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総説一覧
AHMED ASHIR(あはめっど あしる) データ更新日:2023.10.05

准教授 /  システム情報科学研究院 情報知能工学部門 先端情報・通信機構学講座


総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. T.K.Roy, D.Chakraborty, A.Ashir, G.Mansfield, 白鳥 則郎, インターネットトラフィックデータの特性, 情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS), Vol.2000, No.102, pp.75-80, 2000.11, インターネットのトラフィックデータには、長期的なタイムスケールで見た場合に、非常に大きな変化性とバースト性があることが知られており、トラフィックの多少の周期が明確ではない。しかし、トラフィックデータには自己相似性があり、これを用いることによってトラフィックデータの特性抽出を行うことができる。自己相似性は、観測のタイムスケールによって変化する、ある統計学的量により表現される。そこで我々は、本研究室で得られたトラフィックデータをもとに、この自己相似性の尺度である以下の値の計算を行った。i)分散:観測の時間周期による分散の減少を見ることにより、自己相似度を示すパラメータ(β)が得られる。ii)自己相関係数:自己相関係数はタイムスケールの変化に伴い非常にゆるやかに減衰し、それ自身が自己相似性を示す、自己相似性の尺度の一つである。iii)ハーストパラメータH:ハーストパラメータは、トラフィックデータに対しrescaled rangeを行うことにより得られる自己相似性の尺度の一つである。また、トラフィックデータがその部分周期においても相似性を示す場合には、そのデータはフラクタル性をも示す。しかし、インターネットのトラフィックデータに関する自己相似性に関しては様々な研究があるが、フラクタル性についてはほとんど研究されていない。そこで本稿では、フラクタル性についても議論し、自己相似性との関連について述べる。The Internet traffic data have been found to possess extreme variability and bursty structures in a wide range of time-scales, so that there is no definite period of busy or silent periods. However, there is a self-similar feature which makes it possible to characterize the data. Self-similarity is expressed in terms of the different statistics varying with the time scale of observation. We give a brief description of those we have calculated to determine the self-similarity of the Internet traffic data obtained in our laboratory. These are i) Variance, the decrease of which with the time scale of observation gives a parameter (β) to specify the degree of self-similarity, ii) Autocorrelation, with a very slow decay rate and itself showing self-similar features and iii) Hurst parameter H, another independent measure from the rescaled range of the data. The similarity of the data in a sub-period and its finer intervals leads to the possibility of the data to posses fractal characteristics also. Although extensive works have been done on the self-similar features of Internet traffic data, there has not been much on this aspect, which can exist in both the time and space scales. Here we attempt to provide a description of the fractal characteristics associated with such a self-similarity..
2. Ashir Ahmed, Fumihiko Yokota, Mariko Nishikitani, Kimiyo Kikuchi, Rafiqul Islam, Hasib Rashid, Impact Report on the 3rd International Conference on Healthcare, SDGs and Social Business, 2020.06.
3. Ashir Ahmed, 社会ニーズに基づく技術開発と日本への期待, 電子情報通信学会誌, 2011.01, 新たな技術を用いて製品を開発する際,開発者は市場 の要求を考慮するが,それは社会全体から見るとごく一 部からの要求にすぎない.貧困層を含む社会全体の要求 を開発者が完全に把握することは難しく,製品開発のプ ロセスにおいて社会的な問題の解決の優先順位は低い. 九州大学(九大)では様々な分野において社会ニーズに 基づいた技術及び製品の新しい開発プロセスの研究に取 り組んでいる.開発途上国を対象とした社会情報基盤の 研究開発もその一例である.本稿では,これまでの先端 技術の研究や製品開発プロセスの現状を取り上げ,社会 ニーズに基づいた開発プロセスとの差異を説明する.そ して社会ニーズに基づいた開発とは何かを検討し,九大 が開発した幾つかのプロトタイプを紹介する.更に,新 たな技術開発の流れにおける日本への期待についても述 べる. 九大が取り組む開発途上国を対象とした社会情報基盤 の研究開発は,バングラデシュを実証実験のフィールド としている.この研究のためにバングラデシュのグラミ ン・コミュニケーションズと 2007 年に協定を締結した. 2008 年 1 月,安浦寛人教授(九大理事・副学長)がバ ングラデシュを訪れ,情報通信技術(ICT)の現状を調 査した.彼はそのときの感想を次のように述べている.
「村には水道,ガス,電気などのインフラがないのに, 人々は携帯電話を利用していることに驚いた.電気のな い村では太陽エネルギーを導入している.太陽エネルギーによって携帯電話やコンピュータを動かし,海外の 情報さえも入手している.」この言葉は,途上国におけ る技術利用についての事実を端的に表現している (1).
途上国において,インフラ整備の流れは,これまで先 進国が経験したそれとは大きく異なる.途上国の人々は 先進技術の力を理解し,それを求めている.インフラや 制度が整うのをただ待つことはなく,積極的に導入し利 用を開始する.先進国では,既存の複雑なインフラに新 しい技術を適応させ,利用の法整備を行うために時間と 費用を要する.一方,インフラや法律が未整備な途上国 では,最新の技術を時間をかけずに受け入れる余地が大 いにある.そこには既存のシステムとの適合性の確認な どの問題はない.そのため途上国は,大学の研究者や企 業による先端技術を用いた製品やサービスの開発と,そ れらを実際の社会において実証実験する機会を提供でき る.
数々の技術が途上国でも製品として応用されている が,人々の生活の改善に結び付いていないことも多い. 現在,世界では約 30 億人が,1 日 2.5 ドル以下で生活 している.16 億人は電気のない暮らしをしている.ま た約 11 億人が十分な水へのアクセスができない状態に ある(2).途上国の人々が直面する問題の多くは技術に よって解決できる.では人々が不便な暮らしを強いられ ている背景にはどのような原因が隠れているのだろう か.それは技術なのか,政策か,それともマーケティン グなのか.現状を少しでも改善する余地があるかどうか を知るために,私たちは技術と製品開発プロセスに焦点 を当てる.そして,私たちが取り組んでいる社会ニーズ に基づいた製品開発の枠組みを紹介しながら,現在の開 発プロセスの弱点について検討する..
4. 岡田正大 稲葉公彦 アシルアハメッド, 日本能率協会 BOPビジネス懇談会 2010年度活動報告書, 2011.03.

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