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川平 敏文(かわひら としふみ) データ更新日:2023.11.22

教授 /  人文科学研究院 文学部門 国語学・国文学


大学院(学府)担当

学部担当

文学部 人文学科 文学 国文学講義Ⅲ・Ⅳ
文学部 人文学科 文学 国語学国文学基礎演習
文学部 人文学科 哲学 人文学基礎Ⅱ


ホームページ
https://kyushu-u.elsevierpure.com/ja/persons/toshifumi-kawahira
 研究者プロファイリングツール 九州大学Pure
http://www2.lit.kyushu-u.ac.jp/~kawahira/
閑山子LAB(川平敏文の研究用webサイト) .
https://kanzanshi.seesaa.net/
閑山子余録(江戸文学・思想史研究に関するブログ) .
就職実績-他大学
就職実績有, 熊本県立大学
取得学位
博士(文学)
学位取得区分(国外)
あり 学士 修士 博士
専門分野
日本近世文学
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年00ヶ月
活動概要
●研究について
専門は、江戸時代の思想・文学。特に、学問(漢学や和学)、およびその周辺で繰り広げられた文学的営為に関心があります。
これまで主に取り組んできたのは、江戸時代における『徒然草』の注釈、および受容をめぐる諸問題です。『徒然草』という作品の〈読まれ方〉を調査して、そこから江戸時代に生きた人々の考え方や、感じ方の特徴を炙り出そうとする研究です。
この研究テーマは、いわば私のライフワークと言えるものですが、そこから展開したものとして、十七世紀の時代思潮(思想・文学のベースとなっている基本的な考え方)、江戸時代における老荘思想の受容、室鳩巣から松平定信へとつながる十八世紀の「保守的」言説の再検討、といったテーマに取り組んでいます。
研究姿勢としては、その時代に降り立ち、その時代の目で問題を考えていくことを理想としています。そのためには、ジャンルを問わず、なるべく多くの「和本」(明治以前の和装本。大半が活字化もされていない)に接し、その時代の言説に親しむしかありません。こういった、いわば基礎トレーニングの実践を大事にしています。

●教育について
授業ではよく、近世文学はいわば「ハイパー古典」だと言っています。近世文学で使われている言葉は基本的に「文語」です。このことに象徴されるように、近世文学はいわゆる古典的な教養や表現に多くを拠っています。私たちが「国語」の一部として古文・漢文を習ったのとは違って、そういった「古典」こそが、当時の「現代文」の模範だったのです。私の好きな『徒然草』も、その一つでした。
よって近世文学を研究するためには、『源氏物語』や『徒然草』といった日本の古文はもちろん、中国の『論語』や杜甫・李白の漢詩まで、和漢の古典を広く知っておく必要があります。ちょっと大変なようにも聞こえますが、考え方を変えれば、近世文学を研究すれば、必然的に、そういった和漢の古典を読解し、鑑賞する力が身につくということです。よって、たとえば高校の国語教師のように、古典についてのオールマイティーな力が必要な人には、うってつけの分野ではないでしょうか(というのが、私の誘い文句です)。しかし、これは冗談でも何でもなく、近世文学を通じて、広く「古典」の面白さを伝えられる人を育てることが、私の願いです。
そのためには、まずは文献を正確に読めないと意味がありません。正確に読むとは、先入観を廃して、テキストを丁寧に読むということです。テキストの翻字から始まり(活字があったとしても、必ず原本からもう一度やり直します)、一言一句をないがしろにせず、その典拠や表現を吟味します。そして最後に現代語訳。こういった一連の訳注作業をしっかりとこなし、文献をできる限り正確に読むための訓練を、私は重視しています。自分勝手な読みでよいのならば、大学で勉強する必要はないわけです。

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