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瀬口 典子(せぐち のりこ) データ更新日:2019.11.14

准教授 /  比較社会文化研究院 環境変動部門 基層構造


大学院(学府)担当



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新学術領域研究(研究領域提案型) 2019年度~2023年度
出ユーラシアの統合的人類史学 - 文明創出メカニズムの解明 -B03班:集団の拡散と文明形成に伴う遺伝的多様性と身体的変化の解明

本研究は集団の拡散・移動と文明形成に伴う身体形質の適応過程と遺伝的多様性の変化を解明することを目的とする。考古学班との密接な連携と共同研究に基づき、形質人類学的データ、遺伝子、AncientDNA を用い、日本列島を含むアジア地域から、アメリカ大陸、オセアニアへの人々の拡散のタイミングや経路、拡散後も常に流動的である集団内と集団間での人々の遺伝子の流動、集団内での遺伝的浮動といった集団の歴史(Human population structure and history)を解明する。そして、各地域での身体形質、人口構造と人口動態、寄生虫・感染症を含む健康状態を推定し、また、人類に新天地への移動を可能にした認知能力と拡散に関連する適応候補遺伝子を明らかにする。そのために、【A】形質人類学と遺伝子による統合研究、【B】心理学と遺伝学の融合研究という2方向からのアプローチを採用する。

【A】においては、(1)人骨の高精度の3 次元表面形態データ、および次世代シーケンサによる人類のDNA 解析結果を用いてユーラシアからアメリカ大陸、オセアニアへの人類の拡散と集団の歴史を復元する。(2)人類は拡散の過程で異なる気候地域で身体を適応させてきた可能性があることから、拡散した各地域での身体形質およびその多様性を形質人類学的に解明する。(3)気候変動は、食料資源を変化させ、居住域の変化に伴う人口サイズの変化をひき起こし、その結果感染症など人類の健康状態に極めて大きな影響を与えてきた。そこで、骨形態から健康指標および人口構造・人口動態を推定し、次世代シーケンサ解析をもちいて寄生虫感染症とウイルス/細菌感染症を解析する。以上の結果から(a)農耕の開始、国家形成や都市化などの文明形成に伴う食生活や栄養状態の変化、感染症の流行、人口構造・人口動態の変動、身体形質の変化を復元し、(b)コロンブス来航以来の古代都市文明の衰退とその要因の解明を目指す。【B】においては、モデル動物を用いて新奇性探索遺伝子を抽出し、それを基にして人類を拡散と移動に導いた人類の探索行動や認知傾向に関係する遺伝子多型を明らかにし、人類集団の文化形成に関わった遺伝子を分析する。 .
電話番号
092-802-5605
就職実績-他大学
就職実績有, 2002-2008 Assistant Professor, Department of Anthropology, The University of Montana, Missoula MT. USA
2008-2012 Associate Professor, Department of Anthropology, The University of Montana, Missoula MT. USA
2000-2002 Adjunct Assistant Research Scientist, Museum of Anthropology, The University of Michigan, Ann Arbor, MI. USA
2003-2009 Adjunct Associate Research Scientist, Museum of Anthropology, The University of Michigan, Ann Arbor, MI. USA
2002 Winter Lecturer, Department of Anthropology, The University of Michigan, Ann Arbor, MI. USA.
取得学位
博士 ミシガン大学 
専門分野
生物人類学/自然人類学
活動概要
古人骨を試料とし、頭蓋骨計測値データ、および歯冠計測値データを用いた形質人類学的、および生物考古学的研究を通して人類移動と拡散の歴史研究に従事してきた。日本列島の縄文時代人集団・アイヌ集団に焦点をあて、南北アメリカ大陸における人類集団の成立、東アジア、北東アジアから南北アメリカ大陸への人類移動と拡散、縄文人と新大陸先史人類集団(アメリカ最古級の人骨ケネウイックマンを含む)との遺伝的関係、言い換えれば、縄文時代人がアメリカ大陸の先史人起源に関与した可能性について研究してきた。 また、集団間、時代間の身体形質の変異・多様性が、移動期間中・移動後に環境適応の結果選択されたものなのか、また遺伝的浮動、遺伝子流入によるものか、またこれらの進化的メカニズムの相互作用によるものなのか、その要因を解明するための考察を行なった。その研究結果として、頭蓋骨データに加え、縄文時代人、弥生時代人、沖縄久米島近世人を含む、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、北南米集団の上下肢骨の計測値・示数・体質量と緯度・経度・最低気温・最高気温との関係を分析し、寒冷適応・高温適応、また集団の移住の歴史について考察し論文として発表した。 頭蓋骨の形態多様性とその形態を形成したメカニズムの検証を行い、頭蓋骨形態を用いて構築された「人種概念」の無効性を明らかにした。
現在、生物考古学・司法人類学・考古学のための3次元データ取得法・分析法をまとめ、米国モンタナ大学、リンカーンメモリアル大学、ドイツ フライグルグ大学の共同研究者等と書籍の執筆と編集を行った(2019年6月出版)。今年度からは米国テキサスA&M大学歯学部、オハイオ州立大学人類学部、中国吉林大学辺境考古学センターの共同研究者たちと、東アジアにおける人類の健康パターンの生物考古学的な歴史プロジェクト(Global Health Project:East Asian Module)を本格的に始動させた。 また、文理融合の科研プロジェクト「人種化のプロセスとメカニズムに関する複合的研究」「先住民の視点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究」にも従事し、生物学的人種概念の無効性、人種差別、性・ジェンダー差別にも取り組んでおり、特に、アイヌ遺骨返還問題について研究グループをつくり、シンポジウムなどを開催している。2019年後半からは、新学術領域研究(研究領域提案型)「出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明」、計画研究「集団の拡散と文明形成に伴う遺伝的多様性と身体的変化の解明」が始動。
応用生理人類学研究センター  共同研究員

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