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古川 全太郎(ふるかわ ぜんたろう) データ更新日:2018.06.11

助教 /  工学研究院 社会基盤部門 地盤学講座


大学院(学府)担当

学部担当



電子メール
ホームページ
http://www7.civil.kyushu-u.ac.jp/bousai/
九州大学 防災地盤工学研究室 .
電話番号
092-802-3383
FAX番号
092-802-3383
取得学位
博士(工学)
専門分野
地盤工学、地盤環境工学、土壌化学
活動概要
気候変動や人為的活動によって進行する砂漠化・土地劣化を抑止するための技術が求められている.被評価者は劣化した土地に植生を施す地盤環境保全技術を開発し,対象地の住民が自主的に行える持続可能な砂漠化防止技術を提案することを目的とした研究に取り組んでいる.
 対象とする植物は,薬用植物「カンゾウ」である.カンゾウは中国,モンゴル等の乾燥地に自生しており,漢方薬としての需要が高いが,気候変動や乱獲・過放牧により,最近の30年で個体数は激減している.従って,劣化した土地にカンゾウを生育させる技術を確立することは,付加価値の高い砂漠化抑止対策になり得る.
上記の目的を達成するために,下記の乾燥地における地盤環境調査とカンゾウ生育に適した地盤環境の最適化及び生育技術の開発が必要不可欠であり,現在は以下の課題に取り組んでいる.
カンゾウ自生地の気象環境を含めた地盤環境を把握し,カンゾウ自生地と非自生地の地盤環境の差異やカンゾウが自生できる環境の定量化を試みている.具体的にはモンゴル南部・北東部のカンゾウ自生地・非自生地において土壌の深さごとの含水比や粒度・密度,透水性,水分保持特性等の物理的環境,土壌のpH, EC (電気伝導率), CEC (陽イオン交換容量),交換性・水溶性陽イオン含有量,炭酸塩,窒素やリン等の化学的環境を現場試験や室内試験を通して分析し,総合的に現地の環境を把握している.さらにカンゾウ自生地の地盤環境を生育に適した環境と考え,非自生地の地盤環境の差異について分析し,生育に適した環境条件の定量化を試みている.また,無人でデータ取得可能なモニタリングセンサーを設置して,対象地の体積含水率,地温,EC等の地盤環境と気温・湿度,降雨量等の気象環境を測定し,自生地の気象・地盤・植生環境の経時・季節変動を明らかにしている.これまでの地盤環境調査により,自生地を構成する土粒子径と炭酸カルシウム含有量との関係を明らかにした.
また,カンゾウ生育に適切な地盤環境を見出し,対象地の地盤環境を簡易かつ維持管理労力の少なく改善するための技術を提案するため,カンゾウ自生地の調査データを基に乾燥地を模擬した地盤環境での生育実験をカンゾウ非自生地及び日本国内において行っている.
対象地で簡易かつ安価で調達できる動物性肥料や培養土等の有機分を含む材料を混合して「緑化土質材料」を作製し,カンゾウ非自生地で生育実験を行っている.緑化土質材料の配合率や体積,設置方法を工夫することで,非自生地でも植生を回復できる可能性を示した.現段階では,カンゾウ生育に必要な最低限の地盤内水分状態や,緑化土質材料内の適切なカルシウム含有量を示すことができている.
 この他,植物根系の成長と地盤内の水分・溶質の長期的な変動を予測するための「地盤環境-根系生長複合シミュレーター」の開発に取り組んでいる.移流・分散現象をベースに,根の水分・溶質吸収や地盤内化学物質の反応・変化も計算に取り入れ,根系の成長とそれに見合った潅水・施肥条件,地盤環境改良方法を検討できるシミュレーターを目指している.
 上記のシミュレーターを完成させることができれば,植生による乾燥地の地盤環境保護のみならず,植生を用いた汚染地盤の浄化 (ファイトレメディエーション) や,根を自然のアンカーに見立てた土砂災害防止策にも寄与できると考えている.

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