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笹岡 孝司(ささおか たかし) データ更新日:2017.06.26

准教授 /  工学研究院 地球資源システム工学部門 資源システム工学講座


大学院(学府)担当

工学府 地球資源システム工学専攻 資源システム工学講座

学部担当



電子メール
ホームページ
http://rock.mine.kyushu-u.ac.jp/
岩盤・開発機械システム工学研究室 .
電話番号
092-802-3333
FAX番号
092-802-3333
取得学位
博士(工学)
専門分野
岩盤工学, 発破工学, 地盤工学
活動概要
<研究活動>
 第一の研究は、鉱山における坑道の維持技術に関する研究である。鉱山の坑道は、土木分野での交通トンネルのように半永久的な構造物ではなく、その多くは採掘区域が採掘されるまでの比較的短い期間供用されるものであり、また周辺の採掘による大きな影響を受けるという特殊な条件がある。したがって、坑道を安全かつ経済的に掘削し維持する場合、このような鉱山特有の条件を周辺の地質学的、岩石力学的条件に加えて十分考慮する必要がある。採掘の安全性を確保し高能率化を実現するためには、坑道の維持技術の確立は必要不可欠であることから、理論、室内実験および実測による検討という多角的な研究を行ってきた。また、保安にも関連する技術として「穿孔機の掘削データに基づく坑道天盤における地質状況の予測システムの開発」プロジェクトに参加し、本システムの開発および実用化に成功した。
 第二の研究は、深度の浅い空洞やその周辺の地山の安定性に関する研究である。今日、都市開発事業において、深度の浅い空洞の構築、維持に関するニーズが急速に高まり、安全かつ効果的に空洞を開削、維持、管理するためには、その周辺領域を含めて地山の変形・破壊挙動を解明する必要がある。深度の浅い空洞の変形・破壊挙動は、空洞周辺に作用する重力の影響や不均質な地圧、地下水圧の影響が複雑に関係しているため、これらの要因を十分把握した上で厳密に検討しなければならない。そこで、鉱山における深度の深い坑道の開削・維持技術についての知識や経験を生かし、現在、都市ライフラインの敷設工法を対象とした理論、実験および 実測による検討を行っている。この都市ライフラインの敷設工法を研究テーマとして取り扱われた例は国内外とも極めて少なく、施工中に発生した様々な現象を未だ経験的により解決しているのが実状である。そこで現在、泥水加圧式推進工法適用現場の安定性の評価、低推力推進メカニズム、低推力で推進できる泥水の開発などの3つの分野に分けて実験、実測および解析を行ってきている。この分野においては、2007(平成19)年に「都市ライフラインの敷設に伴う周辺地山の安定性に関する研究」により第32回資源・素材学会奨励賞を受賞した。
 第三の研究は、露天掘り鉱山における制御発破技術に関する研究である。露天掘り鉱山では、発破振動や飛石などの環境・保安問題で発破による採掘作業が大きく制限されることがあり、これらを考慮しつつ発破効果を最大にする最適な発破規格を選定しなければならない。そこで、国内外の露天掘り鉱山において現場試験を実施し、岩盤状態および発破規格と起砕物粒度の関係を評価し、岩盤状態に応じた最適な発破規格の設計指針の確立を目的として種々検討を行ってきた。また、広範囲に影響を及ぼす発破振動にも着目し、発破振動の伝播特性およびその予測式の構築についても検討も行ってきた。
 現在、極限環境下での地圏開発として海底熱水鉱床の開発や高レベル放射性廃棄物地層処分などのプロジェクトが進行中であり、これらは条件が厳しく既存のシステムでは開発が難しく、特徴に応じた開発システムの創成が必要であると考えられる。特にレアメタルの確保を目的とした海底熱水鉱床の開発では海面下2,000mでの最適な採鉱システム(採掘方法、掘削機械の選定や揚鉱システムなど)の検討を行なっている。
 また、開発機械システムおよび地下利用システムに関する研究では、①資源開発・土木分野における礫石混合地山の掘削に関わる評価、②土木分野における大深度地下利用の更なる発展、③環境に配慮した岩盤の破砕方法の確立(機械掘削、発破を含む)、等々が確実に要求されることから、今後積極的にこの分野にも関わり、新たな研究のシーズ・ニーズを発掘し研究を展開している。
 さらに、国際的な資源開発の動向に着目すると、露天掘り鉱山から坑内掘り鉱山への移行、坑内掘り鉱山の深部化、低品位鉱の開発等は避けて通れない課題であることから、資源の効率的かつ効果的な採掘方法の開発に取り組んでいる。


<教育活動>
 教育に関しては、資源開発に必要不可欠な岩盤工学、開発機械工学という学問分野を中心に学生・院生に講義や演習・実験を提供し、社会の急激な変化に対応しつつ基礎となる部分はしっかりと教授してきた。また、学生・院生の海外への関わりについては、彼らの海外鉱山でのインターンシップ支援に関わってきた。しかし、専門的な教育が不十分の儘海外に出している現状では、受け入れ側に不信感を与えかねない状況も生じている。そこで、海外鉱山でインターンシップを実施する学生には、採掘・運搬・処理・環境修復技術の復習から、専門用語の確認、最新技術の紹介まで含め毎週一時間程度の事前指導を実施してきた。この他、インドネシア、ベトナムでの資源開発中堅技術者の人材育成事業に講師として関わってきており、引き続き協力していきたい。このようにして培われたヒューマンネットワークを再構築して、海外での資源開発協力を推し進めてきた。

<社会活動>
 文部科学省の「産学人材育成パートナーシッププログラム」やJCOAL主導の「国際資源開発人材育成事業」に委員として参加し、次世代の資源系技術者の育成を目指す実践的教育支援プログラムの検討ならびに教材開発を行っている。


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