九州大学 研究者情報
発表一覧
加来 啓三(かく けいぞう) データ更新日:2024.04.10

助教 /  九州大学病院 胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科


学会発表等
1. 加来啓三, 大城戸政行, 安蘇鉄平, 栗原啓, 園田幸生, 上田純二, 加藤雅人, 一宮仁, 中垣充, 境昌宏, 相島慎一, 膵頭部リンパ管腫の1例, 第68回日本臨床外科学会総会, 2006.11.
2. 加来啓三, 安蘇鉄平, 栗原啓, 園田幸生, 上田純二, 大城戸政行, 加藤雅人, 一宮仁, 中垣充, 腹腔鏡下手術を行った脾動脈瘤の1例, 第16回内視鏡下外科手術研究会, 2006.09.
3. 上田純二, 一宮仁, 加来啓三, 安蘇鉄平, 栗原啓, 園田幸生, 大城戸政行, 加藤雅人, 中垣充, 早期胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)における内臓脂肪の影響, 第107回日本外科学会定期学術集会, 2007.04.
4. 加来啓三, 江口大樹, 山田大輔, 井上重隆, 山元啓文, 本山健太郎, 横畑和紀, 住吉金次郎, 寺坂禮治, 今泉暢登志, 肛門外脱出を来たしたS状結腸癌による腸重積の一例, 第45回九州外科学会, 2008.04.
5. 古垣浩一, 吉田順一, 服部正見, 加来啓三, 外園幸司, 石光寿幸, 篠原正博, 松尾憲一, 当科における肺癌に対するVATS lobectomyの工夫, 第18回山口県内視鏡外科研究会, 2009.10.
6. 古垣浩一, 吉田順一, 高田斉人, 有馬透, 住友健三, 服部正見, 加来啓三, 外園幸司, 石光寿幸, 篠原正博, 加藤雅俊, 江本拓也, 石田和慶, 松尾憲一, 外傷性横隔膜破裂ー胸腔鏡補助下(成人例)と開腹下(小児例)の横隔膜再建の2例, 第22回日本内視鏡外科学会総会, 2009.12.
7. 古垣浩一, 吉田順一, 江本拓也, 服部正見, 加来啓三, 外園幸司, 石光寿幸, 篠原正博, 大神信道, 石丸敏之, 浴村正治, 松尾憲一, 膿胸手術症例(n=41)の検討: thoracostomy failureを防ぐ, 第10回福岡胸部外科研究会, 2009.07.
8. 古垣浩一, 吉田順一, 加来啓三, 服部正見, 外園幸司, 石光寿幸, 篠原正博, 江本拓也, 安田大成, 松尾憲一, 肝腫瘍を伴うC型肝炎例において気道出血の肺腫瘍に対し、胸腔鏡下肺葉切除を行った肺多形癌の1例, 第50回日本肺癌学会, 2009.11.
9. 古垣浩一 , 吉田順一, 加来啓三, 服部正見, 外園幸司, 石光寿幸, 篠原正博, 江本拓也, 安田大成, 松尾憲一, , , , , , 胸腔鏡補助下(VATS)に切除した肝細胞癌肺転移の1例, 第57回 山口県肝癌治療検討会, 2009.05.
10. 古垣浩一, 吉田順一, 岩崎教子, 石丸敏之, 加来啓三, 服部正見, 外園幸司, 石光寿幸, 篠原正博, 安田大成, 松尾憲一, 根治的腎摘除術後23年目に肺転移を生じた腎細胞癌の1切除例, 第19回 山口県呼吸器外科研究会, 2010.03.
11. 古垣浩一、吉田順一、加来啓三、服部正見、外園幸司、石光寿幸、篠原正博、加藤雅俊、江本拓也, 岩崎教子, 大神信道, 石丸敏之、浴村正治、松尾憲一, 膿胸手術症例(n=56)の検討:thoracostomy failureを防ぐ, 第110回日本外科学会定期学術集会, 2010.04.
12. 加来啓三, 石光寿幸, 瀧瑠美子, 服部正見, 外園幸司, 古垣浩一, 吉田順一, 篠原正博, 住友健三, 松尾憲一, 当院における消化器GIST再発例の検討, 第107回北九州外科研究会, 2010.02.
13. 加来啓三, 篠原正博, 松尾憲一, 消化管GISTにおけるリスク分類と治療成績:外科的切除の重要性, 第65回日本消化器外科学会総会, 2010.07.
14. 野口浩司, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 加来啓三, 川浪さやこ, 土本晃裕, 田中雅夫, 術後早期にacute CNI nephrotoxicityを来した生体腎移植の1例, 第47回日本移植学会総会, 2011.10.
15. 寺坂壮史, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 川浪さやこ, 加来啓三, 野口浩司, 宮本京子, 土本晃裕, 田中雅夫, 生体腎移植におけるFCXM T(+)B(+)症例の検討, 第20回日本組織適合性学会大会, 2011.08.
16. 栗原啓, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 寺坂壮史, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 宮本京子, 田中雅夫, 生体腎移植におけるFCXM法陽性症例の検討, 第20回日本組織適合性学会大会, 2011.08.
17. 加来啓三, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 斎藤孝二郎, 野口浩司, 川浪さやこ, 岐部晋, 田中雅夫, 生体腎移植後のGCV耐性CMV感染症に対するFoscavirの使用経験, 第47回日本移植学会総会, 2011.10.
18. 加来啓三, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 斎藤孝二郎, 野口浩司, 川浪さやこ, 岐部晋, 井藤奈央子, 堤康, 宮本京子, 田中雅夫, 生後1歳7ヶ月の女児に対する生体腎移植の一例, 第31回九州腎臓移植研究会, 2011.06.
19. 岡部安博, 北田秀久, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 野口浩司, 加来啓三, 川浪さやこ, 土本晃裕, 田中雅夫, 当院での腎移植・膵腎移植における内科および関係部署との連携, 第47回日本移植学会総会, 2011.10.
20. Terasaka S, Kitada H, Okabe Y, Miura Y, Kurihara K, Kawanami S, Kaku K, Noguchi H, Miyamoto K, Tsuchimoto A, Tanaka M, Excellent results of both T cell and B cell flowcytometric crossmatch positive cases in living donor kidney transplantation., CAST 2011, 2011.09.
21. Terasaka S, Kitada H, Okabe Y, Miura Y, Kurihara K, Kawanami S, Kaku K, Noguchi H, Miyamoto K, Tanaka M, Excellent results of both T cell and B cell flow cytometric crossmatch positive cases in living donor kidney, The 12th Congress of the Asian Society of Transplantation, 2011.09.
22. Okabe Y, Kitada H, Miura Y, Kurihara K, Terasaka S, Kawanami S, Noguchi H, Kaku K, Tanaka M, The challenging kidney transplantation to the infant of 10kg in weight, The 12th Congress of the Asian Society of Transplantation, 2011.09.
23. Kurihara K, Kitada H, Okabe Y, Miura Y, Terasaka S, Kawanami S, Kaku K, Noguchi H, Miyamoto K, Tanaka M, Impact of the flowcytemetric crossmatch B-cell positive in living renal transplantation, The 12th Congress of the Asian Society of Transplantation, 2011.09.
24. 北田秀久, 三浦敬史, 川浪さやこ, 加来啓三, 野口浩司, 寺坂壮史, 栗原啓, 岡部安博, 岩瀬正典, 熊本憲子, 田中雅夫, Solitary Pancreas Transplant の適応について~我が国の現状を踏まえて~, 第39回日本膵・膵島移植研究会, 2012.03.
25. 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 川浪さやこ, 加来啓三, 野口浩司, 田中雅夫, 岩瀬正典, 高齢ドナーからの膵臓移植~現状と問題点~, 第48回日本移植学会総会, 2012.09.
26. 三浦敬史, 北田秀久, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 寺坂壮史, 栗原啓, 岡部安博, 熊本憲子, 田中雅夫, Fabry病を原疾患とする末期腎不全の患者に対し施行した生体腎移植の一例, 第45回日本臨床腎移植学会, 2012.02.
27. 加来啓三, 北田秀久, 岩瀬正典, 田中雅夫, 当科における1型糖尿病患者に対する生体腎移植先行症例の検討, 第45回日本臨床腎移植学会, 2012.02.
28. 加来啓三, 北田秀久, 岩瀬正典, 熊本憲子, 田中雅夫, 1型糖尿病患者における膵腎同時移植登録者78例の転帰, 第48回日本移植学会総会, 2012.09.
29. 加来啓三, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 野口浩司, 川浪さやこ, 岩瀬正典, 熊本憲子, 田中雅夫, 1型糖尿病患者に対する先行生体腎移植に関する検討, 第39回日本膵・膵島移植研究会, 2012.03.
30. 岡部安博, 北田秀久, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 熊本憲子, 田中雅夫, 生体膵腎同時移植の手術における工夫, 第39回日本膵・膵島移植研究会, 2012.03.
31. Terasaka S, Kitada H, Okabe Y, Miura Y, Kurihara K, Kawanami S, Kaku K, Noguchi H, Miyamoto K, Tsuchimoto A, Tanaka M, Excellent Results of Both T and B Cell FCXM Positive Cases in Living Donor Kidney Transplantation, The 42nd Annual Congress of the Korean Society for Transplantation & The 9th Krea-Japan Transplantation Forum, 2012.10.
32. 野口浩司, 北田秀久, 加来啓三, 川浪さやこ, 寺坂壮史, 栗原啓, 錦健宏, 岡部安博, 田中雅夫, 2型糖尿病末期腎不全患者に対する腎移植の有用性, 第49回日本移植学会, 2013.09.
33. 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 川浪さやこ, 加来啓三, 野口浩司, 熊本憲子, 田中雅夫, 高度動脈硬化症例に対する膵腎同時移植, 第40回日本膵・膵島移植研究会, 2013.03.
34. 寺坂壮史, 北田秀久, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 川浪さやこ, 野口浩司, 加来啓三, 熊本憲子, 田中雅夫, 高度動脈硬化症例に対する膵腎同時移植, 第29回 腎移植・血管外科研究会, 2013.06.
35. 栗原啓, 北田秀久, 熊本憲子, 岡部安博, 三浦敬史, 寺坂壮史, 野口浩司, 加来啓三, 川浪さやこ, 田中雅夫, 当科における膵単独移植症例の検討, 第40回日本膵・膵島移植研究会, 2013.03.
36. 錦健宏, 北田秀久, 栗原啓, 寺坂壮史, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 熊本憲子, 田中雅夫, 当科における膵臓移植31例の検討, 第49回日本移植学会, 2013.09.
37. 加来啓三, 北田秀久, 熊本憲子, 岡部安博, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 野口浩司, 川浪さやこ, 田中雅夫, 当科での膵移植後周術期管理, 第40回日本膵・膵島移植研究会, 2013.03.
38. 加来啓三, 北田秀久, 岡部安博, 錦建宏, 栗原啓, 寺坂壮史, 野口浩司, 川浪さやこ, 熊本憲子, 田中雅夫, 末期腎不全を伴った1型糖尿病患者における先行腎単独移植の有用性, 第49回日本移植学会, 2013.09.
39. 岡部安博, 北田秀久, 熊本憲子, 三浦敬史, 栗原啓, 寺坂壮史, 野口浩司, 加来啓三, 川浪さやこ, 田中雅夫, 安波洋一, 膵島移植のための心停止下膵腎同時摘出手技, 第40回日本膵・膵島移植研究会, 2013.03.
40. Kaku K, Kitada H, Okabe Y, Nishiki T, Kurihara K, Terasaka S, Noguchi H, Kawanami S, Kumamoto N, Tanaka M, Living donor kidney transplant reduce excess mortality in type 1 diabetics with end-stage renal disease, The 13th Congress of the Asian Society of transplantation, 2013.09.
41. 野口浩司, 北田秀久, 加来啓三, 川浪さやこ, 栗原啓, 錦健宏, 田中雅夫, 2型糖尿病性腎症に対する腎移植患者の心血管系合併症の検討, 第50回日本移植学会総会, 2014.09.
42. 川浪さやこ, 北田秀久, 野口浩司, 加来啓三, 栗原啓, 錦健宏, 西山慶, 井藤奈央子, 原寿郎, 田中雅夫, 当科における小児腎移植の特徴, 第50回日本移植学会総会, 2014.09.
43. 川浪さやこ, 北田秀久, 錦建宏, 栗原啓, 寺坂壮史, 加来啓三, 野口浩司, 熊本憲子, 田中雅夫, ~当科における膵単独移植症例についての検討~, 第41回日本膵・膵島移植研究会, 2014.03.
44. 栗原啓, 北田秀久, 加来啓三, 熊本憲子, 田中雅夫, 1型糖尿病患者の末期腎不全に対する先行的腎単独移植の有用性, 第47回日本臨床腎移植学会, 2014.03.
45. 錦建宏, 北田秀久, 栗原啓, 川浪さやこ, 加来啓三, 野口浩司, 当科におけるHBV既往感染腎移植患者の方針, 第47回日本臨床腎移植学会, 2014.03.
46. 錦建宏, 北田秀久, 栗原啓, 寺坂壮史, 川浪さやこ, 加来啓三, 野口浩司, 田中雅夫, 脳死ドナーからの膵グラフト摘出手技, 第41回日本膵・膵島移植研究会, 2014.03.
47. 錦健宏, 北田秀久, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 栗原啓, 田中雅夫, 当科における膵臓移植の免疫抑制療法の現状, 第50回日本移植学会総会, 2014.09.
48. 加来啓三, 北田秀久, 野口浩司, 川浪さやこ, 栗原啓, 錦建宏, 田中雅夫, 腎移植における複数血管に対する考察と再建法, 第50回日本移植学会総会, 2014.09.
49. 加来啓三, 北田秀久, 川浪さやこ, 野口浩司, 寺坂壮史, 栗原啓, 錦建宏, 熊本憲子, 田中雅夫, 当科での膵移植手術手技の工夫とその成績, 第41回日本膵・膵島移植研究会, 2014.03.
50. 加来啓三, 北田秀久, 熊本憲子, 田中雅夫, 腎移植後de novo B型肝炎の報告, 第47回日本臨床腎移植学会, 2014.03.
51. Kaku K, Noguchi H, Kitada H, Tanaka M, Living donor kidney transplant reduce excess mortality in type1 diabetics with end-stage renal disease, Japan Korea Transplantation Forum 2014, 2014.09.
52. 野口浩司, 北田秀久, 加来啓三, 川浪さやこ, 栗原啓, 田中雅夫, 2型糖尿病性腎症患者における腎移植後感染症の検討, 第48回日本臨床腎移植学会, 2015.02.
53. 中房祐樹, 北田秀久, 栗原啓, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 升谷耕介, 当科での腎移植後悪性腫瘍発症症例の検討, 第48回日本臨床腎移植学会, 2015.02.
54. 中房祐樹, 北田秀久, 栗原啓, 加来啓三, 川浪さやこ, 中村雅史, 宮本京子, 熊本憲子, 免疫学的ハイリスクな献腎移植の一例, 第51回日本移植学会総会, 2015.10.
55. 川浪さやこ, 北田秀久, 栗原啓, 加来啓三, 中房祐樹, 西山慶, 熊本憲子, 中村雅史, 九州大学における小児腎移植後の成長・発育, 第51回日本移植学会総会, 2015.10.
56. 栗原啓, 北田秀久, 加来啓三, 野口浩司, 川浪さやこ, 中房祐樹, 熊本憲子, 升谷耕介, 田中雅夫, 献腎移植の際の内科医との連携について, 第48回日本臨床腎移植学会, 2015.02.
57. 栗原啓, 北田秀久, 加来啓三, 中房祐樹, 中村雅史, 熊本憲子, 当科におけるHBV既往感染腎移植患者への対応, 第51回日本移植学会総会, 2015.10.
58. 加来啓三, 北田秀久, 野口浩司, 栗原啓, 川浪さやこ, 中房祐樹, 中村宇大, 熊本憲子, 田中雅夫, 膵移植に先行する生体腎移植は末期腎不全を伴った1型糖尿病患者の死亡率を低下させる, 第42回日本膵・膵島移植研究会, 2015.03.
59. 加来啓三, 北田秀久, 中房祐樹, 川浪さやこ, 野口浩司, 栗原啓, 中村宇大, 熊本憲子, 田中雅夫, 九州大学病院における膵臓移植成績, 第42回日本膵・膵島移植研究会, 2015.03.
60. 野口浩司, 加来啓三, 栗原啓, 岡部安博, 中村宇大, 中村雅史, 膵臓移植患者における術前サルコペニアの影響, 第52回日本移植学会, 2016.09.
61. 野口浩司, 加来啓三, 栗原啓, 岡部安博, 中村宇大, 中村雅史, 膵臓移植患者における術前サルコぺニアの影響, 第52回日本移植学会, 2016.09.
62. 三好圭, 相良亜希子, 山中美沙, 林昌孝, 中房智樹, 岩本直也, 米永晃子, 久野恭子, 伊達聡美, 久留裕, 永吉絹子, 野口浩司, 加来啓三, 森泰寿, 進藤幸治, 栗原啓, 貞苅良彦, 重症筋無力症に対する胸骨下アプローチ鏡視下拡大胸腺摘出術の手技と合併症の検討, 第6回福岡胸部外科疾患研究会, 2016.07.
63. 栗原啓, 岡部安博, 野口浩司, 加来啓三, 土本晃裕, 升谷耕平, 中村雅史, 当科献腎移植における移植成績を左右するリスク因子についての検討, 第52回日本移植学会, 2016.09.
64. 栗原啓, 岡部安博, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 膵腎同時移植後に閉塞性膵炎をきたした1例, 第78回日本臨床外科学会総会, 2016.11.
65. 栗原啓, 岡部安博, 加来啓三, 中房祐樹, 中村雅史, 腎移植後に発症したS状結腸穿孔の1例, 第53回九州外科学会, 2016.05.
66. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 膵腎移植患者へのエベロリムス使用経験, 第52回日本移植学会, 2016.09.
67. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 九州大学病院での膵臓移植, 第52回日本移植学会総会, 2016.09.
68. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, エベロリムス56例の使用経験と有害事象の克服に向けて, 第36回九州腎臓移植研究会, 2016.07.
69. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 寺坂壮史, 本山健太郎, 山本恵美, 中村雅史, 正しく安全な腎移植手術の普及を目指して―九州大学病院の取り組み―, 第36回九州腎臓移植研究会, 2016.07.
70. 岡部安博, 栗原啓, 加来啓三, 野口浩司, 小川智子, 本山健太郎, 中村雅史, 膵・腎移植グループにおける若手移植医育成の取組み, 第52回日本移植学会, 2016.09.
71. Yamamoto M, Okabe Y, Noguchi H, Kurihara K, Kaku K, Miyamoto K, Masutani K, Nakamura M, Analysis of preformed C1q-binding donor-specific anti-HLA antibodies for renal transplantation, The Asian Transplantation Week (ATW)2016, 2016.10.
72. Kurihara K, Okabe Y, Noguchi H, Kaku K, Miyamoto K, Nakamura M, Inpact of preformed C1q-binding donor-specific anti-HLA antibodies in preoperative evaluation before kidney transplantation, The Asian Transplantation Week (ATW) 2016 , 2016.10.
73. 野口浩司, 森瞳美, 山田舞, 加来啓三, 栗原啓, 甲斐昌也, 岡部安博, 久保真, 中村雅史, 乳癌と腎移植, 第14回日本乳癌学会九州地方会, 2017.03.
74. 野口浩司, 栗原啓, 岡部安博, 宮本京子, 加来啓三, 土本晃裕, 升谷耕介, 中村雅史, 腎移植における術前C1q-binding DSAの臨床的意義の検討, 第50回日本臨床腎移植学会, 2017.02.
75. 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 中村宇大, 中村雅史, 膵腎同時臓移植患者における術前骨格筋量の影響, 第53回日本移植学会総会, 2017.09.
76. 土井篤, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における1型糖尿病に対する膵移植成績, 第79回日本臨床外科学会総会, 2017.11.
77. 中房祐樹, 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 脳死膵臓移植における胃十二指腸動脈再建の意義, 第44回日本膵・膵島移植研究会, 2017.03.
78. 栗原啓, 野口浩司, 久留裕, 加来啓三, 岡部安博, 土本晃裕, 升谷耕介, 中村雅史, 当科での腎ドナーに対する用手補助腹腔鏡下腎摘出術の検討, 第54回九州外科学会 第54回九州小児外科学会 第53回九州内分泌外科学会, 2017.05.
79. 栗原啓, 岡部安博, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 腎移植術前評価におけるPreformed DSAC1q の重要性, 第50回日本臨床腎移植学会, 2017.02.
80. 栗原啓, 岡部安博, 加来啓三, 野口浩史, 中村雅史, 当科における膵移植ベンチサージェリーの現状と手術手技の工夫, 第117回日本外科学会定期学術集会, 2017.04.
81. 久留裕, 野口浩司, 岩本直也, 加来啓三, 栗原啓, 岡部安博, 土本晃裕, 升谷耕介, 中村雅史, 当科におけるハンドアシスト腹腔鏡下ドナー腎摘出術の臨床的検討, 第50回日本臨床腎移植学会, 2017.02.
82. 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 中村雅史, 脳死膵移植ドナー除外基準を考える, 第53回日本移植学会総会, 2017.09.
83. 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 中村雅史, 腎移植におけるエベロリムスを標準治療剤とした免疫抑制プロトコールの成績, 第53回日本移植学会総会, 2017.09.
84. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 中村雅史, 膵臓移植におけるマージナルドナーの可能性, 第117回日本外科学会定期学術集会, 2017.04.
85. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 膵移植ドナー・レシピエントの性別/体格ミスマッチが与える影響, 第50回日本臨床腎移植学会, 2017.02.
86. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 腎移植に生かす膵移植血管再建手技, 第33回腎移植・血管外科研究会, 2017.07.
87. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 九州大学病院での膵臓移植15年これから私たちがすべきこと, 第44回日本膵・膵島移植研究会, 2017.03.
88. 加来啓三, 岡部安博, 栗原啓, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, エベロリムスが変える腎移植免疫抑制療法-正しい適応を見極める-, 第50回日本臨床腎移植学会, 2017.02.
89. 加来啓三, ランチョンセミナー1 一般医療となった腎移植を知る ~今後さらに増える腎移植患者に対応するために~, 第11回日本腎臓病薬物療法学会学術集会, 2017.09.
90. 岡部安博, 土井篤, 加来啓三, 小川智子, 中村雅史, レシピエント尿管トラブルシューティング, 第37回九州腎臓移植研究会, 2017.06.
91. 岡部安博, 栗原啓, 加来啓三, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 高度動脈石灰化を来したⅠ型糖尿病患者に対する膵腎同時移植(SPK)の経験と問題点, 第44回日本膵・膵島移植研究会, 2017.03.
92. 岡部安博, 栗原啓, 加来啓三, 野口浩司, 小川智子, 中村雅史, 移植後早期合併症:尿路合併症, 第50回日本臨床腎移植学会, 2017.02.
93. 岡部安博, 岩田誠司, 加来啓三, 土井篤, 中村雅史, 福岡県における献腎臓器提供推進活動の現状と問題点, 第53回日本移植学会総会, 2017.09.
94. Doi A, Okabe Y, Kaku K, Nakamura M, The results of pancreas transplantation for type 1 diabetes mellitus patients in our department, 21st Asian Congress of Surgery, 2017.11.
95. 﨑濱久紀子, 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 中村雅史, 高度心機能低下症例に対し脳死下膵腎同時移植を施行した1例, 第45回日本膵・膵島移植研究会, 2018.03.
96. 目井孝典, 加来啓三, 土井篤, 岡部安博, 小川智子, 中村雅史, 膵移植後の仮性動脈瘤破裂の2例, 第45回日本膵・膵島移植研究会, 2018.03.
97. 目井孝典, 加来啓三, 知念澄志, 土井篤, 中村雅史, 小児ドナーからの脳死下膵腎同時移植の一例, 第55回九州外科学会・第55回九州小児科学会・第54回九州内分泌外科学会, 2018.05.
98. 目井孝典, 加来啓三, 知念澄志, 土井篤, 岡部安博, 小川智子, 中村雅史, 小児ドナーからの脳死下膵腎同時移植の一例, 第38回九州腎臓移植研究会, 2018.07, 2010年に改正臓器移植法が施行され、15歳未満の小児からの臓器提供が可能となった。しかし、小児ドナーの数は依然少なく、グラフトサイズのミスマッチや機能面の問題が残る。今回、我々は、小児ドナーからの脳死下膵腎同時移植の1例を経験したので報告する。 症例は44歳男性。10歳から1型糖尿病を発症し、インスリン療法開始。徐々に腎機能低下を認め、33歳時に腹膜透析を開始、難治性腹膜炎のため36歳時に血液透析に変更。膵腎移植登録後、8年半の待機期間の後、今回移植候補となった。脳死ドナーは15歳未満児童、死因は外傷によるくも膜下出血、BMI 20以下、HbA1c 5.4%、Cr 0.36mg/dlと膵腎機能ともに良好であり、マージナル要素を認めなかった。また、本邦で6歳、9歳からの膵腎移植の報告もあり、移植可能と判断した。脳死下膵腎同時移植を施行し、術中合併症なく手術終了した。手術当日からインスリン、透析ともに離脱し、術後合併症も認めず第17病日退院とした。現在、移植後3ヶ月を経過しているが、拒絶反応を認めず、膵腎機能は良好なまま経過している。小児ドナーから成人への移植に際しては、グラフトサイズ、臓器機能を考慮する�
K要があるが、マージナル要素の少ないドナーからの移植は、手術、移植後成績に良好な影響を与える可能性があると考える。 .
99. 目井孝典, 加来啓三, 知念澄志, 土井篤, 岡部安博, 小川智子, 宮本京子, 中村雅史, エベロリムスプロトコールにおけるNon-DSA HLA抗体陽性症例の成績, 第54回日本移植学会総会, 2018.10.
100. 目井孝典, 加来啓三, 知念澄志, 中房佑樹, 土井篤, 岡部安博, 中村雅史, HLA classI、classII陽性症例の検討, 第54回日本移植学会総会, 2018.10, 抗体関連拒絶は、拒絶反応の重要な原因である。当院では、DSA陽性患者に対して術前にリツキサン投与等のトリートメントを行う一方、PRAscreeningでclassIまたはclassII陽性の患者に対しては無処置のまま生体腎移植術を施行している。当院におけるHLAclassI、classII陽性患者においての拒絶反応の有無に関して検討を行った。観察期間は、当院で免疫抑制剤のプロトコールがタクロリムス、エベロリムス、メドロールに変更になった2016年10月(以前は、エベロリムスではなくセルセプトを使用)から移植後1年の生検結果が出ている2017年5月までの症例(33例)で、DSAが陽性だった3例を除いた30例を対象とした。術前のPRAscreeningでclassIまたはclassII陽性だった群(PRA陽性群)11例と、PRAのclassI、classIIが全て陰性だった群(PRA陰性群)19例に分けて3ヶ月と1年のプロトコール生検で拒絶の所見(Borderlineを含む)の有無を調べた。結��L$O!"PRA 陽性群で5例(45%)、PRA陰性群で6例(32%)の拒絶を疑う所見を認めた。Fisher’s exact testでp値は0.35と2群間に有意差は認めなかったもののPRA陽性群で拒絶の可能性がやや高かった。今後、症例の数を増やすことで有意差が出てくる可能性がある。.
101. 土本晃裕, 松隈祐太, 川井康弘, 植木研次, 中川兼康, 山田俊輔, 加来啓三, 土井篤, 岡部安博, 升谷耕介, 中野敏昭, 中村雅史, 北園孝成, 腎移植レシピエントにおける血清アルブミンの重要性, 第38回九州腎臓移植研究会, 2018.07.
102. 土井篤, 岡部安博, 加来啓三, 中村雅史, 当科における1型糖尿病に対する膵移植成績, 第118回日本外科学会定期学術集会, 2018.04.
103. 知念澄志, 加来啓三, 目井孝典, 土井篤, 岡部安博, 中村雅史, 当科における腎移植後悪性腫瘍の検討, 第54回日本移植学会総会, 2018.10, 【背景】近年腎移植の長期成績は向上してきているが、さらなる改善の余地があると思われる。そのひとつに、悪性腫瘍がレシピエントの死因の上位を占めていることから、早期発見や早期治療などの対策は重要である。今回、当科における腎移植後の悪性腫瘍について検討した。【対象と方法】2000年7月から2015年7月までに当科で施行した腎移植症例761例(生体腎移植:656例、献腎移植:105例)を対象とし、悪性腫瘍の発生率、腫瘍の種類、発見の契機、転帰を検討した。【結果】悪性腫瘍の発生率は6.4%(49 /761例)であった。腫瘍の種類は、大腸癌(12例)、皮膚癌(7例)、自己腎癌(6例)、乳癌(5例)、肺癌(4例)の順に多かった。発見の契機は、自覚症状が20例、検診が29例であった。発癌した症例の転帰は、9例が癌関連死に至った。9例のうち発見契機が自覚症状であったものは7例であり、検診に比べて多かった。【考察】今回の検討では移植後のフォローアップにおいて、検診を契機に悪性��pag$H?GCG$5$l$k%1!INc$NH>?t0J>e$"$C$?!#$5$i$KI>u$G$NH/8+Nc$h$j$b4b4XO";`$,>/$J$$$H$$$&FCD'$,$"$C$?!#$^$?0lHL=8CD$HHf3S$7$F!"HiIf4b(本検討は0.9%)と自己腎癌(本検討は0.8%)の発癌率が高い傾向であった。これらは一般がん検診ではスクリーニングの難しいものであり、腎移植後に合わせたがん検診を検討する必要がある。.
104. 知念澄志, 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 久保真, 中村雅史, 両側腎動脈瘤に対して自家腎移植を施行した一例, 第38回九州腎臓移植研究会, 2018.07, 腎動脈瘤は偶発的に見つかることが多く、その罹患率は0.1%と言われている。治療は、体内での瘤切除、腎摘後の瘤切除+自家腎移植、血管内治療などがある。症例は62歳女性。左乳癌を指摘され、術前検査の造影CTで両側腎動脈瘤を指摘された。左腎動脈本幹に25mmの動脈瘤を認め、瘤から血管が2分岐するなど複雑な形態であった。今後の乳癌手術、および術後化学療法の可能性を考慮すると可能な限り腎機能温存が望ましいと考え、左自己腎摘除+血管形成+自家腎移植を先行して施行することとした。手術は用手補助腹腔鏡下左腎摘術の後、Bench surgeryで瘤切除、血管形成を行い、左外腸骨動静脈に自家腎移植を行った。術後経過は良好で、自家腎移植から4週間後に、左乳癌に対し左乳房切除+センチネルリンパ節生検を施行した。現在Cr 0.58mg/dlと腎機能良好であり、乳癌術後再発もなくホルモン療法で経過観察中である。.
105. 知念澄志, 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 久保真, 中村雅史, 腎動脈瘤に対し自家腎移植を行った後に乳癌根治術を施行した1例, 第55回九州外科学会・第55回九州小児科学会・第54回九州内分泌外科学会, 2018.05.
106. 三好圭, 佐藤優, 堀川道弘, 加来啓三, 甲斐昌也, 貞苅良彦, 大塚隆生, 清水周次, 中村雅史, 重症筋無力症患者に対してラパロリフトを用いた鏡視下拡大胸腺/胸腺腫摘出術の安全性, 第118回日本外科学会定期学術集会, 2018.04.
107. 三好圭, 古賀智子, 加来啓三, 甲斐昌也, 藤田逸人, 永井俊太郎, 大内田研宙, 岡部安博, 久保真, 大塚隆生, 中村雅史, 腹腔鏡下左上区区域切除における肺動脈出血の一例, 第8回福岡胸部外科疾患研究会, 2018.07.
108. 三浦敬史, 加来啓三, 土井篤, 岡部安博, 江口徹, 中村雅史, 当科で施行した膵移植患者の糖尿病合併症並びに生活の質の評価, 第118回日本外科学会定期学術集会, 2018.04.
109. 加来啓三, 野口浩司, 岡部安博, 栗原啓, 中村雅史, マージナルドナーからの脳死膵臓移植の成績, 第54回日本移植学会総会, 2018.10.
110. 加来啓三, 岡部安博, 目井孝典, 知念澄志, 土井篤, 中村雅史, 生体腎移植において冷阻血時間が術後腎機能に与える影響, 第45回日本臓器保存生物医学会学術集会, 2018.11, 【目的】一般的には、腎臓の虚血許容時間は24時間と言われており、生体腎移植においてこれを超えることはないため、その長短に着目されることは少ない。ドナー腎採取後すぐにレシピエントへの移植が理想ではあるが、実際は手術室調整の関係やバックテーブルでの血管再建を含めた処置、レシピエント手術の遅延などにより冷阻血時間(CIT)が延長することがある。そこで今回、生体腎移植における冷阻血時間の差が術後の腎機能に与える影響について検討した。【方法】2015年10月以降に当科で行った20歳以上のレシピエントの生体腎移植158例を対象とした。CIT中央値は151.5分。 CIT 150分未満 (short群)、CIT 150分以上 (long群)の2群で評価した。評価項目は、術前から術後3日目までの推算糸球体濾過量 (eGFR)の変化率(ΔeGFR=(術後3日目eGFR-術前eGFR)/術前eGFR×100)ならびに術後14日目のeGFR値および初尿確認時間とした。【結果】全158例中short群
��傾例、long群79例であった。short群、long群の平均CITは118.8分、235.4分であった。術前から術後3日目までのΔeGFRはshort群679.5%、long群 503.5%と有意差を認めた (p=0.0079)。術後14日目のeGFR値はそれぞれ56.7、51.9ml/min/1.73m2であった (p=0.10)。初尿確認に要した時間は両群で差を認めなかった。いずれの群でもPrimary non-functionは認めなかった。【結論】 冷阻血時間の延長は術後早期の腎機能に影響を与える可能性が示唆された。.
111. 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 中村雅史, 膵移植術後合併症ゼロへの挑戦, 第45回日本膵・膵島移植研究会, 2018.03.
112. 加来啓三, 岡部安博, 知念澄志, 目井孝典, 土井篤, 中村雅史, 合併症を克服するための最適な膵移植手順の検討, 第54回日本移植学会総会, 2018.10, 今後膵移植件数の増加が想定されるなか、膵移植後合併症の克服は必須の課題である。手術侵襲の大きさゆえ、本邦のみならず海外でも合併症の報告事例は多い。合併症の要因はドナー、レシピエントの患者側要因から、手術手技的要因など多岐にわたる。マージナルドナーに合併症の一因を求めることは妥当な考えではあるが、ドナー不足の本邦ではいかにして限られたドナーソースを有効活用し、かつ良好な移植成績を担保するかが現状求められている課題である。拒絶反応、1型糖尿病再発、感染症といった長期成績に関与する因子のコントロールも重要ではあるが、今回はまず短期合併症である出血、血栓症、縫合不全、イレウスなどの克服に重点をおいて検討する。 待機レシピエント、脳死ドナー双方の適正な評価を行った後、膵移植においては要所において重要な選択を求められる箇所がある。それぞれの選択は移植施設間で異なり、実際複数の膵移植手順が存在する。免疫抑制剤の選択から始まり、GDA/門脈再建の是非、血管長の決定、移植部位の選択、後腹膜/腹腔内アプローチ法の選択、グラフトポジションの選択� !"D24I!?g/fyg91U%I%l%J!I$rKI$0$?$a$K$O!"3FJ,4tE@$G$$$:$l$NA*Br$r$9$k$N$,:GNI$+!"Ev;\@_%G!I9nI~$K8~$1$?:GA1$Ng90\?"
113. 加来啓三, 岡部安博, 知念澄志, 目井孝典, 土井篤, 中村雅史, De novoプロトコールからみるエベロリムスの今後の展望と残された課題, 第54回日本移植学会総会, 2018.10, その安全性、効果が広く知られるにつれ、国内外さまざまなプロトコールをもって、時には異なる目的、副次的効果を期待しエベロリムス(EVR)は使用されてきた。「開始する時期に正解はあるのか?併用する免疫抑制剤の選択は?使用目的はどこに据えるべきなのか?想定される有害事象とその対応策は?」これらの疑問に可能な限り一定の答えを見出したい。 腎移植維持期症例100例以上へのEVR使用経験で一定の安全性を確認した後、当院では2016年9月よりTac, EVR, mPSLの3剤によるエベロリムスDe novoプロトコールを血液型適合移植、不適合移植それぞれで作成し、同プロトコールでの生体腎移植を開始した。移植前よりEVRを導入し、現在41例が1年の経過観察期間を得た。EVRには免疫抑制剤本来の目� E*$G$"$k0BA4@-$rC4J]$7$?>e$G$N5q@dH?1~$N@)8f$,Bh0l$K5a$a$i$l$k!#$=$N$?$a!"3ヵ月、1年腎生検結果ならびに、観察期間中の腎機能、尿蛋白、耐糖能、脂質代謝、FK/EVR血中濃度につき安全性の面から検討した。EVR導入に伴う内科的治療介入の有無についても論じたい。ウイルス感染症に対する評価はCMV /BKVとした。有害事象の対策と対処法含め、多角的視点からこのエベロリムスDe novoプロトコールを評価し、見えてきたエベロリムスの今後の展望と解決すべき残された課題について考えたい。.
114. 岡部安博, 目井孝典, 知念澄志, 加来啓三, 土井篤, 宮本京子, 小川智子, 中村雅史, 抗体関連型拒絶反応に対する取り組み 既存抗体陽性症例に対する対応を中心に, 第54回日本移植学会総会, 2018.10, 【目的】抗体関連型拒絶反応をいかに抑制し、長期生着を目指すかが現在の課題である。近年、免疫学的にハイリスクな症例において、脱感作の後に移植を行っている。今回、生体腎移植でのFCXM T(+)DSA(+)症例を検討し、その妥当性について検証する。【対象】FCXMを導入した2008年1月から2016年12月までの1年後腎生検の確認できた生体腎移植症例のうち590症例を対象とした。FCXM T(+)DSA(+)58例とそれ以外のFCXM T(-)532例の2 群に分類した。免疫抑制剤は2週間前から開始し、TAC/MMF/MPとした。移植7日前にリツキシマブ200mgを投与し、術前に3回の血漿交換を施行した。術中にはIVIG療法も併用した。 【結果】T(+)DSA(+)群と T(-)群の1、3、5年生存率はそれぞれ99.2と93.9%, 96.8と90.7%, 95.0と90.7% であり、FCXM T(+)DSA(+)群のほうが生着率は低下傾向であった。しかし、両群でBiopsy provenのAMR発生率に有意差はなく、DSA$
B$NM-L5$N$_$G$O@8CeN($K$O:9$,$J$+$C$?!#!Z9M;!![�AMRに差がなく、DSAのみでは生着率に差がないのは十分な前処置のためと考えられた。しかし、FCXM T(+)DSA(+)群では、生着率が低下することからFCXM-T(+)となるDSAのMFI値、補体結合型、IgG サブクラスなどが関連している可能性が示唆された。【結語】既存抗体陽性例を有効に脱感作し、腎移植を行い管理するかが重要である。今後は、ハイリスクでない患者を含めたde novo DSAをいかに抑えるかが重要な課題である。.
115. 岡部安博, 土井篤, 加来啓三, 目井孝典, 知念澄志, 中村雅史, 心停止下/脳死下献腎摘出手技のコツ, 第38回九州腎臓移植研究会, 2018.07.
116. 岡部安博, 土井篤, 加来啓三, 小川智子, 土本晃裕, 中村雅史, 九州大学病院における先行的腎移植の現状, 第51回日本臨床腎移植学会, 2018.02.
117. 岡部安博, 土井篤, 加来啓三, 小川智子, 中村雅史, 腎移植3000例のための方法論⑤ 腎移植数増加のためのポイント, 第34回腎移植・血管外科研究会, 2018.05, 【はじめに】本邦の2017年腎移植総数は1700件を超えて増加傾向である。更なる腎移植推進に向けた当院での取組を紹介する。【手術枠確保について】麻酔科との良好な関係が大切で、可能なかぎり無駄のない手術時間配置を行う。以前は1日2枠を確保し、ドナー1枠、レシピエント1枠として手術していた。TITは短縮できるが手術枠の確保が困難であった。最近は一枠8時間でドナー及びレシピエント手術を行っている経験から水曜日に1枠(隔週)、金曜日に2件(毎週)の生体腎移植が可能である。水曜日の1枠移植でも午後に空き台があれば麻酔科がレシピエントの搬入を早めてくれる。【術者の教育】術者が増えれば手術全体が楽になりより安全となる。生体腎移植の最中でも緊急の献腎移植に対応可能となり、またスタッフの誰かが夏休みでも生体腎移植が可能となる。術者になるとやる気が出てどんどん外来検査をして手術を組んでいきます。【手術中止/延期の対策】常に検査の終了した患者さんを確保し交代していただく(特に維持透析中の方)$
B!#$^$?30Mh8!::;~$+$iF|Dx$,JQ99$H$J$k$3$H$b$"$j$&$k$H9pCN$7$F$*$/!#5^$J46@w>I$d2HDm$NET9g$K$h$kI$r8:$i$9!#-"F)@O
118. 野口浩司, 荒木大幸, 久留裕, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科での用手補助後腹膜鏡下/用手補助腹腔鏡下ドナー腎採取術:傾向スコアを用いた成績の検討, 第32回日本内視鏡外科学会総会, 2019.12.
119. 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 新規ABO不適合腎移植患者に対するエベロリムス使用の成績;傾向スコアを用いた1年目の検討, 第55回日本移植学会総会, 2019.10.
120. 目井孝典, 加来啓三, 知念澄志, 中房祐樹, 土井篤, 岡部安博, 中村雅史, 膵移植後の仮性動脈瘤に対するアプローチ, 第119回日本外科学会定期学術集会, 2019.04, 【背景】膵移植後仮性動脈瘤の発生率は1.4~8%との報告があり、膵液漏や縫合不全、感染症などの慢性炎症が誘因となることが多い。今回、2例の膵移植後仮性動脈瘤の症例を経験した。その適切なアプローチ法について検討する。【症例】症例1:40歳代男性。1型糖尿病に対する末期腎不全に対し3年前に生体腎移植を施行し、1年前に脳死下腎移植後膵移植を施行した。術後グラフト十二指腸穿孔を来し、経皮的ドレナージで改善した。術後6ヵ月目に治療抵抗性の膵拒絶反応によりグラフト機能廃絶となった。術後1年目に下血、貧血を認め、造影CTにより膵グラフト動脈吻合部の仮性動脈瘤破裂、十二指腸穿通に伴う下血と診断した。吻合部仮性動脈瘤であり、すでに膵グラフト機能は廃絶していたことからステントグラフト内挿術を施行した。その後、感染予防にステントを含めてグラフトおよび外腸骨動脈切除、血行再建術を施行した。症例2:50歳代女性。末期腎不全を伴う1型糖尿病に対し、脳死下膵腎同時移植を施行した。術後グラフト十二指腸穿孔を来たし�� !"7PHiE*%I%l%J!
121. 目井孝典, 加来啓三, 知念澄志, 中房祐樹, 土井篤, 岡部安博, 小川智子, 中村雅史, 当院における生体腎移植後の妊娠・出産症例の検討, 第52回日本臨床腎移植学会, 2019.02, 【目的】腎移植数の増加と共に移植後妊娠・出産症例は増加してきているが、臓器移植後の妊娠・出産はハイリスクであり、妊娠高血圧症候群、免疫抑制剤等、母体・児ともに多くの注意と対処が必要である。【対象と方法】2015年以降、当院で腎移植後妊娠・出産した7症例を、腎機能・尿蛋白の推移、母体合併症、在胎日数、分娩形式、出生時体重について検討を行った。【結果】原疾患はIgA腎症3例、多発性嚢胞腎 1例、ループス腎炎1例、先天性単腎症1例、原因不明1例であり、移植時年齢は、平均30.9±5.1歳(25~41歳)、移植から妊娠までの期間は50±26ヶ月(16~87ヶ月)で、妊娠時血清Cre 1.05±0.27㎎/dl(0.72~1.51㎎/dl)であった。免疫抑制剤はTac、MMF(またはEVR)、mPSLから、妊娠許可後にTac、AZA、mPSLへ変更した。母体合併症として妊娠高血圧症4例、妊娠糖尿病1例を認めた。在胎日数は33.4±6.1週(24~40週)で、経腟分娩が2例、帝王切開が5例と帝王切開が多かった。出生時体重は中央値2120g(328~2836g)で、超低出生体重児を2例、低出生体重児を2例認めた。母体の分娩後血清Creは 1.22±0.44㎎/dl(0.87~2.23㎎/dl)で、蛋白尿増加例を3例に
認めた。【結論】 移植後の妊娠・出産は、妊娠高血圧症候群の合併が多く、早産傾向で、低出生体重児の割合が多かった。また、妊娠前後で母体のCreの軽度増加および尿蛋白の増加を認める傾向にあった。.
122. 目井孝典, 加来啓三, 久留裕, 野口浩司, 岡部安博, 小川智子, 中村雅史, Clamp injuryを合併した生体腎移植の1例, 第56回九州外科学会・第56回九州小児外科学会・第55回九州内分泌外科学会, 2019.05, 【症例】49歳女性。原疾患IgA腎症に対し47歳時に血液透析導入。今回、夫をドナーとする生体腎移植術を施行した。血管吻合は右外腸骨動静脈に端側吻合で行った。再灌流後、腎グラフトの血流が不十分であり、吻合部を含めた外腸骨動脈が暗赤色に変化していた。腎グラフトを一旦体外に取り出し冷却保存し、外腸骨動脈内腔を確認すると、頭側動脈クランプ鉗子部をentryとする全長40mmの動脈解離を認めた。re-entryは吻合部約10mm足側であった。解離部を切除後に、ePTFE製人工血管を用いて欠損部を再建した。再建後、腎動脈は右内腸骨動脈と吻合することで腎移植を完了した。Clamp injuryのリスク因子として、高血圧、高脂血症、長期透析歴などによる動脈硬化が挙げられるが、本症例ではいずれも認めなかった。腎移植に限らず消化器外科領域での動脈再建時にも注意を要す。動脈解離の対処法含め症例を提示する。.
123. 知念澄志, 加来啓三, 目井孝典, 土井篤, 岡部安博, 中村雅史, 脳死下膵腎同時移植術直前にDSA陽性が判明した1例, 第46回日本膵・膵島移植研究会, 2019.03, 【緒言】臓器移植において、輸血、妊娠、移植などの感作によってHLA抗体が陽性化することがある。これにより抗体関連型拒絶反応のリスクが高くなり、移植臓器機能喪失の可能性が上がるため、感作歴の情報は非常に重要である。今回、登録待機中の感作後にCDC,FCXM再検査を行い陰性を確認したが、移植直前に陽性化していた症例を経験したので報告する。【症例】患者は36歳女性。15歳時にI型糖尿病を発症し、脳死下膵腎同時移植の第一候補となったため、当院に入院となった。移植日半年前に中絶し、その1ヶ月後の検査ではリンパ球交差試験のCDC、FCXM共にT細胞(-)B細胞(-)であった。しかし当院で移植前日に検査したところ、FCXM T細胞(+)B細胞(+) 、HLA 抗体検査(FlowPRA)は、DSA(+)、C1q DSA(dim)であった。移植後9日目より尿量の低下および腎機能の悪化を認めた。膵酵素の上昇はなく血糖値に著変は認めなかったが、臨床所見より臨床所見および術前のHLA抗体検査から抗体関連型拒絶反応を強く疑った。治�� NE$H$7$F7l^y8r49$*$h$SRituximabの投与により尿量および腎機能は改善し、移植後22日で退院となった。【考察】HLA抗体が感作後に陽性になるまでの期間は個人差が大きいとされている。よって輸血や妊娠歴などのイベントがあった待機中レシピエントは、臓器移植ネットワークの保存血清の更新や移植施設での再検査が必要であり、また検査時期についても検討が必要と考えられた。.
124. 知念澄志, 加来啓三, 目井孝典, 土井篤, 岡部安博, 中村雅史, 当科における移植後悪性腫瘍の検討, 第119回日本外科学会定期学術集会, 2019.04, 【背景】近年免疫抑制剤の進歩により臓器移植の長期成績は向上してきている。しかしその一方で、免疫抑制剤が必要である移植患者において悪性腫瘍の発生頻度は一般人口の3-4倍といわれており、悪性腫瘍はレシピエントの死因の上位を占めている。よって悪性腫瘍の早期発見や早期治療が重要と考えられている。今回、当科における臓器移植後の悪性腫瘍について検討した。【対象と方法】2000年7月から2016年7月までに当科で施行した移植症例808例を対象とし、悪性腫瘍の発生率、腫瘍の種類、転帰、発見の契機を検討した。【結果】悪性腫瘍の発生率は6.2%(50/808例)であった。腫瘍の種類は、大腸癌(13例)、皮膚癌(7例)、自己腎癌(6例)、乳癌(5例)、肺癌(4例)の順に多かった。また稀なものとして移植腎癌を2例に認めた。発見の契機は、自覚症状が20例、検診が30例であった。発癌した症例の転帰は、9例が癌関連死に至った。9例のうち発見契機が自覚症状であったものは7例であり、検診�� $KHf$Y$FB?$+$C$?!#!Z9M;!![0\?"8e$N%U%)%m!INc$NH>?t0J>e$G$"$j!"8!?G$N=EMW@-$,
125. 知念澄志, 加来啓三, 目井孝典, 土井篤, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植後の廃絶腎に静脈血栓を来した1例, 第56回九州外科学会・第56回九州小児外科学会・第55回九州内分泌外科学会, 2019.05, 移植腎廃絶後3年目に、移植腎静脈血栓を発症し、腎摘出術を要した症例を経験した。患者は41歳男性。VUR による末期腎不全に対して、25年前に右腸骨窩生体腎移植を施行し、4年前に左腸骨窩に二次移植を施行した。今回、右側腹部痛で受診し、単純CTで右廃絶 腎周囲に炎症を認め、腎盂腎炎の診断で入院とした。入院2日目に呼吸苦が出現し、造影CTで右移植腎の静脈吻合部位および肺動脈に血栓を認めた。未分画ヘパリンによる治療的抗凝固療法を開始し血栓縮小したため、経口抗凝固薬(NOAC)に変更し16日目に退院とした。しかし、退院10日後に右下腹部痛が出現し、右廃絶腎残存血栓に伴う腹痛の改善と再度の肺塞栓予防を目的に廃絶腎摘出術を施行した。二次移植腎機能含め、経過良好で術後14日目に退院とした。移植後廃絶腎の血栓症は再発のリスクも高く、抗凝固療法のみならず移植腎摘出術も念頭においた治療が必要である。.
126. 荒木大幸, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 下大静脈周囲のリンパ節腫大に対して後腹膜鏡下でリンパ節生検を施行した一例, 第32回日本内視鏡外科学会総会, 2019.12, 後腹膜腫瘍の診断に対しては、CTガイド下や超音波内視鏡下での穿刺細胞診や開腹下、腹腔鏡下、後腹膜鏡下でのリンパ節生検が施行されている。特に、悪性リンパ腫等では免疫染色や遺伝子解析のために十分な量の検体が必要であり鏡視下手術の良い適応である。症例は66歳女性。眼の違和感を主訴に近医眼科を受診し結膜悪性リンパ腫が疑われ、結膜腫瘍摘出術を施行したところ結膜の濾胞性リンパ腫の診断であった。精査目的のPET-CTで腰椎L4レベルの下大静脈背側にFDG高集積(SUV max=20)を伴うリンパ節を認めた。悪性リンパ腫の悪性転化の可能性が疑われ、当科で同部位のリンパ節生検を行う方針となり、右後腹膜鏡下後腹膜リンパ節生検を施行した。後腹膜腫瘍は周囲の大血管や腎臓、尿管、脊椎、筋肉等に接していることが多く安全に腫瘍に到達することが必要である。後腹膜鏡下で施行されたリンパ節生検の報告例はまだ多くなく、今回後腹膜鏡下リンパ節生検の有用性・安全性に関して文献的考察を交えて報告する。.
127. 久留裕, 加来啓三, 目井孝典, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史, 同一施設で施行した同一ドナーからの献腎移植レシピエント第一、第二候補の経過報告, 第55回日本移植学会総会, 2019.10, 献腎移植において、同一ドナーから提供を受けた左右腎の多くは別施設でそれぞれ移植されるため詳細な相互評価は難しい。今回、当院待機患者が献腎移植レシピエント第一候補、第二候補となった6事例12症例について経過報告を行う。<BR>6事例中5事例で第一候補にドナー左腎を移植した。透析離脱までに要した日数は第一候補14.5日、第二候補11.2日であり、その差は最長10日であった。平均TITは第一候補575.3分、第二候補615.8分であった。2群間の差は最小30分、最大585分であった。術後3ヵ月目の平均Cr値は、第一候補が1.77mg/dl、第二候補が1.99mg/dlであった。<BR>3事例について症例報告する。【症例1】左腎の腎動脈に解離性病変を認めたため、第一候補に右腎を移植した。左腎は腎動脈内膜解離部をドナー腸骨動脈で置換再建し、第二候補に移植した。【症例2】解離性大動脈瘤を死因とする高齢ドナーからの移植例では、1例が動脈吻合部破綻でグラフトロスとなり、残る1例もCr�
$B9bCM$G?d0\$7$F$$$k!#!Z>INc3】 レシピエント因子がほぼ同様のケースにおいて、片腎の透析離脱が遅れたため拒絶反応を疑い治療介入した。ステロイドパルス後から尿量増加し透析離脱可能となった。同一ドナーからの移植では類似した経過を辿ることが多く、対側腎の情報は治療上有益である。また、同一施設の場合、左右腎の選定の自由度が高いメリットがある。.
128. 加来啓三, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 岡部安博, 中村雅史, 膵移植における拡大基準ドナーの検討とスコアリング化, 第55回日本移植学会総会, 2019.10, 【目的】Expanded criteria donor (ECD)からの移植においては、その基準を明確にする必要があるが、客観的指標の確立には至っていない。そこで今回、ECDが移植後成績に与える影響の検討とスコアリング化によるドナー基準作成を目的とする。【対象と方法】2001年から2019年4月にかけて当科で施行した脳死膵移植62例を対象とした。ドナー因子として年齢、性別、死因、心停止既往の有無、HbA1c、BMI、身長、TIT、AMY、LDH、Crを評価項目とし、次の検討を行った。1) 膵移植後予後因子の解析。2) 予後因子を抽出しECDスコアとして算出。3) ECDスコア別の移植後成績の検討。 【結果】1) 多変量解析の結果、高身長が独立危険因子であった(p<0.05)。2) 身長に加え、移植後予後因子となる可能性が示唆された性別、心停止の既往、Cr、HbA1cを加えた5項目をECDスコアとして算出(0-5点)したところ、0-1点; 19例(30.6%)、2-5点; 43例(��� (B69.4%)であった。3) 2群間の比較では、ECDスコア0-1点群で予後良好であった(5年膵生着率 100% vs 67.1%, p=0.0368)。ECDスコア別に見ても、点数が高いほど予後が悪い傾向があった。【結語】ECDからの移植にあたっては、複数の予後因子を含めた総合的な判断が必要となる。スコアリング化は客観性を持たせる一つの指標として有用であると考える。.
129. 加来啓三, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 岡部安博, 中村雅史, 新戦術 腎移植免疫抑制リレープロジェクト, 第55回日本移植学会総会, 2019.10.
130. 加来啓三, 岡部安博, 目井孝典, 知念澄志, 中房祐樹, 土井篤, 中村雅史, マージナルドナーからの脳死膵臓移植の検討と膵移植後合併症対策, 第119回日本外科学会定期学術集会, 2019.04, 【はじめに】本邦での脳死膵臓移植は脳死ドナー不足の背景から必然的にマージナルドナーが多い状況である。マージナルドナーからの移植成績は一概に不良とは言えず、その定義づけを困難にしている。しかし、移植後早期の合併症である拒絶反応、血栓症発生との関連も考えられ、ドナー選定にあたり一定の基準は必要と考える。また、ドナー要因のみならず手術手技が与える外科的合併症のコントロールも治療成績に大きな影響を与える。【現況と今後の課題】当院では、ドナー選定にあたっては年齢・BMI・HbA1cを主要項目として重要視し、ドナー死因・既往歴・血糖をはじめとしたその他の因子を副項目として総合的に判断している。加え、今後さらに脳死膵移植件数の増加が想定されるなか、膵移植後合併症の克服は喫緊の課題である。手術侵襲の大きさゆえ、本邦のみならず海外でも合併症の報告事例は多い。合併症の要因はマージナルドナー要因に起因するものや、長期糖尿病歴、透析歴によるレシピエント要因から手術手技的要因まで多岐にわたる。ドナー不足の本邦ではどのようにして限られたドナーソースを有効活用し、かつ良�� 9%$J0\?"@.@S$rC4J]$9$k$+$,8=>u5a$a$i$l$F$$$k2]Bj$G$"$k!#%I%J!I$r6KNOM^$($ku;D$5$l$?2]Bj$G$b$"$k!#!ZI>2A9`L\![2018年8月までに当院で施行した脳死下膵臓移植54例を対象とし、マージナルドナーの適応と限界を検討する。生存率、膵腎グラフト生着率、マージナルドナーからの成績、予後危険因子の解析を行う。また、膵臓移植後合併症に関し、要因、対策につき考察する。【結語】拒絶反応、1型糖尿病再発、感染症といった長期成績に関与する因子のコントロールに加え、短期合併症である出血、血栓症、縫合不全、イレウスなどの克服が現在の膵臓移植に求められている課題である。.
131. 加来啓三, 岡部安博, 目井孝典, 知念澄志, 中房祐樹, 土井篤, 中村雅史, Iliac vein transposition法とNon-anticoagulationを併用した膵臓移植の成績, 第46回日本膵・膵島移植研究会, 2019.03, 【目的】膵臓移植における主な合併症の一つが静脈血栓症である。血栓症はグラフト廃絶のリスクとなり、その予防と対策が重要である。血栓症の要因として、expanded criteria donorsからの移植のほか、レシピエントBMIや門脈延長がrisk factorとの報告がある。加え、門脈吻合部の捻じれや狭窄に伴うoutflow blockが発症要因の一つと考えられる。当科では、グラフトの固定、門脈の捻じれ予防を目的として後腹膜腔へグラフトを静置する術式を採用している。また、門脈が外腸骨動脈を乗り越えることで起こり得るoutflow blockを予防するため、レシピエント外腸骨動静脈を交差させるiliac vein transposition法を採用している。この上で予防的抗凝固療法を行っていない。今回、本術式による膵臓移植成績につき検討を行う。【方法】2016年8月から2018年11月までに当院で施行した膵臓移植17例中、解剖学的理由によりIliac vein transposition法が困難であった1例を除く16例を対象とし、血栓症、その他合併症ならびにD-dimer値、グラフト生着�� ($K$D$-8eJ};kE*$K8!F$$7$?!#7l@r>I$OD62;GHCGAXK!!"D62;GHDoppler法による確認とした。内腸骨静脈の切離ならびに門脈延長は全例で非実施であり、抗凝固療法も非実施とした。【結果】術式内訳は膵腎同時移植が14例、膵単独移植が2例であり、全例右後腹膜腔への膵臓移植を行った。グラフト門脈長18.2(15-25)mm、静脈吻合時間15.3(11-25)分であった。全例でインスリン離脱可能であり、全例血栓症は認めなかった。peak D-dimer値20.3(6.3-54.9)μg/ml、peak値までの移植後経過日数は5.8(1-14)日であった。膵グラフト1年生着率は91.7%であった。【結論】Iliac vein transposition法は、non anticoagulation下においても血栓症の発症リスクを低減させる可能性が示唆された。.
132. 加来啓三, 岡部安博, 土井篤, 知念澄志, 目井孝典, 中房祐樹, 小川智子, 小川慶歌, 中村雅史, 腎移植後外科的合併症の要因と対処法について, 第52回日本臨床腎移植学会, 2019.02, 【背景】腎移植後外科的合併症として、術後出血、リンパ漏、膀胱尿管合併症、吻合部破綻出血、動脈解離など多岐にわたる合併症を経験した。腎移植後外科的合併症には事前対策と早期発見および適切な対処が求められる。【方法】2011年以降当院で施行した腎移植症例602例を対象とし、外科的合併症の発生頻度ならびに対処法につき検討した。【結果】外科的合併症は49例(8.1%)に認めた。内訳は、術後出血31例(5.1%)、膀胱尿管合併症14例(2.3%)、治療を要したリンパ漏8例(1.3%)であった。ほか、創感染、イレウス、瘢痕ヘルニア、膀胱内血腫、創し開を各少数認めた。重篤な合併症として腸管損傷、血管吻合部破綻、腸骨動脈解離を各1例ずつ認めた。【結論】術後出血の約8割にあたる24症例で再手術での止血術を要した。血圧、尿量、血腫によるグラフト圧迫の有無を再手術の主な判断材料としている。膀胱尿管合併症も多くの症例で再手術もしくはステント留置を必要とする。主な合併症の要因と対策につき考察するとともに重篤な合併症への対応を提示する。特�� $K!"5)$K5/$3$k=EFF$J9gJ;>I$KBP$7$F$O!"NW5!1~JQ$JBP1~$K2C$(!"M=$a?U0\?"$G5/$3$jF@$k302JE*9gJ;>I$NGD0.$H6[5^;~$rA[Dj$7$?%7%e%_%l!
133. 岡部安博, 目井孝典, 知念澄志, 加来啓三, 土井篤, 宮本京子, 小川智子, 中村雅史, 当院の献腎移植体制を見直す。患者のために何をすべきか。, 第52回日本臨床腎移植学会, 2019.02.
134. 岡部安博, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 膵臓移植~長期成績向上に向けて我々がすべきこと~, 第55回日本移植学会総会, 2019.10, 臓器別パネルディスカッション 膵臓移植~長期成績向上に向けて~本邦の膵臓移植も約400例が実施され、その成績も世界に誇れるものである。しかしながら、未だ腎移植と比較して長期成績が不良である。その原因としては、血栓症をはじめとする短期合併症、拒絶反応、感染症、悪性腫瘍、1型糖尿病の再発など種々の要因がある。本パネルディスカッションでは、膵臓移植の長期成績を向上させるには何が必要か、いかなる取り組みをしたら良いかについて、各施設の経験をもとに論じていただきたい。はじめに:膵臓移植の長期成績を改善するためには腎移植後膵移植(PAK)、膵単独移植(PTA)の成績を向上させる必要がある。また膵腎同時移植(SPK)の成績は良好であるが、縫合不全、膵液瘻、腸閉塞などの消化管合併症や術後出血、血栓症などの短期合併症によるグラフトロスを減らし、膵臓移植全体の成績を向上させる必要がある。対象:2001年8月から2019年5月までの66件の膵臓移植を対象とした。SPK:51例、PAK:9例、PTA:6例であった。結�� 2L!'SPKは1年、5年生着率は91.9%、85.2%であり成績良好であったが、PAKではそれぞれ75.0%、45.0%、PTAでは66.6%、16.6%とPAK, PTAの長期成績が不良であった。膵のグラフトロスは15例あり、その原因は拒絶反応10例、血栓2例、再発1例、Death With Functioning Graft: 2例であった。考察:今後はPAK、PTAでの拒絶反応対策が必要と考えられるがすでにPAK,PTAでは導入にATGを使用しているため、mTOR阻害剤の追加や膵生検などの更なる工夫が必要である。また膵移植の短期合併症への対策として当科での血栓症予防の工夫や消化管縫合不全への対策を紹介したい。 結語:PAKやPTAの成績を向上させ、短期合併症をコントロールしなければ膵移植の長期成績は向上しないし膵移植の件数も増えていかない。.
135. Mei T, Noguchi H, Tsuchimoto A, Kaku K, Okabe Y, Nakamura M, One-Year Outcome of Everolimus with Standard-Dose Tacrolimus Immunosuppression in de novo ABO-Incompatible Kidney Transplantation, 16th congress of the asian society of transplantation(CAST2019), 2019.09.
136. Mei T, Noguchi H, Hisadome Y, Kaku K, Nishiki T, Tsuchimoto A, Okabe Y, Nakamura M, Risk factors for hepattitis B virus (HBV) reactivation after kidney transplantation in occult HBV carriers.
, 16th congress of the asian society of transplantation(CAST2019), 2019.09, Background: Hepatitis B virus (HBV) reactivation is associated with complications and adverse outcomes in patients with clinically resolved HBV infection who are seronegative for hepatitis B surface antigen (HBs Ag), and seropositive for hepatitis B core antibody (HBc Ab) and/or hepatitis B surface antibody (HBs Ab) before kidney transplantation (KT). We explored the outcomes of and risk factors for HBV reactivation after KT in the patients with resolved HBV infection.Methods: We retrospectively analyzed 52 patients with resolved HBV infection who were HBV-DNA negative. HBV-DNA after kidney transplantation were evaluated, and the occurrence of HBV reactivation and outcomes were monitored.Results: Among the 52 patients, the mean age was 57.2 (I1(B 10.8 years. The median HBc Ab titer was 12.8 (interquartile range, 4.6?42.6) cut off index, and five (9.6%) cases of HBV reactivation occurred. No patients developed graft loss and died due to HBV react
ivation. In the multivariate analyses, the HBc Ab titer and age were independent risk factors for HBV reactivation (p=0.0486 and p=0.0381, respectively). No significant differences were found between graft survival and the presence or absence of HBV reactivation.Conclusion: Our study revealed that the HBc Ab titer and age were independent risk factors for HBV reactivation in patients with resolved HBV infection after KT. Being patients with resolved HBV infection did not appear to be associated with patient or graft survival, regardless of whether HBV reactivation occurred as shown by serial monitoring of HBV-DNA..
137. Kaku K, Noguchi H, Okabe Y, Nakamura M, Results of pancreas transplantation without anticoagulation therapy, 第31回日本肝胆膵外科学会・学術集会, 2019.06.
138. Kaku K, Noguchi H, Okabe Y, Nakamura M, Preoperative Muscle Volume Predicts Graft Survival After Pancreas Transplant, 1st Congress of Asian Pancreas and Islet Transplant Association, 2019.02, Background. Several studies have suggested that decreased muscle volume is associated with attenuation of immune function. The recipient’s immune system is responsible for rejection of transplanted organs, which is a major cause of graft loss after transplantation.We aimed to determine whether muscle volume is correlated with graft survival after pancreas transplantation (PT).Methods. Forty-three patients underwent PT for type 1 diabetes mellitus at our institution from August 2001 to May 2016. The quantity of skeletal muscle was evaluated using the psoas muscle mass index (PMI). The correlation between PMI and outcome after PT was assessed.Results. A total of 32 and 11 recipients underwent simultaneous pancreasekidneytransplantation (SPK) and PT alone/pancreas after kidney transplantation,respectively. Patients with a surviving graft showed a significantly lower PMI than those with graft loss (P . .0451). We divided the recipients into two
groups according to the PMI cutoff values, which were established using receiver operating characteristic curves. The cumulative graft survival rate was significantly higher in patients with a low PMI (P . .0206). A multivariate Cox regression analysis revealed that a low PMI (P . .0075) is an independent predictive factor for better graft survival. A low PMI was not a significant predictive factor for acute rejection, but was an independent predictive factor for graft survival after the first acute rejection (P . .0025).Conclusions. Our data suggest that muscle volume could be a predictor of graft survival after PT..
139. Kaku K, Noguchi H, Okabe Y, Mori Y, Nakata K, Miyasaka Y, Ohtsuka T, Nakamura M, , Surgical resection of liver, pancreas and lung metastases after resection of a huge leiomyosarcoma, 第31回日本肝胆膵外科学会・学術集会, 2019.06.
140. Hisadome Y, Noguchi H, Araki T, Mei T, Kaku K, Okabe Y, Oda Y, Nakamura M, Association of pretransplant BKV antibody status with BKV infection after kidney transplantation: a prospective cohort pilot study of 47 transplants, 16th congress of the asian society of transplantation(CAST2019), 2019.09, Objectives: Prevention and early detection of BK polyomavirus (BKV) infection is important for long-term kidney graft survival; hence, pretransplant screening methods are essential to identify recipients at high risk. This study investigated the association of pretransplant donor and recipient BKV antibody status with the occurrence of post-transplant BKV infection. Methods: We prospectively enrolled 47 adult living-donor kidney transplant pairs from December 2014 to January 2016. Recipient and donor pretransplant BKV antibody titer was measured by hemagglutination inhibition (HI) test. Donor and recipient median HI titer of 1:20 was used as a cutoff to define seropositivity. Recipients were divided into two groups [BKV antibody donor-seropositive/recipient-seronegative (D+/R-) and non-D+/R-]. Urinary cytology was used to screen for BKV infection. Plasma polymerase chain reaction testing for BKV DNA was utilized when decoy cells in
urine were persistently detected.Results: Nine (19.2%) of 47 patients belonged to the D+/R- group. Decoy cells were observed in 32 recipients (68.1%) during follow-up. BK viremia occurred in three (6.4%) cases. The maximum decoy cell count was significantly higher in the D+/R- group than in the non-D+/R- group (P=0.0002). Decoy-cell-free survival was significantly shorter in the D+/R- group (P=0.0220). Multivariate analysis identified only BKV antibody serostatus as an independent risk factor for decoy cell appearance (P=0.0491). Conclusions: Pretransplant donor and recipient BKV antibody status was associated with higher maximum decoy cell count and shorter decoy-cell-free survival after kidney transplantation..
141. Araki T, Noguchi K, Kaku K, Okabe Y, Nakamura M, Hand-assisted laparoscopic versus hand-assisted retroperitoneoscopic living-donor nephrectomy: a retrospective, single-center, propensity-score analysis of 840 transplants using two techniques, 16th congress of the asian society of transplantation(CAST2019), 2019.09, Objectives: Living-donor kidney transplantation (LDKT) is the most realistic option to reduce donor shortages for patients with end-stage kidney disease. Hand-assisted laparoscopic donor nephrectomy (HALDN) and hand-assisted retroperitoneoscopic donor nephrectomy (HARDN) have been undertaken at our institute. We compared these two surgical procedures with respect to donor outcome and the graft function of recipients.Methods: We reviewed data from 840 consecutive live-donor kidney transplants from October 2003 to April 2019. Propensity scores were calculated for each patient using bivariate logistic regression.Results: After propensity-score matching, the two groups each contained 205 patients. Donors in the HALDN group had a longer procedure time (217 min, P < 0.0001), less estimated blood loss (51 mL, P < 0.0001), lower serum levels of C-reactive protein at postoperative day (POD)1 (7.9 mg/dL, P < 0.0001) than those in the HARDN group. T
here were 21 modified Clavien-classifiable complications among the study groups. A significantly higher conversion to open surgery was noted in the HARDN group (P = 0.0181) than in the HALDN group, but there was no significant difference in the prevalence of complications in either group. There was no significant difference in the estimated glomerular filtration rate of recipients at POD14 between the two groups.Conclusions: Safety and early graft function of HALDN in LDKT are comparable to or even better than that of HARDN..
142. 野口浩司, 土本晃弘, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 長期生着への問題点と当科でのエベロリムス併用免疫抑制療法, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02.
143. 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 一般外科医のための後腹腔鏡下腎採取術:技術認定医取得に向けて, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02.
144. 目井孝典, 野口浩司, 久留裕, 加来啓三, 末次王卓, 岡部安博, 中村雅史, ボノプラザンフマルサン酸塩のタクロリムス血中濃度における影響, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02, 緒言:ボノプラザンフマル酸塩(P-cab)は、その胃粘膜予防効果とラベプラゾールNa(Rab)と同様にタクロリムス(Tac)への血中濃度が少ない薬物としてその使用頻度は増加している。しかし、腎移植後のP-cabのTacの血中濃度への影響を調べた報告はない。方法:①2019年4月~7月まで当院に通院する腎移植後患者で、Tac投与量の変更がなく、MMF、mPSLを内服している患者の3ヶ月の血中濃度(C0)の平均/投与量(C0/D)比を、P-cab群とRab群に分けて比較した。②腎移植後、RabからP-cabにconversionし、その前後3ヶ月でTacの投与量を変更していない患者の前後3ヶ月の血中濃度(C0)の平均を比較した。結果:①P-cab群(n=50)とRab群(n=42)で患者背景に差は認めなかったが、C0/D比でP-cab群(2.59±1.21)がRab群(2.17±0.72)に比べて有意に(p=0.0404)高かった。②RabからP-cabにconversionした患者��� B(n=23)のTac濃度は、前平均(4.5±0.7)、後平均(5.0±0.8)と有意に(p=0.0030)で上昇した。結論:①、②の結果より、P-cabは、Rabに比べてTacの血中濃度への相互作用がある可能性が示唆された。.
145. 大城彩香, 中村宇大, 大隈俊明, 東大樹, 於久祐太郎, 吉成匡人, 平川洋一郎, 加来啓三, 九州大学病院における膵臓移植登録の実際と膵腎同時移植時の血糖管理, 第47回日本膵・膵島移植研究会, 2020.03.
146. 久留裕, 野口浩司, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 小川智子, 中村雅史, 当科における心停止ドナー腎摘出手術, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02, 【緒言】改正臓器移植法の施行以降、脳死下での臓器提供数は増加しているが、心停止下での提供数は停滞している。2017年の心停止下腎移植件数は65件であった。移植医が心停止下臓器摘出のトレーニングを積む機会は決して多くなく、限られた症例数のなかで摘出手技を習得する必要がある。われわれは1.安全で確実な摘出手技 2.他の腹部臓器の摘出にも対応出来る手技の定型化 の2点を意識して摘出手術を行っている。【手術手技】腹部大動脈からのカニュレーションを行い、潅流・冷却を開始する。はじめに右側結腸から小腸までの腸間膜を後腹膜から剥離し、上腸間膜動脈(SMA)と上腸間膜静脈(SMV)を含む小腸間膜を根部で一括でクランプして切離する。潅流開始直後にこの操作を行うことで、腎動脈に優先的に潅流液が流れ、より有効な潅流を行うことができると考えている。腸管損傷の危険性も低く、安全に小腸を遊離することができる。左側結腸まで授動した後、口側は十二指腸と胃を膵から剥離して遊離させ、消化管を全て体外へ排除する。これにより良好な視野が得られ、必要な臓器�� r0BA4$+$D3N$NMWE@$r4^$a!"Ev1!$G9T$C$??4Dd;_2
147. 久留裕, 加来啓三, 目井孝典, 野口浩司, 岡部安博, 大城彩香, 中村宇大, 中村雅史, 先行的脳死下膵腎同時移植の1例, 第47回日本膵・膵島移植研究会, 2020.03,  本邦において先行的脳死下膵腎同時移植の報告はない。今回、透析導入前の1型糖尿病患者に対し脳死下膵腎同時移植を行った1例を報告する。 症例は34歳、女性。11歳時に1型糖尿病を発症し強化インスリン療法を導入された。血糖コントロール不良で腎機能障害が進行し膵腎同時移植登録のため当院を受診した。初診時のCre 3.20mg/dL、eGFR 14.9 mL/min/1.73m2であった。先行的膵腎同時移植を目指して登録検査を速やかに開始した。登録完了後、待機期間60日を経て脳死下膵腎同時移植第一候補となった。ドナーは18歳、女性。BMI 19.2、死因は低酸素脳症、Cre 0.47mg/dLとマージナル要素なく、血糖コントロールは良好であった。HbA1c 6.2%とやや高値であったが偽高値と考え、既にレシピエントの腎機能はCre 4.93mg/dL、eGFR 9.1 mL/min/1.73m2まで悪化しており先行的移植が可能な事実上最後の機会と考え、総合的判断のもと移植を行った。術後合併症なく経過良好で退院となった。 本邦では2012年より先行的献腎移植の登録が可能となってお�� j!"1型糖尿病による末期腎不全症例では透析導入前に脳死下膵腎同時移植を行える可能性がある。しかしながら実際に移植に至った症例の詳細な報告はない。欧米では透析導入前の膵腎同時移植は比較的一般に行われており、生存率、腎グラフト生着率や術後合併症の点で透析導入後の移植と比べ成績が良いことが示されている。 先行的脳死下膵腎同時移植を行うためには早期からの登録検査、申請手続きの開始が必要である。eGFR<15mL/min/1.73m2で登録申請可能なことを周知し、連携科とも協力のうえ速やかに登録を進める。一方でドナーの選定も重要となる。脳死ドナーが不足している本邦での膵移植の平均待機期間は約3年半であり、登録が完了しても待機期間中に透析導入となる可能性がある。このような状況の中で先行的脳死下膵腎同時移植を実現するにはマージナルドナーからの移植も検討するメリットがある。.
148. 加来啓三, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 岡部安博, 平安原知子, 中村雅史, 腎移植における選択的血漿交換療法 (SePE)の有効性の検討, 第65回日本透析医学会学術集会・総会, 2020.11, 【目的】腎移植では、血液型不適合移植、抗体関連型拒絶反応などにおいてアフェレシス療法による抗体除去を行うが、従来の二重濾過血漿交換 (DFPP)や単純血漿交換 (PE)では凝固因子の低下やFFP置換に伴うアレルギー反応が問題であった。そこで今回、選択的血漿交換 (SePE)の有効性につき検討を行った。【方法】2017年7月以降、当院でSePEを施行した29症例を対象とし、フィブリノーゲン (Fib)、ABO抗体価の減少率を従来のPEと比較検討した。【結果】29症例、計100回のアフェレシス療法の内訳はSePE 53回、PE 47回であった。1症例あたりの平均治療回数は3.52回であった。Fibの減少率はSePE群で有意に低かった (SePE 10.7% vs PE 39.5%: p<.001)。血液型不適合移植による術前抗体除去を16症例57回施行したが、抗体価の減少を認めた割合はSePE群で13.8% (4/29回)、PE群で64.3% (18/28回)であった。【結論】SePEはFibの減少を抑えることが�� DG=$G$"$k$,!"93BN2A8:>/$KBP$9$kM-8z@-$O99$J$k8!>Z$,I,MW$G$"$k!#.
149. 加来啓三, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植における栄養指標CONUTscoreによる予後予測, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02.
150. 加来啓三, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 岡部安博, 中村雅史, 血液型不適合腎移植に関する多角的検討, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02.
151. 加来啓三, 野口浩司, 久留裕, 目井孝典, 岡部安博, 大城彩香, 中村宇大, 中村雅史, Pancreas Donor Risk Indexによる本邦膵臓移植症例の解析と今後への応用, 第47回日本膵・膵島移植研究会, 2020.03, 【目的】本邦膵移植はExpanded criteria donorが多い一方で、ドナー適応を決定する際の客観的統一指標がない。本研究はドナー適応判断の均質化につながるグラフト予後予測指標の制定を目的とする。今回、Pancreas Donor Risk Index (PDRI)を用い本邦膵臓移植症例の解析と有効性の評価、ならびに今後の活用につき検証を行う。【対象と方法】日本膵・膵島移植研究会登録データを使用した。2001年から2019年に施行された本邦脳死下膵臓移植のうちPDRIの算出が可能であった369例を対象とした。PDRIと膵生着率、生存率との関連性を検証した。PDRIをスコア別に4つのカテゴリーに分け、各カテゴリーの予後と先行研究との比較検証を行った。PDRIの膵生着率に関する予後因子としての可能性につき多変量解析での検討を行った。【結果】PDRI中央値は1.88 (n=369)であり、米国の中央値1.00 (n=3375)と比べ高値であった。ROC曲線解析で求めた至適cut off値 (PDRI=1.60)によりPDRI-low群 (n=136)、high群 (n=233)の��� B2群に分け比較検証した。結果、PDRI-low群5年生着率90.5%、high群75.3%でPDRI-high群において有意に膵グラフト生着率は低値であった (p=0.0040)。PDRI値に基づき4つのカテゴリー(-1.15, 1.16-1.56, 1.57-2.11, 2.12-)に分類したところ、それぞれの1年生存率は92.9%, 93.0%, 92.0%, 84.6%であり、この結果は先行研究と比較しいずれも高値であった。膵生着に関する予後因子の検討を行ったところ、多変量解析においてPDRIが独立予後因子となった。【結論】PDRIは本邦膵臓移植症例においても有効なグラフト予後予測指標となりうる。PDRI低値は良好な生着率が期待される。一方で、本邦ではPDRI高値症例においても比較的良好な生着率を認めており、一概にドナー不適とすることは望ましくない。.
152. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, 腎移植における多職種連携, 第56回日本移植学会総会, 2020.11, 腎移植は院内外含めた多職種との連携のもと成り立つ高度医療である。単に移植手術の成否にとどまらず、術前から術後長期にわたり多方面からのサポートを必要とする。今回、一連の腎移植に携わるすべてのスタッフへ敬意を表すとともに、当院におけるその活躍を紹介する。近隣の透析病院、腎臓内科からの継続的な紹介なくしては、当院年間80-90例の腎移植は達成できない。専属コーディネーター、メディカルアシスタントによる患者家族との面談から腎移植医療はスタートする。ドナー、レシピエントそれぞれの術前の適応判断にあたっては、外科、内科、麻酔科含めた複数科の総合判断で行う。より安全かつ公正な移植を実現させるため、全予定腎移植症例を対象に外部委員を含めた院内委員会での討議を経る。脳死移植時の緊急対応の際も、手術部、麻酔科の協力により速やかな移植が可能であり、複数移植の同時実施に対しても最大限の理解、サポートが得られている。当然、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士の協力も必要であり、退院後の支援にはMSW、医療事務スタッフの存在も大きい。当院での累積腎移植症例も1100例を�� D6$(!"$=$N@.@S$b0BDj$7$F$-$?!#B?
153. 加来啓三, 岡部安博, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, 膵臓、腎臓移植における栄養指標COUNT scoreによる予後予測, 日本外科代謝栄養学会第57回学術集会, 2020.12.
154. 岡部安博, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 最適な免疫抑制剤について, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02.
155. 岡部安博, 加来啓三, 野口浩司, 目井孝典, 久留裕, 中村雅史, 小川智子, 小川慶歌, 特殊な原疾患を有するハイリスク症例~FSGSを中心に~, 第53回日本臨床腎移植学会, 2020.02.
156. 岡部安博, 加来啓三, 野口浩司, 目井孝典, 久留裕, 佐藤優, 小川智子, 小川慶歌, 中村雅史, 将来を担う若手移植医を育てるということ, 第56回日本移植学会総会, 2020.11.
157. 野口浩司, 富原一貴, 久留裕, 大隈俊明, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における膵臓移植合併症と対策 ―脳死膵臓移植69例の手術合併症の検討―, 第121回日本外科学会定期学術集会, 2021.04, 【緒言】膵臓移植は1型糖尿病に対する根治術であり、その成績は向上しつつあるものの依然としてその手術合併症は多い。膵臓移植における手術合併症は周術期における移植膵機能廃絶の理由として最も頻度が高いとされており、その予防とともに早期診断と治療介入が重要である。本シンポジウムでは、当科での手術合併症の検討と最近導入した周術期膵臓移植パスを踏まえて手術合併症への対策について考える。
【対象】2001年8月から2020年5月までに当院で施行された1型糖尿病に対する膵臓移植レシピエントのうち生体ドナー移植を除く同種死体膵移植術69例(膵腎同時移植55例、腎移植後膵移植10例、膵単独移植4例)を対象とし、術後3ヶ月以内のClavien-Dindo分類 ? grade IIIの症例を検討した。
【結果】69例のうちこれまで12例が廃絶し、1, 5, 15年(Death-censored)累積生着率はそれぞれ92.7, 82,1, 75.1%であった。Clavien-Dindo分類 ? grade IIIの合併症は21例(30.4%)中28件であり、術後出血7件、膿瘍形成5件、縫合不全5件、血栓症4件、仮性動脈瘤3件、腸閉塞3件、閉塞性膵炎1件であった。21例中11例に膵液関連合併症(膿瘍4例、縫合不全5例、仮性動脈瘤2例)を認めた。術後早期合併症による移植膵廃絶は血栓症の2例のみであった。膵液関連合併症の予測因子を解析したところ、多変量解析で術後1日目の血清膵アミラーゼ(P-Amy)が独立した予測因子[odds ratio 1.83 (Per 100U/L); 95%CI 1.07-3.14, P=0.008] として認められた。また受信者動作特性(ROC)曲線によるカットオフ値は390 U/L(area under curve, 0.734)であった。
【結語】偽動脈瘤、移植膵周囲膿瘍、縫合不全に代表される膵液関連合併症は膵臓移植後手術合併症のうちでも約半数を占め、周術期管理で予防および治療介入できる余地があると考えられる。この予測因子として術後1日目の血清P-Amy値の重要性が示唆された。.
158. 野口浩司, 中川兼康, 植木研次, 土本晃裕, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 慢性活動性T細胞性拒絶反応(CA-TCMR)の治療戦略, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02.
159. 野口浩司, 中川兼康, 植木研次, 土本晃裕, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植におけるエベロリムスの適切な使用方法 -エベロリムス併用免疫抑制療法の可能性-, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02, 2000年代の大規模試験の結果よりカルシニューリン阻害薬と抗体製剤、Mycophenolate mofetil (MMF)の併用療法が腎移植への標準的な免疫抑制療法となり、その強力な免疫抑制作用によって生体腎移植の生着率は安定したものとなった。一方で個々のニーズを満たすためには、有効性、安全性、忍容性を向上させた代替的な免疫抑制戦略が必要である。2011年に本邦で保険適応となったmTOR阻害薬であるエベロリムス (EVR)は、その作用機序から腎移植患者への様々な効果が期待されてきた。当科では2016年よりEVR + Standard-dose Tacrolimus (TAC) + steroid 3剤での免疫抑制プロトコルを中心に腎移植症例に積極的に用いてきた。その結果従来のMMFベースの3剤群と比べて、i) ABO不適合腎移植後成績に関しても遜色ないこと、ii) 定期生検でのIF/TAの割合が有意に少ないこと、iii) IgA腎症の再発率が有意に低いことが示唆された。さらに2017年に改訂されたi-IFTAの所見に代表される慢性活動性T細胞性拒絶症例に対してTAC + EVR + MMF + steroid
$B$G$N4剤併用を行い、病理学的に改善を得た症例を認めている。腎移植へのEVR併用療法に関する文献的考察とともに、当科でおこなったEVRを併用した免疫抑制療法の結果を検討することでEVRの可能性についても考察したい。.
160. 野口浩司, 植木研次, 松隈祐太, 土本晃裕, 加来啓三, 中村雅史, 当科における腎移植後慢性活動性T細胞性拒絶反応(CA-TCMR)の検討 , 第57回日本移植学会総会, 2021.09.
161. 野口浩司, 佐藤優, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科での鏡視下ドナー腎採取術の検討
-用手補助腹腔鏡下から後腹膜鏡下手術導入後の成績と医療費の検討-, 第34回日本内視鏡外科学会総会, 2021.12.
162. 目井孝典, 野口浩司, 佐藤優, 久留裕, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植後の腹壁瘢痕ヘルニアー危険因子と最適な修復法の検討, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02.
163. 目井孝典, 野口浩司, 佐藤優, 久留裕, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植後の腹壁瘢痕ヘルニア~危険因子と最適な不修復法の検討~, 第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会, 2021.02.
164. 目井孝典, 野口浩司, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当院における後腹膜鏡下ドナー右腎採取術の検討, 第57回日本移植学会総会, 2021.09, 【背景】当院ではドナー腎採取術に2019年5月から後腹膜鏡下腎採取術を導入している。当院での後腹膜鏡下ドナー右腎採取術について短期成績および安全性の検討を行った。
【方法】2019年5月~2021年5月までに当施設で行われた後腹膜鏡下腎採取術に関して、手術時間や出血量、入院期間、術後1日目のCRP、術後合併症(ドナーに起因するレシピエントの合併症を含めて)などの短期成績および安全性を右腎採取術と左腎採取術でRetrospectiveに比較検討を行った。
【結果】対象期間に行われた後腹膜鏡下腎採取術127例中12.5%にあたる16例が右腎採取術を施行していた。右腎採取術と左腎採取術を比較したところ (以下、右腎:左腎) 手術時間 (分) 243±80 : 226±69 (p =0.361)、出血量 (g) 33±46 : 69±116 (p =0.219)、術後入院期間 (日) 4.6±1.5 : 4.4±1.8 (p =0.617)、術後1日目のCRP (mg/dl) 4.5±1.3 : 4.8±1.5 (p =0.440)と右腎採取、左腎採取で有意差を認めなかった。また、右腎採取、左腎採取共にドナーに起因するレシピエントの合併症を含め、術後合併症を認めなかった。
【結論】後腹膜鏡下ドナー右腎採取術は、左腎採取術と比較して短期成績に遜色はなく、安全に施行できていた。
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165. 目井孝典, 大西秀哉, 野口浩司, 倉治竜太郎, 佐藤優, 久留裕, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腸管ディスバイオシスによる移植免疫への影響, 第121回日本外科学会定期学術集会, 2021.04, 【背景】拒絶反応が生じるメカニズムの一つとして、口腔の局所慢性炎症である歯周病と腎移植後の拒絶反応との関連性についての臨床報告がなされている。これまで、歯周病は、その原因の一つである歯周病原細菌が直接的または間接的に腸内細菌叢を変化させる (腸管ディスバイオシス) ことで、糖尿病や非アルコール性脂肪性肝炎などの代謝性疾患をはじめとする様々な全身的病態を引き起こすことが報告されてきたが、それと同じ原理で拒絶反応に関与する可能性がある。
【目的】本研究では、人為的な歯周病実験モデル動物を用いて、腸内細菌叢の腸管ディスバイオシスを惹起したマウスに皮膚移植を行い、歯周感染症に起因する拒絶反応への影響を明らかにする。
【方法】代表的な歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisを経口投与し、腸管ディスバイオシスを惹起したマウス (P.g群) とSodium Carboxymethyl Cellulose (CMC) のみ投与したマウス (CMC群) および無菌マウス群に、それぞれ同種皮膚移植を行い、(1)拒絶反応の有無と時期の早遅、(2)血中のサイトカインの定量比較、(3)腸間膜リンパ節におけるmRNAの発現をRT-PCRを用いて定量比較、(4)血中および脾臓内のTregとTh17の発現量の比較、(5)腸内細菌叢のシークエンス解析を行う。
【結果(仮説)】
P.g群では、CMC群および無菌マウス群と比較し、拒絶反応が早く惹起され、腸管ディスバイオシスにより血中の炎症性サイトカインが増加していた。また、腸間膜リンパ節では、炎症性サイトカインのmRNAの発現がP.g群において上昇した。加えて、腸内細菌叢解析では、Shannon Diversity indexの減少が認められた。 これらの結果から、今後の解析ではTregの増減とTreg/Th17比に変化が見られると予想される。
【結語】
腸管ディスバイオシスを惹起したマウスに同種皮膚移植を行うと炎症性サイトカインの上昇およびTreg/Th17比に変化が見られ、移植免疫への影響を認めることが予想された。
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166. 大城彩香, 大隈俊明, 坂本和可子, 東大樹, 於久祐太郎, 小森田裕二, 平川洋一郎, 加来啓三, 北園孝成, 当院における膵臓移植登録と周術期の血糖管理, 第48回日本膵・膵島移植研究会, 2021.03.
167. 水内祐介, 野口浩司, 佐田政史, 永吉絹子, 永井俊太郎, 加来啓三, 仲田興平, 大内田研宙, 岡部安博, 久保真, 中村雅史, 腎移植後大腸癌の治療成績―血液透析患者との比較―, 第121回日本外科学会定期学術集会, 2021.04, 腎移植は末期腎不全に対する血液・腹膜透析の代替手段として広く行われており、移植によって透析から離脱できるだけでなく、移植により長期予後の改善も期待できる。腎移植の増加につれ腎移植患者に対する大腸癌外科治療は今後も増えてくると考えられる。今回我々は腎移植後及び長期透析中の大腸癌手術症例について比較検討した。2008年~2015年に当院で大腸癌に対する根治手術を施行した腎移植後大腸癌3例及び透析中大腸癌17例を対象とした。腎移植群(Tx群)では男女比2:1で年齢は58.5 (48-70)歳、腎移植から大腸癌手術までの期間は112.7 (24-180)ヶ月、移植までの透析期間は21 (0-36)ヵ月であり、全員が免疫抑制剤を使用していた。透析群(HD群)では男女比は12:5で年齢は66.6 (51-80)、透析期間は38.0 (1-240)ヵ月であった。大腸癌の占拠部位はTx群で右側結腸3例、HD群で右側結腸10、左側結腸6例、直腸1例であり、全例に腹腔鏡手術での手術を施行した。BMIや手術時間、出血キ)タフ未卜招牡屬北世蕕・丙垢鯒Г瓩覆・辰拭・儻綛臺讃匹Tx群では術前から認めていた深部静脈血栓の増悪により術後に血栓吸引を要した症例以外には認めなかったが、HD群では腎移植前の全身精査で指摘された上行結腸癌術後に急変して術後91日に在院死となった一例をはじめ、Clavien-Dindo分類3以上の術後合併症を5例に認めた(縫合不全1例、心不全1例、喉頭浮腫による再挿管1例、深部SSI1例)。病理診断ではStage I:II:III Tx群1:1:1とHD群7:5:5と有意な違いは認めなかった。長期予後ではTx群は全例5年経過して無再発生存だが、HD群では1例に再発及び原癌死を認めた。その他、在院死を1例に、他病死を3例に認め、HD群の5年全生存率は62.5%であった。腎移植患者に対する大腸癌手術は透析患者と比較して短期成績に優れていた。原疾患の増悪や免疫抑制剤による感染リスクの増加など周術期管理には注意が必要だが腎移植患者に対する大腸癌手術は安全に施行できる。.
168. 小佐井孝彰, 三好圭, 加来啓三, 中村雅史, 診断に苦慮した前縦隔リンパ節転移を伴う腸型肺腺癌の一例, 第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会, 2021.02.
169. 佐藤優, 野口浩司, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における生体腎移植周術期での Daprodustat の安全性と有効性の検討, 第57回日本移植学会総会, 2021.09.
170. 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植直後に急性心筋梗塞により心停止した一例, 第40回九州腎臓移植研究会, 2021.07.
171. 佐藤優, 加来啓三, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史 , 馬蹄腎を伴う嚢胞腎に片側腎摘出と腎移植を一期的に施行した一例, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02.
172. 佐藤優, 加来啓三, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史, 膵移植におけるグラフト予後因子の検討, 第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会, 2021.02.
173. 今村柾紀, 目井孝典, 野口浩司, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における腹部手術歴のあるドナーに対する後腹膜鏡下腎採取術の成績の検討, 第34回日本内視鏡外科学会総会, 2021.12.
174. 久留裕, 野口浩司, 佐藤優, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における鏡視下ドナー腎採取術の臨床的検討, 第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会, 2021.02, 【背景】当科ではこれまで鏡視下ドナー腎採取術としてハンドアシスト後腹膜鏡下手術(HARDN)、ハンドアシスト腹腔鏡下手術(HALDN)、完全後腹膜鏡下手術(PRDN)の3種類の術式を行ってきた。
【方法】2003年10月から2020年10月までに当科で行った鏡視下ドナー腎採取術927例を対象とし、患者背景および手術結果を3術式間で比較した。
【結果】HARDN 634例、HALDN 213例、PRDN 80例であった。平均手術時間はそれぞれ185、218、231分(P<0.01)、平均出血量は196、50、76gであった(P<0.01)。術後合併症率は3.9%、4.7%、0%であった(P=0.1723)。平均術後在院日数はそれぞれ7.9、8.4、4.9日(P<0.01)、術後1日目の平均CRPは11.0、7.8、4.5 mg/dLであった(P<0.01)。
【結語】現行術式のPRDNは合併症がなく従来の術式と比較して安全性に遜色なく、また低侵襲な術式であると考えられた。当科で行ったPRDNの手術動画を供覧する。.
175. 久留裕, 野口浩司, 佐藤優, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 大隈俊明, 中村雅史, 腎移植患者におけるSGLT2阻害薬の安全性と有効性の検討, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02, 【背景】Sodium-glucose cotransporter 2阻害薬(SGLT2i)は血糖降下作用だけでなく体重減少や血圧低下、脂質改善、心血管予後・腎予後改善効果などを認めることが近年着目されている。腎移植患者におけるSGLT2iの有効性と安全性は確立していない。
【対象と方法】2003年10月から2019年9月までに糖尿病性腎症を原疾患とする末期腎不全に対し当科で腎移植を行った183例のうち、フォローアップ中にSGLT2iを開始した患者(SGLT2i群)とその他の経口血糖降下薬を開始した患者(Control群)について、12ヶ月間の短期アウトカムを比較した。
【結果】SGLT2i群は29例、Control群は63例であった。SGLT2i群は薬剤開始時のBMIが有意に高かった(中央値29.5 vs 23.8, P<0.0001)。12ヶ月後のHbA1c変化量は2群間で同等で(-0.2 vs 0%, P=0.84)、SGLT2i群では体重が有意に減少していた(-2.95 vs 1.3 kg, P<0.0001)。eGFR(mL/min/1.73m2)には2群とも有意な変化はなかった。SGLT2i群は尿路感染症が多い傾向があったが(6.9% vs 0%, P=0.097)、その他の有害事象発生率に有意な差はなかった。
【結語】SGLT2iは糖尿病性腎症を原疾患とする腎移植患者においても安全に使用でき、肥満に対する効果を認めた。特有の合併症である尿感染症には十分注意する必要がある。.
176. 加来啓三, 佐藤優, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史, 脳死膵移植に対するスコアリングモデルを用いた至適なドナー・レシピエント選択, 第121回日本外科学会定期学術集会, 2021.04, 【背景】Expanded criteria donor(ECD)からの膵移植が多く行われているが、明確なドナー選択基準はなく、レシピエント因子含めグラフト予後に関わる因子については未だcontroversialである。膵移植は高侵襲手術であることに加え、多くのレシピエントが長期透析歴、糖尿病歴を持つため周術期合併症の頻度も高い。そのため、適切なドナー・レシピエント選択は安全な膵移植の遂行にあたり不可欠な要素である。
【目的】予後、安全性向上を目的とした至適なドナー・レシピエント選択基準を検討する。
【対象と方法】2001年から2020年8月に当院で施行した脳死膵移植74例を対象とした。ドナー・レシピエント各因子とグラフト予後との関連に関して、Cox比例ハザードモデルによる単変量・多変量解析を行った。多変量解析による回帰係数をもとに予後予測モデルを作成した。モデルの識別能はROC曲線下面積(c-statistics)で評価し、作成したモデルを用いて内的整合性の検証を行った。
【結果】多変量解析で膵移植後グラフト予後に関連した有意因子は、術式(膵単独移植)
[HR, 8.45; 95% CI, 1.84-38.9; p=0.0061]とレシピエント年齢[HR, 0.90; 95%CI, 0.82-0.98; p=0.0185]であった。回帰係数をもとに術式、レシピエント年齢に加え、臨床的重要性を加味し選択したドナー年齢・HbA1c・BMI・死因・心肺停止の有無の計7項目をスコア化し、各変数のスコアを合算することで予後予測モデルを作成した。モデルのc-statisticsは0.86[95% CI, 0.76-0.97]であった。スコアによりlow score群, high score群に分類しモデルの内的整合性を検証したところ、high score群で有意にグラフト予後不良であった(p<0.001; Log-rank test)。
【結語】膵移植において、単一因子での予後予測は困難であることから複数因子を組み合わせたスコアリングモデルが有用であった。
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177. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , 将来の膵臓移植を担うべき人材を考える, 第57回日本移植学会総会, 2021.09.
178. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , 後腹膜鏡下ドナー腎採取術における難易度予測モデルの構築, 第31回九州内視鏡・ロボット外科手術研究会, 2021.09.
179. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, 脳死膵臓移植において手術因子が治療成績に与える影響, 第57回日本移植学会総会, 2021.09.
180. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, 横紋筋融解症を発症した心停止ドナーからの腎移植, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02, レシピエントは15歳男児。透析未導入であり、Cr 6.79mg/dl, BUN 86mg/dlであった。ドナーは18歳女性。原疾患は蘇生後脳症。第2病日に一般的脳死状態となり、第3病日にカニュレーション実施し、ヘパリン持続注入を開始。第5病日死亡確認。グラフト摘出は、臓器摘出・搬送の互助制度を用い、北海道ブロックの移植医に依頼した。ダブルバルーンカテーテルを用いて体内灌流開始。WITは1分。腸管の灌流状態は良好にも関わらず、両腎の灌流状態は不良であった。体外灌流を行うも、グラフトの色調は暗赤色と不良であった。摘出直前のドナーの状態は、無尿時間はなく、死亡6時間前まで収縮期血圧は70mmHg前後と保たれていた。最終Crは1.43mg/dl。一方、第3病日よりCKが上昇し、第5病日には57040 U/Lと高値であった。比較的灌流状態の良い右腎をレシピエントに移植した。TITは709分。再灌流後のグラフトの張り、色調は不良であった。しかし、術中エコーではグラフト血流良好であり、初尿も認めた。術後もグラフト血雷オ梏「楼豐咾靴椴氷イ任△辰拭0hr biopsyもATIの所見を軽度認めるのみであった。POD4よりCrは改善に向かい、POD31にCr 1.33mg/dlで退院とした。
 ドナーは横紋筋融解症を発症していたと考えられる。適応判断に苦慮したが良好な結果が得られた。
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181. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 大城彩香, 大隈俊明, 中村雅史, 本邦脳死膵移植データを用いた膵グラフト予後予測モデルの創出と検証

, 第48回日本膵・膵島移植研究会, 2021.03, 【目的】Expanded criteria donorが多い本邦において、ドナー適応を判断する際の根拠となるグラフト予後予測モデルの創出を目的とする。
【方法】日本膵・膵島移植研究会登録データを使用した。2001年から2019年に施行された脳死下膵腎同時移植 (SPK)、腎移植後膵移植 (PAK) 345例を対象とした。i) pancreas donor risk index (PDRI)の外的妥当性を評価した。ii) ホールドアウト法を用いて対象を無作為に2:1の割合でスコアリングモデル作成群(derivation cohort: DC 230例)と検証群(validation cohort: VC 115例)に分割した。DCを用いてCox比例ハザードモデルによる多変量解析を行い、回帰係数をもとに予後予測モデルを作成した。モデルの識別能はROC曲線下面積 (c-statistics)で評価し、作成したモデルはVCで交差妥当性の検証を行った。
【結果】i) PDRIのカットオフ値を膵グラフト生着のROC曲線より2.70と設定し2群に分けた。膵グラフト5年生着率は、Low-PDRI群 (n=273) 87.8%、High-PDRI群 (n=72) 70.4%でありLow群で有意に予後良好であった (p=0.0003)。多変量解析では、PDRIは膵グラフト生着の独立予後因子であった。ii) DCにおける単変量解析の結果、膵グラフト生着に関連した有意因子は、術式 (PAK)、ドナー年齢、ドナーCr (>2.5mg/dl)、死因 (CVD)、ドナーHbA1cであった。多変量解析では、術式 (PAK)が独立予後因子であった。単変量解析で得られた5変数を、連続変数をカテゴリー化し、回帰係数をもとにスコア化した。各項目のスコアを合算 (0-7点)し予後予測モデルを作成した。VCを用いて作成したモデルの交差妥当性を検証したところ、モデルのc-statisticsは0.73 [95% CI, 0.57-0.88]であった。PDRIのc-statisticsは0.62 [95% CI, 0.53-0.70]であり、新予後予測モデルの診断能が上回っていた。
【結論】脳死膵移植 (SPK, PAK)において、複数因子を組み合わせた新予後予測モデルが有用であった。
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182. 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 中村雅史, 在宅医療として腎移植患者を管理することの課題について, 第57回日本移植学会総会, 2021.09.
183. 岡部安博, 佐藤優, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 岩田誠司, 中村雅史, 献腎移植を増やすためにすべきこと, 第54回日本臨床腎移植学会, 2021.02.
184. Yu Hisadome, Keizo Kaku, Yusuke Mizuuchi, Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Shuntaro Nagai, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura, A case of appendiceal mucinous neoplasm difficult to differentiate from a cystic lesion in a transplanted pancreas, 第32回日本肝胆膵外科学会学術集会, 2021.02, Background:
When a cystic lesion occurs near a transplanted pancreas allograft, it may be difficult to make a precise diagnosis due to its anatomical characteristics. Here, we report a case of appendiceal mucinous neoplasm that was difficult to differentiate from a cystic lesion in a transplanted pancreas.
Case:
The case is a 55-year-old man who underwent a simultaneous pancreas-kidney transplant for type 1 diabetes and end-stage renal failure five years ago. His postoperative graft function was good, and he was on an outpatient follow-up regimen. The follow-up abdominal CT scan showed a low-density area, 5 cm in size, on the ventral side of the pancreas allograft in the right iliac fossa, suggesting a cystic lesion in the transplanted pancreas. An abdominal MRI and lower gastrointestinal series revealed the possibility of an appendiceal mucocele, but it was difficult to distinguish between the possibility of a cystic lesion in the transplanted pancreas and an appendiceal mucocele preoperatively. Intraoperative findings showed that the cystic lesion was continuous with the enlarged appendix. We were able to dissect it away from the pancreas allograft without damaging the pancreas. Ileocecal resection and D2 lymph node dissection were also performed. The postoperative pathological diagnosis w
as a low-grade appendiceal mucinous neoplasm (LAMN).
Conclusions:
In this case, an appendiceal mucinous neoplasm adjacent to a transplanted pancreas was difficult to distinguish from a primary pancreatic cystic lesion. Transplanted pancreas allografts are anatomically different from the native pancreas; thus, preoperative diagnosis is more difficult. In a study of cystic lesions in transplanted pancreases, pseudocysts and intraductal papillary mucinous neoplasms were reported to be comparatively common. Transplant pancreatectomy should be considered if the findings suggest malignancy.
There have been no prior reports of appendiceal mucinous neoplasm occurring after pancreas transplantation. A few reports of appendicitis and appendiceal tumors after pancreas transplant suggest that the incidence of appendiceal disease after pancreas transplantation is very low. Preemptive appendectomy at the time of pancreas transplantation is not necessary in all cases..
185. Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Yu Sato, Yu Hisadome, Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Ayaka Oshiro, Toshiaki Okuma, Masafumi Nakamura, External validation of the Pancreas Donor Risk Index for pancreas transplantation in Japan

, The 2nd Congress of Asian Pancreas and Islet Transplant Association, 2021.03, Purpose
Expanded criteria donors account for a large percentage of pancreas transplants in Japan. However, there are no objective criteria in determining donor indication. In this study, we will externally validate the pancreas donor risk index (PDRI) for pancreas transplantation in Japan and evaluate its effectiveness.
Methods
Data were extracted from national data registry of the Japan Society for Pancreas and Islet Transplantation. Among pancreas transplants from deceased donors performed between 2000 and 2019, 371 cases for which PDRI could be calculated were included in the analysis. The association between PDRI and the pancreas graft survival was examined. The PDRI was divided into four categories by score, and the prognosis of each category was examined. The possibility of the use of PDRI as a prognostic factor for assessing pancreas graft survival was investigated in a multivariate analysis.
Results
The median PDRI was 1.91 (n = 371). The cutoff value of PDRI for predicting graft prognosis calculated from the ROC curve was set at 2.20, and the results were compared and validated in two groups: low-PDRI group (n = 226) and high-PDRI group (n = 145). The 5-year pancreas graft survival rate was significantly higher in the low-PDRI group (85.8%) than in the high-PDRI group (74.9%; p = 0.0094). The PDRI values were classified into four categories (?1.15, 1.16?1.56, 1.57?2.11, 2.12 ?) based on previous studies. The first-year survival rate for each category examined was 93.0%, 88.2%, 80.3%, and 76.5%, respectively. In multivariate analysis, PDRI was an independent prognostic factor related to pancreas graft survival.
Conclusions
The PDRI may be a useful prognostic indicator for pancreas graft prognosis in Japan. Patients with low PDRI values are expected to have a good graft prognosis. A peculiar finding was that even the high PDRI group showed a relatively good prognosis in Japanese individuals.
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186. Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Hiroshi Noguchi, Masafumi Nakamura , Efficacy of linear stapler with polyglycolic acid felt for preventing graft duodenal perforation after pancreas transplantation, 第33回日本肝胆膵外科学会学術集会, 2021.06, Background: Graft duodenal perforation is a serious complication of pancreas  transplantation and can require prolonged drainage, reoperation or graftectomy. The aim of this study was to evaluate whether using a reinforced linear stapler during bench surgery in pancreas transplantation affects the risk of graft duodenal perforation. Methods: This retrospective study included 47 patients who underwent pancreas transplantation at our institution from 2011 to 2020. A reinforced stapler (Endo GIATM Reinforced Reload; Covidien, Mansfield, MA, USA), which reinforces the staple line with polyglycolic acid felt, was used to dissect the oral and anal ends of the duodenum
during bench surgery in 16 of the 47 cases. A conventional linear stapler was used in the remaining 31 cases. Demographic, perioperative and postoperative parameters were compared between the Reinforced group and Conventional group.
Results: Graft duodenal perforation occurred in six patients (19.4%) in the Conventional group and in none of the patients in the Reinforced group. The mean time to onset of perforation was 19.2 days (8-55 days). The site of perforation was the duodenal stump in five of the six cases and was undetermined in one case. Logistic regression analysis revealed no significant associations between donor- or recipient-related factors and graft duodenal perforation. Among operative factors, use of a reinforced stapler was the
only factor significantly associated with the risk of graft duodenal perforation (odds ratio 0.12).
Conclusions: Using a reinforced stapler during dissection of the duodenum in bench surgery for pancreas transplantation was associated with a lower risk of graft duodenal perforation than use of a conventional stapler.
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187. Hiroshi Noguchi, Shinsuke Kubo, Yu Hisadome, Takanori Mei, Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura , Evolution of Laparoscopic Donor Nephrectomy at a Single Center Experience with more than 800 Cases , 第33回日本内視鏡外科学会総会, 2021.03.
188. Hiroshi Noguchi, Shinsuke Kubo, Yu Hisadome, Takanori Mei, Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura, Evolution of Laparoscopic Donor Nephrectomy at a Single Center Experience with more than 800 Cases, 第33回日本内視鏡外科学会総会, 2021.03.
189. 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科での鏡視下ドナー腎採取術 -用手補助から完全後腹膜鏡下へ
, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02, 【背景】当科では2003年より行っていた用手補助後腹膜鏡下ドナー腎採取術(634例)から2015年に用手補助腹腔鏡下腎採取術(HALDN)に移行したが、二術式の成績はComparableであったことは既に報告した。今回2019年5月に導入した完全後腹膜鏡下腎採取術(PRDN)の成績を比較検討した。【方法】2015年10月から2021年11月に当科で行ったHALDN群213例、PRDN群160例の手術成績と術後レシピエントの腎機能発現、ドナーの入院に関する診療報酬点数を比較した。【結果】PRDN群ではHALDN群と比べてドナーの右腎採取率が高かった(P<.0001)。ドナーの手術時間・出血量に二群間で有意差を認めなかったが、PRDN群では術後合併症の発生率が低かった(P=.0003)。またドナーは術後1日目のCRP、WBCが低く、術後入院日数も短かった(ともにP<.0001)。さらに採取腎の動静脈長も有意に長く(それぞれP=0.003, P<.0001)、レシピエントの腎機能発現や合併症もキ)タタ戎Г覆・辰拭F・〇・離疋福漆芭妬鷭慧誠瑤PRDN群で有意に低い一方で、1日あたりの点数は高かった(ともにP<.0001)。【結論】PRDNはHALDNに比べドナーに対しより安全・低侵襲であり、グラフト血管も長く採取可能でレシピエントへの成績も遜色ないと思われた。さらにPRDNはHALDNと比較し医療費削減とともに医療資源の有効活用にも寄与する可能性が示唆された。ビデオを供覧して手技を解説する。.
190. 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 西田留梨子, 下野信行, 中村雅史, , , , 当科での膵移植後真菌症の検討, 第58回日本移植学会総会, 2022.10.
191. 目井孝典, 野口浩司, 倉治竜太郎, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 大西秀哉, 中村雅史 , 歯周病病原菌を用いた腸管ディスバイオシスによる移植免疫への影響の解明, 第122回日本外科学会定期学術集会, 2022.04, 【背景】これまで歯周病は、その原因の一つである歯周病原細菌が直接的または間接的に腸内細菌叢を変化させる (腸管ディスバイオシスを起こさせる) ことで、糖尿病などの代謝性疾患や非アルコール性脂肪性肝炎をはじめとする様々な全身的病態を引き起こすことが報告されてきた。また、腸管ディスバイオシスは、腸内細菌叢の酪酸産生菌の減少を1つの特徴とし、酪酸産生菌と制御性T細胞であるTregが正の相関を示すことから、酪酸産生菌の減少は腸管のTregの減少を誘導する。移植免疫に関しては、拒絶反応が生じるメカニズムの一つとして、口腔の局所慢性炎症である歯周病と腎移植後の拒絶反応との関連性について臨床報告 (review)がなされている。そのメカニズムは未だ不明であるが、上記と同様に腸管ディスバイオシスが惹起され、血中および脾臓のTregの増減に関与している可能性がある。
【目的】 本研究では、人為的な歯周病菌誘導のマウス腸管ディスバイオシスモデル用い、皮膚移植を行い、歯周病菌誘導腸管ディスバイオシスと移植免疫への影響を明らかにすることを目的とする。
【方法】 代表的な歯周病菌であるP.gingivalis菌を週2回6週間経口投与し、腸管ディスバイオシスを惹起したマウス (P.g群)とSodium Carboxymethyl Cellulose (CMC)のみ投与したマウス(control群)に、それぞれ同種皮膚移植を行い、(1)拒絶反応の時期の早遅 (2)血中、脾臓内のTregの発現量の比較 (3)腸間膜リンパ節におけるTregに関与するサイトカインのmRNAの発現をRT-PCRを用いて定量比較 (4)小腸内容物を採取し、16SrRNAを用いて細菌叢解析を行う。
【結果(仮説)】P.g群とcontrol群では、拒絶反応の時期に差を認め、血中および脾臓内のTregが増減している。腸間膜リンパ節では、Tregに関与する炎症性サイトカインのmRNAの発現が増減している。腸内細菌叢解析では、P.g群でP.gが属するBacteroides属の増加とFirmicutes族の減少が見られ、多様性のスコアであるShanon Diversity indexの増減が見られる。
【結語】
歯周病病原菌を用いて腸管ディスバイオシスを惹起したマウスに同種皮膚移植を行うと、腸内細菌叢が変化することで、血中および脾臓内のTregが増減し、拒絶反応の早遅に影響する可能性が考えられた。
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192. 目井孝典, 野口浩司, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腹部手術歴のあるドナーへの完全後腹膜鏡下移植腎採取術の検討, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02, 【背景】当科では2019年5月よりドナー腎採取術に完全後腹膜鏡下腎採取術 (以下PRDN)を導入した。後腹膜アプローチは、後腹膜リンパ節生検などにおいては複数回の腹部手術歴のある患者にも有用であるという報告はあるが、腎移植ドナーに対する報告は未だ少ない。今回、腹部手術歴のあるドナーに対して当科でPRDNを施行した症例に対する検討を行った。
【対象と方法】2019年5月から2021年8月の間に当科でPRDNを施行した症例を、腹部手術歴のある群 (以下手術既往群)とない群 (以下、非既往群)でドナーの手術時間・出血量・術後入院期間及ドナーおよびドナー手術に起因するレシピエントの術後合併症をRetrospectiveに比較検討した。
【結果】対象期間中にPRDNを施行された症例144例で、そのうち手術既往群は52例であった。両群でドナーの年齢・BMIは有意差を認めなかったが、手術既往群で女性の割合が有意に高かった(手術既往群:非既往群=85 % : 63%, p=0.007)。手術成績は (以下、手術既往群:非既往群)、手術時間 (分) 224±55:229±74、出血量 (g) 66±139:56±79、入院期間 (日) 5.0±1.5:4.7±1.4といずれも両群間で有意差を認めなかった。また両群ともドナーに合併症を認めず、ドナーの手術由来のレシピエントの合併症も認めなかった。
【結語】PRDNでは腹部手術既往の腎移植ドナーにおいても有用である可能性が示唆された。文献的考察を加えて報告する。
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193. 目井孝典, 野口浩司, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における腹部手術歴のあるドナーへの完全後腹膜鏡下移植腎採取術の検討, 第58回九州外科学会・第58回九州小児外科学会・第57回九州内分泌外科学会, 2022.02, 【背景】後腹膜アプローチは、後腹膜リンパ節生検などにおいては複数回の腹部手術歴のある患者にも有用であるという報告はあるが、腎移植ドナーに関する報告は未だ少ない。今回、腹部手術歴のあるドナーに対して後腹膜鏡下腎採取術(PRDN)を施行した症例に対する検討を行った。
【対象と方法】2019年5月から2021年8月の間に当科でPRDNを施行した症例を、腹部手術歴のある群とない群でドナーの手術時間・出血量・術後入院期間、ドナーおよびドナー手術に起因するレシピエントの術後合併症をRetrospectiveに比較検討した。
【結果】手術成績は、手術歴のある群とない群で、手術時間、出血量、入院期間といずれも両群間で有意差を認めなかった。また両群ともドナーに合併症を認めず、ドナーの手術由来のレシピエントの合併症も認めなかった。
【結語】PRDNでは腹部手術既往の腎移植ドナーにおいても有用である可能性が示唆された。その手術法の実際をビデオで紹介供覧する
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194. 水内祐介, 野口浩司, 田村公二, 佐田政史, 永吉絹子, 加来啓三, 仲田興平, 大内田研宙, 岡部安博, 久保真, 中村雅史, 腎移植後大腸癌の臨床病理学的特徴, 第122回日本外科学会定期学術集会, 2022.04, 末期腎不全に対する血液・腹膜透析の代替手段として腎移植は海外で広く行われており、国内でも生体腎移植が増加傾向にある。移植によって透析から離脱できるだけでなく、移植により長期予後の改善も期待できる。腎移植の増加による末期腎不全患者の予後改善により大腸癌に罹患する腎移植患者は今後も増えてくると考えられる。長期間使用する必要のある免疫抑制剤が大腸癌に与える影響も懸念される。今回我々は2008年~2021年に当院で大腸癌に対する外科手術を施行した腎移植後大腸癌6例について臨床病理学的因子を検討した。男女比は3:3で年齢は56.8 (42-70)歳、腎移植から大腸癌手術までの期間は95.5 (24-180)ヶ月、移植までの透析期間は17.2 (0-36)ヵ月であった。免疫抑制剤は
ミコフェノール酸モフェチルを5例、タクロリムス5例、メトロプレドニゾロン6例、シクロスポリン1例、アザチオプリン1例を使用していた。癌の局在は右側結腸3例、横行結腸1例、直腸2例であった。クローン病に合併する痔瘻癌と高度の腹膜播種を認めた2例は人工肛門造設のみであったが、残り4例は腹腔鏡で根治手術が可能であった。術後合併症は1例に縫合不全、脳梗塞を発症した。病理組織診断では分化型腺癌が4例、印環細胞を伴う低分化腺癌が1例、扁平上皮癌が1例であった。切除可能であった4例ではT2 1例、T3 3例であり、リンパ節転移陽性を1例に認めた。長期予後としては切除可能な症例では4例中1例で早期の肺転移再発を来していた。小数例の検討であり十分な検討ができているとは言い難いが移植後大腸癌では扁平上皮癌や印鑑細胞癌などの特殊型が多い可能性が示唆された。
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195. 佐藤優, 野口浩司, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 肝移植後腎移植を施行した2例, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02.
196. 佐藤優, 野口浩司, 久保進祐, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科での生体腎移植における周術期 Daprodustat 使用の効果と安全性, 第58回日本移植学会総会, 2022.10.
197. 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 岡部, 中村雅史, 手術記録へのデジタルイラストレーションの導入, 第76回手術手技研究会, 2022.05.
198. 久保進祐, 野口浩司, 佐藤優, 目井孝典, 植木研次, 松隈裕太, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 生体腎移植後の早期ARB内服開始に関する安全性・有効性の検討, 第58回日本移植学会総会, 2022.10, <背景>腎移植後早期の血圧管理には主にカルシウム拮抗薬が用いられ、早期からアンジオテンシン?受容体拮抗薬(ARB)を使用することに関しての安全性や有効性は定かではない。<方法>2020年5月~2022年3月に当科で行われた生体腎移植で、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、ステロイドの3剤で免疫抑制導入され、免疫学的低リスクの成人症例で、移植後3ヶ月に腎生検を実施した計78例について検討した。術後早期よりARBを開始した症例をARB群(27例)、それ以外をControl群(51例)とし、さらに逆確率重み付け(IPW)を用いて患者背景を2群間で調整し、3ヶ月後の腎機能および生検結果について比較した。<結果>術後3ヶ月時点での血清クレアチニン、推算糸球体濾過量、高K血症や血圧低下などの有害事象の出現頻度については二群間に有意差は認めなかった。尿蛋白/尿クレアチニン比(Up/Uc)はARB群でContorolに比べ低い傾向にあった(0.12 vs. 0.16 , p=0.176)。また術キ)タカ3ヶ月目に行った腎生検結果では、ARB群ではIF/TAの出現率は低い傾向にあった(9.3% vs 17.6%, p=0.313)。<結論>低用量からARBを術後早期に始めることは安全であった。

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199. 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 幼児ドナーから小児レシピエントへのen bloc腎移植術を行った1症例, 第41回九州腎臓移植研究会, 2022.07, 【はじめに】本邦ではドナーが6歳未満である場合、2腎同時移植(en-bloc腎移植)を行うことが可能とされているが、小児へのen-bloc腎移植の報告は本邦ではまだ少ない。
【症例】6歳の男児、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を原疾患とする慢性腎不全で1年9ヶ月前より腹膜透析中、この度脳死下腎移植の機会を得た。ドナーは1歳6ヶ月の男児で身長84cm、体重9.9kg、水頭症のため脳死となり臓器提供となった。レシピエントは体重20kg以上のためen-bloc腎移植を選択した。移植腎は重さ127g, 大きさは左右とも60×40mm、厚さは約30mmであった。大動脈、下大静脈は頭側の断端を連続縫合で閉鎖した。大動脈、下大静脈の足側断端をレシピエントの総腸骨動静脈へ端側吻合した。総阻血時間は576分、初尿は血流再開から40分で認めた。周術期には抗凝固薬、抗血小板薬を使用した。血清Crは8.46→0.49mg/dlと改善を認め、術後8ヶ月の定期検査で腎はそれぞれ約80×60mm、厚さ約36mmと増大していた。
【考察】小さなドナーからの腎移植では、血栓症や尿路系合併症が問題となる。2018年3月末以降、二十歳未満のドナーからの腎臓提供の場合、二十歳未満のレシピエントが優先されるようになり、今後小児へのen-bloc腎移植が増加することが予想され、知見を増やしていく必要がある。
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200. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , 後腹膜鏡下ドナー腎採取術における術前難度評価スコアの作成, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02, 【背景】後腹膜鏡下ドナー腎採取術の安全性向上を目的とし術前難度評価スコアを作成する。【対象と方法】2019年5月-2021年8月に当院で施行した後腹膜鏡下ドナー腎採取術140例を対象とした。手術時間を手術難度の指標とし、重回帰分析を用いてretrospectiveに検討した。回帰係数をもとに術前難度評価スコアを作成した。【結果】手術時間と有意に相関した因子は腎動脈の本数、推定腎グラフト重量、Mayo adhesive probability (MAP) score であった。術者経験数が増えるにつれ手術時間が短くなる傾向があったが有意ではなかった (P = 0.08)。有意因子3因子を用いて手術時間予測式 = 99.67 + 27.84 × (腎動脈本数) + 22.59 × (MAP score) + 0.42 × (推定グラフト重量 (g)) を求めた。予測式の決定係数は0.40であった。3因子に関し回帰係数をもとにスコア化し、各項目のスコアを合算 (0-6点)することで難易度予測モデルを作成した。作成したモデルの交差妥当性を検証したkオ梍「海蹇▲皀妊襪c-statisticsは0.74 [95% CI, 0.66-0.82]であった。【結論】術前難度評価スコアは適切な術者の選択を可能とすることで安全性向上に寄与すると考えられる。
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201. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 大城彩香, 大隈俊明, 中村雅史, AIを用いた本邦膵移植データの解析 予後因子の抽出と予後予測, 第49回日本膵・膵島移植学会, 2022.03, 【目的】膵移植の成績向上に向け予後因子の同定は急務である。統計解析を用いた諸々の報告によりいくつかの予後因子が徐々に明らかになってきた。一方で、本邦膵移植は全体でも400例ほどとビッグデータとはいえず、多変量解析を行うにしても説明変数の選択に限りがあり、変数選択の基準も不明瞭となる恐れがある。階層化する場合は閾値の適切な設定が必要であり、非線形性が存在するデータも多い。これら問題点の解決と、真の膵移植予後因子の解明を目的に、人工知能(AI)技術における機械学習を用いた予後因子抽出と予後予測を行った。
【方法】2001年から2020年12月までの本邦膵移植データ438例を対象とした。従来の統計解析に加え、ニューラルネットワークと勾配ブースティング木を利用した予測分析ソフトウェアを用いて、死亡廃絶を含む1年以内の膵グラフト廃絶に関わる予後因子をドナー、レシピエント因子、手術/術後因子を含めた全因子を対象に解析した。
【結果】Cox回帰分析では、術式、ドナーHbA1c、透析歴、膵TITが予後因子となった。機械学習を用いた解析では、予後因子は寄与度の高い順に、レシピエント因子がHbA1c, 透析歴、年齢、WBC、性別、糖尿病歴、ドナー因子がAMY、HbA1c、Cr、死因、BMI、LDH、昇圧剤使用有無、身長、手術/術後因子が術後HD有無、動脈再建法、膵外分泌再建法、術式、膵TIT、門脈延長有無であった。これら因子を組み入れた予後予測モデルは交差検証でAUC 0.650、正解率71.23%、適合率 24.24%、再現率 55.17%、F値 33.68%であった。比較検証したPancreas donor risk index (PDRI)の予測能はAUC 0.584であった。
【結論】膵移植の予後には複数因子が複雑に関与しているため、従来の統計解析では予測が困難であったが、機械学習により一定の精度を持った予測モデルを導くことができた。今後、症例数が増加するにつれさらなる予測精度の向上が期待される。
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202. 加来啓三, 岡部安博, 佐藤優, 久留裕, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , 臨床研究を通して最適な手術法を考案し、正しい技術を後進に伝える, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02, 移植医療、特にドナー手術において安全性の担保は最重要課題である。従来、当科では用手補助後腹膜鏡下手術(HARS)を採用していたが、用手補助腹腔鏡下手術(HALS)へ移行した経緯があり、両術式を比較検証した。結果、HALSはHARSと比べ同等以上の安全性を示した。さらに、HALSから完全後腹膜鏡下腎採取術(PRDN)へ移行し、HALSと比較しより低侵襲であることを明らかにした。これにより、現在当科ではPRDNを採用しているが、さらなる安全性を求め2つの臨床研究を実施した。Davidiukらが腎部分切除に対し発表したMayo adhesive probability (MAP) scoreをPRDNにおいて評価した。結果、PRDNにおいてはMAP score単独では合併症、グラフト予後に影響しないことを明らかにした。さらに、本術式の手術難度を予想する臨床研究を行い、腎動脈本数、MAP score、推定グラフト重量の3因子を関連因子として同定した。これにより手術難度に応じた適切な術者、trainee選択を可能とし、安全性を担保した上での指導を実現した。
複数の臨床研究結果を実臨床に応用した一例である。有効性の検証と成果を報告する。
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203. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, ドナー・レシピエントのサイズミスマッチが膵臓移植に与える影響, 第58回日本移植学会総会, 2022.10, 【背景】膵臓移植の主な合併症の一つがグラフト血栓症であり、早期グラフト廃絶のリスクとなる。血栓形成に関わる要因の一つである「血流の停滞」を膵臓移植において考えると、グラフトおよびグラフト門脈の圧迫、屈曲等による物理的要因が考えられる。今回、この物理的要因がドナー・レシピエント(D/R)のサイズミスマッチに起因し、グラフト予後に関与するとの仮説を立てた。
【対象と方法】2001年から2020年12月までの本邦膵臓移植登録データ438例を対象とした。D/Rサイズミスマッチと関連する因子として、身長、体重、体表面積 (BSA)、D/R BSA比とした。BSAの算出にはDuboisの式を用いた。血栓症による早期膵グラフト廃絶に関わる因子をCox比例ハザードモデルにより解析した。
【結果】多変量解析ではドナー体重 (p=0.02)、レシピエント低身長 (p=0.02)、ドナーHbA1c (p=0.02)が血栓症による早期膵グラフト廃絶に関わる独立予後規定因子であった。仮想膵グラフトサイズとして、膵グラフト重量と最も強い相関を認めたドナーBSA(Spearman順位相関係数=0.63, p<0.01)で同様の解析を行ったところ、D/R BSA比 (p<0.01)、ドナーHbA1c (p=0.02)が独立予後規定因子であった。D/R BSA比の血栓症による早期グラフト廃絶に対する予測能はROC解析でAUC : 0.65, cut-off値は1.09であった。制限3次スプライン曲線ではD/R BSA比とグラフト血栓症発症に正の相関を認めた。
【結語】膵臓移植においてD/Rサイズミスマッチは血栓症による早期グラフト廃絶のリスク因子であり、レシピエントの体格が小さい場合はより注意が必要である。
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204. 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 当科での術後抗HLA抗体検査およびその問題点について, 第41回九州腎臓移植研究会, 2022.07.
205. 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 中村雅史, 摘出現場における動きと実際の摘出手技:脳死下と心停止下の違い, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02.
206. 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 中村雅史, 腎移植血管・尿路吻合の基本手術手技, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02.
207. 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 中村雅史, 腎移植における難手術症例, 第55回日本臨床腎移植学会, 2022.02.
208. ‌岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 小川智子, 津々浦康, 宮本京子, 心停止ドナーからの腎摘出について、若手移植医に伝えたいこと。, 第58回日本移植学会総会, 2022.10.
209. Yu Sato, Hiroshi Noguchi, Shinsuke Kubo, Takanori Mei, Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura, Oral health status is associated with the incidence of infection after kidney transplantation, Asian Transplantation Week2022 (ATW2022), 2022.11.
210. Yasuhiro Okabe, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Keizo Kaku, Masafumi Nakamura, Pancreas transplantation in Kyushu-University, IASGO-CME 2022, 2022.10.
211. Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Ryutaro Kuraji, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Keizo Kaku, Hideya Ohnishi, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura , Effects of Periodontal Pathogen-Induced Intestinal Dysbiosis on Transplant Immunity in an Allogenic Skin Graft Model, Transplatation Science Symp0sium Asian Regional Meeting 2022, 2022.11, Introduction: It has been reported that periodontal disease directly or indirectly alters the intestinal microbiota causing intestinal dysbiosis, leading to various systemic diseases, such as diabetes and non-alcoholic steatohepatitis. On the other hand, the effect of intestinal dysbiosis caused by periodontal disease on transplantation immunity remains unclear. We investigated the effects of intestinal dysbiosis caused by periodontal diseases on transplantation immunity using an allogenic skin graft model of mouse treated with a typical periodontal bacterium, “Porphyromonas gingivalis (P.g)”.
Method: We divided mice into two groups, P.g and control. Mice in the P.g group were orally administered P.g twice a week for 6 weeks, and mice in the control group were orally administered phosphate buffered saline solution (PBS) twice a week for 6 weeks, followed by allogenic skin grafts (Recipient mouse C57/BL6: Donor mouse B6D2F1). We compared blood and splenic regulatory T cells (Treg) of mice by flow cytometry before transplantation. Short-chain fatty acids (SCFAs), one of the microbiome metabolites in feces, have been reported to be associated with Treg and were measured by gas chromatography. We also compared skin graft survival in the two groups.
Results: In P.g group mice, blood and splenic Treg were significantly increased compared to control group mice before transplantation (p=0.002 and p<0.001). Acetic acid and Propionic acid of SCFAs were also significantly increased in P.g group mice (p=0.040 and p=0.005). Furthermore, mice in P.g group significantly prolonged skin graft survival (median graft survival days; P.g group mice: Control group mice = 7days: 11days, p<0.001)
Conclusion: Our study suggests that intestinal dysbiosis caused by a periodontal bacterium may affect transplantation immunity.
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212. Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Masafumi Nakamura, Estimation of pancreas graft rejection by donor-derived cell-free DNA, Transplantation Science Symposium Asian Regional Meeting 2022, 2022.11, Background: Controlling rejection is important for improving the prognosis of pancreas transplantation. Although pancreatic biopsy is useful for the diagnosis of rejection, it is not widely used in Japan due to concerns about complications. Therefore, we examined the efficacy of donor-derived cell-free DNA (dd-cfDNA) as an alternative to pancreatic biopsy.
Methods: dd-cfDNA (Natera, Inc.) was measured at the time of clinical pancreas graft rejection, as judged by elevated pancreatic enzymes. After measurement, kidney graft biopsies were performed, and anti-HLA antibodies were analyzed.
Results: Four patients were included in the study. All patients underwent simultaneous pancreas kidney transplantation. Two were female, the mean age was 52.3 years, and the mean time since transplantation was 1098.3 days. The dd-cfDNA results are expressed as a fraction of the total cfDNA (%), and a cutoff value of ?1% is considered an increased risk for rejection. One of the four cases was 5.64% (above the cutoff value), and the result of the kidney graft biopsy performed at the same time was acute T-cell mediated rejection (grade IA). No anti-HLA donor-specific antibodies (DSA) were detected. Based on the comprehensive judgment of these examination results, pancreas graft was diagnosed as acute cellular rejection and anti-thymocyte globulin was administered. Of the four cases, three were below the cutoff value, and the kidney graft biopsy results in these three cases were all normal. All three cases were also negative for anti-HLA DSA, and pancreas grafts were diagnosed as normal.
The concordance rate between the results of dd-cfDNA and kidney biopsy was 100%.
Conclusion: dd-cfDNA is minimally invasive and can be an effective tool to aid in the diagnosis of pancreatic allograft rejection.
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213. Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Hiroshi Noguchi, Masafumi Nakamura, Size mismatch assessed by body surface area is associated with allograft thrombosis leading to graft failure in pancreas transplantation, 第34回日本肝胆膵外科学会・学術集会, 2022.06, Background:
One of the major complications in pancreas transplantation is graft thrombosis. It is particularly important as a perioperative short-term complication and is directly related to graft failure. Low microvascular blood flow in the pancreas graft and high coagulability in diabetic patients are the basic risk factors, but several other donor and recipient factors have also been reported. In addition, physical factors such as tension, torsion, and flexion of the portal vein are also considered a risk for thrombosis. Based on the hypothesis that these physical factors are largely due to the mismatch in body size between recipient and donor, we examined the effect of size mismatch assessed by body surface area on pancreas graft survival.
Methods:
This study included 438 cases registered in the Japan Pancreas Transplant Registry from 2001 to 2020. The donor and recipient body surface areas (BSA) were calculated using the Dubois formula, respectively, and the relationship between the donor/recipient BSA ratio and the short-term pancreas graft prognosis was examined. The short-term prognosis was defined as the pancreas graft failure within 14 days after transplantation.
Results:
The total 438 pancreas transplants included 368 simultaneous pancreas and kidney transplantation, 55 pancreas after kidney transplantation, and 15 pancreas transplantation alone. The mean BSA of the donor and recipient were 1.63 m? and 1.57 m?, respectively. The mean and median donor/recipient BSA ratio were both 1.05. Twenty-six of the 438 patients underwent pancreas graft failure within 14 days after transplantation, 23 of which were due to allograft thrombosis. Cox regression analysis showed that D/R BSA ratio (p < 0.01), HbA1c (p = 0.01), and pancreas total ischemic time (p = 0.02) were significant risk factors for graft failure. The cutoff value for the D/R BSA ratio as determined by the ROC curve was 1.07, and the AUC was 0.65. We examined two groups divided by a median recipient BSA of 1.56 m?. The D/R BSA ratio was not a risk factor in the recipient BSA ?1.56 m? group (p=0.23), while it was a significant risk factor in the recipient BSA <1.56 m? group (p=0.045).
Conclusions:
In cases that the recipient is small in stature, size mismatch with the donor needs to be especially considered. This is a risk factor for allograft thrombosis and is likely to lead to early graft failure.
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214. 野口浩司, 松隈祐太, 植木研次, 土本晃裕, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 慢性活動性T細胞性拒絶反応(CA-TCMR)への治療が移植腎予後へ与える影響, 第59回日本移植学会総会, 2023.09.
215. 野口浩司, 佐藤優, 久保進祐, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科での鏡視下ドナー腎採取術の変遷とその成績-用手補助から完全後腹膜腔鏡下手術へ-, 第36回日本内視鏡外科学会総会, 2023.12, 【背景】当科では2003年より行っていた用手補助後腹膜腔鏡下ドナー腎採取術(HARDN)から2015年に用手補助腹腔鏡下腎採取術(HALDN)に移行したが、ドナーの合併症という点で二術式は同等であった。そこで2019年より後腹膜鏡腔鏡下腎採取術(SRDN)を導入し三術式間でその成績を比較検討した。【方法】2013年1月から2023年3月までに当科で行ったHARDN222例、HALDN群213例、SRDN群230例のドナーおよびレシピエントのデータを用いた。【結果】SRDN群ではその他2群に比べてドナーの右腎採取率が高く、ドナーの術後合併症の発生率が低く、また温阻血時間が長かった(いずれもP<.001)。またドナーは術後1日目のCRP、WBC、最高体温が有意に低く、術翌日より退院可能となったことで術後在院日数の短縮および、ドナーの入院に関する診療報酬点数もSRDN群で有意に低かった(ともにP<.001)。一方でレシピエントの腎機能発現や合併症は三群間で有意差がなかった。【結・オ梵欖RDNは用手補助下手術に比べ、ドナーに対して合併症が少なく低侵襲であることが示唆され、その結果として早期退院、入院医療費の抑制にも有用であると思われた。当科で現在行っているSRDNのビデオを供覧して手技を解説する。.
216. 野口浩司, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科での献腎摘出手術, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02.
217. 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における腎二次移植症例の検討, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02, 【背景】腎移植患者の増加に伴い透析再導入となる症例も増加しているが、それに従い再移植症例も増加傾向にある。多次移植は既存抗体の存在による拒絶が危惧されているが、今回当施設で施行した二次移植症例について検討した。
【対象】2007年より2022年9月までに当科で行った腎単独移植1042例のうち一次移植群1005例と二次移植群37例の成績を比較検討した。
【結果】レシピエントおよびドナーの年齢・性別、献腎、ABO不適合の割合は二群間に有意差はなかった。一次移植群に比べ既存抗体陽性の割合は二次移植群が高く(11.2% vs 29.7%, P=0.003)、透析期間が長かった(P=0.006)。二次移植群の37例中6例は一次移植腎の膀胱尿管逆流の所見を認めたため、術中に一次移植腎の摘出を要した。生着率(death-censored)は一次、二次移植それぞれ1年で98.8 vs 97.1、5年で95.8% vs 93.9%, 10年で90.4% vs 81.4%でありlog-rank検定で二群間に有意差は認めなかった(P=0.161)。Cox比例ハザードモデルを用いて多変量解析した場合でも二次移植は移植腎廃絶の有意なリスク因子とはならなかった。
【結論】二次移植は既存抗体陽性例が多いものの移植を行えた症例に関しては一次移植の生着率と遜色なく、二次腎移植は一次腎廃絶後の腎代替療法としても望ましい選択肢であると考えられた。当科での再移植症例の問題点と工夫について文献的考察を加えて報告する。
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218. 目井孝典, 野口浩司, 久保進佑, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当院における後腹膜鏡下ドナー右腎採取術の検討, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02, 【背景】腎静脈が短く、レシピエントにおける静脈血栓がされることからドナー腎採取術においては左腎採取術が標準術式で右腎採取術は少ない。当院での後腹膜鏡下ドナー右腎採取術について成績の検討を行った。
【方法】2019年5月~2021年8月までに当施設で行われた後腹膜鏡下腎採取術に関して、手術時間や出血量、入院期間、術後合併症(ドナーに起因するレシピエントの合併症を含めて)および1年後の生着率を右腎採取術と左腎採取術でRetrospectiveに比較検討を行った。
【結果】対象期間に行われた後腹膜鏡下腎採取術144例中12.5%にあたる18例が右腎採取術を施行していた。右腎採取術と左腎採取術を比較したところ (以下、左腎:右腎) 手術時間 (分) 225±67: 241±76 (p =0.35)、出血量 (g) 64±110: 29±45 (p =0.18)、術後入院期間 (日) 4.7±1.4 : 4.4±1.3 (p =0.36) と右腎採取、左腎採取で有意差を認めなかった。また、ドナーおよびドナーに起因するレシピエントの合併症、1年後の生着率(%) 99.2%: 100% (p=0.59)にも差を認めなかった。
【結論】後腹膜鏡下ドナー右腎採取術は、左腎採取術と比較して遜色ない結果で後腹膜鏡下左腎採取術と同様に有用な選択術式になる可能性が示唆された.
219. 水内祐介, 久野恭子, 野口浩司, 田村公二, 佐田政史, 永吉絹子, 加来啓三, 仲田興平, 大内田研宙, 岡部安博, 久保真, 中村雅史, 腎移植後患者における大腸癌の特徴と治療成績, 第123回日本外科学会定期学術集会, 2023.04, 腎移植は末期腎不全に対する血液・腹膜透析の代替手段であり、本邦でも生体腎移植が増加している。移植により透析離脱が可能なだけでなく、移植により長期予後の改善も期待できる。腎移植増加による末期腎不全患者の予後改善により腎移植後で免疫抑制剤内服状態の大腸癌患者は今後も増えてくると考えられる。長期間使用する免疫抑制剤による大腸癌の発生・進展に与える影響が懸念される。今回我々は2008年~2022年に当院で大腸癌に対する外科手術を施行した腎移植後大腸癌9例について治療成績と臨床病理学的因子を検討した。男女比は4:5で年齢は60.7 (42-75)歳、腎移植から大腸癌手術までの期間は95.5 (24-180)ヶ月、移植までの透析期間は17.2 (0-36)ヵ月であった。免疫抑制剤は
ミコフェノール酸モフェチルを8例、タクロリムス5例、メトロプレドニゾロン9例、シクロスポリン2例、アザチオプリン1例を使用していた。癌の局在は右側結腸4例、横行結腸3例、直腸2例と右側結腸に多い傾向であった。クローン病に合併する痔瘻癌と高度の腹膜播種を認めた2例は人工肛門造設施行してそれぞれ放射線化学療法、化学療法を施行したが早期にBSCに移行した。残り7例は腹腔鏡で根治手術が可能であった。術後合併症は1例に縫合不全、脳梗塞を発症した。病理組織診断では分化型腺癌が7例、印環細胞を伴う低分化腺癌が1例、扁平上皮癌が1例であった。切除可能であった7例ではT3例、T4例であり、リンパ節転移陽性を1例に認めた。長期予後としては切除不能な2例については非常に予後不良であり、切除可能な症例では4例中1例で早期の肺転移再発を来していた。小数例の検討であり十分な検討ができているとは言い難いが移植後大腸癌は非常にAggressiveなものが多くことが示唆された。
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220. 佐藤優, 久保進祐, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 大西秀哉, 中村雅史, 歯周炎によるディスバイオシスの移植免疫への影響, 第123回日本外科学会定期学術集会, 2023.04.
221. 久保進祐, 野口浩司, 佐藤 優, 目井孝典, 加来啓三, 岡部安博, 中村 雅史, 血液型不適合生体腎移植直後にCOVID-19 PCR 陽性となった1例, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02, 症例は 43 歳女性。原疾患は慢性糸球体腎炎で、腹膜透析歴 3 年であった。夫婦間移植であり FCXM T+B+DSA陽性と免疫学的ハイリスクであった。血液型不適合でもあり術前に脱感作を行い、術後は TAC+MMF+PSL で維持免疫抑制した。術後尿量は維持できたが Cr は低下せずPOD3 未明に呼吸苦を認め心不全を疑った。まず NIPPVで対応するため COVID-19 PCR を再検したところ陽性であり COVID-19 感染症を併発していた。そのため除水を優先することとし ICU で持続的血液濾過透析 (CHDF) を開始した。COVID-19 に対してはレムデシビルとカシリビマブ / イムデビマブを投与し、MMF を半減した。定期的に培養検査し重複感染を監視した。POD6 に COVID-19による血管内皮障害が疑われヘパリン持続投与を開始したが、POD10 に後腹膜血腫を認め、右腸骨回旋動脈からの出血に対し血管内治療・血腫除去術を要した。PCR のCycle threshold(Ct)値は低値が続きウイルス量の減少を認めないも、COVID19 に伴う症状kオ椈Q・鰻晃・任箸覆蝓¬髪嵳淦・泙 MMF は減量維持とし EVR を add-on した。POD12 頃より徐々に尿量が増加、腎機能改善し POD17に CHDF を離脱した。Ct 値は POD20 に初めて上昇に転じ、十分に上昇した POD40 に退院した。腎移植後急性期にCOVID-19 に感染し治療に難渋した症例を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。
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222. 久保進祐, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, 小児ドナーから小児レシピエントへのen bloc腎移植の経験, 第59回九州外科学会/第59回九州小児外科学会/第58回九州内分泌外科学会, 2023.03, 【はじめに】小児における腎移植では、吻合する血管径が小さく血栓症がしばしば問題となる。本邦ではドナーが6歳未満である場合、2腎同時移植(en-bloc kidney transplant : EBKT)を行うことが可能であるが、小児レシピエントへのEBKTの報告は少ない。
【症例】<症例1>6歳の男児でステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を原疾患とする慢性腎不全で腹膜透析導入後1年9ヶ月目に脳死下腎移植の機会を得た。ドナーは1歳の男児で水頭症のため脳死となり臓器提供となった。<症例2>神経芽腫に対する治療の後遺症により末期腎不全となった12歳の男児で、この度献腎移植の機会を得た。ドナーは3ヶ月の女児で、窒息による低酸素脳症により脳死となった。グラフトの大動脈、下大静脈の一端の断端を連続縫合で閉鎖し、もう一端の断端をレシピエントの総腸骨動静脈へ端側吻合した。
【考察】小さなドナーからの腎移植では、血栓症や尿路系合併症が問題となる。EBKTのメリットは吻合血管径が大きくなることによる血栓症の回避であり、より小さいドナーからの移植の機会増加の可能性がある。今後小児へのEBKTが増加することが予想され、知見を増やしていく必要がある。
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223. 久保進祐, 岡部安博, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 加来啓三, 中村雅史, en bloc 腎移植術を行った 3 症例についての検討
, 第42回九州腎臓移植研究会, 2023.06.
224. 久保進祐, 岡部安博, 佐藤優, 末松真弥, 野口浩司, 加来啓三, 西山慶, 中村雅史 , , 小児へのEn bloc腎移植を行った 3例についての検討, 第44回日本小児腎不全学会学術集会, 2023.11, 当科では直近の2年間で3例のen-bloc腎移植(EBKT)を経験した。
<Case 1>脳死ドナーは1歳、体重9.9kgで、水頭症のため脳死となり臓器提供となった。ドナー体重が10kg未満であったためEBKTを選択した。移植腎は両腎で127gであった。レシピエントは6歳男児であった。グラフトの大動脈、下大静脈の足側断端をレシピエントの総腸骨動静脈へ端側吻合した。TITは576分、初尿は血流再開から40分で認めた。術後はヘパリン、バイアスピリンを使用し血栓予防を行った。
<Case 2>脳死ドナーは生後3ヶ月で身長60cm、体重5?で、レシピエントは12歳の男児であった。 超低体重ドナーのためにEBKTを選択した。グラフトは尿管の長さが極めて短く、グラフトの動静脈は頭側断端を吻合する必要があった。グラフトは非常に小さく、血栓予防目的に術後はヘパリンを開始したが血尿が出現しまた貧血傾向となりすぐに中止となった。その後も血栓イベントなく経過良好である。
<Case 3>脳死ドナーは重症新生児仮死による低酸素脳症を原疾患とする生後4ヶ月の女児で身長70cm, 体重約7kgであった。10歳男児がレシピエント候補となり、低体重ドナーであったためEBKTを選択した。術後は移植腎機能が遷延し、血液透析の継続が必要であった。血栓予防としてヘパリンを使用するも、血尿が目立ち中止した。移植後8日目に突如腹痛が出現、造影CT精査で移植腎周囲に血腫を認め緊急手術を実施。移植腎は浮腫性に腫大し、両側腎被膜が裂け出血をきたしていた。出血部位が複数であり、ショックバイタルであったことから移植腎を残すことは困難と判断しやむなく摘出した。摘出腎の病理検査では血栓症や拒絶の所見に乏しく、急性尿細管壊死が認められた。
小児低体重ドナーからの両側腎移植では、血栓症や尿路系合併症、糸球体過濾過が問題となる。上記3例の手術所見や術後経過を提示し、文献的考察を交え得られた知見を述べる。
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225. 加来啓三, 後藤文佳, 松本大, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史, ドナー由来cell-free DNAによる腎移植後拒絶反応の評価, 第42回九州腎臓移植研究会, 2023.06, 【背景】
拒絶反応の診断において腎生検は有効な手段であるが、侵襲的処置であり、診断が外部委託の施設も多い。より低侵襲で簡便な診断手段としてドナー由来cell-free DNA (dd-cfDNA)の可能性を検証した。
【方法】
2022年5月から9月に腎移植後に腎生検を実施した19例を対象とした。腎生検前にdd-cfDNA(Natera, Inc.)を測定した。抗HLA抗体も腎生検に合わせて測定し、dd-cfDNA結果と腎生検結果、抗HLA抗体検査結果との相関を解析した。
【結果】
19例中生体腎移植15例、脳死下膵腎同時移植4例であった。5例が女性で、平均年齢は56.9歳、移植後の平均経過日数は527.2日であった。dd-cfDNAの結果は、全cfDNAに対する割合(%)で表され、カットオフ値1%以上で拒絶反応のリスクが高まる。2例がカットオフ値を超え、それぞれ5.64%、6.91%であった。腎生検結果は急性T細胞性拒絶反応 (grade IA)とBorderline change (BC)であった。後者の1例は抗HLA抗体も陽性であった。17例はカットオフ値以下であり、腎生検結果は16例が正常、1例がBCであった。BC以上を拒絶反応とした場合、腎生検結果とdd-cfDNA結果の一致度は0.77であった。腎生検でPolyoma virus associated nephropathyと診断された1例は、dd-cfDNA陰性であった。
【結語】
dd-cfDNAは低侵襲な検査であり、腎移植後拒絶反応の診断にある程度有用と考えられる。一方で、ウイルス感染の診断は困難、拒絶反応の詳細は不明、多臓器移植の場合ではいずれの臓器の拒絶反応か不明といった問題もある。

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226. 加来啓三, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史, 膵臓移植のパラダイムシフト 継続と転換, 第59回日本移植学会総会, 2023.09.
227. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 中村雅史 , 生体腎ドナー採取術における細径腎動脈分枝に対する自動縫合器使用の是非, 第38回腎移植・血管外科研究会, 2023.05.
228. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , 膵腎移植の実施症例格差と互助機能, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02.
229. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , 献腎移植における抗HLA抗体陽性症例への対応
, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02.
230. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史 , ABO血液型不適合腎移植の術前、術中、術後
, 第56回日本臨床腎移植学会, 2023.02.
231. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, 膵臓移植bench surgeryでのエネルギーデバイス使用に関する安全性評価, 第50回日本膵・膵島移植学会, 2023.03, 【目的】膵臓移植において、bench surgeryにおけるcold phaseでの膵グラフト周囲の脈管の正確な同定と処理は容易ではない。結紮に頼るtime-consumingな方法は虚血時間の延長に繋がり、グラフト予後にも影響する。血管の不十分な処理は再灌流後の出血にも繋がる。エネルギーデバイスによる処理が解決の一案であるが、bench surgery特有の冷温、湿潤環境下でのエネルギーデバイス使用の安全性評価はなされていない。
【方法】ブタ臓器・組織を用い、bench surgery環境下でのエネルギーデバイス使用の安全性をex vivoで評価した。4℃に設定したUW液にブタ臓器・組織を浸した状態をbench surgery (BS)状態とし、Dry状態と比較した。エネルギーデバイスはLigaSure (LS)とHarmonic Shears (HS)を使用した。評価項目は両デバイス使用時の側方熱拡散による温度上昇と経時的変化、発生するサージカルスモーク、血管耐圧能、デバイス作動時間とした。
【結果】側方熱拡散ならびにサージカルスモークの評価にはブタ腸間膜を使用した。デバイス1mm距離での側方熱拡散による温度は、LS、HSともにDry状態で有意に高かった(P= 0.02)。BS状態での側方熱拡散による最高温度はLSによるデバイス1mm距離での始動開始5秒後の60.4℃であった。BS状態、Dry状態ともにデバイス5mm距離ではLS, HSともに全試技で35℃以下であった。サージカルスモークはLS、HSともにDry状態に比べBS状態でより多く発生した。デバイスのJawの状態で見ると、full biteに比べhalf biteでより多く発生した。ブタ頸動静脈で評価した血管耐圧能は、LS、HS(Advanced hemostasis mode)ともほぼ全試技で動静脈とも750mmHg以上の耐圧能を示した。シーリング、切離までのデバイス作動時間はLS、HSともにDry状態に比べBS状態で延長する傾向にあった。
【結論】膵臓移植bench surgeryにおいてもエネルギーデバイスは安全に使用可能であるが、生体内とは異なる動作を示す点を理解する必要がある。
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232. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 目井孝典, 野口浩司, 中村雅史, 臓器提供施設での3次評価、開腹所見で移植辞退した膵臓移植4症例の検討, 第50回日本膵・膵島移植学会, 2023.03, 日本臓器移植ネットワークからの情報をもとにドナー、レシピエントともに移植適応ありと判断し臓器提供施設に向かうも、現地で移植辞退した膵臓移植4症例を提示する。
辞退4症例の理由内訳は、ドナー悪性腫瘍1例、3次評価の腹部超音波検査での門脈血栓1例、ドナー開腹所見における膵の著明な萎縮1例、硬化1例である。
1. 50代女性にSPK予定であった。事前に卵巣腫瘍の指摘とCA125 200U/mlと高値の情報あり。術中迅速病理診断で卵巣癌の診断であり移植辞退。全臓器辞退。
2. 30代女性にSPK予定であった。ドナーは50代男性。死因は脳血管障害で、心肺停止時間はなし。BMI 16.5kg/m2. 事前に心エコーでIVC内血栓を指摘されていた。3次評価で行った腹部超音波検査で門脈血栓を広範囲に認め、グラフト血栓リスクから移植辞退。肝臓も辞退。
3. 40代女性にSPK予定であった。ドナーは30代男性、死因は頭部外傷。BMI 29.8kg/m2, HbA1c 5.0%、飲酒歴 Alc.9% 酎ハイ700ml/日、内服歴なし。膵疾患の既往なし。US, CTでは所見なし。開腹所見で膵の著明な萎縮を認め移植辞退。肝臓も辞退。
4. 50代男性にSPK予定であった。ドナーは40代女性、死因は低酸素脳症。BMI 17.9kg/m2, HbA1c 5.6%、飲酒歴なし、双極性感情障害で内服加療歴あり。膵疾患の既往なし。US, CTでは所見なし。開腹所見で膵表面の凹凸不整、著明な硬化を認め移植辞退。他臓器問題なく膵臓のみ辞退。一部膵グラフト組織の提供許可を得てHE染色プレパラートを作成し、後日当院で病理診断を行ったところ、線維化、炎症細胞浸潤とも認めなかった。
悪性腫瘍例を除き、上記門脈血栓や膵の開腹所見での移植適応判断に関しては、その妥当性を評価する機会がこれまでなかった。今回、症例4において、ドナー膵組織の病理診断を後日実施することで、判断の妥当性評価を行うことができた。現地辞退症例のフィードバックは今後の適応判断の場において有益な情報となりうる。
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233. 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 津々浦康, 宮本京子, 中村雅史, 膵臓移植実施体制発展への展望, 第59回日本移植学会総会, 2023.09.
234. 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 津々浦康, 宮本京子, 中村雅史, 膵臓移植後長期管理での合併症について, 第59回日本移植学会総会, 2023.09.
235. 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 加来啓三, 小川智子, 津々浦康, 宮本京子, 中村雅史, 増加する外来フォロー腎レシピエントに対する取り組み 九州大学での現状と展望
, 第59回日本移植学会総会, 2023.09.
236. Yu Sato, Hiroshi Noguchi, Shinsuke Kubo, Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura, Periodontal Pockets as a Risk Factor for Cytomegalovirus Infection after Kidney Transplantation: Single center retrospective analysis, Asian Transplantation Week 2023, 2023.11, Introduction: Periodontal pockets are known to be a source of cytomegalovirus (CMV). CMV infection has been identified as a risk factor for acute kidney allograft rejection and even long-term mortality in organ transplant recipients. This study aims to investigate whether periodontal pockets may be a risk for CMV infection after kidney transplantation.
Methods: We conducted a retrospective analysis of 98 patients who underwent living donor kidney transplantation and received preoperative oral care at our institution. The extent of periodontal pockets was assessed as the percentage of tooth sites with probing pocket depth ?4mm (%PPD). We assessed the cumulative incidence of CMV infection within 3 months after transplantation.
Results: Cox hazard regression analysis showed that %PPD was a significant risk factor for CMV infection within 3 months after transplantation (hazard ratio =29.0; 95% confidence interval, 2.2-252.0; p =0.004). The receiver operating characteristic curve determined the cutoff value for %PPD to be 26.7%. The cumulative incidence of CMV infection within 3 months after transplantation was significantly higher in patients with %PPD >26.7% compared to patients with %PPD ?26.7% (27.8% vs. 7.6%, p = 0.011).
Conclusion: Our study indicates that periodontal pockets may be a risk for CMV infection after kidney transplantation..
237. Kodai Shingaki, Hiroshi Noguchi, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Takanori Mei, Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura, , , Outcomes and cost comparison of three different laparoscopic approach for living donor nephrectomy: a retrospective, single-center, inverse probability of treatment weighting analysis of 551 cases, The 18th Congress of Asian Society of Transplantation, 2023.08, <Introduction>
Kidney transplantation (KT) is a curative therapy for end-stage kidney disease. Although various approach of laparoscopic living donor nephrectomy has become routine, outcomes and costs of each approach are not adequately discussed. In our institution, we switched from hand-assisted retroperitoneal laparoscopic donor nephrectomy (HRN) to hand-assisted intraperitoneal laparoscopic donor nephrectomy (HTN); we later switched to standard retroperitoneal laparoscopic donor nephrectomy (SRN). This study was performed to compare donor outcomes and costs among HRN, HTN, and SRN.
<Method>
Between January 2014 and December 2022, there were 557 cases of living donor KT in Kyushu University Hospital. After the exclusion of six cases in which additional procedures were performed, we retrospectively reviewed the data from 551 cases of living donor KT. To overcome bias caused by differences in covariate distribution among the three study groups, inverse probability of treatment weighting (IPW) was performed using logistic regression analysis to generate propensity scores for each group of cases. The following variables that affected primary outcomes were included in the IPW analysis: donor age/sex/body mass index, incidence of right nephrectomy, donor Mayo adhesive probability score (?1 or 0), incidence of multiple renal artery (?2 or 1). After IPW analysis, there were 114 cases in the HRN group, 204 cases in the HTN group, and 213 cases in the SRN group.
<Results>
Donors in the HRN group had the shortest operative time(172 vs 220 and 222 min, P<0.001) and greatest estimated blood loss(178 vs 51 and 52 %, P<0.001) among the three groups. Donors in the SRN group had the lowest serum C-reactive protein concentrations on postoperative day 1 (4.3 vs 10.5 and 7.8 mg/dl, P<.001), and the shortest postoperative stay (4.3 vs 7.4 and 8.4 days, P<.001). In the SRN group had the lowest incidence of complications among three groups(1.1vs 4.4 and 5.9%, P<0.021), while the incidence of complications did not significantly differ between the HRN and HTN groups. Donors in the SRN group had the lowest total cost among the three groups (8868 vs 9709 and 10592 USD, P<.0001). Donors in the SRN group also had the lowest costs in terms of ‘basic medical fees’, ‘medication and injection fees’, and ‘testing fees’. Donors in the HTN group had the highest total cost among the three groups; they also had
the highest costs in terms of ‘medication and injection fees’, ‘treatment fees’, ‘intraoperative drug and material costs’, and ‘testing fees’.
<Conclusion>
SRN appeared to have the least invasive and complication, and a potential cost savings compared with the HRN and HTN..
238. Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Shinsuke Kubo, Hiroshi Noguchi, Masafumi Nakamura , Effective utilization of organs for pancreas transplantation in Japan
, 第35回日本肝胆膵外科学会学術集会, 2023.06, Background: Pancreas transplantation has tremendous advantages for patients with type 1 diabetes in terms of improving life prognosis and quality of life. However, in Japan, there is a problem of disparity in the number of pancreas transplants performed between institutions and low procured rate. Furthermore, in Japan, simultaneous pancreas-kidney transplantation requires at least one HLA-DR match, and patients who do not meet this criterion are not candidates for recipients. For these reasons, the demand for pancreas transplantation is currently not being fully met.
Methods: We compared the number of pancreas transplant facilities, pancreas transplants performed, and organs donated per 10,000 population in each region during the 10-year period from 2013 to 2022 to examine the disparity in pancreas transplant cases among facilities. We examined the procured rate of pancreatic grafts in 390 brain-dead organ donation cases performed in 2018-2022. We examined the impact of HLA-DR mismatch on graft prognosis in 368 Japanese brain-dead simultaneous pancreas and kidney transplants performed up to 2020.
Results: About a 2-fold regional difference was observed in the number of pancreas transplant facilities. Regarding the number of pancreas transplants performed and the number of organs donated in the past 10 years, regional differences were found to be about 8.5 times and 2 times greater, respectively. Of the 390 brain-dead organ donations, 164 (42.1%) pancreas grafts were procured and transplanted to the recipient. This was lower than those of the heart (84.9%), lung (72.8%), liver (85.1%), and kidney (92.3%). The 1-year graft survival rates between the two HLA-DR 2-match and mismatch groups were 89.3% and 87.8%, respectively, with no statistically significant difference (P = 0.65, log-rank).
Conclusion: The use of a mutual aid system is recommended as an immediate solution to the disparity between facilities. In our decisions on indications for pancreas transplantation, potentially transplantable organs may have been missed. As for the impact of HLA-DR, further detailed studies are required..
239. Keizo Kaku, Akari Kaba, Kodai Shingaki, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura, The registry report of pancreas transplantation in Japan, The 18th Congress of Asian Society of Transplantation, 2023.08, Introduction: Pancreas transplantation enables insulin withdrawal in patients with insulin-dependent diabetes and considerably improves patients’ survival and quality of life. However, in Japan, the shortage of brain-dead donors has resulted in a long waiting period. As a result, pancreas transplants from expanded criteria donors have been widely performed, however, the effectiveness of this strategy has not been evaluated. In recent years, there has been a trend to make effective use of pancreatic grafts, which have been discarded in the past, for the purpose of effective use of organs. Japanese data, which have accumulated many transplant results from expanded criteria donors, is considered to be effective for determining donor indications.
Method: A total of 371 pancreas transplants from brain-dead donors performed at 18 certified pancreas transplant centers in Japan between January 2001 and July 2019 were included in this study. The Pancreas Donor Risk Index (PDRI) of Japanese patients with a pancreas transplant was calculated according to the formula reported by the previous study. The short-term and long-term pancreas graft survival rate was verified. An analysis of prognostic factors related to 1-year pancreas graft survival was performed. The target population was narrowed down to patients with a high PDRI, and the 1-year graft survival rate was verified.
Results: As for the donor characteristics, the mean age was 40.4 years and 43.4% were women. The mean height was 163.5 cm, BMI was 21.9 kg/m2, and HbA1c value was 5.4%, respectively. The mean PDRI was 2.01 and the median PDRI was 1.88. Patients were divided into low- and high-PDRI groups, with a cut-off value of 2.52 obtained from the ROC curve. The 1-year pancreas graft survival rate was significantly higher in patients with a low-PDRI than in those with a high-PDRI (92.0% vs 81.0%, P = 0.003). Multivariate analysis showed that PDRI, donor hemoglobin A1c, and pancreas transplantation alone significantly predicted 1-year pancreas graft survival (all P < 0.05). Spline curve analysis revealed that the PDRI was incrementally associated with an increased risk of 1-year graft failure. In the group with a PDRI ? 2.87, 8 of the 56 cases resulted in graft failure within 1 month, and all were due to graft thrombosis.
Conclusion: The PDRI is an effective evaluation tool for pancreas transplantation in Japan. Pancreas transplantation from donors with a high PDRI can be performed with acceptable results as an alternative until the donor pool is increased. However, the early development of thrombosis should be noted in cases of extremely high PDRI.
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240. Akari Kaba, Hiroshi Noguchi, Yu Sato, Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura , Single center experience with re-transplantation after allograft loss for kidney transplant recipients
, The 18th Congress of Asian Society of Transplantation, 2023.08.
241. 野口浩司, 久保進祐, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 腎移植患者に対するアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬の使用経験, 第57回日本臨床腎移植学会, 2024.02.
242. 池永直樹, 仲田興平, 阿部俊也, 渡邉雄介, 井手野昇, 永吉絹子, 水内祐介, 野口浩司, 加来啓三, 岡部安博, 進藤幸治, 大内田研宙, 中村雅史, ロボット手術の特性からみた低侵襲膵切除の出血コントロール
-inflow-outflow controlによるトラブルシューティング-
, 第124回日本外科学会 , 2024.04.
243. 新垣滉大, 野口浩司, 久保進祐, 佐藤優, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 抗体製剤を使用中の末期腎不全患者に対する腎移植の検討, 第57回日本臨床腎移植学会, 2024.02, 【背景】
膠原病や炎症性腸疾患等に対して炎症性サイトカインを標的とした抗体製剤が広く使用されるようになった一方で、抗体製剤を使用中の患者の周術期において創傷治癒遅延や免疫抑制効果による感染症といった有害事象の報告が散見される。そこで今回我々は抗体製剤を使用中の末期腎不全患者に対し当院で経験した腎移植症例を集積・検討した。
【方法】
2014~2023年に当院で施行した腎移植7例を検討した。内訳は生体腎移植6例、献腎1例であった。男女比は男性4例、女性3例であり中央値は45歳(34~61歳)であった。併存・原疾患の内訳はCrohn病2例、関節リウマチ2例、アミロイドーシス1例、Castleman病1例、ベーチェット病1例であった。使用薬剤の内訳は抗IL-6阻害薬4例、抗TNF-α阻害薬3例であった。
【結果】
術後在院日数の中央値は14日(10~24日)であり、休薬期間なく手術を施行した献腎移植を含め全例で周術期合併症はなく良好に経過した。術後1年の観察期間にサイトメガロウイルス腸炎と尿路感染症を1例ずつ認めた。術後1年以内の腎生検は全例で拒絶反応を認めなかった。グラフト生着率・生存率はともに観察期間内で100%であり、5年以上経過した症例も生着・生存を認めた。
【結語】
当院での抗体製剤を併用中の腎移植7例を経験した。.
244. 佐藤優, 野口浩司, 久保進祐, 加来啓三, 岡部安博, 中村雅史, 当科における生体腎移植周術期でのDaprodustatの使用経験, 第57回 日本臨床腎移植学会, 2024.02, 【背景】腎移植後の腎性貧血に対しても低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害剤が使用され始めているが、周術期の使用に関する報告はほとんどない。当科での生体腎移植周術期におけるDaprodustatの使用に関して報告する。
【方法】2019年6月から2023年3月までに当科で生体腎移植を施行した18歳以上の初回腎移植患者を対象とした。術後1週間以内にDaprodustatを内服開始した患者をDaprodustat群、エリスロポエチン製剤(ESA)での治療を行った患者をESA群とした。傾向スコアマッチを行い、術後3ヶ月間のアウトカムを比較した。
【結果】Daprodustat群59人とESA群74人に対して傾向スコアマッチを行い、各群42人ずつを解析対象とした。術後3ヶ月以内での血栓塞栓症の発症に2群間で有意差はなかった。ヘモグロビン値は術後3ヶ月間のどの時点でも有意差はなかったが、術後10週以降でのMCVはDaprodustat群で有意に高く、鉄利用の亢進を反映している可能性が示唆された。推算糸球体濾過量は術後3ヶ月間のどの時点でも有意差はなく、また移植後3ヶ月の腎生検での拒絶の割合にも有意差はなかった。
【結論】Daprodustatは腎移植周術期でも安全に使用できると考えられた。長期的な予後への影響に関しては今後も追跡が必要である。.
245. 加来啓三, 後藤文佳, 岡部安博, 中村雅史, ABTHERAドレッシングキットで臓器保護を行った後の脳死下臓器提供の1例, 第60回日本腹部救急医学会総会, 2024.03.
246. 加来啓三, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史 , 腎移植後長期患者管理におけるSDGs, 第57回 日本臨床腎移植学会, 2024.02.
247. 加来啓三, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 岡部安博, 中村雅史 , 抗DSA抗体陽性移植におけるNightmare casesとRecovery cases, 第57回 日本臨床腎移植学会, 2024.02.
248. 加来啓三, 岡部安博, 久保進祐, 佐藤優, 野口浩司, 中村雅史, 膵移植後グラフト血栓症を引き起こす10のこと, 第51回日本膵・膵島移植学会, 2024.02.

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