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1)スポーツハンティングと地域社会の「持続可能性」に関する学際的研究
歴史的であるとともに、現代でも活発におこなわれているスポーツハンティング(娯楽観光のための狩猟)に着目し、人と野生動物の共存関係と「持続可能性」について考察している。
スポーツハンティングは、特に発展途上国において計画性と経済性から野生動物保全を支える観光活動として注目されている。しかし、それがおこなわれている地域に生きる人びとの生活実践は等閑視されているのが現状である。また、近年、国内においても、農作物被害などに象徴されるように、野生鳥獣と人間社会の軋轢が問題視されている。
こうした「人と野生動物の関係」における問題が顕在化している地域として、アフリカ・カメルーン、アメリカ合衆国・ハワイ州、北海道、九州をとりあげ、フィールドワークによる実証的研究をおこなっている。そしてフィールドワークによる研究成果と、環境社会学、環境倫理学における知見を融合させ、「いかにして、人と野生動物は共存すべきなのか?」について探求している。
2)狩猟観と動物観に関する歴史・社会学的研究
「なぜ、人は(娯楽のために)野生動物を殺すのか?」ということをテーマに、現代と過去の動物観や狩猟観にも注目した研究をおこなっている。 具体的には、人類学、民俗学、歴史学などにおいて関連する文献の渉猟とともに、アンケートをつかった社会調査を進めている。
【教育活動】
上記のような研究活動の成果を基礎として、「多角的視点による省察的思考」と「多文化かつグローバルな現代社会に生きる創造力とコミュニケーション能力」の養成に努める。具体的には、国内外でおこなってきたフィールドワークによる実証的研究と理論研究の成果をもとにおこなう実習や講義を通して、学生に対して、高いコミュニケーション能力と、多文化共生に対する深い理解と謙虚な態度、柔軟かつ冷静に現代社会を分析する能力の育成を図る。
【社会活動】
NPO法人アフリック・アフリカでの活動のほか、研究成果を調査地および社会に還元する目的で、講演や市民講座などによる積極的なアウトリーチ活動をすすめている