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遠藤 貴洋(えんどう たかひろ) データ更新日:2017.08.04



大学院(学府)担当



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http://www.riam.kyushu-u.ac.jp/ocd/index-j.htm
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取得学位
博士(理学)
専門分野
海洋力学
活動概要
 海洋力学が目指す究極的な目標の一つとして「海洋の成層構造がどのようにして形成され、海水がどのように循環しているか」という海洋循環論の構築が挙げられる。近年の計算機能力の著しい発達に伴う数値シミュレーションの高解像度化、衛星海面高度計に代表されるリモートセンシングやプロファイリングフロートによる現場観測の全球的な展開、そして、両者を融合したデータ同化システムの実用化により、少なくとも表層・亜表層の循環については、サブメソスケール(数十km〜数km)渦の影響まで考慮される段階にいたっている。おそらく、循環を閉じる最後の一ピースとして残されるのは、海洋の物理現象の中で最も時空間スケールの小さい乱流拡散過程(数十m〜数mm)がもたらす、等密度面を横切る鉛直方向の循環であろう。
 また、海洋循環の解明は、海洋力学が社会から求められている貢献の一つでもある。海洋生態系や海洋汚染など、海洋環境に関わる問題を定量的に評価するためには、まず栄養塩や汚染物質などの輸送過程を明らかにする必要がある。海洋中における物質の輸送は、主に移流過程と拡散過程からなり、ここでも、やはり乱流拡散過程が最後に残される不確定要素となるであろう。
 したがって、今後は「海洋循環の研究」に「海洋乱流の研究」で得られた知見を積極的に取り入れていくというアプローチが非常に重要になると思われる。特に、海洋循環(数万〜千km)と乱流拡散過程(数十m〜数mm)が持つ、時空間スケールの大きな隔たりを埋める力学過程を解明していくことが重要である。このような研究を進めていくにあたって、外洋域と沿岸域、熱帯から寒帯、西岸境界流、対流・潮汐混合、河川プリュームなど、海洋循環を構成する要素のほとんど全てを網羅していると言える東アジア縁辺海は、世界的に見ても貴重な海域である。
 そこで、この東アジア縁辺海の持つ地の利を生かした現場観測と、詳細な数値実験とをリンクさせることによって、海洋中の乱流拡散過程と、より大きな時空間スケールをもった物理現象との階層間相互作用を明らかにし、究極的には、海洋循環を閉じる最後の一ピースとなるであろう、等密度面を横切る鉛直方向の循環の解明に貢献することを目指している。

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