九州大学 研究者情報
論文一覧
古賀 聡(こが さとし) データ更新日:2023.11.22

准教授 /  人間環境学研究院 人間科学部門 臨床心理学


原著論文
1. @久桃子・古賀聡, 脳性麻痺者の中年期における動作法との出会い, 九州大学総合臨床心理研究, 14, 55-61, 2023.03.
2. #千ゆう子・@針塚緑樹・古賀聡, 大学生のストレスコーピングの列記と共有の体験の効果, 九州大学総合臨床心理研究, 14, 31-37, 2023.03.
3. 千ゆう子・川辺裕佳・古賀聡, イメージ教示による呼吸法が気分の変容に及ぼす影響, 九州大学総合臨床心理研究, 14, 25-29, 2023.03.
4. #荒牧弓雅・@高倉那々実・古賀聡, 「習慣への没入」からの脱却と自己調整に至るまでの心理的変化過程-複線経路・等至性モデル(TEM)による分析, 九州大学総合臨床心理研究, 14, 1-8, 2023.03.
5. 古賀聡, 言葉と行為に託された思いを味わうー俳句の心理劇の実践から-, 西日本芸術療法学会誌, 50, 4-11, 2022.10.
6. #合原弥邑,古賀聡, 青年期における絵画欲求不満テストにおける反応様式とストレス反応の関連, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 13, 1-7, 2022.03.
7. @針塚緑樹,古賀聡, 破局的な心配における個別性と共通性と機能性に関する検討, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 13, 9-15, 2022.03.
8. #岡 誠貴,@石橋大樹,古賀聡, 高齢者用絵画主題統覚検査(日本版)を用いた認知症高齢者に対する回想や自己言及を引き出す面接の試み, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 13, 61-68, 2022.03.
9. #高倉那々実、古賀聡, 大学新入生の大学適応感が自己表明に与える影響 ー関係性の違いによる検討―, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 13, 77-82, 2022.03.
10. #安川愛理、#伊藤咲耶子,#岡誠貴,@白濵あかね,古賀聡, 妖怪をテーマとする描画の試み, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 13, 83-90, 2022.03.
11. @白濵あかね,@榊原有紀、@丸山明子、@古賀聡, 学生相談における発達障害学生の社会移行支援を支える個別支援 ー対人距離に着目した支援の検討―, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 13, 91-97, 2022.03.
12. #満生暢夫,古賀聡, 認知症高齢者の情動機能の活性化を目的とする心理劇的アプローチに関する研究の概観とその展望, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター), 13, 105-111, 2022.03.
13. @針塚緑樹,古賀聡, 心配特性尺度の作成の試みと破局的な心配と抑うつ気分との関連, 九州大学心理学研究(九州大学大学院人間環境学研究院紀要), 23, 29-34, 2022.02.
14. #合原弥邑,古賀聡, 認知行動モデルと投影法によるストレス過程の理解についての探索的研究, 九州大学心理学研究(九州大学大学院人間環境学研究院紀要), 23, 35-44, 2022.02.
15. 岩男尚美、遠矢浩一、古賀聡, 後弓反張姿勢を呈する重度脳性四肢麻痺児への坐位課題を通した自己身体の認識を促す動作法, リハビリテイション心理学研究, 47, 29-41, 2021.12.
16. 古川依里香,古賀聡, 看護学生に対する心理劇的ロールプレイングを用いた演習授業の展開―困ってしまう場面の再演を通したリフレクションの促進―, 心理劇研究, 44, 17-32, 2021.09.
17. 水貝洵子・古賀聡, IBS症状を呈する女子大学生の臨床動作法への主体的な取り組みのための工夫, 心理臨床学研究, 39, 2, 97-107, 2021.06.
18. 向晃佑・古賀聡, 送球イップスを訴える大学生に対する臨床動作法の適用, 心理臨床学研究, 39, 2, 130-142, 2021.06.
19. #合原弥邑、#針塚緑樹、@榊原有紀、@古賀聡、@小澤永治、@遠矢浩一, 発達支援における「親の会」活動の試み~思春期女児の母親のグループプロセス~, 九州大学総合臨床心理研究, 12, 47-54, 2021.03.
20. #川辺裕佳、#高倉那々実、@古賀聡, 母親関係イメージとエゴグラムからみた女子学生の自己像・母親像, 九州大学総合臨床心理研究, 12, 2021.03.
21. @丸山明子、#高倉那々実、@小澤永治、@古賀聡、@遠矢浩一, 発達障害特性を有する児童のグループセラピーにおける主張性の変化, 九州大学総合臨床心理研究, 12, 63-69, 2021.03.
22. 安武佳那子、@古賀聡, 非言語的刺激を用いた回想法面接事例 ~写真刺激とコラージュ作成の比較~, 九州大学総合臨床心理研究, 12, 79-84, 2021.03.
23. #金子有美、#本庄恵、古賀聡, 認知症高齢患者のグループ回想法における行為表現の導入, 心理劇研究, 43, 57-72, 2020.05.
24. 志方亮介・@古賀聡, ロールシャッハ・テストにおける知覚体験と動作法における体験様式の関連, 心理臨床学研究, 37, 5, 433-444, 2019.12, 本研究では選択式のロールシャッハ・テストを用いて臨床動作法が個人の知覚体験に及ぼす効果について検討を行った。その結果,動作課題に対して安定的に取り組む体験様式を示す者は,感覚知覚においても主体性を維持し自律的な表象活動を展開することが示された。一方で動作課題中に違和感や困難感を感じやすい者は知覚した刺激に圧倒され表象活動においても脅威を受けうることが示された。しかし,数回のセッションを経て身体感覚への能動的注意や,コントロール感が明確になると,知覚‐表象の活動においても自律性が示されるようになった。【執筆者:志方亮介・古賀聡】.
25. 合原弥邑,藤山奈々,ガン チュンホン,古賀聡, 身体感覚に着目した文化によるストレス反応の特徴ー日本とマレーシアの比較検討ー , リハビリテイション心理学研究, 45, 1, 2019.11.
26. 志方亮介、川口智也、古賀聡, 学生相談において肢体不自由学生に動作法を適用することの臨床心理学的意義, リハビリテイション心理学研究, 45, 1, 31-43, 2019.11, 卒業期を迎えた肢体不自由学生への学生相談における動作法による支援の臨床心理学的意義を論じた。脳性まひの診断をもつAは日常生活を独力で送ることができる軽度障害者であった。面接時のAの語りからは障害による不自由や孤独感,障害受容の葛藤を抱えていると推察された。事例の経過から,Aは動作法を通じて自らの不自由に直面化することになり,筆者の援助を受けながら障害受容を含めた自己確立に向かったと考えられた。学生相談における肢体不自由学生への動作法は可視的な身体障害に隠れた不可視的な孤立感や自己確立に向けた支援につながることが示された。【志方亮介・川口智也・古賀聡】.
27. 向晃佑,古賀聡, イップスの長期化につながる内的体験の探索的検討, 心理臨床学研究, 37, 4, 386-392, 2019.10.
28. 下池洸史郎、古賀聡, 被害的認知を有する児童への協同的支援構造を基盤とした心理劇, 心理劇研究, 42, 13-26, 2019.06.
29. 高倉那々実・向井晃佑・古賀聡, 心理劇体験がアサーションに及ぼす影響の検討―場の認知の違い(ウチ・ソト・ヨソ)の視点から―, 心理劇研究, 42, 41-49, 2019.06.
30. 岩男尚美・古賀聡, 大学生の家族理解を目指した回想ドラマ実践ー思い出の写真イメージによる工夫―, 心理劇研究, 42, 51-65, 2019.06, 本研究は即興劇を用いる心理劇の導入において、写真イメージを用いた技法の提案を試みた実践論文である。青年期にあたる大学生の家族理解・親理解を目的と心理劇において、過去の家族の思い出の場面をイメージし、そのイメージを写真としてアクションメソッドを用いて外在化することを試みた。写真イメージとして視覚的イメージを介在させることによって、劇展開が現実感を伴うものとなり、心理劇経験の少ない大学生の役割演技への抵抗や不安を緩和し、彼らの新たな親理解を深めることが可能となることが示された。【岩男尚美・古賀聡】.
31. #岩男尚美・古賀聡, 対人関係イメージ図を用いたソシオドラマ体験による親との心理的距離の変化, 九州大学心理学研究(大学院人間環境学研究院研究紀要), 20, 33-41, 2019.03.
32. @中村美穂・古賀聡, 医療領域における臨床心理士により対人援助のメンタルヘルス支援についての検討, 九州大学心理学研究(大学院人間環境学研究院研究紀要), 20, 23-31, 2019.03.
33. #白濵あかね,#榊原有紀,#古川依里香・古賀聡, 大学生が回想した進路選択時の親子間葛藤-ロールプレイングによる親子間葛藤の捉え直し-, 九州大学総合臨床心理研究, 10, 1-6, 2019.03.
34. #朝木玲奈・#古川依里香・#志方亮介・古賀聡, 青年は「裏切られ体験」をどう受け止めているのか -アタッチメントの観点から-, 九州大学総合臨床心理研究, 10, 25-32, 2019.03.
35. #向井晃佑・#白濵あかね・古賀聡・遠矢浩一, 思春期発達障害児グループにおけるクライエント企画プログラムの展開の工夫 -シェアリングの意義と導入に向けた工夫と配慮―, 九州大学総合臨床心理学研究, 20, 41-48, 2019.03.
36. 池田恭子・古賀聡, 軽度知的発達の遅れを有する選択性緘黙女児との面接過程 -「持ち込み」の意味とその変化についての考察-, 九州大学総合臨床心理研究, 20, 49-56, 2019.03.
37. 五位塚和也・#白濵あかね・古賀聡, 脳性まひ者の動作体験に及ぼす身体部位への注意の焦点化に関する質的検討, リハビリテイション心理学研究(日本リハビリテイション心理学会), 44, 1, 1-13, 2018.09, 本研究は、動作課題において注意が焦点化される身体部位の違いが、脳性まひ者の動作体験に及ぼす影響について検討することを目的とした。成人の脳性まひ者5名を対象とし、背反らせ課題において身体の背面に注意を向ける条件と、身体の前面に焦点を向ける条件を実施し、動作体験についてのインタビューを行った。インタビューで得られた語りの分析から、(1)同じ身体運動が求められる課題においても脳性まひ者の姿勢特徴によって、注意を焦点化すべき身体部位が異なること、(2)言語能力に遅れのみられない成人脳性まひ者の場合、課題動作に対する独自の意味づけを行っている可能性があり、セラピストの介入が脳性まひ者の課題動作に対する独自の意味づけと一致しない状況が生じること、(3)不一致や違和感が新たな気づきへとつながる機会となりい得るが、動作者の戸惑いや混乱を招く危険性もあることが考察された。.
38. 針塚緑樹,古賀 聡, 否定的思考様式尺度を用いた大学生の「破局的思考」の検討, 九州大学心理学研究, 19, 35-42, 2018.03.
39. 高倉那々実,古賀 聡, 場の認知(ウチ・ソト・ヨソ)の違いによる自己表明のあり方の検討, 九州大学心理学研究, 19, 43-50, 2018.03.
40. 水貝洵子・古賀 聡, 高校生を対象としたグループワークにおける心理劇的ロールプレイング, 九州大学心理学研究, 19, 69-78, 2018.03.
41. 藤山奈々,五位塚和也,古賀聡,大場信惠, 高校生におけるレジリエンスがストレス反応に及ぼす影響, 九州大学心理学研究, 19, 87-95, 2018.03.
42. 針塚緑樹,古賀 聡, 否定的思考様式尺度を用いた大学生の「破局的思考」の検討, 九州大学心理学研究, 19, 35-42, 2018.03.
43. 高倉那々実,古賀 聡, 場の認知(ウチ・ソト・ヨソ)の違いによる自己表明のあり方の検討, 九州大学心理学研究, 19, 43-50, 2018.03.
44. 水貝洵子・古賀 聡, 高校生を対象としたグループワークにおける心理劇的ロールプレイング, 九州大学心理学研究, 19, 69-78, 2018.03.
45. 藤山奈々,五位塚和也,古賀聡,大場信惠, 高校生におけるレジリエンスがストレス反応に及ぼす影響, 九州大学心理学研究, 19, 87-95, 2018.03.
46. 池田恭子, 古賀 聡, 下池洸史朗, 岩男 尚美, 俳句を用いた心理劇が懐かしさの体験に及ぼす影響に関する検討―心理劇におけるグループ体験尺度を用いて-, 心理劇研究, 40, 1-13, 2017.02.
47. 白濱あかね, 岩男尚美, 古賀 聡, 進路相談場面のロールプレイングを用いた親の態度に対する青年の認知についての検討, 心理劇研究, 40, 29-41, 2017.02.
48. 下池洸史朗, 古賀 聡, マジックショップの展開における補助自我の機能の違いが参加者の心理劇体験に及ぼす影響, 心理劇研究, 40, 69-82, 2017.02.
49. 志方亮介, 古賀 聡, 成人を対象とした身体意識性の悩みへの態度の関連についての研究, リハビリテイション心理学研究, 42, 1, 43-57, 2016.09.
50. 清島 恵, 古賀 聡, アルコール使用障害の疾患概念の変遷とロールシャッハ・テスト研究, 九州大学心理学研究(九州大学大学院人間環境研究院紀要), 第17巻, 53-61, 2016.03.
51. 岩男 尚美, 古賀 聡, 大学生を対象としたソシオドラマにおけるピアレビュー・セッションの意味, 西日本心理劇学会, 39, 39-50, 2016.02.
52. 塚本 駿, 古賀 聡, 子ども時代のファンタジー体験と大学生の共感性の関連-クリスマスの心理劇を通して-, 西日本心理劇学会, 39, 17-26, 2016.02.
53. 志方亮介, 松藤 光生, 古賀 聡, 遠矢 浩一, 動作法場面における自閉症児の退室行動への理解と課題の展開に関する一考察, 九州大学総合臨床心理研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 第7巻, 59-71, 2016.01.
54. 清島 恵, 古賀 聡, 心理アセスメントを用いたアルコール使用障害の易刺激性についての一考察, 九州大学総合臨床心理学研究(九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センター紀要), 第7巻, 47-57, 2016.01.
55. 古賀 聡, 生涯発達と臨床心理劇~孤立・停滞・絶望とどう向いあうのか~, 日本心理劇学会, 第20巻, 39-45, 2015.12, 本論は2015年2月に開催された第40回西日本心理劇学会・第20回日本心理劇学会合同大会の大会シンポジウムで報告した内容に加筆した論文であり、中年期以降の危機や心理的課題に対する心理劇を用いた支援のあり方について論じたものである。筆者の臨床事例を用いて嗜癖問題、認知障害、統合失調症を対象とした心理劇実践について報告した。欧米で発展した心理劇を日本人の気質や文化に応じて柔軟に展開することの必要性を論じた。.
56. 五位塚和也, 細野康文, 久 桃子, 古賀 聡, 針塚 進, グループセラピーにおける役割の意識づけと役割関係の変容過程の検討―アスペルガー症候群男児の事例から―, 西日本心理劇学会, 37, 35-46, 2014.02.
57. 古賀 聡, アルコール依存症者に対するソシオドラマとサイコドラマの意義, 日本心理劇学会「心理劇」, 第18巻, 第1号, 47-59, 2013.12.
58. 古賀 聡, 北野祥子, 認知障害を抱える女性高齢患者への心理劇の適用, 日本心理臨床学会, 31, 2, 257-267, 2013.06, 認知障害を抱える女性高齢患者に対する心理劇の適用について検討した。精神科に入院している女性患者7名に9セッションの心理劇を行った。メンバーは認知症や認知障害をもつアルコール依存症の診断を受けている60代から80代の患者である。高齢の女性が関心をもつと思われるようなテーマを設定し、心理劇の展開を行った。その結果、セッションの様子から、女性の高齢患者グループにおいて情動や自発性の活性化がみられた。メンバーは現在の「入院患者」としての固定化された自己役割から解放され、母親、恋人、生徒などの懐かしく、かつ、新鮮な役割体験を通して、入院生活では発揮しにくい自発的な対人行動が促進されることが示された。.
59. 古賀 聡, 池田 恭子, 杉原 康彦, 俳句の多義性を活かした心理劇 ~季語が醸成する情緒的雰囲気と役割関係~, 西日本心理劇学会学会誌, 第36巻, 73-79, 2013.02, 統合失調症者を対象とした心理劇グループのなかで、俳句を題材とした心理劇を展開した。17文字という短詩形である俳句は極端に省略された言葉で表現するために多義的にならざる得ない。そのため読み手の想像性を刺激する。俳句を題材として劇化を行う際には、表現されていない部分を読み手が想像し、演じることとなる。また、劇化の過程では個人の経験が投影されるが、俳句の季語がもつ情緒的な雰囲気に影響され、劇化が方向づけられることになる。つまり、劇化の題材としての俳句がもつ利点としては多義性からくる自由度の高さをもちつつも、季語のもつ情緒的な雰囲気によって危険なイメージを回避し、安全な心理劇の展開が可能となることが、事例から示された。.
60. 古賀 聡, アルコール依存症者へのミラー法を中心とした心理劇的方法の展開, 西日本心理劇学会, 第36巻, 1-10, 2013.02, 心理劇は役割演技や即興劇という方法を用いて心理援助を行う。嗜癖問題を抱える人の中には,そのような集団場面における自己表現が困難な人も多い。そこで,本研究では心理劇の基本的な展開では援助が難しかった事例を通じてミラー法を用いた心理劇的方法の展開について検討を行った。事例は50代のアルコール依存症男性である。事例の語りは観念的であったり虚無的な内容であった。そこで,ディレクターは事例に主役として演じることを求めずに共同セラピストが,事例の語る家族との葛藤状況を再現するという方法を展開した。ディレクターは,事例に演じることは求めないが,できるだけ具体的に場面を再現できるように説明を求め,特に登場人物の言葉や口調なども正確に語ってくれるよう求めた。事例は他者が演じるミラーの観察と修正の繰り返しにより,自分自身の態度や相手の感情について新たな気づきを持つことができた。.
61. 古賀 聡, パニック発作に苦しむDV被害女性への解決志向催眠療法  -体験治療論からの考察- 
, 心理臨床学研究, 29, 6, 705-716, 2012.02, 本研究は過去にDV被害を受けてパニック発作に苦しんでいる女性に解決志向催眠を適用した臨床研究である。クライエントはすでに離婚した元夫から暴力を受けていた。離婚した後もパニック発作は続き仕事を続けることも困難となった。薬物療法の効果もでないため主治医は筆者に心理療法を依頼した。筆者は催眠誘導を行ったが運動催眠のひとつである腕浮揚の施行において、クライエントに強い抵抗が生じた。そこで、解決志向催眠の技法である「許容」「分割」「逸話」などを用いて催眠誘導を進めていった。すると頑なな心理的構えが強いクライエントであったが、催眠暗示を受け入れ、運動催眠や自律的なイメージが展開していった。2回の催眠療法セッションでパニック発作は消失したので3回目の面接で終結となった。考察では成瀬(1992)の体験治療論の視点から、臨床動作法における主動感と催眠における被動感や自動感との比較から、催眠の心理療法としての意義について論じた。.
62. 古賀聡, 解決志向アプローチにもとづいたアルコール依存症者への心理劇
    , 心理臨床学研究, 29, 4, 385-396, 2011.10, 本研究はアルコール依存症の家族関係修復に向けた心理援助における心理劇の展開について検討した臨床研究である。精神科病院に入退院を繰り返しているアルコール依存症の女性患者に対して解決志向アプローチにもとづくミーティングと心理劇を統合したグループアプローチの経過を報告し、入退院を繰り返し問題が長期化しているアルコール依存症者への援助方法について検討した。心理的援助に対して拒否や防衛的態度を示すと言われているアルコール依存症者への心理劇においては、アルコール依存症者の主体的な治療参加を支援するような解決志向アプローチを介在することの効果が示された。.
63. 古賀聡, 心理劇によるアルコール依存症者の対人関係再構築と将来展望への援助
, 心理臨床学研究, 29, 2, 129-140, 2011.06, 本研究はアルコール依存症女性への心理劇適用事例を用いて、アルコール依存症者の対人関係再構築と将来展望の援助方法について検討した臨床研究である。クライエントは入退院を繰り返す中で家族関係が悪化し、12年間入院している女性患者であった。クライエント自身も退院を諦め、自暴自棄となり、治療意欲もなく他患者とのトラブルも頻発する状況であった。心理劇ではこのような患者の問題性が顕在化しないような場面設定や役割関係を工夫し、患者が情緒豊かに他患者やスタッフと交流できるように配慮を行った。その結果、クライエントは1年間の心理劇セッションを経て退院することができた。心理劇における様々な役割演技体験がクライエントの自発性を高め、新たな対人関係の再構築や退院に向けた将来展望への援助となったことが論じられた。.

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