2024/07/28 更新

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ハヤシ サオリ
林 早織
HAYASHI SAORI
所属
九州大学病院 乳腺外科(1) 助教
医学部 医学科(併任)
職名
助教
外部リンク

学位

  • なし

論文

  • Significance of the Multi-gene Panel myRisk in Japan

    Saori Hayashi, Makoto Kubo, Sawako Matsuzaki, Masaya Kai, Takafumi Morisaki, Mai Yamada, Kazuhisa Kaneshiro, Yuka Takao, Akiko Shimazaki, Kinuko Nagayoshi, Yusuke Mizuuchi, Masafumi Nakamura

    Anticancer Research   42 ( 8 )   4097 - 4102   2022年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: org/10.21873/anticanres.15907

  • CCND1 Copy Number Variation in Circulating Tumor DNA from Luminal B Breast Cancer Patients

    Akiko Shimazaki, Makoto Kubo, Kanako Kurata, Yuka Takao, Saori Hayashi, Yurina Harada, Hitomi Kawaji, Kazuhisa Kaneshiro, Mai Yamada, Masaya Kai, Masafumi Nakamura

    Anticancer Res   42 ( 8 )   4071 - 4077   2022年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.21873/anticanres.15904

  • Genetic medicine is accelerating in Japan

    Saori Hayashi, Makoto Kubo, Kazuhisa Kaneshiro, Masaya Kai, Mai Yamada, Takafumi Morisaki, Yuka Takao, Akiko Shimazaki, Sawako Shikada, Masafumi Nakamura

    Breast cancer   29 ( 4 )   659 - 665   2022年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1007/s12282-022-01342-4

  • Validity of the prognostication tool PREDICT version 2.2 in Japanese breast cancer patients

    Karen Zaguirre, Masaya Kai, Makoto Kubo, Mai Yamada, Kanako Kurata, Hitomi Kawaji, Kazuhisa Kaneshiro, Yurina Harada, Saori Hayashi, Akiko Shimazaki, Takafumi Morisaki, Hitomi Mori, Yoshinao Oda, Sanmei Chen, Taiki Moriyama, Shuji Shimizu, Masafumi Nakamura

    Cancer Medicine   10 ( 5 )   1605 - 1613   2021年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1002/cam4.3713

  • Comprehensive molecular profiling broadens treatment options for breast cancer patients

    Hitomi Kawaji, Makoto Kubo, Nami Yamashita, Hidetaka Yamamoto, Masaya Kai, Atsuko Kajihara, Mai Yamada, Kanako Kurata, Kazuhisa Kaneshiro, Yurina Harada, Saori Hayashi, Akiko Shimazaki, Hitomi Mori, Sayuri Akiyoshi, Eiji Oki, Yoshinao Oda, Eishi Baba, Masaki Mori, Masafumi Nakamura

    Cancer Medicine   10 ( 2 )   529 - 539   2021年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1002/cam4.3619

  • Effect of the 2013 ASCO-CAP HER2 Testing Guideline on the Management of IHC/HER2 2+ Invasive Breast Cancer

    Mai Yamada, Makoto Kubo, Hidetaka Yamamoto, Nami Yamashita, Masaya Kai, Karen Zaguirre, Kazuhisa Kaneshiro, Akiko Shimazaki, Saori Hayashi, Hitomi Kawaji, Masaki Mori, Yoshinao Oda, Masafumi Nakamura

    Anticancer Res   41 ( 8 )   4143 - 4149   2021年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.21873/anticanres.15217

  • Comprehensive molecular profiling broadens treatment options for breast cancer patients

    Kawaji H, Kubo M, Yamashita N, Yamamoto H, Kai M, Kajihara A, Yamada M, Kurata K, Kaneshiro K, Harada Y, Hayashi S, Shimazaki S, Mori H, Akiyoshi S, Oki E, Oda Y, Baba E, Mori M, Nakamura M

    Cancer Medicine   10 ( 2 )   529 - 539   2020年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1002/cam4.3619.

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講演・口頭発表等

  • 末梢血幹細胞移植後に遺伝性腫瘍が疑われMulti Gene Panel Testingを施行した一例

    林早織, 松崎佐和子, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 山田舞, 中村雅史, 久保真

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

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    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台市   国名:日本国  

    【症例】43歳女性。36歳時右乳癌に対して乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検を施行した。その他に子宮頸がんや骨髄異形成症候群(38歳時)の既往がある。姉も骨髄異形成症候群あり、遺伝性腫瘍が疑われた。骨髄異形成症候群に対しては末梢血幹細胞移植後であり、通常の血液を用いた生殖細胞系列の遺伝学的検査は困難であると考えられた。幹細胞移植の影響を受けにくいと考えられる口腔粘膜からの検体採取という方法があるが非定型的であり、多くの検査会社は受託不可であった。Igenomics社は、疑陽性の可能性を理解したうえであれば、受け入れ可能であり同社の遺伝学的検査を選択した。 【方法・結果】特定の遺伝子の病的バリアントを想定しておらず、さらに何度も検査の機会を得ることができないという観点から、Multi Gene Panel Testing(MGPT)が望ましいと考え、固形癌や血液腫瘍の原因となりうる205遺伝子を含むComprehensive Inherited Cancer Precision Panelを選択した。方法は、口腔内をスワブで擦過し頬粘膜の細胞を採取し検査に提出した。結果はATM c.6503C>Tであり、病的意義不明(VUS)であった。少なくとも単一遺伝子で疾患の原因となる病的バリアントは認められず、現時点で遺伝性腫瘍の可能性は低いという結論に至った。クライエントは、明らかな病的バリアントがなかったという結果には安堵しており、原疾患に対する経過観察を継続中である。 【考察・結語】 骨髄移植後は、遺伝学的検査の方法や解釈が制限され、さらにMGPTの報告は稀である。今回、骨髄移植後においてもクライエント由来の遺伝学的情報が得られる可能性が高く、侵襲の少ない方法として口腔粘膜からの検体採取を行った。探索的な方法ではあるが、骨髄移植後の遺伝学的検査方法やメリット・デメリットについて報告する。

  • 生殖細胞系列MGPTの使い所とその意義

    久保真, 林早織, 松崎佐和子, 水内祐介, 溝口公久, 田浦裕三子, 加藤聖子

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台市   国名:日本国  

    【はじめに】遺伝性腫瘍の原因遺伝子の中には、多くの臓器にまたがって影響する病的変異が存在する。逆に、特定の臓器に発症するがんに対し、高浸透から低浸透まで多くの遺伝子が影響する癌腫も知られている。本邦においては、2020年4月に遺伝性乳癌卵巣癌に対し生殖細胞系列検査BRACAnalysisが保険承認された。しかし、病的バリアントは全乳癌の5%程度であり、高い家族集積性を有する場合でも陰性のケースが散見される。また、がんゲノム遺伝子遺伝子プロファイル検査(CGP)で、二次的所見を認めて遺伝性腫瘍を疑うケースも多い。様々な癌腫の家族集積性を有する場合や若年の場合、MGPTを施行したいケースは多いが、自由診療がハードルのひとつとなっている。さらに、未発症の家族、低浸透のバリアントに対する医学的管理、VUSへの対応も課題である。今回当院におけるMGPT施行例について、解析結果と取り組みを総括する。 【結果】2019年より2023年までの期間にMGPTを施行した症例は38例、うち女性24例、男性4例、平均年齢は54.8歳であった。家族歴を22例に認め、6例はCGP施行後であった。陽性は12例(31.6%)、VUSは27例に認めた。陽性例は、BRCA1が6例、TP53が2例、MLH1、MSH2、MSH6が各1例であった。陽性例に限ると平均年齢は40.9歳、うち3例には家族歴が見られなかった。CGPで2次的所見(SF)のある79例に対し、GC受診は47例(59%)、確認検査を20例に行った。うち6例にMGPTを施行し、5例が陽性、1例が陰性であった。 【まとめ】適応を絞ることで、31.6%と比較的高率に遺伝性腫瘍の診断に至ることができた。将来的には、健診を含めより適切な対象に適切なタイミングでのスクリーニングや確定診断のために、ベースとなる臨床研究が望まれる。

  • 乳管患者におけるDDR遺伝子変異とTMBの関係

    溝口公久, 森崎隆史, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 林早織, 山田舞, 松崎佐和, 中村雅史, 久保真,

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台市   国名:日本国  

    【はじめに】DNA損傷応答・修復(DDR)遺伝子の変異は、ゲノムの不安定性や腫瘍遺伝子変異量(TMB)と関連しており、免疫原性を高める可能性があるとされている。これまでにDDR遺伝子とTMBとの関係は、非小細胞肺癌・尿路上皮癌・消化器癌など様々な癌種で検討されてきた。DDR遺伝子変異を有する患者では、TMBが有意に上昇し予後が延長したとの報告もある。今回われわれは乳癌患者においてDDR遺伝子変異とTMBの関係について調査した。 【対象と方法】2023年11月までにがん遺伝子パネル検査を施行された乳癌患者3631例を対象とし、C-CATの検索ポータルを利用してDDR遺伝子 (DDR1、DDR2、BRCA1、BRCA2、ARID1A、ATM、 CHEK2)変異とTMB値データを解析した。 【結果】年齢の中央値は55歳(23-91歳)、女性3604例(99.3%)であった。がん遺伝子パネル検査の内訳はFoundationOne CDx 2640例、NCC OncoPanel386例、 F1Liquid CDx605例であった。 DDR遺伝子変異の陽性率は42.9%であり、DDR1が107例(2.9%)、DDR2が92例(2.5%)、BRCA1が313例(8.6%)、BRCA2が615例(16.9%)、ARID1Aが359例(9.9%)、ATMが415例(11.4%)、 CHEK2が202例(5.6%)であった。全体でTMB-Highの割合が12.4%であったのに対しDDR遺伝子変異群では19.2%、変異なしの群では7.3%であった。DDR1が18.6%、DDR2が38.0%、BRCA1が22.0%、BRCA2が23.4%、ARID1Aが38.0%、ATMが22.2%、 CHEK2が22.2%とDDR2、ARID1A変異でTMB-Highが高い傾向にあった。またBRACAalysisの結果が判明しているBRCAの生殖細胞系列変異(gBRCA)22 26名のうちgBRCA陽性は235例(10.6%)であり、gBRCA1が88例(3.9%)、gBRCA2が153例(6.9%)であった。gBRCA陽性者のTMB-Highの割合は14.0%で、gBRCA1は12.2%、gBRCA2は17.0%であった。MSIが評価可能であった2645例のうち、MSI-Highだったのは13例でDDR遺伝子変異の陽性率は76.9%であった。 【まとめ】DDR遺伝子の変異を持つ乳癌患者はTMB-Highの割合が高い傾向にあり、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待される。今後も更なる症例の蓄積が必要である。

  • 遺伝性平滑筋腫症腎細胞癌の一例

    水内祐介, 久保真, 林早織, 松崎佐和子, 木村緑, 田浦裕三子, 猪口淳一, 高松大, 小田義直, 中村雅史

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台   国名:日本国  

    症例は55歳男性、右副腎腺腫の精査で施行したCTで右腎下極に24mm大の嚢胞性腫瘍を認めた。精査にて右腎細胞と診断され、ロボット支援下腎部分切除を施行した。病理診断ではT1aN0M0 StageIと診断した。病理学的には腫瘍細胞は好酸性の細胞質を持ち、腺管嚢胞状の増殖パターンを有していた。免疫染色でFH発現陰性であり、遺伝性平滑筋腫症腎細胞癌(hereditary leiomyomatosis and renal cell cancer; HLRCC)の可能性を疑われた。家族歴は父に喉頭癌(d.7y)、兄に腎細胞癌(d.50y, dx.46y)があり、遺伝性腎細胞癌の可能性が示唆された。本人の希望にて遺伝学的検査を施行したところ生殖細胞系列に病的バリアントを認め(FH ex5: c.233G>A)、HLRCCと診断した。その後、血縁者のうち長男と姪(兄の長女)が発症前遺伝学的検査を行ったところ、いずれにも同バリアントは認めなかった。発端者については術後20ヶ月で骨転移再発を認め、現在再発治療中である。HLRCCは皮膚平滑筋腫,子宮筋腫,腎細胞癌を三主徴とする遺伝性疾患である.2 0世紀前半から家族性発症の皮膚平滑筋腫に関する症例報告はあったが,1973年にReedらが常染色体優性遺伝性に皮膚平滑筋腫や子宮平滑筋腫(または子宮平滑筋肉腫)を発症する2家系を報告したことにちなんで ‘Reed症候群’と呼ばれた.2001年にはReed症候群家系における腎細胞癌発症が報告され,HLRCCの概念が形成されるようになり,2002年には責任遺伝子がクエン酸回路酵素のフマル酸ヒドラターゼ(fumarate hydratase; FH)であることが判明した.HLRCC患者における腎細胞癌は高悪性度で転移しやすく,AYA世代や未成年にも発症するため,集学的治療や遺伝カウンセリングをはじめとした家族ケアが必要となる.

  • 末梢血幹細胞移植後に遺伝性腫瘍が疑われMulti Gene Panel Testingを施行した一例

    林早織, 松崎佐和子, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 山田舞, 中村雅史, 久保真

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台市   国名:日本国  

    【症例】43歳女性。36歳時右乳癌に対して乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検を施行した。その他に子宮頸がんや骨髄異形成症候群(38歳時)の既往がある。姉も骨髄異形成症候群あり、遺伝性腫瘍が疑われた。骨髄異形成症候群に対しては末梢血幹細胞移植後であり、通常の血液を用いた生殖細胞系列の遺伝学的検査は困難であると考えられた。幹細胞移植の影響を受けにくいと考えられる口腔粘膜からの検体採取という方法があるが非定型的であり、多くの検査会社は受託不可であった。Igenomics社は、疑陽性の可能性を理解したうえであれば、受け入れ可能であり同社の遺伝学的検査を選択した。 【方法・結果】特定の遺伝子の病的バリアントを想定しておらず、さらに何度も検査の機会を得ることができないという観点から、Multi Gene Panel Testing(MGPT)が望ましいと考え、固形癌や血液腫瘍の原因となりうる205遺伝子を含むComprehensive Inherited Cancer Precision Panelを選択した。方法は、口腔内をスワブで擦過し頬粘膜の細胞を採取し検査に提出した。結果はATM c.6503C>Tであり、病的意義不明(VUS)であった。少なくとも単一遺伝子で疾患の原因となる病的バリアントは認められず、現時点で遺伝性腫瘍の可能性は低いという結論に至った。クライエントは、明らかな病的バリアントがなかったという結果には安堵しており、原疾患に対する経過観察を継続中である。 【考察・結語】 骨髄移植後は、遺伝学的検査の方法や解釈が制限され、さらにMGPTの報告は稀である。今回、骨髄移植後においてもクライエント由来の遺伝学的情報が得られる可能性が高く、侵襲の少ない方法として口腔粘膜からの検体採取を行った。探索的な方法ではあるが、骨髄移植後の遺伝学的検査方法やメリット・デメリットについて報告する。

  • 生殖細胞系列MGPTの使い所とその意義

    久保真, 林早織, 松崎佐和子, 水内祐介, 溝口公久, 田浦裕三子, 加藤聖子

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

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    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台市   国名:日本国  

    【はじめに】遺伝性腫瘍の原因遺伝子の中には、多くの臓器にまたがって影響する病的変異が存在する。逆に、特定の臓器に発症するがんに対し、高浸透から低浸透まで多くの遺伝子が影響する癌腫も知られている。本邦においては、2020年4月に遺伝性乳癌卵巣癌に対し生殖細胞系列検査BRACAnalysisが保険承認された。しかし、病的バリアントは全乳癌の5%程度であり、高い家族集積性を有する場合でも陰性のケースが散見される。また、がんゲノム遺伝子遺伝子プロファイル検査(CGP)で、二次的所見を認めて遺伝性腫瘍を疑うケースも多い。様々な癌腫の家族集積性を有する場合や若年の場合、MGPTを施行したいケースは多いが、自由診療がハードルのひとつとなっている。さらに、未発症の家族、低浸透のバリアントに対する医学的管理、VUSへの対応も課題である。今回当院におけるMGPT施行例について、解析結果と取り組みを総括する。 【結果】2019年より2023年までの期間にMGPTを施行した症例は38例、うち女性24例、男性4例、平均年齢は54.8歳であった。家族歴を22例に認め、6例はCGP施行後であった。陽性は12例(31.6%)、VUSは27例に認めた。陽性例は、BRCA1が6例、TP53が2例、MLH1、MSH2、MSH6が各1例であった。陽性例に限ると平均年齢は40.9歳、うち3例には家族歴が見られなかった。CGPで2次的所見(SF)のある79例に対し、GC受診は47例(59%)、確認検査を20例に行った。うち6例にMGPTを施行し、5例が陽性、1例が陰性であった。 【まとめ】適応を絞ることで、31.6%と比較的高率に遺伝性腫瘍の診断に至ることができた。将来的には、健診を含めより適切な対象に適切なタイミングでのスクリーニングや確定診断のために、ベースとなる臨床研究が望まれる。

  • 乳管患者におけるDDR遺伝子変異とTMBの関係

    溝口公久, 森崎隆史, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 林早織, 山田舞, 松崎佐和, 中村雅史, 久保真,

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台市   国名:日本国  

    【はじめに】DNA損傷応答・修復(DDR)遺伝子の変異は、ゲノムの不安定性や腫瘍遺伝子変異量(TMB)と関連しており、免疫原性を高める可能性があるとされている。これまでにDDR遺伝子とTMBとの関係は、非小細胞肺癌・尿路上皮癌・消化器癌など様々な癌種で検討されてきた。DDR遺伝子変異を有する患者では、TMBが有意に上昇し予後が延長したとの報告もある。今回われわれは乳癌患者においてDDR遺伝子変異とTMBの関係について調査した。 【対象と方法】2023年11月までにがん遺伝子パネル検査を施行された乳癌患者3631例を対象とし、C-CATの検索ポータルを利用してDDR遺伝子 (DDR1、DDR2、BRCA1、BRCA2、ARID1A、ATM、 CHEK2)変異とTMB値データを解析した。 【結果】年齢の中央値は55歳(23-91歳)、女性3604例(99.3%)であった。がん遺伝子パネル検査の内訳はFoundationOne CDx 2640例、NCC OncoPanel386例、 F1Liquid CDx605例であった。 DDR遺伝子変異の陽性率は42.9%であり、DDR1が107例(2.9%)、DDR2が92例(2.5%)、BRCA1が313例(8.6%)、BRCA2が615例(16.9%)、ARID1Aが359例(9.9%)、ATMが415例(11.4%)、 CHEK2が202例(5.6%)であった。全体でTMB-Highの割合が12.4%であったのに対しDDR遺伝子変異群では19.2%、変異なしの群では7.3%であった。DDR1が18.6%、DDR2が38.0%、BRCA1が22.0%、BRCA2が23.4%、ARID1Aが38.0%、ATMが22.2%、 CHEK2が22.2%とDDR2、ARID1A変異でTMB-Highが高い傾向にあった。またBRACAalysisの結果が判明しているBRCAの生殖細胞系列変異(gBRCA)22 26名のうちgBRCA陽性は235例(10.6%)であり、gBRCA1が88例(3.9%)、gBRCA2が153例(6.9%)であった。gBRCA陽性者のTMB-Highの割合は14.0%で、gBRCA1は12.2%、gBRCA2は17.0%であった。MSIが評価可能であった2645例のうち、MSI-Highだったのは13例でDDR遺伝子変異の陽性率は76.9%であった。 【まとめ】DDR遺伝子の変異を持つ乳癌患者はTMB-Highの割合が高い傾向にあり、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待される。今後も更なる症例の蓄積が必要である。

  • 遺伝性平滑筋腫症腎細胞癌の一例

    水内祐介, 久保真, 林早織, 松崎佐和子, 木村緑, 田浦裕三子, 猪口淳一, 高松大, 小田義直, 中村雅史

    第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2024年5月 

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    開催年月日: 2024年5月 - 2024年6月

    開催地:仙台   国名:日本国  

    症例は55歳男性、右副腎腺腫の精査で施行したCTで右腎下極に24mm大の嚢胞性腫瘍を認めた。精査にて右腎細胞と診断され、ロボット支援下腎部分切除を施行した。病理診断ではT1aN0M0 StageIと診断した。病理学的には腫瘍細胞は好酸性の細胞質を持ち、腺管嚢胞状の増殖パターンを有していた。免疫染色でFH発現陰性であり、遺伝性平滑筋腫症腎細胞癌(hereditary leiomyomatosis and renal cell cancer; HLRCC)の可能性を疑われた。家族歴は父に喉頭癌(d.7y)、兄に腎細胞癌(d.50y, dx.46y)があり、遺伝性腎細胞癌の可能性が示唆された。本人の希望にて遺伝学的検査を施行したところ生殖細胞系列に病的バリアントを認め(FH ex5: c.233G>A)、HLRCCと診断した。その後、血縁者のうち長男と姪(兄の長女)が発症前遺伝学的検査を行ったところ、いずれにも同バリアントは認めなかった。発端者については術後20ヶ月で骨転移再発を認め、現在再発治療中である。HLRCCは皮膚平滑筋腫,子宮筋腫,腎細胞癌を三主徴とする遺伝性疾患である.2 0世紀前半から家族性発症の皮膚平滑筋腫に関する症例報告はあったが,1973年にReedらが常染色体優性遺伝性に皮膚平滑筋腫や子宮平滑筋腫(または子宮平滑筋肉腫)を発症する2家系を報告したことにちなんで ‘Reed症候群’と呼ばれた.2001年にはReed症候群家系における腎細胞癌発症が報告され,HLRCCの概念が形成されるようになり,2002年には責任遺伝子がクエン酸回路酵素のフマル酸ヒドラターゼ(fumarate hydratase; FH)であることが判明した.HLRCC患者における腎細胞癌は高悪性度で転移しやすく,AYA世代や未成年にも発症するため,集学的治療や遺伝カウンセリングをはじめとした家族ケアが必要となる.

  • オンコタイプDX検査の定量的単一遺伝子スコアに着目した後方視的研究

    佐藤瑶, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 中村雅史, 久保真

    第124回日本外科学会定期学術集会  2024年4月 

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    開催年月日: 2024年4月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    はじめに:HR陽性HER2陰性早期浸潤性乳癌における化学療法の適応を遺伝子レベルで評価するオンコタイプDX乳がん再発スコア$(D"nプログラム(OTDX)は、令和5年9月より保険での使用が開始された。同検査は、21遺伝子の発現量を定量化し、再発スコア(Recurrence Score:RS)、9年遠隔再発率、化学療法の上乗せ効果、ER、PR、HER2の遺伝子スコアを算出する。RSに関する研究・文献は多数みられ、各種ガイドラインで推奨される検査ではあるが、ER、PR、HER2の定量的単一遺伝子スコアに関する報告は少ない。今回、OTDXのER、PR、HER2の遺伝子スコアに着目し、免疫染色法(IHC)によるER、PR、HER2の発現との関連を解析した。 方法:2020年4月から2023年6月までに当院でOTDXを行った70例の検討を行った。ER、PRはIHCで発現率1%未満を陰性、HER2 はIHCで2+(FISH陰性)、1+、0を陰性と定義し、遺伝子スコアとの結果判定の一致率を解析した。 結果:ER、PR、HER2のOTDXとIHCでの一致率は、それぞれ92.5%、94.3%、66.0%であった。また、OTDXのER、PRの遺伝子スコアはIHCでのER、PRの発現率と強い相関を示し、HER2での相関は弱かった(Pearsonの相関係数:ER 0.76、PR 0.74、HER2 0.46)。またER、PR、HER2の遺伝子スコアは、RSとは負の相関を示した(Pearsonの相関係数:-0.63、-0.51、-0.36)。また、ER、HER2の遺伝子スコアはKi67と軽度の負の相関を認めた(Pearsonの相関係数:-0.35、-0.43)。 まとめ:OTDXのER、PRの遺伝子スコアとIHCによる発現との一致率は高く、IHCでの免疫染色は、mRNA発現により代用できる可能性が示唆された。一方でHER2での一致率は低く、今後治療効果判定や予後を含めた臨床研究により蛋白およびmRNAの発現レベルにおける評価の精度を解析する必要がある。

  • トリプルネガティブ乳癌に対するプロリン異性化酵素Pin1をターゲットとした治療戦略

    溝口公久, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 佐藤瑶, 高尾由佳, 山田舞, 中村雅史, 久保真,

    第124回日本外科学会定期学術集会  2024年4月 

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    開催年月日: 2024年4月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    【はじめに】トリプルネガティブ乳癌(TNBC)はこれまで治療困難とされてきたが、近年の癌免疫療法の発展によりPD-L1高発現TNBCに対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果が期待されている。一方で臨床試験によるとTNBCに対するICIの客観的奏効率は約20%にすぎないとされている。プロリン異性化酵素の1つであるPin1はリン酸化されたSer/Thrに続くProを特異的に認識し、異性化を引き起こすことでターゲット蛋白の機能を制御しており、癌シグナルを含む様々なシグナル伝達経路において非常に重要な働きを担っている。Pin1発現はTNBCで高いとされておりPin1をターゲットとした治療戦略が期待される。Pin1阻害薬は抗腫瘍効果がある一方で、内因性にPD-L1発現を増強するとされている。膵癌細胞においてPin1阻害剤、低用量GEM、PD-1阻害剤の投与で相乗的な抗腫瘍効果があることがマウスの実験で示されており、ICIとPin1阻害剤を組み合わせることでICIの効果が増強される可能性があkオ樊@ 【目的と方法】マウスの転移再発TNBCモデルである4T1細胞株を用いて、in vitro、in vivoでPin1阻害剤API-1を投与することでICIの効果を増強させる可能性があるかを検討した。 【結果】in vitroでは、4T1細胞に対しAPI-1濃度依存性に抗腫瘍効果をCellTiter-Glo$(D"nで確認した。次に、API-1濃度依存性に4T1細胞におけるPin1発現の減少、PD-L1発現の増強を蛋白レベルで確認した。さらに、近交系マウスであるBalb/cと免疫不全マウスであるBalb/c -nullを用いたin vivoでは、Balb/c マウスの実験系で4T1細胞移植片の体積、重量ともにコントロール群とAPI-1投与群とで有意差を認め、免疫系の関与が考えられた。 【まとめ】TNBCに対してPin1をターゲットにした薬剤を併用することでICIの効果がより増強する可能性が示唆された。今後は、ICIの効果増強を目指し、PD-L1阻害薬にPin1阻害薬を組み合わせた治療法の開発を行っていく。

  • オンコタイプDX検査の定量的単一遺伝子スコアに着目した後方視的研究

    佐藤瑶, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 中村雅史, 久保真

    第124回日本外科学会定期学術集会  2024年4月 

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    開催年月日: 2024年4月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    はじめに:HR陽性HER2陰性早期浸潤性乳癌における化学療法の適応を遺伝子レベルで評価するオンコタイプDX乳がん再発スコア$(D"nプログラム(OTDX)は、令和5年9月より保険での使用が開始された。同検査は、21遺伝子の発現量を定量化し、再発スコア(Recurrence Score:RS)、9年遠隔再発率、化学療法の上乗せ効果、ER、PR、HER2の遺伝子スコアを算出する。RSに関する研究・文献は多数みられ、各種ガイドラインで推奨される検査ではあるが、ER、PR、HER2の定量的単一遺伝子スコアに関する報告は少ない。今回、OTDXのER、PR、HER2の遺伝子スコアに着目し、免疫染色法(IHC)によるER、PR、HER2の発現との関連を解析した。 方法:2020年4月から2023年6月までに当院でOTDXを行った70例の検討を行った。ER、PRはIHCで発現率1%未満を陰性、HER2 はIHCで2+(FISH陰性)、1+、0を陰性と定義し、遺伝子スコアとの結果判定の一致率を解析した。 結果:ER、PR、HER2のOTDXとIHCでの一致率は、それぞれ92.5%、94.3%、66.0%であった。また、OTDXのER、PRの遺伝子スコアはIHCでのER、PRの発現率と強い相関を示し、HER2での相関は弱かった(Pearsonの相関係数:ER 0.76、PR 0.74、HER2 0.46)。またER、PR、HER2の遺伝子スコアは、RSとは負の相関を示した(Pearsonの相関係数:-0.63、-0.51、-0.36)。また、ER、HER2の遺伝子スコアはKi67と軽度の負の相関を認めた(Pearsonの相関係数:-0.35、-0.43)。 まとめ:OTDXのER、PRの遺伝子スコアとIHCによる発現との一致率は高く、IHCでの免疫染色は、mRNA発現により代用できる可能性が示唆された。一方でHER2での一致率は低く、今後治療効果判定や予後を含めた臨床研究により蛋白およびmRNAの発現レベルにおける評価の精度を解析する必要がある。

  • トリプルネガティブ乳癌に対するプロリン異性化酵素Pin1をターゲットとした治療戦略

    溝口公久, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 佐藤瑶, 高尾由佳, 山田舞, 中村雅史, 久保真,

    第124回日本外科学会定期学術集会  2024年4月 

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    開催年月日: 2024年4月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    【はじめに】トリプルネガティブ乳癌(TNBC)はこれまで治療困難とされてきたが、近年の癌免疫療法の発展によりPD-L1高発現TNBCに対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果が期待されている。一方で臨床試験によるとTNBCに対するICIの客観的奏効率は約20%にすぎないとされている。プロリン異性化酵素の1つであるPin1はリン酸化されたSer/Thrに続くProを特異的に認識し、異性化を引き起こすことでターゲット蛋白の機能を制御しており、癌シグナルを含む様々なシグナル伝達経路において非常に重要な働きを担っている。Pin1発現はTNBCで高いとされておりPin1をターゲットとした治療戦略が期待される。Pin1阻害薬は抗腫瘍効果がある一方で、内因性にPD-L1発現を増強するとされている。膵癌細胞においてPin1阻害剤、低用量GEM、PD-1阻害剤の投与で相乗的な抗腫瘍効果があることがマウスの実験で示されており、ICIとPin1阻害剤を組み合わせることでICIの効果が増強される可能性があkオ樊@ 【目的と方法】マウスの転移再発TNBCモデルである4T1細胞株を用いて、in vitro、in vivoでPin1阻害剤API-1を投与することでICIの効果を増強させる可能性があるかを検討した。 【結果】in vitroでは、4T1細胞に対しAPI-1濃度依存性に抗腫瘍効果をCellTiter-Glo$(D"nで確認した。次に、API-1濃度依存性に4T1細胞におけるPin1発現の減少、PD-L1発現の増強を蛋白レベルで確認した。さらに、近交系マウスであるBalb/cと免疫不全マウスであるBalb/c -nullを用いたin vivoでは、Balb/c マウスの実験系で4T1細胞移植片の体積、重量ともにコントロール群とAPI-1投与群とで有意差を認め、免疫系の関与が考えられた。 【まとめ】TNBCに対してPin1をターゲットにした薬剤を併用することでICIの効果がより増強する可能性が示唆された。今後は、ICIの効果増強を目指し、PD-L1阻害薬にPin1阻害薬を組み合わせた治療法の開発を行っていく。

  • 孤発性線維性腫瘍と判別が 困難であった男性筋線維芽細胞腫の一例

    林早織, 久保真, 黒木瑠美, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史

    第59回九州内分泌外科学会  2024年3月 

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    開催年月日: 2024年3月

    開催地:大分市   国名:日本国  

    【症例】62歳男性。左胸部の腫瘤を主訴に前医を受診し、細胞診では鑑別困難、針生検で孤発性線維性腫瘍(SFT)の診断となった。身体所見上左前胸部外側に2cm大の可動性良好な腫瘤を触知した。造影MRIでは早期層から辺縁が強く増強され、遅延層で内部も造影される腫瘤として描出された。画像所見からは線維化や間質の多い腫瘤と予想され、臨床的にSFTの診断は妥当であった。 【経過】SFTは摘出生検が望ましいとされており、全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行した。病理所見ではCD34,desmin等マーカーは陽性、STAT6は陰性であり筋線維芽細胞腫の診断となった。 【考察】 SFTはWHO分類で中間悪性度の間葉系腫瘍とされる。一方で、筋線維芽細胞腫は良性腫瘍であり、病理学的な悪性度が異なる。両者を正確に区別し診断をするのは複数の免疫染色を組み合わせ、総合的に判断する必要がある。今回、文献的な考察を踏まえ、自験例での画像所見・病理所見と照らし合わせ検討を行う。

  • FoundationOne Liquid CDxを使用した乳癌5症例の検討

    溝口公久, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 佐藤瑶, 高尾由佳, 山田舞, 中村雅史, 久保真, , , ,

    第59回九州内分泌外科学会  2024年3月 

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    開催年月日: 2024年3月

    開催地:大分市   国名:日本国  

    【はじめに】本邦では2021年8月にFoundationOne Liquid CDx(F1L)が保険適用され、乳癌でも検査数が増加してきたが、有用性は十分に検討されていない。【対象と方法】2019年10月から2023年7月までに当院の乳癌患者に対して施行された遺伝子パネル検査34例のうちF1L5例について結果を検討した。【結果】年齢中央値は65歳で、組織型は全例浸潤性乳管癌、化学療法のレジメン数中央値は7であった。MS statusは4例が検査不能、1例がstableで、TMBは全例lowであった。推奨治療が提示された症例はなく、遺伝カウンセリングが推奨されたのは1例であった。【まとめ】F1Lは組織検体がない、または検体採取から長期間経過した場合に適応となる。利点は血液中に遊離している癌の変異遺伝子がドライバー変異である可能性が高いことと、早期に結果が出ることである。しかし検査不能な場合があること、推奨治療が少ない傾向にあるという欠点もあり、今後もより多くの症例での検討が必要である。

  • 孤発性線維性腫瘍と判別が 困難であった男性筋線維芽細胞腫の一例

    林早織, 久保真, 黒木瑠美, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史

    第59回九州内分泌外科学会  2024年3月 

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    開催年月日: 2024年3月

    開催地:大分市   国名:日本国  

    【症例】62歳男性。左胸部の腫瘤を主訴に前医を受診し、細胞診では鑑別困難、針生検で孤発性線維性腫瘍(SFT)の診断となった。身体所見上左前胸部外側に2cm大の可動性良好な腫瘤を触知した。造影MRIでは早期層から辺縁が強く増強され、遅延層で内部も造影される腫瘤として描出された。画像所見からは線維化や間質の多い腫瘤と予想され、臨床的にSFTの診断は妥当であった。 【経過】SFTは摘出生検が望ましいとされており、全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行した。病理所見ではCD34,desmin等マーカーは陽性、STAT6は陰性であり筋線維芽細胞腫の診断となった。 【考察】 SFTはWHO分類で中間悪性度の間葉系腫瘍とされる。一方で、筋線維芽細胞腫は良性腫瘍であり、病理学的な悪性度が異なる。両者を正確に区別し診断をするのは複数の免疫染色を組み合わせ、総合的に判断する必要がある。今回、文献的な考察を踏まえ、自験例での画像所見・病理所見と照らし合わせ検討を行う。

  • FoundationOne Liquid CDxを使用した乳癌5症例の検討

    溝口公久, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 佐藤瑶, 高尾由佳, 山田舞, 中村雅史, 久保真, , , ,

    第59回九州内分泌外科学会  2024年3月 

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    開催年月日: 2024年3月

    開催地:大分市   国名:日本国  

    【はじめに】本邦では2021年8月にFoundationOne Liquid CDx(F1L)が保険適用され、乳癌でも検査数が増加してきたが、有用性は十分に検討されていない。【対象と方法】2019年10月から2023年7月までに当院の乳癌患者に対して施行された遺伝子パネル検査34例のうちF1L5例について結果を検討した。【結果】年齢中央値は65歳で、組織型は全例浸潤性乳管癌、化学療法のレジメン数中央値は7であった。MS statusは4例が検査不能、1例がstableで、TMBは全例lowであった。推奨治療が提示された症例はなく、遺伝カウンセリングが推奨されたのは1例であった。【まとめ】F1Lは組織検体がない、または検体採取から長期間経過した場合に適応となる。利点は血液中に遊離している癌の変異遺伝子がドライバー変異である可能性が高いことと、早期に結果が出ることである。しかし検査不能な場合があること、推奨治療が少ない傾向にあるという欠点もあり、今後もより多くの症例での検討が必要である。

  • Dysbiosis of gut microbiota in patients with breast cancer 国際会議

    Mai Yamada, Takafumi Morisaki, Yo Sato, Kimihisa Mizoguchi, Yuka Takao, Yurina Ochiai, Yoshiki Ootubo, Saori Hayashi, Masafumi Nakamura, Makoto Kubo

    46th Annual San Antonio Breast Cancer Symposium  2023年12月 

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    開催年月日: 2023年12月

  • Dysbiosis of gut microbiota in patients with breast cancer 国際会議

    Mai Yamada, Takafumi Morisaki, Yo Sato, Kimihisa Mizoguchi, Yuka Takao, Yurina Ochiai, Yoshiki Ootubo, Saori Hayashi, Masafumi Nakamura, Makoto Kubo

    46th Annual San Antonio Breast Cancer Symposium  2023年12月 

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    開催年月日: 2023年12月

  • 乳腺濃度の客観的評価とBMIとの関連

    林早織, 森寿治, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 森崎隆史, 久保真

    第33回日本乳癌検診学会学術総会  2023年11月 

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    開催年月日: 2023年11月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    【背景】マンモグラフィ検診の有効性に影響を与える高濃度乳房の主な問題は、乳癌の検出率が低下するマスキングリスクと乳癌の発症リスクの上昇である。そのため、客観性・再現性を担保した乳房構成の評価は重要である。しかしながら、現在乳房構成の判定はほとんどの施設で目視による評価が行われており、簡便である一方で読影者内・読影者間で乳房構成の評価にばらつきが生じることが報告されている。そこで、画像化処理される前のRAWデータに含まれる物理情報のみを用いて3次元的解析するVolpara社の乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いて、乳房構成の評価を行った。 【対象と方法】2021年2月から2022年9月に共同研究施設で有効なマンモグラフィを施行された延べ8071人の対象とした。すべて女性で、年齢中央値は49歳であった。数値化された乳腺濃度(VBD%)を用いて解析を行った。BMI情報が得られたのは7118人であった。 【結果】年齢の上昇と乳腺濃度(VBD%)は負の相関が見られた。さらに、BMIの情報が得られた被検者におけるVBDの分布に着目した。BMIを18.5未満(I,やせ)、18.5以上25未満(II,標準)、25以上(III,日本における肥満)、30以上(IV,WHO分類における肥満)の4カテゴリーに分類しVBDについて解析した。I群では、約90%が極めて高濃度の結果となったのに対し、II群では約60%、III群では15%、IV群では1.7%と顕著に低下した。 【考察・まとめ】日本人におけるVBDは、欧米人のものよりも高い傾向が見られ、これまでの報告と矛盾しなかった。原因として乳房内の脂肪含有率など体格の違いよる要因が考えられた。世界各国と日本人のVBDとの比較やその要因、検診の現場での有用性について検討する。

  • 乳腺濃度の客観的評価とBMIとの関連

    林早織, 森寿治, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 森崎隆史, 久保真

    第33回日本乳癌検診学会学術総会  2023年11月 

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    開催年月日: 2023年11月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    【背景】マンモグラフィ検診の有効性に影響を与える高濃度乳房の主な問題は、乳癌の検出率が低下するマスキングリスクと乳癌の発症リスクの上昇である。そのため、客観性・再現性を担保した乳房構成の評価は重要である。しかしながら、現在乳房構成の判定はほとんどの施設で目視による評価が行われており、簡便である一方で読影者内・読影者間で乳房構成の評価にばらつきが生じることが報告されている。そこで、画像化処理される前のRAWデータに含まれる物理情報のみを用いて3次元的解析するVolpara社の乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いて、乳房構成の評価を行った。 【対象と方法】2021年2月から2022年9月に共同研究施設で有効なマンモグラフィを施行された延べ8071人の対象とした。すべて女性で、年齢中央値は49歳であった。数値化された乳腺濃度(VBD%)を用いて解析を行った。BMI情報が得られたのは7118人であった。 【結果】年齢の上昇と乳腺濃度(VBD%)は負の相関が見られた。さらに、BMIの情報が得られた被検者におけるVBDの分布に着目した。BMIを18.5未満(I,やせ)、18.5以上25未満(II,標準)、25以上(III,日本における肥満)、30以上(IV,WHO分類における肥満)の4カテゴリーに分類しVBDについて解析した。I群では、約90%が極めて高濃度の結果となったのに対し、II群では約60%、III群では15%、IV群では1.7%と顕著に低下した。 【考察・まとめ】日本人におけるVBDは、欧米人のものよりも高い傾向が見られ、これまでの報告と矛盾しなかった。原因として乳房内の脂肪含有率など体格の違いよる要因が考えられた。世界各国と日本人のVBDとの比較やその要因、検診の現場での有用性について検討する。

  • HBOC診療における院内・院外連携体制の構築

    林早織, 松崎佐和子, 木村緑, 森崎隆史, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 中村雅史, 久保真

    第85回日本臨床外科学会総会  2023年11月 

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    開催年月日: 2023年11月

    開催地:岡山市   国名:日本国  

    【はじめに】2020年遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に対する遺伝学的検査BRACAnalysisが保険で認められ、同時にサーベイランス、リスク低減手術も保険適用となった。一方、HBOCに対するPARP阻害薬は、2018年転移・再発、2022年再発高リスク乳癌の術後治療に保険適応となり、乳癌ゲノム医療は加速している。また、2019年より保険適応となったがんゲノム医療に際し二次的所見の開示対象は9.3%であり、その約40%はHBOCである。しかし、医療者の意識改革や組織構築、人材の育成は十分でなく、医療体制が整っているとは言えない。そのため、院内・院外の連携体制の整備は急務である。 【取組みと経過】まず、院内体制の構築のため、2020年HBOCチームを立ち上げ、臨床遺伝医療部を中心に乳腺外科、産婦人科、形成外科、放射線科、遺伝カウンセラー、看護師、事務が集まり、月1回HBOC症例カンファレンスを開催する方針とした。次に、院外体制の構築のため、8施設と契約を結び、検査と遺伝カウンセリングの体制を整備した。2015年に発足した九州家族性腫瘍ネットワーク(KFCN)では、ホームページ上で遺伝医療に携わる37施設がクライエントのみならず医療者への情報提供として担当部署、連絡先を明示して、遺伝カウンセリング体制について情報を公開して九州・沖縄地区のHBOCに関する連携を強化している。 【まとめ】乳癌診療においては、遺伝医療の分野が急速に拡大し、現場への負担が大きくなっている。乳がんゲノム医療を推進するため、体制の整備と人材の育成が急務である。

  • HBOC診療における院内・院外連携体制の構築

    林早織, 松崎佐和子, 木村緑, 森崎隆史, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 中村雅史, 久保真

    第85回日本臨床外科学会総会  2023年11月 

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    開催年月日: 2023年11月

    開催地:岡山市   国名:日本国  

    【はじめに】2020年遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に対する遺伝学的検査BRACAnalysisが保険で認められ、同時にサーベイランス、リスク低減手術も保険適用となった。一方、HBOCに対するPARP阻害薬は、2018年転移・再発、2022年再発高リスク乳癌の術後治療に保険適応となり、乳癌ゲノム医療は加速している。また、2019年より保険適応となったがんゲノム医療に際し二次的所見の開示対象は9.3%であり、その約40%はHBOCである。しかし、医療者の意識改革や組織構築、人材の育成は十分でなく、医療体制が整っているとは言えない。そのため、院内・院外の連携体制の整備は急務である。 【取組みと経過】まず、院内体制の構築のため、2020年HBOCチームを立ち上げ、臨床遺伝医療部を中心に乳腺外科、産婦人科、形成外科、放射線科、遺伝カウンセラー、看護師、事務が集まり、月1回HBOC症例カンファレンスを開催する方針とした。次に、院外体制の構築のため、8施設と契約を結び、検査と遺伝カウンセリングの体制を整備した。2015年に発足した九州家族性腫瘍ネットワーク(KFCN)では、ホームページ上で遺伝医療に携わる37施設がクライエントのみならず医療者への情報提供として担当部署、連絡先を明示して、遺伝カウンセリング体制について情報を公開して九州・沖縄地区のHBOCに関する連携を強化している。 【まとめ】乳癌診療においては、遺伝医療の分野が急速に拡大し、現場への負担が大きくなっている。乳がんゲノム医療を推進するため、体制の整備と人材の育成が急務である。

  • 当院における乳癌患者44名の口腔内所見の検討

    髙尾由佳, 久保真, 森崎隆史, 佐藤瑤, 溝口公久, 山田舞, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 潜在性乳癌に対して術前化学療法後に手術を施行した1例

    溝口公久, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 佐藤瑤, 髙尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 乳癌各サブタイプにおける肥満傾向の割合と腸内細菌叢が及ぼす影響の可能性

    山田舞, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 林早織, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    【背景】閉経前後の肥満が乳癌発症リスクに影響することは既知の事実であるが、どのサブタイプの乳癌リスクに影響するかはあまり言われていない。また、βラクタマーゼ産生菌が抱合型エストロゲンを脱抱合し腸肝循環させることで乳癌リスクにつながることは知られているが、肥満傾向との関連が知られるFirmicutes門細菌と乳癌リスクの関連は知られていない。 【目的・方法】当院で初期治療を行なった原発性浸潤性乳癌75例の治療前糞便に対し16S rDNA V3-4領域のメタゲノム解析を施行した。NIBIOHNの公開データより3日本人一般女性をランダムに抽出しその腸内細菌叢を自検データと比較した。また同症例のサブタイプ別BMIを閉経前後で比較することで肥満傾向とサプタイプの関係、その結果とFirmicutes門細菌の割合の関連を検証した。 【結果】一般日本人女性に比べて乳癌女性では、Firmicutes門の便中相対存在量が有意に多かった(p< 0.00001)。サブタイプ別のBMIは閉経前後ともいずれのサブタイプ間にも有意差を認めなかったが、Firmicutes門の存在割合は閉経前後を比較するとLuminal typeでのみ閉経前20% vs 閉経46.2%と有意差が認められた(p=0.017)。 【考察】Luminal typeでは、閉経前後のBMIに有意差を認めた。腸内細菌叢において、肥満に関与するFirmicutes門の存在割合が閉経後乳癌の発症に影響している可能性が示唆された。

  • HER2陽性乳癌術後早期の多発骨転移に対しT-DM1・T-DXd耐性後にエリブリンが奏効した1例

    大坪慶志輝, 落合百合菜, 林早織, 森崎隆史, 佐藤瑤, 溝口公久, 髙尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 境界型葉状腫瘍の近傍に乳癌を合併した2例

    落合百合菜, 森崎隆史, 大坪慶志輝, 林早織, 溝口公久, 髙尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 末梢血幹細胞移植後の遺伝性腫瘍疑いに対しMulti Gene Panel Testingを施行した一例

    林早織, 松崎佐和子, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    症例】43歳女性。36歳時乳癌に対して乳房部分切除術を施行した。その他に子宮頸がんや骨髄異形成症候群(38歳時)の既往がある。姉にも骨髄異形成症候群あり、遺伝性腫瘍が疑われた。骨髄異形成症候群に対して末梢血幹細胞移植後であり、血液を用いた通常の生殖細胞系列の遺伝学的検査は困難であると考えられた。移植の影響を受けにくいと考えられる口腔粘膜からの検体採取という方法があるが非定型的であり、多くの検査会社は受託不可であった。アイジェノミック社は、疑陽性の可能性を理解したうえであれば受け入れ可能であり同社の遺伝学的検査を選択した。【方法・結果】特定の遺伝子を想定しておらず、また繰り返しの検査が困難という点から、Multi Gene Panel Testing(MGPT)が望ましいと考え、固形癌や血液腫瘍の原因となりうる205遺伝子を含むComprehensive Inherited Cancer Precision Panelを選択した。方法は、口腔内をスワブで擦過し頬粘膜の細胞を採取し検査に提出した。結果はATM c.6503C>Tで病的意義不明(VUS)であった。少なくとも単一遺伝子キ)タ「納栖気慮彊・箸覆詆妥・丱螢▲鵐箸惑Г瓩蕕譴此・住・世念篥狙Ⅷ鞜腓硫椎柔④歪磴い箸いΨ誅世忙蠅辰拭・・薀ぅ┘鵐箸老覯未飽妥箸靴討・蝓・脅栖気紡个垢觀于甦兒,魴兮鈎罎任△襦・攅融 Ψ觚譟杞鋻餔椰・紊楼篥然愿・〆困諒・,箍鮗瓩・・造気譟△気蕕MGPTの報告は稀である。今回、骨髄移植後でもクライエント由来の遺伝学的情報が得られる可能性が高く、侵襲の少ない方法として、口腔粘膜からの検体採取を行った。探索的ではあるが骨髄移植後の遺伝学的検査方法について報告する。

  • 当院における乳癌患者44名の口腔内所見の検討

    髙尾由佳, 久保真, 森崎隆史, 佐藤瑤, 溝口公久, 山田舞, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 潜在性乳癌に対して術前化学療法後に手術を施行した1例

    溝口公久, 森崎隆史, 林早織, 大坪慶志輝, 落合百合菜, 佐藤瑤, 髙尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 乳癌各サブタイプにおける肥満傾向の割合と腸内細菌叢が及ぼす影響の可能性

    山田舞, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 林早織, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    【背景】閉経前後の肥満が乳癌発症リスクに影響することは既知の事実であるが、どのサブタイプの乳癌リスクに影響するかはあまり言われていない。また、βラクタマーゼ産生菌が抱合型エストロゲンを脱抱合し腸肝循環させることで乳癌リスクにつながることは知られているが、肥満傾向との関連が知られるFirmicutes門細菌と乳癌リスクの関連は知られていない。 【目的・方法】当院で初期治療を行なった原発性浸潤性乳癌75例の治療前糞便に対し16S rDNA V3-4領域のメタゲノム解析を施行した。NIBIOHNの公開データより3日本人一般女性をランダムに抽出しその腸内細菌叢を自検データと比較した。また同症例のサブタイプ別BMIを閉経前後で比較することで肥満傾向とサプタイプの関係、その結果とFirmicutes門細菌の割合の関連を検証した。 【結果】一般日本人女性に比べて乳癌女性では、Firmicutes門の便中相対存在量が有意に多かった(p< 0.00001)。サブタイプ別のBMIは閉経前後ともいずれのサブタイプ間にも有意差を認めなかったが、Firmicutes門の存在割合は閉経前後を比較するとLuminal typeでのみ閉経前20% vs 閉経46.2%と有意差が認められた(p=0.017)。 【考察】Luminal typeでは、閉経前後のBMIに有意差を認めた。腸内細菌叢において、肥満に関与するFirmicutes門の存在割合が閉経後乳癌の発症に影響している可能性が示唆された。

  • HER2陽性乳癌術後早期の多発骨転移に対しT-DM1・T-DXd耐性後にエリブリンが奏効した1例

    大坪慶志輝, 落合百合菜, 林早織, 森崎隆史, 佐藤瑤, 溝口公久, 髙尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 境界型葉状腫瘍の近傍に乳癌を合併した2例

    落合百合菜, 森崎隆史, 大坪慶志輝, 林早織, 溝口公久, 髙尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 末梢血幹細胞移植後の遺伝性腫瘍疑いに対しMulti Gene Panel Testingを施行した一例

    林早織, 松崎佐和子, 落合百合菜, 大坪慶志輝, 森崎隆史, 佐藤瑶, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第21回日本乳癌学会九州地方会  2023年9月 

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    開催年月日: 2023年9月 - 2023年10月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    症例】43歳女性。36歳時乳癌に対して乳房部分切除術を施行した。その他に子宮頸がんや骨髄異形成症候群(38歳時)の既往がある。姉にも骨髄異形成症候群あり、遺伝性腫瘍が疑われた。骨髄異形成症候群に対して末梢血幹細胞移植後であり、血液を用いた通常の生殖細胞系列の遺伝学的検査は困難であると考えられた。移植の影響を受けにくいと考えられる口腔粘膜からの検体採取という方法があるが非定型的であり、多くの検査会社は受託不可であった。アイジェノミック社は、疑陽性の可能性を理解したうえであれば受け入れ可能であり同社の遺伝学的検査を選択した。【方法・結果】特定の遺伝子を想定しておらず、また繰り返しの検査が困難という点から、Multi Gene Panel Testing(MGPT)が望ましいと考え、固形癌や血液腫瘍の原因となりうる205遺伝子を含むComprehensive Inherited Cancer Precision Panelを選択した。方法は、口腔内をスワブで擦過し頬粘膜の細胞を採取し検査に提出した。結果はATM c.6503C>Tで病的意義不明(VUS)であった。少なくとも単一遺伝子キ)タ「納栖気慮彊・箸覆詆妥・丱螢▲鵐箸惑Г瓩蕕譴此・住・世念篥狙Ⅷ鞜腓硫椎柔④歪磴い箸いΨ誅世忙蠅辰拭・・薀ぅ┘鵐箸老覯未飽妥箸靴討・蝓・脅栖気紡个垢觀于甦兒,魴兮鈎罎任△襦・攅融 Ψ觚譟杞鋻餔椰・紊楼篥然愿・〆困諒・,箍鮗瓩・・造気譟△気蕕MGPTの報告は稀である。今回、骨髄移植後でもクライエント由来の遺伝学的情報が得られる可能性が高く、侵襲の少ない方法として、口腔粘膜からの検体採取を行った。探索的ではあるが骨髄移植後の遺伝学的検査方法について報告する。

  • 乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いた高濃度乳腺の客観的評価の重要性

    林早織, 久保真, 森寿治, 溝口公久, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】乳がん検診は乳癌による死亡の減少を目的として行われており、科学的に死亡率低減効果が証明されているのはマンモグラフィによる乳がん検診のみである。マンモグラフィ検診の有効性に影響を与える原因として挙げられるのが高濃度乳房であり、本邦でも2016年より議論が盛んに行われるようになった。高濃度乳房の問題は、乳癌の検出率が低下するマスキングリスクと、乳癌の発症が高くなることである。そのため、客観性・再現性を担保した乳房構成の評価は重要である。しかしながら、現在用いられている目視による乳房構成判定では、読影者内・読影者間で乳房構成の評価にばらつきが生じることが報告されている。そこで、画像化処理される前のRAWデータに含まれる物理情報のみを用いて3次元的解析するVolpara社の乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いて、客観的に乳房構成の評価を行うpreliminaryな研究を計画した。 【対象と方法】2021年2月より2022年9月に共同研究施設で施行されたマンモグラフィ23,447回分を対象とした。被検者は延べ8350人であった。すべて女性で、年齢中央値は49歳であった。各RAWデータから乳腺濃度(VBD)は数値化(%)され、a; 3.5%未満=脂肪性、b; 3.5~7.5%未満=乳腺散在、c; 7.5~15.5%未満=不均一高濃度、d; 15.5%以上=極めて高濃度のGradeにそれぞれ評価される。 【結果】VBDの平均は、30代=21.9%、40代=19.9%、50代=15.4%、60代=13.1%、70代=11.9%、80代=10.5%と加齢とともに減少した。また、dの割合も、30代=79.3%、40代=67.1%、50代=44.4%、60代=31.7%、70代=23.8%、80代=14.3%と加齢とともに減少した。 【まとめ】年齢の上昇によってVBDは低下していくことが客観的に明確となり、日本人における乳房構成の基礎データ(年齢別VBDとGrade d率)を得ることができた。Volpara Densityは世界中で広く普及している診断ツールであり、大規模な研究を本邦においても導入を急ぐべきと考える。さらに、検診結果や臨床情報も加え検討を行う。

  • 乳癌患者とネオアンチゲン解析との関連性の検討

    溝口公久, 森崎隆史, 甲斐昌也, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林 早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 森崎隆, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】次世代遺伝子解析の進歩により、癌細胞における全遺伝子の網羅的な解析を行うことが可能となり、癌細胞に特異的な体細胞変異を特定できるようになった。 この変異に由来するネオアンチゲンは、正常細胞には認められない非自己抗原であり、そのため高い免疫原性を持つと考えられる。免疫チェックポイントという免疫の自己制御機構、つまり免疫の中心であるTリンパ球が過剰に機能するのを制御するメカニズムが解明されるとともに、この働きを阻害することによって癌に対する免疫反応を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が開発された。 しかしながら、乳癌におけるICIの効果は限定的であり、対象となるスぺクトラムも狭い。ICIを有効に利用するために、新たなバイオマーカーと宿主側の新たなターゲットの開発が必要である。 【材料と方法】ネオアンチゲン解析を行った乳癌症例(59例)を対象として、in silicoで予想されるネオアンチゲンとその数を解析した。また、ネオアンチゲンと年齢、サブタイプ、診断から解析までの年数、ステージ、検体採取部位との関連について調査した。 【結果】年齢は50歳未満が29例、50歳以上が30例であった。サブタイプはER陽性が42例、HER2陽性が4例、トリプルネガティブ(TN)が16例であった。診断から解析までの年数は1年以内が18例、2年以降が41例であった。 検体採取部位は、乳腺原発が31例、転移巣が28例(肝10例、リンパ節5例、肺4例、皮膚3例、胃2例、骨1例、腹壁1例、腹水1例、脳1例)であった。ステージは?~?が19例、stage?が40例であった。解析の結果、サブタイプがTN、診断から解析までの年数が2年以降、ステージが?で有意にネオアンチゲン数が多かった。 【まとめ】進行再発TNBC患者にネオアンチゲン解析を行うことで、ネオアンチゲンを標的とした治療と免疫チェックポイント阻害薬の相乗効果を見込む治療法開発の可能性があると考えられた。

  • 同時性に大腸癌と乳癌を併発したLynch症候群に対して遺伝子パネル検査を行った1例

    高尾由佳, 溝口公久, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 森崎隆史, 甲斐昌也, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【症例】61歳女性。祖父に大腸癌、父に大腸癌(60歳時)、母に胃癌の家族歴あり。既往歴としては、50歳時に子宮体癌に対して手術を施行された。X年1月に左下腹部からの便汁様排液および同部位の腹部腫瘤を主訴に前医を受診され、進行S状結腸癌、腸管皮膚瘻、後腹膜膿瘍の診断となり緊急で腹腔鏡補助下横行結腸人工肛門造設術を、後腹膜膿瘍に対してドレナージ術を施行された。その際右乳房に10?を超える腫瘤も認めたため針生検を施行し、右局所進行乳癌cT4bN1M0Stage?B, Invasive ductal carcinoma, ER+, PgR+, HER2-, Ki67 50%の診断となった。S状結腸癌に対しては術後に生検を行われ、Tubular adenocarcinoma, KRAS A146T変異陽性, MSI-Highであった。病歴、家族歴からLynch症候群の診断となった。術後は大腸癌に対する化学療法としてcapecitabine+oxaliplatin療法やFOLFILI療法を行われ、右乳癌に対しては化学療法に並行して内分泌療法で加療されていた。FOLFILI療法がPDとなったところで、乳癌手術を含めた総・オ樔d・N鼎魎・召気貪・,鮠匆霄・任気譴拭・蘓濃・・ζ・發倭・膩晃・任△衄乕羶蚕瓩篦掾腓盡・蕕譴燭燭甼表螢灰鵐肇蹇璽詭榲・X年10月に右乳房全摘術を行い、術後はタモキシフェン継続とする方針とした。臨床研究で切除検体をFoundationOne$(D"n CDxに提出したところ、MSI-High、TNB-Highであり、MSH2遺伝子の遺伝子変異を認めた。MSI-High からは免疫チェックポイント阻害薬が推奨される結果となったが、当時は保険承認前であり、使用することができなかった。【結語】同時性に大腸癌と乳癌を併発したLynch症候群に対して遺伝子パネル検査を行い治療選択を示唆しえた1例を経験した。

  • 日本人一般女性と比較した日本人原発性乳癌患者の腸内細菌叢の特徴

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島崎亜希子, 古賀艶可, 落合百合菜, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    【背景】腸内細菌叢が種々の疾患に影響を及ぼすことが広く知られるようになり、消化器がんの発症や増悪 との相関をはじめ、悪性黒色腫や肺がん、腎がん、消化器がんの免疫チェックポイント阻害剤効果と相関を示すこ ともコンセンサスとなってきた。乳房は腸管と直接の連絡がないが、全身・局所の免疫や女性ホルモン活性を通 して腸内細菌叢の影響を受ける報告も年々増加している。 日本人の腸内細菌叢やその代謝は他国と比べ非常にユニークであるが、乳がん好発年齢や予後もまた欧米とは異 なっている。日本人乳がん患者の腸内細菌叢に関するBig dataは報告がないが、日本人乳がんの性質に影響を与え ている可能性も考えられる。 【目的・方法】今回我々は、日本人原発性乳がん患者の腸内細菌叢を解析し、一般の日本人女性と比較すること でその特徴を検証することを目的とし、当院で治療を受けた日本人原発性乳がん患者54症例の治療前糞便に対し 16S rDNA V3-4領域のメタゲノム解析を施行した。NIBIOHNの公開データより30-77歳の日本人一キ)タニ冥・④鬟薀 ダムに抽出しその腸内細菌叢を自検データと比較することで日本人乳がん患者の細菌叢の特徴を考察した。また 乳がん患者細菌叢のQIIME2解析によりサブタイプ毎の特徴、臨床・病理学的因子との関連などを検証した。 【結果】日本人の腸内細菌叢はFirmicutes門とBacteroides門がそのほとんどを占めるが、Firmicutes門が最多であ る割合が一般女性61%に対し乳がん患者ではほぼ全症例の96.3%を占めていた。また消化器がんの増悪因子とな る口腔内細菌で有名なFusobacterium門を腸内に認めたのが一般女性で29%に対し乳がん患者では37%に上ってい た。乳がん患者間ではホルモン受容体陰性は陽性よりα多様性が低い(p=0.04)傾向が見られた。Subtype間では HER2typeが最もα多様性が低く、その他Stage2以上<1以下、BMI 25未満<25以上、閉経前<閉経後、LN転移(-)< LN転移(+)、飲酒あり<飲酒なし、喫煙あり<喫煙なしの傾向を認めたが有意差は示さなかった。閉経後ではβ多 様性の低下も見らキ)タ「譴(p<0.01) 【考察】一般女性群と比較し乳がん群で肥満との関連が知られるFirmicutes門が有意であることや、ホルモン受 容体陽性群は陰性群に比べ良好な健康状態との関連が知られる豊富な多様性を示したことは興味深い。現在解析 中の21例も追加しさらに解析内容を拡げて報告する。

  • 当院におけるオンコタイプDX実施症例における臨床病理学的因子との比較検討

    森崎隆史, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島崎亜希子, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • 乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いた高濃度乳腺の客観的評価の重要性

    林早織, 久保真, 森寿治, 溝口公久, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】乳がん検診は乳癌による死亡の減少を目的として行われており、科学的に死亡率低減効果が証明されているのはマンモグラフィによる乳がん検診のみである。マンモグラフィ検診の有効性に影響を与える原因として挙げられるのが高濃度乳房であり、本邦でも2016年より議論が盛んに行われるようになった。高濃度乳房の問題は、乳癌の検出率が低下するマスキングリスクと、乳癌の発症が高くなることである。そのため、客観性・再現性を担保した乳房構成の評価は重要である。しかしながら、現在用いられている目視による乳房構成判定では、読影者内・読影者間で乳房構成の評価にばらつきが生じることが報告されている。そこで、画像化処理される前のRAWデータに含まれる物理情報のみを用いて3次元的解析するVolpara社の乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いて、客観的に乳房構成の評価を行うpreliminaryな研究を計画した。 【対象と方法】2021年2月より2022年9月に共同研究施設で施行されたマンモグラフィ23,447回分を対象とした。被検者は延べ8350人であった。すべて女性で、年齢中央値は49歳であった。各RAWデータから乳腺濃度(VBD)は数値化(%)され、a; 3.5%未満=脂肪性、b; 3.5~7.5%未満=乳腺散在、c; 7.5~15.5%未満=不均一高濃度、d; 15.5%以上=極めて高濃度のGradeにそれぞれ評価される。 【結果】VBDの平均は、30代=21.9%、40代=19.9%、50代=15.4%、60代=13.1%、70代=11.9%、80代=10.5%と加齢とともに減少した。また、dの割合も、30代=79.3%、40代=67.1%、50代=44.4%、60代=31.7%、70代=23.8%、80代=14.3%と加齢とともに減少した。 【まとめ】年齢の上昇によってVBDは低下していくことが客観的に明確となり、日本人における乳房構成の基礎データ(年齢別VBDとGrade d率)を得ることができた。Volpara Densityは世界中で広く普及している診断ツールであり、大規模な研究を本邦においても導入を急ぐべきと考える。さらに、検診結果や臨床情報も加え検討を行う。

  • 乳癌患者とネオアンチゲン解析との関連性の検討

    溝口公久, 森崎隆史, 甲斐昌也, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林 早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 森崎隆, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】次世代遺伝子解析の進歩により、癌細胞における全遺伝子の網羅的な解析を行うことが可能となり、癌細胞に特異的な体細胞変異を特定できるようになった。 この変異に由来するネオアンチゲンは、正常細胞には認められない非自己抗原であり、そのため高い免疫原性を持つと考えられる。免疫チェックポイントという免疫の自己制御機構、つまり免疫の中心であるTリンパ球が過剰に機能するのを制御するメカニズムが解明されるとともに、この働きを阻害することによって癌に対する免疫反応を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が開発された。 しかしながら、乳癌におけるICIの効果は限定的であり、対象となるスぺクトラムも狭い。ICIを有効に利用するために、新たなバイオマーカーと宿主側の新たなターゲットの開発が必要である。 【材料と方法】ネオアンチゲン解析を行った乳癌症例(59例)を対象として、in silicoで予想されるネオアンチゲンとその数を解析した。また、ネオアンチゲンと年齢、サブタイプ、診断から解析までの年数、ステージ、検体採取部位との関連について調査した。 【結果】年齢は50歳未満が29例、50歳以上が30例であった。サブタイプはER陽性が42例、HER2陽性が4例、トリプルネガティブ(TN)が16例であった。診断から解析までの年数は1年以内が18例、2年以降が41例であった。 検体採取部位は、乳腺原発が31例、転移巣が28例(肝10例、リンパ節5例、肺4例、皮膚3例、胃2例、骨1例、腹壁1例、腹水1例、脳1例)であった。ステージは?~?が19例、stage?が40例であった。解析の結果、サブタイプがTN、診断から解析までの年数が2年以降、ステージが?で有意にネオアンチゲン数が多かった。 【まとめ】進行再発TNBC患者にネオアンチゲン解析を行うことで、ネオアンチゲンを標的とした治療と免疫チェックポイント阻害薬の相乗効果を見込む治療法開発の可能性があると考えられた。

  • 同時性に大腸癌と乳癌を併発したLynch症候群に対して遺伝子パネル検査を行った1例

    高尾由佳, 溝口公久, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 森崎隆史, 甲斐昌也, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【症例】61歳女性。祖父に大腸癌、父に大腸癌(60歳時)、母に胃癌の家族歴あり。既往歴としては、50歳時に子宮体癌に対して手術を施行された。X年1月に左下腹部からの便汁様排液および同部位の腹部腫瘤を主訴に前医を受診され、進行S状結腸癌、腸管皮膚瘻、後腹膜膿瘍の診断となり緊急で腹腔鏡補助下横行結腸人工肛門造設術を、後腹膜膿瘍に対してドレナージ術を施行された。その際右乳房に10?を超える腫瘤も認めたため針生検を施行し、右局所進行乳癌cT4bN1M0Stage?B, Invasive ductal carcinoma, ER+, PgR+, HER2-, Ki67 50%の診断となった。S状結腸癌に対しては術後に生検を行われ、Tubular adenocarcinoma, KRAS A146T変異陽性, MSI-Highであった。病歴、家族歴からLynch症候群の診断となった。術後は大腸癌に対する化学療法としてcapecitabine+oxaliplatin療法やFOLFILI療法を行われ、右乳癌に対しては化学療法に並行して内分泌療法で加療されていた。FOLFILI療法がPDとなったところで、乳癌手術を含めた総・オ樔d・N鼎魎・召気貪・,鮠匆霄・任気譴拭・蘓濃・・ζ・發倭・膩晃・任△衄乕羶蚕瓩篦掾腓盡・蕕譴燭燭甼表螢灰鵐肇蹇璽詭榲・X年10月に右乳房全摘術を行い、術後はタモキシフェン継続とする方針とした。臨床研究で切除検体をFoundationOne$(D"n CDxに提出したところ、MSI-High、TNB-Highであり、MSH2遺伝子の遺伝子変異を認めた。MSI-High からは免疫チェックポイント阻害薬が推奨される結果となったが、当時は保険承認前であり、使用することができなかった。【結語】同時性に大腸癌と乳癌を併発したLynch症候群に対して遺伝子パネル検査を行い治療選択を示唆しえた1例を経験した。

  • 日本人一般女性と比較した日本人原発性乳癌患者の腸内細菌叢の特徴

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島崎亜希子, 古賀艶可, 落合百合菜, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    【背景】腸内細菌叢が種々の疾患に影響を及ぼすことが広く知られるようになり、消化器がんの発症や増悪 との相関をはじめ、悪性黒色腫や肺がん、腎がん、消化器がんの免疫チェックポイント阻害剤効果と相関を示すこ ともコンセンサスとなってきた。乳房は腸管と直接の連絡がないが、全身・局所の免疫や女性ホルモン活性を通 して腸内細菌叢の影響を受ける報告も年々増加している。 日本人の腸内細菌叢やその代謝は他国と比べ非常にユニークであるが、乳がん好発年齢や予後もまた欧米とは異 なっている。日本人乳がん患者の腸内細菌叢に関するBig dataは報告がないが、日本人乳がんの性質に影響を与え ている可能性も考えられる。 【目的・方法】今回我々は、日本人原発性乳がん患者の腸内細菌叢を解析し、一般の日本人女性と比較すること でその特徴を検証することを目的とし、当院で治療を受けた日本人原発性乳がん患者54症例の治療前糞便に対し 16S rDNA V3-4領域のメタゲノム解析を施行した。NIBIOHNの公開データより30-77歳の日本人一キ)タニ冥・④鬟薀 ダムに抽出しその腸内細菌叢を自検データと比較することで日本人乳がん患者の細菌叢の特徴を考察した。また 乳がん患者細菌叢のQIIME2解析によりサブタイプ毎の特徴、臨床・病理学的因子との関連などを検証した。 【結果】日本人の腸内細菌叢はFirmicutes門とBacteroides門がそのほとんどを占めるが、Firmicutes門が最多であ る割合が一般女性61%に対し乳がん患者ではほぼ全症例の96.3%を占めていた。また消化器がんの増悪因子とな る口腔内細菌で有名なFusobacterium門を腸内に認めたのが一般女性で29%に対し乳がん患者では37%に上ってい た。乳がん患者間ではホルモン受容体陰性は陽性よりα多様性が低い(p=0.04)傾向が見られた。Subtype間では HER2typeが最もα多様性が低く、その他Stage2以上<1以下、BMI 25未満<25以上、閉経前<閉経後、LN転移(-)< LN転移(+)、飲酒あり<飲酒なし、喫煙あり<喫煙なしの傾向を認めたが有意差は示さなかった。閉経後ではβ多 様性の低下も見らキ)タ「譴(p<0.01) 【考察】一般女性群と比較し乳がん群で肥満との関連が知られるFirmicutes門が有意であることや、ホルモン受 容体陽性群は陰性群に比べ良好な健康状態との関連が知られる豊富な多様性を示したことは興味深い。現在解析 中の21例も追加しさらに解析内容を拡げて報告する。

  • 当院におけるオンコタイプDX実施症例における臨床病理学的因子との比較検討

    森崎隆史, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島崎亜希子, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第31回日本乳癌学会学術総会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月 - 2023年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • 小脳神経膠腫に対して行ったがん遺伝子パネル検査を契機に診断されたリンチ症候群の一例

    水内祐介, 松崎佐和子, 木村緑, 石井加奈子, 小川昌宣, 林早織, 久保真, 桑田健, 中村能章, 中村雅史

    第29回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月

    開催地:高知市   国名:日本国  

    リンチ症候群はミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とする遺伝性腫瘍で関連腫瘍として大腸癌や子宮内膜癌、尿路系癌、胆道癌などがある。その多くが大腸癌や子宮内膜癌の発症や家族集積性からリンチ症候群が疑われることが診断の契機となることが多い。今回、小脳神経膠腫に対して行ったがん遺伝子パネル検査でミスマッチ修復遺伝子の病的バリアントを認め、遺伝学的検査の結果、リンチ症候群と確定診断された一例を経験した。症例は47歳男性、家族歴は父が40代胃癌、父方祖父60代大腸癌、父方叔母乳癌がある。ふらつきを主訴に20XX年9月に近位受診、精査で小脳虫部を中心とした脳腫瘍を認め、当院脳神経外科紹介受診。生検目的に20XX+1年3月生検目的に腫瘍部分切除施行。病理診断でGBM, IDH-wild type、WHO grade 4であった。放射線治療60Gy/30 Frにテモゾロミド、ベバシズマブを併用した。20XX+1年11月にMRIで脳梁膨大部にT2延長域を認め、髄膜播種と診断。治療不応と判断し、がん遺伝子パネル検査を施行しキ)タ「燭箸海蹇MSI-H、TMB high及びMSH2とATMに病的バリアントを認めた。臨床研究であるBRANCH研究(UMIN-ID: 000046085)コホートAに参加して遺伝学的検査を施行、シングルサイト解析及びMGP検査両方でMSH2 c.211+1G>Cのバリアントを認め、リンチ症候群と確定診断した。脳腫瘍の治療としてペムブロリズマブの投与を開始、血縁者については遺伝カウンセリング及び発症前診断を予定している。

  • 当院で施行されたBRCA検査の状況とその傾向

    溝口公久, 森崎隆史, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 松崎佐和子, 木村緑, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第29回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月

    開催地:高知市   国名:日本国  

    【はじめに】遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は、狭義にはBRCA1あるいはBRCA2の生殖細胞系列の病的バリアントに起因する乳癌および卵巣癌をはじめとする癌の易罹患性症候群であり、常染色体優性遺伝形式を示す。 HBOCは遺伝学的検査により診断が確定するため、どのような人に遺伝学的検査を受ける機会を提供するかは重要な課題である。 HBOC確認のためのBRCA遺伝学的検査の対象者の選定として、NCCNガイドライン(GL) と日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)HBOC診療GLの検査基準があるが、両者の基準は一部異なっているため検査対象者も異なってくる。 【目的と対象】2019年1月~2022年11月に当院でBRCA検査を施行した220名のうち陽性であった62名を対象に、年齢・性別・BRCA1/2・既発症癌を把握し、NCCN/GLとJOHBOC HBOC診療ガGLの検査基準をどの程度満たしているかを検討した。 【結果】BRCA陽性者の年齢中央値は49歳で、男性が8名、女性が54名であった。 BRCA1病的バリアントが30名、BRCA2病的バリアントが32名であった。既発症癌は乳癌が31名、卵巣癌が11名、膵臓癌が5名、前立腺癌が1名、その他の癌が3名であった。 全陽性者のうちNCCN/GLの検査基準を満たさなかったのが4名、JOHBOC/ HBOC診療GLの検査基準を満たさなかったのが14名であった。 これは膵癌・前立腺癌の家族歴や乳癌発症年齢の違いなどが関係していた。 【まとめ】NCCN/GLとJOHBOC/ HBOC診療GLの検査基準では、NCCN/GLの方がより多くのBRCA陽性患者を広いあげることができており、検査の恩恵をより受けることができる可能性がある。 今後より多くのBRCA陽性者を広いあげるためにも検査基準の見直しが必要と考える。

  • 小脳神経膠腫に対して行ったがん遺伝子パネル検査を契機に診断されたリンチ症候群の一例

    水内祐介, 松崎佐和子, 木村緑, 石井加奈子, 小川昌宣, 林早織, 久保真, 桑田健, 中村能章, 中村雅史

    第29回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月

    開催地:高知市   国名:日本国  

    リンチ症候群はミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とする遺伝性腫瘍で関連腫瘍として大腸癌や子宮内膜癌、尿路系癌、胆道癌などがある。その多くが大腸癌や子宮内膜癌の発症や家族集積性からリンチ症候群が疑われることが診断の契機となることが多い。今回、小脳神経膠腫に対して行ったがん遺伝子パネル検査でミスマッチ修復遺伝子の病的バリアントを認め、遺伝学的検査の結果、リンチ症候群と確定診断された一例を経験した。症例は47歳男性、家族歴は父が40代胃癌、父方祖父60代大腸癌、父方叔母乳癌がある。ふらつきを主訴に20XX年9月に近位受診、精査で小脳虫部を中心とした脳腫瘍を認め、当院脳神経外科紹介受診。生検目的に20XX+1年3月生検目的に腫瘍部分切除施行。病理診断でGBM, IDH-wild type、WHO grade 4であった。放射線治療60Gy/30 Frにテモゾロミド、ベバシズマブを併用した。20XX+1年11月にMRIで脳梁膨大部にT2延長域を認め、髄膜播種と診断。治療不応と判断し、がん遺伝子パネル検査を施行しキ)タ「燭箸海蹇MSI-H、TMB high及びMSH2とATMに病的バリアントを認めた。臨床研究であるBRANCH研究(UMIN-ID: 000046085)コホートAに参加して遺伝学的検査を施行、シングルサイト解析及びMGP検査両方でMSH2 c.211+1G>Cのバリアントを認め、リンチ症候群と確定診断した。脳腫瘍の治療としてペムブロリズマブの投与を開始、血縁者については遺伝カウンセリング及び発症前診断を予定している。

  • 当院で施行されたBRCA検査の状況とその傾向

    溝口公久, 森崎隆史, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 松崎佐和子, 木村緑, 吉住朋晴, 中村雅史, 久保真

    第29回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2023年6月 

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    開催年月日: 2023年6月

    開催地:高知市   国名:日本国  

    【はじめに】遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は、狭義にはBRCA1あるいはBRCA2の生殖細胞系列の病的バリアントに起因する乳癌および卵巣癌をはじめとする癌の易罹患性症候群であり、常染色体優性遺伝形式を示す。 HBOCは遺伝学的検査により診断が確定するため、どのような人に遺伝学的検査を受ける機会を提供するかは重要な課題である。 HBOC確認のためのBRCA遺伝学的検査の対象者の選定として、NCCNガイドライン(GL) と日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)HBOC診療GLの検査基準があるが、両者の基準は一部異なっているため検査対象者も異なってくる。 【目的と対象】2019年1月~2022年11月に当院でBRCA検査を施行した220名のうち陽性であった62名を対象に、年齢・性別・BRCA1/2・既発症癌を把握し、NCCN/GLとJOHBOC HBOC診療ガGLの検査基準をどの程度満たしているかを検討した。 【結果】BRCA陽性者の年齢中央値は49歳で、男性が8名、女性が54名であった。 BRCA1病的バリアントが30名、BRCA2病的バリアントが32名であった。既発症癌は乳癌が31名、卵巣癌が11名、膵臓癌が5名、前立腺癌が1名、その他の癌が3名であった。 全陽性者のうちNCCN/GLの検査基準を満たさなかったのが4名、JOHBOC/ HBOC診療GLの検査基準を満たさなかったのが14名であった。 これは膵癌・前立腺癌の家族歴や乳癌発症年齢の違いなどが関係していた。 【まとめ】NCCN/GLとJOHBOC/ HBOC診療GLの検査基準では、NCCN/GLの方がより多くのBRCA陽性患者を広いあげることができており、検査の恩恵をより受けることができる可能性がある。 今後より多くのBRCA陽性者を広いあげるためにも検査基準の見直しが必要と考える。

  • 乳癌における核グレード分類と組織学的グレード分類の比較

    森崎隆史, 久保真, 甲斐昌也, 溝口公久, 林早織, 山田舞, 山元英崇, 中村雅史

    第123回日本外科学会定期学術集会  2023年4月 

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    開催年月日: 2023年4月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    (1)緒言 HE標本を用いた病理学的グレード分類は、比較的簡便に実施可能で汎用性が高く、予後予測因子のみならず治療方針の決定にも用いられる。本邦では、核異型度と核分裂像のみでも臨床的予後因子として有用性が示されたことから、核グレード分類のみの評価を行うことが一般的であったが、WHO分類では組織学的グレードが採用されており、世界的にも組織学的グレード分類が広く使用されている。そこで、当施設でも2018年12月より核グレード分類に加えて組織学的グレードを評価するようにしており、両グレード分類の一致率を検討する方針とした。 (2)材料・方法 2018年12月~2020年12月に当施設で得られた手術検体のうち、核グレード分類および組織学的グレード分類が可能であった浸潤癌265例を解析した。 (3)結果 265例中、両グレードの不一致率は29%(78例)であった。核グレード<組織学的グレードとなったのは34例(13%)、組織学的グレード>核グレードとなったのは44例(16%)であった。 サブタイプ別での不一致率は、Luminal タイプで32%, Luminal HERで26%、pure HERで24%、TNBCで24%とLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。 (4)結論 核グレードと組織学的グレードが異なる割合は決して低いとはいえず、特に抗癌剤の適応を迷うことの多いLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。今後も核グレードおよび組織学的グレードの両方の評価を継続して行い、それぞれの分類における予後との関連の比較を行っていく必要があると考えられる。

  • トリプルネガティブ乳癌の腫瘍微小環境におけるGranzyme Bのバイオマーカーとしての役割

    溝口公久, 久保真, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 林早織, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第123回日本外科学会定期学術集会  2023年4月 

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    開催年月日: 2023年4月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    【背景】腫瘍微小環境に関する多くの解析から、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)のような腫瘍変異負荷の高い癌の治療において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が重要な役割を果たすことが明らかになっている。これまで我々は、TILとPD-L1発現の関係を示し、TNBCにおける高TIL/PD-L1陽性集団が予後良好と関連することが明らかにしたが、そのメカニズムについては不明確であった。一方、細胞傷害性T 細胞 (CTL)はサイトカインや、パーフォリン、グランザイムといった細胞傷害性物質によって標的細胞を傷害し、アポトーシスへと誘導する。今回我々は、グランザイムB(GZMB)に着目し、腫瘍微小環境における予後や治療効果のバイオマーカーとなりうるかを検討した。 【対象と方法】2004年1月から2014年12月までに術前化学療法を行わずに手術を施行した原発TNBC患者230名を対象とした。HE染?により TILを、免疫組織化学染?によりCD8、PD-L1、GZMBの発現を評価し、腫瘍免疫環境と末梢?単核球の表?抗原との関連を解析した。PD-L1陽性は、腫瘍と免疫細胞のPD-L1免疫染色に基づくCombined Positive Score(CPS)が10以上とした。GZMBはTIL中1%以上陽性を?発現群、1%未満を低発現群とした。 【結果】TNBC230例のうち、TIL上のCD8陽性は117例(50.9%)で、腫瘍細胞上のPD-L1発現は126例(54.8%)で、GZMBは181例(78.7%)が陽性であった。GZMB発現は、TILの高度浸潤(p=0.0006)、CD8発現(P=0.002)およびPD-L1発現(P=0.018)と有意な相関があった。またPD-L1陽性群において、GZMB陽性TNBCはGZMB陰性に比べて無再発生存期間(RFS)および全生存期間(OS)を有意に延長した(RFS:p=0.0220、OS:p=0.0254)。 【結論】GZMB はTILやその他免疫細胞の活性化因?と有意に相関しており、腫瘍免疫システムの機能マーカーである可能性が?唆された。また今後は、PD-L1陽性TNBCに対しGZMB が免疫チェックポイント阻害薬や化学療法の効果予測因子となる可能性を検証していく必要がある。

  • 日本人乳癌患者の腸内細菌叢解析についての検討

    山田舞, 久保真, 溝口公久, 島崎亜希子, 林早織, 森崎隆史, 金城和寿, 甲斐昌也, 中村雅史

    第123回日本外科学会定期学術集会  2023年4月 

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    開催年月日: 2023年4月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    背景と目的: 昨今、消化管と直接繋がりがない乳腺/乳癌組織にも微生物叢が存在することは報告されているが、乳癌と腸内微生物叢の関連やその機序については未だ明らかではない。また日本人の腸内細菌叢は他地域と比べ特異であることが知られているが、日本人乳癌における細菌叢やその代謝物の役割は明らかではなく、今回我々は日本人における乳癌と腸内細菌叢との関連について検証することを目的として、原発性乳癌患者の腸内細菌叢解析を施行した。 対象と方法: 当院で治療した原発性乳癌患者54症例の治療前糞便に対し16S rDNA V3-4領域のメタゲノム解析を施行した。得られた結果をSubtype, HER2発現状況,Stage, BMI, 月経状況, リンパ節転移の有無, 喫煙状況, 飲酒状況に分けてQIIME2解析を行い、門&属レベルでの相対細菌存在量比較、多様性の差、KEGG pathway mappingによる機能経路比較などを行なった。 結果: 54症例をSubtype;Luminal type(Lum)、Luminal HER2含むHER2 type(HER2) 、Triplenegative type(TN) で解析したところ、門レベルの相対細菌存在量では歯周病菌の一種で消化器癌の進展との関連が知られるFusobacteriota がHER2に比べTNで有意に豊富であった(p=0.0498)。属レベルでも、Lum vs TNで15種類、Lum vs HER2で6種類、HER2 vs TNではBlautia, Oscillospira, Prevotella, Lachnospiraceae,Fusobacteriotaを含む8種類で存在量が有意に異なっており、6つの代謝経路を含む16の機能経路に有意差が見られていた。Subtype毎の解析ではα, β多様性ともに有意差は認められなかったが閉経後、Estrogen receptor陽性、BMI &amp;gt; 25でα多様性やβ多様性に富む傾向であった。 考察: 短鎖脂肪酸酸性菌がHER2に多く、糖代謝に関わる菌がTNで豊富であることは腸内細菌叢による代謝が乳癌にも関連している可能性を示唆していた。腸内細菌叢が乳癌の進展・転移能やバイオロジーに影響を及ぼしている可能性についても報告する。

  • 乳癌における核グレード分類と組織学的グレード分類の比較

    森崎隆史, 久保真, 甲斐昌也, 溝口公久, 林早織, 山田舞, 山元英崇, 中村雅史

    第123回日本外科学会定期学術集会  2023年4月 

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    開催年月日: 2023年4月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    (1)緒言 HE標本を用いた病理学的グレード分類は、比較的簡便に実施可能で汎用性が高く、予後予測因子のみならず治療方針の決定にも用いられる。本邦では、核異型度と核分裂像のみでも臨床的予後因子として有用性が示されたことから、核グレード分類のみの評価を行うことが一般的であったが、WHO分類では組織学的グレードが採用されており、世界的にも組織学的グレード分類が広く使用されている。そこで、当施設でも2018年12月より核グレード分類に加えて組織学的グレードを評価するようにしており、両グレード分類の一致率を検討する方針とした。 (2)材料・方法 2018年12月~2020年12月に当施設で得られた手術検体のうち、核グレード分類および組織学的グレード分類が可能であった浸潤癌265例を解析した。 (3)結果 265例中、両グレードの不一致率は29%(78例)であった。核グレード<組織学的グレードとなったのは34例(13%)、組織学的グレード>核グレードとなったのは44例(16%)であった。 サブタイプ別での不一致率は、Luminal タイプで32%, Luminal HERで26%、pure HERで24%、TNBCで24%とLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。 (4)結論 核グレードと組織学的グレードが異なる割合は決して低いとはいえず、特に抗癌剤の適応を迷うことの多いLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。今後も核グレードおよび組織学的グレードの両方の評価を継続して行い、それぞれの分類における予後との関連の比較を行っていく必要があると考えられる。

  • トリプルネガティブ乳癌の腫瘍微小環境におけるGranzyme Bのバイオマーカーとしての役割

    溝口公久, 久保真, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 林早織, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第123回日本外科学会定期学術集会  2023年4月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2023年4月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    【背景】腫瘍微小環境に関する多くの解析から、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)のような腫瘍変異負荷の高い癌の治療において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が重要な役割を果たすことが明らかになっている。これまで我々は、TILとPD-L1発現の関係を示し、TNBCにおける高TIL/PD-L1陽性集団が予後良好と関連することが明らかにしたが、そのメカニズムについては不明確であった。一方、細胞傷害性T 細胞 (CTL)はサイトカインや、パーフォリン、グランザイムといった細胞傷害性物質によって標的細胞を傷害し、アポトーシスへと誘導する。今回我々は、グランザイムB(GZMB)に着目し、腫瘍微小環境における予後や治療効果のバイオマーカーとなりうるかを検討した。 【対象と方法】2004年1月から2014年12月までに術前化学療法を行わずに手術を施行した原発TNBC患者230名を対象とした。HE染?により TILを、免疫組織化学染?によりCD8、PD-L1、GZMBの発現を評価し、腫瘍免疫環境と末梢?単核球の表?抗原との関連を解析した。PD-L1陽性は、腫瘍と免疫細胞のPD-L1免疫染色に基づくCombined Positive Score(CPS)が10以上とした。GZMBはTIL中1%以上陽性を?発現群、1%未満を低発現群とした。 【結果】TNBC230例のうち、TIL上のCD8陽性は117例(50.9%)で、腫瘍細胞上のPD-L1発現は126例(54.8%)で、GZMBは181例(78.7%)が陽性であった。GZMB発現は、TILの高度浸潤(p=0.0006)、CD8発現(P=0.002)およびPD-L1発現(P=0.018)と有意な相関があった。またPD-L1陽性群において、GZMB陽性TNBCはGZMB陰性に比べて無再発生存期間(RFS)および全生存期間(OS)を有意に延長した(RFS:p=0.0220、OS:p=0.0254)。 【結論】GZMB はTILやその他免疫細胞の活性化因?と有意に相関しており、腫瘍免疫システムの機能マーカーである可能性が?唆された。また今後は、PD-L1陽性TNBCに対しGZMB が免疫チェックポイント阻害薬や化学療法の効果予測因子となる可能性を検証していく必要がある。

  • 日本人乳癌患者の腸内細菌叢解析についての検討

    山田舞, 久保真, 溝口公久, 島崎亜希子, 林早織, 森崎隆史, 金城和寿, 甲斐昌也, 中村雅史

    第123回日本外科学会定期学術集会  2023年4月 

     詳細を見る

    開催年月日: 2023年4月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    背景と目的: 昨今、消化管と直接繋がりがない乳腺/乳癌組織にも微生物叢が存在することは報告されているが、乳癌と腸内微生物叢の関連やその機序については未だ明らかではない。また日本人の腸内細菌叢は他地域と比べ特異であることが知られているが、日本人乳癌における細菌叢やその代謝物の役割は明らかではなく、今回我々は日本人における乳癌と腸内細菌叢との関連について検証することを目的として、原発性乳癌患者の腸内細菌叢解析を施行した。 対象と方法: 当院で治療した原発性乳癌患者54症例の治療前糞便に対し16S rDNA V3-4領域のメタゲノム解析を施行した。得られた結果をSubtype, HER2発現状況,Stage, BMI, 月経状況, リンパ節転移の有無, 喫煙状況, 飲酒状況に分けてQIIME2解析を行い、門&属レベルでの相対細菌存在量比較、多様性の差、KEGG pathway mappingによる機能経路比較などを行なった。 結果: 54症例をSubtype;Luminal type(Lum)、Luminal HER2含むHER2 type(HER2) 、Triplenegative type(TN) で解析したところ、門レベルの相対細菌存在量では歯周病菌の一種で消化器癌の進展との関連が知られるFusobacteriota がHER2に比べTNで有意に豊富であった(p=0.0498)。属レベルでも、Lum vs TNで15種類、Lum vs HER2で6種類、HER2 vs TNではBlautia, Oscillospira, Prevotella, Lachnospiraceae,Fusobacteriotaを含む8種類で存在量が有意に異なっており、6つの代謝経路を含む16の機能経路に有意差が見られていた。Subtype毎の解析ではα, β多様性ともに有意差は認められなかったが閉経後、Estrogen receptor陽性、BMI &amp;gt; 25でα多様性やβ多様性に富む傾向であった。 考察: 短鎖脂肪酸酸性菌がHER2に多く、糖代謝に関わる菌がTNで豊富であることは腸内細菌叢による代謝が乳癌にも関連している可能性を示唆していた。腸内細菌叢が乳癌の進展・転移能やバイオロジーに影響を及ぼしている可能性についても報告する。

  • 日本人乳癌患者の腸内細菌叢解析についての検討

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島崎亜希子, 古賀艶可, 落合百合菜, 中村雅史

    第59回九州外科学会/第59回九州小児外科学会/第58回九州内分泌外科学会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:宮崎市   国名:日本国  

    腸内細菌叢が全身・局所の免疫や女性ホルモン活性などを通して乳癌に影響を及ぼす報告が年々増加している。日本人の腸内細菌叢やその代謝物は他国と比べ特異であるが、日本人の乳癌好発年齢や予後もまた欧米とは異なっている。今回我々は日本人乳癌に対する腸内細菌叢の影響を検証することを目的に原発性乳癌患者54症例の治療前糞便に対し16S rDNA V 3-4領域のメタゲノム解析を施行し、臨床病理学的因子で群分けしQIIME2解析を行った。 平均的な日本人の腸内細菌叢の割合と異なり、原発性乳癌患者ではFirmicutesとActinobacteria門が上位を占めていた。また消化器癌の増悪につながる歯周病菌のFusobacteria門が全体の27%で検出され、HER2と比較しTriple negativeサブタイプで多い結果であった。これまでに報告のある個別の菌群にも着目し解析した結果を報告する。

  • トリプルネガティブ乳癌患者における腋窩リンパ節転移の有無についての検討

    溝口公久, 森崎隆史, 甲斐昌也, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第59回九州外科学会/第59回九州小児外科学会/第58回九州内分泌外科学会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:宮崎市   国名:日本国  

    【はじめに】検診の普及により乳癌の早期診断が増えてきており、その半数以上が腋窩リンパ節転移をきたさない。センチネルリンパ節生検(SLNB)で陰性であれば腋窩リンパ節郭清(ALND)は省略されるが、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の腋窩リンパ節転移は術前 に予測することは難しい。【対象と方法】2004年~2014年に当院で手術を施行した cT1/2N0M0のTNBC患者190例に対しSLNBを施行し、術後pN0の群とpN1以上(腋窩郭清追加)の群でDFS、OS、臨床病理学的特徴(年齢、T因子、NG、Ki-67)を検討した。【結果】pN0の群は128例(67%)、 pN1以上の群は62例(33%)であった。pN0群はpN1以上の群と比較してDFS、 OSともに有意に延長していた(PFS:p<0.0001、OS:p=0.0002)。またサブグループ解析では、T1群の方がT2群よりも有意にN0の割合が多かった(p=0.022)。年齢、NG、Ki-67について有意差は見られなかった。【まとめ】TNBC患者における術前の腋窩リンパ節の評価は重要であり、今後より正確に評価できればSLNBの省略も検討できるかもしれない。

  • 日本人乳癌患者の腸内細菌叢解析についての検討

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島崎亜希子, 古賀艶可, 落合百合菜, 中村雅史

    第59回九州外科学会/第59回九州小児外科学会/第58回九州内分泌外科学会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:宮崎市   国名:日本国  

    腸内細菌叢が全身・局所の免疫や女性ホルモン活性などを通して乳癌に影響を及ぼす報告が年々増加している。日本人の腸内細菌叢やその代謝物は他国と比べ特異であるが、日本人の乳癌好発年齢や予後もまた欧米とは異なっている。今回我々は日本人乳癌に対する腸内細菌叢の影響を検証することを目的に原発性乳癌患者54症例の治療前糞便に対し16S rDNA V 3-4領域のメタゲノム解析を施行し、臨床病理学的因子で群分けしQIIME2解析を行った。 平均的な日本人の腸内細菌叢の割合と異なり、原発性乳癌患者ではFirmicutesとActinobacteria門が上位を占めていた。また消化器癌の増悪につながる歯周病菌のFusobacteria門が全体の27%で検出され、HER2と比較しTriple negativeサブタイプで多い結果であった。これまでに報告のある個別の菌群にも着目し解析した結果を報告する。

  • トリプルネガティブ乳癌患者における腋窩リンパ節転移の有無についての検討

    溝口公久, 森崎隆史, 甲斐昌也, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第59回九州外科学会/第59回九州小児外科学会/第58回九州内分泌外科学会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:宮崎市   国名:日本国  

    【はじめに】検診の普及により乳癌の早期診断が増えてきており、その半数以上が腋窩リンパ節転移をきたさない。センチネルリンパ節生検(SLNB)で陰性であれば腋窩リンパ節郭清(ALND)は省略されるが、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の腋窩リンパ節転移は術前 に予測することは難しい。【対象と方法】2004年~2014年に当院で手術を施行した cT1/2N0M0のTNBC患者190例に対しSLNBを施行し、術後pN0の群とpN1以上(腋窩郭清追加)の群でDFS、OS、臨床病理学的特徴(年齢、T因子、NG、Ki-67)を検討した。【結果】pN0の群は128例(67%)、 pN1以上の群は62例(33%)であった。pN0群はpN1以上の群と比較してDFS、 OSともに有意に延長していた(PFS:p<0.0001、OS:p=0.0002)。またサブグループ解析では、T1群の方がT2群よりも有意にN0の割合が多かった(p=0.022)。年齢、NG、Ki-67について有意差は見られなかった。【まとめ】TNBC患者における術前の腋窩リンパ節の評価は重要であり、今後より正確に評価できればSLNBの省略も検討できるかもしれない。

  • 乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いた定量的評価の日本人における実態と意義

    林早織, 久保真, 森寿治, 溝口公久, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【背景】マンモグラフィ検診の有効性に影響を与える原因として挙げられるのが高濃度乳房であり、本邦でも2016年より議論が盛んに行われるようになった。高濃度乳房の問題は、乳癌の検出率が低下するマスキングリスクと、乳癌の発症が高くなることである。そのため、客観性・再現性を担保した乳房構成の評価は重要である。しかしながら、目視による判定では読影者内・読影者間で乳房構成の評価にばらつきが生じることが報告されている。そこで、画像化処理される前のRAWデータから3次元的解析するVolpara社の乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いて、客観的に乳房構成の評価を行う研究を計画した。 【対象と方法】2021年2月より2022年9月に共同研究施設で施行されたマンモグラフィ23,447回分を対象とした。被検者は延べ8350人であった。すべて女性で、年齢中央値は49歳であった。各RAWデータから乳腺濃度(VBD)は数値化(%)され、a; 3.5%未満=脂肪性、b; 3.5~7.5%未満=乳腺散在、c; 7.5~15.5%未満=不均一高濃度、d; 15.5%以上=極めて高濃度に評価される。 【結果】VBDの平均は、30代=21.9%、40代=19.9%、50代=15.4%、60代=13.1%、70代=11.9%、80代=10.5%と加齢とともに減少した。また、dの割合も、30代=79.3%、40代=67.1%、50代=44.4%、60代=31.7%、70代=23.8%、80代=14.3%と加齢とともに減少した。 【まとめ】年齢の上昇によってVBDは低下していくことが客観的に明確となり、日本人における乳房構成の基礎データ(年齢別VBDとGrade d率)を得ることができた。Volpara Densityは世界中で広く普及している診断ツールであり、大規模な研究を本邦においても導入を急ぐべきと考える。

  • 骨転移を契機に診断された潜在性乳癌に対して内分泌療法が著効した1例

    古賀艶可, 甲斐昌也, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島﨑亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【はじめに】腋窩リンパ節に乳癌様の転移腫瘍を認めるが、乳房内に原発巣を同定できないものを潜在性乳癌とよび、その頻度は0.3-1%である。今回、骨転移、リンパ節転移を契機に診断された潜在性乳癌に対して内分泌療法が著効した1例を経験したので報告する。 【症例】68歳女性。胸部付近の骨の痛みを主訴に整形外科を受診、CTで多発骨折と骨転移の所見を認め、 PET-CTで多数の骨、左腋窩・鎖骨下リンパ節にFDG異常集積を認めた。骨生検の結果、転移性腫瘍(ER陽性、PR陽性、HER2陰性)の診断となり、乳癌の転移疑いで当科紹介となった。マンモグラフィ、乳腺エコー、PET-CTで乳房に原発を疑う所見は認めず、多発骨・リンパ節転移を伴う潜在性乳癌と診断、骨転移による疼痛から姿勢保持が困難であるPS3を考慮してアナストロゾール単独治療を開始した。6か月後腫瘍マーカーはCEA 12.2→4.3、CA15-3 323.4→78.4と著明に低下、PET-CTでは腋窩と鎖骨下リンパ節の縮小および骨病変の集積低下を認め、PSも改善し、アナストロゾールが著効したと考えられた。 【考察】発症時に転移巣のみが同定される原発不明癌は、全癌腫の2-4%を占め、一般的に予後不良である。本症例では骨生検から診断に至り、ホルモン受容体陽性でVisceral crisisでなく、PS3であることも鑑み、内分泌単剤療法を選択したところ有害事象もなく著効した。潜在性乳癌の大部分は腋窩リンパ節転移による発症であり、骨転移を契機に潜在性乳癌と診断される症例は稀である。本症例では骨転移巣の生検が診断と治療方針決定に有用であった。 【結語】骨転移を契機に診断された潜在性乳癌に対して内分泌療法が著効した1例を経験した。

  • Dose dense化学療法に関連したニューモシスチス肺炎の3例

    溝口公久, 森崎隆史, 甲斐昌也, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【背景】ニューモシスチス肺炎(PCP)は日和見感染症の1つであり、重篤な経過をたどることがある。乳癌における化学療法、Dose dense(dd)療法中で特に予防・対策すべき感染症の1つである。今回化学療法中にPCPをきたした3例について報告する。【症例1】54歳女性。右乳癌Luminal-HER2 typeに対し術前化学療法としてdd AC×4後、DTX+HER+PER1コース目終了後6日目に39℃台の発熱がみられた。胸部CTで両側肺に間質影を認めβ-Dグルカン高値でPCPが疑われた。ステロイド+ST合剤を投与し肺炎は改善した。【症例2】68歳女性。左乳癌Luminal-HER2typeに対して左Bt+Axを施行し、術後化学療法としてddAC×4終了後13日目に38℃台の発熱と胸部Xpで異常陰影を認めた。β-Dグルカン高値でPCPを疑い、ステロイド+ST合剤を投与したところ肺炎は改善した。【症例3】71歳女性。左乳癌Triple negative type$ B$KBP$7$F=QA02=3XNEK!$H$7$FddAC×4後wPTX 1コース目終了後7日目に酸素化不良のため入院となった。胸部CTで間質影を認め、β-Dグルカン高値でPCPが疑われた。ステロイド+ST合剤を投与し肺炎は改善した。【考察】PCPは基礎疾患や投薬の内容によって画像所見は様々であり、菌量が少ないことからも診断が困難である。またステロイド投与の副作用によるddAC療法中のPCP発症率は0.6%であり、致死率は30~60%と高い。今回の3症例はステロイド+ST合剤の早期投与により重症化を防げた。ddACではステロイド内服の省略やST合剤の予防的内服などの対策が勧められる。【まとめ】乳癌に対しdd療法中に肺炎を発症した場合は、細菌性や薬剤性肺炎の他にPCPを念頭に置き、早期の呼吸器内科との連携が重要と考える。

  • BRAF変異を有する転移再発乳癌にEncorafenib+Binimetinibが著効した一例

    高尾由佳, 久保真, 冨口麻衣, 森崎隆史, 甲斐昌也, 溝口公久, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 山本豊, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【緒言】BELIEVE試験(NCCH1901)は『遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養(通称バスケット試験)』であり、がん種ではなく遺伝子異常に基づいて治療を提供する現在進行中の多施設共同試験である。【症例】64歳女性。既往歴は高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症。家族歴に特記事項なし。X年6月に右乳房部分切除術+腋窩リンパ節郭清術を行われ腋窩リンパ節転移陽性、トリプルネガティブ乳癌であり、術後はCMF療法を行われた。X+20年11月胸骨転移を指摘され、生検ではER陽性(5~10%)、PgR陽性(1~2%)、HER2陰性と術後20年で再発の診断となった。内分泌治療を行うも骨転移は増悪傾向であり、X+21年10月に精査加療目的に前医の大学病院を紹介受診された。肝転移の出現を認め化学療法導入の方針となったが、X+22年5月に施行したCT検査では急速な肝転移の増大を認めた。副作用の少ない化学療法以外の治療法を求めFounda tionOne$(D"n Liquid CDxに提出したところ、BRAF/600Eの変異が検出された。BELIEVE trialに参加するため当院に紹介され、エキスパートパネルでの審議を経てEncorafenib+Binimetinibによる治療を開始した。副作用としてグレード2の漿液性網膜剥離を認めたが、休薬し経過観察としたところ視力の回復が見られたため、1段階減量して再開した。腫瘍マーカーは著明に低下し、CT検査で多発肝転移の縮小を確認した。【結語】BRAF変異を有する転移再発乳癌にEncorafenib+Binimetinibが著効した一例を経験した。

  • 乳癌術後25年目に肺転移、胸膜播種で再発し、原発性肺癌との鑑別を要した1例

    森崎隆史, 甲斐昌也, 古賀艶可, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島﨑亜希子, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【緒言】乳癌術後再発は大半が10年以内であり、20年以上経過した例は0.1%程度と報告されている。初発転移巣が肺である割合は15-25%程度とされており、原発性肺癌との鑑別を要する場合がある。【症例】75歳女性。25年前に他院で右乳癌に対して乳房全切除術を施行され、 10年間経過観察されていた。近医で人工股関節置換術を受けた際の術前CT検査で肺癌が疑われたため当院呼吸器内科に紹介された。CTでは右肺上葉に胸膜陥入像とspiculaを伴う24?大の不整形腫瘤を認めたほか、 右胸膜の多発結節と胸膜肥厚,胸水貯留を認めた。FDG-PETでは右上葉の結節影にSUVmax4.4の集積を認めたほか、 胸膜肥厚にも集積を認め、原発性肺癌、胸膜播種が強く疑われた。右上葉結節に対して気管支鏡下肺生検を施行され、 non-small cell carcinomaの診断であった。非小細胞肺癌として治療を開始する予定となっていたが、治療開始直前のCTで傍胸骨リンパ節の腫大を認め、乳癌再発の疑いで当科に紹介となった。針生検を施行したとkオ條C蹇invasive ductal carcinoma、免疫染色ではER(+)、 PgR(+)、 HER2 score2+(FISH 増幅なし)の診断であった。肺生検検体に対して免疫染色を追加したところ、TTF1(-)、ER(+)、 PgR(+)であり、一連の病変は乳癌再発によるものと考えられた。治療は内分泌療法を9次治療まで行い6年間生存した。【考察】乳癌はほかの癌と比較して、原発巣根治術後、長期間を経て再発する傾向にあり、乳癌罹患歴があれば時期に関わらず常に乳癌を鑑別に挙げる必要がある。乳癌肺転移の所見は非常に多彩な様式を呈し、特に原発性肺癌との鑑別は治療方針や予後に大きく影響することになり、非常に重要であると考えられた。

  • 原発性乳癌におけるctDNA解析の意義

    島﨑亜希子, 久保真, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 林早織, 森崎隆史, 甲斐昌也, 坂井和子, 小野真弓, 西尾和人, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【背景・目的】 分子標的薬の治療効果予測につながるバイオマーカーはターゲットとして明確なものが多く、有効ながん治療のためには個々のがんがどのようなドライバー遺伝子変異を有しているかを広く精査することが重要となる。次世代シークエンサー(NGS)を用いて治療ターゲットとなる遺伝子変異を網羅的に解析できるMulti-plexのがんゲノムパネル検査が有用であり、2019年6月本邦でも転移再発の固形がんに対し保険収載された。また、ctDNA(circulating tumor DNA)を用いたliquid biopsyは,非侵襲性かつリアルタイムで,個体全体の遺伝子変異を反映する新規の臨床検査として普及してきており、本邦でも2021年8月にFoundationOne Liquid CDxが保険収載された。ctDNAに関する報告は複数あるが、乳癌全サブタイプを対象に、NGSを用いて初期治療前のctDNAを評価した日本人の報告は少なく、その意義については明らかになっていない。本研究では、原発性乳癌おけるctDNAの腫瘍関連遺伝子変異解析が、予後や最適な治療選択マーカーになりうるかを検証した。 【対象と方法】 2017年1月~2020年10月に当科で治療された原発性乳癌患者のうち、95名を対象とした。治療前の血漿サンプルをNGSによるctDNA解析に使用し、対象患者の臨床病理学的情報との相関を評価した。 【結果】 対象患者95例中27例(28.4%)でctDNA陽性であった。腫瘍径が大きい、Ki67が高い、トリプルネガティブの症例でctNDAが陽性となる傾向が見られた。TP53(45%)、PIK3CA(30%)、ERBB2(18%)遺伝子変異の頻度が高かった。また、無再発生存率については、ctDNA陽性群、TP53遺伝子変異陽性群で予後不良であった。 【結論】 予後不良でより最適な治療選択が望まれるトリプルネガティブ乳癌に対しては治療前に予後不良群を同定することができ、結果に合わせた最適な治療選択を行える可能性が示された。

  • 乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いた定量的評価の日本人における実態と意義

    林早織, 久保真, 森寿治, 溝口公久, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【背景】マンモグラフィ検診の有効性に影響を与える原因として挙げられるのが高濃度乳房であり、本邦でも2016年より議論が盛んに行われるようになった。高濃度乳房の問題は、乳癌の検出率が低下するマスキングリスクと、乳癌の発症が高くなることである。そのため、客観性・再現性を担保した乳房構成の評価は重要である。しかしながら、目視による判定では読影者内・読影者間で乳房構成の評価にばらつきが生じることが報告されている。そこで、画像化処理される前のRAWデータから3次元的解析するVolpara社の乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いて、客観的に乳房構成の評価を行う研究を計画した。 【対象と方法】2021年2月より2022年9月に共同研究施設で施行されたマンモグラフィ23,447回分を対象とした。被検者は延べ8350人であった。すべて女性で、年齢中央値は49歳であった。各RAWデータから乳腺濃度(VBD)は数値化(%)され、a; 3.5%未満=脂肪性、b; 3.5~7.5%未満=乳腺散在、c; 7.5~15.5%未満=不均一高濃度、d; 15.5%以上=極めて高濃度に評価される。 【結果】VBDの平均は、30代=21.9%、40代=19.9%、50代=15.4%、60代=13.1%、70代=11.9%、80代=10.5%と加齢とともに減少した。また、dの割合も、30代=79.3%、40代=67.1%、50代=44.4%、60代=31.7%、70代=23.8%、80代=14.3%と加齢とともに減少した。 【まとめ】年齢の上昇によってVBDは低下していくことが客観的に明確となり、日本人における乳房構成の基礎データ(年齢別VBDとGrade d率)を得ることができた。Volpara Densityは世界中で広く普及している診断ツールであり、大規模な研究を本邦においても導入を急ぐべきと考える。

  • 骨転移を契機に診断された潜在性乳癌に対して内分泌療法が著効した1例

    古賀艶可, 甲斐昌也, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島﨑亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【はじめに】腋窩リンパ節に乳癌様の転移腫瘍を認めるが、乳房内に原発巣を同定できないものを潜在性乳癌とよび、その頻度は0.3-1%である。今回、骨転移、リンパ節転移を契機に診断された潜在性乳癌に対して内分泌療法が著効した1例を経験したので報告する。 【症例】68歳女性。胸部付近の骨の痛みを主訴に整形外科を受診、CTで多発骨折と骨転移の所見を認め、 PET-CTで多数の骨、左腋窩・鎖骨下リンパ節にFDG異常集積を認めた。骨生検の結果、転移性腫瘍(ER陽性、PR陽性、HER2陰性)の診断となり、乳癌の転移疑いで当科紹介となった。マンモグラフィ、乳腺エコー、PET-CTで乳房に原発を疑う所見は認めず、多発骨・リンパ節転移を伴う潜在性乳癌と診断、骨転移による疼痛から姿勢保持が困難であるPS3を考慮してアナストロゾール単独治療を開始した。6か月後腫瘍マーカーはCEA 12.2→4.3、CA15-3 323.4→78.4と著明に低下、PET-CTでは腋窩と鎖骨下リンパ節の縮小および骨病変の集積低下を認め、PSも改善し、アナストロゾールが著効したと考えられた。 【考察】発症時に転移巣のみが同定される原発不明癌は、全癌腫の2-4%を占め、一般的に予後不良である。本症例では骨生検から診断に至り、ホルモン受容体陽性でVisceral crisisでなく、PS3であることも鑑み、内分泌単剤療法を選択したところ有害事象もなく著効した。潜在性乳癌の大部分は腋窩リンパ節転移による発症であり、骨転移を契機に潜在性乳癌と診断される症例は稀である。本症例では骨転移巣の生検が診断と治療方針決定に有用であった。 【結語】骨転移を契機に診断された潜在性乳癌に対して内分泌療法が著効した1例を経験した。

  • Dose dense化学療法に関連したニューモシスチス肺炎の3例

    溝口公久, 森崎隆史, 甲斐昌也, 高尾由佳, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【背景】ニューモシスチス肺炎(PCP)は日和見感染症の1つであり、重篤な経過をたどることがある。乳癌における化学療法、Dose dense(dd)療法中で特に予防・対策すべき感染症の1つである。今回化学療法中にPCPをきたした3例について報告する。【症例1】54歳女性。右乳癌Luminal-HER2 typeに対し術前化学療法としてdd AC×4後、DTX+HER+PER1コース目終了後6日目に39℃台の発熱がみられた。胸部CTで両側肺に間質影を認めβ-Dグルカン高値でPCPが疑われた。ステロイド+ST合剤を投与し肺炎は改善した。【症例2】68歳女性。左乳癌Luminal-HER2typeに対して左Bt+Axを施行し、術後化学療法としてddAC×4終了後13日目に38℃台の発熱と胸部Xpで異常陰影を認めた。β-Dグルカン高値でPCPを疑い、ステロイド+ST合剤を投与したところ肺炎は改善した。【症例3】71歳女性。左乳癌Triple negative type$ B$KBP$7$F=QA02=3XNEK!$H$7$FddAC×4後wPTX 1コース目終了後7日目に酸素化不良のため入院となった。胸部CTで間質影を認め、β-Dグルカン高値でPCPが疑われた。ステロイド+ST合剤を投与し肺炎は改善した。【考察】PCPは基礎疾患や投薬の内容によって画像所見は様々であり、菌量が少ないことからも診断が困難である。またステロイド投与の副作用によるddAC療法中のPCP発症率は0.6%であり、致死率は30~60%と高い。今回の3症例はステロイド+ST合剤の早期投与により重症化を防げた。ddACではステロイド内服の省略やST合剤の予防的内服などの対策が勧められる。【まとめ】乳癌に対しdd療法中に肺炎を発症した場合は、細菌性や薬剤性肺炎の他にPCPを念頭に置き、早期の呼吸器内科との連携が重要と考える。

  • BRAF変異を有する転移再発乳癌にEncorafenib+Binimetinibが著効した一例

    高尾由佳, 久保真, 冨口麻衣, 森崎隆史, 甲斐昌也, 溝口公久, 山田舞, 島﨑亜希子, 林早織, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 山本豊, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【緒言】BELIEVE試験(NCCH1901)は『遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養(通称バスケット試験)』であり、がん種ではなく遺伝子異常に基づいて治療を提供する現在進行中の多施設共同試験である。【症例】64歳女性。既往歴は高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症。家族歴に特記事項なし。X年6月に右乳房部分切除術+腋窩リンパ節郭清術を行われ腋窩リンパ節転移陽性、トリプルネガティブ乳癌であり、術後はCMF療法を行われた。X+20年11月胸骨転移を指摘され、生検ではER陽性(5~10%)、PgR陽性(1~2%)、HER2陰性と術後20年で再発の診断となった。内分泌治療を行うも骨転移は増悪傾向であり、X+21年10月に精査加療目的に前医の大学病院を紹介受診された。肝転移の出現を認め化学療法導入の方針となったが、X+22年5月に施行したCT検査では急速な肝転移の増大を認めた。副作用の少ない化学療法以外の治療法を求めFounda tionOne$(D"n Liquid CDxに提出したところ、BRAF/600Eの変異が検出された。BELIEVE trialに参加するため当院に紹介され、エキスパートパネルでの審議を経てEncorafenib+Binimetinibによる治療を開始した。副作用としてグレード2の漿液性網膜剥離を認めたが、休薬し経過観察としたところ視力の回復が見られたため、1段階減量して再開した。腫瘍マーカーは著明に低下し、CT検査で多発肝転移の縮小を確認した。【結語】BRAF変異を有する転移再発乳癌にEncorafenib+Binimetinibが著効した一例を経験した。

  • 乳癌術後25年目に肺転移、胸膜播種で再発し、原発性肺癌との鑑別を要した1例

    森崎隆史, 甲斐昌也, 古賀艶可, 落合百合菜, 溝口公久, 高尾由佳, 林早織, 島﨑亜希子, 山田舞, 茂地智子, 伊地知秀樹, 吉住朋晴, 久保真, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【緒言】乳癌術後再発は大半が10年以内であり、20年以上経過した例は0.1%程度と報告されている。初発転移巣が肺である割合は15-25%程度とされており、原発性肺癌との鑑別を要する場合がある。【症例】75歳女性。25年前に他院で右乳癌に対して乳房全切除術を施行され、 10年間経過観察されていた。近医で人工股関節置換術を受けた際の術前CT検査で肺癌が疑われたため当院呼吸器内科に紹介された。CTでは右肺上葉に胸膜陥入像とspiculaを伴う24?大の不整形腫瘤を認めたほか、 右胸膜の多発結節と胸膜肥厚,胸水貯留を認めた。FDG-PETでは右上葉の結節影にSUVmax4.4の集積を認めたほか、 胸膜肥厚にも集積を認め、原発性肺癌、胸膜播種が強く疑われた。右上葉結節に対して気管支鏡下肺生検を施行され、 non-small cell carcinomaの診断であった。非小細胞肺癌として治療を開始する予定となっていたが、治療開始直前のCTで傍胸骨リンパ節の腫大を認め、乳癌再発の疑いで当科に紹介となった。針生検を施行したとkオ條C蹇invasive ductal carcinoma、免疫染色ではER(+)、 PgR(+)、 HER2 score2+(FISH 増幅なし)の診断であった。肺生検検体に対して免疫染色を追加したところ、TTF1(-)、ER(+)、 PgR(+)であり、一連の病変は乳癌再発によるものと考えられた。治療は内分泌療法を9次治療まで行い6年間生存した。【考察】乳癌はほかの癌と比較して、原発巣根治術後、長期間を経て再発する傾向にあり、乳癌罹患歴があれば時期に関わらず常に乳癌を鑑別に挙げる必要がある。乳癌肺転移の所見は非常に多彩な様式を呈し、特に原発性肺癌との鑑別は治療方針や予後に大きく影響することになり、非常に重要であると考えられた。

  • 原発性乳癌におけるctDNA解析の意義

    島﨑亜希子, 久保真, 溝口公久, 高尾由佳, 山田舞, 林早織, 森崎隆史, 甲斐昌也, 坂井和子, 小野真弓, 西尾和人, 中村雅史

    第20回日本乳癌学会九州地方会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    開催地:佐賀市   国名:日本国  

    【背景・目的】 分子標的薬の治療効果予測につながるバイオマーカーはターゲットとして明確なものが多く、有効ながん治療のためには個々のがんがどのようなドライバー遺伝子変異を有しているかを広く精査することが重要となる。次世代シークエンサー(NGS)を用いて治療ターゲットとなる遺伝子変異を網羅的に解析できるMulti-plexのがんゲノムパネル検査が有用であり、2019年6月本邦でも転移再発の固形がんに対し保険収載された。また、ctDNA(circulating tumor DNA)を用いたliquid biopsyは,非侵襲性かつリアルタイムで,個体全体の遺伝子変異を反映する新規の臨床検査として普及してきており、本邦でも2021年8月にFoundationOne Liquid CDxが保険収載された。ctDNAに関する報告は複数あるが、乳癌全サブタイプを対象に、NGSを用いて初期治療前のctDNAを評価した日本人の報告は少なく、その意義については明らかになっていない。本研究では、原発性乳癌おけるctDNAの腫瘍関連遺伝子変異解析が、予後や最適な治療選択マーカーになりうるかを検証した。 【対象と方法】 2017年1月~2020年10月に当科で治療された原発性乳癌患者のうち、95名を対象とした。治療前の血漿サンプルをNGSによるctDNA解析に使用し、対象患者の臨床病理学的情報との相関を評価した。 【結果】 対象患者95例中27例(28.4%)でctDNA陽性であった。腫瘍径が大きい、Ki67が高い、トリプルネガティブの症例でctNDAが陽性となる傾向が見られた。TP53(45%)、PIK3CA(30%)、ERBB2(18%)遺伝子変異の頻度が高かった。また、無再発生存率については、ctDNA陽性群、TP53遺伝子変異陽性群で予後不良であった。 【結論】 予後不良でより最適な治療選択が望まれるトリプルネガティブ乳癌に対しては治療前に予後不良群を同定することができ、結果に合わせた最適な治療選択を行える可能性が示された。

  • RNAシークエンシングによるシングルセル解析を用いたHER2陽性乳癌薬剤耐性におけるバイオマーカーの網羅的遺伝子解析

    林早織, 久保真, 溝口公久, 高尾由佳, 島崎亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第26回日本バイオ治療法学会学術集会  2022年12月 

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    開催年月日: 2022年12月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

    【背景】HER2陽性乳癌に対しする治療薬としてトラスツズマブなど抗体薬とチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるラパチニブ が国外内で保険承認されている。ラパチニブがHER2/EGFR阻害TKIであるに対し、新規TKIのネラチニブは、HER2に加えHER1(EGFR),HER4を不可逆的に阻害する汎HER-TKIであり、今後HER2治療抵抗性乳癌に対して本邦でも使用可能となることが期待されている。 【目的・方法】本研究では、ラパチニブとネラチニブを用いて、HER2陽性乳癌における治療抵抗性および耐性克服のメカニズムとバイオマーカーを探索することを目的とした。HER2陽性ER陰性乳癌細胞株SK-BR-3を用いて、SK-BR-3-naive(BR01)、ラパチニブ耐性株(BR02)、ラパチニブ耐性後ネラチニブ投与株(BR03)を作成した。10x?Genomicsのchromium systemを用いて、シングルセルRNAシークエンシング解析を行い、発現遺伝子の変動を評価した。 【結果】3サンプルで合計16205細胞の解析を行った。UMAP上で10 クラスターに分類された。BR01がほぼ独立したクラスターとして描出され、BR02とBR03は一部がオーバーラップしていた。HERファミリーでは、BR02, BR03でEGFR(HER1)を発現している細胞の割合が増加しHER2ダイマー下流のシグナル伝達経路に含まれるPIK3CA,?AKT1,?MTORの発現はBR03で低下していた。さらにGSEA解析では、BR02で細胞周期の促進やmTORシグナル伝達に含まれる遺伝子セットが、BR03でTP53経路、アポトーシスに関連する遺伝子セットの発現が増加していた。TP53経路の遺伝子セットのうち、RACK1,STOM,NURP1,GM2A,PTPN14がoverlapしていた。 【まとめ】pure-HER2タイプであるSK-BR-3では、ラパチニブ耐性獲得後ネラチニブ投与により、細胞周期やHER2ダイマー下流シグナル経路の抑制、アポトーシス関連シグナル伝達経路の亢進によって抗腫瘍効果を発揮するメカニズムが示唆された。

  • RNAシークエンシングによるシングルセル解析を用いたHER2陽性乳癌薬剤耐性におけるバイオマーカーの網羅的遺伝子解析

    林早織, 久保真, 溝口公久, 高尾由佳, 島崎亜希子, 山田舞, 森崎隆史, 甲斐昌也, 中村雅史

    第26回日本バイオ治療法学会学術集会  2022年12月 

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    開催年月日: 2022年12月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

    【背景】HER2陽性乳癌に対しする治療薬としてトラスツズマブなど抗体薬とチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるラパチニブ が国外内で保険承認されている。ラパチニブがHER2/EGFR阻害TKIであるに対し、新規TKIのネラチニブは、HER2に加えHER1(EGFR),HER4を不可逆的に阻害する汎HER-TKIであり、今後HER2治療抵抗性乳癌に対して本邦でも使用可能となることが期待されている。 【目的・方法】本研究では、ラパチニブとネラチニブを用いて、HER2陽性乳癌における治療抵抗性および耐性克服のメカニズムとバイオマーカーを探索することを目的とした。HER2陽性ER陰性乳癌細胞株SK-BR-3を用いて、SK-BR-3-naive(BR01)、ラパチニブ耐性株(BR02)、ラパチニブ耐性後ネラチニブ投与株(BR03)を作成した。10x?Genomicsのchromium systemを用いて、シングルセルRNAシークエンシング解析を行い、発現遺伝子の変動を評価した。 【結果】3サンプルで合計16205細胞の解析を行った。UMAP上で10 クラスターに分類された。BR01がほぼ独立したクラスターとして描出され、BR02とBR03は一部がオーバーラップしていた。HERファミリーでは、BR02, BR03でEGFR(HER1)を発現している細胞の割合が増加しHER2ダイマー下流のシグナル伝達経路に含まれるPIK3CA,?AKT1,?MTORの発現はBR03で低下していた。さらにGSEA解析では、BR02で細胞周期の促進やmTORシグナル伝達に含まれる遺伝子セットが、BR03でTP53経路、アポトーシスに関連する遺伝子セットの発現が増加していた。TP53経路の遺伝子セットのうち、RACK1,STOM,NURP1,GM2A,PTPN14がoverlapしていた。 【まとめ】pure-HER2タイプであるSK-BR-3では、ラパチニブ耐性獲得後ネラチニブ投与により、細胞周期やHER2ダイマー下流シグナル経路の抑制、アポトーシス関連シグナル伝達経路の亢進によって抗腫瘍効果を発揮するメカニズムが示唆された。

  • 乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いた定量的評価・判定の意義

    林早織, 久保真, 森寿治, 中村雅史

    第32回日本乳癌検診学会  2022年11月 

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    開催年月日: 2022年11月

    開催地:浜松市   国名:日本国  

  • 乳房構成自動解析ソフト(Volpara Density)を用いた定量的評価・判定の意義

    林早織, 久保真, 森寿治, 中村雅史

    第32回日本乳癌検診学会  2022年11月 

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    開催年月日: 2022年11月

    開催地:浜松市   国名:日本国  

  • RNAシークエンシングによるシングルセル解析を用いたHER2陽性乳癌薬剤耐性機序の網羅的遺伝子解析

    林早織, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 森瞳美, 甲斐昌也, 山田舞, 金城和寿, 森崎隆史, 黒木瑠美, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 中村雅史

    第30回日本乳癌学会学術総会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月 - 2022年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【背景】HER2陽性乳癌に対して、HER2標的治療薬としてトラスツズマブをはじめとする抗体薬とチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるラパチニブ が国外内で保険承認されている。HER2/EGFR阻害TKIであるラパチニブに対し新規TKIのネラチニブは、HER2に加えHER1(EGFR), HER4を不可逆的に阻害する汎HER-TKIであり、今後HER2治療抵抗性乳癌に対して本邦でも使用可能となることが期待されている。 【目的・方法】本研究では、ラパチニブとネラチニブを用いて、HER2陽性乳癌における治療抵抗性および耐性克服のメカニズムとバイオマーカーを探索することを目的としたHER2陽性ホルモン受容体陰性乳癌細胞株SK-BR-3を用いて、SK-BR-3-naive(BR01)、ラパチニブ耐性株(BR02)、ラパチニブ耐性株へネラチニブ投与(BR03)を作成した。10x Genomicsのchromium systemを用いて、シングルセルRNAシークエンシング解析を行い、発現遺伝子の変動を評価した。 【結果】doublet細胞を除去し、3サンプルで合計16205細胞 の解析を行った。UMAP上で10 クラスターに分類され、本来は単一のクローン集団である細胞株においてもheterogeneityの存在が示唆された。BR01がほぼ独立したクラスターとして描出され、BR02とBR03は一部がオーバーラップしていた(Figure)。HERファミリーでは、BR02, BR03でEGFR(HER1)を発現している細胞の割合が増加しHER2ダイマー下流のシグナル伝達経路に含まれるPIK3CA, AKT1, MTORの発現はBR03で著明に低下していた。さらにGSEA解析では、BR02で細胞周期の促進やmTORシグナル伝達に含まれる遺伝子セットが、BR03でTP53経路、アポトーシスに関連する遺伝子セットの発現が増加していた。TP53経路の遺伝子セットのうち、5遺伝子(RACK1,STOM,NURP1,GM2A,PTPN14)がoverlap していた。このうち、NURP1はna$(D+Ave の細胞株から耐性株への過程で発現が低下し、ネラチニブ投与したBR03で著明に上昇した。 【考察】pure-HER2タイプであるSK-BR-3ではラパチニブ耐性獲得 後にネラチニブを投与すると、細胞周期やHER2ダイマー下流シグナル経路の抑制、アポトーシス関連シグナル伝達経路の亢進が見られた 。さらに特異的なマーカー遺伝子について解析し報告する。

  • 乳癌微小免疫環境と微生物叢の関連についての検討

    山田舞, 久保真, 溝口公久, 高尾由佳, 島崎亜希子, 森崎隆史, 林早織, 金城和寿, 甲斐昌也, 中村雅史 , ,

    第30回日本乳癌学会学術総会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月 - 2022年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    乳がん微小免疫環境と微生物叢との関連についての検討 九州大学大学院 臨床・腫瘍外科腫瘍研究室乳腺グループ 山田 舞、久保 真、甲斐 昌也、黒木 留美、森崎 隆史、林 早織、金城 和寿、中村 雅史 背景: 近年、腸内細菌とアレルギーや慢性炎症性疾患、代謝性疾患などとの密接な関わりが明らかとなり、腸内微生物叢とがんとの相関も消化器系癌を中心に多数報告されている。また、昨今免疫チェックポイント阻害薬の治療効果に腸内微生物叢が免疫環境を介して影響しているとの報告も多数見られるようになった。消化管と直接の繋がりがない乳腺組織や乳癌組織にも微生物叢が存在することは報告されているが、乳癌治療効果と微生物叢の関連やその機序については未だ明らかではない。 目的: そこで我々は、まず乳腺内微生物叢と乳癌や腫瘍微小環境との関連について検証することを目的として、腸内細菌の大部分を占めるグラム陰性桿菌の細胞壁成分Lipopolysaccharide(LPS)と腫瘍微小免疫環境の関連を免疫染色にて検討した。 対象と方法: 既存のトリプルネガティブ乳癌46例のFFPEを用い、乳癌組織内のLPSと腫瘍免疫微小環境を構成するTIL, CD8, T-bet, PD-L1, M1マクロファージ(CD68),M2マクロファージ(CD163)の局在を比較した。また腫瘍断面におけるLPS染色率と臨床病理学的結果を比較した。 結果: 解析可能であった44例中明らかにLPS陽性は25例で、その88%(22例)が腫瘍間質優位な局在を示していた。興味深いことに、TIL, CD8, T-bet, PD-L1,CD68も類似した局在を示しており、CD163はCD68の局在を中心により拡大した範囲で陽性であった。何らかの理由で乳癌組織の間質優位に存在した細菌外膜成分のLPSが抗腫瘍免疫にも免疫寛容にも関与している可能性を示唆する結果であったため、今後さらに詳細な細菌成分と腫瘍微小免疫環境との関連を検証するため網羅的多重免染を計画している。LPS染色率と臨床病理学的結果には統計学的な有意差は認められず、さらに症例を増やして検討し報告する。

  • 核グレード分類と組織学的グレード分類の比較

    森崎隆史, 久保真, 甲斐昌也, 黒木瑠美, 林早織, 山田舞, 金城和寿, 山元英崇, 中村雅史

    第30回日本乳癌学会学術総会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月 - 2022年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    (1)緒言 HE標本を用いた病理学的グレード分類は、比較的簡便に実施可能で汎用性が高く、予後予測因子のみならず治療方針の決定にも用いられる。本邦では、核異型度と核分裂像から算出される核グレード(NG)は臨床的予後因子としての有用性が示され、長らくNG分類を「グレード」として評価してきた。しかし、WHO分類では組織学的グレード(HG)が採用され、UICC第8版のステージングにも使用されているため、乳癌取扱い規約18版(2018年5月出版)ではNGとHGが併記されるようになった。そこで、当施設では2018年12月よりNGに加えてHGを評価しており、今回両グレード分類を比較解析する研究を計画した。 (2)材料・方法 2018年12月~2020年12月に当施設で得られた手術検体のうち、NG分類およびHG分類が可能であった浸潤癌265例を対象とした。 (3)結果 265例中、両グレードの不一致率は29%(77例)であった。NG<HGとなったのは34例(13%)、HG>HGとなったのは43例(16%)であった。サブタイプ別での不一致率は、Luminal タイプで32%, Luminal HERで26%、pure HERで15%、TNBCで20%とLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。各グレードとKi67値との関係は、NG1/2/3でKi67=10.8/20.1/45.5%(p<0.0001)、HG1/2/3でKi67値11.1/19.5/50.6%(p<0.0001)とグレードの上昇とともに有意にKi67値が増加した。 (4)結論 NGとHGとの診断が異なる割合は29%と決して低いとはいえず、特に抗癌剤の適応に関係するLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。両グレードともKi67値と正の相関を示した。今後もNGおよびHG両者の評価を継続して行い、相違を評価した上で世界標準に準拠していく必要があると考えられる。

  • RNAシークエンシングによるシングルセル解析を用いたHER2陽性乳癌薬剤耐性機序の網羅的遺伝子解析

    林早織, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 森瞳美, 甲斐昌也, 山田舞, 金城和寿, 森崎隆史, 黒木瑠美, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 中村雅史

    第30回日本乳癌学会学術総会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月 - 2022年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【背景】HER2陽性乳癌に対して、HER2標的治療薬としてトラスツズマブをはじめとする抗体薬とチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるラパチニブ が国外内で保険承認されている。HER2/EGFR阻害TKIであるラパチニブに対し新規TKIのネラチニブは、HER2に加えHER1(EGFR), HER4を不可逆的に阻害する汎HER-TKIであり、今後HER2治療抵抗性乳癌に対して本邦でも使用可能となることが期待されている。 【目的・方法】本研究では、ラパチニブとネラチニブを用いて、HER2陽性乳癌における治療抵抗性および耐性克服のメカニズムとバイオマーカーを探索することを目的としたHER2陽性ホルモン受容体陰性乳癌細胞株SK-BR-3を用いて、SK-BR-3-naive(BR01)、ラパチニブ耐性株(BR02)、ラパチニブ耐性株へネラチニブ投与(BR03)を作成した。10x Genomicsのchromium systemを用いて、シングルセルRNAシークエンシング解析を行い、発現遺伝子の変動を評価した。 【結果】doublet細胞を除去し、3サンプルで合計16205細胞 の解析を行った。UMAP上で10 クラスターに分類され、本来は単一のクローン集団である細胞株においてもheterogeneityの存在が示唆された。BR01がほぼ独立したクラスターとして描出され、BR02とBR03は一部がオーバーラップしていた(Figure)。HERファミリーでは、BR02, BR03でEGFR(HER1)を発現している細胞の割合が増加しHER2ダイマー下流のシグナル伝達経路に含まれるPIK3CA, AKT1, MTORの発現はBR03で著明に低下していた。さらにGSEA解析では、BR02で細胞周期の促進やmTORシグナル伝達に含まれる遺伝子セットが、BR03でTP53経路、アポトーシスに関連する遺伝子セットの発現が増加していた。TP53経路の遺伝子セットのうち、5遺伝子(RACK1,STOM,NURP1,GM2A,PTPN14)がoverlap していた。このうち、NURP1はna$(D+Ave の細胞株から耐性株への過程で発現が低下し、ネラチニブ投与したBR03で著明に上昇した。 【考察】pure-HER2タイプであるSK-BR-3ではラパチニブ耐性獲得 後にネラチニブを投与すると、細胞周期やHER2ダイマー下流シグナル経路の抑制、アポトーシス関連シグナル伝達経路の亢進が見られた 。さらに特異的なマーカー遺伝子について解析し報告する。

  • 乳癌微小免疫環境と微生物叢の関連についての検討

    山田舞, 久保真, 溝口公久, 高尾由佳, 島崎亜希子, 森崎隆史, 林早織, 金城和寿, 甲斐昌也, 中村雅史 , ,

    第30回日本乳癌学会学術総会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月 - 2022年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    乳がん微小免疫環境と微生物叢との関連についての検討 九州大学大学院 臨床・腫瘍外科腫瘍研究室乳腺グループ 山田 舞、久保 真、甲斐 昌也、黒木 留美、森崎 隆史、林 早織、金城 和寿、中村 雅史 背景: 近年、腸内細菌とアレルギーや慢性炎症性疾患、代謝性疾患などとの密接な関わりが明らかとなり、腸内微生物叢とがんとの相関も消化器系癌を中心に多数報告されている。また、昨今免疫チェックポイント阻害薬の治療効果に腸内微生物叢が免疫環境を介して影響しているとの報告も多数見られるようになった。消化管と直接の繋がりがない乳腺組織や乳癌組織にも微生物叢が存在することは報告されているが、乳癌治療効果と微生物叢の関連やその機序については未だ明らかではない。 目的: そこで我々は、まず乳腺内微生物叢と乳癌や腫瘍微小環境との関連について検証することを目的として、腸内細菌の大部分を占めるグラム陰性桿菌の細胞壁成分Lipopolysaccharide(LPS)と腫瘍微小免疫環境の関連を免疫染色にて検討した。 対象と方法: 既存のトリプルネガティブ乳癌46例のFFPEを用い、乳癌組織内のLPSと腫瘍免疫微小環境を構成するTIL, CD8, T-bet, PD-L1, M1マクロファージ(CD68),M2マクロファージ(CD163)の局在を比較した。また腫瘍断面におけるLPS染色率と臨床病理学的結果を比較した。 結果: 解析可能であった44例中明らかにLPS陽性は25例で、その88%(22例)が腫瘍間質優位な局在を示していた。興味深いことに、TIL, CD8, T-bet, PD-L1,CD68も類似した局在を示しており、CD163はCD68の局在を中心により拡大した範囲で陽性であった。何らかの理由で乳癌組織の間質優位に存在した細菌外膜成分のLPSが抗腫瘍免疫にも免疫寛容にも関与している可能性を示唆する結果であったため、今後さらに詳細な細菌成分と腫瘍微小免疫環境との関連を検証するため網羅的多重免染を計画している。LPS染色率と臨床病理学的結果には統計学的な有意差は認められず、さらに症例を増やして検討し報告する。

  • 核グレード分類と組織学的グレード分類の比較

    森崎隆史, 久保真, 甲斐昌也, 黒木瑠美, 林早織, 山田舞, 金城和寿, 山元英崇, 中村雅史

    第30回日本乳癌学会学術総会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月 - 2022年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    (1)緒言 HE標本を用いた病理学的グレード分類は、比較的簡便に実施可能で汎用性が高く、予後予測因子のみならず治療方針の決定にも用いられる。本邦では、核異型度と核分裂像から算出される核グレード(NG)は臨床的予後因子としての有用性が示され、長らくNG分類を「グレード」として評価してきた。しかし、WHO分類では組織学的グレード(HG)が採用され、UICC第8版のステージングにも使用されているため、乳癌取扱い規約18版(2018年5月出版)ではNGとHGが併記されるようになった。そこで、当施設では2018年12月よりNGに加えてHGを評価しており、今回両グレード分類を比較解析する研究を計画した。 (2)材料・方法 2018年12月~2020年12月に当施設で得られた手術検体のうち、NG分類およびHG分類が可能であった浸潤癌265例を対象とした。 (3)結果 265例中、両グレードの不一致率は29%(77例)であった。NG<HGとなったのは34例(13%)、HG>HGとなったのは43例(16%)であった。サブタイプ別での不一致率は、Luminal タイプで32%, Luminal HERで26%、pure HERで15%、TNBCで20%とLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。各グレードとKi67値との関係は、NG1/2/3でKi67=10.8/20.1/45.5%(p<0.0001)、HG1/2/3でKi67値11.1/19.5/50.6%(p<0.0001)とグレードの上昇とともに有意にKi67値が増加した。 (4)結論 NGとHGとの診断が異なる割合は29%と決して低いとはいえず、特に抗癌剤の適応に関係するLuminalタイプで不一致率が高い傾向にあった。両グレードともKi67値と正の相関を示した。今後もNGおよびHG両者の評価を継続して行い、相違を評価した上で世界標準に準拠していく必要があると考えられる。

  • HBOC診断によりサーベイランスを開始した直後に卵巣癌を診断された一例

    林早織, 久保真, 鹿田さわこ, 山田舞, 金城和寿, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 森隆史, 永吉絹子, 水内祐介, 甲斐昌也, 中村雅史

    第28回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月

    開催地:岡山市   国名:日本国  

    【発端者】60代女性。40代で左乳癌発症、60代で膵癌を発症した。 【家族歴】父方の祖母、叔母4人(うち1人は膵癌)、 いとこ、妹に乳癌 【経過】 膵癌に対して術前化学療法(NAC)後、膵頭十二指腸切除術を施行した。研究で膵癌切除標本 をFoundationOne$(D"nCDxに提出し、BRCA1 に病的変異(p.Leu63*) を認め二次的所見が疑われた。既往歴や家族歴から遺伝 性腫瘍を疑い、マルチジーンパネル検査myRiskを実施し、同部位に病的変異を認め、HBOCの診断となりサーベイランスを 開始した。 サーベイランス開始後初回の血液検査にてCA125の著明な上昇が見られ、6か月前のCTでは認められなかった卵 巣腫瘍、腹水貯留が新たに出現した。NAC後、子宮全摘術+両側附属機摘出術+大網切除術+状結腸切除術+虫垂切除術を 施行。術後病理診断は、High-grade serous carcinomaであった。術後化学療法後、現在オラパリブ内服中である。 【考察 】 2020年4月よりHBOC既発症者に対する予防切除術とサーベイランスは保険適応となったが、サーベイランスは効果を実 感しにくく、特に卵巣癌のサーベイランスは困難であり、かろうじて経腟エコーとCA125の測定が推奨されている。今回、 サーベイラス開始直後にCA125高値で卵巣癌を比較的早期に発見できはしたものの、いつ発症するかわからない遺伝性腫瘍 の怖さも体験することとなった。本症例では、HBOCチームの情報共有と連携により、卵巣癌発症後は産婦人科にてスムー ズに治療へ移行することが可能であった。 【結論】 今回、体細胞系列の遺伝子パネル検査での二次的所見から遺伝学的検 査を経てHBOCの診断を得た症例に対し、サーベイランスで早期に卵巣癌の診断に至ったケースを経験した。予防切除やサ ーベイランスの困難性と必要性を痛感し、遺伝性腫瘍における各科の連携体制の構築・強化が重要であることを改めて認識 した。

  • HBOC診断によりサーベイランスを開始した直後に卵巣癌を診断された一例

    林早織, 久保真, 鹿田さわこ, 山田舞, 金城和寿, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 森隆史, 永吉絹子, 水内祐介, 甲斐昌也, 中村雅史

    第28回日本遺伝性腫瘍学会学術集会  2022年6月 

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    開催年月日: 2022年6月

    開催地:岡山市   国名:日本国  

    【発端者】60代女性。40代で左乳癌発症、60代で膵癌を発症した。 【家族歴】父方の祖母、叔母4人(うち1人は膵癌)、 いとこ、妹に乳癌 【経過】 膵癌に対して術前化学療法(NAC)後、膵頭十二指腸切除術を施行した。研究で膵癌切除標本 をFoundationOne$(D"nCDxに提出し、BRCA1 に病的変異(p.Leu63*) を認め二次的所見が疑われた。既往歴や家族歴から遺伝 性腫瘍を疑い、マルチジーンパネル検査myRiskを実施し、同部位に病的変異を認め、HBOCの診断となりサーベイランスを 開始した。 サーベイランス開始後初回の血液検査にてCA125の著明な上昇が見られ、6か月前のCTでは認められなかった卵 巣腫瘍、腹水貯留が新たに出現した。NAC後、子宮全摘術+両側附属機摘出術+大網切除術+状結腸切除術+虫垂切除術を 施行。術後病理診断は、High-grade serous carcinomaであった。術後化学療法後、現在オラパリブ内服中である。 【考察 】 2020年4月よりHBOC既発症者に対する予防切除術とサーベイランスは保険適応となったが、サーベイランスは効果を実 感しにくく、特に卵巣癌のサーベイランスは困難であり、かろうじて経腟エコーとCA125の測定が推奨されている。今回、 サーベイラス開始直後にCA125高値で卵巣癌を比較的早期に発見できはしたものの、いつ発症するかわからない遺伝性腫瘍 の怖さも体験することとなった。本症例では、HBOCチームの情報共有と連携により、卵巣癌発症後は産婦人科にてスムー ズに治療へ移行することが可能であった。 【結論】 今回、体細胞系列の遺伝子パネル検査での二次的所見から遺伝学的検 査を経てHBOCの診断を得た症例に対し、サーベイランスで早期に卵巣癌の診断に至ったケースを経験した。予防切除やサ ーベイランスの困難性と必要性を痛感し、遺伝性腫瘍における各科の連携体制の構築・強化が重要であることを改めて認識 した。

  • シングルセルRNA sequencingシークエンシングを用いたHER2陽性乳癌治療抵抗性の網羅的遺伝子解析

    林早織, 久保真, 森瞳美, 甲斐昌也, 山田舞, 金城和寿, 森崎隆史, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 中村雅史

    第122回日本外科学会定期学術集会  2022年4月 

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    開催年月日: 2022年4月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

    【背景】HER2陽性乳癌は、HER2標的薬としてトラスツズマブをはじめとする抗体薬やラパチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI) が国外内で保険承認されている。新規TKIのネラチニブは、HER2に加えHER1(EGFR), HER4を不可逆的に阻害する汎HER-TKIであり、今後HER2治療抵抗性乳癌に対して本邦でも使用可能となることが期待されている。本研究では、HER2/EGFR阻害TKIであるラパチニブと汎HER-TKIネラチニブを用いて、HER2陽性乳癌における治療抵抗性および耐性克服のメカニズムとバイオマーカーを探索する。 【方法】HER2陽性ホルモン受容体陰性乳癌細胞株SK-BR-3を用いて、SK-BR-3-naive(BR01)、ラパチニブ耐性株(BR02)、ラパチニブ耐性株へネラチニブ投与(BR03)を作成した。10x Genomicsのchromium systemを用いて、シングルセルRNAシークエンシング解析を行い、発現遺伝子の変動を評価した。 【結果】3サンプルで合計17827細胞の解析を行った。UMAP上で11クラスターに分類され、本来は単一のクローン集団である細胞株においてもheterogeneityの存在が示唆された。BR01がほぼ独立したクラスターとして描出され、BR02とBR03は一部がオーバーラップしていた(Figure)。HERファミリーでは、BR02, BR03でEGFR(HER1)を発現している細胞の割合が増加した。しかし、HER2ダイマー下流のシグナル伝達経路に含まれるPIK3CA, AKT1, MTORはBR03で著明に低下していた。さらにGSEA解析では、BR02で細胞周期の促進やmTORシグナル伝達に含まれる遺伝子セットが、BR03でP53経路や小胞体ストレス応答などアポトーシスに関連する遺伝子セットの発現が増加していた。 【考察】SK-BR-3ではラパチニブ耐性獲得後にネラチニブを投与すると、細胞周期やHER2ダイマー下流シグナル経路の抑制、アポトーシス関連シグナル伝達経路の亢進が見られ、ラパチニブ耐性獲得後のネラチニブの有効性が示唆された。特異的なマーカー遺伝子について解析し報告する。

  • 難治性乳癌における腫瘍微小環境としてのMicrobiomeの意義

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 佐藤瑤, 金城和寿, 高尾由佳, 林早織, 森瞳美, 中村雅史

    第122回日本外科学会定期学術集会  2022年4月 

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    開催年月日: 2022年4月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

    乳房は消化管とは直接つながりのない臓器であるが、近年、乳腺組織にも口腔や腸内細菌と重複する細菌種が豊富に存在し、腸内細菌叢と乳癌の相関に関しても相次いで報告されている。 【目的・方法】今回我々は、未だ治療ターゲットの少ないトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対し細菌叢がどのように関連するかを検討するため、当院で2005年~2014年に手術した原発TNBC44例に対しグラム陰性桿菌の外膜成分であるLipopolysaccharide(LPS)の免疫染色を施行し、種々の病理学的因子と比較した。 【結果】LPS陽性は25例、陰性は19例。陽性例は腫瘍周囲や腫瘍内部の間質に染まる染色パターンが主で、免疫細胞に一致して染まる傾向が見られた。LPS陽性ではStage I/II/III(48%/48%/4%)、N-/N+(64%/36%)、LPS陰性ではStage I/II/III(47.4%/42%/10.5%)、N-/N+(89.5%/10.6%)とLPS陽性でリンパ節転移が多い傾向を認めた。また腫瘍免疫関連因子に関してはLPS陽性でCD8(+/-)(76%/24%)、LPS陰性でCD8(+/-)(78.9%/21.1%)と類似の傾向がある一方、LPS陽性ではPD-L1(Tumor cell)(+/-)(52%/44%)、TIL(High/Low)(56%/44%)、T-bet(+/-)(56%/44%)に対しLPS陰性でPD-L1(+/-)(36.8%:42.1%)、TIL (High/Low)(42.1%/57.9%)、T-bet(+/-)(36.8%/63.2%) と逆の傾向を示すものも多く、腫瘍微小環境における細菌叢の影響が示唆された。 【考察】LPSはTNBCにおいて腫瘍辺縁の間質優位に免疫細胞と関連して存在することが示唆された。腸管Dysbiosisにより腸管上皮のみならず乳管上皮のTight junctionも破綻し細菌の侵入を容易にすると報告されているが、腫瘍周囲に侵入した細菌叢に対する自然免疫の発動が近傍の腫瘍免疫に影響する可能性を更に検討して報告する。

  • シングルセルRNA sequencingシークエンシングを用いたHER2陽性乳癌治療抵抗性の網羅的遺伝子解析

    林早織, 久保真, 森瞳美, 甲斐昌也, 山田舞, 金城和寿, 森崎隆史, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 中村雅史

    第122回日本外科学会定期学術集会  2022年4月 

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    開催年月日: 2022年4月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

    【背景】HER2陽性乳癌は、HER2標的薬としてトラスツズマブをはじめとする抗体薬やラパチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI) が国外内で保険承認されている。新規TKIのネラチニブは、HER2に加えHER1(EGFR), HER4を不可逆的に阻害する汎HER-TKIであり、今後HER2治療抵抗性乳癌に対して本邦でも使用可能となることが期待されている。本研究では、HER2/EGFR阻害TKIであるラパチニブと汎HER-TKIネラチニブを用いて、HER2陽性乳癌における治療抵抗性および耐性克服のメカニズムとバイオマーカーを探索する。 【方法】HER2陽性ホルモン受容体陰性乳癌細胞株SK-BR-3を用いて、SK-BR-3-naive(BR01)、ラパチニブ耐性株(BR02)、ラパチニブ耐性株へネラチニブ投与(BR03)を作成した。10x Genomicsのchromium systemを用いて、シングルセルRNAシークエンシング解析を行い、発現遺伝子の変動を評価した。 【結果】3サンプルで合計17827細胞の解析を行った。UMAP上で11クラスターに分類され、本来は単一のクローン集団である細胞株においてもheterogeneityの存在が示唆された。BR01がほぼ独立したクラスターとして描出され、BR02とBR03は一部がオーバーラップしていた(Figure)。HERファミリーでは、BR02, BR03でEGFR(HER1)を発現している細胞の割合が増加した。しかし、HER2ダイマー下流のシグナル伝達経路に含まれるPIK3CA, AKT1, MTORはBR03で著明に低下していた。さらにGSEA解析では、BR02で細胞周期の促進やmTORシグナル伝達に含まれる遺伝子セットが、BR03でP53経路や小胞体ストレス応答などアポトーシスに関連する遺伝子セットの発現が増加していた。 【考察】SK-BR-3ではラパチニブ耐性獲得後にネラチニブを投与すると、細胞周期やHER2ダイマー下流シグナル経路の抑制、アポトーシス関連シグナル伝達経路の亢進が見られ、ラパチニブ耐性獲得後のネラチニブの有効性が示唆された。特異的なマーカー遺伝子について解析し報告する。

  • 難治性乳癌における腫瘍微小環境としてのMicrobiomeの意義

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 森崎隆史, 佐藤瑤, 金城和寿, 高尾由佳, 林早織, 森瞳美, 中村雅史

    第122回日本外科学会定期学術集会  2022年4月 

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    開催年月日: 2022年4月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

    乳房は消化管とは直接つながりのない臓器であるが、近年、乳腺組織にも口腔や腸内細菌と重複する細菌種が豊富に存在し、腸内細菌叢と乳癌の相関に関しても相次いで報告されている。 【目的・方法】今回我々は、未だ治療ターゲットの少ないトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対し細菌叢がどのように関連するかを検討するため、当院で2005年~2014年に手術した原発TNBC44例に対しグラム陰性桿菌の外膜成分であるLipopolysaccharide(LPS)の免疫染色を施行し、種々の病理学的因子と比較した。 【結果】LPS陽性は25例、陰性は19例。陽性例は腫瘍周囲や腫瘍内部の間質に染まる染色パターンが主で、免疫細胞に一致して染まる傾向が見られた。LPS陽性ではStage I/II/III(48%/48%/4%)、N-/N+(64%/36%)、LPS陰性ではStage I/II/III(47.4%/42%/10.5%)、N-/N+(89.5%/10.6%)とLPS陽性でリンパ節転移が多い傾向を認めた。また腫瘍免疫関連因子に関してはLPS陽性でCD8(+/-)(76%/24%)、LPS陰性でCD8(+/-)(78.9%/21.1%)と類似の傾向がある一方、LPS陽性ではPD-L1(Tumor cell)(+/-)(52%/44%)、TIL(High/Low)(56%/44%)、T-bet(+/-)(56%/44%)に対しLPS陰性でPD-L1(+/-)(36.8%:42.1%)、TIL (High/Low)(42.1%/57.9%)、T-bet(+/-)(36.8%/63.2%) と逆の傾向を示すものも多く、腫瘍微小環境における細菌叢の影響が示唆された。 【考察】LPSはTNBCにおいて腫瘍辺縁の間質優位に免疫細胞と関連して存在することが示唆された。腸管Dysbiosisにより腸管上皮のみならず乳管上皮のTight junctionも破綻し細菌の侵入を容易にすると報告されているが、腫瘍周囲に侵入した細菌叢に対する自然免疫の発動が近傍の腫瘍免疫に影響する可能性を更に検討して報告する。

  • 転移再発乳癌患者治療におけるPatient Reported Outcomeへの影響要素の検討

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 黒木瑠美, 林早織, 森崎隆史, 金城和寿, 中村雅史

    第19回日本乳癌学会九州地方会  2022年3月 

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    開催年月日: 2022年3月

    開催地:長崎市   国名:日本国  

  • 乳癌転移との鑑別を要した腋窩リンパ節腫大

    黒木瑠美, 森崎隆史, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 林早織, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 久保真

    第19回日本乳癌学会九州地方会  2022年3月 

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    開催年月日: 2022年3月

    開催地:長崎市   国名:日本国  

  • 転移再発乳癌患者治療におけるPatient Reported Outcomeへの影響要素の検討

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 黒木瑠美, 林早織, 森崎隆史, 金城和寿, 中村雅史

    第19回日本乳癌学会九州地方会  2022年3月 

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    開催年月日: 2022年3月

    開催地:長崎市   国名:日本国  

  • 乳癌転移との鑑別を要した腋窩リンパ節腫大

    黒木瑠美, 森崎隆史, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 林早織, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 久保真

    第19回日本乳癌学会九州地方会  2022年3月 

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    開催年月日: 2022年3月

    開催地:長崎市   国名:日本国  

  • 多遺伝子パネルによる遺伝性腫瘍リスク評価の有用性とサーベイランスの構築

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 山田舞, 金城和寿, 高尾由佳, 島崎亜希子, 黒木瑠美, 森崎隆史, 永吉絹子, 水内祐介, 甲斐昌也, 中村雅史

    第58回九州外科学会・第58回九州小児外科学会・第57回九州内分泌外科学会  2022年2月 

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    開催年月日: 2022年2月

    開催地:久留米市   国名:日本国  

    <背景>日本における遺伝医療は、2018年にオラパリブとそのコンパニオン診断であるBRACAnalysisが承認され、生殖細胞系列の遺伝子変異に応じた医療を提供することが可能となった。欧米では多遺伝子パネル検査が広く用いられているが、本邦では依然普及していない。 <方法・対象・結果>多遺伝子パネルmyRiskを用いて、主要な8つの癌腫(乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌など)に関連する35遺伝子を同時に解析し、発症リスクを包括的に評価した。2019年6月から2020年3月まで、家族歴や既往歴より遺伝性腫瘍を疑った21例を対象とし、7例に病的変異(BRCA1 5例、MSH6 1例、TP53 1例)を認めた。BRCA1に病的変異を認めた2名にリスク低減卵管卵巣摘出術を実施した。 <結語>多遺伝子を一度に検査することは、時間的・経済的・心理的な負担の軽減につながり、各診療科横断的に遺伝カウンセリングやサーベイランス体制を構築することに取り組んでいる。

  • 多遺伝子パネルによる遺伝性腫瘍リスク評価の有用性とサーベイランスの構築

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 山田舞, 金城和寿, 高尾由佳, 島崎亜希子, 黒木瑠美, 森崎隆史, 永吉絹子, 水内祐介, 甲斐昌也, 中村雅史

    第58回九州外科学会・第58回九州小児外科学会・第57回九州内分泌外科学会  2022年2月 

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    開催年月日: 2022年2月

    開催地:久留米市   国名:日本国  

    <背景>日本における遺伝医療は、2018年にオラパリブとそのコンパニオン診断であるBRACAnalysisが承認され、生殖細胞系列の遺伝子変異に応じた医療を提供することが可能となった。欧米では多遺伝子パネル検査が広く用いられているが、本邦では依然普及していない。 <方法・対象・結果>多遺伝子パネルmyRiskを用いて、主要な8つの癌腫(乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌など)に関連する35遺伝子を同時に解析し、発症リスクを包括的に評価した。2019年6月から2020年3月まで、家族歴や既往歴より遺伝性腫瘍を疑った21例を対象とし、7例に病的変異(BRCA1 5例、MSH6 1例、TP53 1例)を認めた。BRCA1に病的変異を認めた2名にリスク低減卵管卵巣摘出術を実施した。 <結語>多遺伝子を一度に検査することは、時間的・経済的・心理的な負担の軽減につながり、各診療科横断的に遺伝カウンセリングやサーベイランス体制を構築することに取り組んでいる。

  • 生殖細胞系列遺伝子遺伝子パネル(myRisk)を用いた遺伝性腫瘍のリスク評価の意義とサーベイランスの構築

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 山田舞, 金城和寿, 高尾由佳, 島崎亜希子, 森崎隆史, 永吉絹子, 水内祐介, 甲斐昌也, 中村雅史

    第25回バイオ治療法研究会学術集会  2021年12月 

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    開催年月日: 2021年12月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    <背景>長い間日本では、病歴や家族歴から拾い上げ遺伝性腫瘍を自費で診断することは可能であったが、その結果を治療や予防へ結びつけることはできなかった。2018年オラパリブが本邦で保険収載され、それに伴うコンパニオン診断であるBRACAnalysisが承認されたことにより、診断に応じた医療を提供することが可能となった。加えて次世代シーケンサーの発展により、包括的がんゲノムプロファイリングが2019年保険承認されて急速に普及し、二次的所見を契機に遺伝性腫瘍が診断されるケースも見られるようになった。 また、欧米では2013年頃より多遺伝子パネル検査(Multi-gene panel testing: MGPT)が登場し、今日広く用いられている。現在本邦では、MGPTは保険収載されていないが、今後の普及に対して準備する必要があると考え、プレリミナリーな研究を計画した。 <方法>MGPTであるmyRisk(Myriad Gnetics社)を用いて、主要な8つの癌腫(乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌、前立腺癌、膵癌、悪性黒色腫、子宮癌)に関係する35遺伝子を同時に解析し、発症リスクを包括的に評価した。 <対象>2019年6月から2020年3月まで、家族歴や既往歴より遺伝性腫瘍を疑った21例を対象とした。この中には研究として施行したFoundationOne CDxの結果として二次的所見が疑われた5例を含んだ。 <結果>21例中7例に病的変異を認めた。病的変異はBRCA1 5例、MSH6 1例、TP53 1例であった。病的変異を認めた7名すべてに遺伝カウンセリングを施行し、BRCA1に病的変異を認めた5名のうち2名はリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を実施した。さらに1例はサーベイランス開始後に卵巣癌が判明し、治療継続中である。 <結語>生殖細胞系列の病的変異を明らかにすることは、将来的な健康管理を可能にするという点で、患者本人やその血縁者にとって有益である。さらにMGPTによって一度に検査を行うことは、腫瘍発症の可能性の高い遺伝子変異を網羅的に拾い上げることが可能となり、時間的・経済的・心理的な負担の軽減につながると考える。得られた遺伝情報に対して、各診療科と連携して横断的に遺伝カウンセリングやサーベイランスの体制を構築することに取り組んでいる。

  • 生殖細胞系列遺伝子遺伝子パネル(myRisk)を用いた遺伝性腫瘍のリスク評価の意義とサーベイランスの構築

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 山田舞, 金城和寿, 高尾由佳, 島崎亜希子, 森崎隆史, 永吉絹子, 水内祐介, 甲斐昌也, 中村雅史

    第25回バイオ治療法研究会学術集会  2021年12月 

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    開催年月日: 2021年12月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    <背景>長い間日本では、病歴や家族歴から拾い上げ遺伝性腫瘍を自費で診断することは可能であったが、その結果を治療や予防へ結びつけることはできなかった。2018年オラパリブが本邦で保険収載され、それに伴うコンパニオン診断であるBRACAnalysisが承認されたことにより、診断に応じた医療を提供することが可能となった。加えて次世代シーケンサーの発展により、包括的がんゲノムプロファイリングが2019年保険承認されて急速に普及し、二次的所見を契機に遺伝性腫瘍が診断されるケースも見られるようになった。 また、欧米では2013年頃より多遺伝子パネル検査(Multi-gene panel testing: MGPT)が登場し、今日広く用いられている。現在本邦では、MGPTは保険収載されていないが、今後の普及に対して準備する必要があると考え、プレリミナリーな研究を計画した。 <方法>MGPTであるmyRisk(Myriad Gnetics社)を用いて、主要な8つの癌腫(乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌、前立腺癌、膵癌、悪性黒色腫、子宮癌)に関係する35遺伝子を同時に解析し、発症リスクを包括的に評価した。 <対象>2019年6月から2020年3月まで、家族歴や既往歴より遺伝性腫瘍を疑った21例を対象とした。この中には研究として施行したFoundationOne CDxの結果として二次的所見が疑われた5例を含んだ。 <結果>21例中7例に病的変異を認めた。病的変異はBRCA1 5例、MSH6 1例、TP53 1例であった。病的変異を認めた7名すべてに遺伝カウンセリングを施行し、BRCA1に病的変異を認めた5名のうち2名はリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を実施した。さらに1例はサーベイランス開始後に卵巣癌が判明し、治療継続中である。 <結語>生殖細胞系列の病的変異を明らかにすることは、将来的な健康管理を可能にするという点で、患者本人やその血縁者にとって有益である。さらにMGPTによって一度に検査を行うことは、腫瘍発症の可能性の高い遺伝子変異を網羅的に拾い上げることが可能となり、時間的・経済的・心理的な負担の軽減につながると考える。得られた遺伝情報に対して、各診療科と連携して横断的に遺伝カウンセリングやサーベイランスの体制を構築することに取り組んでいる。

  • 家系内における発症前診断が可能であったBirt-Hogg-Dube症候群の一家系

    水内祐介, 久保真, 小川昌宣, 鹿田佐和子, 木村緑, 李賢, 林早織, 山田裕, 孝橋賢一, 小田義直, 江藤正俊, 中村雅史

    日本人類遺伝学会第66回大会  2021年10月 

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    開催年月日: 2021年10月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    Birt-Hogg-Dube 症候群は皮膚症状、肺嚢胞、腎腫瘍が発生しやすいという特徴を持つ遺伝性腫瘍症候群の一つで原因遺伝子としてFLCN遺伝子が報告されている。皮膚病変は20代より出現し、年齢とともに数、サイズともに増加する。肺嚢胞は両側多発性に出現し、自然気胸などで発見されることが多い。腎腫瘍は診断時の年齢中央値が48歳と比較的若年でその組織像はオンコサイトーマと嫌色素性腎細胞癌が多い。今回BHD症候群を経験したので文献的な考察を加えて報告する。発端者は50代女性、家系に腎腫瘍や呼吸器疾患、気胸の患者はいない。労作時息切れの精査目的の腹部超音波検査で腎腫瘍を指摘された。腫瘍は右腎に3か所、左腎に1か所あり、泌尿器科にて、20XX年10月腹腔鏡下右腎摘出術、20XX+1年1月に左腎腫瘍に対して凍結療法を行った。病理診断は多発する右腎腫瘍は3か所全て好酸性の細胞質を持ち巨大蜂巣状の発育形態を呈する嫌色素性腎細胞癌であった。術前の全身精査のCTで両肺底部付近に肺嚢胞を認め、臨床症状からBHD 症候群が疑われた。皮膚腫瘍は認めなかった。泌尿器科主治医から遺伝カウンセリング(GC)を勧められ、20XX+1年3月GC外来を受診。長女とともに来談されGC後、FLCN遺伝子の遺伝学的検査を希望し施行した結果、c.1285dup(p.His429Profs*27)のフレームシフト変異が検出された。結果説明時に同席していた長女からも遺伝学的検査の希望があり、BHD症候群を疑う臨床症状は認めなかったが、GC後、FLCN遺伝子のシングルサイト検査を施行したところ、同様の病的バリアントを認めた。今後のサーベイランスは発端者については腎腫瘍のサーベイランス及び肺嚢胞のフォローアップは泌尿器科のCTで施行するとともに皮膚腫瘍の出現あれば皮膚科を受診する。長女については自費でCTを受け、以降は泌尿器科クリニックでの超音波検査、尿検査を継続していく予定である。その他の血縁者のGCに関しては今後、クライエントと相談の上、検討を行っていく。

  • 家系内における発症前診断が可能であったBirt-Hogg-Dube症候群の一家系

    水内祐介, 久保真, 小川昌宣, 鹿田佐和子, 木村緑, 李賢, 林早織, 山田裕, 孝橋賢一, 小田義直, 江藤正俊, 中村雅史

    日本人類遺伝学会第66回大会  2021年10月 

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    開催年月日: 2021年10月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    Birt-Hogg-Dube 症候群は皮膚症状、肺嚢胞、腎腫瘍が発生しやすいという特徴を持つ遺伝性腫瘍症候群の一つで原因遺伝子としてFLCN遺伝子が報告されている。皮膚病変は20代より出現し、年齢とともに数、サイズともに増加する。肺嚢胞は両側多発性に出現し、自然気胸などで発見されることが多い。腎腫瘍は診断時の年齢中央値が48歳と比較的若年でその組織像はオンコサイトーマと嫌色素性腎細胞癌が多い。今回BHD症候群を経験したので文献的な考察を加えて報告する。発端者は50代女性、家系に腎腫瘍や呼吸器疾患、気胸の患者はいない。労作時息切れの精査目的の腹部超音波検査で腎腫瘍を指摘された。腫瘍は右腎に3か所、左腎に1か所あり、泌尿器科にて、20XX年10月腹腔鏡下右腎摘出術、20XX+1年1月に左腎腫瘍に対して凍結療法を行った。病理診断は多発する右腎腫瘍は3か所全て好酸性の細胞質を持ち巨大蜂巣状の発育形態を呈する嫌色素性腎細胞癌であった。術前の全身精査のCTで両肺底部付近に肺嚢胞を認め、臨床症状からBHD 症候群が疑われた。皮膚腫瘍は認めなかった。泌尿器科主治医から遺伝カウンセリング(GC)を勧められ、20XX+1年3月GC外来を受診。長女とともに来談されGC後、FLCN遺伝子の遺伝学的検査を希望し施行した結果、c.1285dup(p.His429Profs*27)のフレームシフト変異が検出された。結果説明時に同席していた長女からも遺伝学的検査の希望があり、BHD症候群を疑う臨床症状は認めなかったが、GC後、FLCN遺伝子のシングルサイト検査を施行したところ、同様の病的バリアントを認めた。今後のサーベイランスは発端者については腎腫瘍のサーベイランス及び肺嚢胞のフォローアップは泌尿器科のCTで施行するとともに皮膚腫瘍の出現あれば皮膚科を受診する。長女については自費でCTを受け、以降は泌尿器科クリニックでの超音波検査、尿検査を継続していく予定である。その他の血縁者のGCに関しては今後、クライエントと相談の上、検討を行っていく。

  • マルチジーンパネル検査におけるVUSの管理

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 水内祐介, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】 近年、遺伝性腫瘍に対する診療は変化を続けている。コンパニオン診断の必要やがんゲノム医療における多遺伝子パネルの 急速に普及により、遺伝情報を治療や予防へ結びつける時代となりつつある。 生殖細胞系列を対象としたマルチジーンパネル検査は、多くの遺伝子変異を一度に解析するというメリットがある一方で、 病的意義が不明な遺伝子変異(variants of uncertain significance; VUS)の検出率が上昇するというジレンマもある。ま た、現在本邦では、マルチジーンパネル検査は保険収載されていないが、将来世界的な普及に対して準備する必要がある。 我々は、マルチジーンパネル検査であるmyRisk(Myriad Gnetics社)を用いて、乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌、前立腺癌、 膵癌、悪性黒色腫、子宮癌など主要な8つの遺伝性腫瘍に関連する35遺伝子を同時に解析し、発症リスクを包括的に評価し た。 【対象・結果】 がん遺伝子パネルで二次的所見が疑われた症例や、既往歴・家族歴から遺伝性腫瘍が疑われた症例に対して、臨床研究とし てmyRiskを施行した。 2019年6月から2020年3月までmyRiskを行った21例のうち、乳癌の既往歴のある19例について検討した。うち6例に病的 変異(BRCA1:4例、MSH6 :1例、TP53:1例)を認め、VUSは13例、11遺伝子に認められた。その中で乳癌のリスクを 増大させる、もしくは増大させる可能性があるものとしてBARD1, BRCA2, CDH1が同定された。 CDH1のVUSが見られた症例は、BRCA1に病的変異が見られ、リスク低減手術やサーベイランスを検討中である。 BARD1,BRCA2にVUSを認めた症例は、現時点で保険上認められたサーベイランス等はなく慎重にフォローアップ中である 。 【まとめ】マルチジーンパネル検査によって得られる情報は多く、中・低浸透率遺伝子病的変異に対するリスク管理ととも に、検査機関によるデータ公開とVUSの継続的な評価は欠かすことができない。病的変異をもつ発症者に対するサーベイラ ンス体制は徐々に整いつつあるが、未発症者に対するリスク管理に続き、VUS保持者に対しても、既往歴や家族を踏まえて 個別に管理を行い、継続的に評価することが重要である。

  • Microsatellite instability in breast cancer patients

    2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    国名:日本国  

  • 乳癌との鑑別を要した骨盤内高悪性度漿液性腺癌乳房転移の2例

    原田由利菜, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 林早織, 島﨑亜希子, 川地眸, 金城和寿, 森瞳美, 大石善丈, 山元英崇, 小田義直, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】全乳房悪性疾患のうち,転移性乳腺腫瘍は0.5~2.0%と報告されており,原発乳癌との鑑別が必要である.また婦人科癌,とくに骨盤内高悪性度漿液性腺癌の乳房転移の報告例はまれであり、本邦では2016年に1例の報告を認めるのみである.婦人科癌と乳癌の関連においては,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC:Hereditary Breast and Ovarian Cancer)も想定した重複癌の鑑別のためにも,乳房腫瘤の病理診断は重要である.今回我々は,乳房内腫瘤の組織生検から判明した骨盤内高悪性度漿液性腺癌の乳房転移の2例を経験したので報告する.【症例】(1) 57歳女性.横行結腸閉塞の所見を認め,人工肛門造設術を施行されたが,閉塞の原因は不明であった.腹腔内及び腸管表面に播種巣と思われる白色小結節が散在していたが,子宮,卵巣に腫瘍を疑う所見は認めなかった.造影CTにて右乳房外側に増強結節を認め,針生検を施行した.免疫染色結果により,女性生殖器由来の高悪性度漿液性腺癌の乳房およびリンパ節転移の診断となった.(2)71歳女性.49歳で直腸キ)タイ發紡个靴督祕盟以・攴錥儻紂53歳で甲状腺濾胞癌に対して右甲状腺部分切除術後,57歳で甲状腺癌肺転移に対して左肺下葉切除術後.フォローCTで腹膜播種,癌性腹膜炎,心嚢液貯留の所見を認めたが,原発巣は不明であった.造影CTにて左乳房に増強結節を認め,針生検を施行した.免疫染色結果により,女性生殖器由来の高悪性度漿液性腺癌の乳房転移の診断となった.【考察】骨盤内高悪性度漿液性腺癌はBRCA1/2遺伝子変異を高頻度に有する癌腫であり,乳房に所見を認める場合,原発乳癌(重複癌)との鑑別が必要になる.本2症例では,いずれも鑑別のために乳房腫瘍の病理組織診断が必須であった.原発乳癌と転移性乳癌では治療法や予後が著しく異なるため,その鑑別が重要であると考えられる.【結語】今回われわれは,極めて稀な骨盤内高悪性度漿液性腺癌の乳房内転移をきたした2例を経験した.HBOCを想定した重複癌と乳房転移との鑑別を慎重に行うべきであると考えられた.

  • 乳癌を契機に判明した胚細胞TP53の新規病的バリアントとLi-Fraumeni症候群への当院の取り組み

    甲斐昌也, 久保真, 鹿田佐和子, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 山田舞, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • 若年性乳癌の早期発見・診断・治療のための「20歳からのブレスト・アウェアネス」の提唱

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利奈, 林早織, 川地眸, 森崎隆史, 森瞳美, 金城和寿, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    本邦における乳癌罹患数はこの5年間で約2倍と増加し、それにともないAYA世代の乳癌患者数も急増している。しかしながら、乳癌検診の推奨は依然として「40歳以上の女性に2年に1度のマンモグラフィ検診」でありAYA世代乳癌患者の早期発見にはつながらない。増加する若年性乳癌患者からは乳癌検診推奨年齢の引き下げの要望が上がっていたり、独自に超音波検査を検診として取り入れている自治体もあるが、35歳以下の乳癌患者は全体の3%未満であり検診対象を40歳未満女性全体に拡大するのは現実的ではない。 一方で乳癌は、他の年齢層に比べ診断時の腫瘍径が大きいが故に腫瘤自覚を主訴に発見されることが多く、非若年性乳癌と比して病期が高いことや予後が悪い傾向にあることが示されており、早期発見の重要性は極めて高い。 当科でも2014年以降乳癌と診断し治療をした20代発症乳癌10例のうち、既往症に伴うエコー検査での偶発発見1例を除く9例が腫瘤自覚であり、30-34歳発症乳癌10例のうち検診発見の1例を除く9例がやはり腫瘤自覚を契機に発見されたものであった。そのうち初診時の腫瘍径がわかっている16症例中14症例がT2以上で、2症例もエコー下で19?と大きな腫瘍径を認めていた。 自己検診は従来から推奨されているが、正確な実践指導が普及しておらず日々の臨床の中で患者の受け入れは容易ではない。しかし、乳房自己触診群に早期乳癌の発見が多く、予後が良好であったという本邦からの既報もあり、自分の乳房のベースの状態を知っておくことで、腫瘤出現時に「変化」として異常を自覚できる可能性は高くなる。 今回我々は、35歳未満発症の乳癌患者の発見契機、画像所見、臨床・病理学的因子、予後、そして遺伝子変異の有無や従来からの発症リスクをまとめ、40歳未満の乳がん罹患者の特徴と自費検診の意義を考察すると共に、20歳からの「自己検診」ではなく「ブレスト・アウェアネス」の提唱、そして40歳以降も2年に一度の検診だけでなくブレスト・アウェアネスと併用した検診受診が重要であることを提唱していきたい。

  • アロマターゼ阻害薬耐性ER+再発乳癌におけるエストロゲン誘発性アポトーシス

    森瞳美, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 金城和寿, 川地眸, Saeki Kohei, Chang Gregory, Chen Shiuan, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【目的】エストロゲンは、ESR1遺伝子でコードされるエストロゲン受容体(ER)αを介して乳癌の増殖を促進する。しかし、ER+乳癌のアロマターゼ阻害薬(AI)耐性に対する予想外の結果として、エストロゲンによる腫瘍抑制効果が報告されている。患者由来異種移植片(PDX)腫瘍、およびそのオルガノイド培養モデルを使用して、エストロゲン誘発性腫瘍退縮の新しいメカニズムを明らかにする。 【方法】AI耐性再発乳癌(脳転移巣, ER+/PR?/HER2?)より、エストロゲンにより増殖が抑制されるPDXモデル(GS3)を確立した。GS3を有するマウスに、エストラジオール(E2)1mgまたはプラセボペレットを移植し、1週間後に腫瘍を回収してシンルグルセルRNAシークエンスおよび解析を行った。さらに、GS3オルガノイドを使用し細胞増殖分析を施行した。 【結果】E2は、PDX腫瘍、オルガノイド両者の成長を阻害した。 GS3のERαおよびERβ遺伝子は野生型で増幅や変異を認めなかった。 オルガノイドのE2+ERα/ERβ拮抗薬治療では、ERα拮抗薬がE2作用を阻害した。 蛋白レベルでは、E2治療後にER, Ki-67の発現が減少し、PRが発現した。 シングルセル解析では、E2およびプラセボ治療後のGS3腫瘍細胞が、それぞれ異なるクラスターに属していた。E2治療後、ER調節遺伝子を発現した細胞の割合が増加したにも関わらず、ESR1+細胞の割合は減少した。さらにG1期に留まる細胞の割合が増加した。またE2がESR1+細胞とESR1?細胞の両方で細胞周期を停止し、ER+乳癌のESR1?細胞に対するエストロゲンの影響が示された。またE2は、腫瘍抑制遺伝子であるIL24を誘導した。IL24+細胞は、IL24?細胞と比較し、G1期に留まる細胞数の割合が増加した。さらにミトコンドリア遺伝子の数が多く、細胞死との関連が示唆された。 GS3は、 間欠的E2治療(4週毎E2 on/off×3)の後にE2耐性を獲得した。E2耐性獲得後、 IL24発現は抑制された。GS3に対する長期(4週間)E2/プラセボ治療後のアポトーシス細胞染色では、E2治療後にアポトーシス細胞数が有意に上昇していた。 【結論】AI耐性ER陽性再発乳癌であるGS3では、E2がERαを介して腫瘍抑制遺伝子IL24を含むER調節遺伝子発現を誘導し、細胞周期を停止した。さらに長期治療ではアポトーシスを誘導した。 今後はエストロゲン治療の対象を見極めるバイオマーカーの特定が必要である。AI耐性腫瘍におけるIL24の発現が、E2治療の効果判定指標となる可能性がある。

  • トリプルネガティブ乳癌における腫瘍浸潤リンパ球とグランザイム B 発現に着目した機能解析

    川地眸, 久保真, 本庄由佳, 原田由利菜, 島﨑亜希子, 林早織, 森瞳美, 山田舞, 金城和寿, 甲斐昌也, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • マルチジーンパネル検査におけるVUSの管理

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 水内祐介, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】 近年、遺伝性腫瘍に対する診療は変化を続けている。コンパニオン診断の必要やがんゲノム医療における多遺伝子パネルの 急速に普及により、遺伝情報を治療や予防へ結びつける時代となりつつある。 生殖細胞系列を対象としたマルチジーンパネル検査は、多くの遺伝子変異を一度に解析するというメリットがある一方で、 病的意義が不明な遺伝子変異(variants of uncertain significance; VUS)の検出率が上昇するというジレンマもある。ま た、現在本邦では、マルチジーンパネル検査は保険収載されていないが、将来世界的な普及に対して準備する必要がある。 我々は、マルチジーンパネル検査であるmyRisk(Myriad Gnetics社)を用いて、乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌、前立腺癌、 膵癌、悪性黒色腫、子宮癌など主要な8つの遺伝性腫瘍に関連する35遺伝子を同時に解析し、発症リスクを包括的に評価し た。 【対象・結果】 がん遺伝子パネルで二次的所見が疑われた症例や、既往歴・家族歴から遺伝性腫瘍が疑われた症例に対して、臨床研究とし てmyRiskを施行した。 2019年6月から2020年3月までmyRiskを行った21例のうち、乳癌の既往歴のある19例について検討した。うち6例に病的 変異(BRCA1:4例、MSH6 :1例、TP53:1例)を認め、VUSは13例、11遺伝子に認められた。その中で乳癌のリスクを 増大させる、もしくは増大させる可能性があるものとしてBARD1, BRCA2, CDH1が同定された。 CDH1のVUSが見られた症例は、BRCA1に病的変異が見られ、リスク低減手術やサーベイランスを検討中である。 BARD1,BRCA2にVUSを認めた症例は、現時点で保険上認められたサーベイランス等はなく慎重にフォローアップ中である 。 【まとめ】マルチジーンパネル検査によって得られる情報は多く、中・低浸透率遺伝子病的変異に対するリスク管理ととも に、検査機関によるデータ公開とVUSの継続的な評価は欠かすことができない。病的変異をもつ発症者に対するサーベイラ ンス体制は徐々に整いつつあるが、未発症者に対するリスク管理に続き、VUS保持者に対しても、既往歴や家族を踏まえて 個別に管理を行い、継続的に評価することが重要である。

  • Microsatellite instability in breast cancer patients

    2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    国名:日本国  

  • 乳癌との鑑別を要した骨盤内高悪性度漿液性腺癌乳房転移の2例

    原田由利菜, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 林早織, 島﨑亜希子, 川地眸, 金城和寿, 森瞳美, 大石善丈, 山元英崇, 小田義直, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【はじめに】全乳房悪性疾患のうち,転移性乳腺腫瘍は0.5~2.0%と報告されており,原発乳癌との鑑別が必要である.また婦人科癌,とくに骨盤内高悪性度漿液性腺癌の乳房転移の報告例はまれであり、本邦では2016年に1例の報告を認めるのみである.婦人科癌と乳癌の関連においては,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC:Hereditary Breast and Ovarian Cancer)も想定した重複癌の鑑別のためにも,乳房腫瘤の病理診断は重要である.今回我々は,乳房内腫瘤の組織生検から判明した骨盤内高悪性度漿液性腺癌の乳房転移の2例を経験したので報告する.【症例】(1) 57歳女性.横行結腸閉塞の所見を認め,人工肛門造設術を施行されたが,閉塞の原因は不明であった.腹腔内及び腸管表面に播種巣と思われる白色小結節が散在していたが,子宮,卵巣に腫瘍を疑う所見は認めなかった.造影CTにて右乳房外側に増強結節を認め,針生検を施行した.免疫染色結果により,女性生殖器由来の高悪性度漿液性腺癌の乳房およびリンパ節転移の診断となった.(2)71歳女性.49歳で直腸キ)タイ發紡个靴督祕盟以・攴錥儻紂53歳で甲状腺濾胞癌に対して右甲状腺部分切除術後,57歳で甲状腺癌肺転移に対して左肺下葉切除術後.フォローCTで腹膜播種,癌性腹膜炎,心嚢液貯留の所見を認めたが,原発巣は不明であった.造影CTにて左乳房に増強結節を認め,針生検を施行した.免疫染色結果により,女性生殖器由来の高悪性度漿液性腺癌の乳房転移の診断となった.【考察】骨盤内高悪性度漿液性腺癌はBRCA1/2遺伝子変異を高頻度に有する癌腫であり,乳房に所見を認める場合,原発乳癌(重複癌)との鑑別が必要になる.本2症例では,いずれも鑑別のために乳房腫瘍の病理組織診断が必須であった.原発乳癌と転移性乳癌では治療法や予後が著しく異なるため,その鑑別が重要であると考えられる.【結語】今回われわれは,極めて稀な骨盤内高悪性度漿液性腺癌の乳房内転移をきたした2例を経験した.HBOCを想定した重複癌と乳房転移との鑑別を慎重に行うべきであると考えられた.

  • 乳癌を契機に判明した胚細胞TP53の新規病的バリアントとLi-Fraumeni症候群への当院の取り組み

    甲斐昌也, 久保真, 鹿田佐和子, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 山田舞, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • 若年性乳癌の早期発見・診断・治療のための「20歳からのブレスト・アウェアネス」の提唱

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利奈, 林早織, 川地眸, 森崎隆史, 森瞳美, 金城和寿, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    本邦における乳癌罹患数はこの5年間で約2倍と増加し、それにともないAYA世代の乳癌患者数も急増している。しかしながら、乳癌検診の推奨は依然として「40歳以上の女性に2年に1度のマンモグラフィ検診」でありAYA世代乳癌患者の早期発見にはつながらない。増加する若年性乳癌患者からは乳癌検診推奨年齢の引き下げの要望が上がっていたり、独自に超音波検査を検診として取り入れている自治体もあるが、35歳以下の乳癌患者は全体の3%未満であり検診対象を40歳未満女性全体に拡大するのは現実的ではない。 一方で乳癌は、他の年齢層に比べ診断時の腫瘍径が大きいが故に腫瘤自覚を主訴に発見されることが多く、非若年性乳癌と比して病期が高いことや予後が悪い傾向にあることが示されており、早期発見の重要性は極めて高い。 当科でも2014年以降乳癌と診断し治療をした20代発症乳癌10例のうち、既往症に伴うエコー検査での偶発発見1例を除く9例が腫瘤自覚であり、30-34歳発症乳癌10例のうち検診発見の1例を除く9例がやはり腫瘤自覚を契機に発見されたものであった。そのうち初診時の腫瘍径がわかっている16症例中14症例がT2以上で、2症例もエコー下で19?と大きな腫瘍径を認めていた。 自己検診は従来から推奨されているが、正確な実践指導が普及しておらず日々の臨床の中で患者の受け入れは容易ではない。しかし、乳房自己触診群に早期乳癌の発見が多く、予後が良好であったという本邦からの既報もあり、自分の乳房のベースの状態を知っておくことで、腫瘤出現時に「変化」として異常を自覚できる可能性は高くなる。 今回我々は、35歳未満発症の乳癌患者の発見契機、画像所見、臨床・病理学的因子、予後、そして遺伝子変異の有無や従来からの発症リスクをまとめ、40歳未満の乳がん罹患者の特徴と自費検診の意義を考察すると共に、20歳からの「自己検診」ではなく「ブレスト・アウェアネス」の提唱、そして40歳以降も2年に一度の検診だけでなくブレスト・アウェアネスと併用した検診受診が重要であることを提唱していきたい。

  • アロマターゼ阻害薬耐性ER+再発乳癌におけるエストロゲン誘発性アポトーシス

    森瞳美, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 金城和寿, 川地眸, Saeki Kohei, Chang Gregory, Chen Shiuan, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    【目的】エストロゲンは、ESR1遺伝子でコードされるエストロゲン受容体(ER)αを介して乳癌の増殖を促進する。しかし、ER+乳癌のアロマターゼ阻害薬(AI)耐性に対する予想外の結果として、エストロゲンによる腫瘍抑制効果が報告されている。患者由来異種移植片(PDX)腫瘍、およびそのオルガノイド培養モデルを使用して、エストロゲン誘発性腫瘍退縮の新しいメカニズムを明らかにする。 【方法】AI耐性再発乳癌(脳転移巣, ER+/PR?/HER2?)より、エストロゲンにより増殖が抑制されるPDXモデル(GS3)を確立した。GS3を有するマウスに、エストラジオール(E2)1mgまたはプラセボペレットを移植し、1週間後に腫瘍を回収してシンルグルセルRNAシークエンスおよび解析を行った。さらに、GS3オルガノイドを使用し細胞増殖分析を施行した。 【結果】E2は、PDX腫瘍、オルガノイド両者の成長を阻害した。 GS3のERαおよびERβ遺伝子は野生型で増幅や変異を認めなかった。 オルガノイドのE2+ERα/ERβ拮抗薬治療では、ERα拮抗薬がE2作用を阻害した。 蛋白レベルでは、E2治療後にER, Ki-67の発現が減少し、PRが発現した。 シングルセル解析では、E2およびプラセボ治療後のGS3腫瘍細胞が、それぞれ異なるクラスターに属していた。E2治療後、ER調節遺伝子を発現した細胞の割合が増加したにも関わらず、ESR1+細胞の割合は減少した。さらにG1期に留まる細胞の割合が増加した。またE2がESR1+細胞とESR1?細胞の両方で細胞周期を停止し、ER+乳癌のESR1?細胞に対するエストロゲンの影響が示された。またE2は、腫瘍抑制遺伝子であるIL24を誘導した。IL24+細胞は、IL24?細胞と比較し、G1期に留まる細胞数の割合が増加した。さらにミトコンドリア遺伝子の数が多く、細胞死との関連が示唆された。 GS3は、 間欠的E2治療(4週毎E2 on/off×3)の後にE2耐性を獲得した。E2耐性獲得後、 IL24発現は抑制された。GS3に対する長期(4週間)E2/プラセボ治療後のアポトーシス細胞染色では、E2治療後にアポトーシス細胞数が有意に上昇していた。 【結論】AI耐性ER陽性再発乳癌であるGS3では、E2がERαを介して腫瘍抑制遺伝子IL24を含むER調節遺伝子発現を誘導し、細胞周期を停止した。さらに長期治療ではアポトーシスを誘導した。 今後はエストロゲン治療の対象を見極めるバイオマーカーの特定が必要である。AI耐性腫瘍におけるIL24の発現が、E2治療の効果判定指標となる可能性がある。

  • トリプルネガティブ乳癌における腫瘍浸潤リンパ球とグランザイム B 発現に着目した機能解析

    川地眸, 久保真, 本庄由佳, 原田由利菜, 島﨑亜希子, 林早織, 森瞳美, 山田舞, 金城和寿, 甲斐昌也, 中村雅史

    第29回日本乳癌学会学術総会  2021年7月 

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    開催年月日: 2021年7月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • HBOCを疑う乳がん既発症者を対象とした新規診療システムにおける取り組みと課題

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 川地眸, 森瞳美, 金城和寿, 水内祐介, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    <背景> 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome、HBOC)に対する検査・診療は、従来年齢や家族歴などからHBOCを疑う場合に自費で行われ来た。2018年HER2 陰性進行再発乳がんに対しオラパリブが保険適応となる過程で、遺伝学的検査も保険適応となったが、遺伝カウンセリング、予防手術、サーベイランス、未発症者への対応など多くの課題が浮き彫りとなった。 2020年4月HBOCを疑う乳がん既発症者に対して、BRCA1/2遺伝学的検査が保険適応となり、HBOCに対しリスク低減乳房切除術・乳房再建術、リスク低減卵管卵巣切除術が保険収載された。今後は、積極的にBRCA遺伝学的検査を提示する機会が増えることが予想されるが、まだその実態は十分に把握できていない。 <対象>2014年4月から2020年8月までの手術症例のうち、乳房悪性腫瘍手術を施行した884名を対象とした。 <結果>884名のうち、新たに遺伝学的検査の基準に該当するのは335名(37.89%)であり、すでに潜在的に多くの患者が存在する。 該当患者には、家族歴のある患者186名(21%)、45歳以下の発症166名(19%)、60歳以下のトリプルネガティブ乳癌47名(5.3%)、2つ以上の原発性乳癌45名(5.1%)卵巣癌既往5名(0.6%)、男性乳癌1名(0.1%)を含み、複数の項目に該当する患者は、84名であった。 <結語> 手術時HBOCを疑う対象は37.89%(335/884)に上った。HBOCが確定した患者に対しては、リスク低減手術、サーベイランスという選択肢を提示できる。 一方で、本人や血縁者の心理的負担を考慮し、遺伝カウンセリングなど慎重な対応が必要である。他医療機関との連携を含め、臨床遺伝医療部を中心に外科・放射線科・産婦人科・病理科によるHBOCチームが発足し、診療科横断的に診療を行う新たな体制作りに取り組んでいる。対象が急増する可能性があり、人材育成は急務である。

  • 遺伝性乳癌卵巣癌症候群におけるTP53遺伝子,PIK3CA遺伝子変異の臨床的意義

    久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 金城和寿, 川地眸, 林早織, 原田由利菜, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    はじめに:本邦でも個々の腫瘍を遺伝子レベルで解析して最適な治療方法を選択する「日本型プレシジョンメディスン」への取り組みが始まったが、検査対象はPerformance statusは保たれつつ標準治療がない転移・再発例に限られる。一方、HER2陽性乳癌は増殖活性が高く腋窩リンパ節転移も高率で予後不良であるが、抗HER2薬の効果が高く術前化学療法に最も適したサブタイプである。また、術前化学療法Non-pCR症例に対する術後治療としてトラスツズマブ・エムタンシンの承認が間近である。次世代シーケンサー(NGS)による多遺伝子パネル検査FoundationOne CDx(F1CDx)のHER2陽性乳癌にける遺伝子変異の解析を基に、乳癌手術に与える影響を検討した。 方法:対象は、すべて女性。進行・再発乳癌もしくは化学療法の先行を必要とするような高悪性度の乳癌計109例に対し、保険収載に先立ち研究としてF1CDxを施行した。 結果:既存のコンパニオン診断(exCDx)でHER2陽性、すなわちHER2/IHC=3+であった20例、HER2/IHC=2+かつFISH陽性だった3例は、F1CDxでHER2遺伝子増幅ありすなわち抗HER2治療適応の判定であった。さらに、exCDxでHER2陰性と診断されていた86例中、F1CDxでHER2遺伝子の増幅を4例、その他の変異を5例に認め、うち8例(7.3%)は抗HER2治療適応との判定であった。 考察:F1CDxはHER2遺伝子増幅による抗HER2療法のコンパニオン診断ツールとしての承認受けているが、本研究における判定結果はexCDxとほぼ一致した。しかし、増幅判定が陰性から陽性へコンバートしたものを4例(3.7%)、治療効果の期待される変異を4例(3.7%)に認め、F1CDxは抗HER2療法の適応を広げる可能性がある。 結語:NGSによる網羅的解析は、抗HER2治療の適応を拡大する可能性がある。HER2陽性乳癌に対しては術前化学療法を用いることが多く、術前にF1CDxを行うことができれば、手術を含めた周術期の治療方針を大きく変える可能性がある。

  • Deep Learning を用いた乳癌 HE 染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究

    原田由利菜, 中津川宗秀, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 岩崎健, 山元英崇, 小田義直, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    【背景】現在AI(Artificial Intelligence)の発達は著しく,とりわけ画像解析の分野において,深層機械学習技術の一つであるDeep Learningが注目されている.Deep Learningを用いた高速・高感度の病理画像解析アルゴリズムを構築し,HE染色標本画像から免疫染色結果を含めた各タンパク発現の予測を行うことで,早期診断・早期治療を実現できると考えた.【目的】デジタル化した乳癌HE画像から,Deep Learning技術を用いER,PgR,Ki67等のタンパク発現を予測するAIを開発し,実際の診断と比較してそのアルゴリズムと精度を検討する.【方法と対象】乳癌HE染色スライドからWSI(Whole Slide Image)画像を作成し,腫瘍部分のHE画像データを教師データとして使用し,HE染色画像におけるER,PgR,Ki67の発現部分の特徴を学習させる.当院において2015年1月から2018年12月までに手術を施行した原発性乳癌症例のうち,WSI画像で明確に腫瘍部分が判別可能であり,かつ必要とする臨床病理学的キ)タシ霾鵑・垢戮涜靴辰討・蝓づ・,罵集緜廟弉椎修任△40症例を教師データに適していると判断し,対象とした.【結果】HE染色画像からER,PgR,Ki67発現を予測するアルゴリズムを構築することに成功した。また、そのアルゴリズムを用いたDeep Learningを開始した。 現段階における学習モデルの精度は,ERで69%,PgRで49%,Ki-67で52%である.【考察と今後の課題】今回の実験結果では,ERが最も高い精度で発現判定が可能であった.これより特にER発現において,HE染色画像にその形態的特徴が強く現れていると考えられる.学習モデルの精度をさらに高めるために,教師データとなる症例数の追加や,アルゴリズムの更なる検討,改善が必要である.病理診断における人的資源や医療経済を温存し,より早い段階でサブタイプを診断できることは,早期の治療開始につながり,患者の精神的・経済的QOL改善をもたらすと考える.【結語】Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究は,乳癌治療の基本となる病理診断において効率化・迅キ)タタ・修僕㌫僂任△襪塙佑┐襦

  • 次世代シーケンサーによる乳癌の遺伝子特性変化の解析

    甲斐昌也, 久保真, 山田舞, 溝口公久, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 金城和寿, 森崎隆史, 森瞳美, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

  • がんゲノム医療時代におけるHER2診断の在り方の検証

    山田舞, 久保真, 金城和寿, 島崎亜希子, 林早織, 川地眸, 甲斐昌也, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    乳癌診療においてもがんゲノム医療はより実用的な実践段階となり、現在は術前の遺伝性乳がん診断や転移性乳癌治療選択の場面で活用されるが、今後原発性乳癌診断の段階においても実用化される可能性が示唆されている。予後不良と考えられていたHER2陽性乳癌の予後は、抗HER2治療薬の画期的な進歩によって大幅に改善したが、治療の根拠となるHER2診断は国内では簡便で安価な免疫染色に基づいて行われていることが多く、依然として予後不良の乳癌症例も少なくない。また、HER2診断ガイドラインが度々更新されることで、診断後時間が経過した症例に対するHER2診断の信憑性も絶対的ではない。 今回我々は、免疫染色に基づくHER2診断によって、どの程度診療に影響があるかを評価し、今後のHER2診断の在り方について検討した。 対象と方法:2009年~2018年に当院で原発性乳癌に対し手術を行い、免疫染色でHER2 2+でFISH検査を行った254例を2014年のHER2ガイドライン改定前131例と改定後123例に分け、改訂前後の診断基準で再評価を行った。 結果:改定前の131症例のうち20症例が改定後にはHER2 3+にGrade upされるが、そのうち1例(0.76%)はFISH陰性で、改訂後であればHER2過剰治療が行われることになる。また、改訂後にHER2 2+としてFISH検査に進んだ123症例のうち5例は改定前であればHER2 1+としてHER2陰性と評価されるが、そのうちの4例(3.3%)はFISH陽性で、再発しても原発時の診断根拠に基づき適切な抗HER2治療薬の恩恵にあずかれない可能性がある。改訂前にHER2 2+であった131例中38.2%の50例が、改訂後の123例中28.8%の28例がFISH陽性であった。 考察:染色程度や染色割合が診断根拠となる免疫染色では、生検など小検体での診断をもとにNACやその後の術後治療を進める可能性の増加が予測される昨今、正確なHER2診断を難しくする可能性がある。ISH検査やNGSなどの活用が今後国内でのHER2診断にも必要となると考えらえる。

  • トリプルネガティブ乳癌における腫瘍組織浸潤リンパ球内のグランザイムB発現に着目した機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 原田由利菜, 島崎亜希子, 山田舞, 中村雅史,

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

  • HBOCを疑う乳がん既発症者を対象とした新規診療システムにおける取り組みと課題

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 川地眸, 森瞳美, 金城和寿, 水内祐介, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    <背景> 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome、HBOC)に対する検査・診療は、従来年齢や家族歴などからHBOCを疑う場合に自費で行われ来た。2018年HER2 陰性進行再発乳がんに対しオラパリブが保険適応となる過程で、遺伝学的検査も保険適応となったが、遺伝カウンセリング、予防手術、サーベイランス、未発症者への対応など多くの課題が浮き彫りとなった。 2020年4月HBOCを疑う乳がん既発症者に対して、BRCA1/2遺伝学的検査が保険適応となり、HBOCに対しリスク低減乳房切除術・乳房再建術、リスク低減卵管卵巣切除術が保険収載された。今後は、積極的にBRCA遺伝学的検査を提示する機会が増えることが予想されるが、まだその実態は十分に把握できていない。 <対象>2014年4月から2020年8月までの手術症例のうち、乳房悪性腫瘍手術を施行した884名を対象とした。 <結果>884名のうち、新たに遺伝学的検査の基準に該当するのは335名(37.89%)であり、すでに潜在的に多くの患者が存在する。 該当患者には、家族歴のある患者186名(21%)、45歳以下の発症166名(19%)、60歳以下のトリプルネガティブ乳癌47名(5.3%)、2つ以上の原発性乳癌45名(5.1%)卵巣癌既往5名(0.6%)、男性乳癌1名(0.1%)を含み、複数の項目に該当する患者は、84名であった。 <結語> 手術時HBOCを疑う対象は37.89%(335/884)に上った。HBOCが確定した患者に対しては、リスク低減手術、サーベイランスという選択肢を提示できる。 一方で、本人や血縁者の心理的負担を考慮し、遺伝カウンセリングなど慎重な対応が必要である。他医療機関との連携を含め、臨床遺伝医療部を中心に外科・放射線科・産婦人科・病理科によるHBOCチームが発足し、診療科横断的に診療を行う新たな体制作りに取り組んでいる。対象が急増する可能性があり、人材育成は急務である。

  • 遺伝性乳癌卵巣癌症候群におけるTP53遺伝子,PIK3CA遺伝子変異の臨床的意義

    久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 金城和寿, 川地眸, 林早織, 原田由利菜, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    はじめに:本邦でも個々の腫瘍を遺伝子レベルで解析して最適な治療方法を選択する「日本型プレシジョンメディスン」への取り組みが始まったが、検査対象はPerformance statusは保たれつつ標準治療がない転移・再発例に限られる。一方、HER2陽性乳癌は増殖活性が高く腋窩リンパ節転移も高率で予後不良であるが、抗HER2薬の効果が高く術前化学療法に最も適したサブタイプである。また、術前化学療法Non-pCR症例に対する術後治療としてトラスツズマブ・エムタンシンの承認が間近である。次世代シーケンサー(NGS)による多遺伝子パネル検査FoundationOne CDx(F1CDx)のHER2陽性乳癌にける遺伝子変異の解析を基に、乳癌手術に与える影響を検討した。 方法:対象は、すべて女性。進行・再発乳癌もしくは化学療法の先行を必要とするような高悪性度の乳癌計109例に対し、保険収載に先立ち研究としてF1CDxを施行した。 結果:既存のコンパニオン診断(exCDx)でHER2陽性、すなわちHER2/IHC=3+であった20例、HER2/IHC=2+かつFISH陽性だった3例は、F1CDxでHER2遺伝子増幅ありすなわち抗HER2治療適応の判定であった。さらに、exCDxでHER2陰性と診断されていた86例中、F1CDxでHER2遺伝子の増幅を4例、その他の変異を5例に認め、うち8例(7.3%)は抗HER2治療適応との判定であった。 考察:F1CDxはHER2遺伝子増幅による抗HER2療法のコンパニオン診断ツールとしての承認受けているが、本研究における判定結果はexCDxとほぼ一致した。しかし、増幅判定が陰性から陽性へコンバートしたものを4例(3.7%)、治療効果の期待される変異を4例(3.7%)に認め、F1CDxは抗HER2療法の適応を広げる可能性がある。 結語:NGSによる網羅的解析は、抗HER2治療の適応を拡大する可能性がある。HER2陽性乳癌に対しては術前化学療法を用いることが多く、術前にF1CDxを行うことができれば、手術を含めた周術期の治療方針を大きく変える可能性がある。

  • Deep Learning を用いた乳癌 HE 染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究

    原田由利菜, 中津川宗秀, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 岩崎健, 山元英崇, 小田義直, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    【背景】現在AI(Artificial Intelligence)の発達は著しく,とりわけ画像解析の分野において,深層機械学習技術の一つであるDeep Learningが注目されている.Deep Learningを用いた高速・高感度の病理画像解析アルゴリズムを構築し,HE染色標本画像から免疫染色結果を含めた各タンパク発現の予測を行うことで,早期診断・早期治療を実現できると考えた.【目的】デジタル化した乳癌HE画像から,Deep Learning技術を用いER,PgR,Ki67等のタンパク発現を予測するAIを開発し,実際の診断と比較してそのアルゴリズムと精度を検討する.【方法と対象】乳癌HE染色スライドからWSI(Whole Slide Image)画像を作成し,腫瘍部分のHE画像データを教師データとして使用し,HE染色画像におけるER,PgR,Ki67の発現部分の特徴を学習させる.当院において2015年1月から2018年12月までに手術を施行した原発性乳癌症例のうち,WSI画像で明確に腫瘍部分が判別可能であり,かつ必要とする臨床病理学的キ)タシ霾鵑・垢戮涜靴辰討・蝓づ・,罵集緜廟弉椎修任△40症例を教師データに適していると判断し,対象とした.【結果】HE染色画像からER,PgR,Ki67発現を予測するアルゴリズムを構築することに成功した。また、そのアルゴリズムを用いたDeep Learningを開始した。 現段階における学習モデルの精度は,ERで69%,PgRで49%,Ki-67で52%である.【考察と今後の課題】今回の実験結果では,ERが最も高い精度で発現判定が可能であった.これより特にER発現において,HE染色画像にその形態的特徴が強く現れていると考えられる.学習モデルの精度をさらに高めるために,教師データとなる症例数の追加や,アルゴリズムの更なる検討,改善が必要である.病理診断における人的資源や医療経済を温存し,より早い段階でサブタイプを診断できることは,早期の治療開始につながり,患者の精神的・経済的QOL改善をもたらすと考える.【結語】Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究は,乳癌治療の基本となる病理診断において効率化・迅キ)タタ・修僕㌫僂任△襪塙佑┐襦

  • 次世代シーケンサーによる乳癌の遺伝子特性変化の解析

    甲斐昌也, 久保真, 山田舞, 溝口公久, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 金城和寿, 森崎隆史, 森瞳美, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

  • がんゲノム医療時代におけるHER2診断の在り方の検証

    山田舞, 久保真, 金城和寿, 島崎亜希子, 林早織, 川地眸, 甲斐昌也, 中村雅史

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

    乳癌診療においてもがんゲノム医療はより実用的な実践段階となり、現在は術前の遺伝性乳がん診断や転移性乳癌治療選択の場面で活用されるが、今後原発性乳癌診断の段階においても実用化される可能性が示唆されている。予後不良と考えられていたHER2陽性乳癌の予後は、抗HER2治療薬の画期的な進歩によって大幅に改善したが、治療の根拠となるHER2診断は国内では簡便で安価な免疫染色に基づいて行われていることが多く、依然として予後不良の乳癌症例も少なくない。また、HER2診断ガイドラインが度々更新されることで、診断後時間が経過した症例に対するHER2診断の信憑性も絶対的ではない。 今回我々は、免疫染色に基づくHER2診断によって、どの程度診療に影響があるかを評価し、今後のHER2診断の在り方について検討した。 対象と方法:2009年~2018年に当院で原発性乳癌に対し手術を行い、免疫染色でHER2 2+でFISH検査を行った254例を2014年のHER2ガイドライン改定前131例と改定後123例に分け、改訂前後の診断基準で再評価を行った。 結果:改定前の131症例のうち20症例が改定後にはHER2 3+にGrade upされるが、そのうち1例(0.76%)はFISH陰性で、改訂後であればHER2過剰治療が行われることになる。また、改訂後にHER2 2+としてFISH検査に進んだ123症例のうち5例は改定前であればHER2 1+としてHER2陰性と評価されるが、そのうちの4例(3.3%)はFISH陽性で、再発しても原発時の診断根拠に基づき適切な抗HER2治療薬の恩恵にあずかれない可能性がある。改訂前にHER2 2+であった131例中38.2%の50例が、改訂後の123例中28.8%の28例がFISH陽性であった。 考察:染色程度や染色割合が診断根拠となる免疫染色では、生検など小検体での診断をもとにNACやその後の術後治療を進める可能性の増加が予測される昨今、正確なHER2診断を難しくする可能性がある。ISH検査やNGSなどの活用が今後国内でのHER2診断にも必要となると考えらえる。

  • トリプルネガティブ乳癌における腫瘍組織浸潤リンパ球内のグランザイムB発現に着目した機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 原田由利菜, 島崎亜希子, 山田舞, 中村雅史,

    第121回日本外科学会定期学術集会  2021年4月 

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    開催年月日: 2021年4月

    開催地:千葉市   国名:日本国  

  • Li-Fraumeni症候群に対するチーム医療

    林早織, 甲斐昌也, 久保真, 鹿田佐和子, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 川地眸, 金城和寿, 山田舞, 中村雅史

    第18回日本乳癌学会九州地方会  2021年3月 

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    開催年月日: 2021年3月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

    背景 遺伝性腫瘍の多くは、胚細胞における遺伝子異常から発生する。従って疾患に対する治療のほかに、サーベイランスやカウンセリングなど、患者への対応は多岐にわたるため、チーム医療が不可欠である。今回我々は、乳癌を契機に診断されたLi-Fraumeni症候群(LFS)患者を経験し、チーム医療としてのあり方を検討した。 症例(20歳代)右乳癌に対し手術+放射線。(2年後) 左乳癌に対し手術。(さらに5年後)右乳房内再発に対し、化学療法の後手術を施行した。家族歴や癌既往歴より、LFSを強く疑われ、当院臨床遺伝医療部でカウンセリングを開始した。本人に遺伝学的検査が行われ、最終的にLi-Fraumeni症候群の診断となった。その結果をうけ、遺伝診療チームで介入し、放射線被曝の回避や乳房再建の是非、サーベイランスのあり方、本人・家族への心理的アプローチ等を議論し、包括的なサポートを行っている。 考察 LFSはがん抑制遺伝?であるTP53病的バリアント保持者に発症する常染?体優性遺伝形式を呈する遺伝性腫瘍である。LFSは、乳癌、??腫、軟部?腫、脳腫瘍等を?頻度に発症する。本症例は、乳癌を契機にLFSと診断され、乳癌治療(乳腺外科)、乳房再建(形成外科)、二次癌スクリーニングの検証(放射線科)等を行った。当院では、遺伝診療部を中心に、定期的なカンファレンスを行っており、対象疾患はLFSやHBOC、リンチ症候群等を含む。チームは、遺伝カウンセラーを中心に、遺伝専門医、乳腺外科、産婦人科、放射線科、形成外科等で構成されている。今後遺伝性疾患に対する保険診療の変化に伴い、遺伝診療においては、チーム医療の重要性がより一層増すことと考えられる。 

  • Li-Fraumeni症候群に対するチーム医療

    林早織, 甲斐昌也, 久保真, 鹿田佐和子, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 川地眸, 金城和寿, 山田舞, 中村雅史

    第18回日本乳癌学会九州地方会  2021年3月 

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    開催年月日: 2021年3月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

    背景 遺伝性腫瘍の多くは、胚細胞における遺伝子異常から発生する。従って疾患に対する治療のほかに、サーベイランスやカウンセリングなど、患者への対応は多岐にわたるため、チーム医療が不可欠である。今回我々は、乳癌を契機に診断されたLi-Fraumeni症候群(LFS)患者を経験し、チーム医療としてのあり方を検討した。 症例(20歳代)右乳癌に対し手術+放射線。(2年後) 左乳癌に対し手術。(さらに5年後)右乳房内再発に対し、化学療法の後手術を施行した。家族歴や癌既往歴より、LFSを強く疑われ、当院臨床遺伝医療部でカウンセリングを開始した。本人に遺伝学的検査が行われ、最終的にLi-Fraumeni症候群の診断となった。その結果をうけ、遺伝診療チームで介入し、放射線被曝の回避や乳房再建の是非、サーベイランスのあり方、本人・家族への心理的アプローチ等を議論し、包括的なサポートを行っている。 考察 LFSはがん抑制遺伝?であるTP53病的バリアント保持者に発症する常染?体優性遺伝形式を呈する遺伝性腫瘍である。LFSは、乳癌、??腫、軟部?腫、脳腫瘍等を?頻度に発症する。本症例は、乳癌を契機にLFSと診断され、乳癌治療(乳腺外科)、乳房再建(形成外科)、二次癌スクリーニングの検証(放射線科)等を行った。当院では、遺伝診療部を中心に、定期的なカンファレンスを行っており、対象疾患はLFSやHBOC、リンチ症候群等を含む。チームは、遺伝カウンセラーを中心に、遺伝専門医、乳腺外科、産婦人科、放射線科、形成外科等で構成されている。今後遺伝性疾患に対する保険診療の変化に伴い、遺伝診療においては、チーム医療の重要性がより一層増すことと考えられる。 

  • BRCA1/2遺伝学的検査の保険適応拡大における当院の体制と現状

    林早織, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    <背景>2020年4月、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)を疑う乳がん患者に対して、コンパニオン診断以外にもBRCA 1/2遺伝学的検査の保険適応が拡大され、検査を施行する機会が増加すると考えられる。 <対象>2014年4月から2020年8月まで当科で施行した手術症例884名を対象として、新たに追加された基準でBRCA1/2遺伝学的検査を受けられる潜在的な患者を調査した。 <結果>該当する患者は335名(37.9%)に上った。そのうち、家族歴あり21%、45歳以下の発症19%、60歳以下のトリプルネガティブ乳癌5.3%、2つ以上の原発性乳癌5.1%、卵巣癌既往0.6%、男性乳癌0.1%であった。 <結語>遺伝学的検査の増加に伴い、HBOCが確定する患者や遺伝カウンセリングの必要性も増加すると考えられる。当院では臨床遺伝医療部を中心にHBOCチームが発足し、各科横断的な診療に取り組んでいる。

  • 術前診断が困難だった乳頭直下腫瘤の一例

    岡部百合菜, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 林早織, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析

    原田由利菜, 中津川宗秀, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 岩崎健, 山元英崇, 小田義直, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 乳腺化生癌に対する科学療法施行例の検討

    高尾由佳, 甲斐昌也, 溝口公久, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 森瞳美, 山田舞, 金城和寿, 久保真, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 20代発症若年性乳癌の早期診断への手がかり

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 林早織, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森崎隆史, 森瞳美, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    乳癌罹患数はこの15年間で約2倍と増加し、それにともないAYA世代の乳癌患者も増加の急増している。 しかしながら、乳癌検診は依然として40歳以上の女性に2年に1度のマンモグラフィ検診が推奨されており、増加する若年性乳癌患者からは乳癌検診推奨年齢の引き下げの要望が上がっていたり、独自に超音波検査を検診として取り入れている自治体もある。若年性乳癌は他の年齢層に比べ診断時の病期が高いことや予後が悪い傾向にあることが示されており、早期発見の重要性は高い。当科で診断、治療をした20代発症乳癌9例の結果から、発見契機、画像所見、臨床・病理学的因子、予後をまとめ、乳がん検診の意義を考察する。

  • 術前診断DCIS症状における術後アップステージの検討

    足達咲紀, 甲斐昌也, 溝口公久, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 森瞳美, 山田舞, 金城和寿, 久保真, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • BRCA1/2遺伝学的検査の保険適応拡大における当院の体制と現状

    林早織, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    <背景>2020年4月、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)を疑う乳がん患者に対して、コンパニオン診断以外にもBRCA 1/2遺伝学的検査の保険適応が拡大され、検査を施行する機会が増加すると考えられる。 <対象>2014年4月から2020年8月まで当科で施行した手術症例884名を対象として、新たに追加された基準でBRCA1/2遺伝学的検査を受けられる潜在的な患者を調査した。 <結果>該当する患者は335名(37.9%)に上った。そのうち、家族歴あり21%、45歳以下の発症19%、60歳以下のトリプルネガティブ乳癌5.3%、2つ以上の原発性乳癌5.1%、卵巣癌既往0.6%、男性乳癌0.1%であった。 <結語>遺伝学的検査の増加に伴い、HBOCが確定する患者や遺伝カウンセリングの必要性も増加すると考えられる。当院では臨床遺伝医療部を中心にHBOCチームが発足し、各科横断的な診療に取り組んでいる。

  • 術前診断が困難だった乳頭直下腫瘤の一例

    岡部百合菜, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 林早織, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森瞳美, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析

    原田由利菜, 中津川宗秀, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 岩崎健, 山元英崇, 小田義直, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 乳腺化生癌に対する科学療法施行例の検討

    高尾由佳, 甲斐昌也, 溝口公久, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 森瞳美, 山田舞, 金城和寿, 久保真, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • 20代発症若年性乳癌の早期診断への手がかり

    山田舞, 久保真, 甲斐昌也, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 林早織, 原田由利菜, 金城和寿, 川地眸, 森崎隆史, 森瞳美, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    乳癌罹患数はこの15年間で約2倍と増加し、それにともないAYA世代の乳癌患者も増加の急増している。 しかしながら、乳癌検診は依然として40歳以上の女性に2年に1度のマンモグラフィ検診が推奨されており、増加する若年性乳癌患者からは乳癌検診推奨年齢の引き下げの要望が上がっていたり、独自に超音波検査を検診として取り入れている自治体もある。若年性乳癌は他の年齢層に比べ診断時の病期が高いことや予後が悪い傾向にあることが示されており、早期発見の重要性は高い。当科で診断、治療をした20代発症乳癌9例の結果から、発見契機、画像所見、臨床・病理学的因子、予後をまとめ、乳がん検診の意義を考察する。

  • 術前診断DCIS症状における術後アップステージの検討

    足達咲紀, 甲斐昌也, 溝口公久, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 森瞳美, 山田舞, 金城和寿, 久保真, 中村雅史

    第57回九州外科学会・第57回九州小児外科学会・第56回九州内分泌外科学会  2021年2月 

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    開催年月日: 2021年2月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

  • HBOCを疑う乳がん既発症者へのBRCA1/2遺伝学的検査の対象拡大における取り組みと課題

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 川地眸, 森瞳美, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 中村雅史

    第24回バイオ治療法研究会学術集会  2020年12月 

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    開催年月日: 2020年12月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    <背景> 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome、HBOC)に対する検査・診療は、従来年齢や家族歴などからHBOCを疑う場合に自費で行われて来た。2018年HER2 陰性進行再発乳がんに対しオラパリブが保険適応となる過程で、遺伝学的検査も保険適応となったが、遺伝カウンセリング、予防手術、サーベイランス、未発症者への対応など多くの課題が浮き彫りとなった。 2020年4月HBOCを疑う乳がん既発症者に対して、BRCA1/2遺伝学的検査が保険適応となり、HBOCに対しリスク低減乳房切除術・乳房再建術、リスク低減卵管卵巣切除術、サーベイランスの乳腺MRI検査が保険収載された。今後は、積極的にBRCA遺伝学的検査を提示する機会が増えることが予想されるが、まだその実態は十分に把握できていない。 <対象>2014年4月から2020年8月までの手術症例のうち、乳房悪性腫瘍手術を施行した884名を対象とした。 <結果>884名のうち、新たに遺伝学的検査の基準に該当するのは335名(37.89%)であった。 該当患者には、家族歴のある患者186名(21%)、45歳以下の発症166名(19%)、60歳以下のトリプルネガティブ乳癌47名(5.3%)、2つ以上の原発性乳癌45名(5.1%)卵巣癌既往5名(0.6%)、男性乳癌1名(0.1%)を含み、複数の項目に該当する患者は、84名であった。 <結語> 手術時HBOCを疑う対象は37.89%(335/884)に上り、すでに潜在的に多くの患者が存在する。HBOCが確定した患者に対しては、リスク低減手術、サーベイランスという選択肢を提示できる。 一方で、本人や血縁者の心理的負担を考慮し、遺伝カウンセリングなど慎重な対応が必要である。他医療機関との連携を含め、臨床遺伝医療部を中心に外科・放射線科・産婦人科・病理科によるHBOCチームが発足し、診療科横断的に診療を行う新たな体制作りに取り組んでいる。BRCA1/2遺伝学的検査の対象が急増する可能性があり、人材育成は急務である。

  • HBOCを疑う乳がん既発症者へのBRCA1/2遺伝学的検査の対象拡大における取り組みと課題

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 高尾由佳, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 川地眸, 森瞳美, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 中村雅史

    第24回バイオ治療法研究会学術集会  2020年12月 

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    開催年月日: 2020年12月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    <背景> 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome、HBOC)に対する検査・診療は、従来年齢や家族歴などからHBOCを疑う場合に自費で行われて来た。2018年HER2 陰性進行再発乳がんに対しオラパリブが保険適応となる過程で、遺伝学的検査も保険適応となったが、遺伝カウンセリング、予防手術、サーベイランス、未発症者への対応など多くの課題が浮き彫りとなった。 2020年4月HBOCを疑う乳がん既発症者に対して、BRCA1/2遺伝学的検査が保険適応となり、HBOCに対しリスク低減乳房切除術・乳房再建術、リスク低減卵管卵巣切除術、サーベイランスの乳腺MRI検査が保険収載された。今後は、積極的にBRCA遺伝学的検査を提示する機会が増えることが予想されるが、まだその実態は十分に把握できていない。 <対象>2014年4月から2020年8月までの手術症例のうち、乳房悪性腫瘍手術を施行した884名を対象とした。 <結果>884名のうち、新たに遺伝学的検査の基準に該当するのは335名(37.89%)であった。 該当患者には、家族歴のある患者186名(21%)、45歳以下の発症166名(19%)、60歳以下のトリプルネガティブ乳癌47名(5.3%)、2つ以上の原発性乳癌45名(5.1%)卵巣癌既往5名(0.6%)、男性乳癌1名(0.1%)を含み、複数の項目に該当する患者は、84名であった。 <結語> 手術時HBOCを疑う対象は37.89%(335/884)に上り、すでに潜在的に多くの患者が存在する。HBOCが確定した患者に対しては、リスク低減手術、サーベイランスという選択肢を提示できる。 一方で、本人や血縁者の心理的負担を考慮し、遺伝カウンセリングなど慎重な対応が必要である。他医療機関との連携を含め、臨床遺伝医療部を中心に外科・放射線科・産婦人科・病理科によるHBOCチームが発足し、診療科横断的に診療を行う新たな体制作りに取り組んでいる。BRCA1/2遺伝学的検査の対象が急増する可能性があり、人材育成は急務である。

  • Impact of risk assessment for hereditary tumors and development of surveillance systems using the multi-gene panel (myRisk)

    2020年11月 

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    開催年月日: 2020年11月 - 2020年12月

    国名:日本国  

  • Impact of risk assessment for hereditary tumors and development of surveillance systems using the multi-gene panel (myRisk)

    2020年11月 

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    開催年月日: 2020年11月 - 2020年12月

    国名:日本国  

  • 遺伝性腫瘍リスク評価における生殖細胞系列遺伝子パネル(myRisk)の意義

    林早織, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 森崎隆史, 金城和寿, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 水内祐介, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    <はじめに>近年、遺伝性腫瘍を取り巻く環境は大きく変貌した。従来、若年、多発、家族歴をキーワードに拾い上げていた時代から、生殖細胞系列遺伝子変異のコンパニオン診断を必須とするオラパリブの登場やがんゲノム医療による二次的所見(SF)を避けて通れない時代となった。今回我々は、がんゲノム遺伝子パネル検査の結果を含む遺伝性腫瘍が疑われたケースに対し、生殖細胞系列遺伝子パネルmyRisk(MR、Myriad社)を用いて遺伝性腫瘍のリスク評価を行った。MRは、乳癌、膵癌、大腸癌、胃癌、卵巣癌、前立腺癌を含む8つの主要な癌腫の35遺伝子を一括して解析し、発症リスク、また家族のリスクを評価して、今後のリスクマネージメントを提示する。<対象>研究・臨床として施行した血液がんを除くがんゲノム遺伝子パネル検査334件のうち、 SFが疑われエキスパートパネル(EP)で結果開示を推奨された4例と、家族歴や既往歴より遺伝性腫瘍を疑った5例を対象とした。<結果>EPでは、米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)推奨の59遺伝子を�� 29M$KSF開示の推奨を行った。計9症例がMRを受け、うち1例を除いて乳癌の既往があり、以下の3例でBRCA1に病的変異を認めた。症例1(c.190T&GT;C):37歳女性、左乳癌術後。母親や叔母3名に乳癌・卵巣癌の家族歴あり。術後1年で診断目的に肺部分切除を施行し、乳癌肺転移の診断となった。症例2(c.188T&GT;A):66歳の女性。膵頭部癌の診断で術前化学療法の後、膵頭十二指腸切除術を施行した。48歳時に左乳癌の既往歴と、叔母3名に乳癌家族歴あり。症例3(c.81-lG&GT;A):64歳女性。右炎症性乳癌に対して、術前化学療法の後切除術を施行した。TACでPDもCBDCAが奏効した。術後約4年が経過し、明らかな再発所見は見られない。49歳時に胃癌の既往歴あり。乳癌・卵巣癌の家族歴なし。<結語>開示すべきSFは、すべてEPで議論され、患者本人および血縁者の健康管理に有益な所見で、病的変異であることが確実であるべきとした。MRを用いて包括的に遺伝性腫瘍のリスクを評価し、その結果に基づいて�� 5!<%Y%$%i%s%9$N$?$a$N3F2JO"7H!"M=KI<j=QBN@)$r9=C[$7<B;\$9$k$3$H$K<h$jAH$s$G$$$k!#

  • 乳癌におけるネオアンチゲン解析の有用性

    久保真, 森崎隆史, 甲斐昌也, 梅林雅代, 島﨑亜希子, 林早織, 原田由利菜, 川地眸, 金城和寿, 倉田加奈子, 森瞳美, 山田舞, 森崎隆, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    <背景と目的>近年、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果を受けて、がん免疫微小環境に注目が集まっている。一方でICIの重篤な副作用を避けつつ、より精密ながん個別化治療に向けて、がんワクチン、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)、キメラ抗原受容体遺伝子を導入したT細胞(CAR-T)など免疫療法の可能性が報告されている。しかしながら、未だ治療法として確立されているものは少ない。近年がんゲノム医療の進歩により、個々のがんが個別に有するがん特異抗原のうち、アミノ酸置換を伴うネオアンチゲン(ネオ抗原)の解析が可能となってきた。今回我々は、新鮮乳癌生検材料を用いたネオ抗原解析と腫瘍微小環境における免疫監視機構に関与する因子の解析を行ったので報告する。<材料と方法>主施設および関連施設において、倫理委員会の承認と患者ICを得た32例の乳癌患者の腫瘍サンプルを対象に、(1)NGSによる全Exome DNA+RNAの解析を行い、アミノ酸置換を伴うと予想されるペプチド及びそれらの発現量やそれぞれの�� Z%W%A%I のHLAクラスI親和性を解析することにより、ネオ抗原プロファイルを作成した。さらに、腫瘍浸潤リンパ球および腫瘍免疫関連分子による免疫微小環境との関連を解析した。また、(2)我々が樹立したTNBC細胞株のネオ抗原を解析し、ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の可能性についても検討した。<結果>(1)遺伝子解析では、アミノ酸置換を伴うネオ抗原数はTNBCでは平均98個、非TNBCで29個とTNBCで多い傾向にあった。ネオ抗原数と遺伝子変異数には正の相関を認めた(P=0.011)。また、遺伝子変異数はTILとPD-L1発現に正の相関を示した。さらに、T細胞活性化マーカーGZMBにも正の相関を認めた(P=0.048)。(2)TNBC株のHLAクラスI高親和性ネオ抗原ペプチド を10種類合成し、自己末梢血単核球に添加し、IFN-&#61543; ELISPOT試験にてネオ抗原反応性リンパ球を解析したところ、2種のペプチドで反応がみられた。そこで単球由来樹状細胞を作成し、反応性ネオ抗原ペプチド をパルスした末梢血単核球と混合培養を行�� $&$3$H$K$h$j:YK&=}32@-T細胞(CTL)の作製を試みた結果、自己腫瘍細胞に傷害性のあるCTLを誘導できた。<結論>乳癌におけるネオ抗原の解析は、がん微小環境の免疫機構を理解する上で重要な情報であった。また今後、ネオ抗原CTL療法などの腫瘍特異的免疫療法の可能性が示された。

  • Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究

    原田由利菜, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 倉田加奈子, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 小田義直, 中津川宗秀, 中村雅史, , ,

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    【背景】現在AI(Artificial Intelligence)の発達は著しく、とりわけ画像解析の分野においてDeep Learningが注目されている。Deep Learningとは機械学習技術の一つであり、現在医療分野においても幅広く使用されている。入力と正解例の関係を示したデータを学習し、予測を行うモデルを構築する。病理診断の分野では、乳癌リンパ節転移の有無を検出する学習アルゴリズムと人間の医師との診断精度を比較したところ、大きな差を認めなかったとする報告がある。この他にも、AIによる画像認識システムの実用化に向けて様々な研究が行われており、世界全体がデジタルパソロジーへと動き始めている。Deep Learningによる画像認識で、HE染色標本画像から免疫染色結果を含めた各タンパク発現を行うことは、病理診断において迅速かつ安価な補助ツールとして有用であると考えた。【目的】デジタル化した乳癌HE画像からER、PgR、Ki67等のタンパク発現を予測する画像解析ソフトを開発し、実際の診断と比較してそのアルゴリズムと精度を検討する。【対象と方法】乳癌HE染色ス�� i%$%I$+$iWSI(Whole Slide Image)画像を作成し、画像解析ソフトを用いてその特徴を解析する。対象は、当院において2015年1月から2018年12月までに手術を施行した原発性乳癌症例10例とした。画像解析ソフトにはあらかじめ教師データを入力し、HE染色画像におけるER、PgR、Ki67の発現部分の特徴を学習させアルゴリズムを開発する。これにより、提示された新たなHE染色画像から、ER、PgR、Ki67発現部分を予測することが可能となる。【考察】乳癌において、免疫染色結果は治療方針決定のために重要である。病理診断における人的資源や医療経済を温存し、より早い段階でサブタイプを診断できることは、早期の治療開始につながり、患者の精神的・経済的QOL改善をもたらすと考える。【結語】Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究は、乳癌治療の基本となる病理診断において効率化・迅速化に有用であると考える。

  • 画像解析ソフトSYNAPSE VINCENTを用いた体脂肪率測定による肥満評価と乳癌発症リスクの検証

    甲斐昌也, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 金城和寿, 川地眸, 倉田加奈子, 山田舞, 野口浩司, 岡部安博, 久保真, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    【背景】肥満と乳癌発症リスクとの関連は複数の研究から報告されている。BMIは身長と体重から算出できる簡便な式であり、肥満の指標として多用される。しかし、多彩な肥満の病態をBMIのみで評価することには限界があり、例えば、筋肉質の高体重もBMIが高くなる等、高BMI=肥満とは言えない場合がある。上述の研究ではBMIを指標にしており、真の肥満の状態を反映しているとは言い難い。他の肥満の指標として体脂肪率があるが、高い内臓脂肪率は様々な病態の原因であるとされている(肥満診療ガイドライン2016)。アロマターゼが脂肪細胞に分布していることから、乳癌発症リスクの評価には体脂肪率を指標にすることが合理的である。本邦でも、乳癌罹患率が増加傾向であり、生活様式の欧米化、即ち肥満と乳癌発症の関連は無視できないものと思われる。肥満と乳癌発症リスクを検証する上で、簡便かつ高精度な評価法の構築が重要である。【目的】肥満指標として体脂肪率に焦点を当て、簡易体脂肪率測定法を確立し、乳癌発症リスクとの関連を検証する。【対象・方法】2015年から2019�� G/$K!"Ev2J$G<j=Q$r;\9T$7$?86H/@-F}4b45<T683例。治療前のCT画像を解析ソフトSYNAPSE VINCENTで腹部(臍部)①皮下脂肪率 ②内蔵脂肪率 ③胸部(乳頭部)皮下脂肪率を算出した。また、健常対照として腎移植ドナー(非担癌)178例を用いた。【結果】乳癌患者は対照群と比較し、全部位での脂肪率が高値であり、特に腹部皮下脂肪は有意に高値であった(乳癌 vs 対照; ①161.0% vs 145.1% ②85.7.2% vs 74.4% ③117.2% vs 98.6%、BMI 23.1 vs 22.1)。閉経後乳癌患者では全部位の脂肪率が有意に高値であった。ホルモン受容体(HR)に関しては、特に閉経後においてHR+群がHR-群と比較し腹部皮下脂肪が有意に高値であった(HR+ vs HR- ; 173.2% vs 151.8%, p=0.043)。【考察】これまでの肥満と乳癌発症リスクに関する研究では、BMIが指標とされてきたが、本研究では、体脂肪率、特に腹部皮下脂肪がより直接的に発症リスクと関連することが明らかになった。また、本解析に使用したSYNAPSE VINCENTによる解析は、簡便かつ客観的�� G$"$j!"3FIt0L$N;iKCN($r;;Dj$9$k$N$KM-MQ$G$"$C$?!#$5$i$KJD7P8e$N%[%k%b%s<uMFBNM[@-F}4b$K$*$$$F$O!"9b$$;iKCN($,F}4bH/>I%j%9%/$K1F6A$rM?$($F$$$k2DG=@-$,$"$k$H9M$($i$l$?!#!Z7k8l![2r@O%=%U%H$rMQ$$$?BN;iKCN($K4p$E$/HnK~EYI>2A$HF}4bH/>I%j%9%/$r8!>Z$7$?!#

  • 稀な遺伝性乳癌であるCowden症候群4例の経験より得られた定期スクリーニングの限界

    山田舞, 久保真, 金城和寿, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 甲斐昌也, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  • トリプルネガティブ乳癌におけるグランザイムBに着目した腫瘍組織浸潤リンパ球の機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 原田由利菜, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 山田舞, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  • トリプルネガティブ乳癌におけるTumor mutational burden解析

    倉田加奈子, 久保真, 川地眸, 原田由利菜, 森崎隆史, 島﨑亜希子, 林早織, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  • 遺伝性腫瘍リスク評価における生殖細胞系列遺伝子パネル(myRisk)の意義

    林早織, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 森崎隆史, 金城和寿, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 水内祐介, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    <はじめに>近年、遺伝性腫瘍を取り巻く環境は大きく変貌した。従来、若年、多発、家族歴をキーワードに拾い上げていた時代から、生殖細胞系列遺伝子変異のコンパニオン診断を必須とするオラパリブの登場やがんゲノム医療による二次的所見(SF)を避けて通れない時代となった。今回我々は、がんゲノム遺伝子パネル検査の結果を含む遺伝性腫瘍が疑われたケースに対し、生殖細胞系列遺伝子パネルmyRisk(MR、Myriad社)を用いて遺伝性腫瘍のリスク評価を行った。MRは、乳癌、膵癌、大腸癌、胃癌、卵巣癌、前立腺癌を含む8つの主要な癌腫の35遺伝子を一括して解析し、発症リスク、また家族のリスクを評価して、今後のリスクマネージメントを提示する。<対象>研究・臨床として施行した血液がんを除くがんゲノム遺伝子パネル検査334件のうち、 SFが疑われエキスパートパネル(EP)で結果開示を推奨された4例と、家族歴や既往歴より遺伝性腫瘍を疑った5例を対象とした。<結果>EPでは、米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)推奨の59遺伝子を�� 29M$KSF開示の推奨を行った。計9症例がMRを受け、うち1例を除いて乳癌の既往があり、以下の3例でBRCA1に病的変異を認めた。症例1(c.190T&GT;C):37歳女性、左乳癌術後。母親や叔母3名に乳癌・卵巣癌の家族歴あり。術後1年で診断目的に肺部分切除を施行し、乳癌肺転移の診断となった。症例2(c.188T&GT;A):66歳の女性。膵頭部癌の診断で術前化学療法の後、膵頭十二指腸切除術を施行した。48歳時に左乳癌の既往歴と、叔母3名に乳癌家族歴あり。症例3(c.81-lG&GT;A):64歳女性。右炎症性乳癌に対して、術前化学療法の後切除術を施行した。TACでPDもCBDCAが奏効した。術後約4年が経過し、明らかな再発所見は見られない。49歳時に胃癌の既往歴あり。乳癌・卵巣癌の家族歴なし。<結語>開示すべきSFは、すべてEPで議論され、患者本人および血縁者の健康管理に有益な所見で、病的変異であることが確実であるべきとした。MRを用いて包括的に遺伝性腫瘍のリスクを評価し、その結果に基づいて�� 5!<%Y%$%i%s%9$N$?$a$N3F2JO"7H!"M=KI<j=QBN@)$r9=C[$7<B;\$9$k$3$H$K<h$jAH$s$G$$$k!#

  • 乳癌におけるネオアンチゲン解析の有用性

    久保真, 森崎隆史, 甲斐昌也, 梅林雅代, 島﨑亜希子, 林早織, 原田由利菜, 川地眸, 金城和寿, 倉田加奈子, 森瞳美, 山田舞, 森崎隆, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    <背景と目的>近年、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果を受けて、がん免疫微小環境に注目が集まっている。一方でICIの重篤な副作用を避けつつ、より精密ながん個別化治療に向けて、がんワクチン、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)、キメラ抗原受容体遺伝子を導入したT細胞(CAR-T)など免疫療法の可能性が報告されている。しかしながら、未だ治療法として確立されているものは少ない。近年がんゲノム医療の進歩により、個々のがんが個別に有するがん特異抗原のうち、アミノ酸置換を伴うネオアンチゲン(ネオ抗原)の解析が可能となってきた。今回我々は、新鮮乳癌生検材料を用いたネオ抗原解析と腫瘍微小環境における免疫監視機構に関与する因子の解析を行ったので報告する。<材料と方法>主施設および関連施設において、倫理委員会の承認と患者ICを得た32例の乳癌患者の腫瘍サンプルを対象に、(1)NGSによる全Exome DNA+RNAの解析を行い、アミノ酸置換を伴うと予想されるペプチド及びそれらの発現量やそれぞれの�� Z%W%A%I のHLAクラスI親和性を解析することにより、ネオ抗原プロファイルを作成した。さらに、腫瘍浸潤リンパ球および腫瘍免疫関連分子による免疫微小環境との関連を解析した。また、(2)我々が樹立したTNBC細胞株のネオ抗原を解析し、ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の可能性についても検討した。<結果>(1)遺伝子解析では、アミノ酸置換を伴うネオ抗原数はTNBCでは平均98個、非TNBCで29個とTNBCで多い傾向にあった。ネオ抗原数と遺伝子変異数には正の相関を認めた(P=0.011)。また、遺伝子変異数はTILとPD-L1発現に正の相関を示した。さらに、T細胞活性化マーカーGZMBにも正の相関を認めた(P=0.048)。(2)TNBC株のHLAクラスI高親和性ネオ抗原ペプチド を10種類合成し、自己末梢血単核球に添加し、IFN-&#61543; ELISPOT試験にてネオ抗原反応性リンパ球を解析したところ、2種のペプチドで反応がみられた。そこで単球由来樹状細胞を作成し、反応性ネオ抗原ペプチド をパルスした末梢血単核球と混合培養を行�� $&$3$H$K$h$j:YK&=}32@-T細胞(CTL)の作製を試みた結果、自己腫瘍細胞に傷害性のあるCTLを誘導できた。<結論>乳癌におけるネオ抗原の解析は、がん微小環境の免疫機構を理解する上で重要な情報であった。また今後、ネオ抗原CTL療法などの腫瘍特異的免疫療法の可能性が示された。

  • Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究

    原田由利菜, 久保真, 甲斐昌也, 山田舞, 森瞳美, 倉田加奈子, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 小田義直, 中津川宗秀, 中村雅史, , ,

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    【背景】現在AI(Artificial Intelligence)の発達は著しく、とりわけ画像解析の分野においてDeep Learningが注目されている。Deep Learningとは機械学習技術の一つであり、現在医療分野においても幅広く使用されている。入力と正解例の関係を示したデータを学習し、予測を行うモデルを構築する。病理診断の分野では、乳癌リンパ節転移の有無を検出する学習アルゴリズムと人間の医師との診断精度を比較したところ、大きな差を認めなかったとする報告がある。この他にも、AIによる画像認識システムの実用化に向けて様々な研究が行われており、世界全体がデジタルパソロジーへと動き始めている。Deep Learningによる画像認識で、HE染色標本画像から免疫染色結果を含めた各タンパク発現を行うことは、病理診断において迅速かつ安価な補助ツールとして有用であると考えた。【目的】デジタル化した乳癌HE画像からER、PgR、Ki67等のタンパク発現を予測する画像解析ソフトを開発し、実際の診断と比較してそのアルゴリズムと精度を検討する。【対象と方法】乳癌HE染色ス�� i%$%I$+$iWSI(Whole Slide Image)画像を作成し、画像解析ソフトを用いてその特徴を解析する。対象は、当院において2015年1月から2018年12月までに手術を施行した原発性乳癌症例10例とした。画像解析ソフトにはあらかじめ教師データを入力し、HE染色画像におけるER、PgR、Ki67の発現部分の特徴を学習させアルゴリズムを開発する。これにより、提示された新たなHE染色画像から、ER、PgR、Ki67発現部分を予測することが可能となる。【考察】乳癌において、免疫染色結果は治療方針決定のために重要である。病理診断における人的資源や医療経済を温存し、より早い段階でサブタイプを診断できることは、早期の治療開始につながり、患者の精神的・経済的QOL改善をもたらすと考える。【結語】Deep Learningを用いた乳癌HE染色画像解析とタンパク発現予測に関する研究は、乳癌治療の基本となる病理診断において効率化・迅速化に有用であると考える。

  • 画像解析ソフトSYNAPSE VINCENTを用いた体脂肪率測定による肥満評価と乳癌発症リスクの検証

    甲斐昌也, 島﨑亜希子, 原田由利菜, 林早織, 金城和寿, 川地眸, 倉田加奈子, 山田舞, 野口浩司, 岡部安博, 久保真, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

    【背景】肥満と乳癌発症リスクとの関連は複数の研究から報告されている。BMIは身長と体重から算出できる簡便な式であり、肥満の指標として多用される。しかし、多彩な肥満の病態をBMIのみで評価することには限界があり、例えば、筋肉質の高体重もBMIが高くなる等、高BMI=肥満とは言えない場合がある。上述の研究ではBMIを指標にしており、真の肥満の状態を反映しているとは言い難い。他の肥満の指標として体脂肪率があるが、高い内臓脂肪率は様々な病態の原因であるとされている(肥満診療ガイドライン2016)。アロマターゼが脂肪細胞に分布していることから、乳癌発症リスクの評価には体脂肪率を指標にすることが合理的である。本邦でも、乳癌罹患率が増加傾向であり、生活様式の欧米化、即ち肥満と乳癌発症の関連は無視できないものと思われる。肥満と乳癌発症リスクを検証する上で、簡便かつ高精度な評価法の構築が重要である。【目的】肥満指標として体脂肪率に焦点を当て、簡易体脂肪率測定法を確立し、乳癌発症リスクとの関連を検証する。【対象・方法】2015年から2019�� G/$K!"Ev2J$G<j=Q$r;\9T$7$?86H/@-F}4b45<T683例。治療前のCT画像を解析ソフトSYNAPSE VINCENTで腹部(臍部)①皮下脂肪率 ②内蔵脂肪率 ③胸部(乳頭部)皮下脂肪率を算出した。また、健常対照として腎移植ドナー(非担癌)178例を用いた。【結果】乳癌患者は対照群と比較し、全部位での脂肪率が高値であり、特に腹部皮下脂肪は有意に高値であった(乳癌 vs 対照; ①161.0% vs 145.1% ②85.7.2% vs 74.4% ③117.2% vs 98.6%、BMI 23.1 vs 22.1)。閉経後乳癌患者では全部位の脂肪率が有意に高値であった。ホルモン受容体(HR)に関しては、特に閉経後においてHR+群がHR-群と比較し腹部皮下脂肪が有意に高値であった(HR+ vs HR- ; 173.2% vs 151.8%, p=0.043)。【考察】これまでの肥満と乳癌発症リスクに関する研究では、BMIが指標とされてきたが、本研究では、体脂肪率、特に腹部皮下脂肪がより直接的に発症リスクと関連することが明らかになった。また、本解析に使用したSYNAPSE VINCENTによる解析は、簡便かつ客観的�� G$"$j!"3FIt0L$N;iKCN($r;;Dj$9$k$N$KM-MQ$G$"$C$?!#$5$i$KJD7P8e$N%[%k%b%s<uMFBNM[@-F}4b$K$*$$$F$O!"9b$$;iKCN($,F}4bH/>I%j%9%/$K1F6A$rM?$($F$$$k2DG=@-$,$"$k$H9M$($i$l$?!#!Z7k8l![2r@O%=%U%H$rMQ$$$?BN;iKCN($K4p$E$/HnK~EYI>2A$HF}4bH/>I%j%9%/$r8!>Z$7$?!#

  • 稀な遺伝性乳癌であるCowden症候群4例の経験より得られた定期スクリーニングの限界

    山田舞, 久保真, 金城和寿, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 甲斐昌也, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  • トリプルネガティブ乳癌におけるグランザイムBに着目した腫瘍組織浸潤リンパ球の機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 原田由利菜, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 山田舞, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  • トリプルネガティブ乳癌におけるTumor mutational burden解析

    倉田加奈子, 久保真, 川地眸, 原田由利菜, 森崎隆史, 島﨑亜希子, 林早織, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 中村雅史

    第28回日本乳癌学会学術総会  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  • 生殖細胞系列遺伝子パネル(myRisk)を用いた遺伝性腫瘍のリスク評価の意義

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 島崎亜希子, 原田由利奈, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 石井加奈子, 大塚隆生, 中村雅史

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    &LT;はじめに&GT;近年、遺伝性腫瘍を取り巻く環境は激変し、生殖細胞系列のコンパニオン診断を必須とするOlaparibの登場やがんゲノム医療による二次的所見を避けて通れない時代に突入した。本邦では、多遺伝子パネル検査としてOncoGuide NCC オンコパネルシステム、FoundationOne CDx (F1)が2019年6月に保険収載され、二次的所見(SF)への対応は大きな問題である。今回我々は、研究として行ったF1の結果から遺伝性腫瘍が疑われた患者に対し、Myriad社最新の生殖細胞系列遺伝子パネルmyRisk (MR)を用いて遺伝性腫瘍のリスク評価を行った。MRは、乳癌、膵癌、大腸癌など8つの癌腫の35遺伝子を一度に解析することが可能である。&LT;対象&GT;F1 を施行した205例は、乳癌109例、大腸癌26例、膵癌17例等の多種の癌腫を含んだ。事前にコンパニオン診断または遺伝性腫瘍の診断として遺伝学的検査を施行していた30例は除外した。&LT;結果&GT;米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACGM)推奨の59遺伝�� ;R$r;29M$KSFの開示を行い、54例に遺伝カウンセリングを施行した。以下の3症例がMRを受け、2例は検討中であるた。&LT;症例1&GT;37歳女性、左乳癌術後。母親や叔母3名に乳癌・卵巣癌の家族歴あり。術後1年で乳癌肺転移の診断となった。&LT;症例2&GT;66歳女性、膵頭部癌。48歳時に左乳癌の既往歴と、叔母3名に乳癌家族歴あり。&LT;症例3&GT;68歳男性、上行結腸癌。母に皮膚癌の家族歴なしあり。それぞれ切除標本(症例1:肺)をF1に提出し、いずれにもSFが疑われた。特に、症例3はMSI-High、免疫染色でMLH1, PMS2の欠損を認め、MSI-HighでありLynch症候群が疑われた。MRにての結果では、症例1, 2はにBRCA1 (症例1:c.190T&GT;C、症例2:c.188T&GT;A)にの病的変異 (1:c.190T&GT;C、2:c.188T&GT;A)を認め、症例3には病的変異を認めなかった。&LT;結語&GT;開示すべきSFは、患者本人および血縁者に有益で、確実な病的変異であるべきである。し�� ?$,$C$F!"?.Mj@-$N9b$$MRを用いて包括的に遺伝性腫瘍のリスクを評価するとともにことは重要で、さらに現在各科横断的にサーベイランス体制を構築すべく現在取り組んでいる。

  • マルチプレックス遺伝子パネルFoundationOne CDxが変えるHER2陽性乳癌の周術期治療

    久保真, 川地眸, 甲斐昌也, 山田舞, 倉田加奈子, 森 瞳美, 金城和寿, 本山由利菜, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 沖英次, 中村雅史, ,

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    はじめに:本邦でも個々の腫瘍を遺伝子レベルで解析して最適な治療方法を選択する「日本型プレシジョンメディスン」への取り組みが始まったが、検査対象はPerformance statusは保たれつつ標準治療がない転移・再発例に限られる。一方、HER2陽性乳癌は増殖活性が高く腋窩リンパ節転移も高率で予後不良であるが、抗HER2薬の効果が高く術前化学療法に最も適したサブタイプである。また、術前化学療法Non-pCR症例に対する術後治療としてトラスツズマブ・エムタンシンの承認が間近である。次世代シーケンサー(NGS)による多遺伝子パネル検査FoundationOne CDx(F1CDx)のHER2陽性乳癌にける遺伝子変異の解析を基に、乳癌手術に与える影響を検討した。方法:対象は、すべて女性。進行・再発乳癌もしくは化学療法の先行を必要とするような高悪性度の乳癌計109例に対し、保険収載に先立ち研究としてF1CDxを施行した。結果:既存のコンパニオン診断(exCDx)でHER2陽性、すなわちHER2/IHC=3+であった20例、HER2/IHC=2+かつFISH陽性だっ�� ?3例は、F1CDxでHER2遺伝子増幅ありすなわち抗HER2治療適応の判定であった。さらに、exCDxでHER2陰性と診断されていた86例中、F1CDxでHER2遺伝子の増幅を4例、その他の変異を5例に認め、うち8例(7.3%)は抗HER2治療適応との判定であった。考察:F1CDxはHER2遺伝子増幅による抗HER2療法のコンパニオン診断ツールとしての承認受けているが、本研究における判定結果はexCDxとほぼ一致した。しかし、増幅判定が陰性から陽性へコンバートしたものを4例(3.7%)、治療効果の期待される変異を4例(3.7%)に認め、F1CDxは抗HER2療法の適応を広げる可能性がある。結語:NGSによる網羅的解析は、抗HER2治療の適応を拡大する可能性がある。HER2陽性乳癌に対しては術前化学療法を用いることが多く、術前にF1CDxを行うことができれば、手術を含めた周術期の治療方針を大きく変える可能性がある。

  • 乳癌術後サーベイランスの検証

    甲斐昌也, 久保真, 島崎亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 倉田加奈子, 金城和寿, 森瞳美, 山田舞, 中村雅史

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    背景: 乳癌術後再発を早期発見・治療しても、生存期間の延長には寄与しないことが報告されている。一方、症状出現時にはPS低下の為、治療が困難なことがあり、無症状時の検査による早期発見・治療がQOL維持のために有用な状況も考えられる。また、昨今、再発治療目的のコンパニオン診断として遺伝子検査が保険適応となったが、再発予測ツールとしての意義はまだ不明である。今回我々は、乳癌術後の各種検査および早期発見の意義について検証した。 対象・方法: 2001年~2019年に当科で手術施行したStage 0-IIIの原発乳癌1726例中、予後が追跡できた再発症例81例。検査は、3か月~半年毎の腫瘍マーカーを含む血液検査、1年ごとのCT、マンモグラフィ、骨シンチグラフィを行った。またnext generation sequencing(NGS)で遺伝子解析を行った。 結果:DFI中央値は31.1か月であった。再発初発部位としてはリンパ節、骨、肺、肝の順で、有症状再発は31例(37%)であった。特に脳転移は7例中6例が症状を契機に発�� +$5$l$?!#L5>I>uNc$G$O<pag%^!<%+!<$NJQ2=$r7@5!$KH/8+$5$l$?>INc$O12例(23.5%)、定期的な画像検査39例(76.5%)であった。再発から死亡までの期間は症状の有無で有意差は認めなかった(22.8 ヵ月vs 29.8ヵ月、p=0.38)が、有症状の脳転移例は、QOLの低下を認める例があった。遺伝子解析では、再発例は非再発例と比較しTP53変異が有意に高く見られ(72.7% vs 3.5%)、次いでPIK3CA、RAD2、PTEN変異を高頻度に認めた。 考察:ASCOのガイドラインでは、再発早期発見目的の画像・血液検査を行う根拠は不十分とされ、本解析でも、無症状時の検査は予後の改善に寄与しなかった。脳転移も他の転移形式と同程度の予後であったが、QOL維持の点では、早期発見・治療の意義があると考えられた。遺伝子解析では、一部の変異と再発リスクの関連が示唆されたが、再発予測ツールとしての意義については、さらに多角的な研究が必要と考えられた。

  • 乳癌におけるがん遺伝子パネル検査による網羅的遺伝子解析の意義

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 原田由利菜, 島崎亜希子, 林早織, 山田舞, 金城和寿, 沖英次, 中村雅史

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • 生殖細胞系列遺伝子パネル(myRisk)を用いた遺伝性腫瘍のリスク評価の意義

    林早織, 久保真, 鹿田佐和子, 島崎亜希子, 原田由利奈, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 石井加奈子, 大塚隆生, 中村雅史

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    &LT;はじめに&GT;近年、遺伝性腫瘍を取り巻く環境は激変し、生殖細胞系列のコンパニオン診断を必須とするOlaparibの登場やがんゲノム医療による二次的所見を避けて通れない時代に突入した。本邦では、多遺伝子パネル検査としてOncoGuide NCC オンコパネルシステム、FoundationOne CDx (F1)が2019年6月に保険収載され、二次的所見(SF)への対応は大きな問題である。今回我々は、研究として行ったF1の結果から遺伝性腫瘍が疑われた患者に対し、Myriad社最新の生殖細胞系列遺伝子パネルmyRisk (MR)を用いて遺伝性腫瘍のリスク評価を行った。MRは、乳癌、膵癌、大腸癌など8つの癌腫の35遺伝子を一度に解析することが可能である。&LT;対象&GT;F1 を施行した205例は、乳癌109例、大腸癌26例、膵癌17例等の多種の癌腫を含んだ。事前にコンパニオン診断または遺伝性腫瘍の診断として遺伝学的検査を施行していた30例は除外した。&LT;結果&GT;米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACGM)推奨の59遺伝�� ;R$r;29M$KSFの開示を行い、54例に遺伝カウンセリングを施行した。以下の3症例がMRを受け、2例は検討中であるた。&LT;症例1&GT;37歳女性、左乳癌術後。母親や叔母3名に乳癌・卵巣癌の家族歴あり。術後1年で乳癌肺転移の診断となった。&LT;症例2&GT;66歳女性、膵頭部癌。48歳時に左乳癌の既往歴と、叔母3名に乳癌家族歴あり。&LT;症例3&GT;68歳男性、上行結腸癌。母に皮膚癌の家族歴なしあり。それぞれ切除標本(症例1:肺)をF1に提出し、いずれにもSFが疑われた。特に、症例3はMSI-High、免疫染色でMLH1, PMS2の欠損を認め、MSI-HighでありLynch症候群が疑われた。MRにての結果では、症例1, 2はにBRCA1 (症例1:c.190T&GT;C、症例2:c.188T&GT;A)にの病的変異 (1:c.190T&GT;C、2:c.188T&GT;A)を認め、症例3には病的変異を認めなかった。&LT;結語&GT;開示すべきSFは、患者本人および血縁者に有益で、確実な病的変異であるべきである。し�� ?$,$C$F!"?.Mj@-$N9b$$MRを用いて包括的に遺伝性腫瘍のリスクを評価するとともにことは重要で、さらに現在各科横断的にサーベイランス体制を構築すべく現在取り組んでいる。

  • マルチプレックス遺伝子パネルFoundationOne CDxが変えるHER2陽性乳癌の周術期治療

    久保真, 川地眸, 甲斐昌也, 山田舞, 倉田加奈子, 森 瞳美, 金城和寿, 本山由利菜, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 沖英次, 中村雅史, ,

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    はじめに:本邦でも個々の腫瘍を遺伝子レベルで解析して最適な治療方法を選択する「日本型プレシジョンメディスン」への取り組みが始まったが、検査対象はPerformance statusは保たれつつ標準治療がない転移・再発例に限られる。一方、HER2陽性乳癌は増殖活性が高く腋窩リンパ節転移も高率で予後不良であるが、抗HER2薬の効果が高く術前化学療法に最も適したサブタイプである。また、術前化学療法Non-pCR症例に対する術後治療としてトラスツズマブ・エムタンシンの承認が間近である。次世代シーケンサー(NGS)による多遺伝子パネル検査FoundationOne CDx(F1CDx)のHER2陽性乳癌にける遺伝子変異の解析を基に、乳癌手術に与える影響を検討した。方法:対象は、すべて女性。進行・再発乳癌もしくは化学療法の先行を必要とするような高悪性度の乳癌計109例に対し、保険収載に先立ち研究としてF1CDxを施行した。結果:既存のコンパニオン診断(exCDx)でHER2陽性、すなわちHER2/IHC=3+であった20例、HER2/IHC=2+かつFISH陽性だっ�� ?3例は、F1CDxでHER2遺伝子増幅ありすなわち抗HER2治療適応の判定であった。さらに、exCDxでHER2陰性と診断されていた86例中、F1CDxでHER2遺伝子の増幅を4例、その他の変異を5例に認め、うち8例(7.3%)は抗HER2治療適応との判定であった。考察:F1CDxはHER2遺伝子増幅による抗HER2療法のコンパニオン診断ツールとしての承認受けているが、本研究における判定結果はexCDxとほぼ一致した。しかし、増幅判定が陰性から陽性へコンバートしたものを4例(3.7%)、治療効果の期待される変異を4例(3.7%)に認め、F1CDxは抗HER2療法の適応を広げる可能性がある。結語:NGSによる網羅的解析は、抗HER2治療の適応を拡大する可能性がある。HER2陽性乳癌に対しては術前化学療法を用いることが多く、術前にF1CDxを行うことができれば、手術を含めた周術期の治療方針を大きく変える可能性がある。

  • 乳癌術後サーベイランスの検証

    甲斐昌也, 久保真, 島崎亜希子, 原田由利菜, 林早織, 川地眸, 倉田加奈子, 金城和寿, 森瞳美, 山田舞, 中村雅史

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

    背景: 乳癌術後再発を早期発見・治療しても、生存期間の延長には寄与しないことが報告されている。一方、症状出現時にはPS低下の為、治療が困難なことがあり、無症状時の検査による早期発見・治療がQOL維持のために有用な状況も考えられる。また、昨今、再発治療目的のコンパニオン診断として遺伝子検査が保険適応となったが、再発予測ツールとしての意義はまだ不明である。今回我々は、乳癌術後の各種検査および早期発見の意義について検証した。 対象・方法: 2001年~2019年に当科で手術施行したStage 0-IIIの原発乳癌1726例中、予後が追跡できた再発症例81例。検査は、3か月~半年毎の腫瘍マーカーを含む血液検査、1年ごとのCT、マンモグラフィ、骨シンチグラフィを行った。またnext generation sequencing(NGS)で遺伝子解析を行った。 結果:DFI中央値は31.1か月であった。再発初発部位としてはリンパ節、骨、肺、肝の順で、有症状再発は31例(37%)であった。特に脳転移は7例中6例が症状を契機に発�� +$5$l$?!#L5>I>uNc$G$O<pag%^!<%+!<$NJQ2=$r7@5!$KH/8+$5$l$?>INc$O12例(23.5%)、定期的な画像検査39例(76.5%)であった。再発から死亡までの期間は症状の有無で有意差は認めなかった(22.8 ヵ月vs 29.8ヵ月、p=0.38)が、有症状の脳転移例は、QOLの低下を認める例があった。遺伝子解析では、再発例は非再発例と比較しTP53変異が有意に高く見られ(72.7% vs 3.5%)、次いでPIK3CA、RAD2、PTEN変異を高頻度に認めた。 考察:ASCOのガイドラインでは、再発早期発見目的の画像・血液検査を行う根拠は不十分とされ、本解析でも、無症状時の検査は予後の改善に寄与しなかった。脳転移も他の転移形式と同程度の予後であったが、QOL維持の点では、早期発見・治療の意義があると考えられた。遺伝子解析では、一部の変異と再発リスクの関連が示唆されたが、再発予測ツールとしての意義については、さらに多角的な研究が必要と考えられた。

  • 乳癌におけるがん遺伝子パネル検査による網羅的遺伝子解析の意義

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 原田由利菜, 島崎亜希子, 林早織, 山田舞, 金城和寿, 沖英次, 中村雅史

    第120回日本外科学会定期学術集会  2020年8月 

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    開催年月日: 2020年8月

    開催地:横浜市   国名:日本国  

  • 次世代シーケンサーを用いたトリプルネガティブ乳癌におけるTumor mutational burdenの解析

    倉田加奈子, 久保真, 川地眸, 原田由利菜, 森崎隆史, 島崎亜希子, 林早織, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 中村雅史

    第26回日本乳腺疾患研究会  2020年2月 

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    開催年月日: 2020年2月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

    【はじめに】多種の固形癌に対し免疫チェックポイント阻害剤が治療効果を示し、MSIやTMBがバイオマーカーとなることが報告されている。しかし、乳癌ではTMBに関して一定の見解が得られていない。今回、FDAによりBreakthrough device として承認されたNGSによるTruSightOncology 500panel(TSO500,Illumina)を用いて、難治性であるTNBCのTMBを解析し、臨床病理学的因子との関係性を評価した。【対象・方法】2008年~2014年に切除術を施行したTNBC30例を対象とした。手術標本を用いてTSO500によりTMBを測定した。TMBは523遺伝子を評価し、low(1-5mut/Mb)、intermediate(int, 6-19mut/Mb)、high(&#8805;20mut/Mb)に分類した。【結果】TMBの中央値は8.56mut/Mb(2.35-14.22)。TMB-low:8例(26.7%)、-int:22例(73.3%)、-high:0例であった。int群はNG3:72.7%、Ki-67&#8805;20%:77.3%であり、low群(NG3:37.5%、Ki-67&#8805;20%:37.5%)�� HHf3S$70-@-EY$,9b$+$C$?!#low群では再発例や死亡例を認めなかったが、int群のうち6例が5年以内に再発し、3例が死亡した。また、int群のうち術後補助化学療法にアンスラサイクリン系を使用した症例は、不使用例より予後良好であった。【まとめ】TNBCにおいてTMB高値はNGやKi-67高値と関係しており、予後不良因子、アンスラサイクリン系薬剤の効果予測因子となる可能性が示唆された。NGSによるTMBの測定は、治療戦略をサポートする可能性があると考えられる。

  • 遺伝子パネル検査FoundationOne CDx&#174;を用いた乳癌ゲノム医療

    川地眸, 久保真, 倉田加奈子, 甲斐昌也, 山田舞, 金城和寿, 本山由利菜, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 中村雅史

    第26回日本乳腺疾患研究会  2020年2月 

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    開催年月日: 2020年2月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • 次世代シーケンサーを用いたトリプルネガティブ乳癌におけるTumor mutational burdenの解析

    倉田加奈子, 久保真, 川地眸, 原田由利菜, 森崎隆史, 島崎亜希子, 林早織, 金城和寿, 山田舞, 甲斐昌也, 中村雅史

    第26回日本乳腺疾患研究会  2020年2月 

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    開催年月日: 2020年2月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

    【はじめに】多種の固形癌に対し免疫チェックポイント阻害剤が治療効果を示し、MSIやTMBがバイオマーカーとなることが報告されている。しかし、乳癌ではTMBに関して一定の見解が得られていない。今回、FDAによりBreakthrough device として承認されたNGSによるTruSightOncology 500panel(TSO500,Illumina)を用いて、難治性であるTNBCのTMBを解析し、臨床病理学的因子との関係性を評価した。【対象・方法】2008年~2014年に切除術を施行したTNBC30例を対象とした。手術標本を用いてTSO500によりTMBを測定した。TMBは523遺伝子を評価し、low(1-5mut/Mb)、intermediate(int, 6-19mut/Mb)、high(&#8805;20mut/Mb)に分類した。【結果】TMBの中央値は8.56mut/Mb(2.35-14.22)。TMB-low:8例(26.7%)、-int:22例(73.3%)、-high:0例であった。int群はNG3:72.7%、Ki-67&#8805;20%:77.3%であり、low群(NG3:37.5%、Ki-67&#8805;20%:37.5%)�� HHf3S$70-@-EY$,9b$+$C$?!#low群では再発例や死亡例を認めなかったが、int群のうち6例が5年以内に再発し、3例が死亡した。また、int群のうち術後補助化学療法にアンスラサイクリン系を使用した症例は、不使用例より予後良好であった。【まとめ】TNBCにおいてTMB高値はNGやKi-67高値と関係しており、予後不良因子、アンスラサイクリン系薬剤の効果予測因子となる可能性が示唆された。NGSによるTMBの測定は、治療戦略をサポートする可能性があると考えられる。

  • 遺伝子パネル検査FoundationOne CDx&#174;を用いた乳癌ゲノム医療

    川地眸, 久保真, 倉田加奈子, 甲斐昌也, 山田舞, 金城和寿, 本山由利菜, 林早織, 島﨑亜希子, 森崎隆史, 中村雅史

    第26回日本乳腺疾患研究会  2020年2月 

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    開催年月日: 2020年2月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • Tumor Mutational Burden in Japanese Patients with Triple Negative Breast Cancer 国際会議

    Kurata K, Kubo M, Yuan Y, Harada Y, Takafumi morisaki, Shimazaki A, Hayashi S, Kawaji H, Kaneshiro K, Yamada M, Kai M, Nakamura M

    The 42nd San Antonio Breast Cancer Symposium  2019年12月 

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    開催年月日: 2019年12月

  • PD-L1 expression of tumor infiltrating immune cells has potential as a biomarker in triple-negative breast cancers 国際会議

    Harada Y, Kubo M, Mori H, Kai M, Yamada M, Kurata K, Kawaji H, Kaneshiro K, Hayashi S, Shimazaki A, Takafumi morisaki, Yamaguchi R, Arima N, Nishimura R, Okido M, Nakamura M

    The 42nd San Antonio Breast Cancer Symposium  2019年12月 

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    開催年月日: 2019年12月

  • A prospective evaluation of comprehensive tumor profiling busing a targeted Next-generation sequencing for Japanese breast cancer patients 国際会議

    Kawaji H, Kubo M, Yamashita N, Harada Y, Shimazaki A, Hayashi S, Kurata K, Yamada M, Kaneshiro K, Kai M, Baba E, Oda Y, Nakamura M,

    The 42nd San Antonio Breast Cancer Symposium  2019年12月 

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    開催年月日: 2019年12月

  • Tumor Mutational Burden in Japanese Patients with Triple Negative Breast Cancer 国際会議

    Kurata K, Kubo M, Yuan Y, Harada Y, Takafumi morisaki, Shimazaki A, Hayashi S, Kawaji H, Kaneshiro K, Yamada M, Kai M, Nakamura M

    The 42nd San Antonio Breast Cancer Symposium  2019年12月 

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    開催年月日: 2019年12月

  • PD-L1 expression of tumor infiltrating immune cells has potential as a biomarker in triple-negative breast cancers 国際会議

    Harada Y, Kubo M, Mori H, Kai M, Yamada M, Kurata K, Kawaji H, Kaneshiro K, Hayashi S, Shimazaki A, Takafumi morisaki, Yamaguchi R, Arima N, Nishimura R, Okido M, Nakamura M

    The 42nd San Antonio Breast Cancer Symposium  2019年12月 

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    開催年月日: 2019年12月

  • A prospective evaluation of comprehensive tumor profiling busing a targeted Next-generation sequencing for Japanese breast cancer patients 国際会議

    Kawaji H, Kubo M, Yamashita N, Harada Y, Shimazaki A, Hayashi S, Kurata K, Yamada M, Kaneshiro K, Kai M, Baba E, Oda Y, Nakamura M,

    The 42nd San Antonio Breast Cancer Symposium  2019年12月 

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    開催年月日: 2019年12月

  • 乳癌におけるネオアンチゲン解析の意義

    森崎隆史, 久保真, 梅林雅代, 吉村祥子, 川地眸, 倉田加奈子, 金城和寿, 森瞳美, 山田舞, 林早織, 本山由利菜, 甲斐昌也, 中村雅史, 森崎隆

    第32回日本バイオセラピィ学会学術集会総会  2019年11月 

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    開催年月日: 2019年11月

    開催地:岡山市   国名:日本国  

    乳癌におけるネオアンチゲン解析の意義(背景と目的)多発転移を有する進行乳癌の治療においては、手術や放射線の果たす役割はきわめて限定的であり、種々の薬物療法も次第に耐性となるため、新たな治療法の開発が望まれる。近年、癌治療における免疫療法の可能性が多く報告されてきているが、未だ治療法として確立されているものは少ない。一方、癌ゲノム医療の進歩により、個々の乳癌が有するがん特異抗原のうち、アミノ酸置換を伴うネオアンチゲン(ネオ抗原)の解析が可能となってきた。我々は現在、新鮮乳癌生検材料を用いたネオ抗原解析と腫瘍微小環境における腫瘍浸潤リンパ球の解析を行い、進行乳癌に対するネオ抗原特異的免疫療法の可能性を検討しているので報告する。(材料と方法)九州大学第一外科および関連医療施設において、倫理委員会の承認と患者ICを得た16例の乳癌患者の新鮮腫瘍生検材料を用いてNGSによる全Exome DNA+RNAの解析を行い、アミノ酸置換を伴う予想されるペプチド及びそれらの発現量、更にそれぞれのペプチド のHLAクラスI親和性を解析することに�� $h$j!"%M%*%"%s%A%2%s%W%m%U%!%$%k$r:n@.$7$?!#0lJ}$G!"8例について解析に用いた生検組織のFFPEを用いて免疫染色を行い、腫瘍浸潤リンパ球および腫瘍免疫関連分子を中心とした免疫微小環境を解析した。癌性腹水由来腫瘍細胞と末梢血単核球を得られたTNBCの症例においてネオ抗原ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の可能性についても検討した。(結果)遺伝子解析では、アミノ酸置換を伴うネオ抗原数はTNBCでは平均98個、非TNBCで29個とTNBCで多い傾向にあった。我々が樹立したTNBC株の1例で、HLAクラスI高親和性ネオ抗原ペプチド を10種類合成し、その患者の末梢血単核球に加え、IFN-&#61543; ELISPOT試験にてネオ抗原反応性リンパ球を解析したところ、2種のペプチドで反応がみられた。そこで単球由来樹状細胞を作成し、反応性ネオ抗原ペプチド をパルスし末梢血リンパ球と混合培養を行うことによりCTL作成を試みた結果、自己腫瘍細胞に傷害性のあるCTLを誘導することが可能であった。(結論)進行乳癌におけるネオ抗原の解析は、今後の腫瘍特異的免疫�� NEK!$N3+H/$K=EMW$G$"$k$H$H$b$K!"%M%*9386%Z%W%A%I<y>u:YK&%o%/%A%s$d%M%*9386CTL療法の可能性が示唆された。

  • 乳癌におけるネオアンチゲン解析の意義

    森崎隆史, 久保真, 梅林雅代, 吉村祥子, 川地眸, 倉田加奈子, 金城和寿, 森瞳美, 山田舞, 林早織, 本山由利菜, 甲斐昌也, 中村雅史, 森崎隆

    第32回日本バイオセラピィ学会学術集会総会  2019年11月 

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    開催年月日: 2019年11月

    開催地:岡山市   国名:日本国  

    乳癌におけるネオアンチゲン解析の意義(背景と目的)多発転移を有する進行乳癌の治療においては、手術や放射線の果たす役割はきわめて限定的であり、種々の薬物療法も次第に耐性となるため、新たな治療法の開発が望まれる。近年、癌治療における免疫療法の可能性が多く報告されてきているが、未だ治療法として確立されているものは少ない。一方、癌ゲノム医療の進歩により、個々の乳癌が有するがん特異抗原のうち、アミノ酸置換を伴うネオアンチゲン(ネオ抗原)の解析が可能となってきた。我々は現在、新鮮乳癌生検材料を用いたネオ抗原解析と腫瘍微小環境における腫瘍浸潤リンパ球の解析を行い、進行乳癌に対するネオ抗原特異的免疫療法の可能性を検討しているので報告する。(材料と方法)九州大学第一外科および関連医療施設において、倫理委員会の承認と患者ICを得た16例の乳癌患者の新鮮腫瘍生検材料を用いてNGSによる全Exome DNA+RNAの解析を行い、アミノ酸置換を伴う予想されるペプチド及びそれらの発現量、更にそれぞれのペプチド のHLAクラスI親和性を解析することに�� $h$j!"%M%*%"%s%A%2%s%W%m%U%!%$%k$r:n@.$7$?!#0lJ}$G!"8例について解析に用いた生検組織のFFPEを用いて免疫染色を行い、腫瘍浸潤リンパ球および腫瘍免疫関連分子を中心とした免疫微小環境を解析した。癌性腹水由来腫瘍細胞と末梢血単核球を得られたTNBCの症例においてネオ抗原ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の可能性についても検討した。(結果)遺伝子解析では、アミノ酸置換を伴うネオ抗原数はTNBCでは平均98個、非TNBCで29個とTNBCで多い傾向にあった。我々が樹立したTNBC株の1例で、HLAクラスI高親和性ネオ抗原ペプチド を10種類合成し、その患者の末梢血単核球に加え、IFN-&#61543; ELISPOT試験にてネオ抗原反応性リンパ球を解析したところ、2種のペプチドで反応がみられた。そこで単球由来樹状細胞を作成し、反応性ネオ抗原ペプチド をパルスし末梢血リンパ球と混合培養を行うことによりCTL作成を試みた結果、自己腫瘍細胞に傷害性のあるCTLを誘導することが可能であった。(結論)進行乳癌におけるネオ抗原の解析は、今後の腫瘍特異的免疫�� NEK!$N3+H/$K=EMW$G$"$k$H$H$b$K!"%M%*9386%Z%W%A%I<y>u:YK&%o%/%A%s$d%M%*9386CTL療法の可能性が示唆された。

  • マルチプレックス遺伝子パネルFoundationOne CDxを用いた乳癌ゲノム医療

    久保真, 川地眸, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 山田舞, 金城和寿, 本山由利菜, 林早織, 島﨑亜希子, 森瞳美, 森崎隆史, 水内祐介, 中村雅史

    日本人類遺伝学会第64回大会  2019年11月 

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    開催年月日: 2019年11月

    開催地:長崎市   国名:日本国  

  • マルチプレックス遺伝子パネルFoundationOne CDxを用いた乳癌ゲノム医療

    久保真, 川地眸, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 山田舞, 金城和寿, 本山由利菜, 林早織, 島﨑亜希子, 森瞳美, 森崎隆史, 水内祐介, 中村雅史

    日本人類遺伝学会第64回大会  2019年11月 

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    開催年月日: 2019年11月

    開催地:長崎市   国名:日本国  

  • 10代発症の進行直腸癌に対する治療経験とその課題

    松吉隆仁, 井上重隆, 松本昂, 藤元静太郎, 野口彰子, 岩本直也, 林早織, 永松伊織, 錦建宏, 安井隆晴, 梁井公輔, 小倉康裕, 小島雅之, 本山健太郎, 西山憲一, 江崎泰斗, 永井英司

    第74回日本大腸肛門病学会学術集会  2019年10月 

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    開催年月日: 2019年10月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    (緒言)思春期、若年成人の悪性腫瘍は小児や成人のものと比べ特徴が異なるとされ、15~39歳はadolescent and young adult patients: AYA世代と呼称される。我が国の15-19歳の悪性腫瘍罹患率は124.4/100万人であり、中でも大腸癌はまれで罹患率は1.2/100万人である。また、若年性大腸癌では家族性大腸腺腫症やLynch症候群を代表疾患とする遺伝性大腸癌の可能性を考慮し、時として遺伝子検査が必要となる。今回我々は10歳代の直腸癌症例を経験した。(症例)17歳女性。慢性下痢、下腹部痛、粘血便を主訴に受診した。CTで直腸Raにリンパ節腫大をともなう直径4cm×長軸7cm大の腫瘤があり、大腸内視鏡では隆起病変を認め、生検でmucinous adenocarcinomaであった。経肛門イレウス管を挿入したが減圧できず、審査腹腔鏡、横行結腸人工肛門造設術を施行した。術中所見では漿膜浸潤(T4a)と腹水(ClassⅡ)及び腫瘍部の結腸垂上に1カ所播種結節を認めた。術前治療としてCAPOX療法を4コースの方針としたが、3コース�� L\$G<pag%^!<%+!<$,>e>:$7$?$?$a!"Bh!!!!IBF|J"9P6@Jd=u2<!"3+J"$NDc0LA0J}@Z=|=Q$r;\9T$7$?!#T4b,N2b,M1c1,R0,Cur Bの手術となったが細胞診陽性(ClassⅣ)であった。摘出組織は印環細胞癌様分化を伴っておりRAS野生型、BRAF野生型であった。改訂ベセスダガイドラインを満たし、MSI-H(high-frequency microsatellite instability)のため、Lynch症候群を疑った。若年性大腸癌と特殊なケースであり、臨床試験や先端治療を念頭に他院での化学療法継続の方針とした。術後CAPOX療法を継続したが、計6コース目のCTで腹膜播種とリンパ節腫大が出現しFOLFIRI+Bev療法を開始した。(考察)若年発症、MSI-Hの大腸癌症例であり遺伝性大腸癌、中でもLynch症候群の可能性が高いと考えた。腫瘍径が大きいため術前化学療法を行い、一定の縮小効果を得たが腹水細胞診はClassⅣの結果となった。家族性大腸腺腫症では20歳代での予防的大腸摘出術が認められているが、Lynch症候群に対して腫瘍の拡大手術や予防的摘出術の推奨はなく、低位前方切除術のみを施行した。Lyn ch症候群に限らず、MSI-H大腸癌はpembrolizumab, nivolumabの抗PD-1抗体薬の有用性が期待されている。しかし、他の多くのAYA世代同様に17歳と若年のため臨床試験に参加できず未投与である。若年発症の腫瘍やそのサバイバーのデータ集積のためにもAYA世代の臨床試験参加率をあげることは今後の課題である。

  • 10代発症の進行直腸癌に対する治療経験とその課題

    松吉隆仁, 井上重隆, 松本昂, 藤元静太郎, 野口彰子, 岩本直也, 林早織, 永松伊織, 錦建宏, 安井隆晴, 梁井公輔, 小倉康裕, 小島雅之, 本山健太郎, 西山憲一, 江崎泰斗, 永井英司

    第74回日本大腸肛門病学会学術集会  2019年10月 

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    開催年月日: 2019年10月

    開催地:東京都   国名:日本国  

    (緒言)思春期、若年成人の悪性腫瘍は小児や成人のものと比べ特徴が異なるとされ、15~39歳はadolescent and young adult patients: AYA世代と呼称される。我が国の15-19歳の悪性腫瘍罹患率は124.4/100万人であり、中でも大腸癌はまれで罹患率は1.2/100万人である。また、若年性大腸癌では家族性大腸腺腫症やLynch症候群を代表疾患とする遺伝性大腸癌の可能性を考慮し、時として遺伝子検査が必要となる。今回我々は10歳代の直腸癌症例を経験した。(症例)17歳女性。慢性下痢、下腹部痛、粘血便を主訴に受診した。CTで直腸Raにリンパ節腫大をともなう直径4cm×長軸7cm大の腫瘤があり、大腸内視鏡では隆起病変を認め、生検でmucinous adenocarcinomaであった。経肛門イレウス管を挿入したが減圧できず、審査腹腔鏡、横行結腸人工肛門造設術を施行した。術中所見では漿膜浸潤(T4a)と腹水(ClassⅡ)及び腫瘍部の結腸垂上に1カ所播種結節を認めた。術前治療としてCAPOX療法を4コースの方針としたが、3コース�� L\$G<pag%^!<%+!<$,>e>:$7$?$?$a!"Bh!!!!IBF|J"9P6@Jd=u2<!"3+J"$NDc0LA0J}@Z=|=Q$r;\9T$7$?!#T4b,N2b,M1c1,R0,Cur Bの手術となったが細胞診陽性(ClassⅣ)であった。摘出組織は印環細胞癌様分化を伴っておりRAS野生型、BRAF野生型であった。改訂ベセスダガイドラインを満たし、MSI-H(high-frequency microsatellite instability)のため、Lynch症候群を疑った。若年性大腸癌と特殊なケースであり、臨床試験や先端治療を念頭に他院での化学療法継続の方針とした。術後CAPOX療法を継続したが、計6コース目のCTで腹膜播種とリンパ節腫大が出現しFOLFIRI+Bev療法を開始した。(考察)若年発症、MSI-Hの大腸癌症例であり遺伝性大腸癌、中でもLynch症候群の可能性が高いと考えた。腫瘍径が大きいため術前化学療法を行い、一定の縮小効果を得たが腹水細胞診はClassⅣの結果となった。家族性大腸腺腫症では20歳代での予防的大腸摘出術が認められているが、Lynch症候群に対して腫瘍の拡大手術や予防的摘出術の推奨はなく、低位前方切除術のみを施行した。Lyn ch症候群に限らず、MSI-H大腸癌はpembrolizumab, nivolumabの抗PD-1抗体薬の有用性が期待されている。しかし、他の多くのAYA世代同様に17歳と若年のため臨床試験に参加できず未投与である。若年発症の腫瘍やそのサバイバーのデータ集積のためにもAYA世代の臨床試験参加率をあげることは今後の課題である。

  • Functional analysis of tumor infiltrating lymphocytes in triple negative breast cancer focusing on granzyme B 国際会議

    Kawaji H, Kubo M, Motoyama M, Shimazaki A, Hayashi S, Kurata K, Yamada M, Kaneshiro K, Kai M, Nakamura M

    ESMO Congress 2019  2019年9月 

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    開催年月日: 2019年9月 - 2019年10月

    国名:スペイン  

  • Functional analysis of tumor infiltrating lymphocytes in triple negative breast cancer focusing on granzyme B 国際会議

    Kawaji H, Kubo M, Motoyama M, Shimazaki A, Hayashi S, Kurata K, Yamada M, Kaneshiro K, Kai M, Nakamura M

    ESMO Congress 2019  2019年9月 

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    開催年月日: 2019年9月 - 2019年10月

    国名:スペイン  

  • 難治性乳癌における腫瘍浸潤リンパ球のグランザイムBに着目した機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 中村雅史

    第27回日本乳癌学会学術総会  2019年7月 

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    開催年月日: 2019年7月

    開催地:東京都   国名:日本国  

  • 難治性乳癌における腫瘍浸潤リンパ球のグランザイムBに着目した機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 中村雅史

    第27回日本乳癌学会学術総会  2019年7月 

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    開催年月日: 2019年7月

    開催地:東京都   国名:日本国  

  • 急性虫垂炎術後に胚細胞カルチノイドと診断され、追加切除を施行した3例

    松吉隆仁, 井上重隆, 松本昴, 藤元静太郎, 野口彰子, 岩本直也, 林早織, 永松伊織, 錦建宏, 安井隆晴, 梁井公輔, 小倉康裕, 小島雅之, 本山健太郎, 永井英司, 中房裕司

    第113回日本消化器病学会九州支部例会・第107回日本消化器内視鏡学会九州支部例会  2019年5月 

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    開催年月日: 2019年5月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    急性虫垂炎術後に胚細胞カルチノイドと診断され、追加切除を施行した3例【はじめに】虫垂胚細胞カルチノイド(Goblet cell carcinoid: GCC)は比較的稀な腫瘍であり、急性虫垂炎手術後に診断されることが多い。今回我々は、急性虫垂炎で手術を行い、病理学的に虫垂GCCの診断で追加切除を行った3例を経験した。【症例1】59歳女性。X年3月急性虫垂炎に対して腹腔鏡下虫垂切除術を施行。病理でGCC, 55×25mm, T3、虫垂間膜切除断端陽性の診断であった。7月腹腔鏡補助下回盲部切除術+D3リンパ節郭清を施行。切除断端、リンパ節は腫瘍細胞陰性であったが、切除標本内の小腸間膜に転移を1カ所認めた。X+3年4月、CTで直腸壁肥厚を認め大腸内視鏡検査で同部位にGCCを検出し、再発と診断した。FDG-PETで同部位にSUVmax4.33の異常集積を認めた。化学療法を提示したが、本人の意思で緩和の方針となった。【症例2】67歳女性。Y年11月急性虫垂炎で腹腔鏡下虫垂切除術を施行(GCC, 16mm, T1b�$ B!K!#Y+1年2月腹腔鏡補助下回盲部切除術+D3リンパ節郭清を施行。切除標本に腫瘍細胞を認めなかった。再発の所見なく経過している。【症例3】34歳男性Z年4月急性虫垂炎で腹腔鏡下虫垂切除術を施行(GCC, 20×15mm, T3)。Z年6月腹腔鏡補助下回盲部切除術+D3リンパ節郭清を施行。切除標本に腫瘍細胞を認めなかった。術後1年後経過観察から脱落した。【結語】GCCは大腸癌取扱規約では上皮性腫瘍とされるが、WHO分類2010では神経内分泌腫瘍(NEN)に分類されており、その扱いが一致していない。追加切除の基準としてT3や腫瘍径10mm以上、高頻度細胞分裂、印環細胞癌、低分化腺癌が挙げられている。1例目と3例目はT3、2例目は腫瘍径が10mm以上でリンパ節郭清を伴う回盲部切除を追加した。追加切除後、初回に腹膜転移がみられた1例目が再発した。GCCはNENと異なる臨床像を呈するため、その取り扱いに注意が必要である

  • 急性虫垂炎術後に胚細胞カルチノイドと診断され、追加切除を施行した3例

    松吉隆仁, 井上重隆, 松本昴, 藤元静太郎, 野口彰子, 岩本直也, 林早織, 永松伊織, 錦建宏, 安井隆晴, 梁井公輔, 小倉康裕, 小島雅之, 本山健太郎, 永井英司, 中房裕司

    第113回日本消化器病学会九州支部例会・第107回日本消化器内視鏡学会九州支部例会  2019年5月 

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    開催年月日: 2019年5月

    開催地:福岡市   国名:日本国  

    急性虫垂炎術後に胚細胞カルチノイドと診断され、追加切除を施行した3例【はじめに】虫垂胚細胞カルチノイド(Goblet cell carcinoid: GCC)は比較的稀な腫瘍であり、急性虫垂炎手術後に診断されることが多い。今回我々は、急性虫垂炎で手術を行い、病理学的に虫垂GCCの診断で追加切除を行った3例を経験した。【症例1】59歳女性。X年3月急性虫垂炎に対して腹腔鏡下虫垂切除術を施行。病理でGCC, 55×25mm, T3、虫垂間膜切除断端陽性の診断であった。7月腹腔鏡補助下回盲部切除術+D3リンパ節郭清を施行。切除断端、リンパ節は腫瘍細胞陰性であったが、切除標本内の小腸間膜に転移を1カ所認めた。X+3年4月、CTで直腸壁肥厚を認め大腸内視鏡検査で同部位にGCCを検出し、再発と診断した。FDG-PETで同部位にSUVmax4.33の異常集積を認めた。化学療法を提示したが、本人の意思で緩和の方針となった。【症例2】67歳女性。Y年11月急性虫垂炎で腹腔鏡下虫垂切除術を施行(GCC, 16mm, T1b�$ B!K!#Y+1年2月腹腔鏡補助下回盲部切除術+D3リンパ節郭清を施行。切除標本に腫瘍細胞を認めなかった。再発の所見なく経過している。【症例3】34歳男性Z年4月急性虫垂炎で腹腔鏡下虫垂切除術を施行(GCC, 20×15mm, T3)。Z年6月腹腔鏡補助下回盲部切除術+D3リンパ節郭清を施行。切除標本に腫瘍細胞を認めなかった。術後1年後経過観察から脱落した。【結語】GCCは大腸癌取扱規約では上皮性腫瘍とされるが、WHO分類2010では神経内分泌腫瘍(NEN)に分類されており、その扱いが一致していない。追加切除の基準としてT3や腫瘍径10mm以上、高頻度細胞分裂、印環細胞癌、低分化腺癌が挙げられている。1例目と3例目はT3、2例目は腫瘍径が10mm以上でリンパ節郭清を伴う回盲部切除を追加した。追加切除後、初回に腹膜転移がみられた1例目が再発した。GCCはNENと異なる臨床像を呈するため、その取り扱いに注意が必要である

  • 悪性葉状腫瘍異時肺転移に対する手術療法

    林早織, 甲斐昌也, 有村亜希子, 本山由利菜, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城 和寿, 山田舞, 三好圭, 久保真, 中村雅史

    第56回九州外科学会・第56回九州小児外科学会・第55回九州内分泌外科学会  2019年5月 

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    開催年月日: 2019年5月

    開催地:鹿児島市   国名:日本国  

    【はじめに】悪性葉状腫瘍は稀な疾患であり、再発・転移例に対する治療のエビデンスは乏しい。今回我々は、悪性葉状腫瘍手術後に異時性に肺転移をきたし、外科切除を行った症例を経験した。【症例】49歳 女性。左乳房悪性葉状腫瘍に対し左乳房切除術を施行した。術後3年目に左肺転移を認め、左上葉部分切除術施行、5年目に右肺転移を認め、右肺上葉部分切除術を施行した。その後、新規病変の出現は認めていない。【考察】悪性葉状腫瘍の転移好発部位は肺であるが、原発性肺癌や良性病変との鑑別が困難な場合があり、経過観察や生検が診断や治療方針決定の手がかりとなりうる。本症例においても、異時性に肺転移を認めたが、増大傾向を契機に切除術を行い、その後も治癒を維持できた。転移巣切除は根治の可能性もあり、条件を満たせば有効な治療法であると考えられた。【結語】悪性葉状腫瘍の異時肺転移に対し手術療法を行った症例を経験した。

  • 悪性葉状腫瘍異時肺転移に対する手術療法

    林早織, 甲斐昌也, 有村亜希子, 本山由利菜, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城 和寿, 山田舞, 三好圭, 久保真, 中村雅史

    第56回九州外科学会・第56回九州小児外科学会・第55回九州内分泌外科学会  2019年5月 

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    開催年月日: 2019年5月

    開催地:鹿児島市   国名:日本国  

    【はじめに】悪性葉状腫瘍は稀な疾患であり、再発・転移例に対する治療のエビデンスは乏しい。今回我々は、悪性葉状腫瘍手術後に異時性に肺転移をきたし、外科切除を行った症例を経験した。【症例】49歳 女性。左乳房悪性葉状腫瘍に対し左乳房切除術を施行した。術後3年目に左肺転移を認め、左上葉部分切除術施行、5年目に右肺転移を認め、右肺上葉部分切除術を施行した。その後、新規病変の出現は認めていない。【考察】悪性葉状腫瘍の転移好発部位は肺であるが、原発性肺癌や良性病変との鑑別が困難な場合があり、経過観察や生検が診断や治療方針決定の手がかりとなりうる。本症例においても、異時性に肺転移を認めたが、増大傾向を契機に切除術を行い、その後も治癒を維持できた。転移巣切除は根治の可能性もあり、条件を満たせば有効な治療法であると考えられた。【結語】悪性葉状腫瘍の異時肺転移に対し手術療法を行った症例を経験した。

  • 遺伝性乳癌の診療に及ぼすBRACAnalysis(R)の影響

    倉田加奈子, 久保真, 甲斐昌也, 森瞳美, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 中村雅史

    第119回日本外科学会定期学術集会  2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

  • 中核拠点施設における乳癌ゲノム医療の推進に向けた取り組み

    久保真, 甲斐昌也, 山下奈真, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 沖英次, 中村雅史

    第119回日本外科学会定期学術集会  2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

    [はじめに]患者個人もしくは個々の腫瘍を遺伝子レベルで解析し、最適な治療方法を選択して治療を行う「日本型プレシジョンメディスン」への取り組みが国家レベルで本格化し、当院は2018年3月全国で11のがんゲノム医療中核拠点病院のひとつとして認定された。[取り組み] がんゲノム医療に関する総合的な施設体制として、(1)生体試料の処理・保存、シークエンス(外注可)(2)エキスパートパネル(3)遺伝カウンセリング(4)遺伝子パネル検査の選定と実施(5)臨床情報やゲノム情報の収集・管理(6)臨床研究中核に準拠した体制(7)治験・先進医療等の体制(8)患者・家族への情報提供(9)がんゲノム医療に関する人材育成や教育等の体制(10)中核・連携病院の連携、以上の整備と実績が求められている。当院では、乳癌に対し以下の3種類の遺伝子パネルを準備した。先進医療としてNCCオンコパネル、自由診療としてP5がんゲノムレポート、研究としてマルチプレックス遺伝子パネルXである。遺伝子パネル検査を実装するために、重要なポイントの第1は「�� J<A3NJ]!W$G$"$k!#8!BN$N=hM}$N$?$a$N%^%K%e%"%k$r:n@.$7!"IBM}ItLg$NISO取得を急いだ。第2は「適応外使用の壁」である。遺伝子パネル検査から治療に至るまでのプロセスを一連の臨床試験にするなどの工夫が必要となる。また、多くの「治験・臨床試験の情報」を収集する課題がある。第3は「偶発的/二次的所見の問題」である。解析結果の解釈を担うバイオインフォマティシャンと心理的なサポートをする遺伝カウンセラーを配置した。[まとめ] 本邦でも「プレシジョンメディスン」への取り組みが始まり、近日中検査に伴いがんゲノムデータの蓄積と臨床への応用が始まる。プロジェクトに携わる人材の育成と地域での連携、重要な検査結果を治療に結びつけるまでの柔軟な対応、システムの構築が求められる。

  • Functional mechanism on tumor-infiltrating lymphocytes in triple-negative breast cancer

    2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    国名:日本国  

  • 難治性乳癌における腫瘍浸潤リンパ球の機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 中村雅史

    第119回日本外科学会定期学術集会  2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

  • 遺伝性乳癌の診療に及ぼすBRACAnalysis(R)の影響

    倉田加奈子, 久保真, 甲斐昌也, 森瞳美, 川地眸, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 中村雅史

    第119回日本外科学会定期学術集会  2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

  • 中核拠点施設における乳癌ゲノム医療の推進に向けた取り組み

    久保真, 甲斐昌也, 山下奈真, 川地眸, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 沖英次, 中村雅史

    第119回日本外科学会定期学術集会  2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

    [はじめに]患者個人もしくは個々の腫瘍を遺伝子レベルで解析し、最適な治療方法を選択して治療を行う「日本型プレシジョンメディスン」への取り組みが国家レベルで本格化し、当院は2018年3月全国で11のがんゲノム医療中核拠点病院のひとつとして認定された。[取り組み] がんゲノム医療に関する総合的な施設体制として、(1)生体試料の処理・保存、シークエンス(外注可)(2)エキスパートパネル(3)遺伝カウンセリング(4)遺伝子パネル検査の選定と実施(5)臨床情報やゲノム情報の収集・管理(6)臨床研究中核に準拠した体制(7)治験・先進医療等の体制(8)患者・家族への情報提供(9)がんゲノム医療に関する人材育成や教育等の体制(10)中核・連携病院の連携、以上の整備と実績が求められている。当院では、乳癌に対し以下の3種類の遺伝子パネルを準備した。先進医療としてNCCオンコパネル、自由診療としてP5がんゲノムレポート、研究としてマルチプレックス遺伝子パネルXである。遺伝子パネル検査を実装するために、重要なポイントの第1は「�� J<A3NJ]!W$G$"$k!#8!BN$N=hM}$N$?$a$N%^%K%e%"%k$r:n@.$7!"IBM}ItLg$NISO取得を急いだ。第2は「適応外使用の壁」である。遺伝子パネル検査から治療に至るまでのプロセスを一連の臨床試験にするなどの工夫が必要となる。また、多くの「治験・臨床試験の情報」を収集する課題がある。第3は「偶発的/二次的所見の問題」である。解析結果の解釈を担うバイオインフォマティシャンと心理的なサポートをする遺伝カウンセラーを配置した。[まとめ] 本邦でも「プレシジョンメディスン」への取り組みが始まり、近日中検査に伴いがんゲノムデータの蓄積と臨床への応用が始まる。プロジェクトに携わる人材の育成と地域での連携、重要な検査結果を治療に結びつけるまでの柔軟な対応、システムの構築が求められる。

  • Functional mechanism on tumor-infiltrating lymphocytes in triple-negative breast cancer

    2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    国名:日本国  

  • 難治性乳癌における腫瘍浸潤リンパ球の機能解析

    川地眸, 久保真, 甲斐昌也, 倉田加奈子, 森瞳美, 金城和寿, 林早織, 本山由利菜, 山田舞, 中村雅史

    第119回日本外科学会定期学術集会  2019年4月 

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    開催年月日: 2019年4月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

  • パージェタ・ハーセプチンが有効であった進行乳癌(肺・肝転移)の1例

    自見政一郎, 栗原理恵子, 林早織, 田村徹郎, 林晃史, 高畑俊一, 大畑佳裕, 亀井隆史

    第119回北九州外科研究会  2016年9月 

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    開催年月日: 2016年9月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • パージェタ・ハーセプチンが有効であった進行乳癌(肺・肝転移)の1例

    自見政一郎, 栗原理恵子, 林早織, 田村徹郎, 林晃史, 高畑俊一, 大畑佳裕, 亀井隆史

    第119回北九州外科研究会  2016年9月 

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    開催年月日: 2016年9月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • 右中葉肺癌に対する胸腔鏡下中葉切除時の肺門・縦隔リンパ節郭清の工夫

    生田安司, 田村和貴, 林 早織, 永松伊織, 森松克哉, 田邊麗子, 空閑啓高, 豊福篤志, 轟木秀一, 廣吉元正, 品川裕治, 堤 宣翁

    第28回日本内視鏡外科学会総会  2015年12月 

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    開催年月日: 2015年12月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

  • 右中葉肺癌に対する胸腔鏡下中葉切除時の肺門・縦隔リンパ節郭清の工夫

    生田安司, 田村和貴, 林 早織, 永松伊織, 森松克哉, 田邊麗子, 空閑啓高, 豊福篤志, 轟木秀一, 廣吉元正, 品川裕治, 堤 宣翁

    第28回日本内視鏡外科学会総会  2015年12月 

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    開催年月日: 2015年12月

    開催地:大阪市   国名:日本国  

  • 胸膜炎をきたし発見された横隔膜原発気管支原性嚢胞の1例

    武田哲志, 田村和貴, 生田安司, 林 早織, 永松伊織, 森松克哉, 田邊麗子, 空閑啓高, 豊福篤志, 轟木秀一, 廣吉元正, 品川裕治, 堤 宣翁

    第118回北九州外科研究会  2015年9月 

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    開催年月日: 2015年9月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • 胸膜炎をきたし発見された横隔膜原発気管支原性嚢胞の1例

    武田哲志, 田村和貴, 生田安司, 林 早織, 永松伊織, 森松克哉, 田邊麗子, 空閑啓高, 豊福篤志, 轟木秀一, 廣吉元正, 品川裕治, 堤 宣翁

    第118回北九州外科研究会  2015年9月 

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    開催年月日: 2015年9月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • Laparoscopic self-fixating meshを用いたTEPにより修復を行った鼠径、大腿、閉鎖孔ヘルニアの1例

    久留裕, 林早織, 藤井圭, 岡部安博, 小原井朋成, 当間宏樹, 成富元, 廣田伊千夫, 江口徹

    第25回九州内視鏡下外科手術研究会  2015年8月 

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    開催年月日: 2015年8月

    開催地:熊本   国名:日本国  

  • Laparoscopic self-fixating meshを用いたTEPにより修復を行った鼠径、大腿、閉鎖孔ヘルニアの1例

    久留裕, 林早織, 藤井圭, 岡部安博, 小原井朋成, 当間宏樹, 成富元, 廣田伊千夫, 江口徹

    第25回九州内視鏡下外科手術研究会  2015年8月 

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    開催年月日: 2015年8月

    開催地:熊本   国名:日本国  

  • 当科におけるTEP法の工夫と成績

    豊田秀一, 江口徹, 当間宏樹, 小原井朋成, 岡部安博, 林早織, 成富元, 小川尚洋, 廣田伊千夫,

    第76回日本臨床外科学会総会  2014年11月 

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    開催年月日: 2014年11月

    開催地:福島市   国名:日本国  

  • 当科におけるTEP法の工夫と成績

    豊田秀一, 江口徹, 当間宏樹, 小原井朋成, 岡部安博, 林早織, 成富元, 小川尚洋, 廣田伊千夫,

    第76回日本臨床外科学会総会  2014年11月 

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    開催年月日: 2014年11月

    開催地:福島市   国名:日本国  

  • イレウス管による減圧後腹腔鏡下イレウス解除術が有効であった2症例

    豊田秀一, 江口徹, 当間宏樹, 小原井朋成, 岡部安博, 林早織, 成富元, 廣田 伊千夫, , , , , , ,

    第27回日本内視鏡外科学会総会  2014年10月 

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    開催年月日: 2014年10月

    開催地:岩手市   国名:日本国  

  • 胸腔鏡下食道切除術の導入時における腹臥位の有用性

    当間宏樹, 江口徹, 林早織, 豊田秀一, 岡部安博, 小原井朋成, 成富元, 廣田伊千夫

    第27回日本内視鏡外科学会  2014年10月 

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    開催年月日: 2014年10月

    開催地:盛岡市   国名:日本国  

  • イレウス管による減圧後腹腔鏡下イレウス解除術が有効であった2症例

    豊田秀一, 江口徹, 当間宏樹, 小原井朋成, 岡部安博, 林早織, 成富元, 廣田 伊千夫, , , , , , ,

    第27回日本内視鏡外科学会総会  2014年10月 

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    開催年月日: 2014年10月

    開催地:岩手市   国名:日本国  

  • 胸腔鏡下食道切除術の導入時における腹臥位の有用性

    当間宏樹, 江口徹, 林早織, 豊田秀一, 岡部安博, 小原井朋成, 成富元, 廣田伊千夫

    第27回日本内視鏡外科学会  2014年10月 

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    開催年月日: 2014年10月

    開催地:盛岡市   国名:日本国  

  • 進行直腸癌に対し、ダブルストーマを回避した手術の一例

    林早織, 真鍋達也, 前山良, 植木隆, 田中雅夫

    第51回九州外科学会 第51回九州小児外科学会 第50回九州内分泌外科学会  2014年5月 

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    開催年月日: 2014年5月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • 進行直腸癌に対し、ダブルストーマを回避した手術の一例

    林早織, 真鍋達也, 前山良, 植木隆, 田中雅夫

    第51回九州外科学会 第51回九州小児外科学会 第50回九州内分泌外科学会  2014年5月 

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    開催年月日: 2014年5月

    開催地:北九州市   国名:日本国  

  • Stiff-perfon症候群に合併した前縦隔腫瘍に対して、鏡視下拡大胸腺・前縦隔腫瘍摘出術を施行した1例

    林早織, 中村勝也, 田中晴生, 久保真, 清水周次, 田中雅夫

    第54回 日本肺癌学会九州支部学術集会  2014年2月 

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    開催年月日: 2014年2月 - 2014年3月

    開催地:大分市   国名:日本国  

  • Stiff-perfon症候群に合併した前縦隔腫瘍に対して、鏡視下拡大胸腺・前縦隔腫瘍摘出術を施行した1例

    林早織, 中村勝也, 田中晴生, 久保真, 清水周次, 田中雅夫

    第54回 日本肺癌学会九州支部学術集会  2014年2月 

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    開催年月日: 2014年2月 - 2014年3月

    開催地:大分市   国名:日本国  

  • 肺癌との鑑別が困難であった肉芽腫の一例

    林早織, 森瞳美, 加藤雅人, 奈良絵津子, 中山鎮秀, 宮崎哲之, 森山大樹, 山方伸茂, 許斐裕之, 大城戸政行, 一宮仁

    第51回日本肺癌学会九州支部学術講演会  2011年7月 

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    開催年月日: 2011年7月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

  • 肺癌との鑑別が困難であった肉芽腫の一例

    林早織, 森瞳美, 加藤雅人, 奈良絵津子, 中山鎮秀, 宮崎哲之, 森山大樹, 山方伸茂, 許斐裕之, 大城戸政行, 一宮仁

    第51回日本肺癌学会九州支部学術講演会  2011年7月 

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    開催年月日: 2011年7月

    開催地:熊本市   国名:日本国  

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MISC

  • Beckwith-Wiedemann syndrome with juvenile fbrous nodules and lobular breast tumors: a case report and review of the literature

    Yo Sato, Yusuke Watanabe, Takafumi Morisaki, Saori Hayashi, Yoshiki Otsubo, Yurina Ochiai, Kimihisa Mizoguchi, Yuka Takao, Mai Yamada, Yusuke Mizuuchi, Masafumi Nakamura, Makoto Kubo

    Surg Case Rep.   2024年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1186/s40792-024-01865-2

  • A novel germline mutation of TP53 with breast cancer diagnosed as Li-Fraumeni syndrome

    Masaya Kai, Makoto Kubo, Sawako Shikada, Saori Hayashi, Takafumi Morisaki, Mai Yamada, Yuka Takao, Akiko Shimazaki, Yurina Harada, Kazuhisa Kaneshiro, Yusuke Mizuuchi, Koji Shindo, Masafumi Nakamura

    Surg Case Rep   2022年4月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1186/s40792-022-01546-y

  • 【乳癌診療の最新の知識】がんゲノム医療 がん遺伝子パネル検査の拡充と二次的所見への対応について

    松崎佐和子, 久保真, 林早織, 小川昌宣, 加藤聖子, 中村雅史

    臨牀と研究   2022年4月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

  • Lichtenstein inguinal hernia repair in a patient with a history of artificial urinary sphincter implantation

    当間宏樹, 江口徹, 林早織, 豊田秀一, 岡部安博, 小原井朋成, 成富元, 廣田伊千夫

    日本ヘルニア学会誌   2015年4月

     詳細を見る

    記述言語:日本語  

    Abstract:人工尿道括約筋埋め込み術後に発症した鼠径ヘルニアの手術治療に成功した我々の臨床経験を報告する。我々の施設で、人工尿道括約筋埋め込み術後に、初発片側性鼠径ヘルニアを発症した、78歳、英国人男性にリヒテンシュタイン法を施行した。手術では、埋め込まれた人工尿道括約筋の構造物は注意深く温存された。術後経過は順調で、排尿機能は完全に温存された。手術後1年現在、重篤な合併症や再発は見られていない。人工尿道括約筋埋め込み術後の鼠径ヘルニアに対して、リヒテンシュタイン法は有効と考えられた。

専門診療領域

  • 生物系/医歯薬学/外科系臨床医学/乳腺・内分泌外科学

臨床医資格

  • 専門医

    日本外科学会

  • 専門医

    日本乳癌学会

医師免許取得年

  • 2011年

特筆しておきたい臨床活動

  • 乳癌学会若手リクルートを目的として発足したMIRAY1