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相澤 広記(あいざわ こうき) データ更新日:2017.04.21

准教授 /  理学研究院 附属地震火山観測研究センター 地震学・火山学


大学院(学府)担当

学部担当

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電話番号
0957-62-6621
FAX番号
0957-63-0225
取得学位
理学
専門分野
地球電磁気学・火山学
活動概要
地下の比抵抗構造や電位分布など主に電磁気的観測により地震や火山活動のメカニズムを調べている。ローカルなフィールドワークを積み重ねることで、地震活動、火山活動に共通する性質を抽出しようと試みている。

火山体地下のマグマ供給系研究
マグマ(メルト)やマグマに含まれる水は電気を通しやすいため、火山地下の比抵抗構造を推定し、さらに地殻変動や地震等の観測と比較することで、マグマ溜まりの位置や大きさ、そこから火口に至る供給ルートを解明する。比抵抗構造は地磁気変動とそれにより地中に誘導される電場変動を観測し、その周波数応答を逆解析することにより推定する(MT法)。この研究は全国の研究者と共同で推進している。霧島火山群で実施した広帯域MT探査では、火山群西部の深さ10 km以深にマグマ溜まりが存在し、その上部からマグマが東方かつ時計回りに新燃火口まで上昇して噴火に至ると推定した。同様の手法により富士山のマグマ溜まりは山頂からやや北東にずれた深さ20 km以深に存在すると推定している。浅間山、岩手山、霧島での観測例から、マグマの上昇経路に割れにくい岩体が存在する場合、それが障害物として作用し、マグマが斜めに上昇するという仮説を提唱している。

火山体内部の地下水-熱水系の研究
地下水の流れは地表に電位分布として表れる。テスターと電極を用いて地表で電位を測定すると場所により3V程度の電位差を生じることがある。これらは岩石-地下水の界面にミクロなスケールで分極が生じ、地下水側の電荷が水流によって運ばれることで生じている(流動電位)。電極の場所を移動しつつ観測を行い地表の電位分布をマッピングし、MT法によって推定した火山浅部の比抵抗構造を組み合わせ、さらに熱水流動シミュレーションを行うことで火山体内部の地下水流を推定する。得られた情報を地殻変動や地震の解釈や、温泉の形成過程推定に役立てる。多くの場合、熱水変質作用により岩石が粘土化し、水を通しにくくすることが地下水流を規定する一番の要因のようである。粘土化した岩石は脆いため、大規模な斜面崩壊につながる可能性がある。本研究により火山体の崩壊危険個所推定が可能である。

比抵抗時間変化の研究
火山噴火予知を目指して、MT法の連続観測により比抵抗構造の時間変化を研究している。桜島と霧島での観測では深さ0.2 ~1 kmの領域で±10%程度の比抵抗変動があることが推定された。これらは地下のマグマの移動を直接捉えたというよりは、マグマから脱ガスした揮発性成分や、マグマ移動に伴うひずみの変化により間接的に生じているらしい。今後、観測-解析方法を改良し、より深部まで高精度に比抵抗構造の時間変化を推定し、地下比抵抗構造の4-D探査を実現したい。

内陸地震発生の解明
全国の研究者と共同でMT探査を行い、内陸地震発生のメカニズムを調べている。これまでに蓄積されてきた知見は、深さ10km以深の中-下部地殻に低比抵抗体がスポット状に存在する領域があり、その周辺で内陸地震活動が活発である。またM6クラスの内陸地震の震源域周辺では例外なくスポット状の低比抵抗が見つかっている。このことは、中-下部地殻の低比抵抗体の分布を明らかにすれば、内陸地震発生のポテンシャル評価ができる可能性を示している。この考えに基づき、今後、全国の研究者と共同で九州地域の低比抵抗体分布のマッピングに力を入れる予定である。さらに地震や地殻変動の研究者と協力し、なぜ内陸にひずみがたまり大地震が発生するかの解明を目指す。

火山雷の研究
桜島火山でのMT連続観測データ中に、火山雷と同期した微小なパルス信号を発見し、それを解析することで、火山雷は振幅の大きな空気振動を伴う爆発では少なく、マグマを噴水のように噴き上げる穏やかな噴火に多いことを明らかにした。2011年からは京都大学の研究者と共同でGPS時計に時刻同期した高感度カメラによる可視映像観測を開始した、今後、電場-磁場観測の時間分解能を飛躍的に高め、可視映像観測と比較することで、火山雷の電流量や極性、継続時間を定量的に把握し、火山雷発生のメカニズムを解明する予定である。



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