九州大学 研究者情報
論文一覧
安田 章人(やすだ あきと) データ更新日:2019.06.17

准教授 /  基幹教育院 人文社会科学部門


原著論文
1. 安田章人, 『ジビエ・ブーム』は、なにをもたらすのか?人と野生動物の関係からの一考察, Wildlife Forum, 22, 2, 22-23, 2018.04.
2. 安田章人, カモ類による農作物被害と食肉資源利用の可能性-福岡県糸島市を事例に, 農業と経済, 84, 6, 76-81, 2018.05, 全国および福岡県糸島市におけるカモ類に対する狩猟および農作物被害の現状を概観し、カモ類の食肉資源としての利用の可能性について考察することを目的とする。.
3. 安田 章人, 「野生動物管理のための猟区がもつ可能性と課題-北海道・占冠村における猟区設定過程と地域社会の関係に対する分析から-」, 日本森林学会, 98, 3, 108-117, 2016.06, 北海道において、エゾシカと人間社会との軋轢が深刻化している。その対策の一環として、猟区を設定しエゾシカを狩猟資源として活用する試みが始まっている。本研究では、2014年に設定された占冠村猟区を事例とし、猟区設定過程が地域社会にもたらす社会的な影響を分析した。占冠村は、猟区とレクリエーショナル・ハンティングがもたらす可能性のうち「安全な狩猟の実施」「個体数の管理」「地域経済への好影響」を挙げて、住民への説明をおこない、猟区設定を進めてきた。これに対し、聞き取りをおこなった住民からは、「安全な狩猟の実施」を期待する声が多く聞かれたものの、農業被害対策が重視されていないことへの懸念が聞かれた。また、「地域経済への好影響」に対する期待はほとんど聞かれず、むしろ過去の観光開発のように猟区設定がトップダウン的におこなわれようとしていることに対する不安が聞かれた。このため、野生動物管理や地域活性化のツールとして猟区とレクリエーショナル・ハンティングを活かすためには、行政による十分な説明と住民主体の活動を軸として、住民生活や地域の歴史などと柔軟に「すり合わせ」をおこなうことが必要であると考えられる。.
4. 安田 章人, 青年会員へのアンケートから読み解く、青年部会活動の課題と展望, 「野生生物と社会」学会, 2, 19, 12-13, 2015.02, 「野生生物と社会」学会青年部会(以下、青年部会)は、2006年11月に設立された。それは、野生生物と社会に関する問題解決を進めるには、その問題を全体論的な視野から見渡せる総合力やバランス感覚をもった、特に若手の人材が必要であると、学会内から声が上がったことがきっかけである。そのため、青年部会は「野生生物保護における知のプラットフォーム」、「若手の交流と成長の場」として位置づけられ、「人文・社会科学的視点も含めた広い視野をもち、問題解決能力を兼ね備えた自立した人材」の育成を目的としてきた。そのために、有志の学会員が青年部会幹事を務め、これまで本誌で紹介してきたように、さまざまなイベントを企画してきた。
ところが、近年、野生生物と地域社会の軋轢から生じる課題は多様化かつ深刻化しており、本学会も学会名を「野生生物保護学会」から現在のものに変更した。こうした状況に青年部会はどのように対応し、より魅力ある活動を展開していくべきか。その嚆矢として、今回は、青年会員(35歳以下の会員)を対象におこなったアンケート結果をもとに、青年部会企画の課題と展望について考察する。
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5. 安田 章人, 横山章光, 桜井良, 任真弓加, スポーツハンティングに対する是非の判断 ―簡易講義を通した大学生の意識変化調査―, ヒトと動物の関係学会, 39, 73-79, 2015.01, スポーツハンティング、いわゆる娯楽観光を主目的とした狩猟に対して、多くの人が否定的な感情をもつと思われる。しかし、スポーツハンティングには、経済や生態系に対して好影響を与えうるという肯定的な側面もある。また、スポーツハンティングをおこなう人が自分にとって親しい人か否かは、その是非を判断するうえで重要な因子となると考えられる。そこで本研究は、つぎの2点を検討することを目的とする。第1に、スポーツハンティングの肯定的および否定的な側面がその是非の判断に与える影響について、第2に、回答者にとって親しい人および知らない人がスポーツハンティングをおこなうそれぞれの場合を比較したときの、その是非の判断の変化量の差異である。われわれは、2つの大学において大学生178名に対して、スポーツハンティングに関する解説と、スポーツハンティングをおこなうことに対する是非を問うアンケートを交互におこなった。その結果、スポーツハンティングの肯定的な側面を知ることによって、それを容認する傾向が認められた。その傾向は、回答者が男性である場合、そして「知らない人がスポーツハンティングをおこなう」場合に顕著にあらわれた。.
6. 安田 章人, 富田涼都, 地域社会にとっての「資源」とは何か? 生態系のアンダーユースと自然資源管理-地域社会野文脈への「埋め戻し」試論, 「野生生物と社会」学会, 19, 1, 18-20, 2014.07,  里山や野生動物のようにアンダーユース(利用の衰退)が問題視されるなか、自然資源管理の担い手として現場の地域社会に注目が集まっている。実際の日々の活動の継続という面でも、地域社会の参画が求められていることが背景にあるだろう。
 しかし、そもそも地域社会にとっての「資源」は、自然資源管理で「資源」と扱うものと同じだろうか。もし、それが異なるならば自然資源管理に地域社会は参画する意義を見いだせるだろうか。この特集の趣旨は、担い手としての地域社会を考える前に、そもそも社会が自然に関与すること、言い換えれば「資源」を「利用」し続けるために必要な視角について、問題を提起することである。
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7. 安田 章人, 「娯楽のための狩猟」の歴史と現状-スポーツハンティングの萌芽、発展、そして存続-, 動物観研究会, 18, 3-8, 2013.12, Sport hunting is a recreational activity where enthusiasts chase wildlife for their pleasure . Sport hunting is not “a thing of the past,” as it remains popular among hunters worldwide, mainly in Western countries. Sport hunting, or the killing of wild animals for recreation, is seen as a bloodthirsty activity. How has it “survived” in this Environment Era ? This article highlights the history of sport hunting, and then examines the current debate on hunting.
Sport hunting developed in the Middle Ages for the purposes of spiritual contentment, physical training, social intercourse, and power display. Since the initiation and progress of the animal welfare movement, hunting has been criticized as “an unnecessary barbaric activity.” Meanwhile, hunters and vindicators of sport hunting explain the purpose and motivation of hunting as follows: “they hunt wildlife because they want to go back to the nature, and hunting can control population size of wildlife.” Moreover, as it is practiced in Africa, sport hunters insist that this activity can support economic development and wildlife conservation.
The present debate on sport hunting shows a sharp dichotomy between wildlife “preservation,” which views sport hunting as cruel and unnecessary, and wildlife “conservation,” which views sport hunting as supportive of wildlife conservation.
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8. Akito Yasuda, Is sport hunting a breakthrough wildlife conservation strategy for Africa? –A case study of northern Cameroon, FACTS (Field Actions Science) , 6, 2012.03, [URL], Sport hunting is one of the oldest known recreational activities using wildlife. Some researchers have suggested that sport hunting can benefit the development and economy of local communities, thereby promoting the protection of wildlife resources as well as both ecological and economic sustainability. However, important debates remain regarding the social impacts of conservation and tourism on local communities near protected areas.
This study using a case study from northern Cameroon aimed to 1) analyze the social impacts of sport hunting on local people and 2) discuss sustainability of sport hunting. Approximately two years of fieldwork, mainly based on interviews and observations in two villages, showed that sport hunting generated tax revenues of approximately US$1.2 million in one season as well as provided profit sharing and employment opportunities for local communities. However, the local people were affected by regulations of their rights to use natural resources. Moreover, some villages experienced forced migration for the beginning of sport hunting.
Many officers and hunting operators insist that sport hunting entails ecological and economic sustainability because it is operated under strict regulations and generates enormous tax revenues. This is in contrast to hunting by local people, who do not consider the hunting regulation nor pay taxes. The question remains, however, whether the term “sustainability” should only encompass ecological and economic factors. Even if sport hunting plays an important role in community conservation, the social impacts on local communities should be considered before the activity is considered as a viable tactic for wildlife conservation..
9. Akito Yasuda, The Impacts of Sport Hunting on the Livelihoods of Local People: A Case Study of Bénoué National Park, Cameroon, International Association for Society and Natural Resources, 10.1080/08941920.2010.486394, 24, 860-869, 2011.03, This article highlights the social impacts of sport hunting on the livelihoods of local
people using a case study around Be´noue´ National Park, Northern Cameroon. Sport
hunting is a way for local people to receive economic benefits from wildlife resources
concerning community conservation. However, social impacts on local people,
including displacement and restriction of access to natural resources, have rarely
been considered. Nineteen months of fieldwork, mainly based on interviews and
observations in one village, showed that sport hunting in Northern Cameroon generated
tax revenues of about US$1.2 million in 2008 and also provided profit sharing
and employment opportunities to local communities. However, this figure is less than
that in other African countries such as Tanzania, as both employment opportunities
and profit sharing are inequitable in this community. Simultaneously, locals’ rights
over natural resource use, especially hunting rights, even for their livelihoods, were
regulated..
10. 安田 章人, 自然保護政策におけるスポーツハンティングの意義と住民生活への影響-カメルーン共和国・ベヌエ国立公園地域を事例に-, 日本アフリカ学会, 73, 1-15, 2008.12, アフリカにおける自然保護政策の原型である「原生自然保護」は、植民地時代におけるスポーツハンティングのための猟獣を保護することを主たる動機の1つとして始まった。しかし、そのための地域住民への強権的な対応に対する批判などから、1980年代に「住民参加型保全」へとモデルシフトし、住民への高圧的な対応の克服が目指された。また動物に対する環境倫理思想と野生動物の非消費的な利用の隆盛も関係し、スポーツハンティングは過去のものとされがちであった。しかし、スポーツハンティングは現存するばかりでなく、多くのアフリカ諸国でその活動を活発化させている。本稿は、カメルーン共和国のベヌエ国立公園を調査地として、現代のスポーツハンティングの実態に注目し、自然保護政策における位置づけと、地域住民との相互関係を分析する。その結果、スポーツハンティングを、「自然保護政策を経済的に支えうるツール」として現実的に評価しつつも、それがもつ「地域住民を犠牲にしたうえでおこなわれる欧米富裕層の娯楽」という時代錯誤的な性格を是正する必要性があることを指摘する。.
11. 安田 章人, 狩るものとしての「野生」:アフリカにおけるスポーツハンティングが内包する問題―カメルーン・ベヌエ国立公園地域を事例に―, 環境社会学会, 14, 38-54, 2008.11, 本稿の目的は、アフリカにおける娯楽のための狩猟、スポーツハンティング(sport hunting)を事例に、グローバルな価値づけがなされた野生動物の資源利用の裏側にある歴史的な権力問題を指摘することにある。
アフリカにおけるスポーツハンティングは、植民地時代の西洋人が権力や富を象徴するためにアフリカの野生動物を狩猟したことに端を発する。現代になり、人間中心主義からの脱却を目指す環境思想からの狩猟に対する倫理的批判が隆盛したことや、スポーツハンティングを起源とする植民地主義的な政策に対する批判を一因として住民参加型保全の理念が台頭したこと、そしてエコツーリズムが勃興したことから、スポーツハンティングは影を潜めた。ところが、スポーツハンティングは現在まで消滅することなく活発におこなわれており、近年、莫大な経済的利益を生み出す管理された「持続可能性」のある狩猟として、住民参加型保全政策を支える主柱となると、一部の政府や保全論者に注目されている。
しかし、カメルーン・ベヌエ国立公園周辺でおこなわれているスポーツハンティングは、その地域の住民に雇用機会と利益分配を付与する一方で、植民地時代を彷彿とさせる「自然資源利用権の収奪」という重層的なインパクトをもたらしていた。この背景には、「持続可能性」という環境思想が、歴史的な権力構造を背景に地域住民による狩猟を断罪し、スポーツハンティングを正統化するために、新しい植民地主義的な政治的言説によって解釈されているという現象があった。.

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