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井上 卓見(いのうえ たくみ) データ更新日:2024.01.25

教授 /  工学研究院 機械工学部門 力学システム


大学院(学府)担当

工学府 機械工学専攻 力学システム

学部担当

工学部 機械航空工学科 機械工学 , School of engineerin, Mechanical engineering
全学教育(物理)


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機械工学部門
力学システム
機械力学研究室ホームページ .
FAX番号
092-802-0001
就職実績-民間機関等
就職実績有, 九州松下電器(株)開発研究所
1990-1991
取得学位
博士(工学)
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
機械力学,機械振動学,信号処理関係
外国での教育研究期間(通算)
01ヶ年02ヶ月
活動概要
研究

・超音波変調検出による異常診断技術の開発
超音波変調とは,申請者がこれまでの研究を通じて新たに獲得(発見)した知見であり,物体内部の接触面状態により,その面を通過する超音波の振動数が変調していく現象である.本研究の目的は,超音波変調を利用し,物体内に現れる亀裂や剥離をその予兆段階から検出することにある.これにより,より早い段階で,より高い精度の異常診断が期待できる.

・振動データを用いた振動診断法に関する研究
機械設備の振動に起因する機械の特性変化の把握や疲労破壊の予知などは,社会基盤保全の立場からその重要性は極めて高い.ここでは,簡便かつ有効な振動診断を実現するために,
 (1)ターゲットに対する測定位置の自由度の確保.
 (2)手軽に計測できる加速度の利用.
 (3)ノイズに強く高い感度も保持.
などのハイレベルな要求を満足する手法を提案し,様々な実験的検証を通じてその有効性を確立することを目的としている.
そのための手法として,ウェーブレット変換をはじめとして,様々な信号解析手法を援用した手法を考案し,種々の実験を通じてその有効性の確率と,実際の産業現場への適用に関する基礎の確立を行っている.

・高速増殖炉ヘリカル伝熱管探傷プローブの振動によるセンサノイズとその対策
高速増殖炉「もんじゅ」の蒸気発生器伝熱管の減肉部探傷は,ETCプローブ(渦電流プローブ) を圧縮乾燥空気で搬送して行われるが, ETCプローブ(以後,プローブと呼ぶ)が大きく振動して信号にノイズが混在し,減肉部診断を難しくする問題がある.これに対し,モックアップを使った実験からプローブの振動特性を明らかにし,その対策も行われているが,本研究では,それまで不明であった本質的な振動発生メカニズムの解明を目的としている.根本的な振動問題の解決と,探傷システムのさらなる信頼性向上のためには,その解明は必要不可欠である.
そのため,物理的モデル化と実験データの数値的再現から振動の発生原因を考察し,これを基に振動低減化の方策を提案した.

・カーディナルBスプラインを利用した逐次積分法
コンピュータの発達と相まって,大規模かつ複雑な構造物の地震応答など,時刻歴応答シミュレーションが頻繁に行われている.そのための逐次積分法には様々な手法,が提案されているが,機械構造物の場合,Newmark-β法やWilson-θ法などの陰解法が多く利用される.これらは,系が線形であれば比較的大規模な系でも安定に解が得られ,計算精度も通常の工学的要求を満たすため,実用的に優れた手法といえよう.しかし,大規模系の解析では,まだ多くの計算時間を必要とし,さらに,非線形性の強い系ではしばしば数値的発散を生じる問題点も指摘されている.
この研究では,点列の補間や微分方程式の二点境界値問題,ウェーブレット解析など様々な分野に利用されているカーディナル B スプラインを常微分方程式の数値解析に応用し,新たな逐次積分法を提案する.この手法の大きな特徴は,常微分方程式の解をカーディナル B スプラインの線形結合で表し,その線形結合の係数を各時間ステップごとに逐次的に求めるという計算手順にある.これにより,各時間ステップごとに変位,速度,加速度を逐次的に求める従来の陰解法と比較して計算手順が大きく簡略化され,計算速度の向上が実現できる.また,強非線形要素である不連続性をもつ系の解析では,カーディナル B スプラインの特徴であるトゥースケール関係を利用して,応答が不連続点を通過する近似的な時刻を簡便な手順で求め得ることを示す.これにより,通常の陰解法でしばしば問題となる逐次積分の発散を防ぎ,計算精度の向上にも大きく寄与する.

・伝達影響係数法による振動・応答解析に関する研究
大規模な構造物の安全性を確保するためには,構造系全体の周波数特性を知るとともに,突発的な地震や事故に対する過渡的応答を正確に知ることも重要である.このような振動・応答解析を行う場合,特に大規模系では必然的に計算に要する手間が増大する.また,近年では,制振効果を高めるために意図的に非線形要素を利用する例もみられ,これを考慮した解析では,非常に大きな困難を有することが知られている.このような課題について,本研究室で提案した振動解析手法(伝達影響係数法)を様々な形で利用して問題点を解決し,非常に効率の高い振動解析の実現に取り組んでいる.

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