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VICKERS EDWARD(ヴィッカーズ エドワード) データ更新日:2019.06.12

教授 /  人間環境学研究院 教育学部門 国際教育環境学


学部担当



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092-642-3114
就職実績-他大学
就職実績有, University of London, Institute of Education 2003-2012 (Reader in Education)
University of Hong Kong, postgraduate research student, 1997-2000
取得学位
博士
専門分野
教育学、歴史
活動概要
私のこれまでの研究は、中国社会における歴史の公式な見解、また、それと、政治、ナショナリズムとアイデンティティーの論争との関係を中心としてきた。これらは香港の新界において地元の教員として1990年代に働き、続いて北京の人民教育出版社(PEP、教育省教科書出版社)において英語教科書の著者として働いた経験を通し、その重要性を認識するに至った問題である。

オックスフォード大学の学生としてわたしはイギリスの帝国の(特にインドの)歴史を専攻し、卒業時に最後のイギリスのアジア植民地である香港に移住し、中国社会への移行をこの目で確かめることを決意した。そこで教員として私は、高度に政治的な関心をもとに、香港の住民を愛国的中国人民として再び社会主義化する役割を教育に担わせる試みを目撃した。この経験を経て香港における科目としての歴史の発展を研究することを決意し、その地域社会における政治的、社会的、文化的変容との関係を検討した。

私の博士論文は2003年にRoutledge出版社から出版された。この著作は学校教育カリキュラムの発展に対する植民地主義の示唆に関してよくある推論を批判するものである。またこれは特徴的な地方のアイデンティティーの台頭、また香港—中国の関係を形づくる公的な試みにおける学校教育が担う役割に関する研究に対して重要な貢献をしている。この本は他の学者に幅広く引用されており、2006年にはBBCのラジオシリーズ『帝国の視点』の香港をテーマとした回のベースとなった。

博士研究を通し、国家が定義する均質的な「中国人らしさ」の像と、しばしばそれとは正反対の「中国人」(または「香港人らしさ」や台湾人など)とは何を意味するかの地元での定義との緊張に対し認識を深めることになった。2000—3年北京においてPEPで働き、また(上級レベルまで)標準中国語を学んだことにより、現代中国の政治におけるアイデンティティーを巡る微妙な問題に対する意識を高めた。私は本土中国や公的学校教育以外の状況—特に歴史的博物館や記念館にも研究対象を広げ始めた。

2003年ロンドン大学に移籍した時、私は英国学術協会から研究費を受給し、本土中国、香港、台湾に置けるアイデンティティーの意識形成に対する公的な試みにおける公的博物館の役割に関するプロジェクトのためのデータ収集を行った。このプロジェクトを礎にこれらすべての社会、特に台湾を対象とした様々な論文記事や本の章を執筆した。私の台湾を対象とした研究は、東アジアにおける抗争の記憶に関する主要な比較研究の本(Ruptured Histories, Harvard University Press, 2007)、また現代台湾文化に対する革新的な一冊(Rewriting Culture in Taiwan, Routledge, 2009)、さらに最近ではフランスのジャーナル China Perspectivesの台湾をテーマとした特別号へと結実し、さらに、私は (ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを拠点とする)Taiwan in Comparative Perspectiveというオンラインジャーナルの編集委員会の会員となった。

その一方で私は、アイデンティティーの意識形成のための道具としての学校教育の利用の中国とそのほかアジア社会における比較、アジア中の学者間における幅広いネットワークの構築、また History Education and National Identity in East Asia (Routledge, 2005) と Education as a Political Tool in Asia (Routledge, 2009)の共同編集をしてきた。この分野における比較研究の評判によって、私は2010年には現代モンゴルの市民権とアイデンティティーの論争をオープン・ソサイエティ研究所にて研究に従事する駆け出しの研究者のメンターとしての依頼を受けた。

私の比較研究により、2010年にはイギリスのレバフルム財団から研究費の提供を受け、若い東アジア人が国のアイデンティティ意識を構築する際の日本に対する認識の役割、またこの認識を形成する際に大衆文化、学校教育、インターネットやその他のメディアがどのような役割を果たしているのかを研究するイギリスと東アジアをベースとした学者の「国際ネットワーク」を設立した。私はこの企画に対して研究計画を書き、コーディネーターであるポール・モリスがこのネットワークを運営するのを手伝っている。

私はまた近年、アイデンティティー形成の公的プロジェクトと中国の教育システムの更なる発展との関係を検討して来た。私はイギリス政府の国際開発の部署によって委託された2007年の主要な報告書(Education and Development in a Global Era)を共同執筆した。私の中国の章は社会的不平等を悪化させた開発戦略と、政府の正当性を示すイデオロギーとして、共産主義体制が大衆的ナショナリズムを取り囲むこととの関連に注目した。

私は現在この主張をさらに、共同執筆している1970年代以降の中国の教育システムの歴史についての著作 Politics, Society and Education in Post-Mao China (forthcoming with Routledge)のなかで発展させている。この著作は中国教育省の「卓越した若手研究者プログラム」によって援助されている。この著書は、 中国の成長を戦後の「東アジアの奇跡」のみと比較することを批判し、明治時代の日本の歴史や、独立後のインドと比較対照をするべきだと主張している。

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