九州大学 研究者情報
発表一覧
古賀 徹(こが とおる) データ更新日:2024.05.03

教授 /  芸術工学研究院 未来共生デザイン部門


学会発表等
1. 古賀徹, バロックとヴァニタス、儚さをめぐって, 西日本哲学会, 2023.12.
2. 古賀徹, 生きること自体が「誤り」である生命について, 九州大学哲学会, 2021.09.
3. 古賀徹, デザインの基礎を掴む, World IA Day 2018, 2018.02.
4. 古賀徹, 技術における有機論と機械論 − デザイン学と哲学の境界にて, 西日本哲学会, 2019.11.
5. 古賀徹, いまマルクスをいかに読むべきか 精神分析とラカンの視点から, 北海道大学哲学会/北海道哲学会, 2018.12.
6. 古賀 徹, 正しさと哲学――文明研究の基本認識の一つとして, 比較文明学会九州支部, 2015.04,  あることが「正しい」という日本語の用法には、客観的な真理という意味と、正義に適った行為という意味の双方が含まれている。この両者の意味は内的に深く結びついて、自己を正当化する言説を法則ないしは法として構成する。こうした言説の正当化は、原発や宗教的抑圧、民族紛争など、現代文明におけるカタストロフィ(悲劇)の根底にあるものと考えられる。とすれば、その法(則)的領域のありかたそのものを微視的に分析することで、法的な計算可能性の限界を論理的に自覚する必要があるだろう。
 まずは現代の科学哲学の基本的な考え方に従って経験による科学法則の正当化がいかなる問題を抱えているのかを示す。ヒュームは印象にもとづく観念の契機に真理の基礎を見いだそうとしたが、法則そのものは印象として与えられないために、法則を個別の経験で検証することはできない。カルナップは法則の真理性を、個別経験による支持が維持されるかぎりで暫定的なものと考える譲歩案を示し、ポパーはそもそも普遍的法則を個別の経験によって正当化することはできず、ただ反証のみが可能だとした。だがそうした考察においても、普遍と個別のあいだには越えがたい断絶があり、にもかかわらずその断絶を糊塗するかたちで科学的正当化がなされるならば、それは科学の越権であり、悲劇の根源となる。
 翻って考えれば、自然現象を法則的に把握したり、行為とその結果の因果関係を正義として法則的に主張する根底には、生命を自分の生命として維持しようとする自己保存欲求が存在する。計算の手段としての理性(エゴ)は個としての自己を立たせるだけでなく、文明の基礎となる。このエゴの限界を古来の知恵はさまざまなしかたで指摘し、そうすることで自己と文明のカタストロフを回避しようとした。その事例として旧約聖書や新約聖書における法則的正義の限界の指摘、ソクラテスにおける善美の優越と無知の知の主張がある。
 文明はその根底に、文明それ自体の瓦解を防ぐ予防措置を備えている。それはひとつには宗教的な啓示であり、またもうひとつはその啓示に論理的表現を与える哲学の営みである。.
7. 古賀 徹, 古典的機能主義とパースの記号主義ーデザインにおける意味のありか, 日本デザイン学会九州支部, 2013.10.
8. 古賀 徹, 哲学教育の危機を超えて, 九州大学哲学会, 2013.09.
9. 古賀徹, 原子力発電の哲学, 北大社会思想史研究会, 2012.11.
10. 古賀徹, デザインにおけるコンセプト ― ドゥルーズ/ガタリの概念論から
, 日本デザイン学会, 2012.07, In the field of design, concept plays a significant role in the constitution of a design object. As a concept desig-nates a goal for a design process, it has to be deliber-ately defined in order to maximize the functionality of the object. In other words, the concept should play a mechanical and an organic role at the same time. In their writings What Is Philosophy? Gilles Deleuze and Félix Guattari define the concept as a mechanical com-ponent that consists of sensory elements, each of which is itself a concept. We transplant their thought to the field of design as a tool capable of evaluating the sen-sory quality of the design object..
11. 古賀徹, ソクラテス/沖縄戦/原発, 魂の脱植民地化研究会, 2012.06.
12. 古賀徹, 2010年代のモダニティとデザイン, 芸術工学図書館講演会, 2009.09.
13. 古賀徹, 命令と自発の彼岸ー沖縄戦「集団自決」をめぐって, 西日本哲学会, 2008.12.
14. 古賀徹, ダンスする技術, 西日本哲学会, 2006.12.
15. 古賀 徹, 象徴と機能-アドルノの啓蒙批判を通じて, 西日本哲学会, 2005.12.
16. 古賀 徹, プログラムとしての僕らの生き方−映画「マトリックス」の超越論的考察, 九州大学哲学会, 2005.08.
17. 古賀 徹, 死と残余, 日本現象学会, 2004.11.
18. 古賀 徹, 目的から解放された機械, 西日本哲学会, 2003.11.
19. 古賀 徹, 社会理論と現象学, 北海道哲学会, 2000.07.
20. 古賀 徹, 芸術とテクノロジー—その現代的マトリックス, 20世紀美術研究会, 2000.02.
21. 古賀 徹, 記憶と記号, 西日本哲学会, 1999.12.
22. 古賀 徹, 複数性の現象学のために—アレントの世界概念をめぐって, 現代倫理学研究会, 1997.12.
23. 古賀 徹, 民族絶滅の条件—ハンナ・アレントの国民国家観, ユダヤ人問題シンポジウム, 1997.03.
24. 古賀 徹, 実定性と虚構−M.フーコーの近代批判を通じて, 日本現象学会, 1995.11.
25. 古賀 徹, アドルノと現象学−『認識論のメタ批判』を中心に, 日本哲学会, 1993.05.
26. 古賀 徹, フッサールにおける本質的なものと歴史的なもの−ハバーマスのフッサール批判に抗して, 北海道大学哲学会, 1991.07.

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