九州大学 研究者情報
発表一覧
加藤 聖子(かとう きよこ) データ更新日:2024.04.17

教授 /  医学研究院 臨床医学部門 生殖発達医学


学会発表等
1. 加藤聖子, 産婦人科医療をめぐる話題, 九大別府病院 秋の集談会, 2023.10.
2. 浅野間和夫、矢幡秀昭、小玉敬亮、安永昌史、小野山一郎、八木裕史、前之原章司、蜂須賀一寿、友延寛、川上穣、加藤聖子, 鏡視下センチネルリンパ節同定を試みた推定IA期子宮体癌症例の非同定症例の検討, 第25回SNNS研究会学術集会, 2023.10, 【目的】鏡視下根治手術にセンチネルリンパ節(SN)生検を併用することは低侵襲手術としての特性からも臨床的意義が大きい。我々の施設は2019年より再発低リスクと推定される子宮体癌に対する鏡視下根治手術にSN生検を併用しているが、SNが同定できない症例にもしばしば遭遇する。そこでSN非同定症例の特徴について解析した。
【方法】2019年6月より2023年3月まで術前診断が子宮体癌推定ⅠA期類内膜癌グレード1,2の症例に対し当科でSN生検併用の腹腔鏡下またはロボット支援下根治術を計画した98例を後方視的に検討した。SNの同定には手術前日にテクネシウムフチン酸を子宮膣部に4か所局注し手術中にガンマプローブを用いた。同定したSNは短軸方向2㎜間隔で術中迅速組織診断を行い、転移陰性であれば郭清を省略し転移陽性であれば開腹術に移行した。SN非同定例には非同定側の骨盤リンパ節郭清を行った。
【成績】98例中27例(28%)において片側または両側のSNを同定できなかった。非同定群の平均年齢は61.1歳で両側とも同定できた群の53.0歳より有意に高かった。(p=0.0004)。また、非同定群の平均BMIは29.25で両側とも同定できた群の24.65より有意に高かった。(p=0.0021)。術前のCA125値、MRIによる腫瘍径、筋層浸潤の程度、脈絡侵襲、手術進行期、再発率には関連していなかった。非同定例の中に術後リンパ節転移陽性と判明した症例は無かった。
【結論】当科での検討ではSN非同定群は同定群に比して有意に年齢が高く、BMIが高かった。この2つの要素はこれまでの報告に一致するものであった。.
3. 加藤聖子, 女性ヘルスケアから考える産婦人科医療~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~, 三重県産婦人科医会学術講演会, 2023.10.
4. 加藤聖子, 産婦人科医療における貧血治療の意義, 貧血治療アップデートセミナーin佐賀, 2023.10.
5. Taura Y,Matuzaki S,Kimura M,Tomonobe S,Kawamura K,Hamada N,Kawamura T,Isobe A,Shigechi T,Kubo M,Kato K, Approach to Fertility Preservation for Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome(HBOC), 第61回日本癌治療学会学術集会, 2023.10, Objective: Fertility preservation (FP) is an assisted reproductive technology that enables pregnancy and childbirth after cancer treatment. At our hospital, we perform oocyte and embryo cryopreservation as FP. We investigated the implementation status of FP for HBOC at our hospital.
Methods: We investigated the patient’s backgrounds and fertility preservation status of patients diagnosed with HBOC among breast cancer patients under 43 years of age, who were referred to the Department of Clinical Genetics and Medicine for BRCA1/2 genetic testing between July 2018 and April 2023.
Results: During the study period, 63 patients under 43 years of age presented for BRCA1/2 genetic testing. 53 of 63 patients (84.1%) underwent testing. 10 of 53 patients (18.9%) were diagnosed with HBOC. The Breast Surgery Department confirmed the fertility preservation intention of 9 patients (excluding 1 recurrent case), and the Department of Clinical Genetics and Medicine provided genetic counseling regarding HBOC. FP was considered in three cases and was abandoned in two cases in favor of treatment. None of the patients abandoned FP because of heredity. One patient who underwent FP was 31 years old, married, had no live births, and had stage II hormone-sensitive breast cancer. About 2 months after the breast cancer surgery, a random start oocyte retrieval was performed, and embryos were cryopreserved.
Discussion: FP requires patients to make decisions about future pregnancy and childbirth within a limited time from diagnosis to treatment. At the same time, patients are burdened by the information about heredity in HBOC. It was considered necessary to respond promptly and flexiblyResponding promptly and flexibly was necessary, considering the patient's backgrounds and disease progression.
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6. 加藤聖子, 女性ヘルスケアから考える産婦人科医療, 第12回北海道産婦人科乳腺医学会学術集会, 2023.10, 産婦人科の4つのサブスペシャリティの中で女性医学はQOLの維持・向上のために、女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱うことを目的とする分野である。本講演では、女性ヘルスケアの立場から更年期医療について考えてみたい。女性は閉経によるエストロゲンの低下により様々な症状が出現する。その中でも最初に出現するのが、ほてりを代表とする血管運動神経障害である。視床下部のGnRHニューロンの上位に存在する弓状核のキスペプチンニューロンはニューロキニンB(MKB)やオピオイドペプチドであるダイノルフィンも発現しており、KNDyニューロンとよばれ、エストロゲンのネガティブフィードバックを受けることが知られている。最近の研究で、更年期にはこの調整が乱れ、KNDyニューロンの肥大化が起こり、NKBが視床下部に作用し温度中枢を刺激することが、ほてりの原因ではないかと考えられている。また、血中に分泌されるホルモンとして血管拡張・汗腺刺激作用を有することが知られているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が、ほてりの原因物質として着目されている。これらの阻害剤が将来、ほてりの治療薬の候補になる可能性もある。また、更年期には生活習慣病も増えてくる。この原因として肥満症があり、これを防ぐためには体を動かし、適正体重を維持することが重要である。更年期障害の治療としてホルモン補充療法があるが、乳癌のリスクをあげることが知られている。このリスクは使用される黄体ホルモンの種類と施行期間に関連しており、微粒子化した経口の天然型プロゲステロン製剤はリスクの上昇はみられなかったと報告されている。日本産科婦人科学会女性ヘルスケア委員会の更年期障害治療を専門とする医師を対象に行ったアンケート調査では、ホルモン療法や漢方薬と並んでエクオール等のサプリメントが多く用いられていることが明らかになった。エクオールは閉経後の更年期症状の軽減、骨代謝の改善、シワの進展抑制作用などの効果は報告されている。我々が行った検討では乳癌細胞や子宮体癌細胞の増殖促進作用はないものの、抑制作用もないため、これらのがん患者さんの治療後の卵巣欠落症状にエクオールを用いる際は、定期検診をしながら使用することが重要である。.
7. 金子夏生、友延寛、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、小野山一郎、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, ペムブロリズマブ・レンバチニブ療法が著効した子宮体部明細胞癌の1例, 第167回福岡産科婦人科学会, 2023.09.
8. Murakami Y, Katsuchi D, Matsumoto T, Kawahara A, Akiba J, Kato K, Nishio S, Yanaihara N, Okamoto A, Kuwano M, Ono M, Cell Cycle and Checkpoints(P-1070); Y-box binding protein 1 YBX1 promotes cell growth in its close association with cyclin A 1 in ovarian cancer, 第82回日本癌学会学術総会, 2023.09.
9. 加藤聖子, 子宮頸がん予防-いま薬剤師に期待すること-, 第56回日本薬剤師会学術大会, 2023.09.
10. 河村英彦、田浦裕三子、詠田真由、友延尚子、濱田律雄、河村圭子、横田奈津子、磯邉明子、加藤聖子, 右卵巣腫瘍の術前診断で腹腔鏡下手術を施行した低異型度虫垂粘液性腫瘍の一例, 第63回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会, 2023.09, 【症例】56歳、3妊2産、閉経52歳。X年10月の検診で右付属器領域の嚢胞性腫瘤を指摘され、精査加療目的で11月に当科を紹介受診した。初診時、内診および腟鏡診で明らかな異常所見を認めず、経腟超音波断層法で右付属器領域に径4cm大で内部不均一な腫瘤像を認めた。骨盤造影MRI検査で右付属器領域に径7x3cm大の嚢胞性腫瘤を認め、T1WIで低信号、T2WIで高信号を呈し、増強効果を認めず右卵巣漿液性嚢胞腺腫を示唆する所見であった。腫瘍マーカーのCEAは16.9ng/ml、CA19-9は38.5U/ml、CA125は基準値未満であった。上部・下部消化管内視鏡検査で2mm大のS状結腸ポリープを認めた。胸腹部骨盤造影CT検査およびPET-CT検査では既知の嚢胞性腫瘤のみ指摘され、その他の異常所見を認めなかった。以上より右卵巣腫瘍(漿液性嚢胞腺腫疑い)の診断でX+1年4月に腹腔鏡下手術を施行した。術中所見で少量の淡黄色腹水を認め、右付属器領域の腫瘤は虫垂由来で両側付属器は正常外観であった。外科へコンサルトし、虫垂腫瘍の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。手術時間は120分、出血量は少量であった。摘出標本の肉眼所見で虫垂内容物は黄色の粘液状物質であった。術後病理組織診はLow-grade Appendiceal Mucinous Neoplasm, compatibleで悪性所見を認めず、術後経過良好で術後5日目に退院した。【考察】低異型度虫垂粘液性腫瘍(Low-grade Appendiceal Mucinous Neoplasm, LAMN)は虫垂切除例の0.08%~4.1%と報告され、比較的稀な疾患とされる。本症例は術前のCEA値が高値で消化管腫瘍を疑ったものの、消化管内視鏡検査やその他の画像検査で鑑別できず右卵巣腫瘍の術前診断となった。虫垂腫瘍の可能性が否定できず鑑別困難な場合は、術前から外科と綿密な連携の上、手術に臨むことが必要であると考えられた。.
11. 淺野間和夫、矢幡秀昭、小玉敬亮、安永昌史、大神達寛、小野山一郎、八木裕史、前之原章司、蜂須賀一寿、友延寛、川上穣、加藤聖子, 推定IA期子宮体癌症例に対する鏡視下手術でのセンチネルリンパ節生検を, 第63回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会, 2023.09, 【目的】再発低リスクと推定される子宮体癌に対する鏡視下根治手術にセンチネルリンパ節(SN)生検を併用することは低侵襲手術としての特性からも臨床的意義が大きい。我々の施設は2014年より上記該当手術にSN生検を併用しておりその妥当性について検討した。【方法】2014年3月より2023年3月まで術前診断が子宮体癌推定IA期類内膜癌grade1,2の症例に対し当科でSN生検併用の腹膜鏡下またはロボット支援下根治術を計画した98例を後方視的に検討した。SNの同定にはテクネシウムフチン酸を用いた。同定したSNは短軸方向2mm間隔で術中迅速組織診断を行い、転移陰性であれば郭清を省略し陽性であれば開腹術に移行した。SN非同定例には非同定側の骨盤リンパ郭清を行った。【成績】98例中71例において両側のSNを同定できた。非同定群の平均年齢は61歳で両側とも同定できた群の53歳より有意に高かった。術中にSN転移陽性と判明した4例を含む12例が術後再発中リスク以上であったため術後補助療法を奨めた。追跡期間の中央値は22ヶ月(1~104ヶ月)で、初回治療終了後4例に中央値30ヶ月(19ヶ月-46ヶ月)でリンパ節転移を含む再発を認めた。【結論】再発低リスクと推定される子宮体癌に対する鏡視下根治手術にセンチネルリンパ節(SN)生検を併用し術式の選択を行った。今後、術前画像診断・術中病理組織診断の精度を高めていくひつようがある。【考察】術後再発低リスクと推定され鏡視下根治手術を行った症例の7例(7%)にリンパ節転移を認めた。この中にはIB期や明細胞癌が4例含まれており術前診断の蓋然性が問われる。これらを除いた3例が筋層没潤や組織型から術後再発低リスクと推定される症例でSN生検が真に有効と考えられた。SN生検術の有用性と安全性はさらなる検討を要するが本研究での再発率4%はLAP2試験でのIA期の5.9%と比較して妥当な成績であった。.
12. 加藤聖子, 女性ヘルスケアから考える産婦人科医療 ~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~, 第406回東京産科婦人科学会 例会, 2023.09.
13. 浅野間和夫、河村英彦、小玉敬亮、蜂須賀一寿、友延寛、前之原章司、八木裕史、安永昌史、小野山一郎、川上穣、矢幡秀昭、加藤聖子, 手術歴のない異所性平滑筋腫の1例, 第33回九州内視鏡・ロボット外科手術研究会, 2023.09, 【緒言】異所性平滑筋腫は子宮との連続性を持たず発育する平滑筋腫である。子宮筋腫核出術に伴う医原性のものが多いが、自然発生するものは稀である。今回、卵巣皮様嚢腫の腹腔鏡下手術の際腹膜上に発見された自然発生の異所性平滑筋腫の1例を報告する。【症例】49歳、1妊0産。更年期症状を主訴に近医婦人科を受診した際に左卵巣嚢腫を指摘され当科紹介受診となった。10~15年前より左下腹部に腹壁の腫瘤を自覚していたが、経時的な増大傾向もなく画像精査を受けなかった。当科での術前骨盤MRI検査にて子宮には2~3cmの禁酒結節を2つ認め左卵巣腫瘍は皮様嚢腫に矛盾しない所見であったが左下腹部腹壁の腫瘤は撮像範囲外で評価不能であった。左卵巣嚢腫に対して腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術を行い、術中迅速組織診はmature cystic teratoma であった。子宮から離れた左下腹部の壁側腹膜上に各径2cmの結節が4つ数珠状に繋がり一塊となった腫瘤を認め、これも摘出の上、術中迅速組織診に提出しltomyomaであった。【結論】手術歴のない腹膜上の異所性平滑筋腫の1例を経験した。医原性以外の異所性平滑筋腫は稀であり、エストロゲン刺激が誘因の1つと考えられている。腹膜上などに遊離・生着した間葉系幹細胞から発生するとの考察もある。本症例は腹腔内を十分観察したが異所性平滑筋腫は1か所のみでホルモン治療の既往もなかった。.
14. 中野幸太、中原一成、杉浦多佳子、清木場亮、坂井淳彦、蜂須賀信孝、藤田恭之、加藤聖子, 胎盤位置異常を合併した子宮頸部摘出術後妊娠の臨床像の検討, 第167回福岡産科婦人科学会, 2023.08.
15. 加藤聖子, 産婦人科領域における鉄欠乏性貧血の治療戦略, 第97回兵庫県産科婦人科学会学術集会, 2023.08.
16. 得居広葉、前之原章司、川上穣、蜂須賀一寿、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、大神達寛、小野山一郎、淺野間和夫、矢幡秀昭、岡部安博、中村雅史、加藤聖子, 晩期再発後に術前化学療法により手術しえた成人型顆粒膜細胞腫の一例, 第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2023.07, 【緒言】成人型顆粒膜細胞腫(GCT)は卵巣悪性腫瘍全体の2.7%を占める比較的稀な疾患である.約20% の症例で再発し,晩期再発も認める.今回我々は初回治療から19 年後に再発し,術前化学療法後に手術を施行しえた一例を経験したので報告する.
【症例】72 歳,2 妊2 産.52 歳時にGCTIA 期に対して手術を施行し以後経過観察した.71 歳時に転倒を契機に施行された造影CT検査で再発を疑われ当科を再診した.MRI 検査で右腎門部から大静脈下面にかけて長径110mm の内部に壊死と変性を伴う腫瘤を認めた.CT ガイド下生検の結果,GCT 再発と診断した.腫瘍が下大静脈に近接しており,外科と協議の上,一期的な手術は困難であると判断し,術前化学療法により腫瘍の縮小を図った上で摘出術を行う方針とした.パクリタキセル・カルボプラチン療法を6 コース施行し,腫瘍長径は66mm と40% の縮小を得たため開腹手術を行った.腫瘍は右腎静脈合流部背側に存在し癒着が高度であったが,下大静脈を剥離,離断した上で,右腎合併切除により再発腫瘤摘出術を施行しえた.残存病変はなく術後14 日目に全身状態良好のため退院し,以後外来で経過観察中である.
【結語】GCT の再発例は手術が第一選択であるが,手術困難な症例に対しては化学療法による腫瘍縮小後の手術が選択肢となる
と考えられた..
17. 本村真由子、蜂須賀一寿、川上穣、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、大神達寛、安永昌史、小野山一郎、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 14歳で診断された子宮頸部明細胞癌4B期の一例, 第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2023.07, 子宮頸部明細胞癌は子宮頸部腺癌の4% と稀な組織型である.Diethylstilbestro(l DES)への子宮内暴露により若年で発症した
症例が報告されており,また子宮頸部腺癌は化学療法や放射線療法に抵抗性であることが知られている.今回,14 歳で診断さ
れた子宮頸部明細胞癌4B 期の一例を経験したので報告する.症例は14 歳,性交歴はなく,HPV ワクチン接種後であり,在
胎期間中に母体のDES 使用歴はなかった.不正性器出血を主訴に受診し,腟鏡診で腟内に7cm 大の易出血性腫瘤を認めた.
子宮頸部細胞診および組織診でHigh-grade adenocarcinomaの診断となり,明細胞癌が疑われた.また画像精査で骨盤リン
パ節,傍大動脈リンパ節,右鼠径リンパ節に転移を認めた.以上から子宮頸部明細胞癌4B 期(cT2a2N1M1)と診断した.若
年であり,組織型が明細胞癌であることから化学療法および放射線療法に抵抗性である可能性が考えられ,手術療法を選択し
た.準広汎子宮全摘出術,両側付属器摘出術,骨盤リンパ節生検,傍大動脈リンパ節生検,右鼠径リンパ節生検を施行した.
病理組織学的検査の結果,子宮頸部明細胞癌4B 期(pT2bN1M1)と診断した.PD-L1 のCPS が1 以上であったため,術後療法としてPem+TC+Bev 療法を行っている.若年でも不正性器出血を認める症例では,子宮頸部細胞診・組織診を含めた精密検査を考慮する必要がある..
18. 浅野間和夫、八木裕史、小野山一郎、川上穣、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、安永昌史、大神達寛、矢幡秀昭、加藤聖子, BHLHE40 Regulates Energy Metabolism Mediated by a Metal Dependent Phosphatase-AMPK Axis in Endometrial Cancer Cells, 第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2023.07, 【Objective】Cancer cells are known to depend on glycolysis for energy production. However, regulatory mechanism of metabolism in cancer cells remains largely unknown. In this study, we studied a regulation of energy metabolism by a tumor suppressive transcription factor, BHLHE40 in endometrial cancer cells.
【Methods】We used endometrial cancer cells to knockdown or overexpress BHLHE40 to examine their cellular glycolysis and OXPHOS(oxidative phosphorylation)using a flux analyzer. The expression of AMP-activated protein kinase alpha, AMPKA ; lactate dehydrogenase A subunit, LDHA;and pyruvate dehydrogenase E1 subunit alpha 1,
PDHA1 were examined by antibodies to detect total and phosphorylated forms of each protein. The activity of PDH
and LDH was also examined. A PPM family of phosphatase was examined to regulate AMPK activity. Transcriptional
regulation of PPM family by BHLHE40 was also examined using a reporter assay, gel-shift assay and ChIP assay.
【Results】Knockdown of BHLHE40 in the cancer cells resulted in upregulation of glycolysis accompanied with activation of LDH, and downregulation of OXPHOS accompanied with suppression of PDH. Remarkable suppression of AMPK activity was observed. On the contrary, forced expression of BHLHE40 in the cancer cells exert the reverse effects. We also found that PPM phosphatases mediated BHLHE40-regulated AMPK activity.
【Conclusion】BHLHE40 is suggested to regulate the activity of AMPK mediated by PPM phosphatases to control the energy metabolic balance between glycolysis and OXPHOS in endometrial cancer cells. Understanding the mechanism of energy production in cancer cells might lead to a new strategy to control the development of endometrial cancer..
19. 小野山一郎、川上穣、片山由大、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、大神達寛、浅野間和夫、矢幡秀昭、堀絵美子、加藤聖子, The Incidence of Gastrointestinal Perforation in Cervical Cancer Patients Who Received Radiotherapy and Bevacizumab-containing Chemotherapy:A Single Institutional Survey, 第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2023.07, 【Objective】Bevacizumab is a molecular target drug used for various types of cancer including ovarian cancer and cervical cancer in gynecologic field. Gastrointestinal(GI)perforation is well known as a serious adverse event of bevacizumab. A history of abdominal radiotherapy and certain types of cancer(colorectal cancer, and renal cell carcinoma)are reported as the risk factors of GI perforation. The aim of this study is to investigate the incidence of GI perforations in cervical cancer patients who received radiotherapy and chemotherapy containing evacizumab.
【Methods】We retrospectively reviewed medical records of patients with cervical cancer who received chemotherapy containing bevacizumab between 2017 to 2022 in our hospital. Informed consent was obtained from all patients prior to enrollment in the study. The ethics committee approved the study protocol.
【Results】92 patients received bevacizumab-containing chemotherapy(median 6 cycles, 1-18)for cervical cancer. 71(77.1%)cases of them had radiotherapy including external beam pelvis radiotherapy, concurrent chemoradiotherapy (CCRT), and heavy ion radiotherapy. No GI perforation was observed in patients without radiotherapy. Of 71 patients who received radiotherapy, GI perforation occurred in 2(2.8%)cases. One case had CCRT, and the other case had heavy ion radiotherapy before bevacizumabcontaining chemotherapy.
【Conclusion】This study indicates that use of bevacizumab before or after radiotherapy for cervical cancer would be tolerable considering GI perforation..
20. 八木裕史、大神達寛、川上穣、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、安永昌史、小野山一郎、浅野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 当科がんゲノム外来の現状と課題, 第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2023.07, 【目的】がんゲノム医療中核拠点病院である当院では,がんゲノム外来を介してがん遺伝子パネル検査の提供を行っている.これまでの当外来での実績をまとめ,現在の課題について検討を行った.
【方法】2019年8 月から2022 年12 月までに当科がんゲノム外来を受診した80 例についてIRB の承認を得た上で,後方視的に調査を行った.
【成績】受診者は80 例(院内65 例,院外からの紹介15 例),そのうち70 例ががん遺伝子パネル検査を希望した.症例の内訳は,卵巣癌23 例,腹膜癌5 例,子宮頸癌21 例,子宮体がん20例,腟癌1 例であった.検査方法は,FoundationOne CDx が52 例,FoundationOne Liquid CDx が2 例,NCC オンコパネルシステムが16 例であった.検体不良などのため3 例が検査中止となった.エキスパートパネルを実施した67 例のうち,18 例(26.9%)に対して遺伝子異常に基づいた治療が推奨,26 例(37.1%)に対して臨床試験が提示され,そのうち2 例(3.0%,患者申出療養制度を用いた受け皿試験1 例,臨床試験1 例)が治療に到達した.
【結論】当院ではがんゲノム外来を通した一元管理によって,がん遺伝子パネル検査のスムーズな提供が可能となっている.しかしながら,他のがんゲノム中核拠点病院と比較して検査後の治療到達率は低く,その理由の一つとして治験実施施設への通院にともなう時間的,経済的負担が大きいことが考えられた..
21. 清木場亮、杉浦多佳子、嘉村駿佑、蜂須賀信孝、坂井淳彦、藤田恭之、加藤聖子, HELLP 症候群との鑑別に苦慮した,発作性夜間ヘモグロビン尿症合併妊娠の一例, 第59回日本周産期・新生児医学会学術集会, 2023.07, 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、補体活性化により毛管内溶血を呈する稀な溶血性貧血で、PNH合併妊娠ではHDP、FGR,血栓症の発症リスクが上昇する。今回、妊娠前より原因不明の溶血性貧血を認め、妊娠21週にHELLP症候群を発症し、人工妊娠中絶後にPNHと判明した一例を経験した。症例は25歳、1妊0産、23歳時の健康診断で溶血性貧血を認めたが、原因不明であった。自然妊娠成立後の初期検査で貧血と血小板減少を認め、血液内科を受診したが、診断に至らず経過観察されていた。妊娠21週2日に重傷高血圧、蛋白尿を認め、当院へ母体搬送された。初診時、血圧は184/118mmHg、尿蛋白/Cr比5.26、血液検査で溶血性貧血、血小板減少を認めた。肝酵素は軽度上昇に留まり、妊娠週数を考慮し、降圧治療を行いつつ慎重に経過観察し、溶血性貧血、血小板減少に対して骨髄穿刺を含めた精査を行ったが、原因の特定には至らなかった。妊娠21週6日に血圧の再上昇、上腹部痛、血小板数の急激な低下、溶血性貧血の増悪、腎機能障害を認め、HELLP症候群の増悪と判断し、妊娠帰結の方針とした。妊娠帰結後にフローサイトメトリーでPNHと判明し、予防的に抗凝固療法を開始し、現在も継続中である。溶血性貧血、肝酵素上昇、血小板減少といった症状を有する疾患は妊娠後に診断を確定することが重要であり、また、本症例のようにPNH合併妊娠でHDPを発症した際にはHELLP症候群の発症か否かの鑑別が困難なことがあことを留意すべきである。.
22. 藤玄一郎、杉浦多佳子、清木場亮、嘉村駿佑、蜂須賀信孝、坂井淳彦、藤田恭之、加藤聖子, 妊娠分娩管理法を模索した巨大肝海綿状血管腫の一例, 第59回日本周産期・新生児医学会学術集会, 2023.07, 肝海綿状血管腫は最も一般的な肝臓良性腫瘍で、エストロゲンで増大の可能性があり、血小板数減少や凝固機能障害を伴う腫れ辻の死亡率は60-70%と非常に高い。妊娠中の肝海綿状血管腫に対する管理指針はなく、管理法を模索した症例を経験した。症例は34歳、1妊0産、19歳時に超音波検査で偶発的に多発の肝海綿状血管腫を指摘された。その後は無症状であったが、腫瘍径は援徐に増大し、妊娠前の最大腫瘍径は9cmであった。今回、自然妊娠が成立し、妊娠17週の当科初診時、超音波検査で肝臓右後区域に既知の最大9cmがあり、他に2cm大の血管腫が多発していた。破裂時の死亡率が高いことから、妊娠中の治療に関して肝臓内科と相談したが、無症状であるため適応がないと判断された。妊娠・分娩中の腫瘍破裂時には緊急のIVRが行えるよう放射線科と相談、準備をした。その後の妊娠経過中に腫瘍径の増大や血小板数の低下はなかった。妊娠に伴うエストロゲン刺激による腫瘍増大や経腟分娩に伴う腫瘍破裂の可能性などを文献的に検索した上で、分娩時期、分娩様式を患者・家族に提示しインフォームドチョイスの結果、妊娠37週1日に帝王切開分娩で児を娩出した。周術期は特に合併症なく経過した。巨大な肝海綿状血管腫の合併妊娠の報告例は少なく、今後、本疾患合併妊娠の妊娠・分娩管理方針を検討する上で、症例の蓄積が重要である。.
23. 永田公二、近藤琢也、福田篤久、鳥井ケ原幸博、玉城昭彦、馬庭淳之介、川久保尚徳、井上普介、永田弾、賀来典之、藤田恭之、松浦俊治、大賀正一、加藤聖子、田尻達郎, 当科における先天性横隔膜ヘルニア初回手術時の層別化戦略と合併症に対する個別化戦略, 第59回日本周産期・新生児医学会学術集会, 2023.07.
24. 加藤聖子, 女性の一生を診る~小児科の先生方とともに~, 第59回福岡県小児科医会総会, 2023.07, 産婦人科は、卵の発生から始まり、胎児期・新生児期・思春期・生殖期・更年期・老年期を経て死を迎えるまで、「女性の一生を診る」診療科である。これらの全てを産婦人科医だけではカバーすることは不可能で多職種連携が必須となる。本講演ではまず、胎児期や新生児期に診断され、成人期までのフォローが必要な「ターナー症候群」「総排泄腔遺残症」を例に、管理における産婦人科医の関与や小児科・小児外科からの移行期医療について考える。また、子宮頸がん予防のためのHPVワクチンや望まない妊娠への対応は小児期からの性教育・がん教育が必要であり、小児科や教育現場との連携の必要性も考えていきたい。.
25. 加藤聖子, 女性ヘルスケアから考える産婦人科医療~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~, 姫路産婦人科医会学術講演会, 2023.06.
26. 加藤聖子, エストロゲン依存性子宮体癌の生物学的特性, 第96回日本内分泌学会学術総会, 2023.06, 子宮体癌の罹患率は最近15年間で3倍と増加している。子宮体癌は、エストロゲン依存性のtupeIとエストロゲン非依存性のtypeⅡに分類されてきたが、最近はThe Cancer Genome Atlas(TCGA)プロジェクトによる子宮体がんの統合的ゲノム解析によりPOLE ultramuted, microsatellite instability hypermuted, copy-number low, copy-number highの4つに分類され予後とも相関することが示されている。子宮体癌のリスク因子に肥満症がある。内臓脂肪蓄積による脂肪細胞からはアディポサイトカインが産生され、子宮体癌のリスク因子である月経異常・糖尿病・高血圧・脂質異常症などの疾患を引き起こす。肥満症ががんのリスクを上昇させるメカニズムとしては、インスリン抵抗性・ホルモン分泌異常・慢性炎症などが考えられており、これらの病態を改善させるメトホルミン・スタチンの役割が注目され臨床研究もおこなわれている。子宮体癌はエストロゲンが低下する周閉経期に罹患率が増えるが、マウスやヒトの子宮内膜においてIL-17RBが若年に比べて高齢の子宮内膜に発現が亢進していた。IL-17RBの下流で発現するサイトカインの中には老化に関係するものと増殖に関係する者があり、この違いが子宮体癌の発癌に関与していることが示唆された。また、エストロゲンはエストロゲンレセプター(ER)が転写因子として作用するgenomicや細胞膜に結合するnon-genomicの機序により下流の増殖シグナル経路を亢進する。我々は以前、typeIに多くみられる変異型RAS変異がERの転写活性を亢進することを報告した。その後この機序は特に幹細胞でのみ見られることや、KRAS変異を持つ子宮体癌細胞の幹細胞形質に重要な遺伝子を同定した。
本講演ではエストロゲン、肥満、炎症、KRAS変異、幹細胞の視点から子宮体癌の生物学的特性について考察する。.
27. 蜂須賀一寿、小野山一郎、川上穣、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、大神達寛、安永昌史、浅野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 再発子宮体癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性の検討, 第80回九州連合産科婦人科学会・第74回九州ブロック産婦人科医会, 2023.05, 【目的】化学療法歴のある子宮体癌再発症例には、これまでAP療法やTC療法が用いられてきた。一方、近年ペンブロリズマブ療法(Pem療法)やペンブロリズマブ・レンバチニブ療法(Pem/Len療法)が登場し、その効果が期待されている。これら新しい治療法の有効性について検討するため、当科における治療成績を解析した。
【方法】当科において2019年8月から2023年2月の間に施行したPem/Len療法およびPem療法の症例17例を後方視的に解析した。本研究は当院倫理審査委員会に承認され、全例文書によるインフォームドコンセントを取得している。
【成績】化学療法歴を有する子宮体癌再発症例17例(28-84歳、中央値66歳)に免疫チェックポイント阻害薬による治療を行った(Pem/Len療法12例、Pem療法5例)。Pem/Len療法12例中、MSI院生は8例、未検が4例であった。Platinum-free interval(PFI)【結論】免疫チェックポイント阻害薬は化学療法既治療の子宮体癌再発症例に対する有効な治療法であると考えられる。今後は従来の化学療法を含め、より効率的な治療法の選択が可能となるパラメータについて検討したい。.
28. 横田奈津子、詠田真由、蔵本和孝、友延尚子、濱田律雄、河村圭子、磯邉明子、宮崎順秀、大石博子、加藤聖子, BRCA病的バリアント保持者におけるリスク低減卵管卵巣摘出術後患者のヘルスケアに関する取り組み, 第80回九州連合産科婦人科学会・第74回九州ブロック産婦人科医会, 2023.05, 【緒言】当科のヘルスケア外来では婦人科がんサバイバーのホルモン補充療法(HRT)を含むヘルスケア診療および月経関連疾患の内分泌両方を主に行っているが、近年リスク低減卵管卵巣摘出術(risk reducing salpingoophorectomy:RRSO)後の卵巣欠落症状を呈する患者を見受けるようになった。
【症例】2卵生双生児の姉が乳がんを発症し、姉にBRCAB2を認めた。妹である患者も遺伝子検査で同様にBRCAB2を認めたため、42歳時にRRSOに加え、子宮筋腫合併のため腹式単純子宮全摘術も同時に施行した。術後よりホットフラッシュが出現したためヘルスケア外来を受診した。ホットフラッシュは持続するもののHRTを希望されず、漢方薬を開始した。術後3か月時の骨密度検査(DEXA法)のYAM値は腰椎で83%、大腿骨頸部で83%であったが、術後17か月時には腰椎71%、大腿骨頸部72%であった。血液検査では術後より総コレステロールおよびLDLコレステロールが高値で、食事指導により一時的に改善を認めたものの再上昇したため薬物療法を開始し、改善を認めた。
【考察】遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き2017年版によれば「CQ25.BRCA変異を有する女性に対してホルモン補充療法(HRT)は推奨されるか?」に関して、「乳癌未発症者のRRSO施行例に対して、HRTは推奨される(推奨グレードC1)となっているものの、乳癌リスクを懸念し、HRTを希望されないケースが多い。RRSO後女性の健康寿命を短縮させないために早期から長期的なヘルスケアが望まれる。.
29. 本村真由子、蜂須賀信孝、杉浦多佳子、清木場亮、嘉村駿佑、坂井淳彦、藤田恭之、加藤聖子, 胎児期に先天性肺気道奇形と診断したが、出生後に手術を行い重複食道と判明した1例, 第80回九州連合産科婦人科学会・第74回九州ブロック産婦人科医会, 2023.05, 重複朝刊は縦隔・食道にも発生し、形態は球状となりやすく、重複食道は他の嚢胞性胸部腫瘍との鑑別が困難である。正常な消化管と交通がないことも多く、粘液が貯留して増大し、周囲臓器を圧迫する可能性がある。今回、胎児期に先天性肺気道奇形(CPAM)と診断したが、出生後に腫瘍摘出手術を行い、病理組織診断で重複食道と診断した1例を経験したので報告する。報告にあたり、倫理上に関するインフォームド・コンセントを得た。
症例は42歳、2経産婦。自然妊娠が成立し、近医で妊娠管理を行われた。妊娠20週に胎児胸部腫瘤を指摘され、当院に紹介となった。胎児超音波検査で胸腔内に3cm大の単胞性嚢胞性腫瘤を認め、大動脈からの栄養血管の分枝はなく、横隔膜の欠損もないことから、先天性肺気道奇形と診断した。CCAM volume ratio(CVR)は0.8であったが、腹水、心嚢液の貯留あり、胎児水腫の診断で嚢胞穿刺を施行した。腫瘍は経時的に増大し、嚢胞穿刺を繰り返し要した。円滑な新生児治療への移行を目的として妊娠37週4日に選択的帝王切開術を施行した。児は3048gの女児で、Apgarスコアは1分後が5・、5分後が5点、臍帯動脈血pHは7.300であった。腫瘍により右肺が圧迫され含気が悪く、呼吸不全が改善しないため挿管管理とした。出生時の胸部単純レントゲンで縦隔右側に腫瘤影を認め、縦隔腫瘍が疑われた。日齢10に胸部MRI検査を行い、CPAMや気管支原性嚢胞、嚢胞状リンパ管腫が鑑別として挙がった。抜管困難のため、日齢35に腫瘍摘出術を施行し、病理組織診断で重複食道と診断した。上部消化管内視鏡検査を行い、食道に瘻孔や狭窄なく、蠕動も良好であった。全身状態良好となり、日齢60に退院した。.
30. 坂井淳彦、杉浦多佳子、清木場亮、嘉村駿佑、蜂須賀信孝、藤田恭之、加藤聖子, 当院で取り組む産婦人科後期研修医への指導と、より学びを深めるために必要な方策についての考察, 第80回九州連合産科婦人科学会・第74回九州ブロック産婦人科医会, 2023.05, 近年、その導入が促進されている医師の働き方改革は、勤務時間が制限されるようになり、継続性のある働き方になるという点で望ましい変革である。一方で、実質ほぼ無制限に勤務が可能であり、時間外受診した患者の診療を多数経験していた頃と比較して、若手産婦人科医の経験値は減少しているものと思われる。そのため、これからの時代の医師は、これまで以上に経験した症例からより多くのことを効率よく学ぶことが重要である。また、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって人的交流を伴う教育も制限されている。その一方で、ネットワークサービスの普及により、学術講演会への参加が容易となるなど学習機会は増加している。
周産期医療においては妊娠高血圧症候群や胎児発育不全をはじめとするcommon diseaseや常位胎盤早期剥離、産科出血といった、どの施設でも発生しうる救急疾患が存在する。また、胎児心拍数陣痛図を用いた胎児健常性評価や超音波検査、分娩誘発などの日常的に実施する検査や治療介入が存在する。これらの疾患や検査、手技について深く理解した上で経験を積むことが、効率よい学びを促進するという点で重要である。
当施設では、これまでに主に後期研修医を対象として日常的に診断・治療している疾患や実施している検査、手技について、その理解が深まることを目的に周産期専門医による講義を行ってきた。新型コロナウイルス感染症が蔓延してからはネットワークサービスを活用し、当施設外の後期研修医に対しても受講ができるようにしている。今回、我々の取り組みを紹介するとともに今後の課題について考察する。.
31. @加藤聖子, 産婦人科の臨床と研究~現状と課題~, 令和5年度北大産婦人科同門会 第49回臨床セミナー, 2023.05, 今後の産婦人科医療を考える上で重要な点は、「少子化」「晩婚化・晩産化」であり、我々産婦人科医はこの社会状況の変化への対応が求められている。昨年4月から不妊治療が保険適応となっているが、生殖補助医療を行っても年齢とともに妊娠率・生産率は減少してくる。加齢に伴う卵の老化による胚の異数性などが原因と考えられているが、着床には子宮内膜の状態も関与している。我々は以前より子宮内膜の機能やその異常に着目し研究を行ってきた。現在は加齢とともに発現が上昇してくる炎症性サイトカインとの関連を検討している。また、最近増加している子宮体癌に対して臨床の現場では、高用量黄体ホルモンによる妊孕性温存療法、進行・再発例に対しては分子標的治療が行われている。しかし、難治性の症例もあり、その原因の一つにがん幹細胞の存在が考えられている。我々は幹細胞の同定と生物学的特性の解析を行い、子宮体癌幹細胞は自己複製能と間質への分化能を持つことを明らかに
しこの特性が再発・転移に重要であることを報告した。がん幹細胞を標的にした治療はがん幹細胞だけではなくその微小環境も標的とした多角的な治療戦略が必要であり、現在、腫瘍間質を標的とした治療法の開発を試みている。臨床面では、AYA世代のがんに対する対応も必要である。20 ~ 30代で増加している子宮頸癌はこの代表である。我々は高度扁平上皮内病変(CIN2/3)に対してレーザー治療、妊孕性温存希望の初期子宮頸癌に対して子宮頸部摘出術、低侵襲手術としてセンチネルリンパ節生検を行っており、その予後や問題点を紹介する。また、今後は他分野との連携もより一層重要になってくる。子宮頸癌は、HPV ワクチンの予防効果が証明されており、2023年4月から9価HPVワクチンの定期接種化や9~ 15歳未満には2回接種も始まり、この普及には小児科医との連携が必須である。近年、プレコンセプションケアの重要性が注目されており、小児科・内科・外科と連携が必要である。女性ヘルスケアの面からの乳癌、子宮頸癌、子宮体癌の予防における産婦人科医が果たすべき役割についても考えていきたい。.
32. 加藤聖子, 産婦人科における性分化疾患の治療~月経随伴症状の観点から~, 第9回山陰内分泌セミナー学術講演会, 2023.05.
33. 宮崎順秀、詠田真由、藏本和孝、友延尚子、濱田律雄、河村圭子、横田奈津子、磯邉明子、大石博子、加藤聖子, 当科における先天性心疾患既往不妊患者の検討, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, 【目的】当科における先天性心疾患既往不妊患者について不妊治療と経過を検討する【方法】2017年5月~2022年5月における当科での先天性心疾患既往不妊患者8症例について検討した【成績】初診時の平均年齢は29歳(23-33)ですべて未経妊だった.先天性心疾患と施行術式の内訳は三尖弁閉鎖症でのFontan手術が5例,Fallot四徴症での一期的心内修復術1例,Rateli手術1例,完全大血管転位でのJatene手術1例だった.抗凝固薬,抗血小板薬の服薬状況は,ワーファリンとアスピリンの併用が2例,ワーファリンのみが2例,アスピリン内服のみ2例だった.周産期専門医によるプレコンセプショナルケアはlow risk群(Fallot四徴症1例,完全大血管転位1例)を除く6例が受けていた.また不妊治療にあたり小児科・循環器内科との連携を行った.不妊治療はタイミング法2例,排卵誘発剤1例,人工授精3例,生殖補助医療2例だった.妊娠例は5例(うちFontan手術後症例2例)で,すべて無痛分娩により生児を獲得した.早産は1例(34週4日)で,4例は正期産だった.ワーファリン内服症例は妊娠後からヘパリンに変更し入院管理の上,ヘパリン持続投与を行った.なお複数回妊娠例を1例(3妊)に認めたが,第一子分娩以降は流産となった.【結論】先天性心疾患既往患者は医療の進歩により生殖可能年齢に達するようになってきたが,月経異常や晩婚化から今後も先天性心疾患既往不妊症患者の増加が予想される.特にFontan手術後のようなhigh risk群はプレコンセプショナルケアによる患者・家族への十分な説明と理解を得た上で,不妊治療を開始し,小児科・循環器内科・麻酔科等の他科と密な連携をとることが重要と考えられる..
34. Kiyokoba R, Kamura S, Sugiura T, Hachisuga N, Sakai A, Ogawa M, Fujita Y, Kato K, Treatment outcome and fetal treatment indications for congenital diaphragmatic hernia managed at our hospital, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]The prognostic factors for congenital diaphragmatic hernia(CDH)include the severity of the disease, fetal complications, and the number of cases experienced by the facility. Severe cases are life threatened and fetoscopic endoluminal tracheal occlusion(FETO)is performed at the National Center for Child Health and Development in Japan. In this study, we examined the treatment outcome for CDH managed at our hospital and the percentage of patients eligible for FETO. [Methods]From 2006 to 2020, 69 cases were diagnosed prenatally and treated in the neonatal period at our hospital. Treatment outcome were retrospectively examined using medical records. Multiple malformations and chromosomal disorders were excluded, and FETO subjects were based on the TOTAL trial criteria., [Results]Sixty-three cases were included in this study(55 left-sided, 7 right-sided, 1 bilateral). The median gestational age at diagnosis, at delivery, and median birthweight were 27.0 weeks, 37.6 weeks, and 2653 g, respectively. Overall survival to hospital discharge was 52/63(83%)and left- and right sided CDH was 47/55(86%)and 5/7(71%), respectively. Survival to hospital discharge for left-sided CDH in severe and moderate was 5/8(63%)and 18/21(86%), respectively. Cases eligible for FETO were 5/8(63%)with severe left-sided CDH(less than 30 weeks)and 20/21(95%)with moderate cases(less than 32 weeks). [Conclusion]The overall treatment outcome for moderate to severe cases at our hospital was comparable to previous reports, including those who underwent FETO. However, for extreme severe cases(O/E LHR<15%), FETO should be considered..
35. Hachisuga N, Takeuchi Y, Sugiura T, Kamura S, Kiyokoba R, Sakai A, Ogawa M, Fujita Y, Okugawa K, Yahata H, Kato K, The efficacy of our management policy of pregnancy after abdominal trachelectomy, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]We aimed to confirm the outcome of pregnancy after abdominal trachelectomy(AT)which was managed at a single institution, and to retrospectively examine the management policy for pregnancy after AT. [Methods]The pregnant women after AT and delivered at our hospital were included in this study. In our hospital, the patients after AT were routinely hospitalized after 30 weeks for anticipated acute bleeding from vaginal varices, even if they did not have any symptoms. In this study, we retrospectively examined the incidence of adverse events according to gestational age and pregnancy outcomes from the medical records. Additionally, the efficacy of our management policy for pregnancy after AT was re-considered. [Results]Between 2008 and 2021, 38 patients after AT delivered in our hospital. Of these, 22 patients were hospitalized with symptoms, such as genital bleeding, rupture of membrane and uterine contraction, while 16 patients were asymptomatic and routinely hospitalized after 30 weeks. The incidence of preterm delivery, preterm premature rupture of membranes and genital bleeding was 68.4%, 42.1%, 47.4%, respectively. There were no cases requiring emergency blood transfusion against sudden genital bleeding. [Conclusion]Pregnancy after AT was associated with high incidence of premature birth, premature rupture of membranes, and genital bleeding. On the other hand, routine hospitalization after 30 weeks against sudden genital bleeding seems not needed as the management of pregnancy after AT..
36. Yagi H, Onoyama I, Asanoma K, Kawakami M, Hachisuga K, Maenohara S, Kodama K, Yasunaga M, Ohgami T, Yahata H, Kato K, Tumor-derived ARHGAP35 mutations enhance the Ga13-Rho signalling axis in human endometrial cancer, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]Dysregulated G-protein coupled receptor(GPCR)signaling is involved in the progression of human cancers. The heterotrimeric G protein Gα13 is highly expressed in various human cancers and regulates diverse cancer-related cellular functions by activating Rho. Here we evaluated the novel mechanisms by which Gα13-Rho signaling axis promotes cell proliferation of human endometrial cancer(EMCA). [Methods]Gα13 expression in human endometrial tissues were examined by immunohistochemistry. All patients involved in this study provided written informed consent. We used chimeric G-proteins and GPCRs activated solely by artificial ligands to selectively activate the signalling pathway downstream of Gα13. Signaling pathways and transcriptional activity regulated by Ga13 were examined by Western blot, qPCR and luciferase assay, using human EMCA cells, HOUA and HWCA. [Results]Gα13 was highly expressed in human EMCA tissues compared with normal endometrial tissues. No histological subtype specificity was observed for Gα13 expression in EMCA. Gα13 activation promoted transcriptional activity of AP1 through Rho, leading to enhanced proliferation of EMCA cells. Of interest, The Cancer Genome Atlas revealed RhoGAP regulatory protein ARHGAP35 was mutated at high frequency as 24% in EMCA. In Rho pull-down assay, the RhoGAP activity was impaired by 57 of 124 tumor-derived ARHGAP35 mutations. These loss-of-function mutations comprised 24 missense mutations, 19 nonsense mutations, 12 frame-shift mutations and two in-flame deletion. These data suggest that ARHGAP35 mutations found in human EMCA are involved in Gα13-mediated activation of Rho and AP1. [Conclusion]Our findings suggest that Gα13-Rho signalling axis provide novel therapeutic opportunities for EMCA..
37. Maenohara S, Kawakami M, Hachisuga K, Kodama K, Yagi H, Yasunaga M, Ohgami T, Onoyama I, Okugawa K, Asanoma K, Yahata H, Kato K, Treatment outcome in cervical cancer patients with para-aortic lymph node metastases, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]In the FIGO 2018 classification, stage IIIC2 cervical cancer is indicated by para-aortic lymph node(PAN)metastasis. Therefore, this stage includes various statuses regarding local progression, and there are no clear criteria for treatment. In this study, we retrospectively examined the treatment methods and prognosis of patients with stage IIIC2 cervical cancer at our hospital. [Methods]The outcomes of patients with cervical cancer diagnosed at our hospital between 2007 and 2020 who had PAN metastasis and who completed first-line treatment were selected. The diagnosis of metastasis was made pathologically or graphically using CT or PET/CT. [Results]PAN metastasis was observed in 90 cases, 59 of which corresponded to stage IIIC2. The treatment modalities were radiation therapy(RT)in 39 cases(25 with concurrent chemoradiotherapy[CCRT], 8 with RT plus chemotherapy, and 6 with RT alone), surgery(OP)in 19 cases(adjuvant therapy:chemotherapy in 10 cases, CCRT in 5 cases, CCRT plus chemotherapy in 3 cases, no postoperative therapy in 1 case), and chemotherapy in 1 case. The 3-year recurrence-free rate was 19.7% in the OP group, versus 38.1% in the RT group. Furthermore, in the RT group, patients who received CCRT had slightly superior 3-year survival rate(69.8%)and recurrence-free rates(43.2%)than those who received OP. [Conclusion]In patients with cervical cancer and PAN metastasis, it was suggested that CCRT may provide better outcomes than OP. Further accumulation of cases with PAN metastasis is desirable in the future..
38. Hachisuga K, Kawakami M, Maenohara S, Kodama K, Yagi H, Ohgami T, Yasunaga M, Onoyama I, Okugawa K, Asanoma K, Yahata H, Kato K, Clinical significance of CD8 and PD-L1 expression in endometrial endometrioid carcinoma, G1 with DNA mismatch repair protein loss, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]Endometrial cancer with DNA mismatch repair protein loss(MMR loss)is classified as an intermediate prognostic group in the molecular classification of endometrial cancer. In previous studies, the clinical significance of MMR loss for the prognosis was a controversial issue in endometrial cancer, probably because high-grade endometrial adenocarcinomas were included in these studies and endometrial cancer with MMR loss is a heterogeneous population. The purpose of this study was to evaluate the expression of CD8 and PD-L1 in endometrial endometrioid carcinoma, G1 with MMR loss and relate it to clinicopathological features. [Methods]We retrospectively analyzed tumor samples from 67 patients with endometrial endometrioid carcinoma, G1 with MMR loss(<40 years:n=3, 40-59 years:n=42, ≥60 years:n=22). [Results]In our study, 40 cases of MLH1/PMS2 loss and 27 cases of MSH2/MSH6 loss were observed. Although 23(34.3%)PD-L1-positive cases were observed, there was no significant association between PD-L1 expression and clinicopathological features. The patients with low intraepithelial CD8 expression had significantly more frequent deep myometrial invasion, and the elderly group(≥60 years)significantly more frequently showed low stromal CD8 expression. In Kaplan-Meier analysis, the patients with low intraepithelial or stromal CD8 expression showed shorter PFS than those with high intraepithelial or stromal CD8 expression, but not statistically significant. [Conclusion]In endometrial endometrioid carcinoma, G1 with MMR loss, low intraepithelial or stromal CD8 expression was associated with shorter PFS, but not statistically significant. Further studies are needed, including the patients administered with immune checkpoint inhibitors..
39. To G, Hachisuga N, Sugiura T, Kamura S, kamura S, Kiyokoba R, Sakai A, Ogawa M, Fujita Y, Kato K, A case of exacerbated lumbar-vulvar venous malformation during pregnancy, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Introduction]Vulvar venous malformation develops and exacerbates during pregnancy due to vasodilatory effects of estrogen and compression of the inferior vena cava by the pregnant uterus. We experienced a case of lumbar-vulvar venous malformation that worsened during pregnancy and improved after delivery. [Case]41 years old, 2 gravida, 0 para. At the age of 25, the patient was diagnosed with vulvar venous malformation, complaining of perineal pain, and underwent sclerotherapy three times and resection of the vulvar venous malformation. Although the venous malformation lesion in the vulva remained, the perineal pain improved. At the age of 41, she became pregnant and at 28 weeks, perineal pain increased and walking difficulty was occurred. She felt a tenderness at the left side of her vulva where the 3 cm mass was palpable. To examine if her venous malformation in her pelvis were exacerbated with pregnancy, a pelvic MRI was performed, showing enlarged the vulvar and perirectal venous malformation. To prevent massive bleeding from the vulvar and perirectal venous malformation by injury concerning vaginal delivery, elective caesarean section was performed at 38 weeks. During laparotomy, no obvious venous malformations were observed around the uterus, bilateral adnexa, bladder-uterine fossa, and Douglas fossa, and intraoperative bleeding was 905 ml. The pain in the vulva improved immediately after delivery, and the vulvar mass disappeared. [Conclusion]In a case of exacerbated lumbar-vulvar venous malformation with pregnancy, a pelvic MRI may be useful to decide the way of delivery..
40. Morishita H, Kiyokoba R, Kamura S, Sakai A, Hachisuga N, Sugiura T, Ogawa M, Fujita Y, Kato K, Mitochondrial dysfunction-induced high hCG associated with development of fetal growth restriction and pre-eclampsia with fetal growth restriction, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]We investigated how mitochondrial dysfunction and high hCG expression affected placenta in unexplained fetal growth restriction and preeclampsia with fetal growth restriction. [Methods]We evaluated mitochondrial translation, hCGβ, antiangiogenetic factors, and inflammatory cytokine expression in 48 placenta samples(Control, n=15;fetal growth restriction, n=15;preeclampsia with fetal growth restriction, n=18). We studied whether high hCGβ affected antiangiogenic factors and cytokine expression in vitro. Furthermore, we investigated how inhibition of mitochondrial translation increased hCGβ expression in cell lines. [Results]We observed elevated expression of hCGβ and growth differentiation factor15 mRNA and protein levels in placenta of both disease states. Likewise, antiangiogenic factors, such as Ang2, IP10, sFlt1, IL8, IL1B, and TNFα were all elevated at the mRNA level. However, expression of the mitochondrial translational regulator p32 was predominantly reduced in both disease groups, which results in reduced levels of mtDNA-encoded COXI and COXII protein expression per mtDNA. In vitro, treatment of cell lines with high hCG levels increased Ang2, IP10, IL8, and TNFα mRNA levels in a dose-dependent manner via p38 and JNK kinase pathways. Treatment of JEG3 cells with mitochondrial translation inhibitors increased hCGβ expression through stabilization of HIF1α and increased IL8 and TNFα mRNA expression. [Conclusion]This study revealed that mitochondrial translational dysfunction and high hCG expression play a critical role in the development of fetal growth restriction and preeclampsia with fetal growth restriction..
41. Onoyama I, Kato M, Kawakami M, Hachisuga K, Maenohara S, Kodama K, Yagi H, Yasunaga M, Ohgami T, Asanoma K, Yahata H, Kato K, Epigenetic characterization of ovarian high-grade serous carcinoma by genome-wide 5-hydroxymethylcytosine sequencing, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]Both DNA methylation in promoter regions of tumor-suppressor genes and genome-wide hypomethylation are epigenetic characteristics in cancer cells, however, the mechanisms and biological significance of DNA hypomethylation in cancer cells are still unclear. Here, we investigated 5-hydroxymethylcytosine(5hmC)levels and genome-wide distributions in ovarian cancers and tried to unveil the roles of an intermediate products of DNA demethylation processes. [Methods]5hmC levels were examined by immunohistochemistry and ELISA. Genome-wide 5hmC distributions were investigated by NGS. Ovarian cancer specimens from 138 patients treated between 2002 and 2016 were included in these experiments. Informed consent was obtained from all patients prior to enrollment in the study. The ethics committee of our facility approved the study protocol. [Results]Ovarian cancer cells showed higher levels of 5hmC compared with epithelial cells of normal ovary and fallopian tube. Notably, high-grade serous carcinomas(HGSCs)with lymph-node(LN)metastasis showed significantly higher levels of 5hmC compared with those without LN metastasis. Genome-wide 5hmC sequencing showed 5hmCs were adjacent to various oncogenes in HGSC cases regardless of LN metastasis, however, comparative gene ontology analysis revealed some characteristic pathways specific to HGSCs with LN metastasis. [Conclusion]Epigenetic changes of 5hmC levels and their distributions could be implicated in LN metastasis in ovarian HGSCs..
42. Yasunaga M, Kawakami M, Hachisuga K, Maenohara S, Kodama K, Yagi H, Ohgami T, Onoyama I , Okugawa K,Asanoma K,Yahata H, Kato K, Decision making of subsequent therapy for recurrent or advanced endometrial cancer patients based on platinum-free interval, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]To evaluate the progression-free survival(PFS)and overall response rate(ORR)of patients with recurrent endometrial cancer(REC)or advanced endometrial cancer(AEC)retreated with platinum-containing chemotherapy based on the platinum-free interval(PFI). We compared our results with those reported in the Keynote-775 study(which used pembrolizumab plus lenvatinib). [Methods]A retrospective analysis was conducted on 65 patients with REC or AEC retreated with platinum-containing regimens between 2005 and 2020 at our hospital. Various clinicopathological variables were analyzed:(1)age;(2)performance status;(3)histology;(4)history of pelvic irradiation in the adjuvant setting;(5)PFI;(6)chemotherapy regimen;(7)PFS and overall survival after retreatment with platinum-containing chemotherapy;(8)best ORR. Survival analyses were done using Kaplan-Meier curves with log-rank tests. [Results]The best ORR and PFS was 43.3% and 9.5 months, respectively, in REC AEC patients showing a PFI ≥ 6 months. These results were comparable with those of patients treated with pembrolizumab plus lenvatinib. The best ORR and PFS of patients showing a PFI<6 months were inferior to those of patients treated with pembrolizumab plus lenvatinib. [Conclusion]We should choose pembrolizumab plus lenvatinib for REC or AEC patients showing a PFI<6 months. For a PFI ≥6 months, we can use pembrolizumab plus lenvatinib or platinum-containing chemotherapy depending on degree of residual side-effects associated with cytotoxic agents..
43. Kawakami M, Yahata H, Hachisuga K, Maenohara S, Kodama K, Yagi H, Yasunaga M, Ohgami T, Onoyama I, Asanoma K,Kato K, The predictive clinical course of positive peritoneal cytology alone in early stage endometrial cancer, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, [Objective]Peritoneal cytology was excluded from the staging system from the 2008 FIGO classification in endometrial cancer, and our treatment strategy is no adjuvant therapy for the patients with early-stage endometrial cancer with only peritoneal positive cytology without any other risk factor. However, it is still now controversial whether positive peritoneal cytology is an independent prognostic factor or not. To evaluate the adequacy of our therapeutic strategy, we reviewed our cases. [Methods]We performed 722 operations for endometrial cancer between 2005 and 2018. 400 patients were stage IA, and 34 of 400 had peritoneal positive cytology. 22 of 34 were high-grade histological subtype, who received adjuvant therapy. Remaining 12 patients with peritoneal positive cytology alone did not receive adjuvant therapy. We retrospectively evaluated the clinical outcome of these 12 patients. [Results]The histological subtype was G1 in 11 patients and G2 in 1. Seven had no myometrial invasion and five had less than half myometrial invasion. Three patients had lympho-vascular space invasion. One of 12 patients(8%)experienced recurrence in the pelvic lymphnode after 38 months during a median follow-up period of 80 months(range, 11-143 months). This patient had received paclitaxel plus carboplatin regimen, and is now alive without disease for more than ten years. [Conclusion]Only peritoneal positive cytology doesn't seem to affect the prognosis without adjuvant therapy. Prospective randomized study is warranted to determine the standard of care for patients with only peritoneal positive cytology endometrial cancer..
44. 横山 良仁、海野 信也、宋 美玄、種部 恭子、加藤 聖子、木村 正, リプロダクティブ・ヘルス普及推進委員会企画
日本における SRHR の諸問題―どう解決していくか―, 第75回日本産科婦人科学会学術講演会, 2023.05, セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(Sexual Reproductive Health and Rights;SRHR)は,性と⽣殖に関する健康と権利である.⾃分のセクシュアリティや望む時に望むだけの⼦どもを持つことをすべての⼈が⾃分で決められる.セックスを安心して生殖(妊娠すること)と分離できる.そのために,避妊の⽅法や不妊治療について知ること.⽣殖器のがんや感染症の予防や治療ができること.⺟⼦保健や育児⽀援.SRHRは,これらすべてを⼤切にする理念である.2022年6月本学会からSRHR普及推進宣言を発出し,わが国及び世界におけるSRHRに関する課題に対して積極的に関わること,わが国の社会のジェンダー平等の達成に貢献すること,SRHRの侵害を含む,ジェンダー平等を阻害する課題が提起された場合には,専門学会として正面から対応することを宣言した.
しかしながらSRHRに関して我が国が抱える問題点は多数存在する.⺟体保護法には配偶者同意の問題がある.我が国の性教育では(包括的性教育)どのように妊娠するかなど人間の生理学や,幸福な人間関係の一環としての性的関係などは全く教育されていない.社会全体の性⾃認,性的指向の認識や理解が不⾜している.LGBTへの差別はいまだに存在する.避妊法では,⼥性が主体的に選択できる低⽤量ピルや⼦宮内避妊などの医学的避妊法の情報や種類が少ない.⼥性の約15⼈に1⼈が無理やり性交された経験を持つという性暴力の問題.産後うつなどの問題に対して社会全体の認識不足,将来の妊娠を考えて女性やカップルが⾃⾝の⽣活習慣や健康状態に向き合いセルフケアをするプレコンセプションケアの認知度の低さ.さまざまな問題点を抱える我が国の現状であるが,SRHRの問題のテーマを絞り4名のディスカッサントが解決の糸口を述べていく..
45. 加藤聖子, 女性ヘルスケアの視点から子宮体癌を考える, 佐世保産婦人科医会学術講演会, 2023.04.
46. 加藤聖子, 女性ヘルスケアから考える産婦人科医療~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~, 2023奈良女性ヘルスケア研修会, 2023.04.
47. 加藤聖子, 女性ヘルスケアから子宮体癌を考える, 第14回大分女性医学フォーラム, 2023.04.
48. 友延尚子、蔵本和孝、#詠田真由、河村圭子、濱田律雄、横田奈津子、磯邉明子、宮﨑順秀、大石博子、加藤聖子, 分子標的薬による寛解導入療法後に2回の妊孕性温存を行い、異なる治療成績を得た多発性骨髄腫の一例, 第79回九州・沖縄生殖医学会, 2023.04, 近年がん診療の進歩により、分子標的治療を行う症例が増えているが、分子標的薬の性腺機能への影響は未だ不明とされている。今回、分子標的薬による寛解導入療法後の短期間に2回の妊孕性温存療法を行い、異なる治療成績を得た多発性骨髄腫の一例を経験したので報告する。
症例は28歳、既婚、未産、BMI41.75の高度肥満と既往歴にアレキサンダー病あり。多発性骨髄腫の診断後、妊孕性温存療法目的に当科紹介となった。寛解導入療法として、Dara-Bd療法(ダラツムマブ、ボルテゾミブ、デキサメサゾン)を計4サイクル施行し、その1ヶ月後にランダムスタート法での調節卵巣刺激を開始した。AMH値2.88ng/mL、調節卵巣刺激開始時の胞状卵胞数は4個、ゴナドトロピン総投与量は3.675単位、採卵決定時のE2値は1701.1pg/㎖、1個の分割期胚を凍結保存した。2回目の妊孕性温存療法の強い希望があり、原疾患主治医の許可を得て、その翌月にランダムスタート法での調節卵巣刺激を開始した。開始時の胞状卵胞数は12個、ゴナドトロピン総投与量は1.800単位、採卵決定時のE2値は1.351.0pg/㎖、6個の分割期胚を凍結保存した。今回文献的考察を交えて報告する。.
49. 加藤聖子, 子宮がん予防~日本の現状と課題~, HPVワクチンセミナー~チームで取り組む子宮頸がん予防~, 2023.03.
50. 大石博子、友延尚子、濱田律雄、磯邉明子、宮崎順秀、加藤聖子, 当院における乳がん患者に対する妊孕性温存療法の現況, 第29回日本産婦人科乳腺医学会, 2023.02, 【背景】近年、がん治療の進歩により、若年がん患者の予後は大幅に改善されつつある。一方で、化学療法や放射線療法などによる性腺機能障害は深刻な問題であり、現在、国レベルでの妊孕性温存療法の研究促進事業が行われている。当院では2018年より倫理委員会の承認を得て、若年がん患者等への妊孕性温存療法を行っており、そのうち乳がん患者における治療の現況について報告する。
【方法】2018年4月から2022年11月に、乳癌の診断で当院にて妊孕性温存療法を行った18例を対象とし、年齢、AMH値、調節卵巣刺激法、アロマターゼ阻害薬併用の有無、採卵前E₂値、採卵数、卵子/胚凍結数、合併症、妊孕性温存療法後の不妊治療症例等について診療録より後方視的に調査した。
【結果】年齢は25-39歳(中央値34歳)、AMH値は0.24-6.40(中央値1.27)、調節卵巣刺激法はランダムスタート法が15例であった。採卵前E₂値はアロマターゼ阻害薬を併用した症例で中央値1071.5pg/ml、併用しなかった症例で1413.0pg/mlであった。採卵数は1-40個(中央値11)、凍結卵子/胚数は0-27個(中央値9)で、凍結保存できなかった症例が2例、凍結したが原病死により凍結中止した症例が1例あった。合併症は、重症OHSSが1例、ゴナドトロピン製剤による嘔気が1例であった。妊孕性温存療法後の不妊治療を行った症例は1例であった。
【結論】乳がん治療が最優先であることは大原則だが、妊孕性温存療法は患者のQOL維持や治療意欲を高めるために意義深く、より安全、より効果的に行えるよう、今後も情報発信や症例の蓄積が必要である。.
51. 友延尚子、藏本和孝、詠田真由、河村圭子、濱田律雄、横田奈津子、磯邉明子、宮﨑順秀、大石博子、加藤聖子, 当院における 15 歳以下の医学的適応による妊孕性温存療法の現状, 第166回福岡産科婦人科学会, 2023.01.
52. 山本洋、蜂須賀信孝、清木場亮、杉浦多佳子、嘉村駿佑、坂井淳彦、藤田恭之、加藤聖子, 妊娠高血圧症候群の診断に至らず子癇を発症した一例, 第166回福岡産科婦人科学会, 2023.01.
53. 浅野間和夫、矢幡秀昭、権丈洋徳、小玉敬亮、安永昌史、大神達寛、小野山一郎、奥川馨、川上穣、蜂須賀一寿、前之原章司、八木裕史、加藤聖子, 肥満が推定 IA 期子宮体癌症例に対するロボット支援下根治手術の周術期パラメータ、予後に与える影響:当科症例での検討, 第11回日本婦人科ロボット手術学会, 2023.01, 【目的】生活スタイルの欧米化により肥満を伴う子宮体癌の患者数が増加している。肥満が子宮体癌に対す
るロボット支援手術の周術期パラメータ、予後に与える影響を検討した。【方法】2014 年 3 月から 2022 年
6 月まで当科でロボット支援下の子宮体癌根治術を施行した術前推定 IA 期、類内膜癌グレード 1, 2 の 63 症
例を BMI(body mass index)により A 群(30 未満 : 40 例)、B 群(30 以上 35 未満 : 13 例)、C 群(35 以上 : 10
例)に分類し手術時間、出血量、周術期合併症、再発について解析した。手術内容は単純子宮全摘出術、両
側付属器摘出術、骨盤リンパ節郭清または生検術であった。腫瘍散布を防止するためマニピュレーターは使
用せず、外子宮口の縫合閉鎖と両側卵管のクリッピングを行った。【成績】開腹術への移行は A 群と C 群に
1 例ずつであった。A 群の 1 例は術中迅速組織診にてリンパ節転移陽性の診断、C 群の 1 例は呼気終末二酸
化炭素分圧が異常高値となりそれぞれ開腹術に移行した。3 群間で総手術時間、セッティング時間、コンソー
ル時間、閉創時間に有意差を認めなかったが、セッティングと閉創の合計時間に有意差を認めた(A 群対 B
群 : P=0.020 ; A 群対 C 群 : P=0.032)。3 群間で出血量、周術期合併症に有意差を認めなかった。ロボット
支援下手術を完遂した症例のうち A 群 4 例と B 群 2 例が術後再発中リスク群・高リスク群の評価となり、
治療を拒否した 1 名を除いた 5 名が術後補助療法を受けた。中央値 23 ヶ月(範囲 : 4-
31 ヶ月)の観察期間
中この 6 名に再発を認めていない。A 群の 2 例と B 群の 1 例に観察期間の中央値 38 ヶ月(範囲 : 19-
46 ヶ月)
で再発を認めた。2 例がリンパ節再発で 1 例がリンパ節並びに腹膜播種再発であった。【結論】肥満を伴う
早期癌の子宮体癌症例に対しても安全にロボット支援下の子宮体癌根治術が実施でき、再発例も少なかった.
54. 安藤伶旺、矢幡秀昭、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、大神達寛、安永昌史、小野山一郎、淺野間和夫、加藤聖子, ロボット支援下単純子宮全摘出術後に腟断端離開を来し、自然閉鎖を試みた一例, 第11回日本婦人科ロボット手術学会, 2023.01, 【緒言】子宮全摘出術後の腟断端離開発生の原因としては、パワーデバイス使用による組織損傷や血流低下
などの創傷治癒遅延、鏡視下手術での縫合不全などの他、腟断端の創傷治癒が成立する前に性交渉するなど
の原因が挙げられる。術後性交渉の再開時期、腟断端離開が発生した場合の対応については、明確なコンセ
ンサスが得られていないのが現状である。今回、我々はロボット支援下単純子宮全摘出術後 3 ヶ月で性交渉
を再開し、術後初回性交渉後に腟断端離開を来し、経過観察のみで自然閉鎖した症例を経験したので報告す
る。【症例】35 歳、0 妊 0 産。月経困難を主訴に近医を受診し、子宮体癌を疑われて精査加療目的に当科を
紹介受診した。精査で子宮体癌 IA 期、G1 相当と診断し、妊孕性温存希望のため MPA 療法を施行したが、
8 週後の治療効果判定で不変のため、根治術としてロボット支援下子宮体癌根治術を施行した。腟管はモノ
ポーラおよびベッセルシーラーで切離し、バイクリル糸を用いた Z 縫合で腟断端を閉鎖した。術後経過は
良好で、術後 3 ヵ月の受診時に腟断端の閉鎖を確認した上で、性交渉再開を許可した。その 4 日後の性交渉
開始直後に、腟脱感、下腹痛を主訴に当科を受診した。腟鏡診で腟断端は離開していたが、腸管の腟内への
脱出は認めなかった。腹圧をかけても腸管脱出はなく、炎症所見もないことより再縫合は行わず、経過観察
の方針とした。再び性交渉を禁止し、当科外来で腟洗浄を行いながら経過観察した。離開後、2 ヵ月で腟断
端は自然閉鎖し、6 ヶ月で再び性交渉を許可した。以降は術後 18 ヶ月までの間、再発、離開なく経過して
いる。【結語】腟断端離開の発生は稀であり、子宮全摘出術後の性交渉再開の時期、腟断端離開の治療法は
一定でない。鏡視下手術後の腟断端離開に対する対処法、性交渉の開始時期に関して文献的考察を加えて報
告する。
.
55. 加藤聖子, 女性ヘルスケアの立場から子宮体癌を考える, 第11回日本婦人科ロボット手術学会, 2023.01, 子宮体癌の罹患率は最近 15 年間で 3 倍と増加しており、対策が急がれる婦人科がんの一つである。子宮
体癌のリスク因子の一つに肥満がある。Body Mass Index (BMI)が 25 以上であれば肥満と判定される。
BMI は単に身長に比して体重が重いことを示しているに過ぎず、疾患であるかどうかを判定するものでは
ない。健康障害を併せ持つかあるいは内臓脂肪 の過剰蓄積があるか総合的に判断することにより、はじめ
て肥満症と診断される。内臓脂肪蓄積による脂肪細胞からはアディポサイトカインが産生され、子宮体癌の
リスク因子である月経異常・糖尿病・高血圧・脂質異常症などの疾患を引き起こすことが知られている。肥
満症ががんのリスクを上昇させるメカニズムとしては、インスリン抵抗性・ホルモン分泌異常・慢性炎症な
どが考えられており、子宮体癌の予防のためにはまずは適正な体重を維持することが重要であるが、同時に
これらの病態を改善させるメトホミン・スタチンの役割が注目されている。女性ヘルスケア分野の一つに更
年期障害の管理がある。有効な治療法としてホルモン補充療法(HRT)がある。黄体ホルモンの拮抗がな
いエストロゲン暴露は子宮体癌のリスク因子であることがよく知られている。このため、子宮のある患者に
は子宮内膜の増殖を防ぎ、子宮体がんを予防する目的に卵胞ホルモン製剤に黄体ホルモン製剤を併用するが、
長年保険適応を持つ黄体ホルモン製剤はなかった。2021 年 9 月に「更年期障害及び卵巣欠落症状に対する
卵胞ホルモン剤投与時の子宮内膜増殖症の発症抑制」の効能又は効果を持つ天然型黄体ホルモン製剤が承認
された。本セミナーでは、自施設での高度肥満子宮体癌症例のロボット手術や卵胞ホルモン製剤のみの投薬
中に発症した子宮体癌症例を提示するとともに、女性ヘルスケアの立場から子宮体癌の発症機構、予防や治
療について考えてみたい.
56. 嘉村駿佑、清木場亮、杉浦多佳子、蜂須賀信孝、坂井淳彦、小川昌宣、藤田恭之、加藤聖子, 当院で管理された先天性横隔膜ヘルニアの治療成績および胎児治療適応について, 第19回日本胎児治療学会学術集会, 2022.12.
57. 山本洋、坂井淳彦、杉浦多佳子、嘉村駿佑、清木場亮、蜂須賀信孝、小川昌宣、藤田恭之、加藤聖子, EXITを施行した胎児小顎症の一例, 第19回日本胎児治療学会学術集会, 2022.12, EXITは出生後の気道確保が困難と予想される胎児に対して帝王切開時に頭部を娩出し、臍帯を切断せずに胎盤循環を維持した状態で気道確保を行う胎児治療である。症例は28歳、未経産、妊娠25週2日の超音波検査で羊水過多、下顎の低形成を指摘され、当科紹介となった。当院での超音波検査で羊水過多を認め、MRI・CT検査で胎児小顎症、食道閉鎖疑いと診断した。小顎症による気道確保困難の懸念からEXITの方針とし、多診療科・職種で協議を重ね、シミュレーションを行なった。羊水過多症に対して子宮収縮抑制剤の投与と羊水除去を行い、妊娠期間の延長を図り、妊娠36週0日にEXITを施行した。児頭部を娩出後、ビデオ喉頭鏡、ファイバーガイド下に気管挿管を試みるも困難で、気管切開を施行し気道を確保した後、児を娩出した。EXIT所用時間は16分であった。出生体重は1884g、Apgarスコアは1/5分が1/4点で臍帯動脈血pHは7.200であった。母体は弛緩出血を認め、出血量は3265mlであった。新生児は小顎に伴う上気道閉鎖と判断され、Pierre Rubin Sequenceと診断された。また、Gross C型の食道閉鎖を認めた。EXITは、その必要性を事前に想起することが重要で、その施行にあたっては多診療科・職種と連携の上、十分な準備を行う必要がある。.
58. 清木場亮、藤田恭之、加藤聖子, ミトコンドリア機能障害により誘発される高hCGは胎児発育不全と胎児発育不全合併の妊娠高血圧腎症の発症に関連している, 第30回日本胎盤学会学術集会, 2022.11, 【背景】胎児発育不全(FGR;fetal growth restriction)およびFGRを伴う妊娠高血圧症腎症(PE/FGR;preeclampsia with FGR)は、高レベルのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG;human chorionic gonadotropin)およびミトコンドリア機能障害と関連している可能性のあるハイリスクな周産期疾患である。しかし、これらの要因が胎盤にどのような影響を与えているかに関してはほとんど解明されていない。
【目的】ミトコンドリア機能障害と高hCGが原因不明のFGRとPEFGRの胎盤にどのような影響を与えているかを検討した。
【研究デザイン】ミトコンドリアの翻訳、hCG β、抗血管新生因子、炎症性サイトカインの発現を48の胎盤サンプルで評価した(control:n=15、FGR;n=15、PE/FGR;n=18)。また、高hCGがin vitroで血管新生抑制因子と炎症性サイトカインの発現に影響を与えるかどうかを検討した。さらに、ミトコンドリアの翻訳障害が細胞株におけるhCGの発現にどのような影響を与えるかを検討した。
【結果】FGR、PE/FGRの胎盤では、hCG β、GDF15のmRNAおよびタンパク質レベルが上昇していた。また、Ang2、IP10、sFit1、IL8、IL1B、TNFαなどの血管新生抑制因子、炎症性サイトカインはすべてmRNAレベルで上昇していた。また、ミトコンドリアDNAあたりのミトコンドリア由来のCOXI、COXIIタンパク質が低下しており、この結果はミトコンドリアの翻訳が低下していることを示唆している。hCGを細胞株に添加すると、Ang2、IP10、IL8、TNFαのmRNAレベルが増加した。さらに、ミトコンドリアの翻訳阻害剤をJEG3細胞に添加すると、HIF1αの安定化を介してhCGβを発現を増加させ、IL8およびTNFαmRNAの発現を増加させた。
【結論】この研究は、ミトコンドリアの翻訳障害と高hCGが、FGRとPE/FGRの発症に重要な役割を果たす可能性があることを示している。.
59. 加藤聖子, 月経困難症治療: 薬剤選択のポイント, 第5回滋賀婦人科内分泌セミナー, 2022.11.
60. 藏本和孝、濱田律雄、詠田真由、友延尚子、河村圭子、横田奈津子、磯邉明子、宮崎順秀、大石博子、蔵本武志、加藤聖子, 凍結融解胚移植における子宮内膜パターンと妊娠分娩転帰 1383周期の検討から, 第67回日本生殖医学会学術講演会・総会, 2022.11, 【目的】子宮内膜パターンと妊娠分娩転帰の関連性については,これまで様々な検討がなされているが,一定の見解を得ていない.今回,凍結融解胚移植における子宮内膜パターンと妊娠分娩転帰を検討した.【方法】2012年2月から2019年12月までにホルモン補充周期下に単一胚盤胞を凍結融解胚移植した35歳以下の症例を対象とした.経腟超音波断層法で子宮内膜厚7mm以上を目安として胚移植日を決定し,その時点の子宮内膜像を記録した.子宮内膜のLeaf pattern中央の線状エコーに注目し,3つのパターンに分類した(Lf:線状エコーが連続,Partial Lf(P-Lf):線状エコーが一部断裂,Non-Lf(N-Lf):線状エコーが不明瞭).子宮内膜の抽出が不良であった症例を除外した1383周期を対象として,胚Grade毎の子宮内膜パターンと妊娠率,出生率,流産率の関連を後方視的に解析,検討した.【成績】子宮内膜パターンの内訳はLf 483周期,P-Lf 840周期,N-Lf 60周期であった.全周期において,Lf,P-Lf,N-Lfの妊娠率はそれぞれ70.4%,58.1%,28.3%(p<0.01),出生率は56.3%,45.5%,15.0%(p<0.01),流産率はそれぞれ20.0%,21.7%,47.1%(Lf,P-Lf間は有意差なし)であった.胚grade毎の検討では,全ての胚gradeにおいてN-LfはLfよりも妊娠率が低く(p<0.05),出生率は良好胚盤胞で低かったが(p<0.05),流産率は有意差がなかった.胚Grade,着床,流産に関わる因子を共変量としたロジスティック回帰分析では,N-Lfに対するLfのオッズ比は,妊娠が6.04(95%CI:3.23-11.31,p<0.01),出生が7.39(95%CI:3.45-15.83,p<0.01),流産が0.20(95%CI:0.07-0.57,p<0.01)であった.【結論】今回の検討では,胚移植決定日の超音波断層法で子宮内膜パターンがNon-Lfを呈する症例では妊娠率,出生率が低いことから移植に適していない可能性が示唆される.今後それらを向上させるために,子宮内膜パターンに寄与する因子の検討が必要と考える..
61. 加藤聖子, 婦人科領域における鉄欠乏性貧血, 長崎妊婦の貧血に関するセミナー, 2022.10.
62. 蜂須賀一寿、奥川馨、川上穣、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、大神達寛、小野山一郎、浅野間和夫、矢幡秀昭、堀絵美子、加藤聖子, 当科で施行した子宮頸部摘出術の治療成績 -FIGO2018進行期分類を適用して-, 第60回日本癌治療学会学術集会, 2022.10, Objective: We have been performing abdominal trachelectomy (AT) for early-stage cervical cancer patients who wish to preserve their fertility since June 2005. In this report, we summarize the outcomes of patients who have undergone AT since June 2005, based on the FIGO 2018 staging system.
Methods: Patients with negative intraoperative sentinel lymph node (SLN) and cervical margin were treated with either abdominal radical trachelectomy (ART), abdominal modified radical trachelectomy (AmRT), or abdominal simple trachelectomy (AST). Patients with a positive SLN or cervical margin underwent hysterectomy. Our institutional review board approved this study.
Results: By September 2021, we attempted AT in 265 patients, and AT was successful in 230 patients (ART: 134, AmRT: 81, AST: 15). These patients were staged according to the FIGO 2018 staging system (HSIL/AIS: 3, stage IA1: 60, stage IA2: 77, stage IB1: 56, stage IB2: 18, stage IIA1: 7, stage IIIC1p: 9), and 27 patients received adjuvant therapy after trachelectomy. During the observation period
of 1-187 months (median 81 months) to date, 5 patients developed recurrence and 3 patients died. Of the 112 patients who wanted to become pregnant postoperatively, 45 patients (40%) resulted in pregnancy. In total, 67 pregnancies were achieved and 38 infants were delivered (23 preterm delivery, 15 term delivery).
Conclusion: Although recurrence was infrequent (5 cases), the low pregnancy rate and high preterm delivery rate were considered obstetrically problematic. The FIGO 2018 staging system was applied to 137 cases, the majority of which were stage IA. In this presentation, we will discuss the problems of applying the new staging system..
63. 小野山一郎、川上穣、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、奥川馨、大神達寛、安永昌史、淺野間和夫、矢幡秀昭、北村雄哉、坂本竜一、加藤聖子, 子宮体癌に対するペンブロリズマブ治療中にACTH欠損症を起こした2例, 第60回日本癌治療学会学術集会, 2022.10, Background: Immune check point inhibitors (ICIs) enhance antitumoral immune mechanisms, and they are used to treat certain cancers. Uterine endometrial cancer is one of the most frequent tumors that show microsatellite instability (MSI) -positive. Consequently, it is very important to monitor and manage immune-related adverse events (irAE) while using ICIs in the gynecologic oncology field. Here, we report two cases of secondary adrenal insufficiency during the treatment of endometrial cancers with pembrolizumab.
Case reports: Both cases showed appetite loss and general fatigue after 6th or 12th cycle of pembrolizumab against their recurrent uterine endometrial cancer. They were hospitalized in our hospital due to remarkable hyponatremia. Both cases showed low serum morning ACTH and cortisol, and showed no ACTH response to CRH loading test. The other pituitary hormone levels were normal, and MRI revealed no sign of hypophysitis in both patients. They were diagnosed with secondary adrenal insufficiency due to isolated ACTH deficiency, and administration of hydrocortisone and hydration improved all the symptoms. Both patients are still receiving pembrolizumab treatment with oral hydrocortisone.
Conclusion: We should be aware of irAE with the use of ICIs. Particularly, adrenocortical insufficiency is sometimes lethal without appropriate treatment. As clinical symptoms are fatigue, appetite loss, and nausea, patients might be misjudged to have symptoms related to cancer or chemotherapy. Monitoring serum sodium could give us a clue to diagnose secondary adrenal insufficiency..
64. 加藤聖子, 産婦人科における性分化疾患の治療~月経異常と月経随伴症状の観点から~, 第5回茨城女性医療セミナー, 2022.10, 産婦人科学は、「女性の一生を診る」学問である。本講演では胎児期や新生児期に診断され、成人期までのフォローが必要な「性分化疾患」を月経異常と月経随伴症状の観点から取り上げる。性は、遺伝(性染色体)、性線、性器、心理的、社会的の各段階で決定される。生殖細胞の分化における性染色体の役割について基礎的実験をもとに紹介する。性染色体異常症の代表的な疾患であるターナー症候群は、X染色体の1本の全欠失や短腕の欠失が起こる。低身長に加え心疾患などを併発し、小児科で成長ホルモン投与や合併症のフォローを受けている。卵巣機能不全のため原発性無月経となる。産婦人科ではエストロゲン少量療法を開始し、Kaufmann 療法へ移行する。骨粗鬆症の予防を行うことも重要である。性器の異常としては、Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群、副腎性器症候群、子宮頸部・腟無形成、総排泄腔遺残症などがあり、外科的治療を行う。機能性子宮のある子宮頸部や腟形成症例は月経血逆流による子宮内膜症の治療も行う。総排泄腔遺残症は膀胱・尿道と直腸・肛門の分離過程が障害され尿道・腟・直腸が共通の総排泄腔に開き、会陰には総排泄腔のみが開口している。治療は新生児期に人工肛門造設が行われた後、幼児期に一期的に腟・肛門形成を行う。共通菅が3cm以上の場合は術後腟狭窄による月経血流出障害を起こすことが多く、腟拡張術を行う。しかし、多くの症例において腟形成後も腟狭窄による月経血流出路障害に関連する症状が認められる。成人症例にて結婚後は不妊治療が必要になる場合が多い。性交渉及び妊娠成立・維持の問題が継続している。性分化疾患は遺伝カウンセリングを含む多職種で行う必要がある。最後に社会的性の観点から女性ヘルスケアや女性活躍社会における月経や更年期の諸問題について考察する。.
65. 八木裕史、川上穣、前之原章司、小玉敬亮、松村友美子、小野山一郎、淺野間和夫、加藤聖子, 子宮体癌の進展における Ga13-Rho シグナル経路の役割, 第81回日本癌学会学術総会, 2022.10, Dysregulated G protein-coupled receptor signaling is involved in the formation and progression of human cancers. The heterotrimeric G protein Gα13 is highly expressed in various cancers and regulates diverse transcriptional networks and cellular functions by activating Rho. Herein, we demonstrate that increased expression of Gα13 promotes cell proliferation through activation of Rho and the transcription factor AP-1 in human endometrial cancer. Of interest, the RhoGTPase activating protein (RhoGAP), ARHGAP35 is frequently mutated in human endometrial cancers. Among the 509 endometrial cancer samples in The Cancer Genome Atlas database, 108 harbor 152 mutations at 126 different positions within ARHGAP35, representing a somatic mutation frequency of 20.2%. We evaluated the effect of 124 tumor-derived ARHGAP35 mutations on Gα13-mediated Rho and AP-1 activation. The RhoGAP activity of ARHGAP35 was impaired by 55 of 124 tumor-derived mutations, comprised of 23 nonsense, 15 frame-shift, 15 missense mutations, and two in-frame deletions. Our data suggest potential roles of ARHGAP35 as an oncogenic driver gene, providing novel therapeutic opportunities for endometrial cancer..
66. Onoyama I, Kato M, Kawakami M, Maenohara S, Kodama K, Yagi H, Asanoma K, Kato K, Epigenetic characterization of ovarian serous carcinoma with lymphnode metastasis by 5-hydroxymethylcytosine sequencing, 第81回日本癌学会学術総会, 2022.09, ObjectiveTET family proteins-dependent conversion of 5-methylcytosine (5mC) to 5-hydroxymethylcytosine (5hmC) was recently found to be required for DNA demethylation. We investigated 5hmC levels and genome-wide distributions in ovarian cancers and tried to unveil the roles of an intermediate products of DNA demethylation processes.MethodsOvarian cancer specimens from 138 patients treated in Kyushu University Hospital between 2002 and 2016 were included. Informed consent was obtained from all patients prior to enrollment in the study. The ethics committee of Kyushu University Graduate School approved the study protocol.ResultsSerous carcinomas with lymph-node metastasis showed significantly higher 5hmC level compared with those without lymph-node metastasis. Genome-wide 5hmC sequencing showed 5hmCs were close to many oncogenes in cases of serous carcinomas with lymph-node metastasis. Also, GO analysis revealed some characteristic pathways specific to serous carcinomas with lymph-node metastasis.ConclusionEpigenetic changes of 5hmC levels and their distributions could be implicated in lymph-node metastasis in ovarian serous carcinomas..
67. 竹内優、坂井淳彦、杉浦多佳子、清木場亮、嘉村駿佑、蜂須賀信孝、藤田恭之、加藤聖子, 異なる臨床経過を辿った Delayed interval delivery の 2 例, 第165回福岡産科婦人科学会, 2022.09.
68. 江崎高明、小野山一郎、蜂須賀一寿、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、大神達寛、奥川馨、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 当科における子宮体癌再発症例に対する Pembrolizumab・Lenbatinib 併用療法の経験, 第165回福岡産科婦人科学会, 2022.09.
69. 加藤聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 第137回鹿児島県産婦人科医会・第147回鹿児島産科婦人科学会学術集会, 2022.09.
70. 加藤聖子, 女性ヘルスケアからがんを考える, 第11回熊本産婦人科桃李会, 2022.09.
71. 加藤聖子, 婦人科および周産期における鉄欠乏性貧血診療~高用量静注鉄剤の位置付けを踏まえて~, 鉄欠乏性貧血診療up to DATE, 2022.09.
72. 小玉敬亮、八木裕史、蜂須賀一寿、前之原章司、安永昌史、大神達寛、小野山一郎、奥川馨、浅野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 当科における腹腔鏡下子宮体癌手術の後方視的検討, 第62回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会, 2022.09, 【目的】本邦で、2014年4月から早期子宮体癌に対して腹腔鏡下手術が保険収載され、8年が経過した。当科では2013年10月から先進医療として早期子宮体癌に対して腹腔鏡下手術を開始した。今回、腹腔鏡下子宮体癌手術の長期予後を検討することを目的とした。
【方法】当科で2013年10月から2022年4月の間に術前子宮体癌IA期、類内膜癌G1、G2と診断し、腹腔鏡下子宮体癌根治手術を施行した175例を対象とした。年齢、BMI、手術時間、出血量、摘出リンパ節個数、合併症、再発率、予後を診療録より抽出し後方視的に検討した。
【成績】年齢の中央値は55±11.9歳、BMIの中央値は23.4±5.9 kg/m2、経過観察の期間は1-102ヶ月(中央値 48ヶ月)、手術時間の中央値は299±105.4分、出血量の中央値は120±259.2mL、摘出リンパ節の平均個数は32.7個、術後病理診断でIA期G1、2は143例(80.8%)、IA期G3は2例(1.2%)、IB期G1、2は14例(8.4%)、II期G1、G2は5例(3.0%)、IIIA期G1は1例(0.6%)、IIIB期G1は1例(0.6%)、IIIC1期G1、2は8例(4.8%)、IA期漿液癌は1例(0.6%)であった。再発中リスク以上の28例(16.8%)に対して術後化学療法、放射線治療を施行した。術後再発症例を4例(2.4%)に認めた。3例は化学療法後、寛解し無病生存、1例は現病死、1例は他癌死であった。
【結論】当科での早期子宮体癌に対する腹腔鏡下子宮体癌手術は、これまでの諸家の報告と比し遜色ない結果であった。今後も症例を集積すると共に腹腔鏡下子宮体癌手術の根治性、安全性を担保していくことに取り組んでいきたい。.
73. Kido S, Kamura S, Nakahara K, Hachisuga N, Sakai A, Sugitani M, Hara E, Fujita Y, Kato K, Changes in unfractionated heparin requirements over time during pregnancy, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, [Objective]Although pregnant women with a high risk of thrombosis sometimes need long-term continuous intravenous administration of unfractionated heparin, the change in heparin dose during pregnancy remains unknown. The aim of this study was to examine the changes in unfractionated heparin requirements during pregnancy.
[Methods]This retrospective observational study performed between April 2012 and September 2021 included pregnant women who received continuous intravenous unfractionated heparin for 4 weeks or longer. The dose of unfractionated heparin was adjusted according to the target activated partial thromboplastin time, and the daily dose(units/kg/day)was observed for each week. The gestational week at which the heparin requirement changed(inflection point)was mathematically calculated.
[Results]Nineteen pregnancies in 18 women were analyzed. Continuous heparin administration was indicated in 11 pregnancies with deep vein thrombosis(DVT), 7 pregnancies after the Fontan procedure, and 1 pregnancy after mechanical valve replacement. Six pregnancies with DVT had a thrombophilia(Antithrombin III deficiency, protein S/C deficiency, or beta-thalassemia). Heparin requirements increased in all pregnancies until the second trimester, and it tended to decrease in the third trimester. The inflection point was calculated to be 27 weeks of gestation. After 34 weeks of gestation, heparin requirements decreased in all pregnancies and at term, became equal to early pregnancy levels. [Conclusion]The requirement for continuous intravenous administration of unfractionated heparin in pregnant women increases in the second trimester of pregnancy and tends to decrease in the third trimester..
74. Satomi Y, Hara E, Kamura S, Hachisuga N, Sakai A, Sugitani M, Kido S, Fujita Y, Kato K, A case of gestational diabetes mellitus diagnosed as type 1 diabetes after delivery, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, Gestational diabetes mellitus(GDM)is known as impaired glucose tolerance due to the effects of human placental lactogen and other factors. In some cases of GDM, abnormal glucose tolerance may become apparent during pregnancy,
leading to the diagnosis of type 1 diabetes. We report a case of GDM diagnosed with type 1 diabetes after delivery. The
patient was a 30-year-old primipara with a family history of type 2 diabetes. At 28 weeks of gestation, she underwent a 75g OGTT, and was diagnosed with GDM. HbA1c was 5.5 %, the anti-glutamic acid decarboxylase(GAD)antibody was negative, and immunoreactive insulin was 20.7 µ U/mL. Insulin therapy was started at 34 weeks of gestation due to poor glycemic control. She was admitted to a hospital at 39 weeks of gestation. Her blood glucose was 180 mg/dl, which was considered difficult to control, and she was transferred to our hospital. On admission, continuous intravenous insulin was initiated, after which the baby was vaginally delivered. The insulin dose was increased to 3 U/min and the blood glucose was 175-200 mg/dl during delivery. The anti-GAD antibody was positive and C-peptide was 0.02 ng/dl, leading to the diagnosis of type 1 diabetes developed during pregnancy. Cases diagnosed and managed as poorly-controlled GDM may have a rapid onset of type 1 diabetes, and it can be difficult to distinguish each other. Type 1 diabetes should be diagnosed early by measuring islet-related antibodies and evaluating insulin secretion capacity in case of poor glycemic control..
75. Sakai A, Kamura S, Hachisuga N, Sugitani M, Hara E, Kido S, Fujita Y, Kato K, Comparison of two management for preeclampsia and superimposed preeclampsia:a single center analysis, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, [Objective]Although advancement of maternal and neonatal care has improved their prognosis, hypertensive disorders of pregnancy is still a leading cause of maternal and neonatal morbidity and mortality. Therefore, evidence to establish a better management for the disorder is in need. We evaluated pregnancy outcome in patients with preeclampsia(PE)and superimposed preeclampsia(SPE)which were distinctly managed by two strategies.
[Methods]A retrospective analysis was performed on women with PE or SPE treated at Kyushu university hospital from January 2018 to March 2019(Period 1:P1)and from October 2019 to March 2021(Period 2:P2). During P1, antihypertensive therapy was started when blood pressure was higher than 160/110mmHg, and pregnancies with severe PE/SPE beyond 34 weeks of gestation were terminated without exception. On the other hand, during P2, antihypertensive drugs were administered when blood pressure was higher than 140/90mmHg and attempted to extend gestation until 37 weeks of gestation. Maternal and neonatal outcomes were analyzed and compared between two periods.
[Results]Fourty five and 70 cases of PE or SPE were managed during P1 and P2, respectively. Background of the mothers was similar between two groups. Compared with P1, gestational week of delivery was significantly higher in P2. Birth weight of the newborns tended to be larger, and duration of neonatal intensive care unit admission was significantly
shorter in the newborns during P2.
[Conclusion]Aggressive antihypertensive therapy with cautious observation for PE/SPE can extend pregnancy duration, and may benefit the babies born from hypertensive mothers..
76. Tanaka H, Yasunaga M, Hachisuga K, Yasutake N, Maenohara S, Yagi H, Ohgami T, Onoyama I, Okugawa K, Asanoma K, Yahata H, Kato K, Clinical outcome of platinum sensitive ovarian cancer patients after PARP inhibitors maintenance therapy, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, [Objective]Platinum responsiveness has been recognized as a surrogate marker for usefulness of PARP inhibitors for ovarian cancer. However, there has been a limited data about effectiveness of re-treatment by platinum doublet for platinum-sensitive relapse ovarian cancer patients under PARP inhibitors maintenance therapy. Herein, we report six platinum-sensitive relapse cases under PARP inhibitors maintenance therapy with a focus on platinum responsiveness. [Methods]A retrospective analysis was conducted on six platinum-sensitive relapse ovarian cancer patients of 35
patients treated with PARP inhibitors maintenance therapy between 2018 and 2020 at our hospital. The data of best overall response based on RECIST criteria, accompanied by clinical information, were collected.
[Results]The patient’s age ranged 42 -77 years old. One of 6 patients performed by BRCA analysis had germline BRCA 1 mutation. Median platinum free interval was estimated 11.3 months on 6 patients. Three patients received paclitaxel
plus carboplatin as post progression therapy. The others were treated by other platinum-based regimens such as docetaxel plus cisplatin, docetaxel and carboplatin, and gemcitabine and carboplatin respectively. Overall response rate
was 16.6 %.
[Conclusion]Response rate has been reported to be 30 - 60 % in treating conventional platinum sensitive relapse ovarian cancer patients with platinum doublet. The best overall response rate of re-treatment by platinum doublet for platinum-sensitive relapse ovarian cancer patients with PARP inhibitors failure were inferior to that of conventional platinum sensitive relapse patients by our small case series. Another treatment strategy may be urgently needed to treat platinum-sensitive relapse ovarian cancer after PARP inhibitors maintenance therapy..
77. Yoshida S, Asanoma K, Yagi H, Onoyama I, Okugawa K, Yahata H, Kato K, Fibronectin mediates activation of stromal fibroblasts by SPARC in endometrial cancer cells, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, [Objective]Matricellular glycoprotein, SPARC is a secreted molecule, that mediates the interaction between cells and
extracellular matrix. SPARC functions as a regulator of matrix organization and modulates cell behavior. In various kinds of cancer, strong SPARC expression was observed in stromal tissues as well as in cancer epithelial cells. The function of SPARC in cancer cells is somewhat controversial and its impact on peritumoral stromal cells remains to be resolved. [Methods]We investigated the effects of SPARC expression in endometrial cancer cells on the surrounding stromal fibroblasts using in vitro co-culture system. Changes in characteristics of fibroblasts were examined by analysis of fibroblast-specific markers and in vitro contraction assay.
[Results]SPARC induced AKT phosphorylation and epithelial-to-mesenchymal transition, consistent with previous reports. Cancer-associated fibroblasts of endometrial cancer expressed higher levels of mesenchymaland fibroblast-associated factors and had a stronger contraction ability. Unexpectedly, cancer-associated fibroblasts expressed comparable levels of SPARC compared with fibroblasts from normal endometrium. However, co-culture of normal fibroblasts with SPARC-expressing Ishikawa cells resulted in activation of the fibroblasts. Immunodepletion of SPARC did not affect the activation of fibroblasts.
[Conclusion]Our data indicated that SPARC activated fibroblasts only in the presence of fibronectin, which was abundantly secreted from SPARC-expressing endometrial cancer cells. These results suggested that a SPARC-fibronectin-mediated activation of fibroblasts might be involved in enhanced mobility and invasion of cancer cells..
78. Asanoma K, Yagi H, Onoyama I, Kodama K, Kawakami M, Yasutake N, Maenohara S, Yasunaga M, Ohgami T, Okugawa K, Yahata H, Kato K, BHLHE40 regulates glycolysis and oxidative phosphorylation mediated by a phosphatase-AMPK axis in endometrial cancer cells, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, [Objective]Cancer cells are known to depend on glycolysis for energy production. However, regulatory mechanism
of metabolism in cancer cells remains largely unknown. In this study, we studied a regulation of glycolysis and oxidative phosphorylation(OXPHOS)by a tumor suppressive transcription factor, BHLHE40 in endometrial cancer cells.
[Methods]We used endometrial cancer cells to knockdown or overexpress BHLHE40 to examine their cellular glycolysis and OXPHOS using a flux analyzer. The expression of AMP-activated protein kinase alpha, AMPKA;lactate dehydrogenase A subunit, LDHA;and pyruvate dehydrogenase E1 subunit alpha 1, PDHA1 were examined by antibodies to detect total and phosphorylated forms of each protein. The activity of PDH and LDH was also examined. PPM1 family of phosphatase was examined to regulate AMPK activity. Transcriptional regulation of PPM1 family by BHLHE40 was also examined using a reporter assay.
[Results]Knockdown of BHLHE40 in the cancer cells resulted in upregulation of glycolysis accompanied with activaiton of LDH, and downregulation of OXPHOS accompanied with suppression of PDH. Remarkable suppression of AMPK activity was observed. On the contrary, forced expression of BHLHE40 in the cancer cells exert the reverse effects. We also discovered BHLHE40-regulated phosphatase suppressed AMPK activity.
[Conclusion]BHLHE40 is suggested to regulate the activity of AMPK to control the metabolic balance between glycolysis and OXPHOS in endometrial cancer cells. Understanding the mechanism of energy production in cancer cells might lead to a new strategy to control the development of endometrial cancer..
79. 横田奈津子、友延尚子、濱田律雄、磯邉明子、宮崎順秀、大石博子、北出真理、川﨑優、尾﨑理恵、北村絵里、松田貴雄、加藤聖子, 世代別 OC・LEP がプロテイン S 活性に与える影響, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, 【目的】 OC・LEP は女性の QOL 向上に限らず,女性アスリートのパフォーマンス向上にも有用であるが,現在 OC・LEP 服用時
に血栓症を予測できる有用なコンパニオン診断はない.プロテイン S(PS)は OC 内服中に低下し,活性化プロテイン C 抵抗性を
きたす.海外では OC・LEP の含有する黄体ホルモンにより PS低下の程度が異なるとの報告がある.世代別 OC・LEP が PS
に与える影響を調べる.
【方法】 13 歳以上の女性で OC・LEP 治療予定患者及び治療中の患者の血液検体を用いて PS 活性を測
定した.
【成績】ノルエチステロン(NET)/エチニルエストラジオール(EE)7 例,レボノルゲストレル(LNG)/EE 10 例,デ
ゾゲストレル(DSG)/EE6 例,ドロスピレノン(DRSP)/EE11 例であった.治療中の PS 活性平均値は NET/EE 群 81.7
± 10.6 %,LNG/EE 群 90.7 ± 16.7 %,DSG/EE 群 77.8 ±18.0 %,DRSP/EE 63.3 ± 15.8 %で,DRSP/EE 群の PS 活
性は NET/EE 群及び LNG/EE 群の PS 活性と比較して有意に低値であった.治療前と治療中を観察できたのは LNG/EE 7
例及び DRSP/EE 5 例であった.PS 活性平均値は LNG/EE群で治療前 99 %,治療中 90 %,DRSP/EE 群で治療前 88.2
%,治療中 65 %であり,DRSP/EE 群は治療により PS 活性が有意に低下した.【結論】 PS 活性は OC・LEP 服用で低下する
が,DRSP/EE 服用で著明に低下し,他世代 OC・LEP 治療中の値より低値であった.LNG/EE は PS に与える影響が最も少
なかった.含有黄体ホルモンの違いが血栓症の起こしやすさに影響する可能性があり,さらなる検討が必要である..
80. 河村圭子、藏本和孝、詠田真由、友延尚子、濱田律雄、横田奈津子、磯邉明子、宮崎順秀、大石博子、加藤聖子, IL17B/IL17RB pathway による子宮内膜老化メカニズムの解明, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, 【目的】生殖補助医療では,子宮内膜の老化が着床不全の原因として疑われる症例を認める.先行研究で我々は子宮内膜老化マー
カー遺伝子として IL17RB を同定した.IL17RB は上皮細胞や免疫細胞に発現する受容体で,様々なシグナル経路を介してサ
イトカイン分泌や炎症に関与する.今回,我々は IL17RB 発現により子宮内膜に生じる変化および老化との関連を明らかにす
ることを目的とした.
【方法】(1)ヒト子宮内膜不死化細胞株(hEM)の IL17RB 強制発現株を作成し,リガンドを添加した際の phenotype を解析した.(2)ヒト宮内膜オルガノイドを作成し,IL17RB 発現の有無による違いを観察した.(3)IL17RB シグナル経路の下流で発現するサイトカインが子宮内膜に及ぼす影響についてヒト子宮内膜オルガノイドを用いて解析した.(4)血液から分離した単球由来のマクロファージを LPS で刺激し,マクロファージが分泌するサイトカインについて分析した.
【成績】(1)IL17RB 強制発現株では SAPK/JNK や NF-κ B のシグナル経路を介して IL-6,IL-8,IL1 βの mRNA 発現が上昇してい
た.(2)IL17RB 発現細胞は非発現細胞と比し細胞増殖能が低下していた.(3)IL1 β存在下では子宮内膜オルガノイドの増殖能
は低下し,p21 および senescence-associated β-galactosidase(SA-β-gal)の発現が上昇した.(4)マクロファージへの LPS
刺激で IL17RB のリガンドである IL17B の mRNA 発現が上昇していた.【結論】子宮内膜は IL17B/IL17RB pathway を介し
たシグナルにより炎症を惹起し,下流に発現する IL1 βにより自己の老化を誘導する可能性が示唆された..
81. 大神達寛、蜂須賀一寿、安武伸子、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、小野山一郎、奥川馨、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 婦人科悪性腫瘍患者における化学療法または放射線療法中のがん関連血栓症(CAT)の発症と理学的予防法(弾性ストッキング着用)を中心とする積極的予防対策, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, 【目的】婦人科悪性腫瘍患者における化学療法や放射線療法中のがん関連血栓症(Cancer Associated Thrombosis:CAT)の発症状況を把握し,理学的予防法(弾性ストッキング着用)を中心とする積極的予防対策の効果を検証する.
【方法】当科で入院加療を行った婦人科悪性腫瘍患者を診療データベースより抽出し,患者背景と CAT の発症状況について電子カルテを用いて後方視的に調査した.続いて,全ての婦人科悪性腫瘍患者に対して入院時の静脈血栓塞栓症リスク評価を導入し,化学療法または放射線療法中の患者に対して弾性ストッキングによる理学的予防法と看護師による日常生活指導を導入した.最後に,この積極的予防
対策の効果を前方視的に検証した.
【成績】 2012 年 4 月からの5 年間に入院加療を行った婦人科悪性腫瘍患者は 1008 例であった.そのうち CAT を発症したのは 95 例(9.4 %)で,発症時期は 50.5 %が化学療法または放射線療法中であった.また,2019年 1 月より導入した入院時の静脈血栓症リスク評価では,化学療法および放射線療法中の全ての患者が中リスク以上であった.そこで,2019 年 4 月からの 2 年間に化学療法および放射線療法目的で入院した 439 例の患者に対して積極的予防対策を実施し,CAT 発症は 21 例(4.8 %)であった.積極的予防対策の導入前4 年間における対照群(676 例)の CAT 発症は 49 例(7.3 %)で統計学的有意差はなかったが,減少傾向であった.また化学療法症例に限れば 4.6 %と 8.1 %で,統計学的有意に減少した.
【結論】婦人科悪性腫瘍患者における CAT の発症は,化学療法や放射線療法中が過半数を占めていた.これらの症例に対する理学的予防法を中心とする積極的予防対策は有効である可能性が示唆された..
82. 日高庸博、加藤聖子、新垣達也、陌間亮一、笹原淳、脇本哲、石井桂介、粟野啓、梅原永能、左合治彦, 重症胎児発育不全の前方視的コホート研究~血流異常出現パターンの検討~【多施設】, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, 【目的】発育不全胎児における血流異常の出現パターンと時間経過を解析し,傾向を明らかにする.【方法】 25 施設による前方視コホート研究である.2014 年 10 月-2017 年 9 月に,妊娠 28 週未満で推定胎児体重-2.0SD 未満の単胎例を対象とした.臍帯動脈(UA),中大脳動脈(MCA),静脈管(DV)の血流波形を分娩まで週 1 回以上計測し,UA の拍動指数(PI)の> 95 % ile と拡張
期途絶逆流,MCA の PI < 5 % ile,CPR(MCA-PI/UA-PI)< 5 % ile,DV の PI > 95 % ile と a 波の逆流を異常のポイントとしてタイミングを同定し,出現順とインターバルを検討した.【成績】対象 209 例中,121 例が人工早産,10 例が自然早産,7 例が胎児死亡となった.最も典型的な出現順は UA-PI ↑,CPR ↓,DV-PI ↑,MCA-PI ↑,UA 途絶,UA 逆流,DV 逆流で,出現から分娩までの日数の中央値は各々,23.5,19,17,15,8,4,0.5 であった.UA 途絶から分娩までの日数の中央値は 8 日で,14 日以上のものが 39 %あり最大値は 51 日であった.UA 途絶逆流が先行し DV-PI が後で上昇するパターンは結果的に人工早産になる例でしか見られないが,DV-PI 上昇が先行するパターンでは,以後正期産期まで至るケースが相当数みられた(22 %).エントリー時点で複数の血流異常のあった例を除いた 131 例中,DV-PI ↑が UA-PI ↑や MCA-PI ↓に先行したものが 28 例あったが,12 例は最終的に正期産分娩となっており,うち 10 例では UA-PI ↑や MCA-PI ↓が最後まで出現しなかった.
【結論】 FGR における血流異常出現に一定の傾向はあるが,典型から外れる場合も多い.UA 途絶から長期妊娠継続可能な例があり,また,DV-PI の上昇はしばしば早期よりみられ,単独では病的意義が高くない.各血流異常を複合的に捉えることが管理に重要である..
83. 藏本和孝、濱田律雄、詠田真由、友延尚子、河村圭子、横田奈津子、磯邉明子、宮崎順秀、大石博子、蔵本武志、加藤聖子, 凍結融解胚移植における子宮内膜パターンと妊娠分娩転帰-1947周期の検討より, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, 【目的】子宮内膜パターンと妊娠分娩転帰の関連性については,これまで様々な検討がなされているが,一定の見解を得ていない.今回,凍結融解胚移植における子宮内膜パターンと妊娠分娩転帰を検討した.
【方法】 2012 年から 2019 年までに単一施設でホルモン補充周期下に単一胚盤胞を凍結融解胚移植した 35 歳以下の症例を対象とした.経腟超音波断層法で子宮内膜厚 7mm 以上を目安として胚移植日を決定し,その時点の子宮内膜像を記録した.子宮内膜の Leaf pattern 中央の線状エコーに注目し,3 つのパターンに分類した(Lf:線状エコーが連続,Partial Lf(P-Lf):線状エコーが一部断裂,Non-Lf:線状エコーが不明瞭).1947 周期に対して胚 grade 毎の子宮内膜パターンと妊娠率,出生率,流死産率を後方視的に解析,検討した.
【成績】子宮内膜パターンの内訳は Lf 522 例,P-Lf 913 例,Non-Lf 62 例であった.全周期において,Lf,P-Lf,Non-Lf の妊娠率はそれぞれ70.3 %,57.8 %,29.0 %(p < 0.01),出生率は 55.6 %,45.0%,16.1 %であった(p < 0.01).流死産率はそれぞれ 21.0 %,22.1 %,44.4 %であった(Lf と P-Lf:p > 0.05).胚 grade 毎の検討では,全ての胚 grade において Non-Lf は Lf よりも妊娠率が低く(p < 0.05),出生率は良好胚盤胞で低かったが(p <0.05),流死産率は全ての胚 grade で有意差がなかった.また,Non-Lf は P-Lf よりも妊娠率,出生率が低い傾向があった.
【結論】今回の検討では,胚移植決定日の超音波断層法で子宮内膜パターンが Non-Lf を呈する症例では妊娠率,出生率が低いことから移植に適していない可能性が示唆される.今後,子宮内膜パターンを改善する因子を見つけ,妊娠分娩転帰を改善するための検討が必要である..
84. 加藤聖子, 産婦人科の未来に向けて~私の子宮体がん発生機構解明への挑戦~, 第74回日本産科婦人科学会学術講演会, 2022.08, はじめに
産婦人科学はヒトの発生から老年期までを対象とした学問である。専門分野として周産期・生殖内分泌・婦人科腫瘍・女性ヘルスケアがあり、それぞれに様々な疾患があり、病態がある。生命倫理やリプロダクティブヘルス・ライツなどの社会医学も重要である。各分野の専門家が力を合わせて創り上げ躍進する「共創と飛翔」の学問であると考える。
時代の流れとともに概念、治療法も変化してきている。これらの変化に対応するためには継続的な研鑽と研究が必要である。私は医師になりたての頃、患者さんを診ていく中で、治療により救われる命とともに、失う命に伴う悲しみを知った。その経験から専門分野として婦人科腫瘍を選び、がん発生機構の解明の研究を始めた。
1)RAS研究との出会い
私が医師になった1980年代、がんは遺伝子の病気であるという概念が定着し、がん遺伝子・がん抑制遺伝子の研究が盛んになってきていた。幸運なことに主人に帯同して渡米し働き始めたのは、サンディエゴにあるラ・ホヤ癌研究所のがん遺伝子RASをテーマとした研究室であった。RASは低分子G蛋白の一つでGTP結合の活性化型とGDP結合の不活性化型があり、細胞内情報伝達系の重要なシグナルスイッチャーである。RASの下流にはRAFやPI3Kをはじめとする複数のシグナル経路があり、増殖・分化・アポトーシス・細胞老化などを制御している(図1)。私はそこでKRAS蛋白のC末端のCAAXモチーフ(CはCys、Aはaliphaticなアミノ酸、Xは任意のアミノ酸)に起こる翻訳後修飾の研究を行った。このC-末端では Cysのプレニル化、AAXペプチドの切断、カルボキシメチル化という一連 のCAAXプロセシングを受け細胞膜に結合し機能を発現することがわかっていたが、Cysのファルネシル化が腫瘍形成能獲得に必須であることを明らかにし、ファルネシル化阻害剤が新しい癌治療薬の候補になる可能性を報告した(図2)。この論文で論文博士の学位が取得できた(1)(Kato K et al. Proc Natl Proc Sci 1992)。自分の研究が将来、癌治療に役立つかもしれないという期待を感じ、研究の楽しさを知った。しかし、その後、ファルネシル化を阻害してもRASの尾部がファルネシル化(脂質修飾)されていない場合には、別の酵素が異なる種類の脂質尾部を付加することができることが報告され、残念ながらファルネシル化阻害剤は治療薬とはならなった。
2)RAS経路とエストロゲンレセプター(ER)経路のクロストーク
帰国後も癌の基礎研究を続けたいと思い、別府市の九州大学生体防御医学研究所に赴任した。何を研究テーマにするかを考える中で着目したのは子宮体癌である。生活様式の欧米化とともに子宮体癌の増加が報告されていた。子宮体癌は約8割がエストロゲン依存性であり、2〜3割にKRAS遺伝子の変異が同定されている。まず、この2つの関連に着目しKRASシグナル経路とエストロゲン経路のクロストークの研究を行った。NIH3T3細胞にKRAS遺伝子を形質導入し過剰発現させた細胞を樹立したところ(K12V細胞)、エストロゲンレセプター(ER)の発現と機能が亢進した。このK12V細胞は内因性プロゲステロンレセプターB(PR-B)の発現が低下しており、PR-Bを形質導入したところ、ER機能と腫瘍形成能が抑制された(図3)。また、ドミナントネガティブERをK12V細胞に形質導入すると細胞老化が誘導され腫瘍形成能が抑制された(図4)。その経路にAP-1を介したMDM2の発現亢進・p53機能抑制が関与していることを明らかにした(図5)(2,3)(Kato K et al. Oncogene1997, J Bio Chem 2002)。本経路の阻害剤はERが発現するタイプの子宮体癌の分子標的薬の候補になると考えられる(図6)。
3)がん幹細胞研究
(1)Side-population細胞の解析
子宮体癌において高分化型早期の症例の予後は良いが、悪性度の高い組織型、進行期の症例は難治性となる。治療抵抗性のがんの克服ががん治療研究の課題である。治療抵抗性の要因として、がん組織に存在するがん幹細胞の存在が考えられている。幹細胞は自己複製能と多分化能を持つ細胞と定義されるが、最近、がん幹細胞には可塑性や多様性があること、周囲のがん微小環境と相互作用を持つことが報告され、多角的な治療戦略が必要である。私はこの癌幹細胞に着目し、Side-population(SP)細胞を分離する方法を用いて子宮体がん幹細胞の解析を始めた。まず、発生母地の子宮内膜のSP細胞を分離し、長期増殖能を持つことや腺上皮や間質細胞への分化能を持つことを報告した(図7)(4)(Kato K et al. Hum Reprod 2007)。次に子宮体癌のSP細胞を分離し、自己複製能・長期増殖能の他に、間質細胞への分化や運動能の亢進を示すことを報告した(図8)(5)(Kato K et al. Am J Pathol 2010)。この性質が癌の再発や転移に関与すると示唆される。
(2)EMT関連因子の解析
さらにマイクロアレイによる網羅的解析を行いSP細胞は非SP細胞に比べ、炎症性サイトカインや増殖因子、間質形成に関与する遺伝子群の発現が増加し、TGFβを介した上皮間葉移行(EMT)の経路や間質リモデリングの経路が亢進していることを明らかにした(図9)。これまでの結果より、がん幹細胞の重要な特徴は自己複製能と上皮間葉移行(EMT)であり、EMTに関与する分子の中でもfibronectin、SPARCの発現の亢進が、がん幹細胞の運動能や浸潤能、周囲のがん関連線維芽細胞に関与していると考えている。そこで、EMT阻害剤として報告されていたsalinomycinを用いて解析し、salinomycinがfibronectinの発現を抑制し子宮体癌SP細胞の遊走能や運動能を抑制すること(図10)、アポトーシスを誘導し、増殖能、腫瘍形成能を抑制することを報告した(図11)(6)(Kusunoki S et al. Gynecol Oncol 2013)。また、間質リモデリングの経路の中で、線維芽細胞との関連が報告されている分泌蛋白であるSPARCに着目した。臨床検体では、SPARCは低分化型類内膜癌・明細胞癌・漿液性癌など予後不良の組織型の間質に発現が多く(図12)、子宮体癌細胞株IshikawaにSPARCを過剰発現させた細胞(IK-SPARC)を用いた解析で、IK-SPARC細胞はmock細胞に比べてfibronectinの発現が亢進し、運動能が亢進することやマウスに間質に富んだ腫瘍を形成することを報告した(図13)(7)(Yusuf N et al. Gynecol Oncol 2014)。さらに、SPARCの発現は癌細胞のAKTのリン酸化を亢進させ、fibronectin以外にもVimentin,CDH2などのEMT関連蛋白の発現を増加させ、遊走能を亢進させることを明らかにした(図14)。また、SPARC蛋白を正常線維芽細胞に添加するとACTA2やCDH2蛋白の発現、細胞増殖能、ゲル収縮能がそれぞれ亢進され、SPARCのこれらの機能発現にはfibronectinの存在が必須であることを明らかにした(図15)(8)((Yoshida S et al. BMC Cancer2021)。
(3)幹細胞形質発現因子の検索と解析
SP細胞は幹細胞研究の有効なツールではあるが、その割合は1%以下と少数であり継代培養や解析が難しい。この分画を増やすためいくつかの遺伝子導入を試みてきた。その中でがんや胚細胞のみに発現が報告されているYBX2を子宮体癌細胞株に導入したところ(IK-YBX2細胞株)、SP細胞の分画が約10倍に増加すること、幹細胞マーカーALDH1の発現が亢進すること、スフェア形成能の評価による自己複製能が増加することを明らかにした(図16)。このIK-YBX2細胞株を用いてマイクロアレイ解析を行いYBX2強制発現細胞に発現が亢進している遺伝子としてcancer testis antigenの一つであるCT45A5を同定した(図17)。CT45A5は子宮体癌細胞株IKにCT45A5を過剰発現させると(IK-CT45A5)、自己複製能を増加させ、siRNAによる発現抑制は、この効果を打ち消した(図18)。YBX2発現細胞はPclita臨床検体の解析ではCT45A5の発現は予後不良因子であった(図20)(9)(Suzuki I et al. Sci Rep 2021)。
ES細胞ではstemnessに関与する遺伝子は脱メチル化され発現が亢進していることが報告されている。また、我々は網羅的なメチル化解析を行い、脱メチル化により発現が増加している遺伝子を網羅的に解析し、ERKの脱リン酸化酵素であるDUSP6を同定した。子宮体癌細胞Hec1を用いた解析ではDUSP6の発現は、幹細胞マーカーやALDH1の発現(図21)・、自己複製能(図22)・遊走能・浸潤能(図23)・転移能(図24)に正に相関していた。また、DUSP6の発現は、低血清状態でアポトーシスを抑制することにより低血清飢餓抵抗性を上昇させていた(図25)。その経路として活性化型RASの下流のシグナルバランスを増殖優位のMAPKから細胞生存優位のAKTへ変化させることを明らかにした(図26)。また臨床検体の解析ではDUSP6は類内膜癌では低分化型に発現が多く、予後不良因子であった(図27)(10)(Kato M et al. Int J Cancer 2020)。これらの結果より、がん幹細胞の自己複製能は再発、EMT誘導による運動能・浸潤能の亢進は転移に関与し予後不良の原因になることが考えられる。
4)難治性がんに対する新規治療法開発の展望
癌細胞の周囲微小環境は多様性を持ち、がんの浸潤や治療抵抗性に関与することが報告されている。我々は、子宮体癌のSP細胞はSPARCを高発現していること、SPARC過剰発現子宮体癌細胞は、遊走能亢進やfibronectinの発現増加、マウスに間質に富んだ腫瘍を形成すること、臨床検体の解析では予後不良の組織型(漿液性癌、明細胞癌)に発現が亢進していることを報告した。(Yusuf N et al 2014)。更にSPARC は細胞外に分泌されること、癌細胞だけではなく周囲の正常線維芽細胞をCAF様に変化させることを明らかにした(Yoshida S et al. BMC Cancer 2021)。SPARCはアルブミンと結合する性質を持つことを利用し、通常の抗がん剤はSPARC高発現子宮体癌細胞の増殖を抑制しないが、アルブミン結合抗がん剤は細胞増殖を抑制し、マウスの腫瘍形成能も抑制することを明らかにした。予後不良の組織型(漿液性癌、明細胞癌)の治療法に応用できると考えられる(図28)。また、CT45の発現は、卵巣癌では抗がん剤感受性に関与することが報告されている。我々は子宮体癌細胞においてCT45A5は抗がん剤抵抗性に関与し、その発現は予後不良因子であった。子宮体癌におけるDuoらの報告では、cancer testis antigenは漿液性癌に多いことが報告されている。おそらくCT45のようなcancer testis antigenは癌抗原としての機能を持ち、癌腫により抗腫瘍効果を持つものと持たないものがあると推測される。幹細胞マーカーとしての機能だけではなく、癌ワクチンの標的にもなると期待されるが、誘導される免疫細胞の解析やPDL-1の発現との関連などの解析が重要になってくる。
これまでの研究結果より子宮体癌がん幹細胞の特徴は自己複製能と間質への分化能を持つことであり、著明な遊走能を獲得していた。自己複製能に必須な因子として、DUSP6・YBX2・CT45A5を同定した。間質への分化にはEMT経路が重要であり、そこに作用する因子としてSPARC・fibronectinを同定し、これらは癌の微小環境に関与すると考えられた。DUSP6・SPARC・fibronectinは遊走能・浸潤能を亢進させ、DUSP6は転移能獲得に関与していた。これらの分子の下流ではいずれもPI3K-AKT経路が活性化していた。YBX2やCT45A5は癌精巣抗原として癌免疫に関与していると考えられる(図29)。今後はこれらの分子をがん幹細胞マーカーとして、これらやこれらに関与するシグナル経路を標的治療の開発を進めていく予定である。

5)産婦人科の未来に向けて
長年、がん研究に取り組んできたが、私の子宮体癌発生機構の解明への挑戦はまだ道半ばである。がん細胞の持つ多様性・可塑性が大きな壁である。これまでは自施設の限られた臨床検体を使って遺伝子変異をシークエンスにより同定し、遺伝子を細胞に導入し、その性質を解析するという実験を繰り返してきたが、今は次世代シークエンス、3次元培養、単一細胞解析など新しい技術が次々に登場し多くの知見が得られる時代になった。また、TCGAなどの容易にアクセスできる大規模データを用いて遺伝子変異を検索することも可能になった。例えば、上記のDUSP6やCT45A5がどのような組織型に発現が多いかや他の遺伝子変異との関連に加え、予後との相関も検討できている。また、当教室の八木はTCGAのデータから子宮体癌症例の約20%において、Rhoの活性化を負に制御するRho GTPase activating proteinのひとつであるARHGAP35遺伝子変異が認められ、その多くが機能欠失型の変異であること、これらの遺伝子変異がGα13-Rhoシグナルの増強に関与していることが明らかにしている。今後も次々と研究手法は進歩していくであろう。最初は私一人で始めた子宮体癌の研究であったが、その後は九州大学や順天堂大学の大学院生が取り組んでくれた。これまでご指導いただいた先生、一緒に研究してくれた仲間達に感謝する。今後、新しい発見により少しでもがん発生機構の解明に近づき、患者さんの予後を改善する治療法の開発が進むことを願う。.
85. 里見雪音、安永昌史、小野山一郎、大神達寛、川上穣、蜂須賀一寿、安武伸子、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、奥川馨、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, ペンブロリズマブ投与後にhyperprogressionを呈したと考えた再発卵巣癌の一例, 第64回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2022.07.
86. 小野山一郎、加藤雅也、川上穣、蜂須賀一寿、安武伸子、前之原章司、小玉敬亮、八木裕史、大神達寛、安永昌史、奥川馨、浅野間和夫、矢幡秀昭、堀絵美子、加藤聖子, 5-hydroxymethylcytosine Sequencing Revealed Epigenetic Characteristics in Ovarian Serous Carcinoma with Lymph-node Metastasis, 第64回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2022.07.
87. 蜂須賀一寿、大石善丈、川上穣、安武伸子、前之原章司、小玉敬亮、権丈洋徳、八木裕史、大神達寛、安永昌史、小野山一郎、浅野間和夫、矢幡秀昭、堀絵美子、加藤聖子、小田義直, 高齢者の子宮体部類内膜癌,G1は若年者と比較し,より侵襲的である, 第64回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2022.07.
88. 淺野間和夫、八木裕史、小野山一郎、前之原章司、川上穣、小玉敬亮、蜂須賀一寿、安武伸子、権丈洋徳、安永昌史、大神達寛、奥川馨、矢幡秀昭、加藤聖子, BHLHE40 Regulates Glycolysis and Oxidative Phosphorylation Mediated by a Phosphatase-AMPK Axis in Endometrial Cancer Cells, 第64回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2022.07.
89. 奥川馨、川上穣、蜂須賀一寿、安武伸子、前之原章司、小玉敬亮、権丈洋徳、八木裕史、大神達寛、安永昌史、小野山一郎、淺野間和夫、矢幡秀昭、堀絵美子、加藤聖子, 当科で施行した子宮頸部摘出術の治療成績―FIGO2018進行期分類を適用して―, 第64回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2022.07.
90. 加藤聖子, 女性ヘルスケアからがんを考える, 第331回青森県臨床産婦人科医会・令和4年度第2回青森県医師会母体保護法指定医研修会, 2022.07.
91. 加藤聖子, 子宮内膜をめぐる話題, ジエノゲスト錠0.5mg 『モチダ』 発売記念WEB講演会 in 福岡, 2022.06.
92. 加藤聖子, 産婦人科における性分化疾患の治療~月経異常と月経随伴症状の観点から~, 熊本産婦人科二十日会, 2022.06.
93. 加藤聖子, 産婦人科における性分化疾患の治療 〜月経異常と月経随伴症状の観点から〜, 広島県西部産婦人科医会学術講演会, 2022.05, 産婦人科学は、「女性の一生を診る」学問である。本講演では胎児期や新生児期に診断され、成人期までのフォローが必要な「性分化疾患」を月経異常と月経随伴症状の観点から取り上げる。性は、遺伝(性染色体)、性線、性器、心理的、社会的の各段階で決定される。生殖細胞の分化における性染色体の役割について基礎的実験をもとに紹介する。性染色体異常症の代表的な疾患であるターナー症候群は、X染色体の1本の全欠失や短腕の欠失が起こる。低身長に加え心疾患などを併発し、小児科で成長ホルモン投与や合併症のフォローを受けている。卵巣機能不全のため原発性無月経となる。産婦人科ではエストロゲン少量療法を開始し、Kaufmann 療法へ移行する。骨粗鬆症の予防を行うことも重要である。性器の異常としては、Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群、副腎性器症候群、子宮頸部・腟無形成、総排泄腔遺残症などがあり、外科的治療を行う。機能性子宮のある子宮頸部や腟形成症例は月経血逆流による子宮内膜症の治療も行う。総排泄腔遺残症は膀胱・尿道と直腸・肛門の分離過程が障害され尿道・腟・直腸が共通の総排泄腔に開き、会陰には総排泄腔のみが開口している。治療は新生児期に人工肛門造設が行われた後、幼児期に一期的に腟・肛門形成を行う。共通菅が3cm以上の場合は術後腟狭窄による月経血流出障害を起こすことが多く、腟拡張術を行う。しかし、多くの症例において腟形成後も腟狭窄による月経血流出路障害に関連する症状が認められる。成人症例にて結婚後は不妊治療が必要になる場合が多い。性交渉及び妊娠成立・維持の問題が継続している。性分化疾患は遺伝カウンセリングを含む多職種で行う必要がある。最後に社会的性の観点から女性ヘルスケアや女性活躍社会における月経や更年期の諸問題について考察する。.
94. 加藤聖子, 産婦人科医療の新しい展開, 宮崎市郡産婦人科医会学術講演会, 2022.02.
95. 加藤聖子, 婦人科腫瘍の新たな治療をめざして, 大阪大学医学部産科学婦人科学教室同窓会「令和4年平地会総会」, 2022.01.
96. 加藤聖子, 女性ヘルスケアと高血圧, 第41回日本妊娠高血圧学会学術集会, 2022.01, 産婦人科学の中でも、女性医学は女性の一生の健康を見守る学問であり、患者の年代は思春期、性成熟期、更年期、老年期にわたり、その分野も予防医学、社会医学など多岐にわたる。全てのライフステージにわたり重要な疾患の一つに高血圧がある。エストロゲンに末梢血管抵抗を低下させる作用があることより、エストロゲンが減少する閉経後の女性に多くなる疾患であるが、学童検診などで、高血圧が見つかることもあり、小児期・思春期からの管理も必要である。とくに早産や低出生体重児は腎臓のネフロン数は少なく腎臓への血流を保持するためにレニシーアンギオテンシン経路が活性化されるといわれている。このように妊娠中も胎児の状態・出生時の情報も重要である。
思春期や35歳以下の若年の高血圧には二次性高血圧の鑑別が必要であり、腎性が最も多いが内分泌性や先天性副腎過形成など婦人科の診療で気付く場合もあり注意が必要である。これらの若年の高血圧の管理は妊娠前から行うことが重要であり、プレコンセプションケアの一つとして注目されている。高血圧と関連した病態として動脈硬化があるが、最近の疫学研究で子宮内膜症は動脈硬化性心疾患のリスク因子であることが報告された。そのメカニズムとして子宮内膜症の慢性炎症が血管内皮障害を引き起こすことが考えられている。
動脈硬化の病理像に血管内膜線維性肥厚や中膜平滑筋の線維化があり、血管平滑筋から分泌される線維化を誘導する因子と細胞外基質のリモデリングが関与している。我々は剪断弾性波伝搬速度を用いて胎盤の弾性を評価し、妊娠高血圧症候群の胎盤は正常妊娠の胎盤に比べ弾性が高く、病理学的に膠原線維、線維化関連因子(ACTA2,CTGF,FN1)が過剰発現していることを明らかにした。胎盤の線維化の機序を明らかにするため、胎盤より線維芽細胞を分離しマイクロアレイで網羅的解析し、妊娠高血圧症候群の胎盤由来線維芽細胞はTGF-βSMAD経路に関連する線維化関連遺伝子群の発現が亢進していた。妊娠高血圧症候群発症胎盤における線維化にTGFβ1 signalingが関与しており、活性化した線維芽細胞により線維化が進行することが示唆された。
Japan Nurses'Health Studyの疫学研究から、妊娠高血圧症候群の既往は、その後の高血圧発症リスクは2.85倍であり、リスク因子になっていることが示唆されている。高血圧は我が国の脳心血管病による死亡の一番のリスク因子であり、高血圧治療ガイドライン2019では正常高値血圧(120-129/80mmHg)から生活習慣の修正が必要とされている。我々は高血圧予備軍として妊娠高血圧症候群の既往患者のフォローアップは、更年期から老年期の健康管理のためにも重要と考え、女性ヘルスケア外来での管理を行っている。以上、本講演では女性の一生のヘルスケアの観点から高血圧の管理を考えてみたい。.
97. 加藤聖子, 産婦人科における性分化疾患の治療, 第71回愛媛県産婦人科医会学術集談会・第37回愛媛県産婦人科医会臨床集談会, 2021.11.
98. 加藤聖子, 婦人科腫瘍の発生機構の解明と新規治療法の開発, 令和3年慶應義塾大学医学部産婦人科学教室同窓会学術講演会, 2021.11, 初期の発がん機構の研究としては本邦の山極勝三郎博士のウサギの耳にコールタールを塗擦してがんを発生させる人工的発がん実験や藤浪艦博士の藤浪肉腫、米国の病理学者のラウスらのラウス肉腫が有名である。やがて、ラウス肉腫の原因はRNAウイルスであること、逆転写酵素によりこのRNAが細胞内のDNAに組み込まれ発がんすることが明らかとなり、肉腫を引き起こすSRC遺伝子が同定された。1970年に入り、このSRC遺伝子が正常細胞にも存在しており、正常細胞の遺伝子の変異ががん化を引き起こすことがわかり、がん研究は遺伝子研究の時代に入った。がん遺伝子として有名なRAS遺伝子はラットの肉腫から同定されたものである。その後、研究手法は網羅的解析の時代に入り、次世代シークエンスの開発・普及とともに単一細胞解析まで進んできている。その結果、発がん経路や原因遺伝子が同定され、多数の分子標的薬が開発され、臨床応用されている。しかし、進行癌や再発・転移例は今だ予後不良であり治療抵抗性のがんの克服ががん研究の課題である。
治療抵抗性の要因として、がん組織に存在するがん幹細胞の存在が考えられている。我々はこれまでに子宮体がんのSP細胞は、自己複製能・長期増殖能の他に、間質細胞への分化や運動能の亢進を示すことを報告し、この性質が再発や転移に関与すると考えている。網羅的解析によりSP細胞は非SP細胞に比べ、上皮間葉移行(EMT)の経路や間質リモデリングの経路が亢進していることを明らかにした。これまでの結果より、がん幹細胞の重要な特徴は自己複製能と上皮間葉移行(EMT)であり、EMTに関与する分子の中でもfibronectin、SPARCの発現の亢進が、がん幹細胞の運動能や浸潤能、周囲のがん関連線維芽細胞に関与している考えている。SP細胞は幹細胞研究の有効なツールではあるが、その割合は1%以下と少数であり継代培養や解析が難しい。我々はがんや胚細胞のみに発現が報告されているYBX2を子宮体癌細胞に導入し、SP細胞の分画が約10倍に増加することを明らかにした。マイクロアレイ解析を行いYBX2強制発現細胞に発現が亢進している遺伝子としてCTAの一つであるCT45A5を同定し、がん幹細胞形質や予後に関連することを報告した。また、ERKの脱リン酸化酵素であるDUSP6を同定した。子宮体癌細胞ではDUSP6は、自己複製能に関与し、活性化型RASの下流のシグナルバランスを増殖有意のMAPKから細胞生存優位のAKTへ変化させていた。また予後不良因子であった。癌細胞の周囲微小環境はがんの浸潤や治療抵抗性に関与することが報告され、現在がん研究のホットな領域である。我々はfibronectinやSPARCががん幹細胞から細胞外に分泌され周囲の正常線維芽細胞をCAF様に変化させることを明らかにした。本講演ではこれまでの研究成果とともに、現在取り組んでいる新規診断・治療法の開発を紹介する。.
99. 加藤聖子, 産婦人科医療の新しい展開, 令和3年度富山県産科婦人科学会・第4回 例会・特別講演会, 2021.11.
100. 加藤聖子, がんゲノム時代の卵巣癌治療, 卵巣癌個別化医療Seminar in Miyazaki, 2021.10.
101. 矢幡秀昭、川上穣、蜂須賀一寿、安武伸子、小玉敬亮、八木裕史、大神達寛、安永昌史、小野山一郎、奥川馨、淺野間和夫、加藤聖子, 早期子宮頸癌におけるセンチネルノードナビゲーション手術の長期予後, 第59回日本癌治療学会学術集会, 2021.10.
102. 加藤聖子, がんゲノム時代の卵巣癌治療, Ovarian Cancer Expert Switch Seminar, 2021.10.
103. Onoyama I, Kato M, Kawakami M, Kodama K, Yagi H, Asanoma K, Kato K, Downregulation of 5-hydroxymethylcytosine is associated with the progression of cervical intraepithelial neoplasia, 第80回日本癌学会学術総会, 2021.10.
104. 吉里美慧、城戸咲、嘉村駿佑、原枝美子、佐藤麻衣、藤田恭之、加藤聖子、永田公二、田尻達郎, 妊娠後期に増大し診断困難であった胎児肺腫瘤の一例, 第43回日本母体胎児医学会学術集会, 2021.08, 症例は37歳、3妊0産。妊娠37週に初めて胎児胸腔内腫瘤を指摘され受診した。胎児左胸腔内の径4cm大、境界明瞭で辺緑整の低エコー輝度充実性腫瘤で、肺動脈から腫瘍辺緑への血流を認めた。両側横隔膜は正常で脾臓・両側腎臓を腹腔内に確認した。MRI検査で左胸腔内にT1等信号/T2軽度高信号の境界明瞭な充実性腫瘤を認め、気管・気管支形成異常なく、右肺および左肺上葉は正常所見であった。児は妊娠38週に体重2188gで出生し、生直後より呼吸状態は安定しており酸素化良好であった。胸部レントゲン検査で左肺下葉に径4cm大の含気のない腫瘤を認めた。造影CT検査で腫瘤は一部に淡い造影効果を認めたが大部分が低吸収であり、体循環からの栄養血管はなかった。腫瘍は縮小傾向であったが残存し、月齢3に上葉切除を行った。病理組織診で腫瘍性病変が疑われたが過去に報告のない組織像であり、免疫染色でも確定診断に至らなかった。胎児胸腔内腫瘤は先天性肺気道奇形や気管支分画症などの発生異常が最も多く、稀に良性腫瘍や肺芽種などの悪性腫瘍があるが、本症例は画像・病理所見や臨床経過がいずれも一致せず、新たな先天性肺腫瘍の可能性も疑われた。.
105. 加藤聖子, 婦人科腫瘍の発生・進展機構の解明と新規治療法の開発をめざして, 第14回温知会サマークリニカルフォーラム, 2021.08.
106. 川上穣、加藤雅也、小野山一郎、友延寛、安武伸子、吉田祥子、小玉敬亮、八木裕史、安永昌史、大神達寛、奥川馨、淺野間和夫、矢幡秀昭、加藤聖子, 5-ヒドロキシメチルシトシン量の低下は子宮頸部上皮内腫瘍の進展と関係する, 第63回日本婦人科腫瘍学会学術講演会, 2021.07, 【緒言】DNAのメチル化は様々な癌腫で、癌細胞形質の獲得に寄与している。メチル化の指標である5-メチルシトシン(5mC)に関する研究は多いが、脱メチル化の過程でみられる5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)の役割は明らかではない。今回我々は5hmCと子宮頚部上皮肉腫瘍(CIN)の関係に注目し研究を行った。
【方法】CINと子宮頸癌、計103例の臨床検体と、mouse embryonic fibroblast(MEF)やヒト子宮内膜癌細胞株HHUAを用いて5hmC量を免疫組織染色、ELISA法で調べた。
【結果】CINと子宮頸癌、計103例の臨床検体で5hmC量を測定すると、CIN2以下の症例に比べCIN3以上の症例では5hmC量が有意に低下していた。次にMEFでp53とRb1の発現を抑制すると、p53を抑制した細胞で5hmC量が低下した。HHUAでは、TP53を抑制すると5hmC量の低下に加えAPOBEC3B(A3B)の発現上昇を認め、反対にA3Bの抑制で5hmC量が回復した。また、前出の臨床検体で確認すると、CIN2以下の症例と比べ、CIN3の症例でA3Bの発現が高かった。
【結論】5hmC量はCIN2以下に比べCIN3以上の症例で低下していた。TP53機能低下によるA3Bの発現上昇でゲノム不安定性が増すため、ゲノム安定性のマーカーである5hmC量が低下し、遺伝子変異の蓄積とそれに伴う病変の進行が想定された。5hmC量の変化が、子宮頚部上皮肉腫瘍の進退を予測する指標となり得ると考えられた。.
107. 佐藤由佳、日高庸博、坂井淳彦、城戸咲、藤田恭之、加藤聖子, 子宮頸部摘出術後妊娠におけるプロゲステロン腟坐剤の早産予防効果の検証, 第57回日本周産期・新生児医学会学術集会, 2021.07, 【目的】子宮頚部摘出術(abdominal trachelectomy:AT)後妊娠は早産ハイリスクと認識されているが、有効な予防法は示されていない。一方、欧米において、流早産既往や頸管長短縮に伴う早産ハイリスク妊婦に対してはプロゲステロン製剤(vaginal progesterone:VP)による早産予防効果が実証されている。今回、AT後妊娠に対するVPの早産予防効果について検討した。
【方法】本研究はヒストリカルコントロールと比較した前方視介入試験で、所属機関の倫理委員会の了承を得たのちに2016年10月より開始した。介入群は、当科でATを施行した妊婦で本研究に対するインフォームド・コンセントを得たものとした。妊婦16+0~19+6週よりVP200mgを連日膣挿入し、33+6週に到達、分娩、前期破水もしくは子宮からの大量出血のいずれかで終了とした。対象群は2007年6月から2016年9月に当科で管理したAT後妊娠とし、後方視的に調査した。早期割合及び分娩週数を主要評価項目とした。
【結果】介入群は12例、対象群は19例であり、母体背景及び手術背景に差はなかった。早産割合は介入群で10/12例(83%)、対象群で11/19例(58%)、分娩週数の中央値(範囲)は介入群で33+6週(26+0-37+4週)、対象群で34+6週(23+5-37+5週)であり、ともに統計学的有意差はなかった。また、早産期前期破水は介入群で6/12例(50%)、対象群で8/19例(42%)であり、両群に差はなかった。
【結語】AT後妊娠においてプロゲステロン製剤による早産予防効果は示されなかった。.
108. 加藤聖子, 更年期障害治療の現状と課題, 「座談会」更年期障害治療の現状と課題, 2021.06.
109. 加藤聖子, 婦人科腫瘍分野における臨床と研究の新展開, 第149回東北連合産科婦人科学会 総会・学術講演会, 2021.06, 最近、がん診療の世界では、診断・治療の各分野においてめざましい変化が起きている。診断では様々な癌腫で従来の病理・画像検査だけではなく、The Cancer Genome Atlas(TCGA)を代表とする網羅的ゲノム解析による分類が予後に相関することが報告され、診断・治療法の選択にも影響を与えている。これにより平均的な患者のためにデザインされた従来型医療から、ヒトゲノム情報などから得られた、疾患への罹患性や薬物感受性等に関わる情報を基に個人に適した治療を提供する「個別化医療」や患者を”特定の疾患にかかりやすい集団(subpopulation)"に分類し、その集団ごとの治療法のみならず疾病予防を確立し、提供していく「精密医療」への移行がはじまっている。精密医療の検査として重要なのががん遺伝子パネル検査であり、2019年より「OncoGuide NCCオンコパネル」および「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」が保険適用となり臨床の現場でもゲノム医療が現実化してきた。このがんゲノム医療を行うために現在、全国に12の中核拠点病院、33の拠点病院、180の連携病院を選定され体制が整いつつある。
婦人科腫瘍領域においては子宮体癌のTCGAの4つのサブタイプが報告され、このサブタイプ別に治療法を選択する臨床研究が欧米では開始されている。肺がんや消化器癌などに比べ婦人科腫瘍では保険適用のある薬剤はまだ少ないが、2018年に承認されたMSI検査は臓器横断的な免疫チェックポイント阻害剤の適応を決める初めてのコンパニオン診断薬となり子宮体癌においても使用可能となった。卵巣癌はここ数年で遺伝子検査や分子標的治療が最も取り入れられた婦人科腫瘍である。BRCA1・2遺伝子検査がPARP阻害剤のコンパニオン診断となり、最近ではHRD検査も行われるようになり、初回治療の選択肢にも用いられている。このような検査の拡がりにおり血液を使った検査では生殖細胞系列の遺伝子変異もわかるようになった。2020年4月から遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の既発症者に対するリスク低減乳房切除術(RRM)・乳房再建術ならびにリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険収載となり、今まで以上にHBOCやLynch症候群など遺伝性がんのカウンセリング体制も重要になってきている。今後、我々はがん患者さん本人だけではなく未発症の家族への対応も求められる。
PARP阻害剤の登場は劇的に無増悪生存期間を延長させたが、最終的な目標である生存率の改善に対しては、早期発見・残存病変なしの手術の遂行の他に、治療抵抗性・再発や転移に関与する遺伝子を同定してそれを標的とした新規治療法の開発などの基礎研究が必要である。以上の動きを踏まえて、本講演では、がんゲノム医療中核病院診療科としての当科の取り組み、臨床遺伝医療部との連携、PARP阻害剤や免疫チェックポイント阻害剤の使用経験に加えて、最近我々が同定した再発・転移・化学療法抵抗性に関与する遺伝子やその機能、新規治療法の開発を紹介する。.
110. 加藤聖子, 産婦人科における性分化疾患の治療, 第20回思春期診療研究会, 2021.04.
111. 加藤聖子, 産婦人科における総排泄腔遺残症の管理, 第121回日本外科学会定期学術集会, 2021.04, 総排泄腔遺残症は膀胱・尿道と直腸・肛門の分離過程が障害され尿道・膣・直腸が共通の総排泄腔に開き、会陰には総排泄腔のみが開口している。この遺残した総排泄腔は共通管とも呼ばれる。本邦での厚生労働科学研究費による難治性疾患政策研究事業における2014年の全国集計では、6万人から10万人の出生に1人の割合で発生しており、年間発生数は平均14.8人と報告される先天性難治性希少泌尿生殖器疾患の一つである。治療は新生児期に人工肛門造設が行われた後、共通管が3cm未満の場合、幼児期に一時的に膣・肛門形成を行う。二次性徴発来前後に置いて産婦人科を受信してもらい、FSH、エストラジールを測定する。共通管が3cm以上の場合は術後膣狭窄による月経血流出路障害を起こすことが多く、膣拡張を行う。また、外陰形成不全を合併することも多く、形成外科と一緒に外陰形成を行うこともある。しかし、多くの症例において膣形成後も膣狭窄による月経血流出路障害に関連する症状が認められる。成人症例にて結婚・妊娠・出産に至った症例はあるが、性交渉及び妊娠成立・維持の問題が継続している。また、当科ではこれまで2例の妊娠・分娩症例を経験している。総排泄腔遺残症術後の妊娠中の管理では、子宮奇形による早産傾向、腎機能障害に注意が必要である。また、小児期の間に複数回の手術を繰り返していることが多く、高度癒着に対し帝王切開時には他科との連携が必要になってくる。
総排泄腔遺残症の治療及び管理は、出生直後から小児期・思春期を経て成人期まで生涯にわたり続く。小児科・小児外科・産婦人科・泌尿器科・内科・形成外科の他、心理的なケア・サポートが必要な場合も多く、看護師や遺伝子異常を伴う場合は遺伝カウンセリングを含む多職種で行う必要があり、女性の一生のヘルスケアを扱う分野である産婦人科の重要な疾患の一つである。本発表では、これまでの当科の経験を提示し、この疾患の管理における外科をはじめとする他診療科や多職種との連携体制を考察したい。.
112. Hamada N, Kuramoto K, Tomonobe S, Kawamura K, Isobe A, Miyazaki M, Egashira K, Kato K, Germ cell-intrinsic effects of sex chromosomes on early oocyte differentiation, 第73回日本産科婦人科学会学術講演会, 2021.04, [Objective]Oogenesis is a highly sex-dependent differentiation process that commences at the mid-gestation stage. A set of sex chromosomes is required for gametogenesis in both males and females, as represented by sex chromosome disorders causing agametic phenotypes. Although studies using model animals have investigated the functional requirement of sex chromosomes, involvement of these chromosomes in gametogenesis remains elusive. Therefore, in this study, we used a novel culture system as a tool to gain insight into the germ cell-intrinsic role of sex chromosomes on oogenesis.
[Methods]Recently, we reported that oogenesis can be reconstituted in culture using mouse embryonic stem cells(mESCs). Here, we elicit a germ cell-intrinsic effect of sex chromosomes on oogenesis, using this novel culture system in which oocytes were induced from mESCs harboring XX, XO or XY.
[Results]Our results showed that oogenesis from XO and XY mESCs was severely disturbed due to defective processes such as delayed meiotic initiation/progression, aberrant gene expression and mispairing of homologous chromosomes. In addition, our results demonstrate that a Y-linked gene, Eif2s3y that promotes spermatogenesis, has conversely a negative impact on oogenesis. Interestingly, Eif2s3y, a Y-linked gene that promotes proliferation of spermatogonia, had an inhibitory effect on oogenesis.
[Conclusion]This study provides a culture system that serves as a useful model of sex reversal and contributes the concept of a substantial germ cell-intrinsic conflict between male and female gametogenesis. Further study using the culture system will reveal molecular insights into infertility with sex chromosome disorder(s)..
113. Asanoma K, Yagi H, Onoyama I, Yoshida S, Kodama K, Tomonobe H, Yasutake N, Yasunaga M, Ohgami T, Okugawa K, Yahata H, Kato K, BHLHE40 regulates glycolysis and oxidative phosphorylation in endometrial cancer cells, 第73回日本産科婦人科学会学術講演会, 2021.04, [Objective]Cancer cells are known to depend on glycolysis for energy production. However, regulatory mechanism of metabolism in cancer cells remains largely unknown. In this study, we examined regulation of glycolysis and oxidative phosphorylation(OXPHOS)by a tumor suppressive transcription factor, BHLHE40 in endometrial cancer cells. [Methods]We used HHUA and KLE cells to knockdown BHLHE40;and HEC-1 and Ishikawa cells to overexpress BHLHE40 to examine their cellular glycolysis and OXPHOS using a flux analyzer. The expression and activity of AMP-activated protein kinase, AMPK;lactate dehydrogenase A subunit, LDHA;and pyruvate dehydrogenase E1 subunit alpha 1, PDHA1 were examined by antibodies to detect total and phosphorylated forms of each protein.
[Results]Knockdown of BHLHE40 in the cancer cells resulted in upregulation of glycolysis accompanied with phosphorylation of LDHA Tyr10(activative phosphorylation), and downregulation of OXPHOS accompanied with phosphorylation of PDHA1 Ser293(inactivative phosphorylation). Remarkable suppression of phosphorylation of AMPKA Thr172(activative phosphorylation), but no change in AMPKB Ser182(activative phosphorylation)was observed. On the contrary, forced expression of BHLHE40 in the cancer cells exert the reverse effects.
[Conclusion]BHLHE40 is suggested to regulate the expression and activity of AMPK to control metabolic balance between glycolysis and OXPHOS in endometrial cancer cells. Understanding mechanism of energy production in cancer cells might lead to a new strategy to control development of endometrial cancer..
114. Onoyama I, Kato M, Kawakami M, Yoshida S, Kawamura K, Yagi H, Asanoma K, Yahata H, Kato K, Downregulation of 5-hydroxymethylcytosine is associated with the progression of cervical intraepithelial neoplasia, 第73回日本産科婦人科学会学術講演会, 2021.04, [Objective]Aberrant DNA methylation contributes to carcinogenesis in various cancers. Although 5-methylcytosine(5mC)has been analyzed intensively, the function of 5-hydroxymethylcytosine(5hmC)has not been clarified. We investigated the significance of 5hmC as a molecular biomarker for early diagnosis of cervical tumors.
[Methods]We performed immunohistochemistry(IHC)to characterize the level of 5hmC in 103 archived human cervical intraepithelial neoplasia(CIN)samples and cervical cancer specimens. Mouse embryonic fibroblasts(MEF)and the human cell line HHUA were also used to assess molecular basis of 5hmC level aberration.
[Results]The level of 5hmC was significantly decreased between CIN2 and CIN3. Next, we examined the effects of TP53 or RB1 knockdown in mouse embryonic fibroblasts(MEF), a model of normal cells with HPV infection, and observed 5hmC levels were reduced in Tp53-knockdown cells. In HHUA cells with a wild-type TP53 gene, apolipoprotein B mRNA editing enzyme, catalytic polypeptide-like 3B(A3B)was induced after TP53-knockdown, and A3B knockdown recovered 5hmC levels. Moreover, IHC showed that expression levels of A3B in CIN3 were significantly higher than those in both normal epithelium and in CIN2.
[Conclusion]5hmC levels are decreased between CIN2 and CIN3 through the TP53-A3B pathway. Since A3B could impair genome stability, 5hmC loss might increase the chances of accumulating mutations and of progressing from CIN3 to cervical cancer. Thus, these epigenetic changes could predict whether CINs are progressing to cancer or disappearing..
115. 加藤 聖子, 女性医学をめぐる話題, 第38回徳島女性医学研究会, 2021.03, 産婦人科学は、卵の発生から始まり、胎児期・新生児期・思春期・生殖期・更年期・老年期を経て死を迎えるまで、「女性の一生を診る」学問である。産婦人科医専門医を取得するまでは、これら全ての年代にわたる疾患の知識・医療技術を学んでいるが、サブスペシャリティーと言われる専門医を取得後は、多くの産婦人科医が自分の専門領域以外の診療を受け持たなくなる傾向がある。しかし、患者の女性としての人生を考えると目の前の「病気」を診るだけでは十分ではなく、過去・未来を含めた時間軸で「人」を診ることが必要となってくる。こういう視点で、女性ヘルスケアを扱う専門領域が「女性医学」である。女性医学は診断・治療だけではなく予防医学・社会医学の側面も持つ。これらの全てを産婦人科医だけではカバーすることは不可能で多職種連携が必須となる。本講演ではまず、胎児期や新生児期に診断され、成人期までのフォローが必要な性分化疾患の中から、「ターナー症候群」「総排泄腔遺残症」を例に、管理における産婦人科医の関与や多診療科連携による移行期医療について考える。次に、晩婚化・晩産化による不妊症に焦点をあて、マウスやヒト臨床検体を用いた「子宮内膜の老化」についての解析結果から加齢に伴って変化する遺伝子群や着床不全の内膜と細胞老化・炎症性サイトカインの関連を紹介する。最後に、閉経前後に増加してくる疾患である子宮体癌に着目する。子宮体癌はここ15年で罹患率は約3倍に増加しており、進行期の予後は不良である。予防とともに新規治療法の開発が望まれる。我々は以前より、子宮体癌のがん幹細胞に着目し、その生物学的特性の解析をしてきた。がん幹細胞は長期増殖能、多分化能、遊走能を持ち、再発や転移に関与している。最近、子宮体癌細胞の幹細胞形質維持や転移能獲得に重要な遺伝子を同定したのでその紹介を行う。.
116. 加藤 聖子, 子宮内膜の老化機構, 第4回日本子宮鏡研究会 学術講演会, 2021.03, 生殖医療の現場では、卵の質は悪くないのに妊娠に至らない原因不明の不妊症のケースに遭遇し、子宮内膜の機能不全による着床環境の障害が疑われる。加齢とともに不妊症の数が増加してくるが若い世代でも原因不明の不妊患者は一定の割合で存在する。我々は子宮内膜幹細胞維持機構と周囲微小環境(ニッチ)の破綻による幹細胞の劣化が細胞老化を誘導し、誘導された細胞老化には加齢による生物学的老化と年齢には依存しない機能的老化があると考え、着床における子宮内膜の果たす役割をマウスモデルとヒト子宮内膜を用いて解析した。
まず、加齢による老化の影響を明らかにするため、若年マウスと老齢マウスの子宮を比較し、網羅的解析により老化のマーカーと成り得る遺伝子を抽出し、ヒト子宮内膜を用いて加齢により発現が変化する遺伝子の同定を試みた。5週齢、8週齢、60週齢を超える野生型マウスから子宮を摘出し、total RNAを抽出しRNA-seqで網羅的に解析した。抽出した発現変動遺伝子について、検証実験として20歳代10例、40歳代10例のヒト子宮のサンプルを用いて、抽出した発現変動遺伝子の蛋白発現について組織免疫化学染色を用いて定量的に解析した。マウス子宮から抽出したtotal RNAのRNA-seq解析により、加齢により発現が増加する炎症に関連する遺伝子を3つ同定した。同時にパスウェイ解析を施行したところ、細胞分裂に関連する経路に関する遺伝子群の発現が加齢マウスにおいて減少していた。前述した3つの遺伝子がコードする蛋白は全て20歳代に比べて40歳代で子宮内膜腺上皮における発現が増加していた。次に機能的な原因を明らかにするため、不妊治療における採卵時(増殖期)に採取したヒト子宮内膜組織から分離した子宮内膜間質細胞を用いて、胚移植後に妊娠反応が陽性であった症例(妊娠群)と陰性であった症例(非妊娠群)において複数の細胞老化誘導のマーカー(SA-β-Gal染色,細胞周期解析,遺伝子発現,SASP因子)を解析した。妊娠群と非妊娠群の年齢を含めた患者背景は同等であった。非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較して細胞老化が顕著に誘導され、細胞老化関連遺伝子CDKN2A,CDKN1A and TP53mRNA発現が亢進していた。また、老化細胞から分泌されることが報告されているIL6,CXCL8,IL17A, and CCI.2の発現も亢進し、細胞周期ではG0/G1期の割合が増加した。さらに、組織幹細胞マーカーの遺伝子発現解析により非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較してABCG2およびALDH1の発現が低く、子宮内膜幹細胞の減少が示唆された。以上より、着床障害には、加齢による子宮内膜の細胞分裂経路の障害、機能的には子宮内膜間質の細胞老化やそれに伴う炎症性サイトカイン分泌が関与していることが示唆された。.
117. 加藤 聖子, 子宮内膜の老化機構, 第4回日本子宮鏡研究会学術集会, 2021.03, 生殖医療の現場では、卵の質は悪くないのに妊娠に至らない原因不明の不妊症のケースに遭遇し、子宮内膜の機能不全による着床環境の障害が疑われる。加齢とともに不妊症の数が増加してくるが若い世代でも原因不明の不妊患者は一定の割合で存在する。我々は子宮内膜幹細胞維持機構と周囲微小環境(ニッチ)の破綻による幹細胞の劣化が細胞老化を誘導し、誘導された細胞老化には加齢による生物学的老化と年齢には依存しない機能的郎賀があると考え、着床における子宮内膜の果たす役割をマウスモデルとヒト子宮内膜を用いて解析した。
まず、加齢による老化の影響を明らかにするため、若年マウスと老齢マウスの子宮を比較し、網羅的解析により老化のマーカーと成り得る遺伝子を抽出し、ヒト子宮内膜を用いて加齢により発現が変化する遺伝子の同定を試みた。5週齢、8週齢、60週齢を超える野生型マウスから子宮を摘出し、total RNAを抽出しRNA-seqで網羅的に解析した。抽出した発現変動遺伝子について、検証実験として20歳代10例、40歳代10例のヒト子宮のサンプルを用いて、抽出した発現変動遺伝子の蛋白発現について組織免疫化学染色を用いて定量的に解析した。マウス子宮から抽出してtotal RNAのRNA-seq解析により、加齢により発現が増加する炎症に関連する遺伝子を3つ同定した。同時にパスウェイ解析を施行したところ、細胞分裂に関連する経路に関する遺伝子群の発現が加齢マウスにおいて減少していた。前述した3つの遺伝子がコードする蛋白は全て20歳代に比べて40歳代で子宮内膜腺上皮における発現が増加していた。次に機能的な原因を明らかにするため、不妊治療における採卵時(増殖期)に採取したヒト子宮内膜組織から分離した子宮内膜幹細胞を用いて、胚移植後に妊娠反応が陽性であった症例(妊娠群)と陰性であった症例(非妊娠群)において複数の細胞老化誘導のマーカー(SA-β-Gal染色,細胞周期解析,遺伝子発現,SASP因子)を解析した。妊娠群と非妊娠群の年齢を含めた患者背景は同等であった。非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較して細胞老化が顕著に誘導され、細胞老化関連遺伝子CDKN2A,CDKN1A and TP53 mRNA発現が亢進していた。また、細胞老化から分泌されることが報告されているIL6,CXCL8,IL17A, and CCL2の発現も亢進し、細胞周期ではG0/G1期の割合が増加した。さらに、細胞組織幹細胞マーカーの遺伝子発現解析により 非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較してABCG2及びALDH1の発現が低く、子宮内膜幹細胞の減少が示唆された。以上より、着床障害には、加齢による子宮内膜の細胞分裂経路の障害、機能的には子宮内膜間質の細胞老化やそれに伴う炎症性サイトカイン分泌が関与していることが示唆された。.
118. 加藤 聖子, 総排泄腔遺残症の管理における産婦人科医の役割, 総排泄腔遺残症に関する市民公開講座, 2021.02.
119. 加藤 聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 第2回長崎県女性医療セミナー, 2021.02.
120. 加藤 聖子, 産婦人科医療をめぐる話題, 岩手産科婦人科学会集談会(WEB), 2021.01.
121. 加藤 聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 第150回山形県産婦人科集談会, 2020.12.
122. 加藤 聖子, 女性医学をめぐる話題, 第7回新潟女性医学研究会, 2020.12.
123. 加藤 聖子, 婦人科疾患で役立つ漢方薬, 第171回群馬産科婦人科学会・群馬県産婦人科医会, 2020.11.
124. 加藤 聖子, 緊急避妊ピル@プレコンセプションケア 緊急避妊薬について考える~日本産科婦人科学会の立場から~, 第35回日本女性医学学会学術集会, 2020.11.
125. 加藤 聖子, 月経困難症の病態と薬物療法~LEP製剤とプロゲスチン製剤の使い方とその注意点~, 福岡プロゲスチンWebセミナー, 2020.11.
126. 加藤 聖子, 月経困難症の病態と薬物療法~LEP製剤とプロゲステロンの使い方とその注意点~, 2020.11.
127. 加藤 聖子, 子宮内膜 老化のメカニズム, 第38回日本受精着床学会総会・学術講演会, 2020.10, 生殖医療の現場では、卵の質は悪くないのに妊娠に至らない原因不明の不妊症のケースに遭遇し、子宮内膜の機能不全による着床環境の生涯が疑われる。加齢とともに不妊症の数が増加してくるが若い世代でも原因不明の不妊患者は一定の割合で存在する。我々は子宮内膜幹細胞維持機構と周囲微小環境(ニッチ)の破綻による幹細胞の劣化が細胞老化を誘導し、誘導された細胞老化には加齢による生物学的老化と年齢には依存しない機能的老化があると考え、着床における子宮内膜の果たす役割をマウスモデルとヒト子宮内膜を用いて解析した。
まず、加齢による老化の影響を明らかにするため、若年マウスと老齢マウスの子宮を比較し、網羅的解析により老化のマーカーと成り得る遺伝子を抽出し、ヒト子宮内膜を用いて加齢により発現が変化する遺伝子の同定を試みた。5週齢、8週齢、60週齢を超える野生型マウスから子宮を摘出し、total RNAを抽出しRNA-seqで網羅的に解析した。抽出した発現変動遺伝子について、確証実験として20歳代10例、40歳代10例のヒト子宮のサンプルを用いて、抽出した発現変動遺伝子の蛋白発現について組織免疫化学染色を用いて定量的に解析した。マウス子宮から抽出したtotal RNAのRNA-seq解析により、加齢により発現が増加する炎症に関連する遺伝子を3つ同定した。同時にパスウェイ解析を施行したところ、細胞分裂に関連する経路に関する遺伝子群の発現が加齢マウスにおいて減少していた。前述した3つの遺伝子がコードする蛋白は全て20歳代に比べて40歳代で子宮内膜腺上皮における発現が増加していた。次に機能的な原因を明らかにするため、不妊治療における採卵時(増殖期)に採取したヒト子宮内膜組織から分離した子宮内膜間質細胞を用いて、胚移植後に妊娠反応が陽性であった症例(妊娠群)と陰性であった症例(非妊娠群)において複数の細胞老化誘導のマーカー(SA-β-Gal染色、細胞周期解析、遺伝子発現、SASP因子)を解析した。妊娠群と非妊娠群の年齢を含めた患者背景は同等であった。非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較して細胞老化が顕著に誘導され、細胞老化関連遺伝子CDKN2A,CDKN1A and TP53 mRNA発現が亢進していた。また、老化細胞から分泌されることが報告されているIL6,CXCL8,IL17A, and CCL2の発現も亢進し、細胞周期ではG0/G1期の割合が増加した。さらに、組織幹細胞マーカーの遺伝子発現解析により非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較して、ABCG2およびALDH1の発現が低く、子宮内膜幹細胞の減少が示唆された。以上より、着床障害には、加齢による子宮内膜の細胞分裂経路の障害、機能的には子宮内膜間質の細胞老化やそれに伴う炎症性カイトサイン分裂が関与していることが示唆された。.
128. 小野山 一郎、加藤 聖子、中山 敬一, Fbxw7欠損は乳腺の発達を障害し、乳癌の発生を誘導する
Loss of Fbxw7 impairs development of and induces tumor formation in the mouse mammary gland, 第79回日本癌学会学術総会, 2020.10, Fbxw7 is an F-box protein that contributes to regulation of cell proliferation and cell fate decision as well to tumor suppression in various organs. We have generated mice with mammary glands-specific ablation of Fbxw7(Big-Cre/Fbxw7F/F mice)and found that most neonates born to mutant female mice die soon after birth as a result of defective maternal lactation. The mammary gland of mutant mice was markedly atrophic and manifested both excessive cell proliferation in apoptosis in association with the accumulation of Notch1 and p63 proteins. Despite the hypoplastic nature of the mutant mammary gland, Big-Cre/Fbxw7F/F mice spontaneously developed breast cancer that resembled basal-like carcinoma with marked intratumoral heterogeneity. Additional inactivation of Trp53 in Big-Cre/Fbxw7F/F mice promoted the onset and development of breast cancer, suggesting spontaneous mutation of Trp53 may facilitate of hypoplastic mammary lesions to aggressive cancer in mice lacking Fbxw7. Together, our results implicate Fbxw7 in regulation of cell differentiation and in tumor suppression in the mammary gland. .
129. 加藤 聖子, 子宮内膜 老化のメカニズム, 第38回日本受精着床学会総会・学術講演会, 2020.10, 生殖医療の現場では、卵の質は悪くないのに妊娠に至らない原因不明の不妊症のケースに遭遇し、子宮内膜の機能不全による着床環境の障害が疑われる。加齢とともに不妊症の数が増加してくるが若い年代でも原因不明の不妊患者は一定の割合で存在する。我々は子宮内膜幹細胞維持機構と周囲微小環境(ニッチ)の破綻による幹細胞の劣化が細胞老化を誘導し、誘導された細胞老化には加齢による生物学的老化と年齢には依存しない機能的老化があると考え、着床における子宮内膜の果たす役割をマウスモデルとヒト子宮内膜を用いて解析した。
まず、加齢による老化の影響を明らかにするため、若年マウスと老齢マウスの子宮を比較し、網羅的解析により老化のマーカーと成り得る遺伝子を抽出し、ヒト子宮内膜を用いて加齢により発現が変化する遺伝子の同定を試みた。5週齢、8週齢、60週齢を超える野生型マウスから子宮を摘出し、total RNAを抽出しRNA-seqで網羅的に解析した。抽出した発現変動遺伝子について、検証実験として20歳代10例、40歳代10例のヒト子宮のサンプルを用いて、抽出した発現変動遺伝子の蛋白発現について組織免疫化学染色を用いて定量的に解析した。マウス子宮から抽出したtotal RNAのRNA-seq解析により、加齢により発現が増加する炎症に関連する遺伝子を3つ同定した。同時にパスウエイ解析を施行したところ、細胞分裂に関連する経路に関する遺伝子群の発現が加齢マウスにおいて減少していた。前述した3つの遺伝子がコードする蛋白は全て20歳代に比べて40歳代で子宮内膜腺上皮における発現が増加していた。次に機能的な原因を明らかにするため、不妊治療における採卵時(増殖期)に採取したヒト子宮内膜組織から分離した子宮内膜間質細胞を用いて、胚移植後に妊娠反応が陽性であった症例(妊娠群)と陰性であった症例(非妊娠群)において複数の細胞老化誘導のマーカー(SA-β-Gal染色,細胞周期解析,遺伝子発現,SASP因子)を解析した。妊娠群と非妊娠群の年齢を含めた患者背景は同等であった。非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較して細胞老化が顕著に誘導され、細胞老化関連遺伝子CDKN2A, CDKN1A and TP53 mRNA発現が亢進していた。また、老化細胞から分泌されることが報告されているIL6 , CXCL8 , IL17A , and CCL2の発現も亢進し、細胞周期ではG0/G1期の割合が増加した。さらに、組織幹細胞マーカーの遺伝子発現解析により非妊娠群の子宮内膜間質細胞では妊娠群と比較してABCG2およびALDH1の発現が低く、子宮内膜幹細胞の減少が示唆された。以上より、着床障害には、加齢による子宮内膜の細胞分裂経路の障害、機能的には子宮内膜間質の細胞老化やそれに伴う炎症性サイトカイン分泌が関与していることが示唆された。.
130. 加藤 聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 第80回三重県生涯教育特別研修セミナー, 2020.09.
131. 加藤 聖子, 体重が女性ヘルスケアに与える影響を考える, 第44回日本女性栄養・代謝学会学術集会, 2020.09, 年代毎の女性のヘルスケアを考える上で体重は重要なファクターである。体重の評価法にはBody Mass Index(BMI)が用いられる。日本肥満学会の定義ではBMI18.5未満が低体重(やせ)、25以上が肥満とされる。平成30年国民健康・栄養調査報告によるとやせの割合は男性3.7%、女性11.2%で女性の方が多く、特に20歳代女性のやせの割合は20.3%になっている。肥満の割合は男性32.2%、女性21.9%と男性の方が多いが、男性は30歳以降30%代であまり変化がないのに対し、女性は年代毎に増加し、20歳代では10.7%と低いが60歳代では27.5%となる。
各年代により体重と関連する疾患がある。若年者のやせは体重減少性続発性無月経の原因となる。そのメカニズムには代謝栄養やストレスに反応するCRH、キスペプチン、レプチンをはじめとする脳内神経ネットワークが作用しGnRHバルス分泌の低下により性線機能抑制が関与すると考えられている。また、Peak Bone Massも低下し、骨量減少、骨粗鬆症の原因となる。体重減少の理由は様々だが、神経性やせ症による摂食障害を伴う場合は、精神科や心理カウンセラーを交えたチーム医療が必要となってくる。このやせが妊娠期にも続く場合、低出生体重児の原因となり出征後の生活習慣病の増加をもたらすなど次世代への影響も知られている。中高年移行は肥満が影響する疾患が増えてくる。その代表的なものがメタボリックシンドロームや生活習慣病である。この病態には肥満により内臓脂肪蓄積が起こり、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインプロファイルの異常、ホルモン分泌異常、遊離脂肪酸産生増加はインスリン抵抗性・耐糖能異常・脂質代謝異常・循環系異常を誘導する。
肥満により様々ながんの発生リスクが上昇することが報告されているが、その中には子宮体癌が含まれる。その病態には、脂肪細胞のアロマターゼ活性によりテストステロンから産生されるエストロゲンが関与している。また、エストロゲンレセプター(ER)はエストロゲンだけではなく癌遺伝子のRASシグナル刺激でも転写活性が起こることが知られており、エストロゲン依存性の子宮体癌の発癌機構にRASを介した経路は重要である。RASタンパクの作用発現にはコレステロールの中間代謝産物であるイソプレノイドの付加による翻訳語修飾が必要である(プレニル化)。コレステロール産生の代謝経路にあるHMG-CoA還元酵素の阻害剤(スタチン)はコレステロールを低下させる脂質異常症の治療薬であるが、イソプレノイド産生も阻害するため、RASのプレニル化も阻害する。最近スタチンのがん細胞増殖抑制作用が注目されている。スタチンは乳癌や子宮体癌の予後を改善することが報告されており、興味深い。
本講演では、女性の各ライフステージ疾患に肥満ややせが及ぼす影響をそのメカニズムとともに解説する。.
132. 加藤 聖子, 女性ヘルスケアをめぐる活動の紹介, 第24回更年期と加齢のヘルスケア学会九州・沖縄セミナー, 2020.01.
133. 加藤 聖子, 子宮内膜症の病態と治療, 大分市医師会産婦人科臨床検討会, 2020.01.
134. 加藤聖子, 卵巣癌治療の最近の話題, 県北産婦人科医の会, 2019.12.
135. 加藤聖子, 婦人科疾患で役立つ漢方薬, 松山産婦人科医会例会, 2019.11.
136. 加藤 聖子, 女性の一生を診る, 第34回日本女性医学学会学術集会, 2019.11, 産婦人科学は、卵の発生から始まり、胎児期・新生児期・思春期・生殖期・更年期・老年期を経て死を迎えるまで、「女性の一生を診る」学問である。産婦人科医専門医を取得するまでは、これら全ての年代にわたる疾患の知識・医療技術を学んでいるが、サブスペシャリティーと言われる専門医を取得後は、多くの産婦人科医が自分の専門領域以外の診療を受け持たなくなる傾向がある。しかし、患者の女性としての人生を考えると目の前の「病気」を診るだけでは十分ではなく、過去・未来を含めた時間軸で「人」を診ることが必要となってくる。こういう視点で、女性ヘルスケアを扱う専門領域が「女性医学」である。女性医学は診断・治療だけではなく予防医学・社会医学の側面も持つ。全てを産婦人科医だけではカバーすることは不可能で、他の領域の医師や看護師・助産師・薬剤師・保健師など多職種連携が必須となる。本講演では胎児期や新生児期に診断され、成人期までのフォローが必要な「ターナー症候群」「総排泄腔遺残症」を例に、多診療科連携による移行期医療について考える。
ターナー症候群は、性染色体異常症の一つでX染色体の1本の全欠失や短腕の欠失が起こる。染色体核型がXOとなった生殖細胞の機能異常のメカニズムは、本学会の教育講演を担当している林克彦教授らにより明らかにされつつある。胎児期には後頚部の皮膚のたるみ(胎児嚢胞性ヒグローマ)で見つかり、羊水検査で診断されることもある。
出生後は小児科で成長ホルモン投与や合併症のフォローを受けている。産婦人科では12~15 歳の間にエストロゲン少量療法を開始し、成人量0.72 mgにまで増量する。 Kaufmann 療法への移行は,上記の最大量,すなわち成人量で6 か月を経過するか,あるいは途中で消退出血が起こるか,いずれかの早い時点で行う。また、骨粗鬆症の予防を行うことも重要である。
総排泄腔遺残症は膀胱・尿道と直腸・肛門の分離過程が障害され尿道・腟・直腸が共通の総排泄腔に開き、会陰には総排泄腔のみが開口している。この遺残した総排泄腔は共通菅とも呼ばれる。治療は新生児期に人工肛門造設が行われた後、共通菅が3cm未満の場合、幼児期に一期的に腟・肛門形成を行う。二次性徴発来前後において産婦人科を受診してもらい、FSH、エストラジールを測定する。共通菅が3cm以上の場合は術後腟狭窄による月経血流出障害を起こすことが多く、腟拡張術を行う。また、外陰形成不全を合併することも多く、形成外科と一緒に外陰形成を行うこともある。
しかし、多くの症例において腟形成後も腟狭窄による月経血流出路障害に関連する症状が認められる。成人症例にて結婚に至った症例はあるが、性交渉及び妊娠成立・維持の問題が継続している。小児外科から産婦人科への移行期医療が重要である。.
137. 加藤 聖子, 乳癌・子宮体癌リスクに対する基礎検討, 第34回日本女性医学学会学術集会, 2019.11.
138. 八木 裕史、小玉 敬亮、小野山 一郎、淺野間 和夫、加藤 聖子, 卵巣癌の進展におけるGα13シグナルの役割, 第78回日本癌学会学術総会, 2019.09.
139. 兼城 英輔、堀 絵美子、貴島 雅子、安武 伸子、小玉 敬亮、権丈 洋徳、八木 裕史、安永 昌史、大神 達寛、小野山 一郎、奥川 馨、浅野間 和夫、矢幡 秀昭、加藤 聖子, 当科における子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術の治療成績, 第59回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会, 2019.09, 【目的】当科では2015年11月より腹腔鏡下広汎子宮全摘術(LRH)を臨床試験として開始し、2016年8月からは先端医療として、2018年4月からは保険診療として施行してきた。2018年10月に早期子宮頸癌患者を対象に低侵襲広汎子宮全摘術と閉腹広汎子宮全摘術(ARH)を行った症例を比較した海外での前向き試験(LACC trial)の結果が発表され、低侵襲手術群で閉腹手術群よりも局所再発が多く、無病生存率および全生存率が低かった。今回、当科で施行したLRH症例の治療成績について後方視的にARH症例と比較検討した。
【方法】2015年11月から2018年12月に当科でLRHを施行した子宮頸癌IB1期(組織型:扁平上皮癌、腺癌、腺扁平上皮癌)26例を対象とし、同時期に当院でARHを施行した子宮頸癌IB1期およびⅡA1期(組織型:扁平上皮癌、腺癌、腺扁平上皮癌)46症例と比較検討し、治療成績(再発の有無)について後方視的に検討した。LRH群は全例で腟カフを作成し、子宮マニュピュレーターは使用しなかった。統計学的手法としてKaplan-Meier法を用いた。
【成績】観察期間の中央値はそれぞれLRH群で19ヶ月(5-41ヶ月)、ARH群で26ヶ月(5-40ヶ月)で、LRH群には再発例はなく、ARH群の1例で術後10ヶ月目に腟断端再発を認めた。LRH群とARH群の間に再発率に差を認めなかった(P=0.46)。
【考察】短い期間の比較ではあるが、LRH群とARH群の再発率に差を認めず、ともに良好な治療成績であった。当科においては主要散布の防止の工夫をLRH群の全例に行っていることが、良好な治療成績に結びついた可能性が示唆された。.
140. 加藤聖子, 産婦人科疾患における貧血治療の重要性, IDA治療フォーラム, 2019.07.
141. 加藤聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略, 第267回広島県東部産婦人科医会学術講演会, 2019.07.
142. 加藤聖子, 産婦人科をめぐる最新の話題, 山口産科婦人科学会・山口県産科婦人科医会特別講演, 2019.06, 近年、産婦人科医療をめぐっては、生殖内分泌・周産期・婦人科腫瘍のいずれの分野でも様々な課題がでてきている。まずは晩婚化・晩産化に伴う妊孕性低下があげられる。多くは卵の老化が原因と考えられているが、生殖補助医療の現場では受精卵の質は問題なくても、35歳を過ぎると妊娠率が低下することはよく知られた事実である。我々は着床の場である子宮内膜に着目した。子宮内膜の老化に焦点をあて、マウスを用いた加齢により変化する遺伝子同定の試みや、ヒト臨床検体を用いた着床不全の病態への子宮内膜の関与の研究を紹介する。晩産化に伴うもう一つの問題は合併症妊娠の増加である。この中でも妊娠高血圧症候群は全妊娠の5%をしめ、重篤になると母児共に生命を危うくする合併症を併発する。胎盤の形成不全が原因と考えられているが不明な点も多くその病態の解明は重要である。我々は妊娠高血圧症候群と正常妊娠の胎盤を用いて網羅的発現遺伝子解析や免疫染色を行い、妊娠高血圧症の胎盤は硬度が高く病理学的には線維化が起こっていることを明らかにした。本講演ではそのメカニズムを解析した研究を紹介する。また、婦人科腫瘍の分野では、若年子宮頸癌の増加が社会的問題である。妊孕性を温存する手術として現在多くの施設で子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)が行われている。当教室ではこれまでに約200例のトラケレクトミーを経験している。我々は、予後、不妊治療の実際、妊娠管理の問題点、術後合併症などを解析し報告してきたので紹介する。以上、産婦人科医療をめぐる問題を、晩婚化・晩産化・若年子宮頸癌の増加を例に基礎研究・臨床研究の視点より考えていく。.
143. 加藤 聖子, 婦人科腫瘍の臨床と研究, 第3回区西北部桜門産婦人科研究会, 2019.04.
144. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略~エクオールの有効性と安全性の科学的検証, エクオールと女性の健康を考える会, 2019.04.
145. Kaoru Okugawa, Shusaku Inoue, Keisuke Kodama, Shinichiro Yamaguchi, Hironori Kenjo, Hiroshi Yagi, Tatsuhiro Ohgami, Masafumi Yasunaga, Ichirou Onoyama, Eisuke Kaneki, Hideaki Yahata, Kiyoko Kato, Safety evaluation of abdominal trachelectomy in patients with cervical cancer with tumors ≥2 cm:A single-institution, retrospective analysis, 第71回日本産科婦人科学会学術講演会, 2019.04, Purpose:For oncologic safety, vaginal radical trachelectomy is generally limited to patients with cervical cancer < 2 cm. However, inclusion criteria for abdominal trachelectomy are unclear. Our aim was to evaluate the safety of abdominal trachelectomy for cervical cancer 2 cm. Methods:Our institutional review board approved this clinical study, and informed consent was obtained from each patient. We began performing abdominal trachelectomy at our institution in 2005. The preoperative criteria consisted primarily of(1)stage IB1 or less advanced squamous cell cancer 3 cm(including stage IIA1 with slight vaginal involvement);or(2)adenocarcinoma/adenosquamous carcinoma 2 cm. If a positive sentinel lymph node or cervical margin was diagnosed intraoperatively by frozen section, trachelectomy was converted to hysterectomy. The medical records of these patients were reviewed retrospectively. Results:We attempted trachelectomy in 217 patients. Among 142 patients with tumors < 2 cm, trachelectomy was successful in 127, none of whom developed recurrence. Altogether, 29 pregnancies were achieved in 22 women with 15 infants delivered. For 75 patients with tumors 2 cm, trachelectomy was successful in 61. Among them, two developed recurrence, eight pregnancies were achieved in five women with five infants delivered. For 29 patients who could not undergo trachelectomy, 14 had tumors 2 cm, and 22 had vascular permeation.
Considerations & Conclusions:Intraoperative frozen sections of sentinel lymph nodes and cervical margins allowed us to perform trachelectomy safely even in patients with tumors 2 cm..
146. Hiroshi Yagi、Ichirou Onoyama、Kazuo Asanoma、Masafumi Yasunaga、Keisuke Kodama、Shusaku Inoue、Shinichiro Yamaguchi、Tatsuhiro Ohgami、Eisuke Kaneki、Kaoru Okugawa、Hideaki Yahata、Kiyoko Kato, GEP oncogene induces epithelial-mesenchymal transition in ovarian cancer through LATS1 proteolysis, 第71回日本産科婦人科学会学術講演会, 2019.04, Purpose:Cancer cells can co-opt the activity of G protein-coupled receptors(GPCRs)for their progression. Recent studies have revealed that overexpression of, or activating mutations in, GPCR-linked heterotrimeric G proteins, including GNAS, GNAQ, GNA12 and GNA13, play critical roles in the progression of human cancers. Among them, G α 13, encoded by the GEP oncogene, GNA13, has been implicated in the progression of various human cancers. However, our understanding of the function of G α 13 in cancer progression remains limited because of the lack of experimental systems that enable the
exclusive examination of G α 13 signaling. Here, we evaluated downstream targets of GEP oncogene that are implicated in ovarian cancer progression. Methods:To examine the effect of G α 13 activation on ovarian cancer cells, we employed constitutively active mutant of G α 13(G α 13QL)or synthetic biology approach using a mutant GPCR and chimeric G protein. Morphological change, protein expression profiles and intracellular signaling pathways were analyzed.
Results:Regarding both in cell morphology and protein expression profile, sustained activation of G α 13 induced epithelial-mesenchymal transition in ovarian cancer cells through down regulation of LATS1, a critical component of the Hippo signaling pathway. A synthetic biology approach revealed that G α 13-regulated phosphorylation of LATS1 at Serine 909 within its activation loop induced recruitment of the E3 ubiquitin ligase, ITCH, to trigger LATS1 degradation.
Considerations & Conclusions:Our findings uncover novel mechanisms through which G α 13 activation induces dysregulation of the Hippo signaling pathway, leading to aggressive cancer phenotypes, thereby identifying a potential target for preventing metastatic spread of ovarian cancer..
147. 加藤 聖子, 性分化疾患の治療, 第71回日本産科婦人科学会学術講演会, 2019.04, 性分化疾患の治療は、出生直後から小児期・思春期を経て成人期まで生涯にわたり続く。本講演では本疾患の内科的・外科的治療法を解説する。ターナー症候群は約2000人に1人の割合で発症し、低身長に加え心疾患などを併発し、小児科で成長ホルモン投与や合併症のフォローを受けている。産婦人科では身長が140cmに達した後、段階的にエストロゲンを投与し子宮の成熟を促し、骨粗鬆症の予防をする。完全型の表現型は女性型で、無月経で来院することが多い。精巣の腫瘍化、悪性化のリスクがあり、青年期に摘出術を行い、その後はエストロゲン補充療法や必要に応じて造腟術を行う。先天性副腎皮質過形成は常染色体劣性遺伝を示し、90%が21-水酸化酵素欠損症である。外性器の以上(陰核肥大・腟開口部狭窄)がみられ、陰核形成や腟形成が施行される。適切なグルココルチコイドが投与されていれば妊娠・分娩も可能であり、内分泌専門医との連携が必要である。総排泄腔遺残症は出生5万人に1人という稀な疾患である。尿道・腟・直腸が共通管に開き、会陰には総排泄口のみが開口している。幼児期に肛門形成・腟形成をされるが、腟狭窄のため思春期以降、子宮・腟留血症、月経困難症などが問題となり産婦人科の関与が必要になる。生命予後が改善され、結婚し挙児希望症例には排便・排尿機能だけでなく生殖機能の管理が重要で、月経血流出路や性交障害改善のため、腟拡張術や外陰形成術を行う。以上のように、小児科・小児外科・産婦人科・泌尿器科・内科・形成外科の他、心理的なケア・サポートが必要な場合も多く、遺伝子異常を伴う場合は遺伝カウンセリングを含む多職種で行う必要がある。.
148. @加藤聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 熊本産婦人科二十日会, 2019.03.
149. 加藤聖子, 子宮内膜症・腺筋症の病態と治療, 子宮内膜症フォーラム, 2019.02.
150. @加藤聖子, 産婦人科医療をめぐる話題, 岡山県産婦人科専門医会, 2019.01, 近年、産婦人科医療をめぐっては、生殖内分泌・周産期・婦人科腫瘍のいずれの分野でも様々な課題がでてきている。まずは晩婚化・晩産化に伴う妊孕性低下があげられる。多くは卵の老化が原因と考えられているが、生殖補助医療の現場では受精卵の質は問題なくても、35歳を過ぎると妊娠率が低下することはよく知られた事実である。我々は着床の場である子宮内膜に着目した。子宮内膜の老化に焦点をあて、マウスを用いた加齢により変化する遺伝子同定の試みや、ヒト臨床検体を用いた着床不全の病態への子宮内膜の関与の研究を紹介する。晩産化に伴うもう一つの問題は合併症妊娠の増加である。この中でも妊娠高血圧症候群は全妊娠の5%をしめ、重篤になると母児共に生命を危うくする合併症を併発する。胎盤の形成不全が原因と考えられているが不明な点も多くその病態の解明は重要である。我々は妊娠高血圧症候群と正常妊娠の胎盤を用いて網羅的発現遺伝子解析や免疫染色を行い、妊娠高血圧症の胎盤は硬度が高く病理学的には線維化が起こっていることを明らかにした。本講演ではそのメカニズムを解析した研究を紹介する。また、婦人科腫瘍の分野では、若年子宮頸癌の増加が社会的問題である。妊孕性を温存する手術として現在多くの施設で子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)が行われている。当教室ではこれまでに約200例のトラケレクトミーを経験している。我々は、予後、不妊治療の実際、妊娠管理の問題点、術後合併症などを解析し報告してきたので紹介する。以上、産婦人科医療をめぐる問題を、晩婚化・晩産化・若年子宮頸癌の増加を例に基礎研究・臨床研究の視点より考えていく。.
151. @加藤聖子, 産婦人科医療をめぐる話題, 平成30年度三重県産婦人科医会特別講演会, 2019.01.
152. 加藤聖子, 産婦人科医療をめぐる問題を基礎・臨床研究から考える, 慈恵医大産婦人科教室同窓会(妙手会)総会 学術講演会, 2018.12, 近年、産婦人科医療をめぐっては、生殖内分泌・周産期・婦人科腫瘍のいずれの分野でも様々な課題がでてきている。まずは晩婚化・晩産化に伴う妊孕性低下があげられる。多くは卵の老化が原因と考えられているが、生殖補助医療の現場では受精卵の質は問題なくても、35歳を過ぎると妊娠率が低下することはよく知られた事実である。我々は着床の場である子宮内膜に着目した。子宮内膜の老化に焦点をあて、マウスを用いた加齢により変化する遺伝子同定の試みや、ヒト臨床検体を用いた着床不全の病態への子宮内膜の関与の研究を紹介する。晩産化に伴うもう一つの問題は合併症妊娠の増加である。この中でも妊娠高血圧症候群は全妊娠の5%をしめ、重篤になると母児共に生命を危うくする合併症を併発する。胎盤の形成不全が原因と考えられているが不明な点も多くその病態の解明は重要である。我々は妊娠高血圧症候群と正常妊娠の胎盤を用いて網羅的発現遺伝子解析や免疫染色を行い、妊娠高血圧症の胎盤は硬度が高く病理学的には線維化が起こっていることを明らかにした。本講演ではそのメカニズムを解析した研究を紹介する。また、婦人科腫瘍の分野では、若年子宮頸癌の増加が社会的問題である。妊孕性を温存する手術として現在多くの施設で子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)が行われている。当教室ではこれまでに200例以上のトラケレクトミーを経験している。我々は、予後、不妊治療の実際、妊娠管理の問題点、術後合併症などを解析し報告してきたので紹介する。以上、産婦人科医療をめぐる問題を、晩婚化・晩産化・若年子宮頸癌の増加を例に基礎研究・臨床研究の視点より考えていく。.
153. 加藤聖子, 子宮内膜症の病態と治療, 県北産婦人科医会学術講演会(二八会), 2018.12, 子宮内膜症は生殖年齢に多い疾患で、月経困難症、不妊症の原因になるとともに、
最近は子宮内膜症性卵巣嚢胞からの癌化が問題となっている。
月経困難症に間しては、鎮痛剤とともに、低用量ピルが使用されている。
本講演では、子宮内膜症の成因や最近の治療法を解説するとともに、低用量ピル使用時に最も問題となる副作用の一つである静脈血栓症のスクリーニング法に関する我々の臨床研究を紹介する。
.
154. 矢幡秀昭、貴島雅子、井上修作、小玉敬亮、山口真一郎、権丈洋徳、八木裕史、安永昌史、大神達寛、小野山一郎、兼城英輔、奥川馨、加藤聖子, 早期子宮頸癌におけるセンチネルナビケーション手術の予後および合併症に関する解析, 第56回日本癌治療学会学術集会, 2018.10, background:To evaluate the prognostic outcome and surgical complications in patients with early-stage cervical cancer who underwent sentinel node navigation surgery(SNNS) for hysterectomy or trachelectomy. Methods:A total of 139 patients who underwent SNNS using 99m Tc phytate between 2009 and 2015 were evaluated. No further lymph node dissection was performed when intraoperative analysis of the sentinental lymph nodes (SLNs) was negative for metastasis. We compared the surgical complications between the SNNS group and 67 matched patients who underwent pelvic lymph node dissection (PLND) after SLN mapping between 2003 and 2008. We also examined the clinical outcomes in the SNNS group. Results: The mean number of detected SLNs was 2.5 per patient. Fourteen of the 139 patients in the SNNS group underwent PLND based on the intraoperative SLN results. The amount of blood loss, the operative time, and the number of perioperative complications were significantly less in the SNNS group than in the matched PLND group. There was no recurrence during a follow-up period ranging from 2 to 88 months(median, 40 months) in the SNNS group. Conclusions: Using SNNS for early-stage cervical cancer is safe and effective and does not increase the recurrence rate. A future multicenter trial is warranted. .
155. 加藤聖子, 婦人科腫瘍におけるゲノム医療の展開, 平成30年度第2回島根産科婦人科学会学術集会, 2018.09.
156. 加藤聖子, 婦人科腫瘍におけるゲノム医療の展開, 第145回東北連合産科婦人科学会総会・学術講演会, 2018.06.
157. 加藤 聖子, 婦人科腫瘍におけるゲノム医療の展開, 周南産婦人科フォーラム, 2018.04.
158. 加藤 聖子, 女性ホルモンの発癌機構への関与~子宮体癌を中心に, 第91回日本内分泌学会学術総会, 2018.04.
159. 詠田真由、日浅佳奈、河村圭子、河村英彦、横田奈津子、江頭活子、加藤聖子、安田浩, 総排泄腔遺残術後の患者に対し、外陰形成術を施行した2症例, 第156回福岡産科婦人科学会, 2018.01.
160. 加藤 聖子, 子宮内膜と子宮体がんの幹細胞, 第1回がん三次元培養研究会, 2017.12, 近年、様々な成体組織や癌組織に自己複製能と多分化能を持つ幹細胞の存在が報告されている。組織および癌組織の幹細胞を同定する手段として、DNA結合色素Hoechst33342で細胞を染色し、UVで励起させた際、450/600nmの波長を暗く発現している細胞集団side population(以下SP細胞)を分離する方法が用いられている。
 子宮体癌は近年増加しており約8割はestrogenエストロゲン依存性である。我々は、正常子宮内膜にSP細胞が存在することを明らかにした。このSP細胞は、長期増殖能をもち、3次元培養にて腺管上皮様構造に分化するなど幹細胞様の性質を示した。ラット子宮内膜より分離したSP細胞とnon-SP細胞に変異性KRAS遺伝子を導入したところ、SP細胞に導入した時のみ継代的な腫瘍形成能を獲得し、Estrogen Receptor機能の亢進もみとめられた。この結果は子宮体癌発生機構への正常子宮内膜幹細胞の関与を示唆している。
 次に子宮体癌細胞株Hec1細胞からSP細胞を分離し、その生物学的特性を解析し、分化マーカー発現低下、長期増殖能、自己複製能、運動能亢進、造腫瘍能亢進に加え、腫瘍細胞だけではなく間質細胞への分化能を示すなどがん幹細胞様の性質を持つことを明らかにした。平滑筋への分化条件下で3次元培養を行ったところ、SP細胞はα-Smooth muscle actinを発現する細胞に分化した。SP細胞はnon-SP細胞に比べて、マイクロアレイのパスウェイ解析にて上皮間葉移行(EMT)に関与するシグナル伝達経路を構成する遺伝子群の発現が亢進していた。EMT関連遺伝子であるSPARC,fibtonectinの発現と運動能の亢進は正の相関を示した。現在、EMT関連遺伝子発現の細胞生物学的影響を解析中である。.
161. 加藤 聖子, 産婦人科をめぐる話題, 平成29年度鹿児島大学医学部産科婦人科学教室同門会(碩門会), 2017.12.
162. 加藤 聖子, 子宮頸がんをめぐる話題, 県北産婦人科医会学術講演会, 2017.12.
163. Onoyama I, Sonoda K, Mechael,R Green, Kato K, Poster Exhibition; Oncogenic BRAF promotes global DNA hypomethylation via upregulation of DNA demethylase TET3 level
, The 5th Biennial Meeting of Asian Society of Gynecologic Oncology (ASGO), 2017.11, Although a hallmark of human cancer genomes is global DNA hypomethylation accompanied by focal DNA hypermethylation, the basis of DNA hypomethylation remains to be determined. We investigated the mechanisms and
the biological significance of DNA hypomethylation in the process of carcinogenesis.
With the use of embryonic fibroblasts from oncogenic BrafV600E knock-in mice, we found that the expression of BrafV600E is sufficient to promote global DNA hypomethylation. DNA demethylase Tet3 is maintained at low level resulting from ubiquitination and degradation by SCF-type ubiquitin ligase SCF Fbxw7 in wild type mice. BrafV600E increased Tet3 protein levels via inhibition of Gsk3β、an inhibitor of Tet3 phosphorylation that is required for SCF Fbxw7-mediated ubiquitination. Consistent with these results, we found that the levels of TET3 and 5-hydroxymethylcytosine, an intermediate product of 5-methylcytosine demethylation, increased in human colorectal adenomas containing BRAFV600E. Conversely, we showed that knockdown of Tet3 decreased BrafV600E-induced lung tumorigenesis in mice.
Our results elucidate a mechanism of global DNA hypomethylation promoted by oncogenic BRAF and establish an essential role for TET3 at an early stage of oncogenesis.
.
164. Kodama K, Sonoda K, Kijima M, Yamaguchi S, Yagi H, Yasunaga M, Ogami T, Onoyama I, Kaneki E, Okugawa K, Kato K, Retrospective analysis of 14 leiomyosarcoma cases treated in our institution, The 5th Biennial Meeting of Asian Society of Gynecologic Oncology (ASGO), 2017.11, Background and Objectives: Uterine leiomyosarcoma is a highly aggresive and lethal disease. This malignancy remains the most common type of uterine sarcoma, affecting approximately 0.4/100,000 women per year. Our aim is to assess the treatment and prognosis of leiomysarcoma patients
Methods: We retrospectively analyzed the clinicopathological variables and prognosis in 14 patients who were treated at our institution.
Results: A total of 14 patients were trated at our institution between January 2008 and July 2017. The median patients age and observation period were 63 years(range, 35-83 years) and 17months(range, 5-75 months), respectively. The largest group of patients by tumor stage was IB(IB, n=8; IIB, n=1; IVB, n=3); the largest group by historogical subtype was conventional leiomyosarcoma(conventional, n=11; myxoid, n=2; epithelioid, n=1). We performed total abdominal hysterectomy and bilateral salpingo-oophorectomy for all patients with additional operative procedure(e.g. tumor resection, lymphadenectomy) if necessary. Twelve patients received adjuvant chemotherapy consisting of docetaxel and gemcitabine. Ten patients experienced recurrence and multidisciplinary therapy was performed including tumor resection, chemotherapy, radiation and molecular-targetted agents. In observation period so far, 11 patients are alive (without disease, n=5; with disease, n=6).
Conclusions: Although uterine leiomyosarcoma is a lethal tumor, multidisciplinary therapy might be useful to control disease after recurrence. .
165. 兼城 英輔, 貴島 雅子, 小玉 敬亮, 山口 真一郎, 八木 裕史, 大神 達寛, 安永 昌史, 小野山 一郎, 権丈 洋徳, 奥川 馨, 矢幡 秀昭, 園田 顕三, 加藤 聖子, 胞状奇胎の搔爬術 - 再搔爬は必要?, 第35回日本絨毛性疾患研究会, 2017.11, 本邦では胞状奇胎除去術後の再搔爬が多くの施設で行われてきた。絨毛性疾患取り扱い規約ー第3版ーでも、「画像検査で胞状奇胎の遺残が疑われる場合は1週間後に再度子宮内容搔爬を施行し、胞状奇胎の遺残がないことを組織学的に確認することが望ましい」と記載されている。一方で、海外では胞状奇胎に対して通常1回の搔爬のみ行われている。奇胎除去後に続発性症を発症した場合に再搔爬は不要とする報告は存在するが、本邦で行われている胞状奇胎除去術より1週間目での再搔爬の有用性について検討した報告はない。当科で胞状奇胎除去術を施行した症例の後方視的解析をもとに再搔爬の必要性を検討した。.
166. 兼城 英輔, 奥川 馨, 矢幡 秀昭, 園田 顕三, 加来 恒壽, 加藤 聖子, 絨毛性疾患の病理診断と細胞像, 第56回日本臨床細胞学会秋期大会, 2017.11.
167. 加藤 聖子, 子宮内膜に対するステロイドホルモンの作用機序とその臨床効用, ウィメンズヘルスケアカンファレンス, 2017.11.
168. 加藤 聖子、小野山一郎、大神達寛、園田顕三, 子宮体癌発癌機構研究の新たな展開と分子標的治療薬の展望, 第55回日本癌治療学会学術集会, 2017.10.
169. 加藤 雅也, 小野山 一郎, 小玉 敬亮, 八木 裕史, 淺野間 和夫, 園田 顕三, 加藤 聖子, 子宮体癌におけるDUSP6 の発現は癌幹細胞形質維持に関わる, 第76回日本癌学会学術総会, 2017.09.
170. Kato K, Study of endometrial cell aging, The 22nd Seoul International Symposium, 2017.09.
171. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究, 第4回新潟産婦人科シンポジウム, 2017.09.
172. 加藤 聖子, 子宮内膜症をめぐる話題, 第25回鴨和腫瘍カンファレンス, 2017.06.
173. 加藤 聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 第63回愛媛県産婦人科医会学術集談会・第29回愛媛県産婦人科医会臨床集談会, 2017.05.
174. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略~エクオールの有効性と安全, ウィメンズヘルスケアセミナーin和歌山, 2017.05.
175. 加藤 聖子, 産婦人科領域における下部尿路障害について, 第6回久遠会, 2017.05.
176. 加藤 聖子, 産婦人科医療の未来に向けて, 平成29年度岐阜大学医学部産科婦人科学教室同門会総会, 2017.04.
177. Kitade S, Onoyama I, Yagi H, Yoshida S, Kato M, Tsunematsu R, Asanoma K, Sonoda K, Kobayashi H, Hata K, Kiyoko Kato, FBXW7 is involved in the acquisition of the malignant phenotype in epithelial ovarian tumors.
, 第69回日本産科婦人科学会学術講演会, 2017.04, FBXW7 is a ubiquitin ligase that mediates ubiquitylation of oncoproteins, such as c-Myc, cyclin E, Notch and c-Jun. FBXW7 is a known tumor-suppressor gene, and mutations in FBXW7 have been reported in various human malignancies. In this study, we examined the sequences of the FBXW7 and p53 genes in 57 ovarian cancer clinical samples. Interestingly, we found no FBXW7 mutations associated with amino acid changes. We also investigated FBXW7 expression levels in 126 epithelial ovarian tumors. FBXW7 expression was negatively correlated with the malignant potential of ovarian tumors. That is to say, FBXW7 expression levels in ovarian cancer samples were significantly lower than those in borderline and benign tumors (P
178. Yagi H, Kodama K, Yasunaga M, Ogami T, Onoyama I, Asanoma K, Sonoda K, Kato K, The pivotal role of LATS1 in ovarian cancer progression.
, 第69回日本産科婦人科学会学術講演会, 2017.04.
179. 加藤 聖子, 子宮内膜をめぐる話題, 第2回大分中村病院 地域連携懇談会, 2017.01.
180. 加藤 聖子, 絨毛細胞をめぐる最近の話題, 宮崎県県北産婦人科医会(二八会)12月度例会学術講演会, 2016.12.
181. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~, 第179回秋田県産科婦人科学会学術講演会・秋田県産婦人科医会研修会, 2016.11.
182. 加藤 聖子, 婦人科癌治療の現状と次世代への展望, 第62回徳島婦人科腫瘍研究会, 2016.10.
183. Kiyoko Kato, Japan Society of Gynecologic Oncology guidelines 2013 for the treatment of uterine body neoplasms., 第54回日本癌治療学会学術総会, 2016.10.
184. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究とその臨床応用, 第8回産婦人科内分泌研究会, 2016.09.
185. Kiyoko Kato, Identification and characterization of human trophoblast stem-like cells., The 102nd Annual Congress of Korean Society of Obstetrics and Gynecology, 2016.09.
186. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~, 熊本市産婦人科医会, 2016.08.
187. 加藤 聖子, 婦人科がん治療の現状と次世代への展望, 第89回埼玉県産科婦人科学会, 2016.07.
188. 加藤 聖子, 婦人科がん治療の現状と次世代への展望, 第141回東北連合産科婦人科学会, 2016.06.
189. 加藤 聖子, 産婦人科領域における血栓症スクリーニングの新たな試み, 第38回日本血栓止血学会学術集会, 2016.06.
190. 加藤 聖子, The current state of female doctors in Japanese Obstetrics and Gynecology.
, Ludwig Boltzmann Forum/Woman’s development and ledership, 2016.05.
191. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略~エクオールの有効性と安全性の科学的検証~
, 第229回大分市医師会産婦人科臨床検討会, 2016.03.
192. 加藤 聖子, 産婦人科医療をめぐる新しい展開について., 北九州産婦人科医会・八幡産婦人科医会学術講演会, 2016.03.
193. 加藤 聖子, 産婦人科医療をめぐる話題., 平成27年度「鸛の会」学術講演会, 2016.03.
194. 加藤 聖子, 卵巣がんの治療をめぐる話題., 宮崎県 県北産婦人科医会学術講演会, 2015.12.
195. Kiyoko Kato, Identification and characterization of endometrial cancer stem-like cells.
, The 4th Biennial Meeting of Asian Society of Gynecologic Oncoligy, 2015.11.
196. 加藤 聖子, がん幹細胞ー子宮体がん幹細胞の生物学的特性の解析と治療開発への展望., 第53回日本癌治療学会学術集会, 2015.10.
197. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略-エクオールの有効性と安全性の科学的検証., 第133回近畿産科婦人科学会学術集会, 2015.10.
198. 加藤 聖子, 子宮内膜幹細胞の特性の解析, 第18回日本IVF学会学術集会, 2015.09.
199. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略-エクオールの有効性と安全性の科学的検証., 第39回日本産科婦人科栄養・代謝研究会, 2015.08.
200. 加藤 聖子, JOGRのPlagiarismへの対応, Wiley Executive Seminar, 2015.08.
201. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究の現状と今後の展望., 第170回新潟産科婦人科集談会, 2015.06.
202. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究., 第25回生殖医学研究会講演会, 2015.04.
203. 加藤 聖子, 婦人科腫瘍発生母地の考察., 第302回青森県臨床産婦人科医会, 2015.04.
204. 加藤 聖子, 子宮体癌の発生・進展機構の解明と新規治療法の開発―がん幹細胞の観点から―, 第67回日本産科婦人科学会学術講演会, 2015.04.
205. 加藤 聖子, 乳酸菌を用いた新規大豆発酵食品「エクオール含有食品」~有効性と安全性の科学的検証~, 第67回日本産科婦人科学会学術講演会, 2015.04.
206. Hiroshi Yagi, Kenzo Sonoda, Kiyoko Kato, The Gα12/13-YAP signaling axis driving proliferation of ovarian cancer cells., 第67回日本産科婦人科学会学術講演会, 2015.04.
207. 加藤 聖子, 更年期症状緩和の新しい戦略~エクオールの有効性と安全性~, 大分産婦人科女医の会, 2015.03.
208. Kiyoko Kato, Identification of endometrial cancer stem-like cells as a target for cancer therapy., The 54th Annual Congress & The 4th International Symposium of Taiwan Association of Obstetrics and Gynecology, 2015.03, Stem-like cell subpopularions,side-population(SP)cells,have been identified in several tumor types based on their ability to remove intracellular Hoechst 33342,a fluorescent dye,We have demonstrated that endometrial cancer SP cells possess cancer stem-like cell features including self-renewal capacity, enhanced migration,and bi-potential development(tumor cells and stroma-like cells).We showed that sodium butyrate,a histone deacetylase(HDAC)inhibitor,inhibited the self-renewal capacity of endometrial cancer SP cells by inducing a DNA damage response and salinomycin suppressed migration and proliferation of endometrial cancer SP cells by inducing apoptosis.Recently,we have demonstrated that the level of SPARC(secreted protein acidic and rich in cysteine),which is a target molecule of nab-paclitaxel,was enhanced in endmetrial cancer SP cells.SPARC was overexpressed in poorly differentiated endometrioid,clear and serous adenocarcinoma,but not in normal endometrial tissue.These results suggest that HDAC inhibitors,salinomycin and nab-paclitaxel would be promising drugs for endometrial cancer stem-like cells..
209. 加藤 聖子, 婦人科腫瘍発生母地の考察., 第16回北陸GOG Open clinical conference, 2015.01.
210. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞の研究., 第2回愛宕Gynecolology Conference, 2015.01.
211. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究とその臨床応用., 平成26年度富山県産科婦人科学会第4回例会・特別講演会, 2015.01.
212. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究と、その臨床応用., 三重県産婦人科医会特別研修会, 2014.11.
213. 加藤 聖子, 症例より学ぶ~婦人科腫瘍発生母地の考察., 第17回大阪医科大学産婦人科オープンクリニカルカンファレンス, 2014.11.
214. 加藤 聖子, 婦人科腫瘍の発生母地の考察, 第35回東海卵巣腫瘍研究会, 2014.10.
215. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞の研究, 長崎県婦人科腫瘍学術講演会, 2014.10.
216. 加藤 聖子, 婦人科がん幹細胞を標的とした治療法の開発, 第592回宮城産科婦人科学会集談会・第7回宮城女性医学懇話会, 2014.10.
217. 稲垣 徹訓, 加藤 聖子, 楠木 総司, 椨 康一, 岡部 瞳, 山田 いずみ, 田賀 哲也, 松本 あけみ, 竹澤 俊明, 牧野 真太郎, 竹田 省, HTR-8/SVneo SP細胞の特性解析, 第22回日本胎盤学会学術集会, 2014.10.
218. 加藤 聖子, 子宮体癌幹細胞を標的とした分子標的治療の開発, 第73回日本癌学会学術総会, 2014.09.
219. 加藤 聖子, 子宮体癌幹細胞を標的とした分子標的治療の開発, 第73回日本癌学会学術総会, 2014.09.
220. 加藤 聖子, 腫瘍発生母地としてのミュラー管を考える, 岡山県産婦人科専門医会, 2014.09.
221. 加藤 聖子, 婦人科がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発, 第32回日本ヒト細胞学会学術集会, 2014.08.
222. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究とその臨床応用, 平成26年度岩手産科婦人科学会総会並びに学術講演会, 2014.04.
223. 増田 彩子, 加藤 聖子, 稲垣 徹訓, 楠木 総司, 宮田 知子, 竹田 省, 秦 健一郎, がん幹細胞形質獲得に関連するエピゲノム変化と遺伝子発現変化の統合解析
, 第66回日本産科婦人科学会学術講演会, 2014.04.
224. Hiroshi Yagi, Kenzo Sonoda, Hiroaki Kobayashi, Kiyoko Kato, IS Award Candiate:The role of GEP oncogenes, G12 and G13, in the progression of ovarian cancer.
, 第66回日本産科婦人科学会学術講演会, 2014.04.
225. KAZUO ASANOMA, Hiroaki Kobayashi, Norio Wake, Kiyoko Kato, Transcriptional factors, DEC1 and DEC2 cooperatively regulate epithelial-to-mesenchymal transition of uterine endometrial cancer cells.
, 第66回日本産科婦人科学会学術講演会, 2014.04.
226. 加藤 聖子, 静脈血栓症マネジメント-VTE update- 世界のガイドラインから日本の診療への基礎と臨床., 九州大学産婦人科血栓症勉強会, 2014.02.
227. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究., 第7回埼玉医科大学 婦人科腫瘍セミナー, 2014.01.
228. 加藤 聖子, 腫瘍発生母地としてのミューラー管を考える., いわき市医師会産婦人科部会講演会, 2014.01.
229. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究., 第129回近畿産科婦人科学会学術集会, 2013.11.
230. 加藤 聖子, 症例より学ぶ―腫瘍発生母地としてのミューラー管を考える―, 第25回平地会臨床懇話会・第35回大阪大学産婦人科オープンクリニカルカンファレンス, 2013.11.
231. 加藤聖子, 子宮内膜症発生・発癌メカニズムと薬物療法, 宮崎市郡産婦人科医会学術講演会, 2013.10.
232. 福嶋 恒太郎, 加藤聖子, 妊娠高血圧症候群発症の頻度は前置胎盤初妊婦では低い, 第34回日本妊娠高血圧学会学術集会, 2013.10.
233. 加藤聖子, Development of new cancer therapy by targeting endometrial cancer stem cells, 第72回日本癌学会学術総会, 2013.10.
234. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究., 鹿児島産科婦人科学会, 2013.09.
235. 加藤聖子, 子宮内膜・体癌幹細胞の同定と生物学的特性の解析, 第13回日本内分泌学会九州地方会, 2013.08.
236. 福嶋 恒太郎, 加藤聖子, 前置胎盤初妊婦では妊娠高血圧症候群発症の頻度が低い周産期登録データベース22359 分娩の解析から
, 第49回日本周産期・新生児医学会学術集会, 2013.07.
237. 加藤聖子, 子宮体がん幹細胞の生物学的特性の解析と新規治療法の開発, 第125回関東連合産科婦人科学会総会・学術総会, 2013.06.
238. 加藤 聖子, 産婦人科における幹細胞研究., 平成25年度山口産科婦人科学会アフタヌーンセミナー, 2013.06.
239. 稲垣徹訓, 加藤 聖子, 楠木総司, 岡部瞳, 絨毛幹細胞の同定, 第65回日本産科婦人科学会学術講演会, 2013.05.
240. 楠木総司, 加藤 聖子, 稲垣徹訓, 岡部瞳, 須賀新, 金田容秀, 寺尾泰久, 竹田省, 子宮体癌幹細胞のマーカーの同定, 第65回日本産科婦人科学会学術講演会, 2013.05.
241. 河野彩子, 加藤聖子, 稲垣徹訓, 楠木総司, 宮田知子, 竹田省, 秦健一郎, がん幹細胞形質獲得関連遺伝子の統合解析, 第65回日本産科婦人科学会学術講演会, 2013.05.
242. 加藤 聖子, 子宮内膜の機能とその異常, 北九州産婦人科医会・八幡産婦人科医会学術講演会, 2013.04.
243. 加藤聖子, 磯部明子, 松下幾恵, 恒松良祐, 岡本加奈子, 内田聡子, 和氣徳夫, ヒト正常子宮内膜stem like cellの同定と解析, 第53回日本生殖医学会総会, 2008.10.
244. Kato K, Wake N, Epithelial to mesenchymal transition is an important phenotype of
endometrial cancer stem-like cells
, 第67回日本癌学会学術総会, 2008.10.
245. 加藤聖子,高尾知佳,大神達寛,山口真一郎,米田智子,田中義弘,和氣徳夫, 子宮体癌細胞のstem like cellの同定と生物学的特性の解析, 第49回日本臨床細胞学会総会(春季大会), 2008.06.
246. Kiyoko Kato, Tomoka Takao, Yoshihiro Tanaka, Tatsuhiro Oogami, Tomoko Yoneda,Norio Wake, Endometrial side population cells show characteristics of cancer stem-like cells, 第60回日本産科婦人科学会学術講演会, 2008.04.
247. Kiyoko Kato,Norio Wake, Endometrial cancer side population cells show the phenotype of cancer stem-like cell, 第66回日本癌学会学術総会, 2007.10.
248. 加藤聖子,大神達寛,山口真一郎,米田智子,浅野間和夫,和氣徳夫, 子宮体癌細胞のstem like cellの同定と生物学的特性の解析
, 第59回日本産科婦人科学会学術講演会, 2007.04.
249. 加藤聖子, 子宮体癌細胞のside population細胞の解析, 第65回日本癌学会学術総会, 2006.09.
250. 加藤聖子, 子宮内膜発癌機構におけるstem-like-cellの関与, 子宮内膜疾患研究会, 2006.05.
251. 大神達寛、加藤聖子、山口真一郎、浅野間和夫、和氣徳夫, 婦人科癌細胞に対するMithramycin Aの増殖抑制効果, 第58回日本産科婦人科学会学術講演会, 2006.04.
252. 加藤聖子、大神達寛、浅野間和夫、山口真一郎、和氣徳夫, 子宮内膜細胞の癌化機構におけるstem-like-cellの関与, 第58回日本産科婦人科学会学術講演会, 2006.04.
253. 加藤聖子, エストロゲン依存性腫瘍の発癌機構の解明と治療法の開発, 第23回日本絨毛性疾患研究会, 2005.10.
254. 加藤聖子, エストロゲン依存性腫瘍の発癌機構の解明と治療法の開発, 第14回産婦人科分子内分泌懇話会, 2005.10.
255. 須賀新、加藤聖子、山吉麻子、和氣徳夫, Ras/ERα/MDM2経路を標的にした分子標的療法開発の試み, 第9回がん分子標的治療研究会総会, 2005.06.
256. 加藤聖子、一戸晶元、須賀新、山吉麻子、有馬隆博、和氣徳夫, 子宮内膜・子宮体癌幹細胞の同定, 第57回日本産婦人科学会学術講演会, 2005.04.
257. Kiyoko Kato, Contribution of estrogen receptors alpha to oncogenic K-Ras-mediated NIH3T3 cell transformation and its implication to escape from senescence by modulating the p53 pathway., The US-Japan workshop on : The role of nuclear receptors in carcinogenesis, 2004.03.
258. 堀内新司、加藤聖子、上岡陽亮、寺尾泰久、西田純一、和氣徳夫, 広汎子宮全摘術後に急性腎不全に陥った子宮体癌の1例, 第55回日本産科婦人科学会九州連合地方部会, 2000.05.
259. 寺尾泰久、西田純一、加藤聖子、和氣徳夫, 酪酸ナトリウム(NaB)を用いた癌の分子標的療法, 第4回がん分子標的治療研究会, 2000.06.
260. 加藤聖子, 子宮内膜の機能とその異常, 第52回日本産科婦人科学会学術講演会, 2000.04.
261. 堀内新司、加藤聖子、上岡陽亮、寺尾泰久、西田純一、江本 精*、蜂須賀徹*、瓦林達比古*、和氣徳夫(福岡大*), 子宮体癌細胞におけるER, PR, サイクリンGの機能, 第52回日本産科婦人科学会学術講演会, 2000.04.
262. 小川昌宣、加藤聖子、上岡陽亮、和氣徳夫, 器質的原因を認めない月経異常に対するGnRHの効果の検討, 第7回GnRH研究会プログラム, 2000.04.
263. 坂本隆子、加藤聖子、森宏之、和氣徳夫, ヒト乳癌、子宮内膜癌細胞株におけるエストロゲンレセプター(ER)、エストロゲン(E2)、およびEGFの役割, 第22回 日本分子生物学会, 1999.12.
264. 栗秋ユミ子、加藤聖子、上岡陽亮、堀内新司、寺尾泰久、西田純一、和氣徳夫, 子宮体癌細胞におけるK-RasとH-Rasの機能の比較検討, 第58回 日本癌学会, 1999.09.
265. 加藤聖子, 子宮内膜癌化に対するステロイドホルモンレセプターの関与, 第7回 日本乳癌学会, 1999.05.
266. 栗秋ユミ子、加藤聖子、上岡陽亮、堀内新司、寺尾泰久、西田純一、和氣徳夫, Ras dominant negative発現adenovirusによる子宮体癌の増殖能及び腫瘍能の抑制効果と_のメカニズムの解析, 第51回 日本産科婦人科学会学術講演会, 1999.04.
267. 上岡陽亮、加藤聖子、堀内新司、栗秋ユミ子、寺尾泰久、西田純一、和氣徳夫, 卵巣癌細胞の浸潤能に対するHGFの効果, 第51回 日本産科婦人科学会学術講演会, 1999.04.
268. 堀内新司、加藤聖子、坂本隆子*、上岡陽亮、栗秋ユミ子、西田純一、蜂須賀徹**、瓦林達比古**、和氣徳夫, 子宮体癌細胞株におけるER変異型の役割, 第51回 日本産科婦人科学会学術講演会, 1999.04.
269. 加藤聖子、堀内新司、加藤圭次*、上岡陽亮、栗秋ユミ子、寺尾泰久、 西田純一、和氣徳夫, Rasを介する細胞増殖能に対するdominant negative ERの効果, 第51回 日本産科婦人科学会学術講演会, 1999.04.
270. 堀内新司、上岡陽亮、栗秋ユミ子、西田純一、加藤聖子、和氣徳夫、吉河康二, 原発性腹膜悪性腫瘍の5例, 第52回日本産科婦人科学会九州連合地方部会, 1998.11.
271. 栗秋ユミ子、加藤聖子、西田純一、上岡陽亮、和氣徳夫, 子宮頚癌放射線治療後に発症した子宮体癌Carcinosarcomaの一例, 第50回 日本母性保護産婦人科医会九州ブロック会学術講演会, 1998.05.
272. 加藤聖子、加藤圭次、上岡陽亮、栗秋ユミ子、八谷俊朗、西田純一、和氣徳夫, Rasを介する腫瘍能に対するエストロゲンレセプターの関与, 第50回 日本産科婦人科学会総会学術講演会, 1998.04.
273. 八谷俊朗、加藤聖子、上岡陽亮、栗秋ユミ子、西田純一、和氣徳夫, ERシグナル伝達系の乳癌発生への関与, 第50回 日本産科婦人科学会総会学術講演会, 1998.04.
274. 上岡陽亮、加藤聖子、八谷俊朗、栗秋ユミ子、西田純一、和氣徳夫, 卵巣癌細胞におけるHGFのシグナル伝達経路の検討, 第50回 日本産科婦人科学会総会学術講演会, 1998.04.
275. 栗秋ユミ子、加藤聖子、上岡陽亮、八谷俊朗、西田純一、和氣徳夫, Rasドミナントネガティブ発現アデノウイルスによる子宮内膜癌細胞の増殖抑制効果, 第50回 日本産科婦人科学会総会学術講演会, 1998.04.

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