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就職実績有, 2011年 10月~2017年9月 Biozentrum, University of Basel
ゲノム複製のためには、イニシエーターが複製開始点で複合体を形成した後、開始点の2重鎖DNAを開裂しなければならない。この2重鎖DNA開裂反応にはAAA+ファミリー蛋白質が重要な役割を担っている。大腸菌のゲノム複製開始反応では、AAA+ファミリー蛋白質DnaAが複製開始点oriC上で動的な高次複合体を形成し、ATP結合に依存して2重鎖DNAの開裂を促す。私はAAA+蛋白質の構造特性と超好熱菌由来の精製DnaA蛋白質の結晶構造解析に基づき、「DnaAによるリング様多量体の形成とリング中央の孔(ポア)の内側に露出したアミノ酸残基によるoriC開裂反応の促進」というモデルを提唱している (Ozaki et al., J. Biol. Chem., 2008)。このモデルを検証するためにDnaAが形成する蛋白質高次複合体の機能構造解析を行い、AAA+蛋白質が触媒する2重鎖DNA開裂の普遍分子機構を理解することを目指している。