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藤枝 守(ふじえだ まもる) データ更新日:2019.06.05

教授 /  芸術工学研究院 コミュニケーションデザイン科学部門 音文化・アートマネジメント


主な研究テーマ
「植物文様」シリーズの作曲

キーワード:作曲 音律 
2010.10~2018.03.

醗酵音響の研究
キーワード:生態系アート  生物音響学
2014.04~2018.03.
実験的音律論
キーワード:純正調 モノコード
1998.01~2010.03.
従事しているプロジェクト研究
醗酵音響アートプロジェクト
2015.04~2017.03, 代表者:藤枝守
焼酎生産における醗酵音響の採録とパフォーマンスへの活用.
研究業績
主要著書
1. 藤枝守, 響きの考古学 音律の世界史からの冒険, 平凡社, 2007.02.
2. 藤枝守, 響きの考古学, 音楽之友社, 1998.07.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
主要学会発表等
1. 藤枝 守, ディープリスニングと心身変容技法, 心身変容技法研究, 2013.12.
作品・ソフトウェア・データベース等
1. 藤枝守, ガムラン・エチュード no.1, 2019.03.
2. 藤枝守, 舞台作品「冬至にうたう阿知女作法 ISOLA2018」, 2018.12.
3. 藤枝守, 織・曼荼羅 〜箏四面による, 2019.02.
4. 藤枝守, サウンド・インスタレーション「甕の音なひ」, 2019.01.
5. 藤枝守, 植物文様第29集「大楠の精霊」, 2019.02, 大分市による委嘱作品.
6. 藤枝守, 「植物文様ガムラン曲集」から no.3, no.4, 2018.08.
7. 藤枝守, 植物文様第28集「台湾茶の植物文様 II」, 2018.05.
8. 藤枝守, 植物文様第27集「台湾茶の植物文様 I」, 2018.05, 台湾大学の実験農場の茶からの電位変化データに基づく作品.
9. 藤枝守, 「植物文様ガムラン曲集」から no.1, no.2, 2018.02,  植物の電位変化のデータをメロディックに変換する「植物文様」では、さまざまな楽器によって演奏されてきた。今回が初演となる「植物文様ガムラン曲集」は、そのあらたなシリーズで、パラグナの演奏を想定して「ガムラン・ドゥグン」に基づいて作曲された。それぞれ旋法が異なっているが、いずれも短いパターンの反復が中心となった小品である。.
10. 藤枝守, ガムランをともなう「ハープ・コンチェルト」, 2018.02,  ソリストに西山まりえさんを迎えての三楽章形式のコンチェルト。混在化する世界観を唱えたルー・ハリソンへのオマージュとして作曲された。ゴシックハープは、ピタゴラス音律で調弦され、ガムランとの微妙な音調の違いが醸し出される。すべてのメロディックなパターンは、私が自宅で栽培している「コルムネア」という多肉植物から採取した電位変化に基づいている。第二楽章の冒頭には、まりえさん独特のハープの抑揚を想定したソロがおかれて、また、第三楽章の途中には、なぜか「ケルティック」なフレーズが現れる。.
11. 藤枝守, 織・曼荼羅, 2018.12, 機音が曼荼羅の舞台からきこえてきます。その機音の律動は中央に据えられた銅鑼の響きによって写しとられていくのですが、その銅鑼の一音一音は、じつは、宮嶋さんの呼吸の間合いであり、その呼吸に合わせながら、舞は、対称のかたちを保持しながら、舞台に「舞の刺繍」を施していきます。そして、四方に置かれたガムランは、織機のさまざまな箇所の「ふるえ」を金属の響きに変換させ、東西の座す一対の笙は、十七管の円環の竹を「響きの曼荼羅」にみたて、一管づつに息(気)を与えながら、舞台を響かせていきます。さらに、経糸に見立てた二面の箏の絹糸は、「響きの曼荼羅」となった笙の音に彩色を施していきます。
 このような舞とさまざまな響きが曼荼羅の東西南北の四つの方位を一巡したあとに、《植物文様》という音楽が演奏されます。機音のゆったりとした律動にテンポを合わせ、植物の電位変化のパターンから生まれたメロディの一節がひとつひとつ織り込まれていく。そして、織姫伝説の七夕(棚機)の起源でもある古代中国の乞巧奠の祭壇のようにみえる舞台の前庭では、「棚機女〜たなばたつめ」の化身となった二人の舞が「巫女舞」をカミに献上して「織・曼荼羅」は終わります。
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12. 藤枝守, ガムランが織る〜博多織機の振動による, 2016.12.
13. 藤枝守, 植物文様第24集 クラリネット五重奏版, 2017.05.
14. 藤枝守, パフォーマンス「月読の夜想茶会」, 2017.02.
15. 藤枝守, 茶の植物文様, 2017.02.
16. 藤枝守, 植物文様琴歌集 月読三歌, 2016.10.
17. 藤枝守, 現代神楽「甕の音なひ」住吉神社能楽殿ヴァージョン, 2015.12.
18. 藤枝守, 夜の歌 静岡AOIホールヴァージョン, 2016.01.
19. 藤枝守, 現代神楽「甕の音なひ」, 2015.03,  この1年くらい、いくつかの九州の焼酎蔵元を訪ね、麦や芋などの原材料が仕込まれた醪(もろみ)のなかに特殊な水中マイクを沈めて、発酵の音を収録しています。そのきっかけは、九州大学を基盤に実践されている「Sho-Chu プロジェクト」との出会いでした。以前から、植物の電位変化のデータをもとにしたサウンド・インスタレーションや《植物文様》という作曲シリーズを実践したり、焼成した珪藻土を水に沈め、空気が排出される際のかすかな響きに聴き入る作品を発表してきましたが、このような生命との関わりのなかであらたな音の表現を模索していたため、発酵という生命活動がどのような音を発しているのか、ひじょうに興味をもったのです。
 発酵状態や衛生上の諸問題に対応した水中マイクの製作には試行錯誤してきましたが、日本酒造組合中央会からの研究助成や「Sho-Chu プロジェクト」に参画されている蔵元さんの協力のもとで興味ある発酵の音が収録できるようになりました。このような生命活動の軌跡ともいえる発酵の音にどのような意味づけをしたらいいのか。そのようなとき、次のような古代漢字学者の白川静の言葉に出会いました。
神は姿をあらわすことはない。闇のなかにその姿はみえないが、音の気配はして、それと知らせるのである。(中略)神は「音なひ」によって「音づれ」るのである。
 発酵の音をカミの声ともいえる「音なひ」とみなしてみる。そして、醪の容れ物であった「甕」の奥深いところから微かなカミの声に耳を澄ましてみる。このような「音なひ」に聴き入る状況を作り出すこと。それがカミを招き、楽しませる儀礼としての「神楽」というかたちに行き着いたのです。そして、あらたな神楽の演目をつくる際に、宮中の御神楽のなかの「阿知女作法」をひとつの拠り所にしてみようと思いました。そのきっかけは、折口信夫でした。折口の説によれば、「阿知女」は、海人の一族である「安曇」のことであり、その呪文のような「於々々々(おーおーおー)」とは、海の底にいる阿度部磯良という神を呼び出す言葉だったというのです。呼び出された磯良は、「水草の生えた世にも醜い姿」(折口)をしており、白い布で顔を被って現れたといわれています。その神話の舞台となったのが、かつての安曇族の拠点となった志賀島でした。
 この現代神楽では、海のなかに見立てた甕は、磯良が呼び出されたあと、「イワト」に変容します。そして、マスクをつけたイソラから変身したウズメによって、甕の「音なひ」としての発酵音は、会場全体に溢れだしてきます。このイソラとウズメの舞は、スイスを拠点に活躍している太田垣悠さんに演じていただきます。また、神楽全体の進行役をつとめる「人長」は石川高さんの「笙」の響きに託すことにしました。その響きに呼び出される「阿知女」やネイティブ・アメリカンの呪文のような言葉は、「つむぎね」のメンバーである宮内康乃さん、森戸麻里未さん、それに渡辺さやかさんの声の重なりとして響きわたります。
 この現代神楽では、「阿知女作法」が宮中御神楽の古代歌謡に歌唱法に則って石川高さんたちによって歌われます。このほかにも、あらたに作曲された3つの《植物文様〜琴歌》が中川佳代子さんによって和琴とともに歌われます。これらのメロディは、志賀海神社境内の樹木の電位変化のデータによって作られています。「間奏」として歌われる《月読》(「万葉集巻七」)は、今回の発酵音を採取した壱岐の月読神社へのオマージュであり、また、神を送ったあとの「後奏」として歌われる《酒楽歌》は、古事記の建内宿禰命が歌った次のような一節に基づいています。 
「この御酒を造った人は、酒を造る臼の側に鼓を置いて、歌いながら酒を造ったからか、舞いながら酒を造ったからか、この御酒は、この御酒は、なんとも愉快だ。さあ」 
 この現代神楽では、舞台中央に据えられた甕が重要な存在となっています。この甕は熊本・人吉の高橋酒造所蔵のものをお借りしましたが、この甕に結界を施すような舞台美術を本学の知足美加子さんにお願いしました。また、会場全体を取り囲むスピーカー群は、本学の尾本研究室が考案した反射率可変の音響壁面システム(VRAWS)です。この音響システムによって、多次元ホール全体が甕のなかの空間に変容するのではと思っています。甕の脇に置かれた和琴も重要な意味をもっていますが、今回は、琴の神話のある香椎宮が所蔵する和琴をお借りできたことをうれしく思っております。
 最後に、この現代神楽の公演に対して協賛をいただいた「Sho-Chuプロジェクト」の焼酎酒造の皆さまに御礼を申しあげます。また、共催していただいた本学のホールマネジメントエンジニアリングユニットにも深く感謝しております。また、演出面におきましては、雅楽家の石川高さんの多大なアドバイスをいただきました。今回の現代神楽「甕の音なひ」の公演は、始まりであり、今後、あらたな演目が加わったり、開催場所を移して展開していきたいと思っております。今後とも、よろしくお願いします。                 (藤枝守)                 

【構成・作曲・音響】藤枝守
【出演】笙+声:石川高 和琴+声:中川佳代子
    舞:太田垣悠
    声:つむぎね(宮内康乃、森戸麻里未)、渡辺さやか
【美術】知足美加子  
【舞・衣装デザイン】Caroline Bault
【照明】照明屋(九州大学)
【音響】反射率可変の音響壁面システム(VRAWS)〜尾本研究室(九州大学)
【焼酎発酵音】玄海酒造  【甕提供】高橋酒造
【主催・制作】九州大学芸術工学研究院・藤枝研究室
【共催】九州大学芸術工学研究院ホールマネジメントエンジニアリングユニット

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20. 藤枝守(作曲)
中川佳代子(演奏〜和琴), 植物文様〜琴歌集, 2014.10.
21. 藤枝守(作曲)
Sarah Cahill (piano)
, CD "Patterns of Plants", 2014.09, アメリカのPinna Recordsからリリース。.
22. 藤枝守  西山まりえ(演奏), CD「ゴシックハープの植物文様」, 2014.02.
23. 藤枝守, Patterns of Plants, a Vibraphone Duo Set, 2014.02.
24. 藤枝守, 植物文様第24集, 2014.02.
25. 藤枝守, サウンドインスタレーション「珪藻土の声」, 2013.11.
26. 藤枝守, ガムラン版「歌づけ般若心経」, 2013.06.
27. 藤枝守, Patterns of Plants in a Chromatic Field, 2013.04, ピアノ作品(高橋アキ委嘱).
28. 藤枝守(作曲) 時広真吾(舞台、衣装), 叙事的音楽劇「大地の祈り〜ナウマン博士の夢」, 2013.03, 糸魚川市民会館委嘱作.
29. 藤枝守, 植物文様第23集 In C, 2013.03, ピアノ作品.
30. 藤枝守, Gamelan Cherry, 2012.12, アンサンブル作品(New YorkのBang on a Can All Starsが初演) Japan Society委嘱作.
31. 藤枝守, 植物文様第22集(Patterns of Plants, the 22nd Collection)
, 2012.12, ピアノ作品.
32. 藤枝守, Gamelan Arabesque, 2012.08, ピアノ作品.
33. 藤枝守, 箏歌「般若心経」, 2012.03.
34. 藤枝守, 'Hi-Mawari' 
The Sunflower Speaks 
Patterns of Plants
, 2011.12
Yurodny Ensemble
Olesya Zdorovetskaya - voice 
Nick Roth - saxophones 
Cora Venus Lunny - violin 
Kate Ellis - cello 
Catriona McKay - harp 
Dermot Dunne - accordion 
Izumi Kimura - piano
World Première @ Severed Head Gallery, Dublin 
Friday 9th December 2011 
Live Recording by Keith Lindsay
A recipient of the Arts Council of Ireland Commission Award 2010.
35. 藤枝守, Radiated Falling new version, 2011.09
映像作品「Goround」のための音楽「Radiation Falling」のライヴ演奏版.
36. 藤枝守, Just Chimes Radiated, 2011.09
放射線量計によるサウンドインスタレーション.
37. 藤枝守, 歌づけ「般若心経」, 2011.02
伊藤比呂美訳の「般若心経」をテキストとする歌曲.
38. 藤枝守, 植物文様〜生の波動からの音楽, 2011.02
茨城県近代美術館エントランスホールでの「植物文様」のコンサート
「植物文様第20集」pattern C, Dの新作初演.
39. 藤枝守, 宙づりのモノコード(茨城県近代美術館バージョン), 2011.02
茨城県近代美術館エントランスホールにおけるインスタレーション.
40. 藤枝守, 植物文様第21集, 2010.03
2010年3月、福岡の住吉神社能楽殿で初演されたソロバイオリンの作品.
41. 藤枝守, 珪藻土の声, 2010.02
珪藻土のよるサウンドインスタレーション。福岡と富山で展示。.
42. 藤枝守, バッハ音律で聴く「植物文様クラヴィーア曲集」, 2010.02
東京、自由学園明日館で開催された「植物文様」のコンサート.
43. 藤枝守, ゴシックハープの植物文様, 2010.02
金沢21世紀美術館で開催されたゴシックハープによる「植物文様」のコンサート.
44. 藤枝守, コンサート「クラヴィコードの植物文様」, 2009.12
大阪の楓ギャラリーで開催された「植物文様」のコンサート。.
45. 藤枝守, コンサート「ダブリンの植物文様」, 2009.12
ダブリンで開催された「植物文様」のコンサート。演奏は、ダブリンを拠点とするグループYURODNY..
46. 藤枝守, コンサート「クラヴィコードの植物文様」, 2009.12
神戸のCAP HOUSEで開催された「植物文様」のコンサート.
47. 藤枝守, 宙づりのモノコード, 2009.09
京都芸術センターで展示されたサウンドインスタレーション。.
48. 藤枝守, コンサート「クラヴィコードの植物文様」, 2009.03
福岡の住吉神社能楽殿でのコンサート。.
49. 藤枝守, 植物文様第19集、第20集, 2009.03
クラヴィーアのための曲集.
50. 藤枝守, The Olive Branch Speaks, 2009.01
アメリカのピアニスト、サラ・ケイヒルの委嘱によるピアノ作品.
51. 藤枝守, エオリアン・ハープ・リザウンディング, 2008.10
金沢21世紀美術館主催の展示.
52. 藤枝守, CD「Patterns of Plants II」, 2008.10.
53. 藤枝守, 植物文様第16集, 2008.07.
54. 藤枝守, CD「クラヴィコードの植物文様」, 2008.03.
55. 藤枝守 伊藤公象, 珪藻土礼賛, 2008.01.
56. 藤枝守 銅金裕司, Paphio in My Life, 2007.11.
57. 藤枝守, 植物文様第18集, 2007.10.
58. 藤枝守, 植物文様第17集, 2007.10.
59. 藤枝守, 植物文様第15集, 2007.07.
60. 藤枝守, 植物文様第14集, 2007.03
バイオリソロのための作品.
61. 藤枝守, 夜の歌〜珪藻土からの儀礼歌, 2005.10
金沢21世紀美術館シアター21における劇場作品。珪藻土の陶片によるインスタレーションのうえで行なわれた。.
学会活動
所属学会名
日本音楽学会
環境芸術学会
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2014.11~2015.05.15, 日本音楽学会, 全国大会副大会長.
2012.10~2012.10.26, 日本音楽学会全国大会, セッションの司会.
2008.10.08~2008.10.10, Gagaku Revolusion, パネラー.
2000.09, 美学会全国大会シンポジウム, パネラー.
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
台湾大学, Taiwan, 2018.04~2018.05.
台湾大学, Taiwan, 2017.10~2017.10.
台湾大学, Taiwan, 2018.03~2018.03.
Japan Society, UnitedStatesofAmerica, 2016.11~2016.11.
The Noguchi Museum, UnitedStatesofAmerica, 2016.02~2016.02.
Japan Society, UnitedStatesofAmerica, 2012.12~2012.12.
Severed Head Gallery, Dublin, Ireland, 2011.12~2011.12.
カリフォルニア大学サンタクルーズ校, UnitedStatesofAmerica, 2011.10~2011.10.
カリフォルニア大学バークレー校, UnitedStatesofAmerica, 2009.01~2009.01.
受賞
第5回入野賞, 入野賞基金, 1984.06.
日本現代藝術奨励賞, 日本文化藝術財団, 2000.03.

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