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吉田 紀生(よしだ のりお) データ更新日:2018.06.12

准教授 /  理学研究院 化学部門


主な研究テーマ
量子力学と統計力学による溶液内化学過程および生体内化学過程に関する理論化学
キーワード:量子化学 統計力学 液体論
2012.04~2012.04.
従事しているプロジェクト研究
新学術領域研究「理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学」
2016.04~2018.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学高等研究院
本申請研究課題では,チャネルロドプシン(ChR)とNa+ポンプ型ロドプシン(NaR)の2つのロドプシンを研究対象とし,分子シミュレーション(MD)と生体分子の溶媒和理論(3D-RISM理論)を軸とした方法論の開発により,その構造の柔らかさと溶液環境が持つ柔らかさの相関が駆動するイオン輸送機能の分子論的機構を明らかにすることを目的とする。
 前回の公募研究では,ChRのチャネル閉構造でのイオン経路とイオンの自由エネルギープロファイルを明らかにし,さらにチャネル初期開状態の構造についても明らかにしつつある。
 本申請研究課題では,新しく開発する手法を有機的に用いて,ChRの開構造を明らかにするとともにイオン輸送経路およびチャネル内のイオンの水和構造,水素結合ネットワークの役割など,その分子論的機構を明らかにする。
 またNaRでは,Na+取り込み・排出経路とその選択性の分子論を明らかにすることを目的とする。NaRは2013年に神取グループ(本領域計画班)によって発見され,NaRの細胞質側のポア様の構造が,Na+取り込みとイオン選択性に重要な役割を持つことが示唆された。しかし,その分子論的機構は明らかにされていないことから,理論的解析が望まれている。.
新学術領域研究「理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学」
2014.04~2016.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学高等研究院
チャネルロドプシンは,緑藻類から単離された光駆動陽イオンチャネルであり,青色光の吸収により陽イオン(とくにNa+)の輸送活性を示すことが知られている。このタンパク質はオプトジェネティクスの有用なツールとして着目を浴び,すでに利用が進みつつある。にもかかわらず,1995年の発見以降,その分子機構については今までほとんど知られていなかった。2012年になりようやく東京大学の濡木教授のグループにより閉構造が決定され,イオン輸送経路についても仮説が提案された。しかし,イオン輸送経路の直接的な解析や開閉のメカニズムなど,まだ未知の部分が多く残されている。
 本研究課題では,液体の統計力学理論(3D-RISM)および分子シミュレーション(MD)を用いて
(1) チャネルの閉構造および初期開構造におけるイオン輸送経路の解明
(2) チャネルの遅い構造変化とイオン輸送経路の統計力学的探索
を行い,チャネルタンパク質構造の柔らかさとイオン分布の柔らかさの相関を分子論的に明らかにすることを目的とする。
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基盤研究(C)
2016.03~2020.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学高等研究院
タンパク質の複合体形成機構の一つに,タンパク質同士が同じ領域を分子間で交換するドメインスワッピングと呼ばれるものがある。シトクロムcのドメインスワッピングには,イオンを含む溶液とモルテングロビュール状態のタンパク質との相互作用が本質的な役割を果たすが,その取り扱いの難しさから理論的研究は全くと言って良い程なされておらず、分子論的な理解は進んでいない。本申請研究課題では,液体の統計力学理論と分子動力学手法を組み合わせることで溶液が駆動するタンパク質の大域的構造変化を記述するための新手法を開発し,ドメインスワッピングの駆動力を明らかにすることで,普遍的な原理を究明することを目的とする。.
基盤研究(C)
2013.04~2016.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学高等研究院
DNAは電気伝導性を持ち,その化学的安定性や組み替えの容易さから次世代の分子デバイスとして期待されている。DNAは溶媒の無い状態では電気伝導性を示さなくなるなど,溶媒が電荷移動を支配していると言っても過言ではない。このDNA上の電荷移動過程では,DNAの構造揺らぎが大きな役割を果たしており,構造揺らぎと溶媒揺らぎ,そして電子状態の揺らぎ(応答)の相互作用こそがDNA電荷移動の本質である。本研究計画では,DNAの構造揺らぎと溶媒揺らぎを記述する理論を量子化学と統計力学理論に基づいて構築することと,その理論によりDNA電荷移動の本質を理解することを目的とする。.
基盤研究(A)
2010.04~2014.03, 代表者:平田文男, 立命館大学, 日本学術振興会.
若手研究(B)
2010.04~2014.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学, 日本学術振興会.
新学術領域研究 水を主役としたATPエネルギー変換 公募研究
2011.04~2013.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学, 文部科学省.
新学術領域研究 揺らぎが機能を決める生命分子の科学
2011.04~2013.03, 代表者:平田文男, 立命館大学, 文部科学省(日本).
HPCI戦略プログラム 分野2「新物質・エネルギー創成」計算物質科学イニシアティブ
2011.04~2015.03, 代表者:吉田紀生, 九州大学.
研究業績
主要著書
1. 吉田紀生,丸山豊,清田泰臣,平田文男,今井隆志, 巨大分子系の計算化学 超大型計算機時代の理論化学の新展開 15章「水と生体分子のハーモニー」, Chapter 15, 147-158頁, 2012.03.
主要原著論文
1. Ryosuke Ishizuka, Norio Yoshida, Extended Molecular Ornstein-Zernike Integral Equation for Fully Anisotropic Solute Molecules: Formulation in a Rectangular Coordinate System, The Journal of Chemical Physics, http://dx.doi.org/10.1063/1.4819211], 139, 084119, 2013.08.
2. Norio Yoshida, Yasuomi Kiyota, Fumio Hirata*, The electronic-structure theory of a large-molecular system in solution: Application to the intercalation of proflavine with solvated DNA, Journal of Molecular Liquids, 159, 83, 2011.03.
3. Norio Yoshida, Saree Phongphanphanee, Yutaka Maruyama, Takashi Imai, Fumio Hirata*, Selective ion-binding by protein probed with the 3D-RISM theory, Journal of the American Chemical Society, Communication, 128, 12042, 2006.05.
4. Norio Yoshida, Shigeki Kato*, Molecular Ornstein-Zernike approach to the solvent effects on solute electronic structures in solution, The Journal of Chemical Physics, 113, 4974, 2000.09.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 吉田紀生*, 液体の積分方程式理論と電子状態理論のハイブリッドによる溶液内分子の電子状態理論, アンサンブル, 2011.12.
2. Norio Yoshida, Takashi Imai, Saree Phongphanphanee, Andriy Kovalenko, Fumio Hirata*, Molecular Recognition in Biomolecules Studied by Statistical Mechanical Integral-Equation Theory of Liquids, Journal of Physical Chemistry B, Feature Article, 2009.10.
主要学会発表等
1. 吉田 紀生, Multiscale implementation of 3D-RISM to the electronic structure theory being applicable for solvated biomolecules, Pacifichem2015, 2015.12.
2. 吉田 紀生, 液体の積分方程式理論による生体分子の分子認識の解析, 日本化学会第93春期年会, 2013.03.
3. 吉田紀生, 生体分子の水和と機能〜RISM理論によるアプローチ〜, 新化学技術推進協会 先端化学・材料技術部会 コンピュータケミストリ分科会 次世代CCWG 講演会, 2012.11.
4. 吉田紀生, Development of the QM/MM/RISM theory: Application to the intercalation of proflavine with solvated DNA, Statistical Mechanics Approaches to Nano/Bio-Sciences, 2011.06.
5. 吉田紀生, Selective ion binding by human lysozyme studied by the statistical mechanical integral equation theory, International Conference of Computational Methods in Sciences and Engineering (ICCMSE) 2006, 2006.10.
学会活動
所属学会名
理論化学研究会
日本物理学会
分子科学会
日本化学会
溶液化学研究会
学協会役員等への就任
2018.04~2019.03, 日本化学会九州支部, 会計幹事.
2013.02~2018.02, 日本化学会 新領域研究グループ「分子統計化学の開拓」, 広報.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2016.02.09~2016.02.11, Pure and Applied Chemistry International Conference 2016, 座長(Chairmanship).
2014.11.12~2014.11.14, 第37回溶液化学シンポジウム, 座長(Chairmanship).
2014.11.28~2014.11.29, 柔らかな分子系第2回公開シンポジウム, 座長(Chairmanship).
2014.09.14~2014.09.18, International Meeting on Applications of Statistical Mechanics of Molecular Liquid on Soft Matter, 座長(Chairmanship).
2012.06.01~2012.06.02, アジア連携分子研研究会「 実験及び理論研究手法の開拓と新規物性探索への展開/Recent development of experimental and theoretical methodology on liquids and soft matters: Basic properties and applications to novel devices」, 座長(Chairmanship).
2010.11.15~2010.11.15, 第33回溶液化学シンポジウム プレシンポジウム, 座長(Chairmanship).
2011.06.13~2011.06.15, Statistical Mechanics Approaches to Nano/Bio-Sciences, 座長(Chairmanship).
2010.06.19~2010.06.19, 化学反応のポテンシャル曲面とダイナミックス 〜加藤重樹先生の足跡を辿って〜, 座長(Chairmanship).
2015.09.24~2015.09.24, 第53回日本生物物理学会年会シンポジウム企画「ポンプ,酵素,モーター,機能の鍵:pKa」, 企画提案.
2015.03.21~2015.03.21, 第70回日本物理学会年会・シンポジウム「プロトネーションintoダークネス」, 企画提案・座長.
2015.03.09~2015.03.09, 研究会「凝縮系の理論化学」, 世話人.
2014.11.11~2014.11.14, 第37回溶液化学シンポジウム, 実行委員.
2014.09.07~2014.09.12, International Symposium on Small Particles and Inorganic Clusters XVII FUKUOKA 2014, Local Steering Committee.
2014.09.14~2014.09.17, International Meeting on Applications of Statistical Mechanics of Molecular Liquid on Soft Matter, Organizing committee member.
2013.11.16~2013.11.17, 2013年日本化学会中国四国支部大会, 座長.
2013.08.08~2013.08.09, 国際高等研研究プロジェクト 「分子基盤に基づく生体機能ネットワークとダイナミクスの解明」 第 2 回研究会, 座長.
2013.05.15~2013.05.17, 第16回理論化学討論会, 世話人.
2012.11.26~2012.11.28, 第26回分子シミュレーション討論会, 実行委員,座長.
2012.06.01~2012.06.02, アジア連携分子研研究会「 実験及び理論研究手法の開拓と新規物性探索への展開/Recent development of experimental and theoretical methodology on liquids and soft matters: Basic properties and applications to novel devices」, 提案者,世話人.
2009.08.24~2009.08.26, 第21回 液体の化学夏の学校, 世話人(代表).
2009.08.08~2009.08.08, 若手研究会:化学反応のエネルギー曲面とダイナミクス, 主催(代表).
2010.06.19~2010.06.19, 化学反応のポテンシャル曲面とダイナミックス 〜加藤重樹先生の足跡を辿って〜, 主催.
2010.11.29~2010.12.01, 新学術領域研究 揺らぎと生体機能 第4回公開国際シンポジウム, 主催.
2010.12.02~2010.12.03, 「最先端・高性能スーパーコンピュータの開発利用プロジェクト 次世代ナノ統合シミュレーションソフトウェアの研究開発」 連続研究会「イオンチャネル」No.2, 主催(代表).
2011.03.28~2011.03.28, Elemental Processes of Life Phenomena, revealed by the RISM/3D-RISM Theory International Symposium on Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions, 主催.
2012.02.12~2012.02.14, The International Conference on Statistical Mechanics of Liquids: From Water to Biomolecules, 主催(代表).
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2018年度
2017年度 15  15 
2016年度
2015年度      
2014年度      
2013年度      
2011年度      
2012年度      
受賞
第27回若い世代の特別講演会講演者, 日本化学会, 2013.03.
平成23年度溶液化学研究会奨励賞, 溶液化学研究会, 2011.11.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2016年度~2019年度, 基盤研究(C), 代表, 水とイオンが駆動するタンパク質高次構造形成の統計力学.
2016年度~2017年度, 新学術領域研究, 代表, 構造と環境の柔らかさが相関した光駆動イオン輸送の解明.
2014年度~2015年度, 新学術領域研究, 代表, チャネルロドプシンのイオン輸送の理論化学.
2013年度~2016年度, 基盤研究(C), 代表, 構造揺らぎと溶媒揺らぎの相互作用によるDNA電荷移動過程の理論化学.
2013年度~2015年度, 基盤研究(C), 代表, 構造揺らぎと溶媒揺らぎの相互作用によるDNA電荷移動過程の理論化学.
2010年度~2012年度, 若手研究(B), 代表, DNAの電荷移動における溶媒の役割に関する研究.
2010年度~2013年度, 基盤研究(A), 分担, イオンチャネルの統計力学理論.
2011年度~2012年度, 新学術領域研究, 代表, 液体の統計力学と量子力学に基づくATP加水分解の自由エネルギー解析.
2011年度~2012年度, 新学術領域研究, 分担, 生体分子および溶媒の構造揺らぎと共役した機能発現過程の理論的研究.
競争的資金(受託研究を含む)の採択状況
2018年度~2018年度, 研究拠点形成費補助金(グローバルCOE) (文部科学省), 代表, 液体の統計力学理論を基盤としたマルチスケール理論による酸解離定数の定量的予測手法の開発.
2012年度~2013年度, 住友財団2012年度基礎科学研究助成, 代表, 生体分子の溶媒和の高精度解析に向けた新しい積分方程式理論の開発.
2011年度~2015年度, 革新的ハイパフォーマンスコンピューティングインフラの構築・次世代スーパーコンピュータ戦略分野2「新物質・エネルギー創成」計算物質科学イニシアティブ, 代表, バイオマス利用に向けた酵素反応解析.
学内資金・基金等への採択状況
2013年度~2016年度, 九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト, 分担, 溶液内分子の高精度解析に向けた新しい理論の開発.

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