the current paper attempts to present a different formula, which may be called a ‘morphological conflation’ theory. This approach proposes that the preterite tense formations of strong verbs result from a mixing of the perfect and the imperfect, whilst the present tense forms of preterite-present verbs stem from an amalgamation of the perfect and the athematic present middle. It is contended that the difference in morphological conflation style has yielded the remarkable morphological differences between the two kinds of verbs under discussion..
2. 田中 俊也, ゲルマン語強変化動詞V類過去複数形に散発的に見られる語根末摩擦音の有声化について: *wes- 'be, stay, dwell' の事例を中心に, 日本歴史言語学会 『歴史言語学(Historical Linguistics in Japan)』 , 第2号, 3-20, 2013.11, ゲルマン語強変化動詞の過去形形態の発達について、従来満足な歴史的説明が与えられていない現象が少なからず存在する。本稿ではそのような事例のうち、強変化V類過去複数形に散発的に見られる、ヴェルナーの法則(Verner’s Law)が適用された形態の歴史的由来について論じる。即ち、強変化動詞I-III類の過去複数形ではゴート語の動詞を例外として、ほぼ規則的に語根末無声摩擦音の有声化が生じているが、強変化V類ではなぜ散発的にのみヴェルナーの法則の適用が見られるのかという問題を取り上げる。この問題について、これまでに提案してきた形態的混交説(morphological conflation theory)の観点からどのような説明ができるか、*wes- ‘be, stay, dwell’ の事例(過去単数形 *was-, 過去複数形 *wǣz- および *wǣs-)を中心に考察した。提案する形態的混交説は、ゲルマン語強変化動詞の過去形は印欧祖語の完了形と未完了形の混交に由来するというものである。この仮説から、強変化動詞V類過去複数形について、語根に延長階梯母音を持ち、時折ヴェルナーの法則による摩擦音有声化を示す形態がいかにして発達したか、説明を試みている。完了形との形態的混交を受けた未完了形には、語根語尾移動型(amphikinetic type)とナルテン型(あるいは語根静止1型;Narten or acrostatic 1 type)双方の活用タイプがあり、これら双方が元々持っていたアクセント位置の差異が原因となり、強変化V類過去複数形において、ヴェルナーの法則が適用される形態、および同法則が適用されない形態が生み出されることになったと結論する。

This paper looks at an area in the historical development of Germanic verbal morphology that has yet to meet with any satisfactory explanation, namely why the preterite plural forms of strong class V verbs exhibit only sporadic voicing of their root-final fricative in accordance with Verner’s law, while the preterite plural forms of strong class I-III verbs show regular voicing (except in Gothic). To account for the facts, a ‘morphological conflation’ theory is adopted which postulates that the Germanic strong preterite originates from a morphological conflation of perfect and imperfect formations that were available in the Proto-Indo-European verbal system. Attention is focused especially on the development of the strong class V verb *wes- ‘be, stay, dwell’ (pret. sg. *was-, pret. pl. *wǣz- and wǣs-), and a historical account is given to explain what brought about the plural forms with a long radical vowel (i.e. -ǣ-) and Verner’s voicing of the root-final fricative (*-s- > *-z- etc.). It is argued that the imperfect that conflated with the perfect had two distinct types, amphikinetic and Narten (= acrostatic 1), whence two different accent types were utilised in the pre-Proto-Germanic (or pre-Verner’s-law) preterite plural formation. This situation led to the coexistence of forms with and without the effects of Verner’s law in the Proto-Germanic verbal system..
3. 田中 俊也, ゲルマン語強変化動詞IV, V類の過去複数形をめぐる考察, 九州大学英語英文学研究会 英語英文学論叢 第63集 2013年3月発行, 第63集, 67-112, 2013.03, ゲルマン語強変化動詞の過去形については、印欧祖語の完了形を継承しているという考えが一般的である。強変化動詞I, II, III類の過去形については、単数形・複数形双方ともこの見解から簡明な説明が可能である。しかしながら、今日変化動詞IV, V類については、その過去複数形では延長階梯の母音が語根に生じ、印相祖語では語根母音がゼロ階梯となる完了複数形とは一致しないように見える。この点についてどのような説明ができるか、これまで様々な学者が提案を行ってきた。それらの説についてどのような未解決の問題が残っているかを、本稿では考察したい。特に「語根アオリストとの混交説」と「完了形のみに由来する説」を取り上げて、そこに残る問題を論じたい。そして、今後の新たな研究の展開として「未完了形との混交説」の可能性を考えることにしたい。(本稿は、2011年12月18日(日)に日本歴史言語学会第1回大会(大阪大学豊中キャンパス)で発表した原稿に、大幅に加筆、修正を加えたものである。).
4. Toshiya Tanaka, Osthoff's Law and the Rise of the Strong I-III Preterite Plural Formations in Proto-Germanic, 『言語文化論究』第25号(九州大学言語文化研究院), pp.7-15, 2010.03.
5. Toshiya Tanaka, The Proto-Germanic Third Person Strong Preterite and the Proto-Indo-European 'Type I' Thematic Present Formations: With Special Reference to the Strong IV and V Classes, 『言語科学』第44号(九州大学大学院言語文化研究院言語研究会), 第44号、pp.1-23, 2009.03.
6. Toshiya Tanaka, The Origin and Development of the *es- vs. *wes- Suppletion in the Germanic Copula: From a Non-Brugmannian Standpoint, NOWELE Volume 40 (Odense University Press), pp.3-27, 40, 3-27, 2002.04.
7. Toshiya Tanaka, Prosodic Features of Old English Preterite-Present Verbs: Evidence from Beowulf, 『英語英文学論叢』第51集(九州大学英語英文学研究会), pp.1-26, 2001.01.
8. Toshiya Tanaka, Old English MAGAN and Related Verbs: Further Evidence for a Hyperlexical Approach., 天野政千代、他(編)『言語の深層を探ねて』(東京:英潮社), pp.489-506.
, 1996.10.
9. Toshiya Tanaka, Mental Representations in Developing Modals: A Cross-Linguistic and Cross-Cultural Review., J. Altarriba (ed.) Cognition and Culture: A cross-cultural approach to cognitive psychology (Advances in psychology 103, Amsterdam: North-Holland), pp. 77-94., 103, 77-94, 1993.10.
10. Toshiya Tanaka, Characteristics of Ability-Signifying Verbs in Earlier English and Other Languages: A Synchronic and Diachronic Investigation., Linguistics Vol. 29, No. 3 (Berlin: Walter de Gruyter), pp.361-396., 10.1515/ling.1991.29.3.361, 29, 3, 361-396, https://scholar.google.co.jp/scholar?cites=10552038252165214751&as_sdt=2005&sciodt=0,5&hl=ja
, 1991.08.
11. Toshiya Tanaka, Semantic Changes of CAN and MAY: Differentiation and Implication., Linguistics Vol. 28, No. 1 (Berlin: Walter de Gruyter), pp.89-123., 28, 1, 89-123, 1990.05.
12. 田中俊也, CANの意味変化をめぐって: その統語的特質, 名古屋短期大学『研究紀要』第26号、pp.135-147.
, 1988.08.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 田中 俊也, 教員による授業紹介:学術英語科目, 九州大学基幹教育院『OHMEI 嚶鳴』第9号 p.13  http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/1682670/vol.9.pdf, 2016.04, [URL], 新カリキュラムでの授業紹介.
2. 田中 俊也, 江口 巧, 大津 隆広, 鈴木 右文, 九大英単:大学生のための英語表現ハンドブック, 研究社, 2014.03, [URL],  本書は、平成26年4月から九州大学で始まる「基幹教育」における英語科目で使用することを目的に編んだものです。「基幹教育」は専攻の違いを超えて全ての学部の学生が受講するコースで、そこでは様々な目的があります。自ら考え自ら学ぶ姿勢を身につけることもその大切な目的のひとつとなりますが、この英語語彙ハンドブックは1年次に基幹教育の英語科目を受講する間に、是非自ら積極的に学ぶ姿勢のもとで習得してもらいたい英語表現を集めています。この本に挙げている語彙をまず習得することで、今後の大学における英語学習・英語使用が円滑に進むようになることを願っています。読むこと、聞くことに役立つことは当然ですが、自ら英語を使って発信すること、即ち書くこと、話すことにも積極的に活用してもらいたいと思います。九大に入学する前に習得した語彙や表現も含まれていることと思いますが、それらを復習しながら、使える語彙・表現を拡大することに役立ててもらいたいと思います。無論、最低限これだけは1年次で習得してもらいたいという趣旨で編んでいるので、この本がカバーする範囲を超えて使える語彙を増やす努力も積極的に行ってほしいと思います。
 第Ⅰ部の重要基本語彙の習得は、「学術目的の英語(English for Academic Purposes)」を学ぶ際に欠かせない要素となります。知的な文章を読んだり、聞いたりする際に不可欠であるだけではなく、近い将来学術的なレポートや学位論文を英語で作成する場合にも欠かせない要素となります。また、重要基本語彙を習得する際は、特にコロケーションに注意して学んでほしく思います。どの動詞(形容詞、あるいは名詞)はどの前置詞と結びついてどのように使用されるかを身につけなければ、書いたり話したりする際に正しく使用することができないからです。例文とともに使い方に注意して習得するようにしてください。
第Ⅱ部では、誰でも知っている英語の基本動詞を中心とした句動詞と呼ばれる表現が集められています。これらの句動詞の表現を、他の英語表現を用いて皆さんはどれくらい言い換え(パラフレーズ)ができるでしょうか。そんなことを考えながら取り組んでみてください。句動詞(phrasal verbs)とか二語動詞(two-word verbs)とか呼ばれる表現は、口語でも使われるし、文語でも使われます。後者の場合、フランス語やラテン語起源の綴りの長い動詞の言い換えとして使われることがよくあります。口語文語を通じて、英語表現の最も中心的な部分(=中核)を成す表現と言って差し支えありません。この種の表現は無数にあり、英語をマスターするにはこれらの表現を辛抱強く身に付けていくしかないのですが、まずは第Ⅱ部の10の見出しに挙げられている表現を習得することから始めてみてください。
 第Ⅲ部では場面別の表現を集めてみました。大学に入学し、今後は大学キャンパスで英語を使用する留学生と交流することが頻繁にあるでしょう。そんな場合、最低限必要と思われる表現を7つのテーマに分けて集めてみました。ここにある表現は、英語圏の大学に留学した際にもすぐに役に立つものです。必要最低限の表現のみ選定しているので、まずこれらを早々に習得し、その後は自分の必要に合わせた語彙力・表現力の増強を目指してください。
 例文にはすべてネイティブスピーカーによる音声を付けています。目だけでなく耳も活用して、発信に使える表現を日々増やしてください。これから九州大学で「学術目的のための英語」を学び、英語を使って意義あるコミュニケーションができるようにするため、本書が最初の一歩、最初の手引きとなるよう、願ってやみません。

(上記は、本書pp.iii-iv 「はしがき」 から引用しました。)
第1部「重要基本語彙編」、第2部「句動詞・フレーズ編」、第3部「場面別の語彙と表現:使って交流しよう」の3部構成から成る、発信型の実践的な語彙集である。.
3. 田中俊也, 「語等置の方法」を用いたゲルマン語動詞体系生成に関する比較言語学研究 (課題番号 17520270) 平成17年度~平成20年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)) 研究成果報告書, コロニー印刷, xiii + 258 pages (本文はすべて英語による), 2009.03.
4. 田中俊也, ゲルマン語動詞体系成立に関する非ブルークマン的モデルからの研究 (課題番号 14510624) 平成14年度~平成16年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2)) 研究成果報告書, コロニー印刷, xv + 335 pages (本文は英語による), 2005.03.
5. Toshiya Tanaka, Review: Peter Collins and David Lee (eds.), The Clause in English: In honour of Rodney Huddleston, Studies in English Lieterature, English Number 43 (The English Lieterary Society of Japan), pp.79-87, 2002.03.
6. 荒木一雄、天野政千代、田中俊也、他, 『ワードパル和英辞典』(荒木一雄、天野政千代編)1535 頁、小学館、平成13年(2001年)1月1日発行(依頼原稿執筆)

, 小学館, 2001.01, [URL], ISBNコード 409510452X
判型/頁 B6変/1570頁
定価 2,835円(税込)
発売日 2000/10/25
収録項目は約4万5千。動詞の不規則変化形、随所に示した発音記号。訳語が一覧できる「メニュー」欄、一目でわかる「コロケーション」表、すぐに使える「基本構文」。コンピュータ用語は類書中もっとも充実の2色刷。
.
7. 荒木一雄、田中俊也、他, 『英語学用語辞典』(荒木一雄編)x + 900頁、三省堂、平成11年(1999年)1月発行(依頼原稿執筆)

, 三省堂, 1999.01, [URL], 伝統文法以来、英語学研究で用いられる術語を体系的に解説した辞典。.
8. 荒木一雄、田中俊也、他, 『現代英語正誤辞典』(荒木一雄編)研究社出版、807ページ、平成8年(1996年)12月10日発行(依頼原稿執筆), 研究社, 1996.12, [URL], 新しい英語学研究の成果に基づき、英語で容認される表現、および容認されない表現について集大成した辞典。.
9. A. O. サンヴェッド著、三輪伸春・小城義也・佐藤哲三・濱崎孔一朗・田中俊也訳, 『チョーサーの英語:発音と形態』(東京:松柏社)viii + 177頁、平成6年(1994年)8月発行(共訳)
, 松柏社、東京, 1994.08, [URL].
10. 田中俊也, David Lightfoot, How to Set Parameters: Arguments from Language Change, 近代英語協会『近代英語研究』第9号 pp. 81-86., 1993.06.
11. 秋孝道、秋山怜、阿部幸一、天野政千代、荒木一雄、有馬道子、有村兼彬、安藤貞雄、飯田秀敏、飯田満良、池谷彰、石居康男、石川一久、石川美由紀、石澤千代吉、板垣完一、井手祥子、稲川朋子、井上公、磐崎弘貞、岩澤勝彦、岩田良治、岩永美津、岩部浩三、上紀子、上野義和、宇賀治正朋、内海淳、宇納進一、遠藤喜雄、大石強、大門正幸、大島新、大坪喜子、大沼雅彦、大室剛志、大森裕実、岡田尚、尾形良道、小川勉、小川洋通、荻原洋、奥野忠徳、奥野浩子、小田弘美、小野浩司、小野隆啓、小野経男、田中俊也、安井稔、他, 『現代英文法辞典』(荒木一雄、安井稔編) xv + 1867 頁、三省堂、平成4年(1992年)7月10日発行 (依頼原稿執筆), 東京: 三省堂, 1992.07, [URL], 英文法に関する伝統的、および新たな言語理論に基づいた事項に関しての、総合的解説を与えた辞典。.
主要学会発表等
1. Toshiya Tanaka, A Scheme for a Morphological Conflation Approach to the Origin and Development of the Germanic Strong and Preterite-Present Verbs, Japan Society of Historical Linguistics (日本歴史言語学会), 2015.12, The aim of this oral presentation is to offer an outline sketch of a ‘morphological conflation theory’ which aims to explain how the system of the Germanic strong and preterite-present verbs grew out of the Proto-Indo-European verb system.
The current talk will focus on the fact that, although the preterite tense formations of the strong verbs and the present tense formations of the preterite-present verbs in ancient Germanic languages and/or Proto-Germanic tend to be similar in form, there seem to be two crucial morpho(phono)logical differences:

(1) Class IV and V plural formations of these two distinct verbs at issue show an outstanding morphological discrepancy, as represented below:
  strong preterite plurals    preterite-present present plurals
having a long vowel in the root pointing to an original zero-grade radix
Class IV *bǣr-un ‘they bore, carried’ *skul-un ‘they owe, shall, should’
     < pre-PGmc. *bhēr-n̥t   < pre-PGmc. *skl̥-n̥t
Class V *mǣt-un ‘they measured’ *nuǥ-un ‘they are enough, suffice’
  < pre-PGmc. *mēd-n̥t   < pre-PGmc. *nek̂-n̥t

(2) As far as Gothic is concerned, strong class I-VI verbs do not exhibit any Verner’s law effect in their preterite plural formations (e.g. class V preterite plural wesun ‘they were’ but not **wezun), whereas two of the preterite-present verbs retain forms with an outcome of Verner’s law (e.g. áigum and áigun ‘we/they possess’ as well as þaúrbum, þaúrbuþ, þaúrbun ‘we/you/they need’).

The proposed ‘morphological conflation approach’ attempts to give a consistent, explanatory account of these two apparently non-interrelated phenomena in the following two terms:

(3) The content of the morphological conflation theory in question
A: The PGmc. strong preterite tense formation was created from an amalgamation of two types of the imperfect active (i.e. the acrostatic 1 and amphikinetic types) and the reduplicating perfect active.
B: The PGmc. preterite-present present tense formation system arose from a mixture of the athematic present middle (more exactly, the medium tantum or root stative-intransitive present; or otherwise, the reduplicating perfect middle) and the reduplicating perfect active.

Despite the necessarily limited empirical evidence that is available, only through such a conflation theory does it seem possible to account for the attested Germanic strong and preterite-present verb formations.
.
2. Toshiya Tanaka, The Laryngeal Theory and the Narten Hypothesis: Towards an Explanation of Some Morphophonological Characteristics of the Germanic Strong Verbs, LVC (Language Variation and Change) Reseach Forum 2015, 2015.05, [URL], There are some morphophonological differences between strong and preterite-present verbs in Germanic, which have long remained theoretically unexplained. Although, at first glance, they appear mutually unrelated, some theory might give solutions to them at the same time, disclosing their invisible or concealed interrelationship. A proposed ‘morphological conflation theory’, which might shed a new light on a hidden interrelation between those issues, consists of the following two assumptions (cf. Tanaka 2009, 2010, 2011, 2012, 2013ab, 2015):
(1) Gmc. strong (at least class I-VI) verbs evolved from a mix of the PIE reduplicating perfect active and athematic root imperfect active (either the amphikinetic or acrostatic 1 = Narten type).
(2) Gmc. preterite-present verbs developed from an amalgamation of the PIE reduplicating perfect active and athematic present middle (or reduplicating perfect middle).
The assumption in (1) presupposes that the Narten or acrostatic 1 present (and imperfect) formation was at least to some extent productive in the PIE verbal system. In other words, it does not expect that the Narten present/imperfect paradigm was limited only to a small number of PIE verbs. It remains a debatable problem that no IE language shows the Narten or acrostatic 1 present/imperfect inflection in a productive fashion. In Vedic Sanskrit, one of the oldest documented IE languages, for example, only a small number of verbs exhibit Narten present/imperfect active forms (cf. Gotō 2013: pp.102-103 §3.4.2.3).
The hypothesis spelled out in (1) and (2) might appear to be simple and elegant, but it is a critical problem that no IE language directly attests the Narten (or acrostatic 1) present/imperfect inflection in a productive manner. Nevertheless, this situation is comparable to how the laryngeal theory had been exposed to criticisms since de Saussure’s (1879) original proposal. It had taken much time before the laryngeal theory was accepted widely, for no daughter lE language showed direct evidence of the three distinctive laryngeal phonemes, *h1, *h2, and *h3. (Hittite velar or pharyngeal fricatives h and hh reflect mainly *h2, possibly along with *h3.) Yet the theory was finally accepted widely at the beginning of the 21st century, probably because around that time sufficient amount of evidence for it had been gathered up and because the laryngeal theory consists of simple and elegant assumptions and is capable of disclosing hidden interrelationship of various apparently independent phenomena observable in IE languages.
As for the Narten hypothesis, this talk claims that the Kümmel-Melchert interpretation of a Narten present/imperfect is plausible: A Narten present/imperfect is a derivative formation with an é-infix and a type of characterised present/imperfect. If this idea is correct, any PIE verbal root (either an atelic/durative or telic/momentary radix) was at least potentially capable of deriving a Narten present/imperfect by means of an é-infix. Thereafter, the pre-PGmc. verbal system might have inherited a significant number of Narten presents and imperfects from the PIE system, so Narten imperfects could contribute to newly creating the system of strong preterites, whilst Narten presents had become extinct before the PGmc. period.
In any case, in order to make the case that the Narten present/imperfect formation was at least potentially productive in the PIE verbal system, independent pieces of supporting evidence for the Narten present/imperfect ought to be piled up, just as evidence for the laryngeal theory used to be gathered together during the last century..
3. Toshiya Tanaka, Remarks on some Morphophonological Differences Between Strong and Preterite-Present Verbs in Germanic, LVC (Language Variation and Change) Research Forum 2014, 2014.05, [URL], This paper focuses on the fact that when, we carefully compare specific morphophonological features of the Germanic strong preterite and preterite-present present tense formations, we find two remarkable differences between them. Recognition of this fact leads to the conclusion that those differences cannot be sufficiently explained by simply assuming that both of them come from the PIE perfect alone; hence, some new explanatory theory is needed. Though no specifically new proposal will be provided in this talk, part of one is spelled out in my previous papers, and remaining issues will be postponed for future studies..
4. 田中俊也, ゲルマン語強変化動詞V類過去複数形に散発的に見られる語根末摩擦音の有声化について: *wes- ‘be, stay, dwell’ の事例を中心に, 日本歴史言語学会第2回大会, 2012.12, ゲルマン語強変化動詞の過去形形態の発達について、従来満足な歴史的説明が与えられていない現象が少なからず存在する。本発表ではそのような事例のうち、強変化V類過去複数形に散発的に見られる、ヴェルナーの法則(Verner’s Law)が適用された形態の歴史的由来について論じたい。即ち、強変化動詞I-III類の過去複数形ではゴート語の動詞を例外として、ほぼ規則的に語根末無声摩擦音の有声化が生じているが、強変化V類ではなぜ散発的にのみヴェルナーの法則の適用が見られるのかという問題を取り上げる。この問題について、発表者が提案する形態的混交説(morphological conflation theory)の観点からどのような説明ができるか、*wes- ‘be, stay, dwell’ の事例(過去単数形 *was-, 過去複数形 *wǣz- および *wǣs-)を中心に考察してみたい。提案する形態的混交説は、ゲルマン語強変化動詞の過去形は印欧祖語の完了形と未完了形の混交に由来するというものである。この仮説から、強変化動詞V類過去複数形について、語根に延長階梯母音を持ち、時折ヴェルナーの法則による摩擦音有声化を示す形態がいかにして発達したか、説明を試みる。完了形との形態的混交を受けた未完了形には、アムフィキネティック型(amphikinetic type)とナルテン型(あるいはアクロスタティック1型;Narten or acrostatic 1 type)双方の活用タイプがあり、これら双方が元々持っていたアクセント位置の差異が原因となって、強変化V類過去複数形において、ヴェルナーの法則が適用される形態、および同法則が適用されない形態が生み出されることになったと論じる。.
5. 田中俊也, ゲルマン語強変化動詞および過去現在動詞IV, V類に見られる形態的差異について: Schumacher (2005) 論考の批判的考察と形態的混交説からの提案, 日本言語学会145回大会, 2012.11, ゲルマン語強変化動詞の過去形と過去現在動詞の現在形は、ともに印相祖語の完了形を継承しているという見解が従来の印欧語比較言語学研究において最も受け入れられてきた。しかしながら、IV、V類動詞については、強変化動詞過去複数形では語根に延長階梯母音をもつ形態が生じ(e.g. *bē1r- ‘carried’, *lē1s/z- ‘read’)、過去現在動詞現在複数形では語根にゼロ階梯母音をもつ形態が生じる(e.g. *mun- ‘thought’, *nuǥ- ‘were sufficient’)。完了形のみからの発達とする従来の説では、この差異について十分な歴史的説明が与えられないように思われる。Schumacher (2005) XI. Fachtagung はこの見解に基づく最新の研究であると言えるが、彼の「bigētun-規則」に基づく論考においても、当該の形態的差異については十分な説明がなされていない。本発表では、Schumacher (2005) の論考も含め、「完了形のみからの発達」とする説に対する批判的考察をまず行い、その後にそれとは異なる立場から、当該の形態的差異が歴史的にどのようにして生み出されたのかについての説明を試みる。それは「形態的混交説」と呼ぶべき立場であるが、これによれば、ゲルマン語強変化動詞の過去形は印欧祖語の完了形と未完了形(the imperfect)との形態的混交に由来するとし、過去現在動詞の現在形は印欧祖語の完了形と語幹形成母音によらざる中動相語根現在形(the athematic root present middle)との形態的混交に由来すると考える。強変化動詞過去形と過去現在動詞現在形は、このように発達過程が異なるために、IV, V類動詞に見られる形態的差異が生じたと論じる。.
6. 田中俊也, ゲルマン語強変化動詞 IV, V類の過去複数形をめぐる考察, 日本歴史言語学会第1回大会, 2011.12, ゲルマン語強変化動詞の過去形については、印欧祖語の完了形を継承しているという考えが一般的である。強変化動詞 I, II, III類の過去形については、単数形・複数形双方ともこの見解から簡明な説明が可能である。しかしながら、強変化動詞 IV, V 類については、その過去複数形では延長階梯の母音(PGmc. *-ǣ-)が語根に生じ、印欧祖語では語根母音がゼロ階梯となる完了複数形とは、形態的に一致しないように見える。この点についてどのような説明ができるか、これまで様々な学者が提案を行ってきた。それらの説についてどのような未解決の問題が残っているかを、本発表では考察する。特に「語根アオリストとの混交説」と「完了形のみに由来する説」を取り上げて、そこに残る問題を論じる。そして、今後の新たな研究の展開として「未完了形との混交説」の可能性を考える。.
7. Toshiya Tanaka, A Non-Brugmannian Approach to the Historical Development of the Germanic Copula: How is the Suppletion to be Explained?, 13th International Conference on Historical Linguistics, 1997.08.
学会活動
所属学会名
日本言語学会
日本英語学会
日本英文学会
日本歴史言語学会
The Philological Society
学協会役員等への就任
2018.01~2019.12, 日本歴史言語学会, 理事.
2016.01~2017.12, 日本歴史言語学会, 監事.
2012.04, 日本英語学会, 評議員.
2001.04~2002.03, 近代英語協会, 機関誌『近代英語研究』編集委員長.
1998.04~2002.03, 近代英語協会, 機関誌『近代英語研究』編集委員.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2016.05.28~2016.05.28, LVC (Language Variation and Change) Network 2016 (https://networklvc.wordpress.com/may-2016/), 司会(Moderator).
2015.05.30~2015.05.30, LVC (Language Variation and Change) Network 2015 (https://networklvc.wordpress.com/3-2/may-2015-2/), 司会(Moderator).
2014.05.24~2014.05.24, LVC (Language Variation and Change) Network 2014 (https://networklvc.wordpress.com/may-2014/), 司会(Moderator).
1996.11.16~1996.11.17, 日本英語学会 第14回大会, 司会(Moderator).
2016.11.19~2016.11.20, 日本歴史言語学会2016年(第6回)大会, 大会準備委員.
学会誌・雑誌・著書の編集への参加状況
2014.07~2014.11, 日本歴史言語学会『歴史言語学』第3号(2014年11月発行), 国内, 査読委員.
2001.04~2002.03, 『近代英語研究』, 国内, 編集委員長.
1998.04~2002.03, 『近代英語研究』, 国内, 編集委員.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2017年度      
2014年度      
2009年度      
2001年度      
2000年度      
1999年度      
1998年度      
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2019年度~2023年度, 基盤研究(C), 代表, ゲルマン語強変化動詞並びに関連する品詞の形態組織発達に関わる歴史・比較言語学研究.
2015年度~2018年度, 基盤研究(C), 代表, ゲルマン語強変化動詞形態組織発展に関する比較言語学研究.
2010年度~2014年度, 基盤研究(C), 代表, 印欧語比較言語学理論に基づくゲルマン語動詞体系生成過程に関する研究.
2005年度~2008年度, 基盤研究(C), 代表, 「語等置の方法」を用いたゲルマン語動詞体系生成に関する比較言語学研究.
2002年度~2004年度, 基盤研究(C), 代表, ゲルマン語動詞体系成立に関する非ブルークマン的モデルからの研究.
1994年度~1994年度, 奨励研究(A), 代表, 古英語動詞の比較言語学的研究.
学内資金・基金等への採択状況
2012年度~2012年度, 全学教育経費, 代表, 英語標準化テストによる九大生の英語能力評価及び英語教育改善.
2012年度~2013年度, 教育の質向上プログラム(Enhanced Education Program = EEP), 代表, 低年次学生の英語語彙力向上の取組: 九大低年次学部生が習得必須の英語語彙力ハンドブックの作成.

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pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。
 
 
九州大学知的財産本部「九州大学Seeds集」