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北岡 卓也(きたおか たくや) データ更新日:2024.04.26

教授 /  農学研究院 環境農学部門 サスティナブル資源科学


大学院(学府)担当

生物資源環境科学府 環境農学専攻 サスティナブル資源科学講座

学部担当

その他の教育研究施設名

農学研究院イノベーティブバイオアーキテクチャーセンター , 未来化学創造センター

役職名

農学研究院 副研究院長(教育担当)


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ホームページ
https://kyushu-u.elsevierpure.com/ja/persons/takuya-kitaoka
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生物資源化学研究室の紹介 .
電話番号
092-802-4665
FAX番号
092-802-4665
就職実績-民間機関等
就職実績有, 大蔵省印刷局(現 国立印刷局)・1995年4月〜1998年5月
取得学位
博士(農学)
専門分野
生物材料機能学・生物資源化学
ORCID(Open Researcher and Contributor ID)
0000-0003-1691-9946
活動概要
 樹木細胞壁の骨格物質であるセルロースをはじめとする構造多糖類は、単なる高分子ではなく、生合成の過程で精緻に階層構築された固有のナノ構造を有しており、分子配列や糖鎖界面の規則性には自然の美しさを感じる。これらは、生物の生命活動にともなってボトムアップ型に集積された生き物の“個性”であり、どんなに科学が発展しても人工合成することは不可能であろう。自然界で普遍的にみられる「一つ一つは単純な分子を規則的に並べることで得られる稀有なナノ構造」は、新規マテリアルを創発するための舞台としてとても魅力的である。そこで、巨大な樹木を支える極細の繊維である“セルロースナノファイバー”に着目し、その「ナノ構造」が誘導する「未知機能」の探索を、バイオメディカル・コスメ分野で研究している。

(1)動物由来成分“不含”の再生医療用バイオマテリアルの開発
我々の体を構成する細胞の周辺は、コラーゲンなどの線維状物質や規則的構造の多糖類で充填されている。この生体内の細胞環境を樹木由来成分で再現することで、Xeno-free(ゼノフリー:他動物種由来成分を含まないので、免疫拒絶や感染症リスクがない)再生医療に有用な幹細胞の制御培養に挑戦している。

(2)未知の感染症ワクチンの効き目を高めるアジュバントの開発
新型コロナウイルス感染症対策でも活躍したワクチンであるが、ヒトの免疫システムを使っているので感受性の多寡が課題である。天然多糖ナノファイバーを乳化剤とする新しいタイプのエマルションが、ヒトの免疫を大幅に活性化させることを発見し、アジュバント(免疫増強剤)としての機能開拓に挑戦している。

(3)海洋生分解性木質模倣真球微粒子の開発と化粧品応用
マイクロプラスチックによる海洋汚染問題を解決するためには、素材の海洋生分解性が極めて重要である。一方、植物は3.8億年前から海洋微生物により生分解されている安心・安全な素材である。そこで、樹木の微細構造を模倣した真球微粒子を化粧品添加剤として使うことで、海洋で生分解され、さらには地球温暖化の原因である二酸化炭素を海洋に固定できる新素材の開発を通じて、“海の森プロジェクト”を進めている。

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pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。