2024/07/28 更新

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ヨシダ シゲオ
吉田 茂生
YOSHIDA SHIGEO
所属
理学研究院 地球惑星科学部門 准教授
理学部 地球惑星科学科(併任)
理学府 地球惑星科学専攻(併任)
職名
准教授
連絡先
メールアドレス
プロフィール
地球のコアのダイナミクスの研究(ダイナモ作用、内核の構造) 地球のコアの形成の研究(初期地球) 熱水循環のダイナミクスの研究(相分離、沈殿) 火山噴火のダイナミクスの研究(爆発的噴火)

学位

  • 博士(理学)

経歴

  • 東京大学地震研究所(助手)―名古屋大学大学院理学研究科(助手)―名古屋大学大学院環境学研究科(助教授―准教授)

研究テーマ・研究キーワード

  • 研究テーマ:粒子法による流体力学シミュレーション法

    研究キーワード:SPH 法

    研究期間: 2022年4月

  • 研究テーマ:温められた金属柱の上の気泡を含んだ氷の自発的回転運動

    研究キーワード:自発的運動、気泡、相変化、表面張力

    研究期間: 2014年4月 - 2019年3月

  • 研究テーマ:海王星の帯状流の形成

    研究キーワード:角運動量輸送、内部構造

    研究期間: 2011年4月 - 2014年3月

  • 研究テーマ:火山噴火過程のモデリング

    研究キーワード:多相流、圧縮性流体、浮力

    研究期間: 2009年4月 - 2019年3月

  • 研究テーマ:地球惑星科学の科学哲学

    研究キーワード:モデル、科学計量学

    研究期間: 2009年4月 - 2016年3月

  • 研究テーマ:地球のコアのダイナミクス(波動、ダイナモ作用、内核の構造)

    研究キーワード:ダイナモ、コア・マントル相互作用、地震波異方性

    研究期間: 1990年4月

論文

  • Formation of a hydrothermal reservoir due to anhydrite precipitation in an arc volcano hydrothermal system 査読 国際誌

    Yoshifumi Kawada, Shigeo Yoshida

    Journal of Geophysical Research   115   2010年11月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1029/2010JB007708

  • 地球の内核はどのように研究されてきたか~科学計量学的手法を援用して 査読

    吉田 茂生

    10   126 - 145   2013年11月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    I investigate the history of the study on the Earth’s inner core. The history until the 1960s is described, basically based on Brush(1996). The history after the 1970s is studied with the aid of a scientometric method of tracking the change in the number of papers per year. I find that the number of papers on the inner core increased in the 90s, driven by the discovery of its seismic anisotropy. I suggest that the development of digital computing and network was responsible for the increase in the number of inner core studies.

  • ダイナモにおけるα効果(平均誘導起電力)の非局所性と時間遅れの効果

    堀 久美子, 吉田 茂生

    月刊地球   32 ( 5 )   2010年5月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

書籍等出版物

  • 新装版地球惑星科学2「地球システム科学」第3章「地球システムにおける対流とエネルギーの流れ」

    吉田茂生(同じ巻の他の章の担当者は、鳥海光弘、田近英一、住明正、和田英太郎、大河内直彦、松井孝典)( 担当: 単著)

    岩波書店  2010年6月 

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    担当ページ:55-97ページ   記述言語:日本語   著書種別:学術書

    リポジトリ公開URL: http://hdl.handle.net/2324/1001434009

  • 『新しい地球惑星科学』の基礎編第12章「火山とともに生きる」

    @西山忠男, 吉田茂生( 担当: 共著)

    培風館  2019年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    火山学の解説。吉田執筆部分は火山噴火の物理の解説。

  • 『新しい地球惑星科学』の応用編第2章「地球と惑星の形状と重力」

    吉田茂生( 担当: 単著)

    培風館  2019年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    ジオイドと惑星内部構造の関係、緯度・経度・標高の座標系の解説。

  • 『新しい地球惑星科学』の付録A「静水圧平衡とアイソスタシー」

    吉田茂生( 担当: 単著)

    培風館  2019年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    静水圧平衡とアイソスタシーの解説。

  • 『新しい地球惑星科学』の基礎編第9章「地球はどのような物質でできているのか」

    @西山忠男, 吉田茂生( 担当: 共著)

    培風館  2019年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    地球構成物質の解説。

  • 『図説 地球科学の事典』の2.12「核の進化と地球磁場変動」

    吉田茂生( 担当: 共著)

    朝倉書店  2018年4月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    コアの歴史と地球磁場変動の関連の解説

  • 『科学と文化をつなぐ~アナロジーという思考様式』第3章「類推としてのアナロジー―地球の内核の異方性のモデリングを行った一研究を事例として」

    吉田 茂生, 中尾 央( 担当: 共著)

    東京大学出版会  2016年3月 

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    担当ページ:pp.63-77 本全体の編者は春日直樹(一橋大学)。本全体としては17名の著者による。   記述言語:日本語   著書種別:学術書

    科学研究においてアナロジーが果たす役割を自分の研究を例にして紹介した。

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講演・口頭発表等

  • マントル対流計算を⽬指した弱圧縮性SPH法の開発

    #菖蒲迫 健介、@吉田 茂生、川田 佳史、@中島 涼輔

    日本惑星科学会 2023年秋季講演会  2023年10月 

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    開催年月日: 2023年10月

    記述言語:日本語  

    開催地:広島県広島市⽂化交流会館・JMSアステールプラザ   国名:日本国  

    地球形成史を明らかにするためには,地球形成およびコア形成から現在に至る 46 億年の 間に起こった地球内部のダイナミクス諸過程を連続的に理解することが極めて重要である. 形成期を代表する巨大衝突計算では複数相や大変形を扱うことができる Smoothed Particle Hydrodynamics method (SPH 法[1]) が広く用いられる.このことから,SPH法を惑星内部 計算,特にマントル対流計算に応用したいと考えた.通常のSPH法は圧縮性流体を扱うため 陽解法を用いる.しかし,音速が大きく粘性率が高いマントル対流計算では,可能なタイム ステップの上限が非常に短く陽解法では解きがたい.このため音速低減法を適用した弱圧縮 性SPH法[2]および慣性変化法[3]によりタイムステップの上限を緩和するのが有効であると 考えた.一方,従来の弱圧縮性SPH法では人為的な音速の低減が,熱対流で本質的な浮力項 を変化させてしまい,圧縮性を伴うマントル対流を正しく計算できない.そこで,この欠点 を含まない計算法を新たに構築した. 本研究で新たに提案する方法は,弱圧縮性近似で柔らかくする密度と浮力に関する重力密 度を物理的な考察に基づき分離するという方法(重力密度分離法)である.この手法の妥当性 と有効性を検証する目的のもと,空気とマントルのブシネスク熱対流に関するベンチマーク テストとの比較を行った.本発表ではその結果および実際のマントルの状態方程式を用いて 得られた結果を報告する. [1] Lucy, L. B., 1977, Astron. J., 82, 1013-1024. [2] Monaghan, J. J., 1994, J. Comput. Phys., 110, 399-406. [3] Takeyama. K., et al., 2017. New Astron., 50, 82-103

  • 惑星コア形成を目指したDISPH法の改良

    #菖蒲迫 健介、@吉田 茂生、川田 佳史、@中島 涼輔

    Japan Geoscience Union Meeting 2022, セッション P-PS07 惑星科学  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年5月 - 2022年6月

    記述言語:日本語  

    開催地:千葉県千葉市幕張メッセ・オンラインハイブリッド   国名:日本国  

    導入: 惑星形成過程において集積過程と分化過程の両者を同時に解くような流体シミュレーション手法は確立されていない.特に分化プロセス(もしくは惑星コア形成過程)を数値流体計算によってグローバルに解いた例は少ない.  集積プロセスのシミュレーションには,一般にSPH法(Smoothed Particle Hydrodynamics method)という手法が広く用いられる[e.g., Benz et al., 1986; Nakajima et al., 2021].そこで,集積問題で一定のコンセンサスを得ている手法を惑星コア形成問題に応用できないだろうか,と考えた.しかし,従来のSPH法(the Standard SPH method, SSPH法)では物質境界を上手く扱えないという大きな問題があった[Agertz et al., 2007].この問題に対して,Saitoh and Makino (2013)やHosono et al. (2013)で初めて提案された,密度に依存しないSPH法(the Density-Independent SPH method, DISPH法)は非常に有効な手法である.一方で,この新しい手法を用いた流体数値計算例は少なく[Hosono et al., 2016; Takeyama et al., 2017; Hosono et al., 2019],境界設定や熱力学量の定式化は,コアマントル分離を扱う目的では使いやすい形に書かれていない.  本研究では惑星進化(特に惑星コア形成過程)を扱うためにDISPH法の改良を試みる.本研究の目的は,先行研究[e.g., Saitoh and Makino, 2013; Hosono et al., 2013]で明らかにされていない問題点に触れ,その改良方法を提案するものである. 方法: SPH法の基本的な概念は「場の物理量を,近傍粒子を用いなめらかな関数を使って平滑化する」というものである.しかし,従来のSPH法(SSPH法)では密度を平滑化することが理由で,物質境界付近で非物理的な現象が生じる.この解決法としてSaitoh and Makino (2013)が開発した,DISPH法は非常に有効である.一方で,オリジナルのDISPH法をコアマントル分離の問題に応用するには工夫が必要である.例えば, (1)熱力学量の時間発展式を使いやすい形に変形すること (2)境界条件の取り扱い方を工夫すること などである.特に後者は重要である.その理由は,SSPH法では境界の取り扱い方が計算精度に大きく影響を与えることが知られていて[e.g. Bonet and Kulasegaram, 2002; Shao et al., 2012],DISPH法でも同様であると期待されるからである.そこで,これらの改良を試みた.具体的には,(1)惑星内部を記述するのに適切なDISPH法の基礎方程式を構築し, (2)SSPH法で用いられる境界処理法の一つをDISPH法に応用した[Marrone et al., 2011; Asai et al., 2013].さらに,DISPH法における自由表面の新しい取り扱い方を提案する.  これらの改良点を加えたDISPH法を用いて,二次元レイリーテーラー不安定の問題を解いた.つまり,上側に重い液体金属を,下側に軽い液体シリケイト(マグマオーシャン)を配置し,物質境界に適切な摂動を加え,その様子を観察した. 結果と今後の研究: 水平方向に1波長分の不安定なモードが成長するような摂動を加えた場合の結果は添付の図のようになった.図のカラーバーは密度を表している.重い液体金属が液体シリケイトと混和することなく沈降する様子が分かる.  惑星コア形成問題をグローバルに解くための流体計算の第一歩として,DISPH法の改良を行った.この手法を用いたシミュレーション例として,物性の似ている液体間の二次元レイリーテーラー不安定の問題を解いた.今後は,固体シリケイトを含めた三相二次元問題を考え,その後三相三次元問題に拡張してゆきたい.さらには元素分配も同時に扱えるような粒子法の開発も進めていきたいと考えている.

  • 東西磁場が印加された回転球面上の 2 次元理想磁気流体波動とアルフべン連続モード

    @中島涼輔, @吉田 茂生

    Japan Geoscience Union Meeting 2021, セッション M-IS24 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ  2021年6月 

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    開催年月日: 2021年6月

    記述言語:日本語  

    開催地:オンライン   国名:日本国  

    大きさが余緯度θに依存する東西磁場が印加された回転球面上の 2 次元理想磁気流体 (MHD) の線形波動を調べた. 背景磁場が B0Φ = B0 sinθで表される場合 (ここで, B0 は定数, Φ は方位角) は, 西に伝播する速い磁気ロスビー波と東に伝播する遅い磁気ロスビー波の 2 種類が存在することが分かっている. この背景磁場分布以外の場合では, 固有モードの東西位相速度が局所的なアルフべン波速度 (を sinθで割ったもの) と一致するようなところに確定特異点をもつ線形波動の微分方程式を解かなければならない. 臨界緯度の位置は考える固有モードの東西位相速度に依存するため, このことは, 球面上という閉じた領域であるにもかかわらず, アルフべン波の共鳴によって連続モードが生じるということを意味している. 類似の状況には, 非粘性平行シアー流の線形問題があり, これは位相速度と局所的な平均流速が一致するところで臨界層を生じうる (例えば, Case, 1960). 我々は背景磁場が B0Φ = B0 sinθcosθ の場合について数値的に固有値問題を解き, 連続モードが確かに存在することを確かめた. 連続モードの固有周波数は分散関係のグラフ上を面的に広がってしまうため, 離散モードのブランチが連続スペクトルに埋もれて見つかりにくくなっている可能性がある. それゆえ, 我々は各固有モードのエネルギー分配を計算することによって, 連続モードに埋もれた離散モードを拾い出すことを試みた. 注目すべきことは, 今回考えた背景磁場分布の場合には, 遅い磁気ロスビー波の離散的なブランチが見つからなかったことである. このことから理想磁気流体の場合には, 背景磁場分布の選択が, 遅い磁気ロスビー波の出現に影響を及ぼしてしまうことがわかった. 数値計算により, 連続固有モードの構造が求められ, それらが臨界緯度付近でフロベニウスの方法による 2 つの線形独立な解の重ね合わせになっていて, そこでの理論的な接続条件と整合的であることが示された. 印加した磁場の強度が小さいとき, 連続モードの固有関数は, 例外はあるものの, 西進の場合は極側で, 東進の場合は赤道側でエバネッセントになる傾向がある. この特徴は, ゆっくりと空間変化する磁場を伴う回転流体中の高波数の磁気流体波が, 臨界層へ近づいていくが, そこを超えられないという WKBJ 近似の帰結 (Acheson, 1972; Eltayeb & McKenzie, 1977) と整合的である. Acheson (1972) は, ある状況下で磁気流体波は臨界層を横切ることができるという「バルブ」効果を提案したが, 我々が考える問題では, 自転角速度の水平成分が 0 であるので, その効果が起こる条件の範囲外である.

  • 遅い磁気 Rossby 波とAlfvén 波の連続固有値を伴う回転球面上の 2 次元理想 MHD 波動

    @中島涼輔, @吉田 茂生

    Japan Geoscience Union Meeting 2022, セッション M-IS21 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ  2022年6月 

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    開催年月日: 2021年5月 - 2022年6月

    記述言語:日本語  

    開催地:千葉県千葉市幕張メッセ・オンラインハイブリッド   国名:日本国  

    Two-dimensional ideal magnetohydrodynamic (MHD) linear waves on a rotating sphere are focused on as a model of a stably stratified layer at the top of the Earth's core. This thin stable layer can accommodate MHD waves which may induce various geomagnetic and geodetic variations (e.g. Gillet et al., 2021[1]; Triana et al., 2021[2]). Under the Malkus background field B0Φ = B0 sinθ, where B0 is a constant, Φ is the longitude and θ denotes the colatitude, linear waves in a thin layer are categorized into two types of branches, which correspond to westward-propagating fast magnetic Rossby waves and eastward-propagating slow counterparts, and on which both modes gradually become Alfvén waves as this field strengthens (Zaqarashvili et al., 2007[3]; Márquez-Artavia et al., 2017[4]). Slow magnetic Rossby waves are especially put weight on as a cause of decadal and subdecadal geomagnetic fluctuations (e.g. Chulliat et al., 2015[5]; Chi-Durán et al., 2021[6]). On the other hand, non-Malkus fields such as plausible toroidal fields within the Earth's core make our linear problem complicated due to the advent of regular singular points in its equation. At these singular latitudes for a given wave, the zonal phase velocity of the wave is equal to the local Alfvén speed at the latitude. In the present presentation, we demonstrate that a non-Malkus field B0Φ = B0 sinθcosθ yields a continuous spectrum and an infinite number of singular eigenmodes instead of slow magnetic Rossby discrete modes, which are worthy of attention in studying Earth's magnetism, and Alfvén ones. Slowly varying wavetrains in inhomogeneous fields are also investigated to compare with our numerical calculation seeking eigenmodes. This implies that a wave packet of the continuous modes propagates toward the critical latitude corresponding to the wave with its pseudomomentum conserved and is ultimately absorbed there. In addition, we found that the behavior that westward- (eastward-) propagating packets approach the latitudes from the equatorial (polar) side is consistent with the tendency which the profiles of their eigenfunctions have. Further thorough discussions of the continuous spectra possibly improve the theory of wave-mean field interaction and one's understanding of the dynamics in the layer. The geophysically traditional approximation in which one ignores the inertia term is useful to discuss slow MHD waves including slow magnetic Rossby waves (e.g. Buffett and Matsui, 2019[7]). This approximation can also conveniently rule out the continuous modes, which lead to difficulties with our problem. However, this can have a severe influence on the existence of the critical latitudes, hence eigenmodes significantly different from the original. We therefore urge that one should not carelessly drop the inertial effect in the system in which main fields possess spatial dependence. [ Reference ] [1] Gillet, N., Gerick, F., Angappan, R., Jault, D. (2021) Surv. Geophys., doi: 10.1007/s10712-021-09664-2 [2] Triana, S.A., Dumberry, M., Cébron, D., Vidal, J., Trinh, A., Gerick, F., Rekier, J. (2021) Surv. Geophys., doi: 10.1007/s10712-021-09668-y [3] Zaqarashvili, T.V., Oliver, R., Ballester, J.L., Shergelashvili, B.M. (2007) Astron. Astrophys., 470, 815–820, doi: 10.1051/0004-6361:20077382 [4] Márquez-Artavia, X., Jones, C.A., Tobias, S.M. (2017) Geophys. Astrophys. Fluid Dyn., 111, 282–322, doi: 10.1080/03091929.2017.1301937 [5] Chulliat, A., Alken, P., Maus, S. (2015) Geophys. Res. Lett., 42, 3321-3329, doi: 10.1002/2015GL064067 [6] Chi-Durán, R., Avery, M.S., Buffett, B.A. (2021) Geophys. Res. Lett., 48, e2021GL094692, doi: 10.1029/2021GL094692 [7] Buffett, B., Matsui, H. (2019) Geophys. J. Int., 218, 1210–1225, doi: 10.1093/gji/ggz233

  • 東西磁場が印加された回転球面上の磁気流体浅水波の極域にトラップされたモード

    #中島涼輔, 吉田 茂生

    2020年7月 

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    開催年月日: 2020年7月

    記述言語:日本語  

    開催地:オンライン   国名:日本国  

    Magnetohydrodynamic (MHD) shallow water linear waves are examined on a rotating sphere with a background toroidal magnetic field expressed as B0Φ=B0sinθ, where B0 is constant, θ is the colatitude and Φ is the azimuth. The MHD shallow water equations are often used in studying the dynamics of the solar tachocline (e.g. Gilman & Dikpati, 2002[1]; Márquez-Artavia et al., 2017[2]) and sometimes the outermost Earth's core (Márquez-Artavia et al., 2017[2]; Nakashima, Ph.D. thesis, 2020[3]) and exoplanetary atmosphere (e.g. Heng & Workman, 2014[4]). In this poster, we especially focus on the propagation mechanisms and the force balances of polar trapped waves and unstable modes (Márquez-Artavia et al., 2017[2]; Nakashima, Ph.D. thesis, 2020[3]). Comprehensive searches for eigenmodes yield two polar trapped modes when the main magnetic field is weak (the Lehnert number α=VA/2ΩR2<0.5, where VA is the Alfvén wave velocity, Ω is the rotation rate and R is the sphere radius). One is the slow magnetic Rossby waves, which propagate eastward for zonal wave number m≧2 (Márquez-Artavia et al., 2017[2]). As the Lamb's parameter ε=4Ω2R2/gh→0 (where g is the gravity acceleration and h is the equivalent depth), these branches asymptotically approach the eigenvalues of two-dimensional slow magnetic Rossby waves. Another is newly discovered westward polar trapped modes (Nakashima, Ph.D. thesis, 2020[3]). In the case when α>0.5 (the background field is strong), these novel westward modes merge with the westward-propagating fast magnetic Rossby waves. In addition, only when m=1, polar trapped unstable modes appear due to the interaction between these fast magnetic Rossby waves and westward-propagating slow magnetic Rossby waves. These growth modes are believed to be the polar kink (Tayler) instability (Márquez-Artavia et al., 2017[2]). In order to easily understand the propagation mechanisms and the force balances of polar trapped modes, we investigate a cylindrical model around a pole with an artificial boundary condition. This model provides the approximate dispersion relations and eigenfunctions of polar trapped modes, and indicates that stable polar trapped modes are governed by magnetostrophic balance and that the metric magnetic tension force causes the difference between the slow magnetic Rossby waves and the novel westward modes. For m=1 and α>0.5, the balance between Coriolis and Lorentz forces is disrupted and the part of magnetic tension with which Coriolis force can not compete induces kink instability. [ Reference ] [1] Gilman, P. A., Dikpati, M. (2002) Astrophys. J., 576, 1031. doi: 10.1086/341799 [2] Márquez-Artavia, X., Jones, C. A., Tobias, S. M. (2017) Geophys. Astrophys. Fluid Dyn., 111, 282. doi: 10.1080/03091929.2017.1301937 [3] Nakashima, R. (2020) Ph.D. thesis, Kyushu University. http://dyna.geo.kyushu-u.ac.jp/HomePage/nakashima/pdf/doctoral_thesis.pdf [4] Heng, K., Workman, J. (2014) Astrophys. J. Sup., 213, 27. doi: 10.1088/0067-0049/213/2/27

  • Shallow water MHD waves trapped near the poles in a stably stratified outermost Earth's core

    JpGU-AGU Joint Meeting 2020  2020年7月 

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    開催年月日: 2020年7月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  • 東西磁場が印加された回転球面上の磁気流体浅水波の極トラップモード

    #中島涼輔, 吉田 茂生

    第146回 地球電磁気・地球惑星圏学会  2019年10月 

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    開催年月日: 2019年10月

    記述言語:日本語  

    開催地:熊本市国際交流会館(熊本市)   国名:日本国  

    Magnetohydrodynamic (MHD) shallow water waves on a rotating sphere with a background toroidal magnetic field are investigated to provide the physical interpretations of the geomagnetic variations which originate from Earth’s core. We focus on the MHD waves within a stratified outermost Earth’s outer core (e.g. Helffrich and Kaneshima, 2010; Kaneshima, 2018) in common with some previous studies, which including Braginsky(1993) and Buffett(2014), Chulliat et al.(2015). Not only the explanation of the geomagnetic fluctuations but also constraints on the obscure properties of the stratification can be provided by comparing with wavy variations in the geomagnetic field. An azimuthal equatorially antisymmetric field (Bp(t)=B0sin(t)cos(t), where t (theta) is colatitude, p (phi) is azimuth) is adopted as an imposed magnetic field in this research. Previously, an equatorially symmetric one (Bp(t)=B0sin(t)) was examined in Marquez-Artavia et al.(2017), whose results we replicated and reported in JpGU 2018. We was also found that eigenvalue problems with the background field varying in the theta direction, except for Bp(t)=B0sin(t), possess a continuous spectrum, which is sometimes called the Alfven continuum (Goedbloed et al., 2004), in the range where an azimuthal phase velocity is coincident with a local Alfven velocity divided by sin(t) (Nakashima and Yoshida, JpGU2019). Since the Alfven continuum results from the singularity of the governing equations with ideal MHD approximation, introducing the horizontal magnetic diffusion can exclude the continuous modes by transforming them into discreate eigenvalues, whose eigenfunctions exhibit an internal resistive boundary layer around a critical latitude which a local Alfven wave resonates. By the numerical calculation with small magnetic diffusivity, the polar trapped westward modes are found for the Earth-like parameters. As a several azimuthal wavenumber, for instance m=6, these polar trapped mode propagates with a few years period. On the other hand, the eastward modes and the equatorial trapped modes are not likely to observe according to our results. Buffett and Matsui(2019) recently obtained the equatorial trapped waves propagating to the east with a background radial magnetic field varying in the north-south direction without horizontal magnetic diffusion. Although their system also can have the Alfven continuum, since the assumed main field do not vanish in the equator, the eigenvalues of the found slow equatorial mode are outside of the continuum.

  • Two-dimensional or shallow water MHD waves on a rotating sphere with an imposed azimuthal magnetic field

    2019年5月 

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    開催年月日: 2019年5月

    記述言語:日本語  

    国名:日本国  

  • The effect of an azimuthal background magnetic field on waves in a stably stratified layer at the top of the Earth's outer core

    2018年5月 

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    開催年月日: 2018年5月

    記述言語:英語  

    国名:日本国  

  • 外核最上部の安定成層の可能性について~コアの組成進化を考える 招待

    吉田茂生

    第49回 SGEPSS 地磁気・古地磁気・岩石磁気分科会 夏の学校  2017年9月 

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    開催年月日: 2017年9月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:福岡市、ホテルポートヒルズ福岡   国名:日本国  

  • 地球外核最上部の安定成層におけるトロイダル背景磁場の影響を受けた赤道波

    中島涼輔, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2017年大会  2017年5月 

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    開催年月日: 2017年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ(千葉市)   国名:日本国  

    地球の外核最上部には安定成層が存在する可能性は以前から指摘されており(例えば、 Buffett, 2014)、地震学による観測的証拠も見つかってきている(例えば、Helffrich and Kaneshima, 2010)。安定成層があると水平流が卓越するようになるので、大気や海洋で用いられている静水圧近似を用いた力学に磁場の影響を加えれば、外核最上部の流体運動に応用できることが予想される。 本研究では、そのような外核最上部での赤道域の波動について考えた。この研究を始めるきっかけとなったのは、赤道付近の地球磁場には特徴的な変動があることが知られているからである。たとえば、Chulliat et al.(2015)は、永年加速(secular acceleration)から約6年周期の赤道付近に局在する定在波的な変動を見つけた。また、Finlay and Jackson(2003)などの多くの研究では、地磁気の西方移動は赤道付近で顕著であることが示されており、外核の赤道域の流れの様子は、非常に興味深い。 今回用いる基礎方程式は、線形化した非散逸のブシネスクMHD方程式である。さらに、静水圧近似と赤道ベータ面近似を用い、東西方向成分のみの背景磁場を仮定する。これらの近似により、水平方向と鉛直方向に変数分離ができる。特に、水平方向の式は、MHD (magnetohydrodynamics) 浅水波方程式(例えば、Gilman, 2000; Zaqarashvili et al., 2008など)に一致する。 解析的、および数値的に分散関係と固有関数を求め、東西磁場の赤道波に対する影響を調べた。 まず、一様な東西磁場が存在する場合を考える。このとき、慣性重力波やロスビー波などは、磁場なしの場合に比べ、周波数が大きくなり、より赤道に局在するようになる。また、中緯度ベータ面近似の場合に現れるMCロスビー波は赤道にはトラップされないことが分かった。 次に、東西磁場に緯度依存性を持たせると、アルフベン波が連続的な固有値を持つようになる。また、固有モードの東西位相速度とアルフベン速度が一致する緯度で共鳴が発生する。

  • ガウス係数の数十年変動の経験的モード分解を用いた解析

    中島涼輔, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2016年大会  2016年5月 

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    開催年月日: 2016年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ(千葉市)   国名:日本国  

    地磁気の数十年変動は、外核内部の波が原因だと考えられている。その波としては、torsional oscillationsかMagnetic-Archimedes-Coriolis(MAC)波(Braginsky, 1993; Buffett, 2014)の軸対称モードがよく使われる。両者の波の流れはともに軸対称だが、原理的には、非軸対称な波でも数十年変動を説明できて良い。ガウス係数から、そのような非軸対称な波の成分を取り出すために、まず経験的モード分解を用いて数十年変動を取り出し、次に軸対称流による変動を取り除いた。 私たちが用いた時系列データは、次数4までの過去150年間(1865〜2014年)のガウス係数である。今回、gufm1モデル(Jackson, 2000)、IGRF-12、CHAOS-5モデル(Finlay, 2015)のデータを組み合わせて、ガウス係数の時系列に対し経験的モード分解(Huang et al., 1998)を行った。 その分解によって、ガウス係数の赤道反対称成分は40か80年の周期を持つことが分かった。これらの成分のg-hプロットでは、直線的に偏光した振動が見られ、これは強制振動か振動する流れによる移流のいずれかによって起きていることを示している。 次に、軸対称流による移流が原因となる成分を取り除いた。この結果については会場で示す。

  • 外核最上部の密度成層した層に存在する軸対称MAC波の境界モード

    中島涼輔, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2015年大会  2015年5月 

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    開催年月日: 2015年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ(千葉市)   国名:日本国  

    外核最上部には、地震学的な観測(例えば、Helffrich & Kaneshima(2010)、Kaneshima & Helffrich(2013) )や理論的な推測により、軽い物質によって密度成層した層がありそうだ、ということが分かってきた。その原因としては、Helffrich(2014) では、初期地球にあった密度成層の名残とする考えが有力だとされている。この密度成層した層には、磁力(Magnetic force)・浮力(Archimedes force)・コリオリ力(Coriolis force)のバランスによって生じるMAC 波が存在する。Braginsky(1993)では、地磁気の60 年変動を説明するために、そのMAC 波を軸対称に限った場合の近似解が理論的に示されている。ここでの層のモデルは、外核内部との境界において密度の不連続があり、層内では浮力振動数が一定であるようなものが用いられている。(しかし、最近の地震学の観測では、このような密度の不連続はなさそうだと言われている。)その解の南北方向の位相速度はアルヴェーン波速度と浮力パラメータの積となり( clat = VA・Bu = VA・N / f、ここでclat は南北位相速度、VA はアルヴェーン波速度、Bu は浮力パラメータ、N は層の浮力振動数、f はコリオリパラメーター)、鉛直構造はサイン波の重ねあわせで表される。また、減衰率は磁気拡散率に比例する。南北位相速度は浮力振動数に比例するので、観測から南北位相速度が分かれば、浮力振動数が推定できる。南北波数l=2 の基本モード周波数を地磁気の60 年変動と合わせるようにすると、浮力振動数は地球の自転角速度の2倍ほどになる。 私たちは、Braginsky(1993) で想定されたモデルと方程式系に、密度不連続のある層境界に局在した解(ここでは境界モードと呼ぶことにする)も存在することを見出だした。この解は、Braginsky(1993) の解に比べて時間スケールが小さく、もっぱら拡散によって伝播する。また、位相は層境界から離れる方向に進む。周波数はBraginsky(1993) の解のように層内の浮力振動数には依存しない。周波数と鉛直波数は層境界における密度不連続の大きさ、南北波数などに依存している。鉛直構造は境界から離れるにつれて振幅が小さくなるような波形である。密度不連続や南北波数が大きいと、波は時間的にも空間的にも減衰が大きくなる。そのため観測で見つかるには、密度不連続と層の厚さが小さいことが必要であり、南北波数が小さい波が見つかりやすいであろう。仮に、南北波数l=2 の境界モードの振動数を地磁気の60 年変動と合わせるようにすると、密度のとびの割合は10−4 程度になる。なお、この波は、磁気拡散率が小さいほど、時間的にも空間的にも減衰するという層内伝播する波とは逆の性質を持っている。境界モードであるので、境界面を振動させれば、励起されるかもしれない。

  • 金属上で融解する氷塊の自発的回転

    田中雅士, 波々伯部広隆, 吉田 茂生, 中島 健介

    日本地球惑星科学連合2015年大会  2015年5月 

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    開催年月日: 2015年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ(千葉市)   国名:日本国  

    1. はじめに  氷の塊を室温または暖めた真鍮(他の金属でも良い) の水平な円柱の上に乗せると,氷塊は融解と共に自発的に回転をはじめ,それが持続することを発見した.現象に必要な条件を探索すると,気泡を含まない氷は回転しないことがわかった.ゆえに,氷と真鍮の間の流体層における気泡の存在が回転に必要である.また,真鍮内部の温度が低下するにつれて回転角速度も低下し,真鍮が0 ℃付近まで冷えきると氷の回転は止まる.したがって,熱伝導により供給される熱流がこの現象の発現に本質的に重要であることが示唆される.本発表では,気泡の供給量と真鍮の熱流量を一定にした実験設定でこの現象の安定性と再現性を確認する.さらに,回転角速度のパラメーター依存性を調べ,メカニズムの提案を行う. 2. 再現性と安定性の確保  氷に伝わる熱流量と流体層の気泡の流入量を制御した実験設定を用意する.真鍮下部を水に浸し恒温装置を用いて水温を一定にすることで,真鍮内部の熱流量を制御する.実験に用いる氷塊は業者から購入した気泡を含まない氷である.ドリルで底面に貫通しない穴をあけ,融解と共に液体層に空気が流入するようにした.この設定で複数回の実験を行った結果,氷に穴が開いている間は回転角速度がほぼ一定になり,試行ごとのばらつきも小さいことがわかった.本実験設定において現象の安定性・再現性が± 10 %程度で確認された. 3. 回転角速度のパラメーター依存性 上記の設定で回転角速度のパラメーター依存性を調べた.その結果,回転角速度は熱流量の約0.5 乗に比例し,氷のサイズの0.56 乗に反比例するが,気泡の体積流入量や荷重にはほとんど依存しないことがわかった. 4. 表面張力による駆動の可能性  回転中の様子を観察すると,氷が回転しているとき,気泡は真鍮に対してほぼ静止していた.一方で,氷の回転を強制的に止めると,気泡はランダムに動いた.このことから,静止している気泡が氷を押しているのではないかと考えた.具体的には,氷と真鍮の間の流体層における空気と水の熱伝導率の差から,気泡の直上にある氷表面が融解せずに溶け残って下向きに氷の「峰」が成長し,これに表面張力による気泡内外の圧力差が作用して,氷が回転する. 5. スケーリング  上の駆動力と氷表面に作用する粘性力がバランスすると仮定すると回転角速度がω= (αγ F/((1-α) μρ L))0.5/R と見積もれる.氷の半径R, 氷の融解潜熱L,気泡の表面張力γ,水の密度ρ,水の粘性係数μ, 熱フラックスF である. 見積もりから得られた回転角速度は,気泡の存在する面積比α=0.04 とすると測定結果と同程度の値となる.また,この式は実験で得られたパラメーター依存性の多くを説明する.このことは上で述べたメカニズムの妥当性を示唆する. 6. 今後の課題  未解明な要素として,気泡の存在する面積比αの決まり方,気泡の形,気泡が静止できる条件などが挙げられる.また,氷の峰の存在を確認する実験を行いたい.

  • 融解する氷塊の自発的回転

    田中雅士, 波々伯部広隆, 吉田 茂生, 中島 健介

    東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会「地球流体における流れの多様性と普遍性の力学」  2014年11月 

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    開催年月日: 2014年11月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:東京大学大気海洋研究所講堂(柏市)   国名:日本国  

  • 融解する氷塊の自発的回転

    田中雅士, 波々伯部広隆, 吉田 茂生, 中島 健介

    日本気象学会2014年度秋季大会  2014年10月 

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    開催年月日: 2014年10月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:福岡国際会議場(福岡市)   国名:日本国  

    1. はじめに 氷の塊を真鍮円柱上に載せると 、融解とともに自発的ゆっくりとした回転をはじめ、それ が持続することを発見した。 この氷が回転する現象について、そのメカニズムを理解するために研究を行っている。 今回はその途中経過を報告する。 2. 発見された現象 室温または暖めた直径 8cm, 高さ 16cmの真鍮製の円柱を上面が水平になるように置き、その上に直径 10cm, 厚さ 4cm程度の底面が平らな氷の塊 (家庭用冷蔵庫で作成)を置くと 、氷の融解とともに自発的に回転を始める (図 1) 。回転方向は、途中に外力を加えない限り変わらないが、回転と逆方向に力を瞬間的に加えただけで即座に反転する。典型的な回転周期は 10 ~20 秒程度である。真鍮が冷めると回転は停止する。また、 氷を下、真鍮を上の、上下逆転した設定では、真鍮円柱が回転する。 図 1 氷塊が回転する様子 ((a)から (d) の順に約 90 度回転しているところ約1秒間隔で撮影。) 3. 氷と真鍮表面の間の気泡の重要性 製氷業者が作成した気泡を含まない氷を用いたところ、回転は生じなかった。しかし、この氷の下面に貫通しない穴をあけ、融解とともに氷真鍮表面間の液体層に気泡が供給されるようにすると、回転が生じた。また、氷と真鍮表面の気泡振る舞いを観察すると、氷が自発的回転を行なっている時と回転を強制的に停止させた場合とで異なることがわかった。すなわち、氷が回転しているときは、気泡は円柱の半径方向に伸びた細長い形状になる傾向があり、真鍮表面に対して殆ど静止している。氷の回転を停止させたきは、気泡は不規則に変形・運動しつつ外側に出する。これらのことから、この現象の物理には、気泡が本質的に重要な役割を果たしているこが示唆される。 4. 熱供給の重要性 家庭用冷蔵庫で作成した氷を一定の温度に暖めた真鍮に乗せ、円柱内上部の上下2点の温度差と氷の回転角速度の関係を調べた (図 2) 。その結果、温度差と角速度に強い正の相関があることが分かった (図 3) 。また、真鍮の代わりに熱伝導率の小さいステンレ円柱を用ると、氷の回転周期は長くなる。 これらのことから、熱伝導にり供給される熱フラックスが、この現象の発現に本質的に重要であることが示唆される。 図 2 実験設定 図 3 温度差と角速度の関係 5. 今後の方針 家庭用冷蔵庫で作成した氷は結果の再現性が確保されない。たとえば図 3のように、同じ温度差でも実験ごとに角速度が異なる。これは氷の中の気泡の量などが制御されていためであろう。そこで、気泡の量や熱供給を一定に保つ実験を試みている。

  • 暖かい金属円柱上での氷の自発的回転

    田中雅士, 波々伯部広隆, 吉田 茂生, 中島 健介

    日本流体力学会年会 2014  2014年9月 

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    開催年月日: 2014年9月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:東北大学川内北キャンパス講義棟(仙台市)   国名:日本国  

    氷の塊を暖かい真鍮の円柱の上に載せると、氷が融解するとともに自発的に回転する。氷と真鍮表面の間の融解水層に含まれる気泡と、熱伝導により供給される熱が、この現象の発現に本質的に重要である。

  • Linear stability analysis of two-layer thermal convection and the generation of surface flow of gas giants 国際会議

    Hirotaka Hohokabe, Shigeo Yoshida

    The 3rd International Congress on Natural Sciences (ICNS 2013)  2013年10月 

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    開催年月日: 2013年10月

    記述言語:英語  

    国名:日本国  

    Linear stability analysis of two-layer thermal convection and the generation of surface flow of gas giants

  • Introduction to the geodynamo theory and the alpha effect 国際会議

    Shigeo Yoshida

    The 3rd International Congress on Natural Sciences (ICNS 2013)  2013年10月 

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    開催年月日: 2013年10月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    Introduction to the geodynamo theory and the alpha effect

  • 現代科学とその営みのモデル:dual Feedback Loop Operator (dFLO)

    熊澤 峰夫, 中尾 央, 上野 ふき, 平 理一郎, 吉田 茂生, 野内 玲, 戸田山 和久

    日本地球惑星科学連合2013年大会  2013年5月 

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    開催年月日: 2013年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    昨年(2012)のこのセッションでは、地球の進化研究の理解から導いた科学哲学における自然な世界観を提示した。それでは、科学とは、自然の情報をわれわれの理解空間に写像する操作として理解すると好都合であり、また、将来の科学では、自己実験までを情報取得に含めることになる、という科学観を示した。本年は、前報のモデルにさらに検討を加えて、科学の営みの現象論的マクロモデルを提案する。このモデルでは、科学を、集団知形成をめざして二つのフィードバックループを備えた情報機能をもつ演算子 「dual Feedback-Loop Operator」とみて、dFLO とアクロニムで呼ぶことにする。この dFLO によって、われわれは「自然世界W」の「人間集団の理解空間への写像M」を得る。簡単な表示は、M = dFLO・W、ただし、W=入力、M=出力。  現代の科学は著しく専門分化して、一見蛸壺にみえる極めて多数の分野の科学が相互にかなり強い相互作用をしながら、前例にない速度で、わが宇宙の摂理をわれわれの理解空間に写像しはじめた(地球史上の大事件)、といえよう。群生動物であるわれわれ人間集団の認識論的な機能を考える。科学研究を社会の重要な資質と位置づけている社会集団では、特段に科学の専門教育を受けていない市民まで、この宇宙が137億年前に突然発生して膨張し、星ができてその一つの星のまわりの小さな星の上に発生した自己複製分子の末裔がわれわれ自身だ、と思っている。理屈は知らないPCRとか呼ぶ装置を使い、内部仕様はしらないタッチパネル操作で、AとBはどのくらい昔に系統分化したのか研究できる。われわれはこういう「科学現象」をいかに理解するとよいのか検討してきた。  このレベルにおける現象の要素還元論の極限は、脳神経系を構成するネットワークの相互作用によってわれわれの認識を生み出すニューロンの活動とその分子レベルでのメカニズム研究であろう。一方、その対極にある総合的なマクロ現象論としては、多数職能人間集団と各種の観測・分析・計算ツール群などの情報機能をもつ演算子群ネットワークシステムであると見る。このシステムが人間社会と共進化変遷したものが現在の科学(分科した機能を持つ学)である。このモデルでは、人間の限られた脳機能を専門分化させて節約し、分化した脳、分科した方法をツールキットとして統合する情報集団知形成システムが科学だ。十全な科学では、この情報機能演算子に「観測ループ」(OBL:世界の情報を観測的に取得する)と「モデリングループ」(WHL:作業仮説をつくって、その観測可能な帰結を導く)という二つのフィードバック経路が機能的に組み込まれている。これは仮説演繹法と似ているが、このモデルでは、OBLとWHLの両者の共刷新が本質的だ、という主張を明示したものである。科学はすべての自然現象に対峙するので、個別研究対象と方法は際限なく小さな分科をしてゆく。これは脳やツールの機能節約を分担(分科)という方法の導入の結果である。多細胞生物では異なる機能を持つように分化した細胞と組織がリンクした全体が、さまざまな高度な機能と適応能力をもつが、科学もこれと似ているのは、多分共通の原理が働いているからであろう。  今回の学会発表では、この科学モデルの科学哲学としての位置付けを野内らが、また、現実の個別的研究分野の具体的問題適用事例については、大谷らが報告する。個別の研究や知識が社会集団の集団知として統合され発展していく過程は、人工生命の研究分野で扱われている。そこで扱われる構成論的方法は、WHLの重要な要素であり、その具体的な研究例につては、次に上野らが報告する。

  • 科学計量学的手法を援用した内核研究史

    吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2013年大会  2013年5月 

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    開催年月日: 2013年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    内核の研究史を例として、現代科学史を科学計量学的な手法を援用して研究することを試みた。近年、科学のあらゆる分野で論文数が増えてきたので、関連論文をすべて読んで科学史を作るのは困難になってきた。一方で、Science Citation Index を始めとして論文データベースが整備されてきているので、科学計量学的な手法の助けを借りて科学史を作っていくのが有用であると考える。そこで、内核の研究史の場合に、論文数の推移を見ることで研究史を見てゆくことを試みた。  私は、Web of Science を用いて、内核研究の諸分野の論文数の推移を調べた。内核に関する論文数全体の推移を見ると、1990年代に内核に関する論文が増えていることが分かる。それが地震波の異方性に関連する論文の数の推移と同じ形で推移していることから、異方性の研究が内核研究の中心的な課題であることが見て取れる。1990年代の論文の増加の背景にはコンピュータやネットワークの発展があることが示唆される。地震学においては、ネットワークと計算機の発達に伴い、世界中の地震計の大量のデータを誰でも容易に解析できるようになった。このことが異方性の発見につながった。一方、異方性は、高圧下の物性計算をするモチベーションとなった。ほぼ同時期にコンピュータで第一原理計算ができるようになったため、2000年代以降理論物性計算が盛んになった。1996年には内核の差動回転の発見が報告され、その追試が 2000 年ころ盛んに行われた。その後も差動回転とダイナモ計算との関連が議論されている。ダイナモ計算も、コンピュータの計算能力の増大を背景にして 1990 年代後半から可能になったものである。

  • 地球惑星科学史をどう書くか―ウィッグ史観の功罪―

    青木 滋之, 山田 俊弘, 矢島 道子, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2013年大会  2013年5月 

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    開催年月日: 2013年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    地球惑星科学の形成史をたどり記述していくにあたっては、どのような「史観」を持つかが重要なファクターとなってくる。例えば、三巻本の惑星科学史(1996)を著しているスティーブン・ブラッシュは、ウィッグ史観(Whig interpretation of history)を論じたBrush(1995)において、ウィッグ史観を完全に排除するのは困難であるとしているが、実際に彼の惑星科学史(1996)を見てみると、そこで扱われているトピックは、惑星形成論から地球内核、地球の年代の研究といった、現在の我々の関心から選択されたものが多い。こうして、少なくとも問いの立て方においては、歴史記述は現在の我々の関心と相対的になされることは不可避である。しかし他方、現代の知識や方法論などを過去の科学者に過度に読み込もうとするようなアナクロニズムや、ハットンの斉一説を当代での名声以上に評価するようなタイプのウィッグ史観は、同 時代の実態を捉えた客観的歴史記述とはとても言えない。こうして、記述内容に関して言えば、当該科学者の生きた時代の知見や背景などを考慮した同時代的な歴史記述が必要である。  しかし、もっと深いレベルの話になると、話はそう単純ではない。例えば、こうしたウィッグ史観批判そのものが、現代の我々の視点から成り立つものであり、ある種のウィッグ史観を前提としたものだというOldroyd(1985)の指摘はもっともであろう。また現代史のように、現存する地球惑星科学者のオーラル・ヒストリーをまとめる場合(青木2013)には、「事実」の語りの中に不可避的にウィッグ史観が入ってくるかもしれないが、それまで排除することが可能/望ましいことなのだろうか。また他にも問題なのは、どのような「史観」を取るかは文脈(目的)に相対的であり、さらに著作は往々にして文脈横断的である、ということである(伊勢田2013)。科学史家は、客観的記述を目指す。しかし、一般向けの科学史や、科学教育のための科学史は、むしろ適度な単純化・理想化(=ウィッグ史観の持ち込み)をした方が―場合によってはフィクションの方が―目的に適う、と言われることもある。現代史には、科学者が過去を回顧しつつ書かれるものである、という側面もある。  こうして、現代地球惑星科学史の構築には、様々な立場の融合が可能かという問題も浮上してくる。以上のようなウィッグ史観にまつわる諸問題を、本発表では提起し論じたい。

  • 現代人的行動の進化と科学の進化

    中尾 央, 太田 陽, 熊澤 峰夫, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2013年大会  2013年5月 

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    開催年月日: 2013年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    ある研究分野の研究者人口が増加すれば,論文数が増加して,さらには研究の進展速度が増加する,というのは科学史を見れば実にありふれた現象である.さらに,ある科学研究コミュニティでは数十年に渡って様々な実験が行われる一方,その実験結果や実験設定がうまく引き継がれることなく,知見がうまく蓄積されていないという状況が見られる(太田2013).これはもしかすると研究者コミュニティ・サイズが原因かもしれない.実際,このコミュニティはもちろんきちんとした査読journalを持ち,知見の蓄積に必要な要素はある程度備えているものの,他の分野に比べるとコミュニティ・サイズがそれほど大きくなく,それが知見の正確な蓄積と改善を妨げる一つの要因になっている可能性がある.  しかし,こうした見解は自明の理と見なされることが多いものの,これまであまりきちんとした裏付けが与えられてこなかった.本発表では,科学の進化にとってコミュニティ・サイズが重要であることを,以下のような現代人的行動(behavioral modernity)の進化という歴史的事実から裏付ける.現代人的行動の進化は考古学・古人類学上の難題の一つである.記号の使用などを含む現代人的行動は,これまで約5万年前頃の上部石器時代に突如として進化したものだと考えられ,その急速な進化を説明するため,認知能力の進化を想定した仮説がいくつか提唱されてきた(e.g., Kelin 1999; Mithen 1996; Cochrane and Harpending 2009).しかし,近年ではこうした現代人的行動も萌芽的なものがより古い時代(たとえば中部石器時代)などでみられることがわかっているうえ,考古学的記録を見れば,現代人的行動が一旦進化したにも関わらず,後にそれが消えてしまったように解釈できるという議論もあり(e,g., Allen and O’Connell 2008),現代人的行動はおそらく認知の進化によって説明できるものではない可能性が指摘されている(認知の進化で説明できるのならば,一旦現代人的行動が登場すれば,その認知能力が失われない限り,現代人的行動はその後消えてしまうようなことはないはずである).その代案として提出されているのが個体群動態仮説である(Henrich 2004; Powell et al. 2009; Sterelny 2012).ある程度個体群サイズが大きくなって密度も高くなると,新規な文化や技術が失われにくくなるさまざまなメカニズム(たとえば学習モデルの剰余性など)が進化する.こうしたメカニズムのおかげで,偶然生じたかもしれない新規な文化や技術が保持・改良されていき,現代人的行動も定着するようになったのだ,という仮説である.  こうした現代人的行動の進化に関する個体群動態仮説を踏まえて科学の進化を考えると,科学の世界においても新規な見解は重要であるが,それが確実に蓄積されていくには,現段人的行動と同様に,やはりコミュニティ・サイズが重要であるという見解が裏付けできるだろう.

  • 暖かい金属円柱上での氷の自発的回転

    田中雅士, 波々伯部広隆, 吉田 茂生, 中島 健介

    日本地球惑星科学連合2014年大会  2014年4月 

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    開催年月日: 2013年4月 - 2013年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:パシフィコ横浜(横浜市)   国名:日本国  

    【概要】氷の塊を真鍮の円柱の上に載せると、融解とともに自発的にゆっくりとした回転をはじめ、それが持続することを発見した。 【発見された現象】室温または暖めた直径8cm, 高さ16cm の真鍮製の円柱を上面が水平になるように置き、その上に直径10cm, 厚さ4cm程度の底面が平らな氷の塊(家庭用冷蔵庫で作成)を置くと、氷の融解とともに自発的に回転を始める。回転方向は、途中に外力を加えない限り変わらないが、回転と逆方向に力を瞬間的に加えただけで即座に反転する。典型的な回転周期は20 秒程度である。真鍮が冷めるか、あるいは、氷が融けて円柱の上面が露出すると、回転は停止する。 【氷と真鍮表面の間の気泡の重要性】製氷業者が作成した気泡を含まない氷を用いたところ、回転は生じなかった。しかし、この氷の下面に貫通しない穴をあけ、融解とともに氷と真鍮表面の間に気泡が供給されるようにすると、回転が生じた。また、氷と真鍮表面の間の気泡の振る舞いを観察すると、氷が自発的回転を行なっている時と回転を強制的に停止させた場合とで異なることがわかった。すなわち、氷が回転しているときは、気泡は円柱の半径方向に伸びた細長い形状になる傾向があり、真鍮表面に対して殆ど静止している。氷の回転を停止させたときは、気泡は不規則に変形・運動しつつ外側に流出する。これらのことから、この現象の物理には、気泡が本質的に重要な役割を果たしていることが示唆される。 【熱供給の重要性】円柱内部の温度の測定より、円柱内の上下の温度差と氷の回転角速度の間に強い正の相関があることがわかった。また、真鍮の代わりに熱伝導率の小さいステンレスの円柱を用いると、氷の回転周期は長くなる。これらの事から、熱伝導により供給される熱フラックスが、この現象の発現に本質的に重要であることが示唆される。 【今後の方向】この現象の力学についてはまだ理解できていない。熱の供給と回転速度の強い関係から、この現象が一種の熱機関として解釈できる可能性もある。今後、より制御された実験を行い、その結果も踏まえて、多面的に考察を進める予定である。

  • 科学の科学の構築に向けて 招待

    吉田 茂生

    2012年度第2回「思考様式および実践としての現代科学とローカルな諸社会との節合の在り方」共同利用・共同研究課題研究会  2012年10月 

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    開催年月日: 2012年10月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:東京外国語大学(東京都府中市)   国名:日本国  

  • 地球の内核は、どのように研究されてきたか

    吉田 茂生

    地球惑星科学のルーツと現代史  2012年8月 

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    開催年月日: 2012年8月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:福島県・くつろぎ宿千代滝   国名:日本国  

  • 地球科学におけるモデルとシミュレーション

    鈴木秀憲,吉田茂生,長縄直崇,戸田山和久

    日本地球惑星科学連合2011年大会  2012年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉県千葉市)   国名:日本国  

    地球科学では研究対象に介入できる場合は少なく、実験できることは限られてくる。例えば、過去の対象は原理的に介入不可能であるし、惑星のようなマクロな対象や地球内部は(ほとんどの場合)技術的に介入不可能である。またこれらの対象は、観測も不可能であったり、観測データが不十分であったりする。それゆえ地球科学においてはコンピュータシミュレーションが果たす役割が大きいと考えられる。  Winsberg(1999) は、シミュレーションにおける理論から現象モデルをつくる過程を分析し、シミュレーションが単純な理論からの演繹ではなく、雑多な方法論をもつものであり、観測や実験のデータとの容易な比較も許さないという特徴を確認し、「シミュレーションの結果はなぜ、どういう場合に、どれだけ信頼できるのか」という問題の重要性を説いた。そこからWinsberg は「シミュレーション研究の結果への信念を正当化する方法の研究」としてのシミュレーションの認識論(これはFranklin(1986) による「実験の認識論」に倣ったものである)の必要性を主張する。  本発表では、この「シミュレーションの認識論」に取り組み、シミュレーション研究にはどのような注意点があり、現場の科学者はその結果を正当化するためにどのような戦略を使っているのかを明らかにする。  われわれは、地球科学者がシミュレーションを正当化する方法を整理した。正当化には、モデルの妥当化と数値計算の検証の2つのステップがある。モデルの妥当化としては、(1) よく確かめられた物理過程に基づいて定式化されている (2) 過去の研究に立脚していること、などがあり、数値計算の検証には(1) 単純な場合に厳密解に一致すること(2) 理論的な数値計算精度が高いこと(3) 計算グリッドの大きさを変えても結果が変わらなくなる程度に収束していること(4) ベンチマーク計算で他のコードと結果が一致すること、などが用いられている。両方に関係する正当化としては(1) シミュレーション結果と観測結果の整合性(2) パラメタや初期条件などを変えても安定して結果が求められること、などがある。  また地球科学におけるシミュレーションのケーススタディにおいて、近似・理想化やシミュレーションと観測データの組み合わせを実践に即して分析し、「シミュレーションの認識論的ステータス(観察・実験に比しての信頼性)はどのように考えられるべきなのか」という問題についての含意を検討する。

  • 歴史の科学のあり方を考える―地球惑星の進化研究の哲学的分析から

    戸田山和久,熊澤峰夫,渡邊誠一郎,吉田茂生

    日本地球惑星科学連合2011年大会  2011年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉県千葉市)   国名:日本国  

    地球惑星科学、進化生物学、考古学といった科学は、その中核に過去の歴史の構築を含んでいる。太陽系がどのようにできあがったか、地球表面がどのように変遷してきたか、生物相がどのように環境と相互作用しながら変化してきたかを解読・再構成し物語的に記述することは地球惑星科学の重要な課題である。こうした「物語(narrative)」は、いっけん過去に何が起こったかを時間軸に沿って記述したものに過ぎないように思われる。これらは、いついつにしかじかが起きた、次にいついつにかくかくが起きたと言っているだけで絵日記とどこが違うのか、という素朴な疑問が沸いてくる。  しかし、こうした科学における歴史解読と物語的記述の構築は、単なる記述に留まるものではなく、同時に科学的説明でもあるように思われる。しかしだとしたら、それはどのような意味で説明なのだろうか。そこで、次の問題を考えてみなければならない。 (1)科学における歴史の再構成はいかにして説明を与えることができるのか。そしてそれはどのような種類の説明なのか。 言い換えれば (2)その説明力の起源はいったい何に存するのか。  科学哲学は、科学的説明についてさまざまな定義・見解を提案してきた。しかし、そのいずれも、上記の問題に対して十分な解答を与えるものではない。例えば、ヘンペルの演繹的法則的モデルでは、被説明項が一般法則(被覆法則)から演繹されることが説明だとする。これに対し、地球惑星科学の歴史再構成では、すべての可能な歴史を支配する一般法則(歴史法則?)から、現実の歴史のすじみちが演繹されるわけではない。キッチャーによる説明の統合モデルも不十分である。なぜなら、この見解だけでは、たとえば地球史の再構成が統合されるところの「全体」が何なのかはまったく明らかではないからである。明らかに、時間経過によって際限なく多様性を生む過程の理解を追求する科学における歴史記述は、独自の科学的説明のカテゴリーをなしており、その独自性や特質を解明するためには、説明についての新たなモデルが要求されているのである。  本発表では、上記の問いに答えるべく、歴史再構築的説明についての新たな見解を提案する。この見解は、先行する二つの知見に基づいている。第一は、生物学(進化学)の哲学の文脈で、キム・ステレルニーが提案したactual-sequence explanation とrobust-process explanation の区別である。「第一次大戦はなぜ起きたのか」についての説明を例にとって両者の違いを述べてみよう。前者は、1914 年6 月28 日にガブリロ・プリンツィプがオーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者をサラエボで暗殺した事件を含む、現実に生じた出来事の因果連鎖を精密に辿るタイプの説明である。後者は、そうした個別具体的な出来事にはあまり関心を払わず、19 世紀後半ヨーロッパの政治・社会・経済情勢に言及して大戦の原因を特定するタイプの説明である。後者は前者にはない強い説明力をもつ。それは、オーストリア皇太子暗殺という事件がかりに起こらなくても、大戦が起こりえた、いくつもの可能な筋道を包括しているからである。  第二に我々が依拠するのは、渡邊誠一郎による地球惑星科学の「シナリオ=モデル」見解(日本地球惑星科学連合2010年大会にて口頭発表)である。渡邊は地球惑星科学における「パラダイム」と言うべきもの、たとえば太陽系惑星形成論の「林モデル」を、αモデルなどの複数の因果モデルが、原始惑星円盤→微惑星の形成→その合体成長→円盤消失といった、一つの時間軸上に展開する「シナリオ」によってゆるやかに結びつけられた構造体として描いた。  我々の提案する歴史再構築的説明についての新たな見解は、これら二つの知見をさらに展開したものである。シナリオに含まれるモデルが他のモデルに交換可能なこと、モデルに与える初期状態に選択の幅があること、シナリオじたいが分岐的複線化を許すものであること等により、地球惑星科学における歴史再構成(=シナリオ)は、現実に生じた出来事の因果連鎖を、ありえたはずの無数の可能な因果連鎖の張る論理空間(可能性の空間・確率的アンサンブル) の中に位置づける。このことにより、歴史記述でありつつ科学的説明でもある、という独自な性質が可能になる。こうした説明を与えることが、宇宙、生物、人類等々の「歴史の科学」という意味での広義の進化学の目的であった。次世代の「歴史の科学」はこれが主たる目標であることを明示しつつ追求されるべきだろう。

  • 科学哲学から科学の科学へ ―地球科学をケーススタディにして

    青木 滋之, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2012年大会  2012年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    歴史学のダイナミクスを提唱しているTurchin(2003)によると、ある前科学的な分野が科学として成熟するためには、定性的(言語的)分析から定量的(数理的)分析への成長が必要とされる。ニュートン力学や、進化の総合説などは、そうした成熟科学の例として挙げられるだろう。ここで、地球科学の成立に関する科学哲学を見てみると、いずれも1960年代から1970年代の新科学哲学の流れに乗っかった、定性的な分析に終始しているように思える(Frankel 1988, LeGrand 1988, Stewart 1990, Inkpen 2005)。その後、この分野は殆ど停滞しており、試験的にであれもっと新しい試みがなされてしかるべきだろう。 本発表では、「科学哲学の科学化」を標榜したLaudan & Donovan, Scrutinizing Science : Empirical Studies of Scientific Change, Kluwer, 1988 を手掛かりにしつつ、これまで言語的にしか語られなかった哲学的テーゼを、どのように数理モデル化し、科学的にテストしていくことができるか、を考察したい。まず、歴史学ダイナミクスとの相違点として気付かされるのは、科学史的データの圧倒的な不足である。例えば、歴史学における帝国領土の拡張/縮小といった手に出来る統計的データと異なり、科学史では統計的データを作成しindexを作成することが殆ど試みられていない。また、何をもって科学史における成長と見なすことができるのか、という問題もある。差し当たって1つのindexとなるのは、ジャーナル数・論文数の増加であるが、これは科学の中身というよりも外的な分析であり(科学計量学)、科学哲学の科学化とはやはり異なる。有力な仮説として考えられるのは、科学とは問題解決の営みであり、そうした問題解決数の増加により、科学の成長が測れる、というものである。この路線で科学哲学を科学化するときの、諸問題について考察をしたい。

  • 地球惑星科学におけるモデル

    吉田 茂生, 中尾 央, 熊澤 峰夫, 戸田山 和久

    日本地球惑星科学連合2012年大会  2012年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    私たちは10年余り前に「全地球史解読」と称した研究運動を行った。「全地球史解読」においては、科学の誕生と発展を地球史第七事件と位置付けたので、その一つの延長としては、科学の地球史的な位置づけをより深く考えるということがある。一方で、科学を人類の知として考える研究分野に科学哲学がある。そこで、私たちは科学と科学哲学との融合を目指す活動を始めた。 しかしながら、実際に地球科学の人々と科学哲学の人々とがつきあってみると、接点を見出すのが困難なことに気付いた。それは、現代的な科学哲学の源流が、数学の論理化や量子力学の誕生にあるために、科学の理論の論理的再構成や物理的対象の存在論などが科学哲学の関心の対象の中心となっていたからであった。このような問題は、地球惑星科学と距離がある。とはいえ、科学哲学の世界も従来路線から大きく転向しつつあり、その中に地球科学との接点がさまざまあることがわかってきた。その一つの問題に「モデル」の問題がある。 モデルは、地球科学における説明の中心的役割を果たしている。一方、科学哲学の世界では「科学理論の意味論的とらえ方」という文脈において、モデルを世界の表象として特徴づけようという試みがなされている。ところが、モデルは多様であるので、特徴づけは一筋縄ではいかないことが明らかにされた(Nakao, 2011)。そこで、私たちは地球科学におけるモデルを題材にして、科学にも科学哲学にも役立つやり方でモデルを分類することを試みた。私たちは、モデル を「現実表象型」「理想化型」「仮説型」の3類型に分類し、さらにそのうちで地球科学で多い「現実表象型」のモデルを「予測型」と「因果的説明型」に分けた。このことによって、モデルの多様性を性格付けることを試み、そのことによって地球科学における説明の特徴づけを試みる。

  • 科学の科学をいかにして始めるか

    戸田山 和久, 熊澤 峰夫, 吉田 茂生, 渡邊 誠一郎

    日本地球惑星科学連合2012年大会  2012年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    地球史第七事件としての科学の発生という現象を対象とする科学を「科学の科学」と呼ぶことにしよう。本発表の目的は、こうした科学の科学をどのように具体化するか、その青写真を描くことにある。  もちろん、科学の科学を標榜する萌芽的な研究はすでにいくつか立ち上がっている。科学的推論や発見の認知科学あるいは心理学、科学社会学、科学計量学、研究室の人類学等々。また、われわれは科学の現実の展開過程を詳細に記述する学として、科学史学の長い伝統を有する。欠けているのは、これらの研究プログラムを統合し、地球史の中に科学という現象を描き込むためのプラットフォームである。  われわれがそのプラットフォームとして提案するのは、進化的・社会的観点を加味して拡張した「徹底的に自然化されたカント哲学」である。イマニエル・カントの『純粋理性批判』は、科学のタスク分析の書として読むことができる。カントはまず、「感覚の多様」を入力すると、近代科学(具体的にはニュートン力学)を出力するシステムを想定する。これが「主観」である。次いでカントは、主観がこの認知計算を首尾良く遂行するためには、いかなるサブタスクが要求されるかについてのタスク分析にとりかかる。これを、カントは「力」という概念装置を用いて遂行した。  しかしながら、カントのタスク分析は、こうした情報処理システムがどのようにして生じるのかといった進化的視点は完全に欠けている。また、現実の科学は、数多くの科学者と人工物(実験観測機器とさらに学会や査読システムなどの制度も含む)の複合体によって営まれているのに、カントの分析においては、主観をあたかも一人の人間の心(の抽象化モデル)であるかのように扱う点で個人主義的であり、社会的な視点が欠けている。  われわれの課題は、このカントの試みにいかにして進化的・社会的観点を組み込んでいくかにある。それは以下の二段階を踏んで遂行される。 【第一段階】カントの試みを歴史化する  このためには、地球惑星科学の方法を模倣することが有効だろう。かつての博物学的な地質学、古生物学等(natural history)は、地球の現実の出来事の連鎖(actual sequence)を明らかにした。これに対し、地球惑星科学では、例えば惑星形成について複数のシナリオを提供し、しかもそれに、初期状態の違いにより複数のトラジェクトリが生じるようなモデルを貼り込むことによって、現実の出来事連鎖を、ありえたはずの連鎖の一つとして位置づけ、可能性のアンサンブルの中に置く。このことにより、natural philosophyすなわち科学としての地球惑星科学は、現実の出来事の連鎖を記述しているように見えながら、より普遍的な科学的説明も与えることに成功している。  われわれのめざす「科学の科学」は、次の比例式のXの位置を占めるものである。   自然史:地球惑星科学=科学史:X  したがって、次の2つの手続きが必要になるだろう。 (1)まず、科学のタスク分析を、情報機能システムの進化の歴史(の延長)として描くための「シナリオ」をつくる。すでにダニエル・デネットは心の進化のシナリオとして、伝的変異を生み出し、自然選択により環境に適した解を見いだすダーウィン的生物、さまざまな試行を行い、うまくいったものを学習することによって解を見いだすスキナー的生物、界の表象をもち、試行する前にその表象を使ってどの行動が最適かをシミュレートできるポパー的生物、といった進化のシナリオを描いて見せた。われわれの第一の課題は、こうした情報機能システムの進化のシナリオを科学の発生まで延長することである。 (2)第二に、描かれたシナリオに、現実の科学の発展史(actual sequence)を描き込む。このようにして、科学の科学は科学史研究の成果を組み込むことになる。 【第二段階】カントの試みを社会化する  ここでわれわれが提案するのは、かつて「主観」と呼ばれたもの、すなわち科学を遂行する主体についての多層モデルである。世界からの入力に対して、科学的知識を出力する情報処理システムは、神経ネットワーク、さまざまな心理学的モジュール、科学者個人、科学者の小集団+機器等の人工物、科学者の大集団+制度、といったいくつもの層からなるものとしてモデル化される。科学の心理学はこのうち第二、第三の層に焦点を当てており、科学社会学は第四、第 五の層に焦点を当てている。  重要なのは、科学のタスク分析の結果とりだされたタスクのそれぞれについて、どの階層が主として働いているのか、それが下層のレベルからどんな制約を受け、上層のレベルに何を創発するのかを明らかにしていくことである。こうして、科学の心理学、科学社会学の知見を統合するプラットフォームが与えられる。

  • 地球の進化研究の理解から科学哲学における自然な世界観を導くこと

    熊澤 峰夫, 戸田山 和久, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2012年大会  2012年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    全地球史解読研究(1995-1997)において、地球史の概観をしめす指標として、大きな事件を並べた時代区分を提案した。その時代区分では、ヒトが科学を始めて宇宙の摂理を探りはじめた現在を第7大事件の最中にあるとした。この地球史上の第7大事件におけるわれわれの対処すべき課題は、(1)地球環境の人為的変動までを含めた予測と制御の科学・技術の問題から、(2)自然物としてのヒトとその知的活動の「生き継ぎ」継続にむけたわれわれ自身の行動の予測と制御の政策判断・実行実務の問題にまで関わる。名古屋大学の環境学専攻では、社会環境・都市環境・自然環境の三つの分野を統合して、このような問題にすべての側面から対処しようとしていると理解している。  この目的には、自然科学と文系諸学との連携が必要であるが、これが簡単でないことは周知の経験的事実である。それは、両者の間に発生してしまった溝をつなぐ適切なインターフェイスが欠損しているからであろう。テクニカルなインターフェイスは工学が果たしている。しかし、理念的、心理的、社会的な問題についての溝はおおきい。その原因を、科学者の社会リテラシーと文系諸学者の科学リテラシーの欠損に求めるという構図はわかりやすい。しかし、この溝を如何に埋めるかについての方策は明確でない。 科学を対象にする文系の学問である「科学哲学」にこのインターフェイスを期待して、科学者と哲学者の共同研究を過去3年近く継続してきた。その研究の一つの帰結として、「真善美を統合できる世界観の設計試作」を試みることにした。それには、経験的な科学に準拠した形而上学的規範を必要とする。その規範を「宇宙(空間と時間)の摂理を探る知的活動の継続性(われわれが生存を継続する=生き継ぎ)」におき、その方法として科学を採用する、の二つとして、逐次接近したいと想定する目標の大枠としての「世界観」の設計を試みる。 これを大風呂敷だと見る批判がある。しかしその批判から生産される知的資産はない。われわれの最も必要としている「共通のリテラシー」として、「有用な世界観」を真面目に追求する地道な積み上げが研究課題である、とわれわれは考えている。 この研究の過程は、科学と哲学の学問的人的交流の自己実験であって、不毛にみえる感情的軋轢や論争をも乗り越えて、概念や用語、発想の違いを理解し、集団知としてのより高度な知的生産手法を探索する体験と知恵の積み上げでもある。その感情的軋轢の中に、倫理や美学にかかわる根源的な問題点を、研究者生態学的、認知科学的にあらわにできると考えられる。

  • 科学の起源を探る:認知科学的アプローチ

    中尾 央, 熊澤 峰夫, 吉田 茂生

    日本地球惑星科学連合2012年大会  2012年5月 

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    開催年月日: 2012年5月

    記述言語:日本語  

    開催地:幕張メッセ国際会議場(千葉市)   国名:日本国  

    科学という営みの開始は地球史の中でも特筆すべき事柄の一つである.地球惑星科学が地球の歴史を明らかにしようという試みであるのなら,「科学がどこから来たのか」という歴史的な問いもまた,地球惑星科学の研究対象の一つになりうるだろう(e.g.,熊澤,伊藤,吉田 2002).  もちろん,科学の起源や歴史的発展については,科学史,科学哲学,科学社会学といった従来のメタサイエンスの中で膨大な研究が蓄積されてきている.しかし,これらの研究では,あまり注目されてこなかった側面がある.たとえば,「科学者は実際にどのように考え,科学を営んでいるのか」「進化のどの段階で,どのようにして科学的思考は獲得されてきたのか」「どうしてヒト以外の動物は科学を発展させられなかったのか」といった問いがそうだ.地球惑星科学が対象とするような時間規模で科学の誕生を捉えようとするならば,後者二つの問いなどは特に重要なものである.  こうした問いに関しては,近年,認知科学からのアプローチが盛んになされてきており(e.g., Anderson, Barkar, and Chen 2006; Carruthers, Stich, and Siegal 2002; Feist 2006; Giere 1992; Gorman 1992; Holyoak and Thagard 1995; Mithen 1996, 2002; Nersessian 2008; Simonton 2004; Thagard 2012),たとえば,認知科学の研究と従来のメタサイエンスの研究を結びつけ,科学が営まれている背後ではどのような思考プロセスが生じているのかが明らかにされてきている.これらの研究から言える事の一つとして,(一見当たり前にも見えるが)アナロジーやモデルを用いた抽象的な思考が,科学における創造的推論において必要不可欠であることが挙げられる.  では,こうした抽象的思考はいつ,どのようにして進化してきたのか?これが,本発表で扱う問いである.具体的には,Holyoak & Thagard(1995)やNersessin(2008)など,科学における抽象的に思考に関するこれまでの議論を抑えた上で,哲学(e.g., Carruthers 2006, 2008; Dutton 2009 )や認知考古学(e.g., Coolidge and Wynn 2009),そしてヒトとそれ以外の動物の比較研究(e.g., Haun and Call 2009; Penn, Holyoak, and Povinelli 2008)におけるより最新の議論の考察を通じ,従来の見解を検討する.

  • 科学論の方法論的探索と将来科学

    熊澤峰夫,吉田茂生

    日本科学哲学会第44回(2011年)大会  2011年11月 

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    開催年月日: 2011年11月

    会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

    開催地:日本大学文理学部(東京都世田谷区)   国名:日本国  

    1.はじめに―動機  「全地球史解読」(重点領域研究-1997)において、対象を「ヒトが介在する地球現象の意味」 解読にまで進めて大きな問題に直面した。地球上に最も多量にあった物質が自己複製分子 を作り、環境と共進化して「情報機能システム」(環境の情報を検出し、情報演算を行い、環境に作用を及ぼす自己増殖系)ができてしまった。それが文明を、さらに哲学を生みそこ から科学が派生し、それを研究する科学哲学もできた。しかし、ヒトがつくった科学は必ずしもヒトに優しくないことも分かった。この事態を科学者の目で観測し分析するとこれまでの科学論は科学研究現場とその社会との相互作用とを、文献を通じた書誌学として扱い、科学の実態をとらえていないように見えた。  そこで「自然主義の科学哲学」の旗を掲げる戸田山スクールと連携して、問題点の所在と、これと関連する分野の将来への発展を研究してきた。その結果、次の 3 つの課題が重要であると判断した。(1)地球の進化史は、われわれ生命の発生進化と生存生活の場であり、物理科学、生命科学、数理科学を生む動機と直接的素材を提供してきた。しかしこのような分野の総合的な科学史と科学哲学はこれまで等閑視されてきたので何とかしたい。 (2)生命の環境認識と環境との相互作用からみると、生命の生存進化戦略は、情報を道 具とする生存実利に関わるものだとわかる。子孫をのこして生き継ぎたいと素直に思うわれわれの動機の理学的意味と倫理的哲学的考察からは、ヒトの生き継ぎ戦略がわれわれにとって最重要研究課題であると考えられる。しかし、これには従来の科学も科学哲学も全く無力に見える。そこで、科学と倫理などとのインターフェイスとしての活力のある科学哲学を欲しいと考える。(3)科学研究現場の研究労働者の立場からみると、従来の科学哲学は概念的で、方法と方法論的視点に何か欠損があって、生きた知的資産形成には有用とは思われない。科学の研究労働者に役立つ科学哲学、いわば「科学の科学」があってもよく、それを欲しいと考える。  ここでは上の背景のもとで、科学の現場研究労働者にとって取り付きやすい(3)についての若干の試行錯誤的探索をおこない、試作品を提示して批判を得たい。これは(1)と(2)とも相互に密着リンクしている。 2.「科学の科学」の構成方針の案 方針1 「われわれとそれを含む自然世界の描像」(=科学的理解)を、①観測的経験的方法に基いて(=先見的要素をできるだけ排除して)、②できるだけ少数の要素からなる簡明な構造と機能の設定によって与え、それに数学における「公準 axiom のような役割」を託する。これは、研究と時代推移に応じて、都合のよいように取捨選択・改定する。現時点での設定(試作の第 1 案)を図1に提示した。 図1 自然世界の経験的理解の描像~可能な多様な解釈のうちの一つの提案 先見的概念をできるだけ排除し、できるだけ少数の基本的な要素だけで記述。世界を時間発展する力学系(確率過程を含む)と見れば、われわれは経験から学び、原理としては予測もできて都合がよいと期待している。そのわれわれとは、世界を知ろうとして科学を営む、世界の一部分である知的群生動物のことだ。もっと抽象化すれば、この世界に発生した「情報機能システム」とでも呼ぶべき「自己言及介入システム」のことだ。(情報機能システム=環境情報のセンサーとその情報演算結果を環境にフィードバックするアクチュエイタを持つものごと。自己言及には、多様な数学(論理的整合性の科学) のうち、われわれの観測結果を都合よく理解できるものを経験的に選択して使う。 方針2 上の自然世界の描像とは、その時点において最善に見える「モデル群とその不確かさの記述」(=われわれの理解空間に写し取った写像)であるようにする。このモデルを遂 次整合的に再構成して行く営みを「科学をすること」であると解釈する。その営みの主体を「情報機能システム*」と呼ぶことにする。(*→「環境センサと情報処理と環境への介入機能をもつもの」と規定する。→図2 方針3 この「情報機能システム」が継続的に発揮する機能は、われわれが自然世界をさらによく理解し(論理)、納得し(心情)、かつ、将来の予測、自己設計、自己介入進化に役立つ 基盤であるようにすることである。→図3 方針4 記述は科学者や技術者に取って解りやすいことを当面の最低限の目標にする。一見抽象的な論理の記述は避けがたいが、それへの対処には、流れ図、象徴的なグラフ、簡明な数式論理での表現などを補うことにする。さらなる解り易さの追求は次の課題とする。 方針5 長い伝統のある哲学と新参で今も新領域が開けつつある科学とのあいだで簡単な翻訳調整や連携ができるとは考えられない。だから、当面は厳密性を求めるよりは、共通の集団知の形成にむけた、実務的観点からの情報流通の密度を上げることを目指す。 図 2 科学を自然世界という「対象」を入力、「自然の写像とその不確かさ」 を出力する情報機能システムとして見る。 観測(介入実験)系とモデル(作業仮説)系の二つのフィードバックループを介した両者の整合性の検討を基礎にした試行錯誤による逐次刷新が、「情報機能システム」の機能を担保している。作業仮説を作り修正や改定をする作業をここでは「モデリング」と呼んでいる。この図を囲ってある枠がわれわれが関与できる自然世界を表し、人の社会も科学も自然現象だと見ていることを示す。 自然の写像における最も重要な要素は定量的不確かさとそれから導かれる定性的な不確かさであって、これが不満足として科学を駆動する。 方針6 経験科学の立場では、既存の科学用語と伝統的科学哲学用語を検討し、哲学と科学の間での議論が整合的であるように工夫を重ねる。これは本来用語の問題ではなく、背景にある概念とその構成論理に関わる重要問題であると考える。例えば、真理、実在、合理、信念、などという科学哲学用語の背景は経験科学にとっての当面の検討課題例である。 方針7 地球生命史科学の理解では、知的群生動物には集団知の形成機構(科学)が、自然に (=非形而上学的に)できてしまったのだ。この進化現象を感覚的にわかりやすい説明を編集し、科学リテラシ形成に、論理と心情の両方で寄与できるようにする。等々。 上のような方針で現時点までに構成した「科学の科学」の概観を、この発表では 3 つの図で表現した。これは一つの試作であって、試行錯誤の逐次刷新で、都合のよいものに仕立て上げてゆきたい。ここで、「都合のよいもの」という日常語を使った。われわれの世界と環境をよりよく理解する手立てとしての科学、その科学とそれを支える人間にとっての「都合の良さ」を規範とする、という率直で現実的なスタンスを保持して行きたい。 図3. 科学の存在様態の概観:原理としての普遍性追求の科学が、個別性と多様性が重要な対象に適用され、歴史科学と将来科学に発展してゆく。 これまでの科学哲学では、科学は反復実験で検証できる対象の物理学を規範として出発し、いまだにその残影がある。科学とは世界をわれわれが分かろうとすることなので、その方法として普遍性の追求を基礎に採用したのだった。科学の対象には歴史と未来も含む必然性がある。特に将来科学は われわれの存在理由と生存に関わり、生存戦略に直結する最重要課題である。しかし、従来の科学を逸脱する宿命をもっている。この逸脱こそがわれわれの新しい使命である。(時間と空間の関係の表現は、定量性を無視して模式的にしてある) 3. まとめ―知的価値確保にむけた研究の推進方法  この報告内容は、文理・老若とりまぜた多数の研究者達(主に、平理一郎、上野ふき、野内玲、青木滋之、吉田茂生、渡辺誠一郎、戸田山和久、石井克也ら=若年齢順)の議論を通じて「集団知形成の自己実験」を意図して行っている。このような研究方法もここで述べた科学論も、個人知、あるいは、個人の個性や人格に重点をおく従来の科学哲学の感覚には馴染まないかもしれないが、ひとつの強力な方法(試行錯誤法)とみていただきたい。独創性の資源は個人知にあると確信しているが、それがより広い範囲での普遍性をもつ有用な集団知に総合されることにこそ、われわれは知的な価値を置きたいからである。  この試論には、伝統的科学哲学の流儀に反する用語や考え方が使われている。申し訳ないが、次の提題者の戸田山による建設的批判と発展的コメントに期待する。

  • 地球惑星科学が科学哲学に参入する理由―「全地球史解読」からの発展

    吉田茂生,熊澤峰夫

    日本科学哲学会第44回(2011年)大会  2011年11月 

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    開催年月日: 2011年11月

    会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

    開催地:日本大学文理学部(東京都世田谷区)   国名:日本国  

    地球惑星科学の研究者である私たちが、科学哲学に手を出そうとするに至った経緯をお話ししたい。ここでは、「全地球史解読」というプロジェクトを紹介することによって、「歴史構築型科学の科学」(渡辺)、「将来科学の科学へ」(熊澤、吉田)、「「ヒトの生き継ぎ―絶滅プログラム」と「科学の科学」と自然主義的哲学」(戸田山)の発表の前提を解説する。  十年余り前、地球科学分野で「全地球史解読」という科学研究費の重点領域研究(1995-1997)が、提題者の一人の熊澤を代表者として行われた。「全地球史」などという大風呂敷な名前の背景には、熊澤をはじめとした主導者たちの野心があって、地球科学のみならず、宇宙科学、生命科学を含めたかなり広い分野の研究者との新しい学問的交流の場を目指した。ここで問題にしたいのは、具体的な成果ではなく、むしろこの研究プロジェクトのコンセプトの方である。プロジェクトを始めるにあたって、主導者たちは大風呂敷にふさわしいコンセプトを考えた。これを発展させたいということが私たちの考えである。科学哲学に関わる問題だと考えるものを3つの観点から述べる。  さて、コンセプトを練るにあたって、第一に問題になったのは、歴史を調べる科学とはいかなる科学であるのかを考えることであった。ところが、科学哲学の教科書は十分な答えを与えてくれていないと感じる。科学哲学の母体が物理学であったため、うまく当てはまらないことが多い。地球科学の個別性や歴史性は、物理学の普遍性と対極にある。地球史の科学の哲学は、その点をすくい取っているものでなければならない。もちろん最近の科学哲学は、個別科学の哲学にも発展してきているので、地球惑星科学もターゲットになりつつあるようだが、私たちもその発展に貢献したい。提題者の渡邊による「歴史構築型の科学」はその試みの一つである。  次に、地球の歴史を考えていくと、人間の歴史も地球の歴史の一部であり、したがって科学の発生も地球の歴史の一部であることに思い至った。したがって、科学の発生と発展は地球史の一部であるともみられるのではなかろうか。これはもちろん、科学哲学では自然主義の立場と通じるので、自然主義者を公言している戸田山の門を叩いたのは自然な成り行きであった。  全地球史解読プログラムにおいては、地球史上の目立つ大事件を7つ選んで、7大事件と呼ぶことを提案した(図)。その際に、われわれが科学をはじめ宇宙の摂理と進化を理解し始めたことを地球史上の第7番目の大事件に滑り込ませた。ヒトが科学を得て行う地球や惑星の変化は、自然への能動的介入であって、われわれが観測で確認できる範囲の宇宙において質的には最大事件の一つであると見たい。このことを科学的に記述するということもやってみたいのだが、地球惑星科学者だけの手には余る。生命や脳神経系の進化という問題が関わるので、科学哲学や認知科学、生物学などの総合的な観点からの取り組みが必要であろう。 図:地球史7大事件 地球の歴史における重大事件を7つピックアップしてみた(E1-E7)。E1は地球の形成、E2はプレートテクトニクスの開始、E3とE4はマントルオーバーターンによる火成活動の活発化、E5は多様な大型生物の出現、E6は生物の大量絶滅事件、E7は科学の出現である。  最後に、科学の発展は、広い意味での環境問題という地球生命の維持継続を脅かしかねない事態を惹き起こすに至った。われわれは、科学を好奇心のためだけにやってきたのではなかったことを、あらためて認識した。さて、その先を科学者や哲学者はどのように考え、構想するべきなのだろうか?  私たちはここで、「生き継ぎ」という言葉を使ってみたい。生物は、代を継ぎ進化をしつつ地球の歴史を生き延びてきた。このことを「生き継ぎ」と呼ぼう。生物の種としてのヒトはいずれ滅びるはずであるとしても、科学を携えた生命の生き継ぎの戦略は考えていかなければならないと信じる。ではそれを正当化する理屈はあるのだろうか、あるとすれば、それは何か?仮にそれが正当化されたとして、如何に生き継ぎを実現するか、その方法とその正当化には、どういう理屈があるのだろうか?このような問いに科学者だけで答えることはできない。それは、倫理を含み科学と密着した哲学の課題であろう。このことを「絶滅プログラム」だとか「将来科学」だとか呼びたい。詳しい内容は、戸田山、熊澤が発表する。

  • ダイナモ理論のアルファ効果

    吉田茂生

    2011年9月 

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    開催年月日: 2011年9月

    会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:阿蘇白雲山荘(熊本県阿蘇市)   国名:日本国  

  • 都城秋穂の科学哲学を評価する

    戸田山和久、吉田茂生

    日本地球惑星科学連合2010年大会  2010年5月 

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    開催年月日: 2010年5月

    会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:幕張メッセ 国際会議場   国名:日本国  

    地質学者の都城秋穂(1920~2008)は、悲劇的な死の10年前に一冊の科学哲学書を世に問うた。『科学革命とは何か』(岩波書店、1998年)である。この書物は、一部の地質学者、天文学者、物理学者、科学史家の注目を集めはしたが(水谷伸治郎『地質ニュース』1998、海部宣男『毎日新聞』1998、藤永茂『科学』1999、熊澤峰夫『パリティ』1998、佐々木力『信濃毎日新聞』1999)、その主たるターゲットであったはずの科学哲学者からの反応はほぼ皆無であり、「黙殺」に近い扱いを受けた。  本発表の筆者を含む名古屋大学を中心とする地球科学者、科学哲学者のグループは、「地球惑星科学の哲学」を現場科学者と哲学者の協働で構築すべく研究活動を続けている。科学哲学の直接の起源となった論理実証主義運動は、マッハ哲学の影響下に、量子力学・相対論といった当時勃興しつつあった「新物理学」の哲学的正当化を目指す物理学出身者によって担われた。こうした事情から、現代科学哲学は、科学の典型を理論物理学に見てそこで得られた知見を科学一般に外挿する、物理学主義的なバイアスを色濃く持つことになってしまった。近年、脳科学・認知科学、生物学などの哲学的分析が行われるようになり、こうした傾向は是正されつつあるとはいえ、いまだに地球科学の哲学はその端緒に着いたばかりである。  しかし、地球惑星科学は以下の特質のゆえに、科学哲学の興味深い対象となるばかりでなく、従来物理学中心主義的に展開してきた科学哲学の「歪み」を相対化し是正することを促すという意味でも、貴重な分野である。まず第一に、地球惑星科学そのものが、物理学から化学、生物学までの幅広い分野のハイブリッドとして展開されている。また、博物学的な自然観察から高度に抽象的な理論構築までさまざまなレベルを内包する、レンジの広さをもつ。これら異質な要素がどのようにゆるやかに統合されているのかを分析することは、論理実証主義が想定していた「物理学への還元による諸科学の統合」とは異なる科学の統合のモデルを与える可能性がある。第二に、地球惑星科学は、物理学のような基礎理論の探究というより、複数のモデルをつなぎあわせて地球の進化のシナリオを描こうとする「歴史科学」の側面を持つということ。この「モデル」や「シナリオ」といった概念装置は、これまでの科学哲学ではそれほど表だって扱われてはこなかった。  本発表では、こうした「地球惑星科学の哲学」構築の準備作業の一環として、都城科学哲学を科学哲学の観点から再評価することを目指す。そのためにはいくつかの方法が考えられるが、まずは、都城科学哲学を現代科学哲学の立場から裁断するのではなく、より内在的に、都城の主張のユニークさを取り出し、そこから現代科学哲学は何を学べるかを明らかにする、という方法をとる。  『科学革命とは何か』における都城の論点を(きわめて大雑把に)整理すると次のようになる。 (1)クーンのパラダイム論、ラカトシュの研究プログラム論などを、地質学の歴史的展開にあてはめてみて検証した。その結果、これらは、地質学での理論変化の説明としては不十分であることが結論される。 (2)その理由は、これまでの科学哲学が、物理学を科学の規範として、それに合致するように構築されてきたことにある。地質学の発展をうまく説明できるような科学哲学の構築が必要である。  こうして、都城はこれまでの科学哲学のバイアスから離れ、現場科学者の語彙と感覚を最大限に尊重しながら、きわめてユニークな科学哲学を構築した。発表ではその特徴を5点抽出し、それぞれを評価する。  しかし、何よりも都城の科学哲学への最大の貢献は、クーンやラカトシュが問うことを思いつかなかった問いを発した点にある。それはつまり、パラダイム論(クーン)やリサーチプログラム論(ラカトシュ)のどちらが正しいのか、ではなく、これらのそれぞれが、科学の展開のどういう局面において妥当するのか、という問いである。

  • 科学におけるモデルという語の使い方

    吉田茂生、戸田山和久

    応用哲学会第2回年次研究大会  2010年4月 

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    開催年月日: 2010年4月

    会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

    開催地:北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟   国名:日本国  

  • Scene feature matching analysis of JERS-1 SAR images

    Takako Sakurai-Amano, Yuko Sato, Shigeki Kobayashi, Mikio Takagi, Shuhei Okubo, Shigeo Yoshida

    Proceedings of the 1998 IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium, IGARSS. Part 1 (of 5)  1998年7月 

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    開催年月日: 1998年7月

    記述言語:英語  

    国名:その他  

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MISC

  • 特別企画 岩波講座「地球惑星科学」新装版復刊記念誌上座談会

    谷篤史、阿部豊、阿部彩子、茅根創、吉田茂生、大河内直彦

    JGL(日本地球惑星科学連合ニュースレター)   2010年11月

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    記述言語:日本語   掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等  

所属学協会

  • American Geophysical Union

  • 日本地球惑星科学連合

  • 日本測地学会 (2012年度まで)

  • 地球電磁気・地球惑星圏学会

  • 応用哲学会 (2015年度まで)

委員歴

  • 日本地球惑星科学連合   固体地球科学セクション サイエンスボードメンバー   国内

    2014年12月 - 2024年5月   

学術貢献活動

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2024年大会 セッションM-IS21「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市幕張メッセ・オンラインハイブリッド開催 ) 2023年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

    参加者数:30

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2023年大会 セッションM-IS12「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市幕張メッセ・オンラインハイブリッド開催 ) 2023年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

    参加者数:30

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2022年大会 セッションM-IS21「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市幕張メッセ・オンラインハイブリッド開催 ) 2022年5月 - 2022年6月

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    種別:大会・シンポジウム等 

    参加者数:30

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2021年大会 セッションM-IS24「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( オンライン ) 2021年5月 - 2021年6月

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    種別:大会・シンポジウム等 

    参加者数:30

  • コンビーナー

    JpGU-AGU Joint Meeting 2020 セッションM-ZZ56「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( オンライン ) 2020年7月

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    種別:大会・シンポジウム等 

    参加者数:30

  • コンビーナー

    JpGU-AGU Joint Meeting 2020 セッションM-IS27「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( オンライン ) 2020年7月

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    種別:大会・シンポジウム等 

    参加者数:30

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合2019年大会 セッション M-ZZ51「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 千葉県千葉市、幕張メッセ国際会議場 ) 2019年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2019年大会 セッションM-IS18「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2019年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合2018年大会 セッション M-ZZ40「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 千葉県千葉市、幕張メッセ国際会議場 ) 2018年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2018年大会 セッションM-IS15「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2018年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 座長(Chairmanship)、コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2017年大会 セッションM-IS15「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2017年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 座長(Chairmanship)、コンビーナー

    日本地球惑星科学連合2017年大会 セッション M-ZZ42「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 千葉県千葉市、幕張メッセ国際会議場 ) 2017年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 学術論文等の審査

    役割:査読

    2017年

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    種別:査読等 

    外国語雑誌 査読論文数:1

  • 科研費「新学術領域研究(研究領域提案型)『地殻ダイナミクス』」の専門委員会(2608)委員(公募研究の審査員)

    役割:審査・評価

    文部科学省  2016年10月 - 2017年3月

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    種別:審査・学術的助言 

  • 座長(Chairmanship)、コンビーナー

    日本地球惑星科学連合 2016 年大会 セッションM-IS10「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2016年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • コンビーナー

    日本地球惑星科学連合2016年大会 セッション M-ZZ32「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 千葉県千葉市、幕張メッセ国際会議場 ) 2016年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 新しい地球惑星の科学(教科書)

    2016年1月 - 2019年3月

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    種別:学会・研究会等 

  • 座長(Chairmanship)

    日本地球惑星科学連合 2015 年大会 セッションM-IS22「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2015年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 座長(Chairmanship)

    日本地球惑星科学連合 2015 年大会 セッションM-ZZ45「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2015年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 科研費「新学術領域研究(研究領域提案型)『地殻ダイナミクス』」の専門委員会(2608)委員(公募研究の審査員)

    役割:審査・評価

    文部科学省  2014年10月 - 2015年3月

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    種別:審査・学術的助言 

  • 座長(Chairmanship)

    日本地球惑星科学連合 2014 年大会 セッションM-ZZ45「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 神奈川県横浜市 パシフィコ横浜 ) 2014年4月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 座長(Chairmanship)

    日本地球惑星科学連合 2014 年大会 セッションM-IS24「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 神奈川県横浜市 パシフィコ横浜 ) 2014年4月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 司会(Moderator)

    ( 愛知県名古屋市 名古屋大学 ) 2013年9月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 座長(Chairmanship)

    日本地球惑星科学連合 2013 年大会 セッションM-IS21「地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2013年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

  • 座長(Chairmanship)

    日本地球惑星科学連合 2013 年大会 セッションM-ZZ41「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」  ( 千葉県千葉市 幕張メッセ国際会議場 ) 2013年5月

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    種別:大会・シンポジウム等 

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 地球外核最上部におけるアルフベン波連続スペクトル

    2024年5月 - 2025年3月

    共同研究

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    担当区分:研究分担者  資金種別:その他産学連携による資金

  • 地球外核最上部のダイナミクス:波動による地球内部東西磁場強度推定の試み

    研究課題/領域番号:24K07177  2024年 - 2026年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

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    担当区分:研究代表者  資金種別:科研費

  • 2層熱対流による海王星の帯状流の生成

    2014年 - 2016年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

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    担当区分:研究代表者  資金種別:科研費

  • 地球惑星科学の哲学-20世紀初頭からの日本での展開に即して

    2014年 - 2016年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

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    担当区分:研究分担者  資金種別:科研費

  • 科学哲学の拡張による総合メタ科学の基盤構築:STSとの連携を通じて

    2014年 - 2016年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

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    担当区分:研究分担者  資金種別:科研費

  • 2層熱対流による海王星の帯状流の生成の可能性を探る

    2013年 - 2015年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

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    担当区分:研究代表者  資金種別:科研費

  • 思考様式および実践としての現代科学とローカルな諸社会との節合の在り方

    2012年4月 - 2015年3月

    東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 

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    担当区分:研究分担者 

    本プロジェクトでは,科学技術に関する専門的な知識を備えた人類学者が,哲学及び自然科学の第一線の研究者と共に,具体的な事例を詳細に議論し,思考及び実践の様式という点から,ローカルなコミュニティにおける人々の生活と接合する現代の科学の在り方を考察する。それによって,1)思考様式としての科学,2)実践としての科学,3)領域化された科学,について明らかにし,推論システムとして専門化された個々の分野について特性と可能性を検討していく。

  • 2層熱対流による海王星の帯状流の生成の可能性を探る

    2012年 - 2014年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

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    担当区分:研究代表者  資金種別:科研費

  • 地球惑星科学の哲学の基盤構築

    2011年4月 - 2014年3月

    名古屋大学 

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    担当区分:研究分担者 

    科学者と科学哲学者と科学史家が共同して地球惑星科学の哲学の構築を行う。

  • ダイナモにおけるアルファ効果の非局所性と非瞬間性

    2011年 - 2013年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

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    担当区分:研究代表者  資金種別:科研費

  • 地球惑星科学の哲学の基盤構築

    研究課題/領域番号:2332005  2011年 - 2013年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

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    担当区分:研究分担者  資金種別:科研費

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教育活動概要

  • 学部教育においては、2010-2011 年度は物理実験を担当し、ねじれ振り子の実験や熱伝導の実験を担当した。2012年度以降は、物理数学と力学・熱力学の演習(地球惑星物理学演習I)を担当している。2018年度以降は地球熱学(固体地球変動学)と木星型惑星構造論(地球惑星内部科学)も担当している。
    大学院教育においては、コアのダイナミクスや火山物理学等の講義をしている。そのほか、数理演習の中でベクトルとテンソルの講義を担当している。
    全学教育においては、2010-2013年度は、実験とオムニバス講義の分担分を担当しているほか、2012-2013年度はそれらの授業の取りまとめ役を行った。2014-2016, 2020-2021 年度は電磁気学(基幹物理学IB)を担当した。2017-2019, 2022-2023 年度は基幹教育セミナーを担当した。
    4年生、修士学生、博士学生の指導も行っている。

担当授業科目

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2024年10月 - 2025年3月   後期

  • 地球惑星科学IIA

    2024年10月 - 2024年12月   秋学期

  • 電磁気学基礎演習

    2024年10月 - 2024年12月   秋学期

  • 地球惑星内部科学A

    2024年10月 - 2024年12月   秋学期

  • 地球惑星数理演習

    2024年4月 - 2024年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2024年4月 - 2024年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2024年4月 - 2024年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2023年10月 - 2024年3月   後期

  • 地球惑星科学IIA

    2023年10月 - 2023年12月   秋学期

  • 地球惑星内部科学A

    2023年10月 - 2023年12月   秋学期

  • 基幹教育セミナー

    2023年6月 - 2023年8月   夏学期

  • 地球惑星数理演習

    2023年4月 - 2023年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2023年4月 - 2023年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2023年4月 - 2023年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2022年10月 - 2023年3月   後期

  • 地球惑星科学IIA

    2022年10月 - 2022年12月   秋学期

  • 地球惑星内部科学A

    2022年10月 - 2022年12月   秋学期

  • 基幹教育セミナー

    2022年6月 - 2022年8月   夏学期

  • 地球惑星数理演習

    2022年4月 - 2022年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2022年4月 - 2022年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2022年4月 - 2022年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2021年10月 - 2022年3月   後期

  • 地球惑星内部科学A

    2021年10月 - 2021年12月   秋学期

  • 電磁気学基礎演習

    2021年10月 - 2021年12月   秋学期

  • 地球惑星数理演習

    2021年4月 - 2021年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2021年4月 - 2021年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2021年4月 - 2021年9月   前期

  • 地球惑星科学IA

    2021年4月 - 2021年6月   春学期

  • 基幹物理学ⅠB演習

    2020年10月 - 2021年3月   後期

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2020年10月 - 2021年3月   後期

  • 地球惑星内部科学A

    2020年10月 - 2020年12月   秋学期

  • 地球惑星科学I

    2020年4月 - 2020年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2020年4月 - 2020年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2020年4月 - 2020年9月   前期

  • 地球惑星数理演習

    2020年4月 - 2020年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2019年10月 - 2020年3月   後期

  • 地球惑星内部科学A

    2019年10月 - 2019年12月   秋学期

  • 基幹教育セミナー

    2019年6月 - 2019年8月   夏学期

  • 地球惑星科学I

    2019年4月 - 2019年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2019年4月 - 2019年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2019年4月 - 2019年9月   前期

  • 地球惑星数理演習

    2019年4月 - 2019年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習Ⅰ

    2018年10月 - 2019年3月   後期

  • 地球惑星内部科学

    2018年10月 - 2019年3月   後期

  • 基幹教育セミナー

    2018年6月 - 2018年8月   夏学期

  • 地球惑星科学I

    2018年4月 - 2018年9月   前期

  • 固体地球変動学

    2018年4月 - 2018年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2018年4月 - 2018年9月   前期

  • 地球惑星数理演習

    2018年4月 - 2018年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習I

    2017年10月 - 2018年3月   後期

  • 基幹教育セミナー

    2017年6月 - 2017年8月   夏学期

  • 基幹教育セミナー

    2017年6月 - 2017年8月   夏学期

  • 地球惑星数理演習

    2017年4月 - 2017年9月   前期

  • 地球惑星科学I

    2017年4月 - 2017年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2017年4月 - 2017年9月   前期

  • 九州の防災:熊本地震からあなたの身の守り方を学ぶA

    2017年4月 - 2017年6月   春学期

  • 基幹物理学IB演習

    2016年10月 - 2017年3月   後期

  • 地球惑星物理学演習I

    2016年10月 - 2017年3月   後期

  • 地球惑星数理演習

    2016年4月 - 2016年9月   前期

  • 地球惑星科学I

    2016年4月 - 2016年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2016年4月 - 2016年9月   前期

  • 基幹物理学IB演習

    2015年10月 - 2016年3月   後期

  • 地球惑星物理学演習I

    2015年10月 - 2016年3月   後期

  • 地球惑星数理演習

    2015年4月 - 2015年9月   前期

  • 地球惑星科学I

    2015年4月 - 2015年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2015年4月 - 2015年9月   前期

  • 基幹物理学IB演習

    2014年10月 - 2015年3月   後期

  • 地球惑星物理学演習I

    2014年10月 - 2015年3月   後期

  • 地球惑星数理演習

    2014年4月 - 2014年9月   前期

  • 地球惑星科学I

    2014年4月 - 2014年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2014年4月 - 2014年9月   前期

  • 自然科学総合実験

    2013年10月 - 2014年3月   後期

  • 地球惑星物理学演習I

    2013年10月 - 2014年3月   後期

  • 理系コア 地球科学I (地球惑星科学の発展と歴史)

    2013年4月 - 2013年9月   前期

  • 地球惑星数理演習

    2013年4月 - 2013年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2013年4月 - 2013年9月   前期

  • 自然科学総合実験

    2013年4月 - 2013年9月   前期

  • 地球惑星物理学演習I

    2012年10月 - 2013年3月   後期

  • 自然科学総合実験

    2012年10月 - 2013年3月   後期

  • 理系コア 地球科学I (地球惑星科学の発展と歴史)

    2012年4月 - 2012年9月   前期

  • 地球惑星数理演習

    2012年4月 - 2012年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2012年4月 - 2012年9月   前期

  • 地球惑星化学実験

    2011年10月 - 2012年3月   後期

  • 自然科学総合実験

    2011年10月 - 2012年3月   後期

  • コアセミナー

    2011年4月 - 2011年9月   前期

  • 地球惑星数理演習

    2011年4月 - 2011年9月   前期

  • 理系コア 地球科学I (地球惑星科学の発展と歴史)

    2011年4月 - 2011年9月   前期

  • 自然科学総合実験

    2011年4月 - 2011年9月   前期

  • 地球内部ダイナミクス

    2011年4月 - 2011年9月   前期

  • 地球惑星化学実験

    2010年10月 - 2011年3月   後期

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FD参加状況

  • 2024年4月   役割:参加   名称:【オンデマンド開催】大学教職員職能開発FD 「⽣成AIを大学の教育・学習・業務にどのように組み込むか?-第一弾 生成AIを使った授業デザイン支援のアイデア-」

    主催組織:全学

  • 2023年5月   役割:参加   名称:基幹教育セミナーFD

    主催組織:全学

  • 2023年3月   役割:参加   名称:【物理学科FD】物理数学の教育と効果的な演習に向けて

    主催組織:学科

  • 2022年7月   役割:参加   名称:【化学科FD】電子ジャーナルに関するFD

    主催組織:学科

  • 2022年3月   役割:参加   名称:リベラルサイエンス教育開発FD「今、教養教育に求められるもの:イギリス教養史にみる科学の受容から」

    主催組織:全学

  • 2022年3月   役割:参加   名称:全学FD:メンタルヘルス講演会

    主催組織:全学

  • 2022年3月   役割:参加   名称:大学教職員職能開発FD「TA制度の未来を考える〜九州大学の実践例を参考に〜」

    主催組織:全学

  • 2022年3月   役割:参加   名称:(地球惑星科学科FD)実験・実習科目の課題と今後のあり方

    主催組織:学科

  • 2022年3月   役割:参加   名称:新M2Bシステムの使い方 ~新機能を中心に紹介します~(3/17)

    主催組織:全学

  • 2022年3月   役割:参加   名称:リベラルサイエンス教育開発FD 「『ゆるレポ』に学ぶはじめての研究~ゆるく始めて、しっかり仕上げる~」

    主催組織:全学

  • 2021年3月   役割:参加   名称:【物理学FD】ハイブリッド講義の実践例と講義活性化

    主催組織:部局

  • 2021年3月   役割:参加   名称:FD講演会「九州大学オンライン授業のグッドプラクティス 〜 オンデマンド型授業編〜」

    主催組織:全学

  • 2021年3月   役割:参加   名称:FD講演会「九州大学オンライン授業のグッドプラクティス 〜 リアルタイム型授業編〜」

    主催組織:全学

  • 2021年3月   役割:参加   名称:学習支援システム(M2B)講習会(オンライン開催)◇初級編・中・上級編◇13:00~15:00

    主催組織:全学

  • 2020年9月   役割:参加   名称:M2B システム講習会FD

    主催組織:全学

  • 2019年12月   役割:参加   名称:緊急時の応急措置に関するFD,SD

    主催組織:部局

  • 2019年4月   役割:参加   名称:平成31年度基幹教育セミナーFD(基幹教育セミナーを担当している教員のためのFD)

    主催組織:全学

  • 2019年3月   役割:参加   名称:一般選抜における主体性等評価に関するFD

    主催組織:全学

  • 2018年9月   役割:参加   名称:M2B システムFD

    主催組織:部局

  • 2018年7月   役割:参加   名称:平成33年度入学者選抜改革【九州大学新入試QUBE】~各学部での検討に向けた情報提供~

    主催組織:全学

  • 2018年4月   役割:参加   名称:平成30年度基幹教育セミナーFD(基幹教育セミナーを担当している教員のためのFD)

    主催組織:全学

  • 2017年4月   役割:参加   名称:平成29年度基幹教育セミナーFD(基幹教育セミナーを担当している教員のためのFD)

    主催組織:全学

  • 2015年8月   役割:参加   名称:M2B学習支援システム講習会(基幹教育院・教材開発センターFD)

    主催組織:全学

  • 2015年4月   役割:参加   名称:基幹教育物理学科目FD(基幹教育で物理学を担当している教員のためのFD)

    主催組織:部局

  • 2015年3月   役割:参加   名称:EEPセミナー (地球惑星科学部門FD) 大学教育モデル講義~Introductory Oceanography (講師 Eric Heinen De Carlo)

    主催組織:学科

  • 2015年2月   役割:参加   名称:EEPセミナー (地球惑星科学部門FD) Mock lecture: "Solar-Terrestrial Environment"、台湾中央大学の教育システム (講師 劉正彦)

    主催組織:学科

  • 2014年12月   役割:参加   名称:大学の制度変更にどう対応するか(地球惑星科学部門FD)

    主催組織:学科

  • 2014年7月   役割:参加   名称:改定GPA制度の実施のためのFD(理学部FD)

    主催組織:部局

  • 2013年12月   役割:参加   名称:新カリキュラムと地球惑星科学科専攻教育(地球惑星科学部門FD)

    主催組織:学科

  • 2013年3月   役割:参加   名称:基幹教育院の新カリキュラムについて(地球惑星科学部門FD)

    主催組織:学科

  • 2013年3月   役割:参加   名称:アクティブ・ラーニング:入門と実践(理学研究院と化学部門の共催FD)

    主催組織:部局

  • 2012年4月   役割:参加   名称:平成24年度第1回全学FD 新任教員の研修

    主催組織:全学

  • 2012年1月   役割:参加   名称:EEPセミナー (地球惑星科学部門FD) コロラド州の教育システム (講師 A.D. Richmond)

    主催組織:学科

  • 2011年12月   役割:参加   名称:EEP セミナー(物理学部門FD) The University of Oxford: teaching and learning under the dreaming spires (講師 J.M. Yeomans)

    主催組織:学科

  • 2011年9月   役割:参加   名称:第3回全学FD(IDE大学セミナー)「学生支援の新たな展開―学生サービスを越えて―」

    主催組織:全学

  • 2010年11月   役割:参加   名称:ゆとり教育世代の新入生の理数系基礎学力

    主催組織:学科

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その他教育活動及び特記事項

  • 2022年  クラス担任  学部

  • 2021年  クラス担任  学部

社会貢献・国際連携活動概要

  • 2010年度、2011年度、大学入試センター教科科目第一委員会委員を務めた。
    2016年と2019年には高校生向けの出前講義を行った。
    2016年度から2017年度にかけては「九州大学・世界に羽ばたく未来創成科学者育成プロジェクト (FC-SP) 知的探求型プログラム(ESSP)地球惑星科学コース」の取りまとめを行うとともに、受講生の課題研究指導、講義を分担した。

社会貢献活動

  • 出前授業(模擬講義)「方位磁針が北を向くわけ~地球の核が作る磁場~」

    長崎県立長崎北高校  2019年10月

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    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:セミナー・ワークショップ

  • 九州大学・世界に羽ばたく未来創成科学者育成プロジェクト (FC-SP) 知的探求型プログラム(ESSP)地球惑星科学コース; コースの取りまとめ、講義、課題研究指導(2017年7月~2018年3月); 講義「方位磁針が北を向くわけ~地球の核が作る磁場~」; 課題研究(アドバンストコース)指導題目「Analog experiment on the process of volcanic eruptions induced by earthquakes」(福岡県立輝翔館中等教育学校 高校2年 坂本 光瑠)

    2018年3月

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    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:その他

  • 九州大学・世界に羽ばたく未来創成科学者育成プロジェクト (FC-SP) 知的探求型プログラム(ESSP)地球惑星科学コース; コースの取りまとめと課題研究指導(2016年7月~2017年3月); 課題研究指導題目「火山噴火が地震により誘発される過程のアナログ実験~炭酸水の発泡のしやすさと粘性の関係~」(福岡県立輝翔館中等教育学校 高校1年 坂本 光瑠)

    2017年3月

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    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:その他

  • 九州高等学校生徒理科研究発表大会研究発表部門審査員

    2017年1月

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    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:その他

  • 出前授業(模擬講義)「方位磁針が北を向くわけ~地球の核が作る磁場~」

    佐賀県立唐津東高校  2016年9月

     詳細を見る

    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:セミナー・ワークショップ

  • 「はやぶさ2」打ち上げライブ中継 パブリックビューイング 上記行事の企画に岡崎隆司助教や大学院生とともに携わった。

    九州大学(広報室、理学部事務部企画係)  椎木講堂  2014年10月

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    対象: 社会人・一般, 学術団体, 企業, 市民団体, 行政機関

    種別:講演会

    打ち上げ自体は悪天候のため延期になったので、講演会、ビデオ上映、ジバニャン撮影会、学生による関連研究展示などが行われた。

  • 平成23年度大学入試センター教科科目第一委員会委員(地学)

    独立行政法人大学入試センター  2011年4月

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    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:その他

  • 平成22年度大学入試センター教科科目第一委員会委員(地学)

    独立行政法人大学入試センター  2010年4月

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    対象: 幼稚園以下, 小学生, 中学生, 高校生

    種別:その他

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海外渡航歴

  • 1999年10月 - 2000年9月

    滞在国名1:グレートブリテン・北アイルランド連合王国(英国)   滞在機関名1:University of Leeds

学内運営に関わる各種委員・役職等

  • 2023年4月 - 2024年3月   学科 学科年報委員

  • 2022年4月 - 2025年3月   研究院 理学研究院部門支援室

  • 2021年4月 - 2023年3月   学部 学生生活・修学相談員

  • 2021年4月 - 2023年3月   学科 教務委員

  • 2020年4月 - 2022年3月   全学 研究活動基礎支援専門委員

  • 2020年4月 - 2021年3月   学科 教室談話会委員

  • 2019年4月 - 2021年3月   学府 人材育成プログラム運営専門委員

  • 2018年4月 - 2019年3月   学科 学科年報委員

  • 2016年4月 - 2023年3月   学部 未来の科学者委員会委員

  • 2015年11月 - 2017年3月   全学 伊都地区協議会環境対策WG委員

  • 2015年4月 - 2017年3月   学科 教室談話会委員

  • 2013年4月 - 2017年3月   学部 理学部等支援室員

  • 2013年4月 - 2015年3月   学科 パンフレット委員(兼オープンキャンパス担当、2014年度は兼大学院説明会担当)

  • 2012年4月 - 2014年3月   学部 シラバス作成専門委員

  • 2012年4月 - 2014年3月   学科 教務委員(シラバス委員)

  • 2012年4月 - 2013年3月   学府 FR運営委員

  • 2011年4月 - 2021年3月   部門 計算機委員

  • 2011年4月 - 2012年3月   学科 教室談話会委員

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