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戸高 浩司(とだか こうじ) データ更新日:2023.11.27

教授 /  九州大学病院 ARO次世代医療センター ARO次世代医療センター


総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 戸高浩司, 心臓の負荷整合と最適効率, 心臓の適応と制御, pp.240-250, 1992.07.
2. 戸高浩司, 留学速報, 循環制御, Vol.18, No.3, pp.418-420, 1997.09.
3. 戸高 浩司, 予測予防対応型の医薬品安全監視計画, Jpn Pharmacol Ther 33, pp.883-891, 2005.09.
4. 戸高 浩司, Do we need combination products?, Clin Therap Med 22, pp.661-668, 2006.08.
5. 戸高 浩司, 本邦における医師主導治験の役割について, 日本臨床薬理学会学術総会抄録集, 10.50993/jsptsuppl.43.0_4-c-s44-2, Vol.43, p.4-C-S44-2, 2022.11, 2003年に薬事法が改正され「医師主導治験」という世界的に見ても特異な制度が始まった。製薬会社等が開発・治験を実施してくれない採算性の低い製品・適応に対して、医師が自ら薬事承認のための臨床試験を計画・設計・実施する。最終的にそのデータを製薬会社等が承認申請に用いるという本質的に捻れた仕組みを持ち、元々はドラッグラグ、デバイスラグ等を解消する手段の一つとして始められた。昨今は企業開発品の初期治験でさえアカデミアに任せ、ある程度医師主導治験で成績が出るまで様子見をするという企業が出て来ているのも事実である。7月時点のjRCTで実施中の未承認薬医師主導治験が43試験ある。うち15件(35%)は研究資金等の提供組織として製薬企業も記載されている。適応外薬も同じく43試験あり、21件(49%)は製薬企業も記載されている。AMED公募において「なぜ企業治験ではないのか?」としばしば問題となるが、市場性が低い製品の臨床開発をどこが負担して実施すべきかについて明確な基準が無く、未だコンセンサスは得られていない。

リポジショニングでよく見受ける特許切れ成分の新作用機序が臨床ニーズを満たす場合、臨床現場で発したneeds pull開発として医療従事者の熱意で推進するものの、必ずしも市場が要求したmarket pullではないことから来る弊害もある。研究費を獲得して医師主導治験を実施し有効性を証明して、先発薬を適応拡大できたとしても、沢山ある後発薬と差別化が難しい。用途特許等で法的に保護する事は可能であるが、後発薬の適応外使用を止める実効性には乏しい。従って採算が取れる目処が無いなどの理由により企業が承認申請を請け負わない場合がある。国内であまねく使用できるようにするという医師主導治験の本来目的は出口で頓挫してしまう。米国では保険適用を伴った臨床使用が薬事承認範囲を超えてcompendiaという形で広く認められているため、適応拡大に限れば我が国の保険行政特有の問題と言える。

制度開始から20年近くたち、ARO初めとして現場は医師主導治験に慣れてきたが上記のような弊害も目立つ。アカデミアも企業もこの特有な制度を今後どのように活用して行くのか、規制当局とともに再考する時期に来ている。.
6. 戸高 浩司, 我が国における新薬開発をよりよくするために―現状の問題点と解決を探る―1. 日本の新薬開発は特殊なのか?, 臨床薬理, 10.3999/jscpt.37.4_69s, Vol.37, No.4, pp.69S-70S, 2006.04.
7. 戸高 浩司, β遮断薬の慢性心不全に対する作用機序と治療戦略、今後の展望についてご教授ください, 循環制御, 10.11312/ccm.35.177, Vol.35, No.2, pp.177-181, 2015.02.
8. 戸高 浩司, 臨床研究と開発 : Academic Research Organizationの役割—CLINICAL STUDY AND MEDICAL PRODUCT DEVELOPMENT : ROLE OF THE ACADEMIC RESEARCH ORGANIZATION—臨床研究セミナー記録 日本外科学会・日本臨床外科学会共催(第77回日本臨床外科学会総会開催時) 第15回臨床研究セミナー ; 第1部 臨床研究の基礎講座, 日本外科学会雑誌 = Journal of Japan Surgical Society / 日本外科学会 編, Vol.117, No.3, pp.233-235, 2016.03.
9. 戸高 浩司, 第1部 臨床研究の基礎講座 2.臨床研究と開発:Academic Research Organizationの役割, 日本臨床外科学会雑誌, 10.3919/jjsa.77.1292, Vol.77, No.5, pp.1292-1294, 2016.05.
10. 戸高 浩司, AROを有する医療機関の調査とその可能性, 日本臨床薬理学会学術総会抄録集, 10.50993/jsptsuppl.42.0_2-sps-4, Vol.42, p.2-SPS-4, 2021.12, 【目的】

革新的なアカデミア発創薬のため整備されてきたAROは来年度から橋渡し認定事業が開始され新たな局面を迎える。AMED ARO機能推進事業の昨年度結果を中心に我が国におけるAROの多様性とその活用についてご紹介する。

【方法】

ARO機能を有すると考えられる病院に対し、リソース指標(FTE人数、人件費等)、成果指標(医師主導治験数、実用化製品数等)それぞれについて調査票形式による調査を実施した。

【結果・考察】

129の機関から有効な回答を得た。得られた調査票項目を57に縮約し、リソース、成果を敢えて区別することなく主成分分析を行った。臨床試験関連中間成果(企業治験等)が臨床試験支援人材(CRC等)と共に多くは上寄りに布置されており、第3主成分(y軸)上方向はエビデンス創出に関連した方向性を示していると考えられる。逆に臨床試験以外の中間成果(特許等)やライセンスアウトといった最終成果は、臨床試験関連以外の支援人材(プロジェクトマネージャ等)と共に多くが下寄りに位置しており、下方向は実用化指向を表していると解釈される。一方、横方向について第2主成分(x軸)では再生医療・医療機器や倫理指針試験等、コスト負担や個別対応を求められるような「創意工夫」が必要なリソース要求度の高い項目や獲得研究費が右に位置しており、高リソース要求容認を表していると判断される。逆に左には患者申出療養や医師主導治験などの規制の強い試験群とそれに必要な臨床試験実施関連のリソース(phase I施設等)が並んでおり規制が強いが定型的な業務として収益を上げやすく、比較的リソース投入がし易い方向性(収益性が高い)を示していると判断される。施設スコアについては昨年度と同じく第1主成分(規模)の小さなその他の病院が原点付近に集まり、結果的に平均的な特性になったと判断される。拠点やARO規模の大きな特定機能病院は負荷図に沿った特徴に従って外側寄りに分布していると解釈される。

【結論】

我が国のAROはエビデンス/実用化指向性、コスト容認/効率重視の方向性の違いにより大まかに分類され、拠点AROが特に特徴ある分布を示した。結果を利用してAROの特徴を可視化したポータルを作成し、研究者とAROのマッチングが容易となるよう公開した(https://www.aro-portal.com/ja/home)。本邦全体としてARO機能が広く整備され、橋渡し研究を目指す研究者に必要な支援が行き渡ることが肝要と考えられる。.
11. 久納 隆一, 満岡 渉, 戸高 浩司, 久富 誠恵, トレッドミル運動負荷試験におけるST再低下の意義(日本循環器学会 第69回九州地方会), Vol.56, p.963, 1992.07.
12. 宮下 要, 戸高 浩司, 岡部 眞典, 山本 雄祐, 73) 劇症型心筋炎に続発性ヘモクロマトーシスを併発した一例(日本循環器学会 第90回九州地方会), Vol.65, p.828, 2001.10.
13. 戸高 浩司, 第45回日本生体医工学会, 循環制御 = CIRCULATION CONTROL, Vol.27, No.3, pp.242-244, 2006.09.
14. 工藤 恭子, 高橋 優, 戸高 浩司, 砂川 賢二, 98)経過中に無痛性甲状腺炎を合併し,心不全増悪を来たした拡張型心筋症の一例(第99回日本循環器学会九州地方会), Vol.70, p.1090, 2006.04.
15. 福山 香詠, 長澤 志麻子, 戸高 浩司, 砂川 賢二, 92)運動時に左室流出路狭窄が誘発され胸痛をきたした,左室肥大を伴わないS状中隔の一例(第99回日本循環器学会九州地方会), Vol.70, p.1089, 2006.04.
16. 戸高 浩司, 臨床研究と医薬品等開発のポイント, 日本小児麻酔学会誌, Vol.23, No.1, p.62, 2017.08.
17. 織田 聡子, 永田 宙生, 坂本 昌平, 坂本 竜一, 小川 佳宏, 内山 麻希子, 戸高 浩司, 中西 洋一, 蘆田 健二, 野村 政壽, クッシングレジストリの構築と11βHSD-type1阻害薬の治療効果の検討, 日本内分泌学会雑誌, Vol.94, No.4, p.1398, 2018.12.
18. 戸高 浩司, 中西 洋一, 【ドラッグリポジショニング-新たな治療戦略】AROによる研究推進体制, カレントテラピー, Vol.36, No.5, pp.467-473, 2018.05.
19. 蘆田 健二, 織田 聡子, 永田 宙生, 内田 麻希子, 戸高 浩司, 小川 佳宏, 野村 政壽, Cushing症候群の病態解明と薬物治療, 日本内分泌学会雑誌, Vol.94, No.1, p.238, 2018.04.
20. 坂梨 健二, 木島 真一, 山下 貴範, 吉田 尚生, 奥井 佑, 船越 公太, 戸高 浩司, 馬場 英司, 中島 直樹, 臨床研究中核病院で標準化された医療情報の臨床研究利用 電子カルテデータのREDCapとCRIN-Qへの連携, 医療情報学連合大会論文集, Vol.39回, pp.754-756, 2019.11.
21. 戸高 浩司, 遠山 岳詩, 船越 公太, 岸本 淳司, ポジショニング分析を用いた本邦AROの類型化, 臨床薬理, Vol.50, No.Suppl., p.S251, 2019.11.
22. 船越 公太, 加耒 秀隆, 遠山 岳詩, 戸高 浩司, 井手 友美, 筒井 裕之, クラスタリング分析による拡張型心筋症の形態学的表現型分析 日本の難病データベースからの知見(Morphological Phenotyping of Dilated Cardiomyopathy by Clustering Analysis: Insight from Japanese Intractable Disease Database), 日本循環器学会学術集会抄録集, Vol.83回, pp.OJ19-9, 2019.03.
23. 小早川 優子, 戸高 浩司, 白石 渉, 山崎 亮, 吉良 潤一, ALSに対する臨床試験の対象患者群の設定に関する現状と問題点, 日本難病医療ネットワーク学会機関誌, Vol.7, No.1, p.138, 2019.11.
24. 小早川 優子, 戸高 浩司, 橋本 侑, 山崎 亮, 吉良 潤一, 筋萎縮性側索硬化症の予後を反映した新規分類法の策定, 日本難病看護学会誌, Vol.25, No.1, p.74, 2020.10.
25. 小早川 優子, 戸高 浩司, 橋本 侑, 山崎 亮, 吉良 潤一, 筋萎縮性側索硬化症の予後を反映した新規分類法の策定, 日本難病医療ネットワーク学会機関誌, Vol.8, No.1, p.94, 2020.11.
26. 木島 真一, 永富 祐太, 中村 泰三, 坂梨 健二, 船越 公太, 日浅 謙一, 的場 哲哉, 井手 友美, 行実 郁子, 高田 敦史, 山下 貴範, 戸高 浩司, 馬場 英司, 筒井 裕之, 中島 直樹, 標準化された医療情報の臨床研究への活用, 医療情報学連合大会論文集, Vol.40回, pp.762-764, 2020.11.
27. 船越 公太, 中村 泰三, 宮原 冬佳, 山下 貴範, 高田 敦史, 遠山 岳詩, 行実 郁子, 坂梨 健二, 野尻 千夏, 垣内 嘉, 高柳 直美, 園田 紀之, 中山 雅晴, 戸高 浩司, 馬場 英司, 中島 直樹, リアルワールドエビデンスを創出するための臨床中核指定病院ネットワークの取り組み パフォーマンス指標を現場にフィードバックすることで高齢者糖尿病医療の質を改善させる枠組みの構築, 医療情報学連合大会論文集, Vol.40回, pp.340-344, 2020.11.
28. 戸高 浩司, Reports from Frontline 九州大学における橋渡し研究,精密医療の開発について—Translational research and precision medicine development in Kyushu University, Precision medicine = プレシジョンメディシン / 「Precision medicine」編集委員会 編, Vol.3, No.12, pp.1127-1130, 2020.10.
29. 戸高 浩司, AROを具体的事例より考える:科学的なエビデンスの確立とAROの多様性 我が国のAROの多様性について ARO機能推進事業, 臨床薬理, Vol.51, No.Suppl., p.S152, 2020.10.
30. 福島 孝紘, 遠山 岳詩, 船越 公太, 井手 友美, 戸高 浩司, 筒井 裕之, AIによる循環器専門医レベルのワーファリン投与量調整(Experienced Cardiologist-Level Dose Adjustment of Warfarin Using Artificial Intelligence), 日本循環器学会学術集会抄録集, Vol.84回, pp.PJ42-6, 2020.07.
31. 小早川 優子, 戸高 浩司, 橋本 侑, 山崎 亮, 吉良 潤一, 筋萎縮性側索硬化症に対する治療法開発を推進するための新規分類法の策定, 臨床神経学, Vol.61, No.Suppl., p.S267, 2021.09.
32. 高尾 結佳, 角田 千穂, 木村 真紀, 戸高 浩司, 研究者主導臨床試験に望まれる安全性情報の取扱いについて, 臨床薬理, Vol.52, No.1, pp.13-19, 2021.01.
33. 高木 雅恵, 田島 壮一郎, 坂口 裕美, 長谷部 結衣, 田中 智佳, 田中 瑠美, 了戒 百合子, 中屋 純子, 西田 朋子, 戸高 浩司, 馬場 英司, 家入 一郎, 治験薬調剤時の逸脱防止に向けた取り組みとその有用性の評価, 日本臨床薬理学会学術総会抄録集, Vol.42回, pp.1-3, 2021.12.
34. Takeshi Tohyama, Tomomi Ide, Masataka Ikeda, Takuya Nagata, Koshiro Tagawa, Masayuki Hirose, Kouta Funakoshi, Kazuo Sakamoto, Junji Kishimoto, Koji Todaka, Naoki Nakashima, Hiroyuki Tsutsui, Deep Learning of ECG for the Prediction of Postoperative Atrial Fibrillation, Circulation. Arrhythmia and electrophysiology, 10.1161/CIRCEP.122.011579, Vol.16, No.2, p.e011579, 2023.02.
35. 戸高 浩司, 九州大学における橋渡し研究、精密医療の開発について, precision medicine, 2020.12.
36. 戸高 浩司、中西 洋一, AROによる研究推進体制, Current Therapy, 2018.05.
37. 戸高 浩司, β遮断薬の慢性心不全に対する作用機序と治療戦略、今後の展望についてご教授ください, 循環制御, 2014.08, 心不全の疾患概念はこれまで大きく変遷して来た。1960 年代までは浮腫性疾患とみなされ、浮腫を取る事が心不全の治療であった。ジギタリスを急速飽和し利尿を付けることを目指していた。 1980年代までは血行動態の異常が本体であると 再認識され、低下した心機能を上げることが治療の目標となった。各種強心薬が試されたが長期的には生命予後を悪化させる事が明らかとなった。 1990年代に入って低下した心機能により惹起された神経体液性異常が予後を悪化させていると 明らかになり主な治療対象となった。レ ニン・アンギオテンシン・アルドステロン系を抑制する ACE阻害剤が先に試され、その効果が確立した。.
38. 戸高浩司、酒井喜久雄, 慢性心不全患者の運動訓練による左室拡張能の改善, 臨床研究奨励基金, 第15号:16-22, 2002.01.
39. 戸高浩司, 急性冠症候群に対する抗血栓薬 一わが国における新しい抗血栓薬の必要性は?:開発の現状, 「Heart View」Vol.13,No.11 p1272-8、メジカルビュー社, 2009.11.
40. 川上浩司、中里適、北川雄光、清水公治、田上和夫、戸高浩司、松田公志、山本晴子、新井茂鉄、大庭和夫、上崎勇一、伴隆一、丸岡英二、渡辺一博, 未承認医療機器を用いた臨床研究実施の手引き, 医療機器産業戦略コンソーシアム(METIS), 2011.12.
41. 戸高浩司、小柳左門, スワン・ガンツカテーテルで何が分かるか, ICUとCCU, 22(10): 733-739, 1998.01.
42. 戸高浩司、竹下彰, シリーズ17「血管疾患を診る」−生理から見た血管疾患, 「心臓病診療プラクティス」高木眞一・松尾汎編、文光堂, pp 11-17, 1990.01.

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