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北川 敏明(きたがわ としあき) データ更新日:2023.11.22

教授 /  工学研究院 機械工学部門 燃焼科学


大学院(学府)担当

学部担当



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電話番号
092-802-3148
FAX番号
092-802-3255
取得学位
工学博士
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
燃焼学,反応性ガス力学,内燃工学,熱工学
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年10ヶ月
活動概要
[研究活動]
燃焼分野を専門とし,予混合火炎伝播を中心に研究を行っている.在来燃料のみならず,再生可能エネルギーを由来とする水素やアンモニアなどの新規燃料の燃焼などの研究を展開し,社会的に問題となっている省エネルギー,CO2排出,さらには,燃焼による粒子状物質(PM)生成の抑制についての研究にも取り組んでいる.
国際的に知名度の高いCombustion and Flameに「Morphology and structure of spherically propagating premixed turbulent hydrogen - air flames」と題した論文が掲載された.これは水素の乱流火炎について,新たな知見を示したものである.また,同じく国際的に知名度の高いFuelに「Numerical study on soot formation in outwardly propagating, iso-octane, rich, cellular flames」と題した論文が掲載された.これは燃焼から生成されるすすの生成過程について,新たな知見を示したものである.
2019年度から2020年度まで,,次世代自動車等の開発加速化に係わるシミュレーション基盤構築事業により,エンジン燃焼シミュレーション基盤技術構築のための火炎伝播機構解明の研究を推進した.
2014年度から2018年度まで,先端的なプロジェクト的な研究活動として,戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)革新的燃焼技術に参画し,ガソリンエンジン熱効率向上についての開発研究を推進した.
また,これまでにも,水素に関するCOEプログラムに参画し,新たな技術開発に取り組んだ.さらに,NEDOの革新的ゼロエミッション石炭ガス化発電プロジェクトに参画し,新たな技術開発に取り組んだ.また,九州大学の石炭等化石資源高度利用リサーチコアにも参画した.
基礎的な研究についても,研究代表者として科学研究費補助金を獲得し,乱流燃焼モデルの開発,燃焼からの粒子状物質生成機構の解明など萌芽的研究を進めている.
現在,学際的研究分野として,企業などとの共同研究を実施している.
その概要は以下のとおりである.

 燃焼によるエネルギー変換は,エネルギー変換過程の中でも最も大きな割合を占める.省資源,地球環境の保全等を目的として,この燃焼について研究を行っている.
 予混合気中の火炎伝播の研究では,非定常伝播火炎の層流燃焼速度に及ぼす火炎伸長の影響を,国内随一の燃焼装置により明らかにした.それとともに,この火炎伸長による燃焼速度変化に及ぼす圧力の影響を,熱-拡散効果の観点からMarkstein数を用いて明らかにした.層流火炎は,圧力が高くなるにつれてMarkstein数が小さくなり,火炎伸長による燃焼速度の変化の度合いが異なる.
 また,層流火炎は,圧力が高くなるにつれて火炎の不安定性が顕著となる.この層流火炎のセル状遷移の臨界Peclet数とMarkstein数の関係を示した.
 さらに,乱流火炎においては,層流燃焼速度に対する乱流燃焼速度の比は,圧力が高くなるにつれて大きくなることを明らかにした.この乱流燃焼速度は,おもにKarlovitz数とMarkstein数の影響を受けていることを,明らかにした.
 この予混合火炎伝播の研究においては,水素,メタン,プロパン,オクタン,エタノールなどLewis数等の特性値の異なる燃料について調べることにより,それらが火炎挙動に与える影響を調べている.実用燃焼器では,乱流燃焼の形態をとるが,そのモデル化にはまだ至っていない.燃焼器の高効率化,環境負荷の低減には,乱流燃焼機構の解明とそのモデル化が必要である.これらの知見は,乱流燃焼モデルの構築にとって,重要な知見である.
 現在,石炭ガス化ガス,バイオマス由来のガスやアルコールの燃焼特性についても,研究を行っている.
 これらの実験とともに,詳細反応機構を用いた数値計算による火炎構造の研究,乱流燃焼モデル検証のための数値計算も行っている.
 予混合伝播とは別に,エンジン内燃焼で問題となるノックについても,その発生メカニズムを明らかにすべく,研究を行っている.
 非定常燃料噴流による成層燃焼の研究では,これまでに,成層燃焼方式で問題とされる未燃炭化水素の排出原因についての知見を得た,また,局所予混合化,燃料対向噴射,給気への水素添加等による燃焼改善について提案を行った.さらに,成層混合気の希薄領域への火炎伝播について,実験および数値解析により,火炎の慣性および維持火炎を提案し,その特性および機構を明らかにしている.これらは,特に,エンジンの熱効率向上と排気浄化にとって重要な知見である.
 
 ・予混合層流火炎の燃焼速度,不安定性に及ぼす圧力の影響の解明
 ・予混合乱流火炎の伝播特性に及ぼす圧力の影響の解明
 ・予混合乱流火炎の構造および伝播機構の解明
 ・予混合乱流燃焼の促進法について
 ・予混合火炎の詳細反応機構を用いた数値解析
 ・水素の燃焼特性
 ・石炭ガス化ガスの燃焼特性
 ・バイオマス由来のガスやアルコールの燃焼特性
 ・ガソリンエンジンのノックに関する研究
 ・燃焼による粒子状物質生成に関する研究
 ・直噴式火花点火成層燃焼方式の燃焼特性の解明
 ・成層燃焼方式における局所予混合化の効果の解明
 ・成層燃焼方式における給気への水素添加による未燃炭化水素の低減

[教育活動]
博士課程・修士課程の大学院生および学部の卒業研究生に対する指導を行っている.学部の授業では「反応性ガス熱力学」を担当している.大学院の授業では,「Reactive Gas Dynamics」を担当している.
研究室では,留学生,大学院生および卒業研究生に対して個別の研究打合せ,実験の指導,ゼミおよび検討会を行っている.
卒業論文及び大学院論文等の研究指導を積極的に行い,卒論生には国内地方での学会発表,大学院生については国内外での学会発表を奨励している.
全学および部局のFDに参加し,教育改善及び教育方法の向上を図っている.
体育系学生団体自動車部顧問を務めている.

[国際連携活動]
国際共同研究や国際会議を通じて,海外の研究者と交流している.
2010年度に,リーズ大学から外国人研究者を受け入れ,学術交流を推進した.
2011年度に,リーズ大学へ博士学生を派遣した.
2012年度に,リーズ大学へ助教を派遣した.

[社会貢献活動]
日本機械学会の事業委員,部門幹事,部門運営委員,研究会主査,支部庶務幹事,支部会計幹事等を歴任し,学会活動に参画している.
自動車技術会の理事,代議員,部門委員会委員委員長,支部常任理事として,学会活動に参画している.
日本燃焼学会の理事として,学会活動に参画している.
日本エネルギー学会の部会長(2015年度,2016年度)として,学会活動に参画している.
また,これまでに経済産業省 中小企業産学連携製造中核人材育成事業のプログラムマネージャー委員会委員,講義・教材開発委員会委員を務めるなど,科学教育の普及に努めた.

[大学運営]
2023年度は,機械工学科長,工学部のⅢ群学科群長を務めた.
2022年度は,工学研究院の財務委員,工学部の入学試験委員を務めた.
2021年度は,工学部の入学試験委員を務めた.
2020年度は,工学研究院の研究企画委員を務めた.
2019年度は,機械工学専攻長を務めた.
2018年度は,工学研究院人事委員会委員を務めた.
2016年度,2017年度は,機械工学部門長を務めた.
2015年度は,機械工学部門特別講義・公開講座・FD委員会委員長を務めた.
2014年度は,工学府教育企画委員会委員を務めた.
2013年度は,機械工学コースコース長を務めた.
2012年度は,機械工学専攻の就職担当教員を務めた.
2011年度は,工学研究院の広報委員として,部局の運営に携わった.
2010年度は,機械工学専攻長として専攻および部門の運営にあたるとともに,工学研究院の代議員メンバーとして,部局の運営に携わった.
2009年度は,工学研究院の研究企画委員を務めるとともに,部門の研究企画検討委員長,財務小委員長,コラボ運営委員長として,部門の企画運営に協力した.

1998年 9月〜1999年7月 英国リーズ大学研究員

1997年4月 日本機械学会奨励賞(研究)受賞
        「火花点火成層燃焼に関する研究」

2006年6月 自動車技術会 フェロー授与
2016年3月 日本機械学会 フェロー授与

2018年9月 日本機械学会エンジンシステム部門研究業績賞 受賞

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