九州大学 研究者情報
総説一覧
畑埜 晃平(はたの こうへい) データ更新日:2024.04.10

教授 /  システム情報科学研究院 情報学部門


総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 畑埜 晃平, 決定木ブースティングアルゴリズムの解析, 電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション, Vol.100, No.449, pp.41-48, 2000.11, 本研究はブースティングを用いた多値関数の学習アルゴリズムを解析する.ブースティングとは, 近似精度の低い学習仮説(弱学習仮説)を組み合わせて近似精度の高い学習仮説(強学習仮説)を構成するテクニックである.本研究では, 瀧本, 丸岡によって示されたアルゴリズムTOPDOWNを解析する.TOPDOWNは学習対象の多値関数f:X→{1, …, N}(N&ge;2)に対しfの弱学習仮説h:X→{1, …, K}をラベル付けしたノードを用いてK分木の決定木を構成する.瀧本, 丸岡はTOPDOWNの解析を行い, 出力する決定木の内部ノードの個数が(1/ε)^<K/γ>以上であれば, 決定木の訓練誤差がε以下になることを示した.ここでγは弱仮説のパラメータである.本研究では解析をより精密化し, 出力する決定木の内部ノードの個数は2(1/ε)^<1nK/γ>以上で十分であることを示す..
2. 畑埜晃平, 多分岐の決定木型ブースティングアルゴリズム, 情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL), Vol.2001, No.25, pp.33-40, 2001.03, 本研究では,MansourとMcAlleterが提案した多分岐の決定不学習アルゴリズムに対してより単純な解析を行う.ここで多分岐の決定木とは各内部頂点の分岐数が2以上の決定木で,内部頂点ごとに分岐数が異なってもよいものとする.彼らは,2分岐の決定木構成アルゴリズムを多分岐の場合に拡張し,葉の個数を固定した時,拡張されたアルゴリズムの出力する多分岐の決定木の誤差が拡張前のアルゴリズムの出力する2分岐の決定木の誤差の上限を越えない事を示した.我々は,より緩やかで単純な条件の下でも彼らの結果が成り立つ事を示す.We show an simpler analysis of a decision tree learning algorithm proposed by Mansour and McAlleter. They extend a binary decision tree learning algorithm to a multi-way branching one and showed that the error of the multi-way branching tree produced by the extended algorithm is bounded with an upperbound of the error of the binary tree of the same size produced by non-extended one. We show that their result holds under a simpler and weaker condition..
3. 畑埜 晃平, 渡辺 治, r-of-k閾値関数に対するブースティングを用いた学習, 電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション, Vol.104, No.147, pp.27-32, 2004.06, 本研究では,学習対象の関数がr-of-k閾値関数であるときにブースティング技法のさらなる改良を考える.r-of-k閾値関数とはk個の変数からなる論理関数であり,それらの値の内少なくともr個以上が正であるときに"+1"を返し,それ以外の場合,"-1"を返す.r-of-k関数のm個の例,および,弱仮説としてリテラルが与えられたとき,ブースティングアルゴリズムの多く(例:AdaBoost[6]),O(K^2logm)回のくり返しで無矛盾な仮説を構成する.本研究では,AdaBoostの改良版(confidence-rated AdaBoost[11]またはInfoBoost[1])が,O(krlogm)回のくり返しで無矛盾な仮説を構成することを示す..
4. 畑埜 晃平, Smooth Boosting with An Information-theoretic Criterion (テーマ:特集「シンボルグラウンディング問題」および一般), 人工知能基本問題研究会, Vol.61, pp.107-112, 2005.11.
5. 坂内 英夫, 畑埜 晃平, 稲永 俊介, Practical Algorithms for Pattern Based Linear Regression (テーマ:特集「シンボルグラウンディング問題」および一般), 人工知能基本問題研究会, Vol.61, pp.69-74, 2005.11.
6. 畑埜晃平, より効率的なフィルタリング型ブースティング技法(計算理論とアルゴリズムの新展開), 数理解析研究所講究録, Vol.1489, pp.57-63, 2006.05.
7. 石橋浩介, 畑埜晃平, 竹田正幸, 定数項の大きな線形しきい値関数に対する高速なオンライン学習(計算機科学の理論とその応用), 数理解析研究所講究録, Vol.1554, pp.217-224, 2007.05.
8. 井智弘, 畑埜晃平, 坂内英夫, 竹田正幸, 非定常な木情報源に対応する文脈木重みづけ法に関する研究, 電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション, Vol.108, No.89, pp.15-21, 2008.06, 近年,大量で不均質なデータを圧縮するために,非定常な情報源に対して高い圧縮率を達成する圧縮アルゴリズムが求められている.Willemsらによって提案された文脈木重みづけ(CTW)法[1]は性能の良いユニバーサル符号の一つである.しかし,CTW法はそれまで読み込んだ全ての文字列を学習データとして次の文字の確率分布を予測し圧縮を行うため,木情報源が変化すると古い学習データが圧縮性能に悪影響を及ぼしてしまう.そこで,固定幅ウィンドウを導入し,学習データを常に最新のB個に限定するようにした手法が,有限窓文脈木重みづけ(FWCTW)法[4]である.FWCTW法は古い学習データを忘れることで木情報源の変化に対応することができるが,最適なウィンドウサイズBを事前に決定しなければならないという問題がある.そこで,本研究ではこの問題を解決するために,情報源の変化を検知しウィンドウサイズを動的に決定する方法を提案する..
9. 井 智弘, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 竹田 正幸, 非定常な木情報源に対応する文脈木重みづけ法に関する研究, 電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション, Vol.108, No.89, pp.15-21, 2008.06.
10. 畑埜 晃平, The 21st Annual Conference on Learning Theory (COLT 2008) 参加報告, 人工知能学会誌 = Journal of Japanese Society for Artificial Intelligence, Vol.23, No.6, pp.844-845, 2008.11.
11. 石橋 浩介, 畑埜 晃平, 竹田 正幸, Online Learning of Approximate Maximum $p$-Norm Margin Classifiers with Bias (Foundations of Theoretical Computer Science : For New Computational View), 数理解析研究所講究録, Vol.1599, pp.154-161, 2008.05.
12. 小林隼人, 畑埜晃平, 石野明, 篠原歩, 1V-3 間引きを用いたパス技術の自律学習(学習・推論,学生セッション,人工知能と認知科学), 全国大会講演論文集, Vol.70, No.2, pp."2-209"-"2-210", 2008.03.
13. 大田 貴文, 畑埜 晃平, 竹田 正幸, 最大エントロピー原理に基づくオンライン学習 (理論計算機科学の深化と応用), 数理解析研究所講究録, Vol.1649, pp.137-144, 2009.05.
14. 阿南 陽子, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 楽曲の分類と文字列間の類似性指標について (特集 「脳科学と知識処理」および一般), 人工知能基本問題研究会, Vol.78, pp.29-34, 2010.07.
15. 末廣 大貴, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 瀧本 英二, 竹田 正幸, カーネル法を用いたコンピュータ将棋の評価関数の学習, ゲームプログラミングワークショップ2010論文集, Vol.2010, No.12, pp.23-27, 2010.11, 近年,コンピュータ将棋における評価関数は,機械学習を応用したパラメータの自動調整を行う手法が主流となっている.ただし,評価項目(特徴)は,作成者の考え,感覚に基づいて用意されることがほとんどである.本論文では,プロ棋士の棋譜を学習サンプルとして,カーネル法とサポートベクトルマシンを用いて学習を行う手法を提案する.カーネル法を用いることにより,作成者があらかじめ複雑な特徴を用意せずとも,局面を表現する単純な特徴のみから,特徴間のn項関係などのより高次な特徴のが暗に生成され,その特徴空間で学習が行われる.複数の駒の位置関係の考慮が不可欠である囲いの評価実験を行い,カーネル法が有用性を示す結果を得た.また,本手法により得られた評価関数は,定跡などの明示的な知識を導入することなしに得られたにもかかわらず,特に序盤において,人間らしい局面評価を行うことを示す.Recently, automatic optimization of parameters by applying machine learning methods has become a mainstream approach for developing good evaluation functions in shogi. However, the features used in the evaluation functions are prepared by the developer, depending heavily on his/her knowledge and intuition. In this paper, we propose a method for learning evaluation functions from game records of professional players, using kernel methods and Support Vector Machines (SVMs). By using kernels, higher dimensional features such as n-ary relations between simple features can be considered implicitly, and various complex features can be considered without preparation. We apply our method on castle positions, which require consideration of relative positions of pieces, and show that the evaluation functions learned using kernels give better results. We also show that even without knowledge of standard moves, we were able to obtain human-like evaluation functions, especially in the opening..
16. 安武 翔太, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, 竹田 正幸, オンラインランク統合問題 (アルゴリズムと計算機科学の数理的基盤とその応用), 数理解析研究所講究録, Vol.1691, pp.142-147, 2010.06.
17. 末廣 大貴, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 瀧本 英二, 竹田 正幸, SVMによるバイパータイトランキング学習を用いたコンピュータ将棋における評価関数の学習(IBIS2010(情報論的学習理論ワークショップ)), 電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習, Vol.110, No.265, pp.113-118, 2010.10, 近年,将棋の評価関数の設計においては,機械学習を応用してパラメータの自動調整を行う手法が主流となっている.ただし,評価項目(特徴)は作成者の棋力,感覚に基づいて用意されることが多く,これまで,複数の駒同士の関係など,複雑な特徴が数多く考案されてきた.本研究では,明示的に用意する特徴としては局面を表す基本的で単純なもののみとし,多項式カーネルとサポートベクターマシン(SVM)を用いて評価関数の学習を行う手法を提案する.多項式カーネルを用いることにより,単項式で表現できる特徴間のn項関係を,すべて高次の特徴として利用することができる・また,評価関数の学習問題を,合法手後の局面を順位づけるバイパータイトランキングの問題と捉え,SVMを用いて学習を行う手法(ランキングSVM法)を提案する.対局や棋譜との一致率を調べる実験結果,および駒組みの観察等から,ランキングSVM法の有効性を示す..
18. 樫原 和昭, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 竹田 正幸, F-037 Sparse Substring Pattern Set Discovery using Linear Programming Boosting, 情報科学技術フォーラム講演論文集, Vol.9, No.2, pp.449-455, 2010.08, In this paper, we consider finding a small set of substring patterns which classifies the given documents well. We formulate the problem as 1 norm soft margin optimization problem where each dimension corresponds to a substring pattern. Then we solve this problem by using LPBoost and an optimal substring discovery algorithm. Since the problem is a linear program, the resulting solution is likely to be sparse, which is useful for feature selection. We evaluate the proposed method for real data such as movie reviews.
19. 安武 翔太, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, 竹田 正幸, F-036 Online Rank Aggregation, 情報科学技術フォーラム講演論文集, Vol.9, No.2, pp.441-448, 2010.08, We consider an online learning framework where the task is to predict a permutation which represents a ranking of n fixed objects. At each trial, the learner incurs a loss defined as the Kendall tau distance between the predicted permutation and the true permutation given by the adversary. This setting is quite natural in many situations such as information retrieval and recommendation tasks. We propose algorithms for this problem and prove relative loss bounds with regret only depending on O(n^2). Further, we also prove a matching lower bound of the regret, which shows our algorithms are almost optimal..
20. 奥山 洋平, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, 竹田 正幸, 確率的評価値をもつゲーム木における最善手探索 (計算機科学とアルゴリズムの数理的基礎とその応用), 数理解析研究所講究録, Vol.1744, pp.56-59, 2011.06.
21. 阿南 陽子, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 竹田 正幸, 類似度に基づくポリフォニックな楽曲の分類, 情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理, Vol.2012, No.31, pp.1-6, 2012.01, 本稿ではポリフォニックな楽曲の分類問題に取り組む.特にデータ間の非類似度に基づいた分類手法 [1] を用いる.ポリフォニックな楽曲に文字列間の非類似度関数を適用するため,楽曲データをベクトル列に変換する前処理を行う.前処理と非類似度関数を変えながら分類実験を行ったところ,どの場合でも高い分類精度が得られた..
22. 末廣 大貴, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, ランキングSVMの近似に基づく効率的なAUC最大化, 電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning, Vol.112, No.279, pp.243-249, 2012.10.
23. 末廣 大貴, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, ランキングSVMの近似に基づく効率的なAUC最大化(第15回情報論的学習理論ワークショップ), 電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習, Vol.112, No.279, pp.243-249, 2012.10, The formulation of Ranking SVMs is popular for maximizing AUC scores. More precisely, the formulation is given as a hard/soft margin optimization over pn pairs of p positive and n negative instances. Directly solving the problem is impractical since we have to deal with a sample of size pn, which is quadratically larger than the original sample size p+n. In this paper, we propose (approximate) reduction methods from the hard/soft margin optimization over pn pairs to variants of hard/soft margin optimization over p+n instances. The resulting classifiers of our methods are guaranteed to have a certain amount of margin over pn pairs..
24. 立石 大旨, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, バイアス付きPassive-Aggressiveアルゴリズム, 電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習, Vol.112, No.454, pp.1-8, 2013.02, 本論文では線形分類器を用いたオンライン二値分類問題を考える.この問題を解くアルゴリズムの1つとしてPassive-Aggressiveアルゴリズムが知られている.このアルゴリズムにおいて原点を通らない超平面,すなわちバイアス(定数項)付きの超平面を学習する場合,一般に事例空間の次元を1つ増やし,その次元に定数パラメータを与える方法がとられる.しかし,この方法では累積損失の上界を最適化するような定数パラメータをオンラインで推定する事は一般に難しい.そこで,本論文では定数パラメータを必要としないPassive-Aggressiveアルゴリズムの拡張版を提案する..
25. 中薗拓巳, 畑埜晃平, 瀧本英二, 組み合わせ論的MTS問題, 研究報告アルゴリズム(AL), Vol.2014, No.7, pp.1-6, 2014.11, メトリカルタスクシステム (Metrical Task System) 問題 (以下,MTS 問題) とは,逐次的な意思決定過程をモデル化したもので,ある固定された距離空間 (C; δ) を決定空間とするプロトコルとして,次のように記述される.各時刻 t=1,2,...,T において,プレイヤーは損失関数 lt:C→R+ を観測したあとある決定 ct∈C を選択し,損失 lt(ct)+δ(ct,ct-1) を被る.プレイヤーの目標は,累積損失に関する競合比を最小化することである.各時刻の計算時間が決定空間のサイズ n=|C| に比例するアルゴリズムがいくつか提案されている.しかし,ルーティングやランキングなど多くの問題は,決定空間が組み合わせ論的に定義された指数サイズの問題として定式化されるため,従来手法はそのままでは効率が悪い.例えばルーティング問題では,ある固定されたグラフの全域木の集合が決定空間になるが,そのサイズ n は一般にグラフのサイズに関して指数的である.本研究では,c≠c′ のとき δ(c,c′)=1 を満たす一様距離空間上の MTS 問題を,決定空間 C 上のサンプリングの問題に還元する手法を提案する.すなわち,効率の良いサンプリングアルゴリズムが存在する決定空間 C に対して,MTS 問題を効率よく解くことができる.実際,全域木の集合や s-t 道の集合など,いくつかの組み合わせ論的な決定空間は,効率の良いサンプリングアルゴリズムを持つことを示す.本手法の競合比の上界は 6e ln n で,従来手法の競合比 O(log n) と同じオーダーを達成している..
26. 中薗 拓巳, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, 組み合わせ論的MTS問題(グラフ,ペトリネット,ニューラルネット及び一般), 電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム, Vol.114, No.312, pp.35-40, 2014.11, メトリカルタスクシステム(Metrical Task System)問題(以下,MTS問題)とは,逐次的な意思決定過程をモデル化したもので,ある固定された距離空間(C,δ)を決定空間とするプロトコルとして,次のように記述される.各時刻t=1,2,...,Tにおいて,プレイヤーは損失関数l_t→R_+を観測したあとある決定c_t∈Cを選択し,損失l_t(c_t)+δ(C_t,C_<t-1>)を被る.プレイヤーの目標は,累積損失に関する競合比を最小化することである.各時刻の計算時間が決定空間のサイズn=|C|に比例するアルゴリズムがいくつか提案されている.しかし,ルーティングやランキングなど多くの問題は,決定空間が組み合わせ論的に定義された指数サイズの問題として定式化されるため,従来手法はそのままでは効率が悪い.例えばルーティング問題では,ある固定されたグラフの全域木の集合が決定空間になるが,そのサイズnは一般にグラフのサイズに関して指数的である.本研究では,c≠c'のときδ(c,c')=1を満たす一様距離空間上のMTS問題を,決定空間C上のサンプリングの問題に還元する手法を提案する.すなわち,効率の良いサンプリングアルゴリズムが存在する決定空間0に対して,MTS問題を効率よく解くことができる.実際,全域木の集合やs-t道の集合など,いくつかの組み合わせ論的な決定空間は,効率の良いサンプリングアルゴリズムを持つことを示す.本手法の競合比の上界は6eln nで,従来手法の競合比O(log n)と同じオーダーを達成している..
27. 中薗 拓巳, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, 組み合わせ論的MTS問題(グラフ,ペトリネット,ニューラルネット及び一般), 電子情報通信学会技術研究報告. MSS, システム数理と応用, Vol.114, No.313, pp.35-40, 2014.11, メトリカルタスクシステム(Metrical Task System)問題(以下,MTS問題)とは,逐次的な意思決定過程をモデル化したもので,ある固定された距離空間(C,δ)を決定空間とするプロトコルとして,次のように記述される.各時刻t=1,2,...,Tにおいて,プレイヤーは損失関数l_t→R_+を観測したあとある決定c_t∈Cを選択し,損失l_t(c_t)+δ(C_t,C_<t-1>)を被る.プレイヤーの目標は,累積損失に関する競合比を最小化することである.各時刻の計算時間が決定空間のサイズn=|C|に比例するアルゴリズムがいくつか提案されている.しかし,ルーティングやランキングなど多くの問題は,決定空間が組み合わせ論的に定義された指数サイズの問題として定式化されるため,従来手法はそのままでは効率が悪い.例えばルーティング問題では,ある固定されたグラフの全域木の集合が決定空間になるが,そのサイズnは一般にグラフのサイズに関して指数的である.本研究では,c≠c'のときδ(c,c')=1を満たす一様距離空間上のMTS問題を,決定空間C上のサンプリングの問題に還元する手法を提案する.すなわち,効率の良いサンプリングアルゴリズムが存在する決定空間0に対して,MTS問題を効率よく解くことができる.実際,全域木の集合やs-t道の集合など,いくつかの組み合わせ論的な決定空間は,効率の良いサンプリングアルゴリズムを持つことを示す.本手法の競合比の上界は6eln nで,従来手法の競合比O(log n)と同じオーダーを達成している..
28. 末廣 大貴, 畑埜 晃平, 坂内 英夫, 瀧本 英二, 竹田 正幸, SVMによる2部ランキング学習を用いたコンピュータ将棋における評価関数の学習(情報・システム基礎), 電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム, Vol.97, No.3, pp.593-600, 2014.03, 近年,将棋の評価関数の設計においては,機械学習を応用してパラメータの自動調整を行う手法が主流となっている.ただし,評価項目(特徴)は作成者の棋力,感覚に基づいて用意されることが多く,これまで,複数の駒同士の関係など,複雑な特徴が数多く考案されてきた.本研究では,明示的に用意する特徴としては局面を表す基本的で単純なもののみとし,多項式カーネルとサポートベクターマシン(SVM)を用いて評価関数の学習を行う手法を提案する.多項式カーネルを用いることにより,単項式で表現できる特徴間のn項関係を,全て高次の特徴として利用することができる.また,評価関数の学習問題を,合法手後の局面を順位づける2部ランキングの問題と捉え,SVMを用いて学習を行う手法(ランキングSVM法)を提案する.対局や棋譜との一致率を調べる実験結果,及び駒組みの観察等から,ランキングSVM法の有効性を示す..
29. 松本 一成, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, Online Prediction with Bradley-Terry Models and Logistic Models (情報論的学習理論と機械学習), 電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習, Vol.113, No.476, pp.55-62, 2014.02, We consider an online density estimation problem under the Bradley-Terry model which determines the probability of the order between any pair in the set of n teams. An annoying issue is that the loss function is not convex. A standard solution to the avoid the non-convexity is to change variables so that the new loss function w.r.t. new variables is convex. But, then the radius of the new domain might be huge or unknown in general, for which standard algorithms such as OGD and ONS have suboptimal regret bounds. We propose two algorithms with regret O (lnT). Our first algorithm achieves the best regret so far and can be applied to the online logistic regression models as well. As a result, we solve the open problem posed by McMahan and Streeter. Our second algorithm has a weaker regret bound, but performs better in practice..
30. 森富 賢一郎, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, 津田 宏治, Online Matrix Prediction with Log-Determinant Regularizer (情報論的学習理論と機械学習), 電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習, Vol.113, No.476, pp.63-70, 2014.02, We consider an online symmetric positive semi-definite matrix prediction problem with convex loss function and Probenius norm of predictions are bounded. FTRL is famous method to deal with online prediction task, which makes prediction by minimizing cumulative loss function and regularizer function. There are three popular regularizer functions for matrices, Probenius norm, quantum relative entropy and log-determinant. The regret bound is already proven in Probenius norm and quantum relative entropy regularizer although in log-determinant regularizer is not proven. We propose a FTRL based algorithm with log-determinant as regularizer and show regret bound of algorithm. We also propose an application of online matrix prediction problem to online metric learning task..
31. 松本 一成, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, Online Density Estimation of Bradley-Terry Models (情報論的学習理論と機械学習), 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, Vol.115, No.112, pp.173-180, 2015.06.
32. 黒木 守人, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, DS-1-15 計算能力制限付き通信計算量に基づく回路計算量の下界の導出(DS-1.COMP-ELC学生シンポジウム,シンポジウムセッション), 電子情報通信学会総合大会講演論文集, Vol.2015, No.1, pp."S-29"-"S-30", 2015.02.
33. 南石晃明, 谷口倫一郎, 竹田正幸, 星岳彦, 岡安崇史, 平井康丸, 坂内英夫, 長原一, 金子邦彦, 有田大作, 竹内重吉, 畑埜晃平, 島田敬士, 長命洋佑, 低コスト・省力化,軽労化技術等の開発―農家の作業技術の数値化及びデータマイニング手法の開発―第1章「農匠ナビ」全体システム設計・開発・評価 1「農匠ナビ」全体システム設計・実証および農作業連続計測・可視化・データマイニング基盤技術の研究開発, 農林水産省農林水産技術会議事務局研究成果, No.543, p.14‐18, 2016.03.
34. 永浦 良平, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, k-集合に対する射影と分解に基づく敵対的バンディット予測 (情報論的学習理論と機械学習), 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, Vol.116, No.121, pp.225-229, 2016.07.
35. Daiki Suehiro, Kengo Kuwahara, Kohei Hatano, Eiji Takimoto, Time Series Classification Based on Random Shapelets, NIPS Time Series Workshop 2016, 2016.12.
36. 森富 賢一郎, 畑埜 晃平, 瀧本 英二, Collaborative ranking based on relative preference (情報論的学習理論と機械学習), 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報, Vol.115, No.511, pp.1-8, 2016.03.
37. Daiki Suehiro, Kohei Hatano, Eiji Takimoto, Shuji Yamamoto, Kenichi Bannai, Akiko Takeda, Learning theory and algorithms for shapelets and other local features, NIPS Time Series Workshop 2017, 2017.12.
38. Ryohei Nagaura, Kohei Hatano, Eiji Takimoto, Combinatorial bandit prediction with relaxation-based approximation algorithm, 研究報告アルゴリズム(AL), Vol.2018-AL-167, No.4, pp.1-4, 2018.03.
39. LU Min, 田村かおり, 岡本剛, 大井京, 島田敬士, 畑埜晃平, 山田政寛, 木實新一, 高齢者向け学習支援システムのためのデュアルタブレット・ユーザインタフェースの提案と実現, 情報処理学会全国大会講演論文集, Vol.81st, No.4, pp.4.293‐4.294-294, 2019.02, 若い学生を主な対象に開発された既存の学習支援システムは、高齢学習者にとっては、画面と操作が難しすぎる場合が多い。画面の頻繁な切り替えなど、高齢者の不安感と抵抗感を引き起こしやすい動作の減少のために、連動した2台のタブレットで直感的操作できるユーザインタフェースを提案する。開発したプロトタイプを高齢者に使ってもらったヒアリング調査で、ユーザビリティを評価して、改良点を議論した。.
40. LU Min, 田村かおり, 岡本剛, 大井京, 島田敬士, 畑埜晃平, 山田政寛, 木實新一, 高齢者向け学習支援システムためのUIプロトタイプ開発と実験, 情報処理学会シンポジウムシリーズ(CD-ROM), Vol.2019, No.1, p.ROMBUNNO.8A‐3, 2019.06.
41. 田村かおり, 岡本剛, 大井京, 島田敬士, 畑埜晃平, 山田政寛, LU Min, 木實新一, 自学学習中における脳波・視線の同時計測・分析システムの開発, 情報処理学会全国大会講演論文集, Vol.81st, No.4, pp.4.291‐4.292-292, 2019.02, 教育者が新規の知識を教授するとき、学習者がいつどこで「つまずき」を感じたかを把握することは非常に重要である。しかし、学習後の主観評価や小テストだけで学習者の「つまずき」を詳細に推定するのは困難である。学習中のリアルタイムな応答や精神状態変化を計測できれば、適切な教授方法の開発に有用であると考えられる。本研究では、学習中の精神状態を反映する信号として、脳波および視線運動に着目し、学習者の脳波・視線の同時計測および信号解析を実現するシステムを開発した。本稿では、本システムにより取得した自学学習中の脳波・視線応答の結果例を紹介するとともに、生理応答計測の教授方法改善可能性について議論する。.
42. 田村かおり, 岡本剛, 大井京, 島田敬士, 畑埜晃平, 山田政寛, LU Min, 木實新一, 学習中の生理応答同時計測による「学びのつまずき」推定システム開発, 情報処理学会シンポジウムシリーズ(CD-ROM), Vol.2019, No.1, p.ROMBUNNO.2F‐1, 2019.06.
43. 椎野 徹也, 島田 敬士, 峰松 翼, 畑埜 晃平, 木實 新一, 谷口 倫一郎, デジタル教科書の学習活動ログを利用した教材難易度分析, 第81回全国大会講演論文集, Vol.2019, No.1, pp.499-500, 2019.02, 本研究では講義資料のページ毎の難易度を分析する新たなアプローチを提案する.分析対象としてデジタル教科書システムで配信されている講義資料を用いる.デジタル教科書システムではページの移動操作に加えページのブックマークやマーカーといった操作ログも記録される.今回は14回の講義中(1回90分)に収集されたデジタル教科書の操作ログを使用し,456人の学生からなる計110,894電子書籍操作ログを分析した.本研究では操作ログからページ毎に6種類の特徴量を計算し,分類モデルを作成した.最終的にそのモデルに対して10分割の交差検証によって921ページに関しての評価を行った.本論文では提案手法の詳細について述べ,評価結果を報告する..
44. 畑埜 晃平, 法常 知子, 電子ジャーナル購読計画の数理最適化 : 九州大学における事例報告, 九州大学附属図書館研究開発室年報, 2016.08, [URL].
45. 畑埜晃平, The 21st Annual Conference on Learning Theory (COLT 2008) 参加報告, 人工知能学会誌 vol. 23 No. 6, 2008.11.
46. 河内亮周,小林弘忠,清美 礼,畑埜晃平, 理論計算機科学の最前線, 電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ誌, 第12巻 第2号, 2007.08.

九大関連コンテンツ

pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。