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山口 創一(やまぐち そういち) データ更新日:2023.10.06

助教 /  総合理工学研究院 環境理工学部門 地球環境理工学


主な研究テーマ
諫早湾潮受け堤防建設に伴う海域環境の変化に関する数値的研究
キーワード:諫早湾 潮受け堤防 有明海 海況変化
2020.04~2026.03.
豪雨により発生した流木や油の沿岸海域での挙動推定手法の開発
キーワード:流木 油 沿岸海域 数値シミュレーション
2021.08~2025.03.
伊万里湾において発生する有害赤潮藻類Karenia mikimotoiの動態予測システムの開発
キーワード:Karenia mikimotoi, 有害赤潮, 伊万里湾, 数値シミュレーション, 現地観測
2018.06~2025.03.
ICT を利用した次世代スマート沿岸漁業技術開発~沿岸海洋環境の高解像度予報モデルの開発~
キーワード:ICT スマート沿岸漁業 FVCOM
2017.03~2022.03.
有明海における貧酸素水塊の形成機構
キーワード:有明海 貧酸素水塊
2010.04~2020.03.
高人為的影響下において発生する赤潮の動態解明とその発生予測に関する研究
キーワード:赤潮 海苔養殖 有明海
2013.04~2023.03.
従事しているプロジェクト研究
有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析
2023.04~2024.03, 代表者:山口創一, 九州大学総合理工学研究院, 九州大学
有明海佐賀県海域の鹿島市地先に超音波式流向流速計を設置し、2023年10月から2024年4月までの流向流速の連続データを取得することを目標とする。また、有明海西部海域で2022年度までに取得した流向流速の連続データや海況観測データを解析し、海況変動と赤潮の発生の関係性について解析する。
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漁場環境シミュレーションによる佐賀県有明海における二枚貝増殖適地の検討
2023.04~2024.03, 代表者:山口創一, 九州大学総合理工学研究院, 九州大学
近年、佐賀県有明海では、地球温暖化による海水温の上昇、集中豪雨の頻発、貧酸素水塊の長期発生等が確認されており、二枚貝の生息環境は厳しい状況となっている。
このような中で二枚貝資源を回復させるためには、近年の環境変化に対応した二枚貝の増殖適地の選定など、新たな取組が必要と考えられる。
そこで、本研究では、漁場環境シミュレーションを用いて、海水の低比重化や貧酸素水塊の発生を考慮した二枚貝の増殖適地の検討を行う。.
令和5年度福岡有明海海況予測モデル開発
2023.04~2024.03, 代表者:山口創一, 九州大学総合理工学研究院, 福岡県水産海洋技術センター
高精度数値シミュレーションを用いて、有明海福岡県海域の高精度海況予測システムを構築する。.
定置網の急潮被害防止を目指した高精度海況予測モデルの開発
2023.04~2027.03, 代表者:木下 直樹, 京都府農林水産技術センター, 京都府農林水産技術センター
定置網において収益性の高い漁業経営を行うためには、急潮発生の予測精度を向上させ、被害を未然に防ぐことが必要不可欠である。本研究では、高精度な新しい海況予測モデルを開発し、急潮現象の発生予測精度の向上を目指す。.
ジオラマ・パノラマ環境下における有害赤潮藻の集積アルゴリズムの解明
2023.04~2025.03, 代表者:紫加田 知幸, 水産技術研究所(長崎), 国立研究開発法人水産研究・教育機構(日本)
海面養殖業に甚大な被害を及ぼす赤潮は微細藻の大増殖と集積が相まって起こる。養殖生簀の避難などの事前対策で被害を軽減できるため、精
緻な発生予測技術が求められている。これまでに大増殖の主たる要因は多くの研究により明らかにされたが、集積過程については不明な点が多
い。赤潮藻は鞭毛運動により昼間上昇して海面に集積し、夜間は下降する運動(日周鉛直移動)を示すことが知られている。しかし、実環境中
における日周鉛直移動は一定ではなく、その成否・パターンと物理環境や赤潮藻の生理状態との関係は未解明である。本研究では、ラフィド藻
Chattonella marina complexと渦鞭毛藻Karenia mikimotoiを主たる研究対象として、実環境における有害赤潮藻の日周鉛直移動パターンに基
づく集積について生物的要因と物理的要因で定式化することを目的とする。.
豊かな漁場環境推進事業「赤潮等による漁業被害への対策技術の開発・実証・高度化」
2022.04~2024.03, 代表者:豊福 太樹, 佐賀県玄海水産振興センター, 国立研究開発法人水産研究・教育機構
伊万里湾を主な対象海域として、夏季に発生する有害藻類赤潮による漁業被害軽減に向けて、現地調査および数値シミュレーションを用いた発生機構および動態把握に関する研究を行う。.
令和3年度衛星画像を活用した被災状況の収集・予測に関する技術検討業務
2021.11~2022.03, 代表者:畠山敦志, 株式会社パスコ 環境文化コンサルタント事業部, 国土交通省 九州地方整備局 港湾空港部
豪雨に伴って発生する流木の海域における挙動を予報する数値システムを開発する.
有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析
2022.05~2023.03, 代表者:岩永卓也, 佐賀県有明水産振興センター, 日本(佐賀県)
連続観測機器等により有明海西南部地区の流況を解析し、同地区で頻発する赤潮による色落ち被害を軽減させる技術開発の一助とする。.
有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析
2021.07~2022.03, 代表者:三根崇幸, 佐賀県有明水産振興センター, 日本(佐賀県)
連続観測機器等により有明海西南部地区の流況を解析し、同地区で頻発する赤潮による色落ち被害を軽減させる技術開発の一助とする。.
有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析
2020.07~2021.03, 代表者:三根崇幸, 佐賀県有明水産振興センター, 佐賀県
連続観測機器等により有明海西南部地区の流況を解析し、同地区で頻発する赤潮による色落ち被害を軽減させる技術開発の一助とする。.
有明海奥部における物質循環変動機構の解明と環境再生策に関する研究
2018.04~2021.03, 代表者:速水祐一, 佐賀大学農学部, 佐賀大学
東京湾・大阪湾・三河湾などでは、陸域から流入する有機物・栄養塩負荷量の増加、あるいは干潟・浅場の喪失によって、富栄
養化問題が発生した。しかし、有明海奥部では、陸域からの負荷量は増えておらず、広大な干潟が存在するにもかかわらず、赤
潮の増加、貧酸素水塊の発生といった富栄養化に典型的な問題が発生している。現在まで、その原因は不明である。本研究では
、有明海奥部に特有のユニークな表層-底層カップリングと、生態系のレジームシフトの発生によってこのような問題が生じた
という仮説を検証する。さらに、人が手を加えることで、現在のレジームを別のレジームに転換させ、生態系の自律的回復に導
けないか、検討する。こうした目的に対して、本研究では、有明海沿岸4県の大学の研究者が共同で、現地調査、実験、データ
解析を行い、それらの結果を組み込んだ数値モデルによって、上記仮説の検証、生態系の回復条件の検討を実施する。.
ICT を利用した次世代スマート沿岸漁業技術開発
2017.04~2022.03, 代表者:広瀬直樹, 九州大学応用力学研究所, 水産庁
本研究では、閉塞的な状況に陥っている小型漁船漁業の好転を目指し、自然科学と情報技術を活用して
沿岸漁業のスマート化に取り組む。具体的には、漁師が操業時に水質を観測し、それを数値モデルに同化することで高精度の海況予測を実現する。その予測結果と経験を基に漁師は効率よく好漁場を推定できる。その結果、燃油代など操業費用を節約でき、漁船漁業経営を好転させることが出来ると期待されている。.
令和2年度漁場環境改善推進事業のうち「栄養塩、赤潮・貧酸素水塊に対する被害軽減技術等の開発」有害赤潮プランクトンの出現動態監視及び予察技術開発
2020.04~2021.03, 代表者:山口創一, 九州大学総合理工学研究院, 水産庁
国立研究開発法人水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所
有害プランクトン高密度水塊(有害赤潮)の分布状況をモニタリングし、高解像度海況予測モデルを利用した伊万里湾の潮流変動を予測することで、有害赤潮の魚類養殖漁場への接近の可能性を予知し、養殖魚を守るための被害軽減措置を素早く、適切に講ずる有害赤潮モニタリング体制を構築する。.
環境省請負業務 有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明調査)
2015.04~2020.03, 代表者:岡村和麿, 国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所, 国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所
有明海における代表的な二枚貝であるアサリ・タイラギ・サルボウの資源量の回復のため、稚貝の発生量に影響を及ぼす幼生期の出現特性に注目し、幼生の生活史を見据えた現場調査を実施する。粒子追跡法を用いて浮遊幼生のネットワークを解明するとともに、母貝生息域を推定して母貝生息域保全のための調査指針を提案する。.
有明海再生方策検討事業
2016.04~2017.03, 代表者:吉野健二, 佐賀大学低平地沿岸海域研究センター, 佐賀大学低平地沿岸海域研究センター(日本)
有明海湾奥部では、毎年夏季に貧酸素水塊が発生し二枚貝類が大量死するなど不振が続いている。また、冬季に有明海湾奥部で発生する赤潮については、漁業者から、諌早湾干拓調整池の排水がノリの色落ちに繋がる赤潮の発生に関与しているのではないかという声が上がっている。 こうした中、農林水産省は、福岡高裁控訴審判決に従い、平成25年12月を開始期限に、5年間の開門調査を実施する予定となっている。 そこで、本事業では、農林水産省の開門調査に併せて、諫早湾干拓潮受堤防排水門の開門に伴う底生生物や水質等の変化を把握し、開門による効果の検証を行うとともに、得られた科学的知見等に基づき、有明海湾奥部の再生方策を検討し、効果的な再生策の実施に資する。.
潮流発電技術実用化推進事業委託業務(国内の海洋エネルギー利用拡大に向けた1MW級潮流発電システムの開発・実証事業)、環境省
2014.08~2016.03, 代表者:本多将人, 東亜建設工業(株), 東亜建設工業(株)
長崎県五島市沖のおいて国内最大級の1MW級潮流発電システムの実証研究を5ヶ年計画で実施し、国内の海象等に対応し、環境負荷を低減した事業性の高い潮流発電の技術を実用化するための現地調査・装置開発および数値モデルを用いた研究を行う。.
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構プロジェクト 海洋エネルギー発電技術共通基盤研究(性能評価手法及びポテンシャルの調査)
2014.10~2018.03, 代表者:山口創一, 九州大学総合理工学研究院, みずほ情報総研株式会社
九州大学
鹿児島大学
国際標準化が進んでいる海洋エネルギーを利用した発電装置について、実海域における波浪推算や流速計測等データの収集方法、装置性能評価のための水槽試験方法や実海域における発電性能評価手法等に関する調査を行う。また、調査結果に基づき国内の海洋エネルギーのポテンシャルについて詳細に調査、検討する。.
ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト
2013.04~2022.03, 代表者:木村圭, 佐賀大学農学部, 佐賀大学(日本)
有明海沿岸4県の大学が連携し、諌早中長期開門・潮汐長期変化・外海水等の影響を調査・解析し、有明海の環境変動の解明・再生策の検討を行う。諌早開門実施の場合は、第三者的立場から影響を評価し、分かり易く市民・行政に伝える。また,有明海再生に向けた地域の活動を支援する。.
環境省請負業務 有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明調査)
2016.04~2017.03, 代表者:岡村和磨, 国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所, 国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所
有明海における代表的な二枚貝であるアサリ・タイラギ・サルボウの資源量の回復のため、稚貝の発生量に影響を及ぼす幼生期の出現特性に注目し、幼生の生活史を見据えた現場調査を実施する。粒子追跡法を用いて浮遊幼生のネットワークを解明するとともに、母貝生息域を推定して母貝生息域保全のための調査指針を提案する。.
次世代海洋エネルギー発電技術研究開発(油圧式潮流発電)
2012.11~2015.03, 代表者:林 昌奎, 東京大学, 九州大学(日本)

潮流発電に適した油圧式発電装置を開発する。.
環境省請負業務 有明海生態系回復方策検討調査(二枚貝類の環境浄化機能解明調査)
2010.04~2013.03, 代表者:木元克則, (独)水産総合研究センター西海区水産研究所, (独)水産総合研究センター西海区水産研究所
有明海奥部におけるカキ礁を含む干潟生態系の生物群集構造の把握とともに、カキ礁の物質循環機能や水質浄化機能を解明する。また、その結果をもとに数値シミュレーションを用いて貧酸素水塊の発生抑制等水質浄化に及ぼす影響を評価することにより、カキ礁をどの場所で保存・修復することが貧酸素水塊の発生抑制をはじめとする有明海の環境修復のために有効なのかを明らかにする。そして、これらのことより、有明海奥部の生態系の保全・回復を図り、有明海の再生に繋げることを目的とする.
有明海における環境変化の解明と予測プロジェクト
2010.04~2013.03, 代表者:濱田孝治, 佐賀大学低平地沿岸域研究センター, 佐賀大学低平地沿岸域研究センター
有明海における水質モニタリング,開門調査の手法検討,開門前の調査データ蓄積,数値シミュレーションを通して,有明海の環境異変の要因を突き止めるとともに,有明海学の出版を目指す。
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研究業績
主要著書
主要原著論文
1. Naoya Minamiura, Soichi Yamaguchi, Takayuki Mine, Takuya Iwanaga, Winter bloom initiation with water column stabilization and improvement of light environment in a turbid shallow coastal water, Journal of Oceanography, https://doi.org/10.1007/s10872-023-00698-1, 2023.08, We conducted continuous mooring observation from autumn to winter of fiscal year 2020 to elucidate the mechanism of red tide development in the inner Ariake Sea, a very turbid shallow coastal water in Japan. The red tide dominated by Skeletonema spp. (mainly Skeletonema dohnii) developed at first neap tide after the annual minimum water temperature. Red tides at similar times of the year have been frequently observed here. Formation of two physical environments favorable for phytoplankton proliferation played a trigger role. One was stabilization of water column due to net heat flux transition through the sea surface from cooling to heating in mid-winter. Another was deepening of euphotic layer up to or exceeding water depth at the neap tide. Since the inner Ariake Sea has the small heat capacity due to its shallowness, the air and water temperature fluctuated almost in tandem, and reached their respective lowest values with a short time lag. The sea-surface heat flux, a main factor governing water temperature fluctuations, was dominated by latent heat and showed the highest correlation with the difference between atmospheric and sea-surface specific humidity. After mid-January, the atmosphere stabilized as the air temperature exceeded the water temperature, and the sea-surface cooling due to the latent heat weakened. With the heat flux change from negative to positive, the water column was stabilized. Then, winter bloom occurred during the neap tide when the compensation depth became deep with the decrease in suspended sediment concentration..
2. @山口創一,速水祐一, 有限体積法沿岸海洋モデルFVCOMに基づく数値生態系モデルの高精度化, 土木学会論文集, 2018.09, 本論文は,鉛直にσ座標,水平に三角形の非構造格子を採用した有限体積法沿岸海洋モデルFVCOMと数値生態系モデルを結合し,有明海において特に問題となっている貧酸素水塊の効果的な抑制手法について検討した著者らの一連の研究成果を解説したものである.著者らが開発した数値生態系モデルは,溶存酸素濃度を高精度に再現することに成功しており,貧酸素化の抑制対策としてカキ礁を利用した場合,大きな抑制効果を得られることが示されている.また生態系モデルのベースとなる物理環境の再現精度向上に向けて提案された,σ座標に由来する誤差の改善手法,特に極浅海域に適した手法についても説明する.σ座標のまま評価する従来の方法では,非構造格子を用いた高解像度沿岸海洋モデルにおいても圧力勾配項に由来する奇異な流れが駆動されるが,極浅海域用に改良を施したz座標変換後に評価する著者らの手法を適用した場合,誤差は大きく修正されることが確認されている. .
3. Soichi Yamaguchi, Yuichi Hayami, Impact of Isahaya dike construction on DO concentration in the Ariake Sea, Journal of Oceanography, https://doi.org/10.1007/s10872-017-0454-9, 74, 6, 565-586, 2017.11, In the Ariake Sea, dike construction in Isahaya Bay in 1997 for reclamation and disaster prevention was thought to cause big anthropogenic impacts on the marine ecosystem. Currently, hypoxia or anoxia occurs every summer in Isahaya Bay and the inner Ariake Sea. However, the effects of the dike construction on the DO concentration are unclarified. The present study evaluated the impact of the dike construction on the DO concentration by applying a numerical ecosystem model. The present calculation showed that the dike construction could affect the DO concentration in summer in wider area than reported before in the steady state with neap-spring tidal cycle. In Isahaya Bay, the DO concentration decreased by greater than 2.0 mg l-1 caused by the dike construction. It was generated by the decrease in DO supply due to the vertical diffusion process with the reduction of tidal current and the intensification of the density stratification. The dike construction also affected the DO concentration in the inner Ariake Sea by decreasing the DO concentration of the water transported by the estuarine circulation and the reduction of the diffusive supply of oxygen vertically with enhanced stratification by the dike construction. This study showed for the first time that the dike construction could affect the DO concentration in wide area of the Ariake Sea with the numerical simulation..
4. 山口 創一, 速水 祐一, 濱田 孝治, 有明海における冷水ドームのDO 濃度変動要因, 土木学会論文集B2(海岸工学), 73, 2, 1189-1194, 2017.10, 有明海奥部および諫早湾では貧酸素水塊が毎年夏に発生している.発生には有明海中央部に形成される周囲より低水温のドーム状水塊(冷水ドーム)の奥部および諫早湾底層への貫入が関係し,貫入した水塊が貧酸素化する.したがって冷水ドームのDO濃度は貧酸素化する水塊の初期濃度であり,貧酸素化の期間や程度に影響する.本研究では現地観測と数値生態系シミュレーションを用いて冷水ドームのDO濃度変動およびその要因を調べた.冷水ドームのDO濃度は小潮ないし長潮から大潮時に低下し,有明海奥部や諫早湾の底層DO濃度とは異なる変動を示した.生態系モデルによる収支解析の結果,水平移流による酸素供給量減少がその要因であり,エスチュアリ-循環の大潮小潮変動に伴う供給量変動と諫早湾の低DO水塊の移流が寄与したと考えられた..
5. 山口 創一, 杉原 裕司, 圧力勾配項の評価法の違いが沿岸域モデルの再現精度に与える影響, 土木学会論文集B2(海岸工学), 73, 2, 1177-1182, 2017.10, σ座標を採用した数値モデルにおいては圧力勾配項に起因する誤差が生じる.これまで多くの誤差低減方法が開発・適用されてきたが,沿岸域対象のモデルに対しては少なく、近年使用されるようになった水平方向に非構造格子を採用したモデルに対してはほとんど行われていない.本研究では鉛直にσ座標,水平に非構造格子を採用したモデルにおける圧力勾配項の評価法の違いが再現精度に与える影響について検討した.圧力勾配項の評価方法としてσ座標のまま評価する従来の方法とz座標変換後に評価する方法を適用した.前者では圧力勾配項由来の誤った流れが駆動されたが,後者では現れず,観測値の再現精度も後者を用いることで大きく改善した.沿岸域を対象とした数値モデルにおいても適切な圧力勾配項の評価方法を適用することが重要である..
6. 山口 創一, 速水祐一, 木元克則, カキ礁による有明海貧酸素水塊の抑制効果.沿岸海洋研究,53(1),25-38., 沿岸海洋研究, 53, 1, 25-38, 2015.08, 有明海では夏季に貧酸素水塊が形成され,二枚貝をはじめとした海洋生物に重大な被害を与えている.その軽減・解消は今後の環境再生にとって必須の課題となっている.本研究ではその手段として干潟上に形成されるカキ礁に注目した.カキ礁を組み込んだ生態系モデルを開発し,その貧酸素化抑制効果について検討した.その結果、カキ礁はその濾水能力によって植物プランクトンおよび懸濁態有機物濃度を下げ,カキ礁周辺のみではなくより広い範囲で底層溶存酸素濃度が上昇することが分かった。.
7. 山口 創一, 経塚 雄策, TIDAL CURRENT ENERGY MAP AROUND KYUSHU-OKINAWA REGION, JAPAN, Grand renewable energy 2014
2nd Asian Wave and Tidal Energy conference
, 181-186, CDに監修, 2014.07, Numerical simulation is conducted for obtaining tidal current energy map around Kyushu- Okinawa region, Japan, using finite volume coastal ocean model:FVCOM. Calculation domain covers whole area of Kyushu-Okinawa region and consists of unstructured triangular meshes which can have high resolution near coasts with complicated geometry and low resolution in offshore sea area, so that the present model continuously can calculate the detail distribution of tidal current from offshore area to near coasts with computational efficiency. Simulation results are validated with tide-gauge data observed at coasts over the Kyushu-Okinawa region. The present model shows good agreement with the observed. High tidal current was detected in narrow channels such as those in Goto islands, Kanmon strait and Ariake Sea, exceeding 3.0 m sec-1. Based on the calculated current field, tidal energy map is also obtained. This map can be used for estimating electric power gain and selecting the location best suited to tidal energy plant..
8. 山口 創一, 経塚 雄策, 九州・沖縄海域の潮流エネルギーマップの作成, 第24回海洋工学シンポジウム, CD-ROMに監修, 2014.03, FVCOM(Chen et al., 2006)を用いて九州・沖縄海域の潮流エネルギーマップ作成のため数値計算を実行した。非構造格子の特性を活かすことにより、沖合から沿岸域までを連続して解くことが可能となり、広範囲における潮流マップおよび潮流エネルギーマップを得ることができた。求められたマップを元に、特定の発電装置の設置を想定した場合の発電量を推定することが可能となった。.
9. 山口創一,速水祐一,前谷寛,経塚雄策, 2008年夏に発生した有明海における青潮を伴う湧昇の再現とそのメカニズム, 土木学会論文集B2(海岸工学), 67, 2, 836-840, 2011.11.
10. 山口創一,濱田孝治,速水祐一,瀬口昌洋,大串浩一郎, 有明海奥部筑後川河口沖における流れの季節および経年変動, 海岸工学論文集, 56, 436-439, 2009.10.
11. 山口創一,経塚雄策, 諌早湾における貧酸素水塊形成機構, 海の研究, 15, 37-51, 2006.01.
12. 山口創一,速水祐一, 有明海湾奥における出水後の低塩分水塊の挙動およびその水質への影響, 沿岸海洋研究, 46, 161-173, 2009.02.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 山口創一, 有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析, 佐賀県農林水産部水産課, 2023.03, 九州北西部に位置する有明海では秋冬季に大規模な海苔養殖が行われているが、赤潮による栄養塩不足により海苔の品質が低下する被害が報告されている。特に、西南部海域では大規模な赤潮がほぼ毎年発生しており、植物プランクトンが高頻度に高濃度化している(図1のハッチをつけた海域、松原ら、2011;堤ら、2012)。2021年度においては,海苔養殖期の初期(秋季)から赤潮が発生し,海苔の大不作をもたらした.そのため,赤潮の実態を解明し被害軽減のために有効な対策を講じることが早急に求められている.赤潮の形成メカニズムには物理的,生物的,化学的要因が関わっており,これまで有明海を対象とした赤潮に関する多くの研究がなされてきた.その結果,冬季の最低水温期に発生する赤潮については海面冷却から加熱に切り替わることによる水柱の安定化および小潮時の水中光環境の改善という2つの好適な海況条件が揃うことによって発生することが分かってきた (Minamiura et al., under review). しかしながら,2021年度秋季に発生した大規模な赤潮化の要因については未解明な部分が多い.本研究では有明海奥部中央および西部において長期係留連続観測を2021年度海苔養殖期に実施した.赤潮発生時の海況変動を把握すると共に,2020年度と比較することにより,海苔の大不作を招いた2021年度秋季の赤潮の発生要因について検討した.
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2. 山口創一, 佐賀県有明海ノリ養殖漁場環境シミュレーション委託成果報告書
, 佐賀県農林水産部水産課, 2023.03, 有明海奥部の佐賀県海域においては秋季から冬季にかけて大規模な海苔養殖が実施され,その生産量は日本一を誇る。一方で毎年のように発生する植物プランクトンの増殖によってノリの成長に必要な栄養塩が枯渇し、海苔の品質が低下する被害が発生している。松原ら(2010)1)は佐賀県海域において植物プランクトンの種組成に関係なく細胞数が慢性的に高いことを報告しており,この傾向は30年以上前から大きく変わっていないと報告している。本検討では,海苔の色落ち被害の軽減を目的とした作澪(対策①)による海水交換の改善効果,施肥(対策②)の効果的な実施方法および二枚貝(カキ礁)の増養殖(対策③) による海苔養殖時期の海況改善効果について数値シミュレーションによって評価した..
3. 山口創一, 赤潮形成の機構解明と予報に向けた取り組みに関する報告書, 佐賀県農林水産部水産課, 2021.03, 有明海奥部では秋冬季に大規模な海苔養殖が行われ,その生産量は日本一を誇る.しかし近年,赤潮の発生に伴う栄養塩の枯渇による海苔の色落ちが引き起こされるなど、その生産の不安定化が問題となっている。特に奥部の中でも西南部地区では,その被害が顕著であり、形成機構の解明は喫緊の課題となっている.こうした赤潮の特徴について,松原ら(2011)は海苔養殖期に佐賀県有明水産振興センターが行っている定期モニタリングデータ(観測地点は図1左図に示す)を解析し、養殖期においては優占種を問わず主に奥西部海域で赤潮が形成される(図1の灰色のハッチ領域)と報告しており,南浦・山口(2019)は数値シミュレーションを用いた検討により,奥西部海域の高濃度化は海水交換の弱さにあると指摘している.本研究では,西南部地区において長期係留による連続観測を実施し,赤潮発生時の海況を詳細に把握すること及び形成機構を解明することを目的として検討を行った..
4. 山口創一, 海苔養殖期に発生する赤潮の形成機構解明と予報に向けた取り組み, 佐賀県農林水産部水産課, 2022.03, 九州北西部に位置する有明海では秋冬季に大規模な海苔養殖が行われているが、赤潮による栄養塩不足により海苔の品質が低下する被害が報告されている。特に、奥西部海域では大規模な赤潮が発生しており、植物プランクトンが高頻度に高濃度化している(図1のハッチをつけた海域、松原ら、2011;堤ら、2012)。1月後半から2月の年間最低水温に到達した後の小潮時に赤潮化する傾向が報告されており(松原ら、2016)、海苔の色落ち被害を発生させる。現在までのところ、こうした赤潮発生時の海況変動や発生機構については十分に明らかになっていない。 そこで本研究では、係留機器による連続観測データに基づいて、冬季有明海奥部における赤潮発生時の海況変動を詳細に把握するとともに、その発生要因について検討を行った。.
5. 山口創一, 令和2年度 ICT を利用した漁業技術開発事業のうちスマート沿岸漁業推進事業報告書, 令和2年度 ICT を利用した漁業技術開発事業のうちスマート沿岸漁業推進事業報告書, 2021.03, 複雑な海岸・海底地形を有する沿岸海域の海況変動を再現・予測するため、FVCOM(Chen et al., 2003)をベースとして,開境界条件にDREAMS_Dash(DR_D)を使用した高分解能非構造格子モデルUCHI(Unstructured-grid Coastal model with High-resolution Information)を開発した。本年度はUCHIモデルに降雨流出氾濫解析モデル(RRIモデル, Sayama et al., 2012)を導入し, 複雑地形を有する内湾の物理環境の高精度の再現にむけて検討を行った.その結果、RRI導入により河川流入量が正確に評価されるようになり、沿岸の物理環境の再現性の向上が確認された。.
6. 山口創一, 諫早湾潮受け堤防からの淡水挙動に関する数値シミュレーション手法の開発と適用, ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト(COMPAS)2020年度成果報告書, 2021.03, 諫早湾に1997年に建設された潮受け堤防から排水される水塊の挙動について、非構造格子を採用した高解像度数値シミュレーションを用いて評価した。開発したシミュレーション手法は安定して排水門の制限開門に伴う流動場およびスカラー場を計算することに成功し、これにより調整池から湾内へ排出された水塊がどのように輸送されるかが明らかになった.北部排水門から排水された水塊はその時の環境条件により挙動が複雑に変化するが,最終的には湾の北岸と南岸に沿って湾の外へと流出するような挙動を示した.一方で南排水門からの水塊は湾の南岸に沿って半日程度の時間スケールで流出するような挙動を示していた..
7. 山口創一 #南浦修也, ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト(COMPAS)2019年度成果報告書, 佐賀大学, 2020.03, 有明海において秋冬季に発生する赤潮の動態解明のため、本研究では数値生態系モデルを用いた数値シミュレーション手法を用いて現象の再現およびその発生予測を試みた。開発した数値生態系モデルは赤潮の主体である植物プランクトンの空間分布を精度よく再現することに成功した。.
8. 山口 創一, 速水祐一, 有明海中央部における海況変動の把握 -冷水ドーム内のDO濃度変動要因について-, 佐賀大学低平地沿岸海域研究センター, 2015.03, 有明海奥部や諫早湾底層では貧酸素水塊が毎夏に発生して問題となっている。両海域の貧酸素水塊の発生には有明海中央部底層に形成される、周囲より水温の低い水塊(冷水ドーム)が大潮から小潮にかけて底層へ貫入することと強く関係し、貫入した水塊が貧酸素化する(1)。したがって冷水ドームにおけるDO濃度は、有明海奥部や諫早湾底層水塊の初期DO濃度であり、貫入後の貧酸素化の期間や深刻さを左右する重要な要素となる。冷水ドームのDO濃度について速水ら(2)は月1回の頻度で得られた現地観測データを基にその変動が大きいことを報告している。有明海のDO濃度は一般により短い時間スケールで変化することが知られており(例えば大潮・小潮スケール)、月1回の頻度では十分ではなく、その変動要因については不明である。本研究では現地観測および数値モデルを用いて冷水ドームのDO濃度変動要因を解明した。.
9. 山口 創一, 速水祐一, 有明海中央部における海況変動の把握-冷水ドーム内のDO濃度変動要因について-, 平成25年度ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト報告書, 2014.03, 夏季有明海の貧酸素水塊形成と強い関連性がある冷水ドームのDO濃度変動要因について、現場観測と数値モデルを用いた解析を行った。2013年夏季に行った現場観測では、有明町沖海域のDO濃度が大潮時に1 mg l-1程度低下するという既往の報告にはない結果を得た。その直前の小潮時に低下した諫早湾の低DO水塊がその要因ではないかと考え、数値モデルにより検証を行った。その結果、有明町沖でのDO濃度低下は、諫早湾底層の低DO水塊が影響していたことが明らかとなった。DO濃度が1 mg l-1程度低下することを考えると、その影響は大きいことがうかがえる。また数値モデル実験の結果より、諫早湾底層の水塊が有明海奥部へと運ばれていることも分かった。したがって、諫早湾底層水塊の水質変化は湾内に留まるものではなく、広範囲に及ぶ可能性があることが明らかとなった。.
主要学会発表等
1. 山口 創一、畠山 敦志、戸田 健太 、竹上 昇希, 感潮河道から沿岸海域における流木群の挙動シミュレーション, 令和5年度土木学会全国大会第78回年次学術講演会, 2023.09, 近年豪雨に伴う災害が多発している.災害発生時には,河川氾濫や土砂災害によって生まれた災害ゴミが河川を経由して海に流入するが,特に問題となるのが流木である.海域で漂流し,海岸や港湾内へ漂着することにより,漁業操業の停止や船舶の破損など大きな被害を生じるため、速やかに撤去する必要がある。本研究では回収
作業の効率化のため,海域における挙動を推定する数値モデルを開発し,有明海で発生した豪雨に伴う流木の挙動推定を行った。本モデルにより推定された流木の挙動は現地での回収場所とよく一致した。本モデルを用いて、豪雨発生後の沿岸海域における流木挙動をリアルタイムに推定することが可能となることが期待される。.
2. Soichi Yamaguchi1, Shota Koide1, Takayuki Mine, Takuya Iwanaga, Observation of red tide in an estuary by a fixed-wind type unmanned aircraft, Japan Geoscience Union Meeting 2021, 2021.06, [URL], method, enables spatial monitoring, but in the orbit of the satellite, weather condition (clouds), and sea turbidity and seaweed aquaculture in the inner part of the Ariake Sea, which is the target sea area of this research, makes it difficult to obtain data with sufficient spatiotemporal resolution. Observations using unmanned aerial vehicles (UAVs) have been in the limelight in recent years
because an aircraft observation has a high degree of freedom in observation such as immediacy and directness, and can perform observations with high spatiotemporal resolution that cannot be performed by satellite or ground observation. In this study, we aimed to establish a spatiotemporal high-resolution sea surface Chl-a concentration remote sensing method using a fixed-wing unmanned aircraft equipped with a spectroradiometer, and attempted to detect red tide in coastal waters. A handheld Spectra PAR Meter (PG200N by UPRtek corp.) was mounted on the UAV to estimate the Chl-a concentration in the sea surface. The PG200N can measure spectral data of light in the visible light region (350 nm to 800 nm) with a wavelength resolution of 1 nm, and can estimate the concentration using the optical characteristics of the Chl-a dye possessed by phytoplankton. It is small and lightweight, suitable for installation on UAV. In the observation, the irradiance incident on the sea surface from the sky and the radiance emitted from
the sea surface were measured. In estimating the Chl-a concentration from the obtained spectral data, the reflectance of each wavelength (= upward radiance from the sea surface / downward irradiance from the sky) was calculated, and applied to a three-waveband model (Dall'Olmo, G. and Gitelson, A.A, 2003). Field observations were conducted on December 7 and 18, 2000 and January 5, 2021, and for fixed-wing type unmanned aircraft, OPTiM Hawk V2 (manufactured by OPTiM Corporation) has two PG200N sensors inside the aircraft body, so that it faced directly above and below and measured the spectral data of light from the sky and the sea. The flight speed of OPTiM Hawk V2 was set to 70km / hour, and the spectral data was acquired every 5 seconds, resulting in the spatial resolution of the data to about 100 m. A high correlation was obtained as a whole between the Chl-a concentration estimated by the 3-waveband model and the measured value by the field observation. However, the estimation error tended to increase in the sea area where the Chl-a concentration was high. Generally, when the concentration of phytoplankton is increased, the "packaging effect" that change in the light absorption coefficient per unit Chl-a concentration due to the overlapping of pigments occurs, and the Chl-a concentration estimated by sea color remote sensing is underestimated or overestimated. Therefore, analysis of covariance was
performed to estimate the threshold of Chl-a concentration at which the packaging effect appears. Based on this threshold value, we succeeded in developing an algorithm that can estimate Chl-a concentration with high accuracy even in the high Chl-a concentration sea area. In the three observations, a high-concentration local region, which is considered to be the initial occurrence of red tide, was
detected. Therefore, this observation using UAV has sufficient performance to grasp the spatiotemporal high resolution of red tide in the coastal area..
3. Soichi Yamaguchi, Naoya. Minamiura, Mechanism of red tide outbreaks in winter in the western area of the inner Ariake Sea, ECSA 57: Changing estuaries, coasts and shelf systems - Diverse threats and opportunities, 2018.09, [URL], Aquaculture of fishery resources has been conducted in coastal waters all over the world. In Ariake sea, a region of freshwater influence (ROFI) in Japan, aquaculture of Porphyra yezoensis, namely ”Nori” has been conducted in great magnitude during autumn and winter.
Red tide outbreaks by several phytoplankton species frequently occur during the aquaculture season, which causes color bleaching of the nori due to depletion of nutrients in water column and prevents stable production. One of the characteristics of red tide occurrences is for the red tides to be concentrated in western area of the inner Ariake Sea independently of the phytoplankton species. The mechanism for this is poorly understood. The objective of the present study is to clarify factors for the concentration of red tide outbreaks in the western area of the inner Ariake Sea using numerical simulation and the observed data.
The results of numerical simulation revealed that the sea water residence time was relatively long in the western area of the inner Ariake Sea compared to those in other areas. There was a high correlative relationship between red tide index (cell number × duration time) and the water residence time. On the other hand, growth rate of a representative diatom : Eucampia zodiacus calculated by the observed nutrient concentration and transparency hardly has a correlation with the red tide index. Finally, the impact of nori aquaculture on the water residence time and transparency was evaluated by the numerical simulation with/without the hydrodynamic resistance of the aquaculture facilities. The results of numerical simulations inferred that the aquaculture increased the water residence time in the western area of the inner Ariake Sea and therefore made the hydrographic environment more suitable for the red tide outbreaks. Sustainable practices of the aquaculture is necessary for the future stable production.
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4. Soichi Yamaguchi, Takahiro Kawaguchi1, SEASONAL CHANGE IN TIDAL CURRENT ENERGY DUE TO TIDE-INDUCED EDDY IN GOTO ISLANDS, JAPAN, Grand renewable energy 2018, 2018.06, [URL], Field observation and numerical simulation were conducted to clarify seasonal change of tidal current energy in Goto islands, Nagasaki pre., Japan. Observation results in Tanoura Str. revealed that the tidal energy seasonally changed by 18 %, largest in winter. Harmonic analysis showed that this change was mainly due to the change in M2 tidal current without change in amplitude of M2 tidal elevation. The results of numerical simulation show that the seasonal change of tidal current energy was due to addition of tidally-induced residual current associated with eddy development in southeast of Tatara island to the tidal current. Eddy developed at ebb tides only in winter (unstratified season) and not in summer (stratified season). The present study showed that seasonal change should be considered to estimate the amount of tidal current energy resource with high accuracy..
5. 山口創一,南浦修也, 有明海における冬季赤潮発生メカニズムに関する一考察, 日本地球惑星連合2018年大会, 2018.05, [URL], 九州で最も大きな内湾である有明海奥部河口域では秋から初春にかけて海苔の養殖が活発に行われている.そ
の生産量は日本一でであり,主要な水産業として関連産業も含めると数千億もの生産額を誇る.しかし、近
年、赤潮の発生によって栄養塩が枯渇し、海苔の色落ちが発生し,生産の不安定化を招いている.特に有明海奥
西部において発生頻度が高い。赤潮の発生は流れや拡散効果など物理的要因とともに赤潮原因藻の増殖特性や
水中栄養塩濃度など生物化学的環境が関係する.したがって,その形成機構の解明には物理・生物・化学的な評
価が重要である.本研究では海苔養殖施設の影響を組み込んだ数値シミュレーションと現地観測結果を用いて赤
潮発生のメカニズム、特にその発生の局所性について検討を行った.
 数値シミュレーションにより、冬季の養殖実施下における物理環境を高い精度で再現することに成功し
た。再現された物理場を基にトレーサー実験を実施した結果、赤潮の高頻度発生海域(奥西部)は海水の滞留
時間が長い傾向にあった。観測データに基づく赤潮規模指数(細胞数×継続日数)と滞留時間は高い相関関係
にあることが分かった。次に生物化学的要因の検討のために、冬季に赤潮を形成する大型珪藻Eucampia
Zodiacusをモデルとして、観測データ(水温、栄養塩濃度、光環境)を基に増殖速度分布を推定した。その結
果、有明海奥部においては岸に近いほど増殖速度が速く、沖合ほど低くなる分布が得られた。赤潮の高頻度発
生海域である奥西部においても増殖速度は速かったが、赤潮規模指数との相関は検出されなかった。した
がって、赤潮発生の局所性には物理的要因が支配的であることが考えられた。そこで、滞留時間を支配する物
理要因についてトレーサー実験結果に基づいて検討したところ、奥西部海域は残差流(密度流)が弱く、これ
により水塊が滞留しやすいことが明らかとなった。奥西部海域は、浮力の供給(河川水の流入)が少ないた
め、密度流が発達しないことがその要因と考えられた。さらに海苔養殖の海水の滞留時間へ与える影響を評価
するため、数値シミュレーションにおいて、海苔養殖を考慮するケースとしないケースで比較を行った。その
結果、養殖が実施されている海域においては滞留傾向を強める結果となった。したがって、物理的な観点から
考えると、海苔養殖は赤潮発生を助長している可能性が示唆された。.
6. 山口創一,@速水祐一,@濱田孝治, 有明海における冷水ドームのDO濃度変動要因, 海岸工学講演会, 2017.10, 有明海奥部および諫早湾では貧酸素水塊が毎年夏に発生している.発生には有明海中央部に形成される周囲より低水温のドーム状水塊(冷水ドーム)の奥部および諫早湾底層への貫入が関係し,貫入した水塊が貧酸素化する.したがって冷水ドームのDO濃度は貧酸素化する水塊の初期濃度であり,貧酸素化の期間や程度に影響する.本研究では現地観測と数値生態系シミュレーションを用いて冷水ドームのDO濃度変動およびその要因を調べた.冷水ドームのDO濃度は小潮ないし長潮から大潮時に低下し,有明海奥部や諫早湾の底層DO濃度とは異なる変動を示した.生態系モデルによる収支解析の結果,水平移流による酸素供給量減少がその要因であり,エスチュアリ-循環の大潮小潮変動に伴う供給量変動と諫早湾の低DO水塊の移流が寄与したと考えられた..
7. @山口創一,@杉原裕司, 圧力勾配項の評価法の違いが沿岸域モデルの再現精度に与える影響, 海岸工学講演会, 2017.10, σ座標を採用した数値モデルにおいては圧力勾配項に起因する誤差が生じる.これまで多くの誤差低減方法が開発・適用されてきたが,沿岸域対象のモデルに対しては少なく、近年使用されるようになった水平方向に非構造格子を採用したモデルに対してはほとんど行われていない.本研究では鉛直にσ座標,水平に非構造格子を採用したモデルにおける圧力勾配項の評価法の違いが再現精度に与える影響について検討した.圧力勾配項の評価方法としてσ座標のまま評価する従来の方法とz座標変換後に評価する方法を適用した.前者では圧力勾配項由来の誤った流れが駆動されたが,後者では現れず,観測値の再現精度も後者を用いることで大きく改善した.沿岸域を対象とした数値モデルにおいても適切な圧力勾配項の評価方法を適用することが重要である..
8. 山口 創一, 速水祐一, 有明海における貧酸素水塊起源水のDO濃度変動要因, 有明海地域共同観測プロジェクト(COMPAS)成果公開シンポジウム, 2016.03, 有明海奥部や諫早湾では貧酸素水塊が毎夏に発生している。その形成は有明海中央部底層(図1  )に形成されるドーム状の冷水塊(冷水ドーム)の小潮時の底層貫入が強く関係し、この水塊が貧酸素化する。冷水ドームにおけるDO濃度は初期DO濃度として、貫入後の貧酸素化の期間や深刻さを左右する重要な要素となる。本研究では現地観測および数値モデルを用いて冷水ドームのDO濃度変動要因を解明する。.
9. 山口 創一, 速水祐一, 松山幸彦, 岡村和磨, 有明海タイラギ資源再生に向けて-南部海域の母貝団地としての有効性ー, 有明海地域共同観測プロジェクト(COMPAS)成果公開シンポジウム, 2016.03, 有明海奥部のタイラギ漁獲量は近年非常に低いレベルにあり、2012年から2016年漁期は連続で休漁となっている。その原因の一つとしてこの期間の幼生供給量が少なかったことが考えられている。本研究では粒子追跡法により天草地方を含む南部海域からのタイラギ浮遊幼生の輸送過程を検討した。また生態系モデルと組み合わせて幼生が輸送中に経験する溶存酸素濃度の年変動について評価した。.
10. 山口 創一, シミュレーションで分かる潮流エネルギーポテンシャル, 第19回海洋教育フォーラム 海の環境とエネルギー, 2015.12, 近年注目を浴びる海洋再生可能エネルギーについて、数値シミュレーション手法を駆使することによりその賦存量が明らかとなってきた。本発表では主に西日本海域に注目し、エネルギー量について推定するとともに、どの程度の発電が可能かを紹介した。.
11. 山口 創一, 速水祐一, 有明海における貧酸素水塊起源水のDO濃度変動要因, 2015年度海洋生態系モデリングシンポジウム, 2015.09, 有明海奥部や諫早湾では貧酸素水塊が毎夏に発生している。その形成は有明海中央部底層(図1  )に形成されるドーム状の冷水塊(冷水ドーム)の小潮時の底層貫入が強く関係し、この水塊が貧酸素化する。冷水ドームにおけるDO濃度は初期DO濃度として、貫入後の貧酸素化の期間や深刻さを左右する重要な要素となる。本研究では現地観測および数値モデルを用いて冷水ドームのDO濃度変動要因を解明する。
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12. 山口 創一, 平田剛之, 経塚 雄策, デバイス設置および季節変動を考慮した潮流発電ポテンシャルの推定, 海洋エネルギーシンポジウム, 2015.09, 長崎県五島列島の瀬戸(奈留瀬戸および田ノ浦瀬戸,共に実証フィールド)を対象として,デバイス設置による流れへの抵抗を考慮したモデルを開発し,その影響を評価するとともに,設置の有無によって生じる発電量の違いについて検討した.また平均的な成層期(夏季)および非成層期(冬季)の海況を再現し、発電ポテンシャルに与える影響について検討した..
13. 山口 創一, Tidal Current Energy Potential in Nearshore Waters of Western Japan, International conference on ocean energy 2016, 2016.02, Much attention has been paid to tidal renewable energy application in Japan since the earthquake in 2011. This study estimates the tidal current energy potential in nearshore waters of western Japan by unstructured-grid finite volume coastal ocean model..
14. 山口 創一, 速水祐一, 佐藤慶晴, 有明海冷水ドームのDO濃度変動要因, 有明海地域共同観測プロジェクト成果報告シンポジウム, 2015.03, 有明海奥部や諫早湾では貧酸素水塊が毎夏に発生している。その形成は有明海中央部底層(図1  )に形成されるドーム状の冷水塊(冷水ドーム)の小潮時の底層貫入が強く関係し、この水塊が貧酸素化する。冷水ドームにおけるDO濃度は初期DO濃度として、貫入後の貧酸素化の期間や深刻さを左右する重要な要素となる。本研究では現地観測および数値モデルを用いて冷水ドームのDO濃度変動要因を解明する。

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15. 山口 創一, 速水祐一, 佐藤慶晴, 有明海冷水ドームのDO濃度変動, 2015年度日本海洋学会春季大会, 2015.03, 有明海奥部や諫早湾では貧酸素水塊が毎年夏季に発生している。両海域における形成には有明海中央部底層に形成される、ドーム状の冷水塊(冷水ドーム)が大潮から小潮にかけて底層へ貫入することと強く関係し、貫入した水塊が貧酸素化することが分かっている。したがって冷水ドームにおけるDO濃度は、有明海奥部や諫早湾底層水塊の初期DO濃度として、貫入後の貧酸素化の期間や深刻さを左右する重要な要素となる。しかしその変動要因についてはほとんど分かっていない。本研究では現地観測および数値モデルを用いて冷水ドームのDO濃度変動要因について解明した。.
16. 山口 創一, 西田拓郎, ノリ養殖環境下における流れと透明度変動, 日本海洋学会秋季大会 シンポジウム「有明海研究の現状と展望~若手研究者からみた有明海~」, 2014.09, 有明海は水産資源が豊富であり漁業活動も活発である.特に秋・冬季に大規模に行われる海苔養殖は有明海沿岸地域における一大産業となっており、その生産量は日本一を誇る. Fig.1には養殖実施海域を示しており、ここでは秋・冬季にノリ養殖のための支柱や網が広範囲に敷設される。しかしながら2000年度に発生した海苔の大規模な色落ちに代表されるように,近年赤潮の発生による海苔の生産不安定化が顕在化してきており問題となっている。冬季の植物プランクトン動態について、Tanaka et al.(2009)は透明度の上昇時にクロロフィルa濃度が増加したことを報告しており、また、Ito et al.(2013)は透明度の上昇と河川出水が赤潮形成には重要であると報告している。本研究では,現地観測資料および数値モデルを用いて海苔養殖期における循環や透明度および養殖施設の与える影響について明らかにした。.
17. 山口 創一, 速水祐一, 木元克則, 有明海の貧酸素水塊シミュレーション -カキ礁による抑制効果について-, 日本海洋学会秋季大会シンポジウム「沿岸高解像モデルの現在と未来(2)物質循環と生態系の解明に向けて」, 2014.09, 有明海において毎年夏季に発生する貧酸素水塊の発生抑制効果として、干潟に生息するカキ礁に注目し、その効果を数値モデル手法を用いて検討した。その結果、カキ礁があることによって、貧酸素水塊の体積が大きく低減していることが明らかとなり、その環境改善効果が証明された。.
18. Soichi Yamaguchi, Yusaku kyozuka, TIDAL CURRENT ENERGY MAP AROUND KYUSHU-OKINAWA REGION, JAPAN, Grand renewable energy 2014, 2014.07, Numerical simulation is conducted for obtaining tidal current energy map around Kyushu- Okinawa region, Japan, using finite volume coastal ocean model:FVCOM. Calculation domain covers whole area of Kyushu-Okinawa region and consists of unstructured triangular meshes which can have high resolution near coasts with complicated geometry and low resolution in offshore sea area, so that the present model continuously can calculate the detail distribution of tidal current from offshore area to near coasts with computational efficiency. Simulation results are validated with tide-gauge data observed at coasts over the Kyushu-Okinawa region. The present model shows good agreement with the observed. High tidal current was detected in narrow channels such as those in Goto islands, Kanmon strait and Ariake Sea, exceeding 3.0 m sec-1. Based on the calculated current field, tidal energy map is also obtained. This map can be used for estimating electric power gain and selecting the location best suited to tidal energy plant..
19. 山口 創一, 経塚 雄策, 九州・沖縄海域の潮流エネルギーマップの作成, 第24回海洋工学シンポジウム, 2014.03, 2011年3月に起きた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故より以後、電力・エネルギーの問題は最大の関心事の一つとなっている.日本の恵まれた自然エネルギーの一つが海流・潮流エネルギーである.波力,風力及び太陽光に比べ,その発現の規則性が極めて高いことから最も安定したエネルギー源である.また海水は密度が大きいためエネルギー密度が非常に高い.しかしながら国内の潮流発電については開発が進んでいない.その理由の一つに「潮流発電の適地マップ」が整備されていないことが挙げられる.風力発電についてはNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)により「全国風況マップ」が出されており,風力発電の適地選定や発電量の推定に非常に有用なものになっている.そこで本研究では数値シミュレーションを用いて九州・沖縄全域における潮流マップを作成すると共に,潮流発電ポテンシャルマップを作成した..
20. 山口 創一, 有明海における海苔養殖期の循環, 日本海洋学会秋季大会, 2013.09, 有明海は水産資源が豊富であり漁業活動も活発である.特に秋・冬季に大規模に行われる海苔養殖は有明海沿岸地域における一大産業となっている.2000年度に発生した海苔の大規模な色落ちに代表されるように,近年海苔の生産が不安定となり, 社会問題化している一方で,養殖時期の流動場や養殖施設の影響についてはいくつか報告はあるもののほとんど明らかとなっていない.そこで本研究では,現地観測資料および数値モデルを用いて海苔養殖期における循環について明らかにした..
21. 山口 創一, 坂口史明, 有明海熱環境再現のための熱伝達モデルの導入
, 有明海における環境変化の解明と予測プロジェクト成果報告シンポジウム, 2013.03, 著者らはFVCOM(Chen et al., 2006)をベースとした数値モデルにより有明海の海域環境の再現を行ってきた。このモデルは有明海の貧酸素水塊形成と密接に関係する冷水ドームの再現に初めて成功するなどその精度は高いものである。しかしながら、干潟域を含む極浅海域における水温の誤差が顕著であった。そこでこの誤差を低減するモデルを導入し、極浅海域における熱環境を再現すると共にその特性を評価した.
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22. 山口 創一, 西田拓郎, ノリ養殖による海域環境の変化, 有明海における環境変化の解明と予測プロジェクト成果報告シンポジウム, 2013.03, 現在、有明海では秋季・冬季に大規模なノリ養殖が行われている。ノリ養殖が有明海の流れ場に与える影響に関してはいくつか報告が存在するが不明な点も多い。さらに冬季の赤潮の発生にとって重要な透明度や河川水挙動についてはほとんど分かっていない。本研究では,観測資料解析およびノリ養殖施設の影響を組みこんだ数値モデル解析により,秋冬季の内湾環境について調べると共に、ノリ養殖の有無による変化について検討した。

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23. 山口創一, 有明海諫早湾における気象擾乱に伴う栄養塩濃度変動, 2012.09, 近年, 夏季の諫早湾では赤潮が多発しており, 特にChattonella 属(C. antiqueおよびC.marina)による赤潮は水産生物の死滅を招くため,大きな注目を集めている.その特徴として,発生前に台風接近などの気象擾乱に伴った海域の強い撹乱があったことが報告されている. 本研究では2005年夏季に通過した台風に伴う気象擾乱前後において海水サンプルを採取し,栄養塩濃度変動を評価した. 気象擾乱によって水柱は鉛直に強く混合されると共に海底泥が巻き上がり,水中懸濁物質濃度が上昇した.溶存態窒素(DIN)およびリン(DIP)濃度はこれに伴って大きく上昇し,特にDIN濃度は水柱平均で約6.4倍に上昇した.栄養塩収支計算の結果,DINおよびDIP濃度増加は海底起源が半分以上を占め,底泥撹乱による栄養塩供給が重要であることが分かった.現地底泥を静置した状態で得られた溶出速度と比較すると,気象擾乱による底泥撹乱に伴ったDINおよびDIPの供給速度は5倍から10倍以上となった..
24. Soichi Yamaguchi , Modeling of river water dynamics over the tidal falt – tidal creek complex and its dependence on model resolution, 4th International Workshop on Modeling the Ocean, 2012.05, [URL], Huge tidal flats with tidal creeks develop around rivers in Ariake Sea. River water that contains anthropogenic pollutants flows into the inner sea area over complicated geometry of the tidal flats. Numerical simulation for the Ariake Sea, up to date, has applied low-resolution numerical model incapable of representing the geometry in detail. The present study applied a finite volume coastal ocean model (FVCOM) with high resolution capable of representing such complex geometry. The model results have been validated against extensive observations and showed that the complex geometry of the tidal flats with tidal creeks had great effects on the dynamics of river water. Also shown is the dependence of the model accuracy on the model resolution around rivers by comparing with coarse resolution models, and its effects on the calculated dynamics of river waters..
25. 山口創一,濱田孝治, 流動および熱環境に与える干潟の影響, 2012年度日本海洋学会春季大会, 2012.03, 干潟は潮汐による干出と冠水のサイクルをはじめとして,潮流,波浪,河川の流入や日射による熱環境の変化など多くの物理過程の影響を受けている.それらの物理過程は,干潟の地形や底質の構造に変化をもたらす.干潟の水質浄化機能,生態系の特殊性や豊かさなど,沿岸域の環境に対する干潟の重要性が認識されて久しい(Guarini et al, 1997).有明海には広大な干潟が存在し(Fig.1, 横山ら, 2005),河口から沖合にかけて澪筋が発達しており,複雑な地形となっている.干潟における現地調査の困難さのため,最も基本的な物理過程についてさえまだ十分に理解されているとは言えない.そこで本研究では詳細な現地測量結果を使って再現した地形を元に数値実験を行い,干潟および澪筋が流動,特に河川水の挙動や熱環境に与える影響について検討した.その結果、干潟域の複雑地形が有明海の流動および熱環境に強い影響を持つことが明らかとなった。.
26. 山口創一,速水祐一,前谷寛,経塚雄策, 2008年夏に発生した有明海における青潮を伴う湧昇の再現とその発生メカニズム, 第58回海岸工学講演会, 2011.11.
27. 山口創一, 有明海数値モデルのための開境界条件の提案, 2011年度日本海洋学会春季大海, 2011.03.
28. Yusaku Kyozuka and Souichi Yamaguchi, Variability of Water Quality Due to the Location of a Maga-Float in Tokyo Bay, THE ELEVENTH INTERNATIONAL OFFSHORE AND POLAR ENGINEERTING CONFERENCE, 2001.06.
学会活動
所属学会名
日本地球惑星科学連合
オープンCAE学会
土木学会
海洋気象学会
日本海洋学会
学協会役員等への就任
2010.06~2011.03, NPO法人有明海再生機構, 運営委員.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2023.09.14~2023.09.15, 土木学会令和5年度全国大会第78回年次学術講演会, 座長.
2023.03.04~2023.03.04, 土木学会西部支部研究発表会, 座長.
2016.09.11~2016.09.15, 2016年度日本海洋学会秋季大会, セッションコンビーナー.
2015.03.21~2015.03.25, 2015年度日本海洋学会春季大会, 司会(Moderator).
2014.03.26~2014.03.30, 2014年度日本海洋学会春季大会, 座長(Chairmanship).
2016.09.11~2016.09.15, 日本海洋学会秋季大会, セッション コンビーナー.
2015.09.26~2015.09.29, 日本海洋学会秋季大会, 座長.
2014.03.26~2014.03.30, 日本海洋学会春季大会, 座長.
2011.09.26~2011.09.30, 2011年度日本海洋学会秋季大会, 会場役員.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2020年度    
2019年度
2015年度
2014年度
2011年度
2010年度
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2023年度~2026年度, 基盤研究(B), 分担, 大気海洋界面の波浪・乱流・化学作用に着目した海洋炭素吸収機能の解明.
2023年度~2025年度, 学術変革領域研究(A), 分担, ジオラマ・パノラマ環境下における有害赤潮藻の集積アルゴリズムの解明.
2023年度~2025年度, 基盤研究(C), 代表, 海苔色落ち原因藻類による赤潮発生の短期予察システムの開発.
2018年度~2020年度, 基盤研究(B), 分担, 有明海奥部における物質循環変動機構の解明と環境再生策に関する研究.
共同研究、受託研究(競争的資金を除く)の受入状況
2020.04~2021.03, 分担, ICT を利用した次世代スマート沿岸漁業技術開発/高精度な海況予報モデルの開発および予報結果の活用を通して沿岸漁業の高効率化を促進する。本研究では、複雑な海岸・海底地形を有する沿岸海域環境の海況予報モデルの開発を目指す。.
2023.04~2024.03, 代表, 令和5年度福岡有明海海況予測モデル開発/有明海福岡県海域における海況(水温,塩分,水位)の高精度予測モデルの開発を行う.
2023.04~2024.03, 代表, 漁場環境シミュレーションによる佐賀県有明海における二枚貝増殖適地の検討/近年、佐賀県有明海では、地球温暖化による海水温の上昇、集中豪雨の頻発、貧酸素水塊の長期発生等が確認されており、二枚貝の生息環境は厳しい状況となっている。このような中で二枚貝資源を回復させるためには、近年の環境変化に対応した二枚貝の増殖適地の選定など、新たな取組が必要と考えられる。そこで、本研究では、漁場環境シミュレーションを用いて、海水の低比重化や貧酸素水塊の発生を考慮した二枚貝の増殖適地の検討を行う。
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2022.04~2023.03, 代表, 佐賀県有明海ノリ養殖漁場環境シミュレーション委託/有明海奥部では大規模な海苔養殖が秋冬季に行われているが、毎年発生する赤潮による海苔の色落ち被害に悩まされている。本プロジェクトでは色落ち被害の軽減を目的とした3つの対策(作澪による海水交換の改善効果,施肥の効果的な実施方法,二枚貝(カキ礁)の増養殖)による海苔養殖時期の海況改善効果について数値シミュレーションによって評価した
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2023.04~2024.03, 分担, 豊かな漁場環境推進事業「赤潮等による漁業被害への対策技術の開発・実証・高度化」
長崎県と佐賀県にまたがる伊万里湾において、夏季に有害渦鞭毛藻類Karenia mikimotoiによる赤潮が発生し、養殖魚の斃死を引き起こすなど問題となっている。本研究では現地観測によって赤潮挙動推定を行う。.
2022.04~2023.03, 分担, 令和4年度漁場環境改善推進事業のうち赤潮被害防止対策技術の開発
長崎県と佐賀県にまたがる伊万里湾において、夏季に有害渦鞭毛藻類Karenia mikimotoiによる赤潮が発生し、養殖魚の斃死を引き起こすなど問題となっている。本研究では数値シミュレーション手法を用いて赤潮の発生および挙動予測を行っている。.
2023.04~2024.03, 代表, 有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析/有明海奥部において発生する赤潮の初期発生域と推定されている佐賀県西南部海域において時空間的に高解像度な現地観測を実施する。得られたデータを基に赤潮の形成メカニズムについて検討する。.
2022.04~2023.03, 代表, 有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析/有明海奥部において発生する赤潮の初期発生域と推定されている佐賀県西南部海域において時空間的に高解像度な現地観測を実施する。得られたデータを基に赤潮の形成メカニズムについて検討する。.
2021.11~2022.03, 分担, 研究課題:海域における漂流物の予測
研究内容:衛星画像による漂流物の情報より流出状況の予測を行う.
2021.04~2022.03, 分担, 令和3年度年度漁場環境改善推進事業のうち赤潮被害防止対策技術の開発
長崎県と佐賀県にまたがる伊万里湾において、夏季に有害渦鞭毛藻類Karenia mikimotoiによる赤潮が発生し、養殖魚の斃死を引き起こすなど問題となっている。本研究では数値シミュレーション手法を用いて赤潮の発生および挙動予測を行っている。.
2021.04~2022.03, 分担, 佐賀⼤学の研究プロジェクト「ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト」の枠組みの中で、本研究では有明海秋冬季に発生し、養殖海苔の色落ち被害を引き起こしている有害珪藻による赤潮の発生メカニズムの解明を目指して数値生態系モデルの開発を行う。.
2021.07~2022.03, 分担, 有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析/有明海奥部において発生する赤潮の初期発生域と推定されている佐賀県西南部海域において時空間的に高解像度な現地観測を実施する。得られたデータを基に赤潮の形成メカニズムについて検討する。.
2021.04~2022.03, 分担, 令和3年度年度漁場環境改善推進事業のうち赤潮被害防止対策技術の開発
長崎県と佐賀県にまたがる伊万里湾において、夏季に有害渦鞭毛藻類Karenia mikimotoiによる赤潮が発生し、養殖魚の斃死を引き起こすなど問題となっている。本研究では数値シミュレーション手法を用いて赤潮の発生および挙動予測を行っている。.
2021.07~2022.03, 分担, 佐賀⼤学の研究プロジェクト「ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト」の枠組みの中で、本研究では有明海秋冬季に発生し、養殖海苔の色落ち被害を引き起こしている有害珪藻による赤潮の発生メカニズムの解明を目指して数値生態系モデルの開発を行う。.
2021.07~2022.03, 分担, 有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析/有明海奥部において発生する赤潮の初期発生域と推定されている佐賀県西南部海域において時空間的に高解像度な現地観測を実施する。得られたデータを基に赤潮の形成メカニズムについて検討する。.
2020.07~2021.03, 分担, 有明海湾奥部佐賀県西南部海域の流況解析/有明海奥部において発生する赤潮の初期発生域と推定されている佐賀県西南部海域において時空間的に高解像度な現地観測を実施する。得られたデータを基に赤潮の形成メカニズムについて検討する。.
2020.07~2021.03, 分担, 佐賀⼤学の研究プロジェクト「ハブ型ネットワークによる有明海地域共同観測プロジェクト」の枠組みの中で、本研究では有明海秋冬季に発生し、養殖海苔の色落ち被害を引き起こしている有害珪藻による赤潮の発生メカニズムの解明を目指して数値生態系モデルの開発を行う。.
2019.04~2021.03, 分担, 令和2年度年度漁場環境改善推進事業のうち赤潮被害防止対策技術の開発
長崎県と佐賀県にまたがる伊万里湾において、夏季に有害渦鞭毛藻類Karenia mikimotoiによる赤潮が発生し、養殖魚の斃死を引き起こすなど問題となっている。本研究では数値シミュレーション手法を用いて赤潮の発生および挙動予測を行っている。.
2019.04~2020.03, 分担, 有明海秋冬季に発生する有害赤潮の形成機構の解明/有明海奥部において発生する有害赤潮の形成機構について、現地観測データ解析と数値生態系モデル手法を用いて明らかにする.
2019.04~2020.03, 分担, 平成30年度有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明等調査)
有明海タイラギ資源の消長に大きな影響を与えると考えられる浮遊幼生期において、その酸素耐性を室内実験により把握すると共に、浮遊幼生が経験する貧酸素水塊を含めた環境に応じた生残・成長を組み込んだ粒子追跡モデルの開発を行う。これらの調査業務で収集されたデータや解析結果、さらには有明海・八代海及びその周辺海域における情報を収集・整理し、委員会へ報告することにより、委員会報告書の5章「再生への取組」に掲げた再生目標の達成を図ることを最終的な目的とする。.
2019.05~2020.03, 分担, 高解像度海況予測モデルを利用した伊万里湾の潮流変動予測試験
有害プランクトン高密度水塊(有害赤潮)の分布状況をモニタリングし、高解像度海況予測モデルを利用した伊万里湾の潮流変動を予測することで、有害赤潮の魚類養殖漁場への接近の可能性を予知し、養殖魚を守るための被害軽減措置を素早く、適切に講ずる有害赤潮モニタリング体制を構築する。.
2016.04~2017.03, 分担, NPO法人有明海再生機構委託研究「平成28年度有明海湾奥部における生物生態系調査とそれによる諫早湾潮受堤防開門効果の検証」
有明海湾奥部の生物生態系の経年変動調査およびそれが有明海の生態系に及ぼす影響を現地観測および数値シミュレーションにより評価する.
2013.04~2014.03, 分担, 有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明等調査)
有明海における代表的な二枚貝であるアサリ・タイラギ・サルボウの資源量の回復のため、稚貝の発生量に影響を及ぼす幼生期の出現特性に注目し、幼生の生活史を見据えた現場調査を実施する。粒子追跡法を用いて浮遊幼生のネットワークを解明するとともに、母貝生息域を推定して母貝生息域保全のための調査指針を提案する。 .
2014.04~2015.03, 分担, 有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明等調査)
有明海における代表的な二枚貝であるアサリ・タイラギ・サルボウの資源量の回復のため、稚貝の発生量に影響を及ぼす幼生期の出現特性に注目し、幼生の生活史を見据えた現場調査を実施する。粒子追跡法を用いて浮遊幼生のネットワークを解明するとともに、母貝生息域を推定して母貝生息域保全のための調査指針を提案する。.
2016.04~2017.03, 分担, 有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明等調査)
有明海における代表的な二枚貝であるアサリ・タイラギ・サルボウの資源量の回復のため、稚貝の発生量に影響を及ぼす幼生期の出現特性に注目し、幼生の生活史を見据えた現場調査を実施する。粒子追跡法を用いて浮遊幼生のネットワークを解明するとともに、母貝生息域を推定して母貝生息域保全のための調査指針を提案する。.
2015.04~2016.03, 分担, 有明海・八代海等再生評価支援(有明海二枚貝類の減少要因解明等調査)
有明海における代表的な二枚貝であるアサリ・タイラギ・サルボウの資源量の回復のため、稚貝の発生量に影響を及ぼす幼生期の出現特性に注目し、幼生の生活史を見据えた現場調査を実施する。粒子追跡法を用いて浮遊幼生のネットワークを解明するとともに、母貝生息域を推定して母貝生息域保全のための調査指針を提案する。 .
2014.08~2016.03, 分担, 潮流発電技術実用化推進事業委託業務(国内の海洋エネルギー利用拡大に向けた1MW級潮流発電システムの開発・実証事業).
2014.10~2018.03, 代表, 海洋エネルギー発電技術共通基盤研究(性能評価手法及びポテンシャルの調査)

日本近海が保有する海洋エネルギーポテンシャルについて、現地観測および数値モデルを用いて推定する。.
2012.11~2015.03, 分担, NEDO次世代海洋エネルギー発電技術研究開発(油圧式潮流発電).
寄附金の受入状況
2022年度, 佐賀県有明海漁業協同組合 , 委任経理金/有明海奥西部の海苔養殖海域における赤潮発生機構.
2021年度, 公益財団法人 住友財団, 寄附金名称:2021年度住友財団環境研究助成
研究課題:固定翼型無人航空機による有害藻類赤潮(HAB)のリモートセンシング手法の開発.
2021年度, 佐賀県有明海漁業協同組合, 委任経理金/有明海奥西部の海苔養殖海域における赤潮発生機構.
2020年度, 佐賀県有明海漁業協同組合, 委任経理金/有明海奥西部の海苔養殖海域における赤潮発生機構.
2019年度, 佐賀県有明海漁業協同組合, 委任経理金/有明海奥西部の海苔養殖海域における赤潮発生機構.
2018年度, 新日鉄住金エンンジニアリング株式会社, 委任経理金/潮流発電技術実用化推進事業.
2017年度, 新日鉄住金エンンジニアリング株式会社, 委任経理金/潮流発電技術実用化推進事業.
2016年度, 新日鉄住金エンンジニアリング株式会社, 委任経理金/潮流発電技術実用化推進事業.

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